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技術 並列チョッパ装置

出願人 富士電機株式会社
発明者 田中孝明
出願日 2015年10月28日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2015-212003
公開日 2017年5月18日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2017-085787
状態 特許登録済
技術分野 DC‐DCコンバータ
主要キーワード アンバランス成分 各出力端子間 理想条件 電流アンバランス 流出電流 電流検出処理 電力変換損失 電流バランス
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図面 (9)

課題

単一の電流検出手段により電流アンバランスを検出可能とし、コストを低減した並列チョッパ装置を提供する。

解決手段

ダイオード3,6及びスイッチング素子4,5の直列回路リアクトル1,2とからなる第1チョッパと、ダイオード3’,6’及びスイッチング素子4’,5’の直列回路とリアクトル1’,2’ とからなる第2チョッパとを、コンデンサ7,8の直列回路に並列に接続して構成され、各スイッチング素子のON/OFFにより直流電源電圧の大きさを変換して出力する並列チョッパ装置において、スイッチング素子4,5同士の接続点及びスイッチング素子4’,5’同士の接続点とコンデンサ7,8同士の接続点との間を流れる電流Im,Im’の差分値ΔImを検出するホール素子等の電流検出手段40を備える。

概要

背景

図4は、DC/DCコンバータ一種である昇圧チョッパを示しており、例えば特許文献1,2に記載されているものとほぼ同一の回路である。
図4において、1,2はリアクトル、3,6はダイオード、4,5は半導体スイッチング素子、7,8は平滑コンデンサ、11,12は直流入力端子、21,22は直流出力端子である。なお、スイッチング素子4,5は、後述する図8のスイッチング素子101b,101c,102b,102cと同様に、逆並列接続された還流ダイオードを備えていて双方向に電流通流可能な素子である。

図4の昇圧チョッパでは、PWM(Pulse Width Modulation)制御により、スイッチング素子4,5を互いに180度の位相差を持たせてON/OFFさせることにより、入力電圧Vinを昇圧した出力電圧Voutを得ている。また、直流出力端子21,22に加えて、平滑コンデンサ7,8同士の接続点も直流出力端子として用いれば、各出力端子間から3種類のレベル直流電圧を出力させる、いわゆる3レベル昇圧チョッパを構成することも可能である。
なお、ダイオード3,6の代わりに半導体スイッチング素子を接続し、いわゆる同期整流を行うことも可能である。

図5は、電力変換容量を増加させるために、図4の昇圧チョッパを二つ並列に接続した並列チョッパ装置を示している。図5において、1’,2’はリアクトル、3’,6’はダイオード、4’,5’は半導体スイッチング素子、11’,12’は直流入力端子であり、その他の部分には図4と同一の符号を付してある。ここで、スイッチング4’,5’も、逆並列接続された還流ダイオードを備えていて双方向に電流を通流可能な素子である。

上記構成において、リアクトル1,2、ダイオード3,6、スイッチング素子4,5により一方の昇圧チョッパ(以下、第1チョッパという)が構成され、リアクトル1’,2’、ダイオード3’,6’、スイッチング素子4’,5’により他方の昇圧チョッパ(以下、第2チョッパという)が構成される。
第2チョッパを構成するスイッチング素子4’,5’は、第1チョッパのスイッチング素子4,5と同様に、PWM制御により互いに180度の位相差を持たせてON/OFFされる。

図5に示した並列チョッパ装置において、リアクトルの抵抗成分やインダクタンス成分の個体差、更には、ダイオード及びスイッチング素子のスイッチング特性電圧降下の個体差が充分小さい理想条件では、第1チョッパ及び第2チョッパを出入りする電流Iinp,Iinp’,Iinn,Iinn’がバランスし、Iinp=Iinp’,Iinn=Iinn’となる。
しかしながら、実際には上述した諸特性に個体差が存在するため、Iinp,Iinp’及びIinn,Iinn’はそれぞれ等しくならない。

