図面 (/)

技術 鉛蓄電池

出願人 日立化成株式会社
発明者 小林真輔島田康平
出願日 2015年10月23日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2015-208913
公開日 2017年5月18日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2017-084487
状態 特許登録済
技術分野 電池の電極及び活物質
主要キーワード 電極材ペースト マイクロハイブリッド 高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法 結晶性硫酸 微多孔シート 耳部同士 向上対策 鱗片状金属
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年5月18日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

優れたサイクル特性及び低温高率放電特性両立することが可能な鉛蓄電池を提供することを目的とする。

解決手段

正極及び負極を備え、前記負極が、負極集電体と、当該負極集電体に保持された負極材と、を有し、前記負極における内部の負極材密度が、前記負極における表面部の負極材密度よりも大きい、鉛蓄電池。

概要

背景

近年、自動車においては、大気汚染防止又は地球温暖化防止のため、様々な燃費向上対策が検討されている。燃費向上対策を施した自動車としては、例えば、エンジン動作時間を少なくするアイドリングストップシステム車(以下、「ISS車」という)、エンジンの動力によるオルタネータ発電を低減する発電制御車等のマイクロハイブリッド車等が検討されている。

ISS車では、エンジンの始動回数が多くなるため、鉛蓄電池の繰り返しの充放電回数が多くなる。そのため、サイクル寿命特性(以下、「サイクル特性」という)が重要視されている。

鉛蓄電池のサイクル特性は、電極である正極板及び負極板の、構成及び構造に依存することが知られている。

例えば、特許文献1では、利用率が小さく表面部のみが充放電反応関与し、膨張収縮が小さい塊状の鉛を海綿状の鉛中に含有させ、優れたサイクル特性を備えた鉛蓄電池に関する技術が開示されている。

概要

優れたサイクル特性及び低温高率放電特性両立することが可能な鉛蓄電池を提供することを目的とする。正極及び負極を備え、前記負極が、負極集電体と、当該負極集電体に保持された負極材と、を有し、前記負極における内部の負極材密度が、前記負極における表面部の負極材密度よりも大きい、鉛蓄電池。なし

目的

本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、優れたサイクル特性及び低温高率放電特性を両立することが可能な鉛蓄電池を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

正極及び負極を備え、前記負極が、負極集電体と、当該負極集電体に保持された負極材と、を有し、前記負極における内部の負極材密度が、前記負極における表面部の負極材密度よりも大きい、鉛蓄電池

請求項2

前記負極における表面部の負極材密度が4.0g/cm3未満であり、前記負極における内部の負極材密度が4.0g/cm3以上である請求項1に記載の鉛蓄電池。

技術分野

0001

本発明は、鉛蓄電池に関するものである。

背景技術

0002

近年、自動車においては、大気汚染防止又は地球温暖化防止のため、様々な燃費向上対策が検討されている。燃費向上対策を施した自動車としては、例えば、エンジン動作時間を少なくするアイドリングストップシステム車(以下、「ISS車」という)、エンジンの動力によるオルタネータ発電を低減する発電制御車等のマイクロハイブリッド車等が検討されている。

0003

ISS車では、エンジンの始動回数が多くなるため、鉛蓄電池の繰り返しの充放電回数が多くなる。そのため、サイクル寿命特性(以下、「サイクル特性」という)が重要視されている。

0004

鉛蓄電池のサイクル特性は、電極である正極板及び負極板の、構成及び構造に依存することが知られている。

0005

例えば、特許文献1では、利用率が小さく表面部のみが充放電反応関与し、膨張収縮が小さい塊状の鉛を海綿状の鉛中に含有させ、優れたサイクル特性を備えた鉛蓄電池に関する技術が開示されている。

先行技術

0006

特開2011−187387号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、ISS車用鉛蓄電池では、エンジンの始動回数が多くなるため、鉛蓄電池の大電流放電が繰り返される。

0008

特に、エンジンの始動しにくい低温条件において鉛蓄電池の高率放電特性が求められるため、鉛蓄電池の低温高率放電特性が重要視されている。

0009

そのため、ISS車用鉛蓄電池として、優れたサイクル特性に加えて、低温高率放電特性にも優れることが求められている。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ISS車用鉛蓄電池に適用した場合において、低温高率放電特性が十分でないことが予想される。

0010

本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、優れたサイクル特性及び低温高率放電特性を両立することが可能な鉛蓄電池を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、負極における内部の負極材密度が、前記負極における表面部の負極材密度よりも大きい、鉛蓄電池を用いることにより、前記課題を解決できることを見出した。

0012

すなわち、本発明に係る鉛蓄電池は、正極及び負極を備え、前記負極が、負極集電体と、当該負極集電体に保持された負極材と、を有し、前記負極における内部の負極材密度が、前記負極における表面部の負極材密度よりも大きい、鉛蓄電池である。

