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技術 アルミナコロイド含有水溶液

出願人 多木化学株式会社
発明者 黒田武利寺尾雅樹
出願日 2016年10月24日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2016-208066
公開日 2017年5月25日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-088481
状態 特許登録済
技術分野 アルカリ土類,Al,希土類金属化合物
主要キーワード チンダル現象 キレート滴定法 漏れ率 両水溶液 無機酸根 乳酸含有量 沈殿防止 アルミナコロイド
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年5月25日)のものです。
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課題

アルミナ水和物等からなるコロイド及びイオン性アルミニウム化合物を含有したアルミナコロイド含有水溶液において、アルカリ剤として、従来技術で使用されていた化合物群、即ち、アルカリ金属水酸化物炭酸塩重炭酸塩アンモニアアンモニウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、アミン類尿素、を使用しないアルミナコロイド含有水溶液の開発を課題とする。

解決手段

アルカリ剤として、アルカリ土類金属化合物を使用し、有機酸として乳酸を選択したアルミナコロイド含有水溶液である。即ち、アルミニウムアルカリ土類金属及び乳酸を含有し、pHが5〜8の範囲であることを特徴とするものである。

概要

背景

本願出願人は、先に特許文献1においてアルミナコロイド含有水溶液に関する技術を開示した。特許文献1に記載のアルミナコロイド含有水溶液は、アルミナ水和物等からなるコロイド(これを「アルミナコロイド」と称す)及びイオン性アルミニウム化合物を含有したpH5.5〜9の水溶液であって、有機酸とアルミナ水和物とアルカリ剤とを含有するものである。アルカリ剤として開示したものは、アルカリ金属水酸化物水酸化ナトリウム水酸化カリウム等)、炭酸塩重炭酸塩アンモニアアンモニウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、アミン類尿素であった(以下、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩を「アルカリ金属系化合物」と称し、アンモニア、アンモニウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、アミン類、尿素を「アンモニア系化合物」と称す)。

しかし、アルカリ金属系化合物又はアンモニア系化合物を含有したアルミナコロイド含有水溶液は、触媒の種類や適用方法によっては触媒性能の低下を引き起こすことがあった。このため、これらを含有しないアルミナコロイド含有水溶液が求められていた。

概要

アルミナ水和物等からなるコロイド及びイオン性アルミニウム化合物を含有したアルミナコロイド含有水溶液において、アルカリ剤として、従来技術で使用されていた化合物群、即ち、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、アンモニア、アンモニウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、アミン類、尿素、を使用しないアルミナコロイド含有水溶液の開発を課題とする。アルカリ剤として、アルカリ土類金属化合物を使用し、有機酸として乳酸を選択したアルミナコロイド含有水溶液である。即ち、アルミニウムアルカリ土類金属及び乳酸を含有し、pHが5〜8の範囲であることを特徴とするものである。なし

目的

本発明は、アルカリ金属系化合物とアンモニア系化合物を含有しないアルミナコロイド含有水溶液の開発を課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

アルミニウムアルカリ土類金属及び乳酸を含有し、アルミニウムがコロイド及び溶質の両方で検出され、pHが5〜8の範囲であることを特徴とするアルミナコロイド含有水溶液

請求項2

乳酸/Al2O3のモル比が1.0〜6.0の範囲である請求項1記載のアルミナコロイド含有水溶液。

請求項3

アルカリ土類金属をMとしたときに、M/Al2O3のモル比が0.2〜3.0の範囲である請求項1又は2記載のアルミナコロイド含有水溶液。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項記載のアルミナコロイド含有水溶液を分画分子量10000の限外ろ過膜でろ過したときの、ろ液中のAl2O3が、ろ過前の水溶液中のAl2O3に対して、5〜50質量%であるアルミナコロイド含有水溶液。