ここで、数式1は図5における正側電流アンバランス成分ΔIinpを示し、数式2は負側電流のアンバランス成分ΔIinnを示している。
[数式1]
ΔIinp=Iinp’−Iinp
[数式2]
ΔIinn=Iinn’−Iinn

これらの電流アンバランス成分ΔIinp,ΔIinnは、回路内の各構成部品における発熱の不均一、電力変換損失の増加、更には、スイッチング素子やダイオードのスイッチング時に発生するサージ電圧の増加などを引き起こすため、有意な値にならないように抑制する必要がある。
電流アンバランスの一般的な抑制方法としては、第1チョッパ及び第2チョッパを流れる電流を検出してスイッチング素子のON/OFF時間を適切に制御する方法が知られており、そのためにはΔIinp,ΔIinnを検出する必要がある。

図6は、図5に電流アンバランス成分ΔIinp,ΔIinnの検出機能を付加した並列チョッパ装置の回路図である。
図6において、30,31,32は電流検出手段であり、これらの電流検出手段30,31,32により3箇所の電流値Iin,Iinp,Iinnを検出する。次に、これらの電流検出値Iin,Iinp,Iinnに対して数式3,4の差分演算を行えば、電流アンバランス成分ΔIinp,ΔIinnを間接的に検出することができる。
[数式3]
ΔIinp=(Iin−Iinp)−Iinp
[数式4]
ΔIinn=(Iin−Iinn)−Iinn

また、図7は、電流検出箇所が図6と異なる並列チョッパ装置の回路図である。
図6では、電流検出手段30により全体の入力電流Iinを検出すると共に、電流検出手段31,32により第1チョッパの正側入力電流Iinp及び負側入力電流Iinnをそれぞれ検出するのに対し、図7の回路では、電流検出手段41,42により、第1チョッパ,第2チョッパの正側入力電流Iinp,Iinp’による差分磁束と負側入力電流Iinn,Iinn’ による差分磁束とをそれぞれ検出している。

図7における電流検出手段41,42としては、電気的に絶縁した状態で電流を測定可能な検出手段、例えばホール素子を用いた電流検出手段を想定している。
これらの電流検出手段41,42は、互いに逆方向に流れる正側入力電流Iinp,Iinp’、及び、互いに逆方向に流れる負側入力電流Iinn,Iinn’から差分磁束をそれぞれ検出し、一方の電流検出手段41はIinp,Iinp’による差分磁束に基づいて電流アンバランス成分ΔIinpを検出し、他方の電流検出手段42はIinn,Iinn’による差分磁束に基づいて電流アンバランス成分ΔIinnを検出するものである。

図7では、電流バランス制御に必要な電流検出手段の数が2つで済み、図6よりも少なくなる。ただし、DC/DCコンバータの入力電流を制御する上で、図7の回路でも入力電流Iinを検出することが必要であるため、全体的な電流検出手段の数は図6と同様に合計3つとなる。

なお、二つのチョッパからなる並列チョッパ装置(多重チョッパ装置)において、各チョッパ間の電流アンバランスを解消するようにした従来技術が、特許文献3に記載されている。
図8は、特許文献3に記載された多重チョッパ装置の構成図であり、100は直流電源、101,102はそれぞれ第1チョッパ,第2チョッパ、101a,102aはリアクトル、101b,101c,102b,102cはスイッチング素子、101d,102dはドライバ、103,104は平滑コンデンサ、105は電流検出手段、200は負荷、301,302は電流抽出回路、301a,302aは増幅回路、301b,302bはフィルタ、301c,302cはスイッチ、303は演算比較回路、304は制御回路、305は補正回路、306,307はサンプリング回路である。