0013

負極材の内部を、より密度の大きい構造にすることで、負極材内部において活物質同士が凝集した際の収縮を抑制し、サイクル特性を向上させることができると考えられる。

0014

一方で、負極材の表面部を、前記負極材の内部に対して、より密度の小さい構造にすることで、前記負極材の表面部における比表面積を大きくし、利用率を高くすることにより、低温高率放電特性を向上させることができると考えられる。

0015

したがって、本発明によると、負極における内部の負極材密度が、前記負極における表面部の負極材密度よりも大きい、鉛蓄電池を用いることにより、サイクル特性を向上させるだけでなく、低温高率放電特性を同時に向上させることができる。

0016

本発明に係る鉛蓄電池は、負極材の表面部の密度が4.0g/cm3未満であることが好ましい。これにより、前記負極材の表面部における比表面積を大きくし、利用率を高くすることができるため、より優れた低温放電特性を得ることができる。

0017

本発明に係る鉛蓄電池は、負極材の内部の密度が4.0g/cm3以上であることが好ましい。これにより、負極材内部において活物質同士が凝集した際の収縮を抑制できるため、より優れたサイクル特性を得ることができる。

0018

本発明によれば、優れたサイクル特性及び低温高率放電特性を両立することができる。このような鉛蓄電池は、ISS車、マイクロハイブリッド車等の用途として特に優れる。

発明の効果

0019

本発明によれば、優れたサイクル特性及び低温高率放電特性を両立させることができる。本発明に係る鉛蓄電池は、優れたサイクル特性に加えて、低温高率放電特性にも優れることが求められているISS車、マイクロハイブリッド車等において好適に用いることができる。

図面の簡単な説明

0020

微多孔シートからなるセパレータを示す図面である。
微多孔シートからなるセパレータ及び電極板の断面図である。
袋セパレータ及び袋セパレータに収容される電極を示す図である。
極板群の断面図である。

0021

以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、比重は、温度によって変化するため、本明細書においては20℃で換算した比重と定義する。

0022

<鉛蓄電池>
本実施形態に係る鉛蓄電池は、例えば、電極(電極板等)、電解液硫酸等)及びセパレータを備えている。電極は、正極(正極板等)及び負極(負極板等)を有している。本実施形態に係る鉛蓄電池としては、液式鉛蓄電池制御弁式鉛蓄電池密閉式鉛蓄電池等が挙げられ、液式鉛蓄電池が好ましい。正極は、集電体正極集電体)と、当該集電体に保持された正極材と、を有している。負極は、集電体(負極集電体)と、当該集電体に保持された負極材と、を有している。本実施形態において正極材及び負極材は、例えば、化成後(例えば満充電状態)の電極材である。電極材が未化成である場合、電極材(未化正極材及び未化負極材)は、電極活物質正極活物質及び負極活物質)の原料等を含有している。集電体は、電極材からの電流導電路を構成する。従来の鉛蓄電池と同様の構成を用いることができる。

0023

本実施形態において、負極材は、負極活物質を含有し、必要に応じて添加剤を更に含有していてもよい。本実施形態に係る鉛蓄電池は、少なくとも前記負極における内部の負極材密度が、前記負極における表面部の負極材密度よりも大きい、鉛蓄電池である。前記負極材密度は、化成後の負極板における負極材密度である。

0024

(正極材)[正極活物質]
正極材は、正極活物質を含有している。正極活物質は、正極活物質の原料を含む正極材ペースト熟成及び乾燥することにより未化成活物質を得た後に化成することで得ることができる。化成後の正極活物質は、β−二酸化鉛(β−PbO2)を含むことが好ましく、α−二酸化鉛(α−PbO2)を更に含んでいてもよい。正極活物質の原料としては、特に制限はなく、例えば鉛粉が挙げられる。鉛粉としては、例えば、ボールミル式鉛粉製造機又はバートンポット式鉛粉製造機によって製造される鉛粉(ボールミル式鉛粉製造機においては、主成分PbOの粉体鱗片状金属鉛の混合物)が挙げられる。正極活物質の原料として鉛丹(Pb3O4)を用いてもよい。未化成の正極材は、主成分として、三塩基性硫酸鉛を含む未化成正極活物質を含有することが好ましい。

0025

正極活物質の平均粒径は、充電受け入れ性及びサイクル特性が更に向上する観点から、0.3μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、0.7μm以上が更に好ましい。正極活物質の平均粒径は、サイクル特性が更に向上する観点から、2.5μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましく、1.5μm以下が更に好ましい。正極活物質の前記平均粒径は、化成後の正極材における正極活物質の平均粒径である。正極活物質の平均粒径は、例えば、化成後の正極中央部の正極材における縦10μm×横10μmの範囲の走査型電子顕微鏡写真(1000倍)の画像内における全ての活物質粒子の長辺長さ(最大粒径)の値を算術平均化した数値として得ることができる。

0026

正極活物質の含有量は、電池特性(容量、低温高率放電性能、充電受け入れ性、サイクル特性等)に更に優れる観点から、正極材の全質量を基準として、95質量%以上が好ましく、97質量%以上がより好ましく、99質量%以上が更に好ましい。