請求項5

以下の(A)〜(D)のいずれかの方法による請求項1〜4のいずれか1項記載のアルミナコロイド含有水溶液の製造方法。(A)アルミナ水和物と乳酸とアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩とを水存在下で混合し、得られた混合液加熱処理する工程を含む方法。(B)乳酸アルミニウム又は塩基性乳酸アルミニウムとアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩又は乳酸塩とを水存在下で混合し、得られた混合液を必要に応じて加熱処理する工程を含む方法。(C)アルカリ土類金属の乳酸塩と乳酸とアルミナ水和物とを水存在下で混合し、得られた混合液を加熱処理する工程を含む方法。(D)乳酸アルミニウム又は塩基性乳酸アルミニウムとアルカリ土類金属の乳酸塩とアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩とを水存在下で混合し、得られた混合液を必要に応じて加熱処理する工程を含む方法。

請求項6

アルミニウム、アルカリ土類金属及び乳酸を含有した粉体であって、当該粉体を水に分散させたときに、アルミニウムがコロイド及び溶質の両方で検出され、pHが5〜8の範囲を示す粉体。

請求項7

請求項1〜4のいずれか1項記載のアルミナコロイド含有水溶液を、乾燥することによって粉体を製造する方法。

技術分野

0001

本発明は、アルミナコロイド含有水溶液に関する。

背景技術

0002

本願出願人は、先に特許文献1においてアルミナコロイド含有水溶液に関する技術を開示した。特許文献1に記載のアルミナコロイド含有水溶液は、アルミナ水和物等からなるコロイド(これを「アルミナコロイド」と称す)及びイオン性アルミニウム化合物を含有したpH5.5〜9の水溶液であって、有機酸とアルミナ水和物とアルカリ剤とを含有するものである。アルカリ剤として開示したものは、アルカリ金属水酸化物水酸化ナトリウム水酸化カリウム等)、炭酸塩重炭酸塩アンモニアアンモニウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、アミン類尿素であった(以下、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩を「アルカリ金属系化合物」と称し、アンモニア、アンモニウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、アミン類、尿素を「アンモニア系化合物」と称す)。

0003

しかし、アルカリ金属系化合物又はアンモニア系化合物を含有したアルミナコロイド含有水溶液は、触媒の種類や適用方法によっては触媒性能の低下を引き起こすことがあった。このため、これらを含有しないアルミナコロイド含有水溶液が求められていた。

先行技術

0004

特許第5582999号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、アルカリ金属系化合物とアンモニア系化合物を含有しないアルミナコロイド含有水溶液の開発を課題とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、アルミナコロイド含有水溶液におけるアルカリ剤として、アルカリ金属系化合物とアンモニア系化合物以外で有効に作用する化合物を探索した結果、意外にも、水に対する溶解度が低いためにアルカリ剤としての作用を発揮し得ないと考えていたアルカリ土類金属化合物を適用したとしても、有機酸として乳酸を選択することにより、目的とするアルミナコロイド含有水溶液が得られることを見出し、係る知見を基に本発明を完成した。

0007

即ち、本発明は以下のとおりである。
[1]アルミニウムアルカリ土類金属及び乳酸を含有し、アルミニウムがコロイド及び溶質の両方で検出され、pHが5〜8の範囲であることを特徴とするアルミナコロイド含有水溶液。
[2]乳酸/Al2O3のモル比が1.0〜6.0の範囲である上記[1]記載のアルミナコロイド含有水溶液。
[3]アルカリ土類金属をMとしたときに、M/Al2O3のモル比が0.2〜3.0の範囲である上記[1]又は[2]記載のアルミナコロイド含有水溶液。
[4]上記[1]〜[3]のいずれか1項記載のアルミナコロイド含有水溶液を分画分子量10000の限外ろ過膜でろ過したときの、ろ液中のAl2O3が、ろ過前の水溶液中のAl2O3に対して、5〜50質量%であるアルミナコロイド含有水溶液。
[5]以下の(A)〜(D)のいずれかの方法による上記[1]〜[4]のいずれか1項記載のアルミナコロイド含有水溶液の製造方法。
(A)アルミナ水和物と乳酸とアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩とを水存在下で混合し、得られた混合液加熱処理する工程を含む方法。
(B)乳酸アルミニウム又は塩基性乳酸アルミニウムとアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩又は乳酸塩とを水存在下で混合し、得られた混合液を必要に応じて加熱処理する工程を含む方法。
(C)アルカリ土類金属の乳酸塩と乳酸とアルミナ水和物とを水存在下で混合し、得られた混合液を加熱処理する工程を含む方法。
(D)乳酸アルミニウム又は塩基性乳酸アルミニウムとアルカリ土類金属の乳酸塩とアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩とを水存在下で混合し、得られた混合液を必要に応じて加熱処理する工程を含む方法。
[6]アルミニウム、アルカリ土類金属及び乳酸を含有した粉体であって、当該粉体を水に分散させたときに、アルミニウムがコロイド及び溶質の両方で検出され、pHが5〜8の範囲を示す粉体。
[7]上記[1]〜[4]のいずれか1項記載のアルミナコロイド含有水溶液を、乾燥することによって粉体を製造する方法。