図8に示した多重チョッパ装置では、各チョッパ101,102の下アームのスイッチング素子101c,102cのオフ期間に同期したサンプリング回路306,307の出力信号によりスイッチ301c,302cをそれぞれオンし、電流検出手段105による電流検出値I3を増幅して演算比較回路303に入力する。
ここで、多重チョッパ装置の昇圧比が2倍以上である場合には、下アームのスイッチング素子101c,102cがそれぞれオフとなる期間が重なることはないため、電流検出手段105による電流検出値I3は、スイッチング素子101cのオフ期間に第1チョッパ101の出力電流I1に等しく、また、スイッチング素子102cのオフ期間に第2チョッパ102の出力電流I2に等しくなる。
よって、演算比較回路303により電流抽出回路301,302の出力の差を求めれば、第1チョッパ101及び第2チョッパ102の出力電流I1,I2のアンバランスを検出することができる。

概要

単一の電流検出手段により電流アンバランスを検出可能とし、コストを低減した並列チョッパ装置を提供する。ダイオード3,6及びスイッチング素子4,5の直列回路とリアクトル1,2とからなる第1チョッパと、ダイオード3’,6’及びスイッチング素子4’,5’の直列回路とリアクトル1’,2’ とからなる第2チョッパとを、コンデンサ7,8の直列回路に並列に接続して構成され、各スイッチング素子のON/OFFにより直流電源電圧の大きさを変換して出力する並列チョッパ装置において、スイッチング素子4,5同士の接続点及びスイッチング素子4’,5’同士の接続点とコンデンサ7,8同士の接続点との間を流れる電流Im,Im’の差分値ΔImを検出するホール素子等の電流検出手段40を備える。

目的

本発明の解決課題は、簡単な構成で電流アンバランス成分を検出可能とし、コストの低減を図った並列チョッパ装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第1のダイオード,第1の半導体スイッチング素子,第2の半導体スイッチング素子,第2のダイオードを順次直列に接続した直列回路と、第3のダイオード,第3の半導体スイッチング素子,第4の半導体スイッチング素子,第4のダイオードを順次直列に接続した直列回路と、第1,第2の平滑コンデンサを直列に接続した直列回路とを、一対の直流出力端子間に互いに並列に接続し、前記第1のダイオードと前記第1の半導体スイッチング素子との接続点を第1のリアクトルを介して第1の正側直流入力端子に接続すると共に、前記第2の半導体スイッチング素子と前記第2のダイオードとの接続点を第2のリアクトルを介して第1の負側直流入力端子に接続し、かつ、前記第3のダイオードと前記第3の半導体スイッチング素子との接続点を第3のリアクトルを介して第2の正側直流入力端子に接続すると共に、前記第4の半導体スイッチング素子と前記第4のダイオードとの接続点を第4のリアクトルを介して第2の負側直流入力端子に接続し、前記第1,第2の正側直流入力端子と前記第1,第2の負側直流入力端子との間に印加された直流電源電圧を、前記第1〜第4の半導体スイッチング素子のON/OFFにより所定値に変換して出力する並列チョッパ装置において、前記第1,第2の半導体スイッチング素子同士の接続点と前記第1,第2の平滑コンデンサ同士の接続点との間を流れる電流と、前記第3,第4の半導体スイッチング素子同士の接続点と前記第1,第2の平滑コンデンサ同士の接続点との間を流れる電流と、の差分値を検出する電流検出手段を備えたことを特徴とする並列チョッパ装置。

請求項2

請求項1に記載した並列チョッパ装置において、前記第1,第3の半導体スイッチング素子がONし、かつ、前記第2,第4の半導体スイッチング素子がOFFしているときに、前記電流検出手段による電流検出値に基づいて、前記第1のリアクトルと前記第3のリアクトルとを流れる電流の差分値を検出し、前記第1,第3の半導体スイッチング素子がOFFし、かつ、前記第2,第4の半導体スイッチング素子がONしているときに、前記電流検出手段による電流検出値に基づいて、前記第2のリアクトルと前記第4のリアクトルとを流れる電流の差分値を検出することを特徴とする並列チョッパ装置。