0027

正極添加剤
正極材は、添加剤を更に含有していてもよい。添加剤としては、炭素材料炭素質導電材)、補強用短繊維等が挙げられる。炭素材料としては、カーボンブラック黒鉛等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラックケッチェンブラック等)、チャンネルブラックアセチレンブラックサーマルブラック等が挙げられる。補強用短繊維としては、アクリル繊維ポリエチレン繊維ポリプロピレン繊維ポリエチレンテレフタレート繊維炭素繊維等が挙げられる。

0028

[正極材の物性]
正極材の比表面積の下限は、充電受入性能に更に優れる観点から、3m2/g以上が好ましく、4m2/g以上がより好ましく、5m2/g以上が更に好ましい。正極材の比表面積の上限は、特に制限はないが、実用的な観点及び利用率に優れる観点から、15m2/g以下が好ましく、12m2/g以下がより好ましく、7m2/g以下が更に好ましい。正極材の前記比表面積は、化成後の正極材の比表面積である。正極材の比表面積は、例えば、正極材ペーストを作製する際の硫酸及び水の添加量を調整する方法、未化成活物質の段階で活物質を微細化させる方法、化成条件を変化させる方法等により調整することができる。

0029

正極材の比表面積は、例えば、BET法で測定することができる。BET法は、一つの分子の大きさが既知不活性ガス(例えば窒素ガス)を測定試料の表面に吸着させ、その吸着量と不活性ガスの占有面積とから表面積を求める方法であり、比表面積の一般的な測定手法である。

0030

正極材の多孔度は、正極材中の孔に硫酸が入り込む領域が多くなり容量が増加しやすい観点から、40%以上が好ましく、45%以上がより好ましい。正極材の多孔度の上限に特に制限はないが、正極材中の空孔部への硫酸含浸量が適度あり、活物質同士の結合力を良好に維持できる観点から、70%以下が好ましい。多孔度の上限は、実用的な観点から、60%以下がより好ましい。正極材の前記多孔度は、化成後の正極材の多孔度である。なお、正極材の多孔度は、例えば、水銀ポロシメーター測定から得られる値(体積基準の割合)である。正極材の多孔度は、例えば、正極材ペーストを作製する際に加える希硫酸の添加量を適宜変えて未化正極板を作製することにより、調整することができる。

0031

(負極材)[負極活物質]
負極材は、負極活物質を含有している。負極活物質は、負極活物質の原料を含む負極材ペーストを熟成及び乾燥することにより未化成活物質を得た後に化成することで得ることができる。化成後の負極活物質としては、海綿状鉛(Spongylead)等が挙げられる。前記海綿状鉛は、電解液中の硫酸と反応して、次第に硫酸鉛(PbSO4)に変わる傾向がある。負極活物質の原料としては、鉛粉等が挙げられる。鉛粉としては、例えば、ボールミル式鉛粉製造機又はバートンポット式鉛粉製造機によって製造される鉛粉(ボールミル式鉛粉製造機においては、主成分PbOの紛体と鱗片状金属鉛の混合物)が挙げられる。未化成の負極材は、例えば、塩基性硫酸鉛及び金属鉛、並びに、低級酸化物から構成される。

0032

負極活物質の平均粒径は、充電受入性能及びサイクル特性が更に向上する観点から、0.3μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、0.7μm以上が更に好ましい。負極活物質の平均粒径は、サイクル特性が更に向上する観点から、2.5μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましく、1.5μm以下が更に好ましい。負極活物質の前記平均粒径は、化成後の負極材における負極活物質の平均粒径である。負極活物質の平均粒径は、例えば、化成後の負極材の中央部における縦10μm×横10μmの範囲の走査型電子顕微鏡写真(1000倍)の画像内における全ての粒子の長辺長さ(最大粒径)の値を算術平均化した数値として得ることができる。

0033

負極活物質の含有量は、電池特性(容量、低温高率放電性能、充電受け入れ性、サイクル特性等)に更に優れる観点から、負極材の全質量を基準として、93質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、98質量%以上が更に好ましい。

0034

負極添加剤
負極材は、添加剤を更に含有していてもよい。負極添加剤としては、スルホン基スルホン酸基スルホ基)及びスルホン酸塩基(スルホン基の水素アルカリ金属置換された基等)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有する樹脂(スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂)、硫酸バリウム、炭素材料(炭素質導電材)、補強用短繊維等が挙げられる。充放電性能を更に向上させることができる観点から、負極材は、スルホン基及びスルホン酸塩基からなる群より選ばれる少なくとも一種を有する樹脂を含有することが好ましい。

0035

[スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂]
スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂としては、ビスフェノール系樹脂リグニンスルホン酸リグニンスルホン酸塩等が挙げられる。これらの中でも、充電受け入れ性が更に向上する観点から、ビスフェノール系樹脂が好ましく、ビスフェノール系化合物と、アミノアルキルスルホン酸、アミノアルキルスルホン酸誘導体アミノアリールスルホン酸及びアミノアリールスルホン酸誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種と、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種との縮合物であるビスフェノール系樹脂がより好ましい。