0008

[アルミナコロイド含有水溶液]
以下、本発明のアルミナコロイド含有水溶液について詳細に説明する。
本発明のアルミナコロイド含有水溶液は、アルミニウム、アルカリ土類金属及び乳酸を含有し、アルミニウムがコロイド及び溶質の両方で検出され、pHが5〜8の範囲であることを特徴とするものである。

0009

アルカリ土類金属としては、マグネシウムカルシウムストロンチウムバリウム等が好例である。本発明のアルミナコロイド含有水溶液には、これらのうち2種以上が含有されていても構わない。

0010

本発明のアルミナコロイド含有水溶液中では、アルミニウムがコロイド及び溶質の両方で検出されるものである。換言すれば、アルミニウムは、コロイドとイオンの両方の形態で存在すると云える。コロイドにおいては、アルミニウムはアルミナ水和物等の形態で存在し、また、イオンにおいては、イオン性アルミニウム化合物(アルミニウムイオンを含む)の形態で存在しているものと推測される。コロイドの存在は、例えば、チンダル現象によって確認することができる。

0011

上記アルミニウムの検出に関する好適な一態様は、アルミナコロイド含有水溶液を分画分子量10000の限外ろ過膜でろ過し、このときのろ過漏れ率(ろ過前の水溶液中のAl2O3に対するろ液中のAl2O3の質量%)によって評価するものである。ここで、ろ液を測定して検出されたアルミニウム量を溶質のアルミニウム量とみなすことができ、また、アルミナコロイド含有水溶液に含まれるアルミニウム量を全アルミニウム量としたときに、全アルミニウム量から溶質のアルミニウム量を差し引いたものをコロイドのアルミニウム量とみなすことができる。ろ過漏れ率としては、5〜50質量%の範囲内であることが好ましい。このとき、イオン性アルミニウム化合物とアルミナコロイドがAl2O3として5:95〜50:50の質量比で存在するとみなすこともできる。

0012

また、本発明のアルミナコロイド含有水溶液のpH範囲は5〜8であり、5.5〜9である特許文献1に記載のアルミナコロイド含有水溶液とはpH範囲に多少のずれがある。これは、両水溶液に用いているアルカリ剤の違いに起因したものである。

0013

本発明のアルミナコロイド含有水溶液の乳酸/Al2O3のモル比については、1.0〜6.0の範囲であることが好ましい。上記モル比が1.0未満のときは、未反応のアルミニウム成分が残存するため均一な溶液状態が得られ難くなる。一方、上記モル比が6.0を上廻ると、一旦目的とする溶液状態が得られたとしても数日程度の保管沈殿物の発生やゲル化が生じて不安定な溶液となり易く、また、イオン性のアルミニウム成分が過剰量に生成し易くなるため好ましくない。

0014

また、本発明のアルミナコロイド含有水溶液は、アルカリ土類金属をMとしたときに、M/Al2O3のモル比が0.2〜3.0の範囲のものであることが好ましい。上記モル比が0.2未満ではアルカリ剤としての作用が十分に得られないため沈殿が発生し易くなる。一方、上記モル比が3.0を上廻ると、増粘し易くなり、固化することもある。

0015

本発明のアルミナコロイド含有水溶液は、pH範囲が5〜8の範囲内となるように、乳酸とアルカリ土類金属の含有量を適宜設定することが好ましい。有機物即ち乳酸含有量が少ないことが望ましい用途においては、例えば、乳酸/Al2O3のモル比を1.0〜2.0の範囲とすることが好適であり、それに応じて上記pH範囲内となるようにアルカリ土類金属の含有量を適宜設定することが好ましく、好例はM/Al2O3のモル比が0.2〜0.4の範囲である。