請求項3

請求項1または2に記載した並列チョッパ装置において、前記第1,第2のリアクトル同士、及び、前記第3,第4のリアクトル同士が、それぞれ磁気的に結合されていることを特徴とする並列チョッパ装置。

技術分野

0001

本発明は、複数のチョッパ並列に接続した場合に発生するチョッパ間の電流アンバランスの検出技術に関するものである。

背景技術

0002

図4は、DC/DCコンバータ一種である昇圧チョッパを示しており、例えば特許文献1,2に記載されているものとほぼ同一の回路である。
図4において、1,2はリアクトル、3,6はダイオード、4,5は半導体スイッチング素子、7,8は平滑コンデンサ、11,12は直流入力端子、21,22は直流出力端子である。なお、スイッチング素子4,5は、後述する図8のスイッチング素子101b,101c,102b,102cと同様に、逆並列接続された還流ダイオードを備えていて双方向に電流通流可能な素子である。

0003

図4の昇圧チョッパでは、PWM(Pulse Width Modulation)制御により、スイッチング素子4,5を互いに180度の位相差を持たせてON/OFFさせることにより、入力電圧Vinを昇圧した出力電圧Voutを得ている。また、直流出力端子21,22に加えて、平滑コンデンサ7,8同士の接続点も直流出力端子として用いれば、各出力端子間から3種類のレベル直流電圧を出力させる、いわゆる3レベル昇圧チョッパを構成することも可能である。
なお、ダイオード3,6の代わりに半導体スイッチング素子を接続し、いわゆる同期整流を行うことも可能である。

0004

図5は、電力変換容量を増加させるために、図4の昇圧チョッパを二つ並列に接続した並列チョッパ装置を示している。図5において、1’,2’はリアクトル、3’,6’はダイオード、4’,5’は半導体スイッチング素子、11’,12’は直流入力端子であり、その他の部分には図4と同一の符号を付してある。ここで、スイッチング4’,5’も、逆並列接続された還流ダイオードを備えていて双方向に電流を通流可能な素子である。

0005

上記構成において、リアクトル1,2、ダイオード3,6、スイッチング素子4,5により一方の昇圧チョッパ(以下、第1チョッパという)が構成され、リアクトル1’,2’、ダイオード3’,6’、スイッチング素子4’,5’により他方の昇圧チョッパ(以下、第2チョッパという)が構成される。
第2チョッパを構成するスイッチング素子4’,5’は、第1チョッパのスイッチング素子4,5と同様に、PWM制御により互いに180度の位相差を持たせてON/OFFされる。

0006

図5に示した並列チョッパ装置において、リアクトルの抵抗成分やインダクタンス成分の個体差、更には、ダイオード及びスイッチング素子のスイッチング特性電圧降下の個体差が充分小さい理想条件では、第1チョッパ及び第2チョッパを出入りする電流Iinp,Iinp’,Iinn,Iinn’がバランスし、Iinp=Iinp’,Iinn=Iinn’となる。
しかしながら、実際には上述した諸特性に個体差が存在するため、Iinp,Iinp’及びIinn,Iinn’はそれぞれ等しくならない。

0007

ここで、数式1は図5における正側電流アンバランス成分ΔIinpを示し、数式2は負側電流のアンバランス成分ΔIinnを示している。
[数式1]
ΔIinp=Iinp’−Iinp
[数式2]
ΔIinn=Iinn’−Iinn

0008

これらの電流アンバランス成分ΔIinp,ΔIinnは、回路内の各構成部品における発熱の不均一、電力変換損失の増加、更には、スイッチング素子やダイオードのスイッチング時に発生するサージ電圧の増加などを引き起こすため、有意な値にならないように抑制する必要がある。
電流アンバランスの一般的な抑制方法としては、第1チョッパ及び第2チョッパを流れる電流を検出してスイッチング素子のON/OFF時間を適切に制御する方法が知られており、そのためにはΔIinp,ΔIinnを検出する必要がある。