0036

ビスフェノール系樹脂は、例えば、下記一般式(II)で表される構造単位、及び、下記一般式(III)で表される構造単位の少なくとも一方を有することが好ましい。

0037

[式(II)中、X2は、2価の基を示し、A2は、炭素数1〜4のアルキレン基、又は、アリーレン基を示し、R21、R23及びR24は、それぞれ独立にアルカリ金属又は水素原子を示し、R22は、メチロール基(−CH2OH)を示し、n21は、1〜15
0の整数を示し、n22は、1〜3の整数を示し、n23は、0又は1を示す。また、ベンゼン環を構成する炭素原子直接結合している水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよい。]

0038

[式(III)中、X3は、2価の基を示し、A3は、炭素数1〜4のアルキレン基、又は、アリーレン基を示し、R31、R33及びR34は、それぞれ独立にアルカリ金属又は水素原子を示し、R32は、メチロール基(−CH2OH)を示し、n31は、1〜1
50の整数を示し、n32は、1〜3の整数を示し、n33は、0又は1を示す。また、ベンゼン環を構成する炭素原子に直接結合している水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよい。]

0039

式(II)で表される構造単位、及び、式(III)で表される構造単位の比率は、特に制限はなく、合成条件等によって変化し得る。ビスフェノール系樹脂としては、式(II)で表される構造単位、及び、式(III)で表される構造単位のいずれか一方のみを有する樹脂を用いてもよい。

0040

前記X2及びX3としては、例えば、アルキリデン基メチリデン基エチリデン基、イソプロピリデン基、sec−ブチリデン基等)、シクロアルキリデン基シクロヘキシリデン基等)、フェニルアルキリデン基ジフェニルメチリデン基、フェニルエチリデン基等)などの有機基スルホニル基が挙げられ、充電受け入れ性に更に優れる観点からはイソプロピリデン基(−C(CH3)2−)基が好ましく、放電特性に更に優れる観点からはスルホニル基(−SO2−)が好ましい。前記X2及びX3は、フッ素原子等のハロゲン原子により置換されていてもよい。前記X2及びX3がシクロアルキリデン基である
場合、炭化水素環はアルキル基等により置換されていてもよい。

0041

A2及びA3としては、例えば、メチレン基エチレン基プロピレン基ブチレン基等の炭素数1〜4のアルキレン基;フェニレン基ナフチレン基等の2価のアリーレン基が挙げられる。前記アリーレン基は、アルキル基等により置換されていてもよい。

0042

R21、R23、R24、R31、R33及びR34のアルカリ金属としては、ナトリウムカリウム等が挙げられる。n21及びn31は、サイクル特性及び溶媒への溶解性
に更に優れる観点から、1〜150が好ましく、10〜150がより好ましい。n22及びn32は、サイクル特性、放電特性及び充電受け入れ性がバランス良く向上しやすい観点から、1又は2が好ましく、1がより好ましい。n23及びn33は、製造条件により変化するが、サイクル特性及びビスフェノール系樹脂の保存安定性に更に優れる観点から、0が好ましい。

0043

スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂(ビスフェノール系樹脂等)の重量平均分子量は、スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂が鉛蓄電池において電極から電解液に溶出することを抑制することによりサイクル特性が向上しやすくなる観点から、3000以上が好ましく、10000以上がより好ましく、20000以上が更に好ましく、30000以上が特に好ましい。スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂の重量平均分子量は、電極活物質に対する吸着性が低下して分散性が低下することを抑制することによりサイクル特性が向上しやすくなる観点から、200000以下が好ましく、150000以下がより好ましく、100000以下が更に好ましい。

0044

スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂の重量平均分子量は、例えば、下記条件のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)により測定することができる。
(GPC条件)
装置:高速液体クロマトグラフLC−2200 Plus(日本分光株式会社製)
ポンプ:PU−2080
示差屈折率計RI−2031
検出器紫外可視吸光光度計UV−2075(λ:254nm)
カラムオーブン:CO−2065
カラム:TSKgel SuperAW(4000)、TSKgel SuperAW(3000)、TSKgel SuperAW(2500)(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
溶離液:LiBr(10mmol/L)及びトリエチルアミン(200mmol/L)を含有するメタノール溶液
流速:0.6mL/分
分子量標準試料ポリエチレングリコール(分子量:1.10×106、5.80×105、2.55×105、1.46×105、1.01×105、4.49×104、 2.70×104、2.10×104;東ソー株式会社製)、ジエチレングリコール(分
子量:1.06×102;キシダ化学株式会社製)、ジブチルヒドロキシトルエン(分子量:2.20×102;キシダ化学株式会社製)