0016

本発明のアルミナコロイド含有水溶液中のAl2O3濃度については、上限は20質量%であることが好ましい。20質量%を超えると粘性が上昇し、ハンドリング性が悪化する傾向にある。Al2O3濃度の下限については特に制限はないが、経済的な観点から1質量%であることが好ましい。尚、Al2O3濃度のより好ましい範囲は、3〜15質量%である。

0017

本発明のアルミナコロイド含有水溶液は、外観的にも透明度が高く、とりわけコーティング剤として利用できる。また、適度な量の乳酸を分散剤として含むことから、酸〜アルカリ性溶液との混合性に優れる他、乳酸を焼成により除去して用いる用途には特に有用である。

0018

また、本発明のアルミナコロイド含有水溶液は、保存安定性に優れており、例えば、常温保存は勿論、50℃保存においても1ヶ月以上外観及び粘度にほとんど変化が見られない。

0019

また、本発明のアルミナコロイド含有水溶液は優れた安定性を有するので、限外ろ過または加熱等によって濃縮して利用したり、水などで希釈して利用することもできる。但し、限外ろ過では上記のようにすべてのアルミニウム成分を回収できないことから加熱濃縮が好ましい。加熱等によって濃縮するときは、濃縮後の水溶液中のAl2O3濃度は、安定性やハンドリング性等の点から20質量%以下であることが好ましい。

0020

本発明において、何故アルカリ土類金属が数ある有機酸のうち乳酸によって安定化される理由については定かではないが、乳酸がアルミニウムとアルカリ土類金属の安定化に特異的に作用しているものと推察される。即ち、乳酸がアルミニウムをコロイドとイオンの両方の形態で存在させ、アルカリ土類金属の沈殿防止にも作用するということである。一方、乳酸の代わりとして、例えば、酢酸を用いたときは、酢酸はアルミニウムの溶解力が強いため、本発明のようなコロイドとイオンの両方の形態でアルミニウムが存在する水溶液を作製することは困難である。また、乳酸以外のヒドロキシカルボン酸を用いたときは、乳酸との作用機序の違いは定かではないが、安定性のあるアルミナコロイド含有水溶液を得るのが困難になる。

0021

[製造方法]
本発明のアルミナコロイド含有水溶液の製造方法として、以下の(A)〜(D)のうちのいずれかの方法を用いることが好ましい。尚、(A)〜(D)の方法を総称するときは、「本製造方法」という。
(A)アルミナ水和物と乳酸とアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩とを水存在下で混合し、得られた混合液を加熱処理する工程を含む方法。
(B)乳酸アルミニウム又は塩基性乳酸アルミニウムとアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩又は乳酸塩とを水存在下で混合し、得られた混合液を必要に応じて加熱処理する工程を含む方法。
(C)アルカリ土類金属の乳酸塩と乳酸とアルミナ水和物とを水存在下で混合し、得られた混合液を加熱処理する工程を含む方法。
(D)乳酸アルミニウム又は塩基性乳酸アルミニウムとアルカリ土類金属の乳酸塩とアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩とを水存在下で混合し、得られた混合液を必要に応じて加熱処理する工程を含む方法。

0022

[原料]
アルミナ水和物については、一般に市販されている水酸化アルミニウム酸化アルミニウム水和物、又はアルミニウム塩中和等によって得られるアルミナ水和物ゲルなどが好適に使用できる。このうち、易溶解性のものが特に好ましい。

0023

アルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩については、前記例示したアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩を用いることが好ましく、より好ましくは水酸化物である。