0009

図6は、図5に電流アンバランス成分ΔIinp,ΔIinnの検出機能を付加した並列チョッパ装置の回路図である。
図6において、30,31,32は電流検出手段であり、これらの電流検出手段30,31,32により3箇所の電流値Iin,Iinp,Iinnを検出する。次に、これらの電流検出値Iin,Iinp,Iinnに対して数式3,4の差分演算を行えば、電流アンバランス成分ΔIinp,ΔIinnを間接的に検出することができる。
[数式3]
ΔIinp=(Iin−Iinp)−Iinp
[数式4]
ΔIinn=(Iin−Iinn)−Iinn

0010

また、図7は、電流検出箇所が図6と異なる並列チョッパ装置の回路図である。
図6では、電流検出手段30により全体の入力電流Iinを検出すると共に、電流検出手段31,32により第1チョッパの正側入力電流Iinp及び負側入力電流Iinnをそれぞれ検出するのに対し、図7の回路では、電流検出手段41,42により、第1チョッパ,第2チョッパの正側入力電流Iinp,Iinp’による差分磁束と負側入力電流Iinn,Iinn’ による差分磁束とをそれぞれ検出している。

0011

図7における電流検出手段41,42としては、電気的に絶縁した状態で電流を測定可能な検出手段、例えばホール素子を用いた電流検出手段を想定している。
これらの電流検出手段41,42は、互いに逆方向に流れる正側入力電流Iinp,Iinp’、及び、互いに逆方向に流れる負側入力電流Iinn,Iinn’から差分磁束をそれぞれ検出し、一方の電流検出手段41はIinp,Iinp’による差分磁束に基づいて電流アンバランス成分ΔIinpを検出し、他方の電流検出手段42はIinn,Iinn’による差分磁束に基づいて電流アンバランス成分ΔIinnを検出するものである。

0012

図7では、電流バランス制御に必要な電流検出手段の数が2つで済み、図6よりも少なくなる。ただし、DC/DCコンバータの入力電流を制御する上で、図7の回路でも入力電流Iinを検出することが必要であるため、全体的な電流検出手段の数は図6と同様に合計3つとなる。

0013

なお、二つのチョッパからなる並列チョッパ装置(多重チョッパ装置)において、各チョッパ間の電流アンバランスを解消するようにした従来技術が、特許文献3に記載されている。
図8は、特許文献3に記載された多重チョッパ装置の構成図であり、100は直流電源、101,102はそれぞれ第1チョッパ,第2チョッパ、101a,102aはリアクトル、101b,101c,102b,102cはスイッチング素子、101d,102dはドライバ、103,104は平滑コンデンサ、105は電流検出手段、200は負荷、301,302は電流抽出回路、301a,302aは増幅回路、301b,302bはフィルタ、301c,302cはスイッチ、303は演算比較回路、304は制御回路、305は補正回路、306,307はサンプリング回路である。

0014

図8に示した多重チョッパ装置では、各チョッパ101,102の下アームのスイッチング素子101c,102cのオフ期間に同期したサンプリング回路306,307の出力信号によりスイッチ301c,302cをそれぞれオンし、電流検出手段105による電流検出値I3を増幅して演算比較回路303に入力する。
ここで、多重チョッパ装置の昇圧比が2倍以上である場合には、下アームのスイッチング素子101c,102cがそれぞれオフとなる期間が重なることはないため、電流検出手段105による電流検出値I3は、スイッチング素子101cのオフ期間に第1チョッパ101の出力電流I1に等しく、また、スイッチング素子102cのオフ期間に第2チョッパ102の出力電流I2に等しくなる。
よって、演算比較回路303により電流抽出回路301,302の出力の差を求めれば、第1チョッパ101及び第2チョッパ102の出力電流I1,I2のアンバランスを検出することができる。

先行技術

0015

特開2013−38921号公報(図3(b)等)
特許第5070937号公報(図1図4等)
特許第5570338号公報(段落[0014]〜[0032]、図1図2等)