0045

ISS車、マイクロハイブリッド車等に搭載される鉛蓄電池は、PSOCと呼ばれる部分充電状態で使用される。このような状況下で使用される鉛蓄電池においては、放電の際に負極活物質に生成される絶縁体である硫酸鉛が充放電の繰り返しに伴って粗大化していく、サルフェーションと呼ばれる現象が早期に生じる。サルフェーションが起ると、負極活物質の充電受入れ性及び放電性能が著しく低下する。 負極活物質に炭素質導電材を添加することにより、硫酸鉛の粗大化を抑制し、硫酸鉛を微細な状態に維持して、硫酸鉛から溶け出す鉛イオンの濃度が低下するのを抑制し、充電受入性能が高い状態を維持する効果が得られる。

0046

[炭素材料(炭素質導電材)]
炭素質導電材は、例えば、黒鉛、カーボンブラック、活性炭、炭素繊維、カーボンナノチューブ等が挙げられる。炭素質導電材の添加量は、満充電状態の負極活物質(海綿状金属鉛)100質量部に対し0.1〜3質量部が好ましい。充電受入性が向上する観点からは黒鉛が好ましく、更に充電受入性が向上する観点からは鱗片状黒鉛がより好ましい。鱗片状黒鉛の平均一次粒子径は、充電受入性が向上する観点から100μm〜500μmが好ましく、100μm〜350μmがより好ましく、100μm〜220μmが更に好ましい。

0047

ここでいう鱗片状黒鉛とは、JIS M 8601(2005)記載のものを指す。鱗片状黒鉛の電気抵抗率は、0.02Ω・cm以下で、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類の0.1Ω・cm前後より一桁小さい。従って、従来の鉛蓄電池で用いられているカーボンブラック類に替えて鱗片状黒鉛を用いることにより、負極活物質の電気抵抗下げて、充電受入性能を改善することができる。

0048

ここで、鱗片状黒鉛の平均一次粒子径は、JISM8511(2005)記載のレーザ回折散乱法に準拠して求める。レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製:マイクロトラック9220FRA)を用い、分散剤として市販の界面活性剤ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(例えば、ロシュダイアグスティックス株式会社製:トリトンX−100)を0.5vol%含有する水溶液に鱗片状黒鉛試料を適量投入し、撹拌しながら40Wの超音波を180秒照射した後、測定を行なう。求められた平均粒子径メディアン径:D50)の値を平均一次粒子径とする。

0049

[補強用短繊維]
補強用短繊維は、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、炭素繊維等が挙げられる。

0050

[負極材の密度]
本発明によれば、負極における内部の負極材密度を、前記負極における表面部の負極材密度よりも大きくすることにより、優れたサイクル特性及び低温高率放電特性を両立させることができる。この理由として考えられることを以下に記載する。低温高率放電特性に影響があるのは、負極表面層の一部だと考えられる。よって、負極表面部が内部よりも低密度だと、負極表面が反応しやすく、低温高率放電特性向上に効果が現れやすいと推測される。また、負極の密度を大きくすることで充放電反応に伴う負極活物質の凝集が抑制されやすく、サイクル性に優れると考えられる。したがって、負極における内部の負極材密度を、前記負極における表面部の負極材密度よりも大きくすると、表面部が低温高率放電特性向上に寄与し、内部がサイクル特性向上に寄与するため、優れたサイクル特性及び低温高率放電特性を両立できると推測される。

0051

負極材の密度範囲について説明する。低温高率放電特性に優れる観点から、負極表面部の負極材密度は、4.0g/cm3未満であることが好ましい。更に、負極材ペーストの集電体への充填性の観点から、負極表面部の負極材密度は、2.0g/cm3以上が好ましく、2.5g/cm3以上がより好ましく、3.0g/cm3以上が更に好ましい。

0052

また、サイクル特性に優れる観点から、負極内部の負極材密度は、4.0g/cm3以上が好ましい。更に、負極材ペーストの集電体への充填性の観点から、負極内部の負極材密度は、5.0g/cm3以下が好ましく、4.8g/cm3以下がより好ましく、4.6g/cm3以下が更に好ましい。

0053

負極材の密度は、例えば、負極材ペーストを作製する際の硫酸及び水の添加量を調整する方法、未化成活物質の段階で活物質を微細化させる方法、化成条件を変化させる方法等により調整することができる。これらの方法の中でも、製造上及び品質上の観点から、ペースト作製の段階で硫酸及び水の添加量を調整する方法により密度を調整することが好ましい。

0054

[負極材の密度の測定]
負極材の密度は、以下のようにして測定できる。化成後の負極板を約1時間水洗した後、窒素雰囲気下、60℃で20時間乾燥する。次に、乾燥した前記負極板の表面部及び内部から負極材をそれぞれ採取する。分析装置として株式会社島津製作所製のポロシメータ(オートポアIV9500)装置を用いて、水銀圧入方式測定圧2.00psiの細孔容積と乾燥質量の関係から負極材の密度を測定する。測定条件の詳細は下記のとおりである。

0055

{負極材の密度(見かけ密度)の測定条件}
分析装置:オートポアIV9500(株式会社島津製作所製)
水銀圧入圧:0〜354kPa(低圧)、大気圧〜414MPa(高圧
測定圧力での圧力保持時間:900s(低圧)、1200s(高圧)
試料と水銀との接触角:130℃
水銀の表面張力:480〜490mN/m
水銀の密度:13.5335g/mL