0024

アルカリ土類金属の乳酸塩についても、前記例示したアルカリ土類金属の乳酸塩を用いることが好ましい。

0025

塩基性乳酸アルミニウムは、市販の工業薬品を使用してもよいし、公知の製造方法により得られるものを使用してもよい。形態としては、水溶液、粉等があり、形態に関係なく使用できる。市販の工業薬品としては、例えば、塩基性乳酸アルミニウム水溶液(タキセラム(登録商標):多木化学(株)製。pH4〜5、乳酸/Al2O3のモル比=1.5〜1.6、Al2O3濃度:8〜9質量%)がある。公知の製造方法としては、塩基性乳酸アルミニウムの製造方法を開示した特公昭58−5174号公報及び特公昭59−40381号公報が例示できる。これらのうち、乳酸/Al2O3のモル比=1.0〜2.0ものが塩基性塩としての安定性が高いために好適に使用できる。尚、本発明においては、塩基性乳酸アルミニウム中に製造原料由来する無機酸根が含有されていても構わない。また、塩基性乳酸アルミニウム水溶液において、安定化のために添加される無機酸根が含有されていても構わない。また、Al2O3として1〜10質量%程度の市販の塩基性有機酸アルミニウム水溶液を用いるときは、そのままあるいは希釈したものを原料として用いることができる。

0026

[製造方法の態様]
本製造方法では、原料と適当量の水とを適当な撹拌条件下で混合して混合液を調製し、これを加熱処理すればよい。原料の添加順については特に制限はない。加熱の主な目的はアルミニウム原料(特にアルミナ水和物)とアルカリ土類金属化合物(特にアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩)の溶解である。よって、(B)及び(D)の方法で溶解性の高い原料を用いた場合において、特に必要がなければ、加熱処理を行わなくてもよい。加熱温度は50〜200℃が好ましく、より好ましくは70〜140℃、さらに好ましくは、90〜140℃である。また、加熱時間は適宜設定すればよく、例えば、1〜10時間である。加熱方法に特に制限はなく、通常の加熱方法やオートクレーブ等が例示できる。

0027

また、本製造方法では、アルカリ土類金属又はその化合物を除き、用いる原料が系外へ逸失することが実質的になくそのまま最終製品に含有されるので、原料の配合割合は最終製品であるアルミナコロイド含有水溶液中の設計値に合わせて適宜設定することが望ましい。本製造方法においては、原料の仕込み量と加熱温度等の条件設定によっては不溶解物が発生する場合がある。不溶解物は、主としてアルカリ土類金属に由来したものと考えられる。発生した不溶解物をろ別することで、アルミナコロイド含有水溶液が得られる。ろ別方法については、特に限定されず、一般的な方法を用いればよいが、例えば、ろ紙カートリッジフィルターでろ過して、ろ液を回収しても良いし、沈降分離遠心分離などによりろ液を回収することもできる。

0028

本製造方法において、最終製品であるアルミナコロイド含有水溶液中の乳酸の含有量については、乳酸/Al2O3のモル比が1.0〜6.0の範囲となるように設定することが好ましい。尚、(B)の方法には、必要に応じて適当量の乳酸を添加する態様も含まれる。

0029

本製造方法におけるアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩の適用量は、その溶解度を考慮し、最終製品であるアルミナコロイド含有水溶液中のM/Al2O3のモル比が0.2〜3.0の範囲となるように設定することが好ましい。

0030

また、本製造方法において、pHについては、最終製品であるアルミナコロイド含有水溶液のpHが5〜8の範囲となるように原料設計を行うことが肝要である。pHが5未満あるいは8を超えると、保存期間の長短に関わらず沈殿物の発生やゲル化が生じ易くなる。pHが上記範囲内であれば長期保存に十分耐え得るものであるが、当該水溶液の傾向として、経時と共に僅かではあるがpHが低下する傾向を有する。従って、製造直後のpHの範囲は、5.5〜8であることが好ましく、より好ましくは6〜8である。尚、(A)の方法において、混合液のpHは未反応の乳酸及びアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩が溶液中に存在するために酸性中性を示すが、加熱処理を行うと、アルミニウムと乳酸の反応が進行すること及びアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩が溶解することによりpHが上昇する。従って、(A)の方法では、乳酸やアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩の量は、加熱温度や時間等の加熱条件を考慮して、加熱後のpHが前記範囲内に入るように適宜設定することが望ましい。