発明が解決しようとする課題

0016

図6図7の従来技術において、電流アンバランス成分ΔIinp,ΔIinnを検出するために必要な電流検出手段の数は、少なくとも2つであり、装置全体コストの削減や小型化のためには、電流検出手段の数を更に少なくすることが求められている。
これに対し、図8に示した従来技術によれば、電流検出手段が単一で済む利点がある。しかし、電流を抽出するためのサンプリング回路306,307やスイッチ301c,302cによって回路構成が複雑化すると共に、昇圧比が2倍未満である場合には、下アームのスイッチング素子101c,102cのオフ期間が重ならないように、補正回路305によって電流のサンプリングタイミングをずらす等の処理が必要である。
このため、電流検出手段の削減が可能であるとしても、周辺回路演算処理が複雑化するという問題を生じていた。

0017

そこで、本発明の解決課題は、簡単な構成で電流アンバランス成分を検出可能とし、コストの低減を図った並列チョッパ装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0018

上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、第1のダイオード,第1の半導体スイッチング素子,第2の半導体スイッチング素子,第2のダイオードを順次直列に接続した直列回路と、第3のダイオード,第3の半導体スイッチング素子,第4の半導体スイッチング素子,第4のダイオードを順次直列に接続した直列回路と、第1,第2の平滑コンデンサを直列に接続した直列回路とを、一対の直流出力端子間に互いに並列に接続し、
前記第1のダイオードと前記第1の半導体スイッチング素子との接続点を第1のリアクトルを介して第1の正側直流入力端子に接続すると共に、前記第2の半導体スイッチング素子と前記第2のダイオードとの接続点を第2のリアクトルを介して第1の負側直流入力端子に接続し、かつ、前記第3のダイオードと前記第3の半導体スイッチング素子との接続点を第3のリアクトルを介して第2の正側直流入力端子に接続すると共に、前記第4の半導体スイッチング素子と前記第4のダイオードとの接続点を第4のリアクトルを介して第2の負側直流入力端子に接続し、
前記正側直流入力端子と前記負側直流入力端子との間に直流電源電圧印加される並列チョッパ装置であって、前記第1〜第4の半導体スイッチング素子のON/OFFにより前記直流電源電圧の大きさを変換して出力する並列チョッパ装置において、
前記第1,第2の半導体スイッチング素子同士の接続点と前記第1,第2の平滑コンデンサ同士の接続点との間を流れる電流と、前記第3,第4の半導体スイッチング素子同士の接続点と前記第1,第2の平滑コンデンサ同士の接続点との間を流れる電流と、の差分値を検出する電流検出手段を備えたものである。

0019

請求項2に係る発明は、請求項1に記載した並列チョッパ装置において、前記第1,第3の半導体スイッチング素子がONし、かつ、前記第2,第4の半導体スイッチング素子がOFFしているときに、前記電流検出手段による電流検出値に基づいて、前記第1のリアクトルと前記第3のリアクトルとを流れる電流の差分値を検出し、前記第1,第3の半導体スイッチング素子がOFFし、かつ、前記第2,第4の半導体スイッチング素子がONしているときに、前記電流検出手段による電流検出値に基づいて、前記第2のリアクトルと前記第4のリアクトルとを流れる電流の差分値を検出するものである。

0020

請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載した並列チョッパ装置において、前記第1,第2のリアクトル同士、及び、前記第3,第4のリアクトル同士が、それぞれ磁気的に結合されていることを特徴とする。

発明の効果

0021

本発明によれば、二つのチョッパを並列接続した場合に発生する電流アンバランス成分を、単一の電流検出手段によって検出することができる。特に、特許文献3のように昇圧比に応じて電流のサンプリングタイミングをずらす等の煩雑な処理が不要であり、電流アンバランスの検出を低コストにて実現可能である。