0056

[負極材の表面部の範囲]
負極材の表面部の範囲について説明する。負極材は負極板の厚み方向に対して、表面部、内部、表面部の順に配置している。サイクル特性の観点から、負極材の表面部の範囲は、負極板の表面から負極板の厚み方向に対して25%までが好ましい。また、低温高率放電特性とサイクル特性を両立しやすいという観点から、上記範囲は20%までがより好ましく、15%までが更に好ましく、12%までが特に好ましく、10%までが特により好ましい。製造上の観点から、上記範囲は、5%よりも大きいことが好ましい。

0057

(集電体)
集電体としては、鋳造格子体エキスパンド格子体等の集電体格子などが挙げられる。集電体の材質としては、例えば、鉛−カルシウム錫合金、鉛−カルシウム合金及び鉛−アンチモン合金が挙げられる。これらにセレン、銀、ビスマス等を微量添加することができる。例えば、これらの材質を重力鋳造法エキスパンド法打ち抜き法等で格子状に形成することにより集電体を得ることができる。正極及び負極の集電体は、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。

0058

(電解液)
電解液は、過放電時短絡を抑制する観点から、アルミニウムイオンを含むことが好ましい。電解液がアルミニウムイオンを含むことにより、水酸化アルミニウムセパレータ内、特に表層部に析出することで、鉛の析出を抑制することから短絡を抑制することができると推測される。

0059

<鉛蓄電池の製造方法>
本実施形態に係る鉛蓄電池の製造方法は、例えば、電極(正極及び負極)を得る電極製造工程と、前記電極を含む構成部材を組み立てて鉛蓄電池を得る組み立て工程とを備えている。

0060

電極製造工程では、例えば、電極材ペースト(正極材ペースト及び負極材ペースト)を集電体(例えば、鋳造格子体、エキスパンド格子体等の集電体格子)に充填した後に、熟成及び乾燥を行うことにより未化成の電極を得る。正極材ペーストは、例えば、正極活物質の原料(鉛粉等)を含有しており、他の添加剤を更に含有していてもよい。負極材ペーストは、負極活物質の原料(鉛粉等)を含有しており、分散剤として、スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂(ビスフェノール系樹脂等)を含有していることが好ましく、他の添加剤を更に含有していてもよい。

0061

正極材ペーストは、例えば、下記の方法により得ることができる。まず、正極活物質の原料に添加剤(補強用短繊維等)及び水を加える。次に、希硫酸を加えた後、混練して正極材ペーストが得られる。正極材ペーストを作製するに際しては、化成時間を短縮できる観点から、正極活物質の原料として鉛丹(Pb3O4)を用いてもよい。この正極材ペーストを集電体に充填した後に熟成及び乾燥を行うことにより未化成の正極を得ることができる。

0062

正極材ペーストにおいて補強用短繊維を用いる場合、補強用短繊維の配合量は、正極活物質の原料(鉛粉等)の全質量を基準として、0.005〜0.3質量%が好ましく、0.05〜0.3質量%がより好ましい。

0063

未化成の正極を得るための熟成条件としては、温度35〜85℃、湿度50〜98RH%の雰囲気で15〜60時間が好ましい。乾燥条件は、温度45〜80℃で15〜30時間が好ましい。

0064

負極材ペーストは、例えば、下記の方法により得ることができる。まず、負極活物質の原料に添加剤(スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂、補強用短繊維、硫酸バリウム等)を添加して乾式混合することにより混合物を得る。そして、この混合物に硫酸(希硫酸等)及び溶媒(イオン交換水等の水、有機溶媒など)を加えて混練することにより負極材ペーストが得られる。上記の方法により、密度の異なる負極材ペーストを二つ作製する。まず、前記二つの負極材ペーストの内、密度のより大きい負極材ペーストを集電体(例えば、鋳造格子体、エキスパンド格子体等の集電体格子)に充填する。続いて、前記二つの負極材ペーストの内、密度のより小さい負極材ペーストを前記集電体に充填する。後に、熟成及び乾燥を行うことにより未化成の負極を得ることができる。

0065

負極材ペーストにおいて、スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂(ビスフェノール系樹脂等)、炭素材料、補強用短繊維又は硫酸バリウムを用いる場合、各成分の配合量は下記の範囲が好ましい。スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂の配合量は、負極活物質の原料(鉛粉等)の全質量を基準として、樹脂固形分換算で、0.01〜2.0質量%が好ましく、0.05〜1.0質量%がより好ましく、0.1〜0.5質量%が更に好ましく、0.1〜0.3質量%が特に好ましい。炭素材料の配合量は、負極活物質の原料(鉛粉等)の全質量を基準として、0.1〜3質量%が好ましく、0.2〜1.4質量%がより好ましい。補強用短繊維の配合量は、負極活物質の原料(鉛粉等)の全質量を基準として0.05〜0.15質量%が好ましい。硫酸バリウムの配合量は、負極活物質の原料(鉛粉等)の全質量を基準として、0.01〜2.0質量%が好ましく、0.01〜1.0質量%がより好ましい。