0031

また、本発明のアルミナコロイド含有水溶液をコーティング剤として使用し、比較的強力な加熱乾燥時において被膜クラックを防止したい場合、あるいは触媒、光学材料等として使用し、その性能を更に高めたい場合は、当該水溶液中のアルミナコロイドを更に粒成長させることによりその目的を達成することができる。即ち、当該水溶液を加熱することによってその目的を達成することができる。尚、ここで云うところの加熱は、上記製造方法によって製造されたアルミナコロイド含有水溶液の再加熱のことである。加熱温度は所望する粒子の大きさにより適宜設定すればよいが、温度範囲としては70〜200℃が好ましい。加熱時間も同様に所望する粒子の大きさにより適宜設定すればよい。一般的に、加熱温度が高い程粒成長は速く、加熱時間が長い程粒は大きくなる。加熱方法は特に限定されることなく、通常の加熱方法やオートクレーブ等を用いればよい。尚、加熱によってpHが低下する傾向にあるので、加熱する場合は、加熱後のpHが5〜8の範囲内となるように加熱前のpH値を設定することが望ましい。

0032

[粉体]
本発明の範疇には、アルミニウム、アルカリ土類金属及び乳酸を含有した粉体であって、当該粉体を水に分散させたときに、アルミニウムがコロイド及び溶質の両方で検出され、pHが5〜8の範囲を示す粉体も含まれる。上記粉体中の組成比について、乳酸/Al2O3のモル比は1.0〜6.0の範囲であることが好ましく、M/Al2O3のモル比は0.2〜3.0の範囲であることが好ましい。また、上記粉体の好適な形態は、これを水に分散させたときに、本発明のアルミナコロイド含有水溶液の性状を示すものである。好例は、ろ過漏れ率が5〜50質量%を示すものである。上記粉体は、そのまま、あるいは少量の水に分散することにより高濃度で使用することもできる。

0033

本発明のアルミナコロイド含有水溶液は、これを乾燥することによって、粉体を製造することができる。乾燥の方法については、特に制限はなく、好例として静置乾燥噴霧乾燥気流乾燥等が挙げられる。好ましくは、得られる粉体が水に再分散可能な性質を有するように、乾燥条件を適切に設定する。例えば、乾燥温度として150℃以下が好ましい。

0034

以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。尚、実施例において%は、特に断らない限り全て質量%を示す。

0035

〔実施例1〕
乳酸アルミニウム水溶液(Al2O3濃度=2.0%、乳酸/Al2O3のモル比=6.0)500質量部に対し水酸化バリウム八水和物80質量部、イオン交換水420質量部を撹拌下で添加した(この時のpH8.3)。これを140℃で3h加熱を行い、アルミナコロイド含有水溶液を得た。

0036

〔実施例2〕
水酸化アルミニウムにイオン交換水を加えてAl2O3として10%のスラリーを得た。このスラリー100質量部に対し88%乳酸12質量部と水酸化マグネシウム5質量部を撹拌下で添加した(この時のpH6.8)。これを100℃で3h加熱を行った後、不溶解物を遠心分離(5000回転/20分間)により除去し、アルミナコロイド含有水溶液を得た。

0037

〔実施例3〕
水酸化アルミニウムにイオン交換水を加えてAl2O3として10%のスラリーを得た。このスラリー100質量部に対し88%乳酸19質量部と水酸化ストロンチウム八水和物5質量部を撹拌下で添加した(この時のpH6.3)。これを120℃で3h加熱を行い、アルミナコロイド含有水溶液を得た。

0038

〔実施例4〕
多木化学(株)製の塩基性乳酸アルミニウム水溶液「タキセラム」(Al2O3濃度=8.7%、乳酸/Al2O3のモル比=1.6、pH4.5)115質量部に対し水酸化バリウム八水和物12質量部、イオン交換水373質量部を撹拌下で添加し、アルミナコロイド含有水溶液を得た。

0039

〔実施例5〕
多木化学(株)製の塩基性乳酸アルミニウム水溶液「タキセラム」(Al2O3濃度=8.7%、乳酸/Al2O3のモル比=1.6、pH4.5)115質量部に対し炭酸カルシウム10質量部を撹拌下で添加した後、90℃で1h加熱した。これを140℃で3h加熱を行った後、不溶解物を遠心分離(5000回転/20分間)により除去し、アルミナコロイド含有水溶液を得た。