図面の簡単な説明

0022

本発明の実施形態に係る並列チョッパ装置の回路図である。
本発明の実施形態における各スイッチング素子のON/OFF状態に対するIm,Im’,ΔImの推移を示す図である。
本発明の実施形態における各スイッチング素子のON/OFF状態の組み合わせに対する電流経路の推移を示す図である。
昇圧チョッパの回路図である。
第1チョッパ及び第2チョッパからなる並列チョッパ装置の回路図である。
図5に電流アンバランス成分の検出機能を付加した並列チョッパ装置の回路図である。
図5に電流アンバランス成分の検出機能を付加した、他の並列チョッパ装置の回路図である。
特許文献3に記載された多重チョッパ装置の構成図である。

実施例

0023

以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、この実施形態に係る並列チョッパ装置の回路図であり、図4における各部と同一の機能を有するものには同一の符号を付してある。

0024

図1において、直流出力端子21,22の間には、ダイオード3とスイッチング素子4,5とダイオード6が直列に接続され、ダイオード3とスイッチング素子4との接続点はリアクトル1を介して正側の直流入力端子11に接続されると共に、スイッチング素子5とダイオード6との接続点はリアクトル2を介して負側の直流入力端子12に接続されている。
同様に、直流出力端子21,22の間には、ダイオード3’とスイッチング素子4’,5’とダイオード6’が直列に接続され、ダイオード3’とスイッチング素子4’との接続点はリアクトル1’を介して正側の直流入力端子11’に接続されると共に、スイッチング素子5’とダイオード6’との接続点はリアクトル2’を介して負側の直流入力端子12’に接続されている。
上記のスイッチング素子4,4’,5,5’は、前述した図8のスイッチング素子101b,101c,102b,102cと同様に、逆並列接続された還流ダイオードを備えていて双方向に電流を通流可能な素子である。

0025

上記構成において、リアクトル1,2、ダイオード3,6、スイッチング素子4,5により第1チョッパが構成され、リアクトル1’,2’、ダイオード3’,6’、スイッチング素子4’,5’により第2チョッパが構成されている。
なお、直流入力端子11,11’は単一の直流電源(図示せず)の正極に接続され、直流入力端子12,12’は前記直流電源の負極に接続されている。また、リアクトル1,2やリアクトル1’,2’は、それぞれ互いに磁気結合されていても良い。

0026

ここで、直流入力端子11,11’は請求項における第1,第2の正側直流入力端子に、直流入力端子12,12’は請求項における第1,第2の負側直流入力端子に、リアクトル1,2は第1,第2のリアクトルに、リアクトル1’,2’は第3,第4のリアクトルに、ダイオード3,6,3’,6’は第1〜第4のダイオードに、スイッチング素子4,5,4’,5’は第1〜第4のスイッチング素子に、コンデンサ7,8は第1,第2のコンデンサに、それぞれ相当している。

0027

また、直流出力端子21,22の間には平滑コンデンサ7,8が直列に接続されており、平滑コンデンサ7,8同士の接続点と、スイッチング素子4,5同士の接続点及びスイッチング素子4’,5’同士の接続点との間には、電流検出手段40が接続されている。
この電流検出手段40には、図7における電流検出手段41,42と同様に、電気的に絶縁した状態で電流を測定可能なホール素子等が用いられており、互いに逆方向に流れる後述の電流Im,Im’から差分磁束を検出し、この差分磁束に基づいて差分値ΔImひいてはチョッパ間の電流アンバランス成分を検出する。

0028

なお、図1に示すように、第1チョッパにおける流入電流流出電流をそれぞれIinp,Iinnとし、第2チョッパにおける流入電流,流出電流をそれぞれIinp’,Iinn’とする。また、スイッチング素子4,5同士の接続点から平滑コンデンサ7,8同士の接続点に向かって流れる電流をImとし、スイッチング素子4’,5’同士の接続点から平滑コンデンサ7,8同士の接続点に向かって流れる電流をIm’とする。これらの電流Im,Im’ の差分値ΔImは、電流検出手段40において、数式5により検出可能である。
[数式5]
ΔIm=Im’−Im