0066

未化成の負極を得るための熟成条件としては、温度45〜65℃、湿度70〜98RH%の雰囲気で15〜30時間が好ましい。乾燥条件は、温度45〜60℃で15〜30時間が好ましい。

0067

組み立て工程では、例えば、前記のように作製した未化成の負極及び未化成の正極を、セパレータを介して交互に積層し、同極性の電極の集電部をストラップで連結(溶接等)させて電極群を得る。この電極群を電槽内に配置して未化成電池を作製する。次に、未化成電池に電解液を注入した後、直流電流通電して電槽化成する。化成後の電解液の比重を適切な比重に調整して鉛蓄電池が得られる。

0068

前記電解液は、例えば、硫酸及びアルミニウムイオンを含有しており、硫酸及び硫酸アルミニウム粉末を混合することにより得ることができる。電解液中に溶解させる硫酸アルミニウムは、無水物又は水和物として添加することができる。

0069

電解液(アルミニウムイオンを含む場合はアルミニウムイオンを含む電解液)の化成後の比重は下記の範囲であることが好ましい。電解液の比重は、浸透短絡又は凍結を抑制すると共に放電特性に更に優れる観点から、1.25以上が好ましく、1.28以上がより好ましく、1.285以上が更に好ましく、1.29以上が特に好ましい。電解液の比重は、充電受入性能及びサイクル特性が更に向上する観点から、1.33以下が好ましく、1.32以下がより好ましく、1.315以下が更に好ましく、1.31以下が特に好ましい。電解液の比重の値は、例えば、浮式比重計、又は、京都電子工業株式会社製のデジタル比重計によって測定することができる。

0070

電解液のアルミニウムイオン濃度は、充電受入性能及びサイクル特性が更に向上する観点から、電解液の全量を基準として、0.001mol/L以上が好ましく、0.004mol/L以上がより好ましい。電解液のアルミニウムイオン濃度は、充電受入性能及びサイクル特性が更に向上する観点から、電解液の全量を基準として、0.2mol/L以下が好ましい。電解液のアルミニウムイオン濃度は、例えば、ICP発光分光分析法高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法)により測定することができる。

0071

電解液のアルミニウムイオン濃度が前記所定範囲であることにより充電受入性能が向上するメカニズムの詳細については明らかではないが、以下のように推測される。すなわち、アルミニウムイオン濃度が前記所定範囲であると、任意の低SOC下において、放電生成物である結晶性硫酸鉛の電解液中への溶解度が上がるため、又は、アルミニウムイオンの高いイオン伝導性により電解液の電極活物質内部への拡散性が向上するためと推測される。

0072

電解液のアルミニウムイオン濃度が前記所定範囲であることにより充電受入性能が向上するメカニズムの詳細については明らかではないが、以下のように推測される。すなわち、アルミニウムイオン濃度が前記所定範囲であると、任意の低SOC下において、放電生成物である結晶性硫酸鉛の電解液中への溶解度が上がるため、又は、アルミニウムイオンの高いイオン伝導性により電解液の電極活物質内部への拡散性が向上するためと推測される。

0073

電槽は、内部に電極(極板等)を収納可能なものである。電槽は、電極を収納しやすい観点から、上面が開放された箱体と、この箱体の上面を覆う蓋体とを有するものが好ましい。なお、箱体と蓋体との接着には、接着剤熱溶着レーザ溶着超音波溶着等を適宜用いることができる。電槽の形状としては、特に限定されるものではないが、電極(板状体である極板等)の収納時に無効空間が少なくなるように方形のものが好ましい。

0074

電槽の材質は、特に制限されるものではないが、電解液(希硫酸等)に対し耐性を有するものである必要がある。電槽の材質の具体例としては、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、ABS樹脂等が挙げられる。材質がPPであると、耐酸性加工性(ABS樹脂では電槽と蓋の熱溶着が困難)、コストの面で有利である。

0075

電槽が箱体及び蓋体により構成される場合、箱体及び蓋体の材質は、互いに同一の材質であってもよく、互いに異なる材質であってもよいが、無理な応力が発生しない観点から、熱膨張係数の等しい材質が好ましい。

0076

セパレータは、ガラスパルプ、及び合成樹脂から選ばれる少なくとも1種からなるセパレータ等が挙げられる。本発明では、以下に記載したセパレータを使用することが好ましい。