0040

〔実施例6〕
乳酸カルシウム五水和物12質量部と88%乳酸12質量部、水酸化アルミニウム、イオン交換水を混合し、Al2O3として7.2%のスラリー139質量部を得た(この時のpH7.4)。これを140℃で3h加熱を行った後、不溶解物を遠心分離(5000回転/20分間)により除去し、アルミナコロイド含有水溶液を得た。

0041

〔比較例1〕
多木化学(株)製の塩基性乳酸アルミニウム水溶液「タキセラム」(Al2O3濃度=8.7%、乳酸/Al2O3のモル比=1.6、pH4.5)115質量部に対し水酸化バリウム八水和物3質量部を撹拌下で添加した(この時のpH4.7)。これを100℃で3h加熱を行い、pH4.6の水溶液を得た。しかし、得られた水溶液は50℃/1ヶ月保存後には多量の沈殿物の発生が認められた。

0042

〔比較例2〕
多木化学(株)製の塩基性乳酸アルミニウム水溶液「タキセラム」(Al2O3濃度=8.7%、乳酸/Al2O3のモル比=1.6、pH4.5)115質量部に対し水酸化バリウム八水和物15質量部を撹拌下で添加した(この時のpH8.6)。これを100で3h加熱を行ったところ、ゲル化したためアルミナコロイド含有水溶液は得られなかった。

0043

〔比較例3〕
水酸化アルミニウムにイオン交換水を加えてAl2O3として10%のスラリーを得た。このスラリー100質量部に対しクエン酸一水和物25質量部(クエン酸/Al2O3のモル比=1.2)と水酸化マグネシウム5質量部を撹拌下で添加した(この時のpH6.7)。これを100℃で3h加熱を行ったところ、ゲル化したためアルミナコロイド含有水溶液は得られなかった。

0044

分析
(1)Al2O3濃度は、アルミナコロイド含有水溶液のアルミニウム成分を塩酸で溶解させた後、キレート滴定法により求めた。
(2)乳酸は、アルミナコロイド含有水溶液のアルミニウム成分を塩酸で溶解させた後、高速液体クロマトグラフ島津製 LC-2010C)を用いて測定し、乳酸/Al2O3(モル比)を算出した。
(3)アルカリ土類金属(M)は、アルミナコロイド含有水溶液を100℃で乾燥した粉体を蛍光X線装置Super mini 200(リガク製)を用いて測定し、M/Al2O3(モル比)を算出した。
(4)平均粒子径は、動的光散乱粒度分布測定装置LB-500(堀場製作所(株)製)を用いて測定した。
(5)ろ過漏れ率は、分画分子量10000の限外ろ過膜(ADVANTEC製ウルトラフィルターユニットUSY-1)でろ過した時の、ろ過前のアルミニウム成分の質量に対するろ液中のアルミニウム成分の質量の百分率により算出した。

0045

実施例1〜6で得られたアルミナコロイド含有水溶液及び比較例1で得られた最終製品の成分組成及びろ過漏れ率を表1に示した。また、表2に、製造直後と50℃/1ヵ月の保存安定性試験後におけるpHを示した。

0046

0047

0048

表2より、実施例1〜6で得られたアルミナコロイド含有水溶液は若干のpH低下が認められたが、50℃/1ヶ月後においてもゲル化や沈殿物の発生は認められず安定性を保持していた。また、実施例1〜6で得られたアルミナコロイド含有水溶液のいずれにおいても、チンダル現象が確認された。

0049

(濃縮・希釈試験
実施例2で得られたアルミナコロイド含有水溶液を、エバポレーターを用いてAl2O3濃度が15%まで濃縮したものは、50℃/1ヶ月の保存安定性試験後も安定状態を維持していた。
実施例3で得られたアルミナコロイド含有水溶液を、Al2O3濃度が1%まで希釈したものは、50℃/1ヶ月の保存安定性試験後も安定状態を維持していた。

実施例

0050

(粉体)
実施例4で得られたアルミナコロイド含有水溶液を噴霧乾燥して粉体を得た。この粉体を水に分散させたところ、チンダル現象が観察され、また、ろ過漏れ率は22%であり、pHは7.3であった。このとき、Al2O3濃度は、2.0%である。このことから、この粉体を水に分散させたものは、本発明のアルミナコロイド含有水溶液の性状を示すものであることが分かった。

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