0029

次に、この実施形態の動作を、図2図3を参照しつつ説明する。
図2は、スイッチング素子4,4’,5,5’のON/OFF状態に対するIm,Im’,ΔImの推移を示している。ここでは、第1チョッパと第2チョッパとの間で電流アンバランスが発生しており、各チョッパの流入電流,流出電流の大小関係は、Iinp<Iinp’かつIinn<Iinn’であると仮定する。

0030

スイッチング素子4,4’,5,5’の通流率は、図2(a)が50[%]未満(以下、降圧モードという)であり、図2(b)が50[%]以上(以下、昇圧モードという)である。なお、降圧モードではVin>Voutであり、昇圧モードではVin<Voutである。
降圧モード・昇圧モードを含めて、スイッチング素子4,4’,5,5’のON/OFF状態の組み合わせは4通り存在し、それぞれの組み合わせごとに、平滑コンデンサ7,8同士の接続点を流れる電流Im,Im’も変化する。なお、スイッチング素子4,4’は同時にON/OFFし、同5,5’も同時にON/OFFする。

0031

図3(a)〜(d)は、スイッチング素子4,4’,5,5’の4通りのON/OFF状態に対する電流経路の推移を示す図である。なお、図3(a)〜(d)では電流検出手段40が簡略的に図示されているが、その構成は図1における電流検出手段40と同一である。
スイッチング素子4,4’または同5,5’がONしている図3(a),(b)ではIm,Im’が流れ、スイッチング素子4,4’,5,5’がすべてOFFである図3(c)やすべてONである図3(d)ではIm,Im’が流れない。

0032

このうち、図3(a)は、スイッチング素子4,4’がON、同5,5’がOFFの状態であり、Im=Iinp,Im’=Iinp’である。また、図3(b)は、スイッチング素子4,4’がOFF、同5,5’がONの状態であり、Im=−Iinn,Im’=−Iinn’である。

0033

電流検出手段40は、前述した数式5に従って差分値ΔImを検出する。前述したごとく、Iinp<Iinp’かつIinn<Iinn’であるため、スイッチング素子4,4’,5,5’のON/OFF状態の組み合わせに対するIm,Im’,ΔImは、下記の表1のようになる。

0034

なお、表1において、ΔIinp>0,ΔIinn>0であり、電流検出手段40は、数式6,数式7に示すように、スイッチング素子4,4’がONであって同5,5’がOFFの時に、ΔImとしてΔIinpを検出し、スイッチング素子4,4’がOFFであって同5,5’がONの時に、ΔImとして−ΔIinnを検出する(言い換えれば、−ΔImとしてΔIinnを検出する)ことになる。

0035

[数式6]
ΔIinp=ΔIm (スイッチング素子4,4’:ON,同5,5’:OFF)
[数式7]
ΔIinn=−ΔIm (スイッチング素子4,4’:OFF,同5,5’:ON)

0036

従って、この実施形態では、第1チョッパ及び第2チョッパの上アームまたは下アームのスイッチング素子をONさせた状態で、単一の電流検出手段40のみを用いて電流アンバランス成分ΔIinp,ΔIinnを検出することができる。なお、この実施形態では、一スイッチング周期において少なくとも2回の電流検出処理を行うことにより、ΔIinp,ΔIinnの検出が可能になる。
このようにして、電流検出手段40の出力に基づいて電流アンバランス成分ΔIinp,ΔIinnが検出された場合には、アラームを発生させる、スイッチング素子4,4’,5,5’のON/OFFのタイミングを調整してアンバランスを解消する、等の処理を行えば良い。

0037

1,1’,2,2’:リアクトル
3,3’,6,6’:ダイオード
4,4’,5,5’:半導体スイッチング素子
7,8:平滑コンデンサ
11,11’,12,12’:直流入力端子
21,22:直流出力端子
40:電流検出手段

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