0077

本発明では、図1に記載されたセパレータを用いるのが好ましい。図1(a)は、微多孔シートからなるポリオレフィン製のセパレータ(以下、単にセパレータという)を示す正面図であり、図1(b)は、セパレータの断面図である。図2は、セパレータ及び電極の断面図である。図1に示すように、セパレータ10は、平板状のベース部11と、凸状(例えば線状)の複数のリブ12と、ミニリブ13とを備えている。ベース部11は、リブ12及びミニリブ13を支持している。リブ12は、セパレータ10の一方面10aにおいて互いに略平行に配置されている。リブ12の間隔は、例えば3〜15mmである。リブ12の高さ方向の一端はベース部11に一体化して接続されており、リブ12の高さ方向の他端は、正極及び負極のうちの一方の電極14aに接している(図2参照)。ベース部11は、リブ12の高さ方向において電極14aと対向している。セパレータ10の他方面10bにはリブは配置されておらず、セパレータ10の他方面10bは、正極及び負極のうちの他方の電極14b(図2参照)と対向又は接している。

0078

ミニリブ13は、セパレータ10の幅方向における両側において、セパレータ10の長手方向に延びるように多数本形成されている。ミニリブ13は、鉛蓄電池が横方向に振動した際に、電極の角がセパレータを突き破って短絡することを防止するためにセパレータ強度を向上させる機能を有する。なお、ミニリブ13の高さ、幅、間隔は、何れもリブ12よりも小さいことが好ましい。また、ミニリブ13の断面形状は、リブ12と同一であってもよく、異なっていてもよい。ミニリブ13の断面形状は、半円型であることが好ましい。また、ミニリブ13は形成されていなくてもよい。

0079

図3は、袋セパレータ20と袋セパレータ20に収容される電極(例えば負極)14を入れる状態を示す図である。図1(a)に示すように、袋セパレータ20の作製に用いるセパレータ10は、例えば、長尺シート状に形成されている。袋セパレータ20は、セパレータ10を適切な長さに切断し、セパレータ10の長手方向に二つ折りにしてその内側に電極14を配置して重ね合せ、両側部をメカニカルシール圧着又は熱溶着する(例えば、図3の符号22はメカニカルシール部)。これにより、図3に示す袋セパレータ20が得られる。

0080

ベース部11の厚みTの上限は、優れた充電受け入れ性及び放電特性を得る観点から、0.25mm以下である。厚みTが0.25mmを超えると、充電受け入れ性及び放電特性が低下する傾向がある。ベース部11の厚みTの上限は、更に優れた充電受け入れ性及び放電特性を得る観点から、0.2mm以下が好ましく、0.15mm以下がより好ましい。ベース部11の厚みTの下限は、特に制限はないが、短絡を抑制しやすい観点から、0.05mm以上が好ましく、0.1mm以上がより好ましい。

0081

リブ12の高さ(ベース部11及び電極14の対向方向の高さ)Hの上限は、更に優れた充電受け入れ性を得る観点から、1.25mm以下が好ましく、1.0mm以下がより好ましく、0.75mm以下が更に好ましい。リブ12の高さHの下限は、正極での酸化劣化を抑制する観点から、0.3mm以上が好ましく、0.4mm以上がより好ましく、0.5mm以上が更に好ましい。

0082

ベース部11の厚みTに対するリブ12の高さHの比率H/Tの下限は、セパレータの耐酸化性に優れる観点から、2以上である。比率H/Tが2以上であると、電極(例えば正極)と接触しない部分を充分に確保できるため、セパレータの耐酸化性が向上すると推測される。

0083

比率H/Tの下限は、セパレータの耐酸化性及び生産性に更に優れる観点から、2.4以上が好ましく、3以上がより好ましい。比率H/Tの上限は、リブの形状保持性に優れる観点、及び、短絡を抑制する観点から、6以下である。比率H/Tが6以下であると、正負極間の距離が充分であることから短絡が抑制されると推測される。また、比率H/Tが6以下であると、鉛蓄電池を組み立てた際にリブが破損することなく、充電受け入れ性等の電池特性が良好に維持されると推測される。比率H/Tの上限は、短絡を抑制しやすい観点、及び、リブの形状保持性に更に優れる観点から、5以下が好ましく、4.5以下がより好ましく、4以下が更に好ましい。

0084

また、リブ12の上底幅B(図1(b)参照)は、リブの形状保持性及び耐酸化性に優れる観点から、0.1〜2mmが好ましく、0.2〜1mmがより好ましく、0.2〜0.8mmが更に好ましい。リブの下底幅Aは、リブの形状保持性に優れる観点から、0.2〜4mmが好ましく、0.3〜2mmがより好ましく、0.4〜1mmが更に好ましい。上底幅Bと下底幅Aの比率(B/A)は、リブの形状保持性に優れる観点から、0.1〜1が好ましく、0.2〜0.8がより好ましく、0.3〜0.6が更に好ましい。

0085

前記セパレータは、正極及び負極の少なくとも一方の電極を包む袋状であることが好ましい。例えば、正極及び負極のうちの一方が袋状のセパレータに収容され、且つ、正極及び負極のうちの他方と交互に積層されている態様が好ましい。例えば、袋状のセパレータを正極に適用した場合、正極集電体の伸びによりセパレータを貫通する可能性があることから、負極が袋状のセパレータに収容されていることが好ましい。

0086

化成条件及び硫酸の比重は電極活物質の性状に応じて調整することができる。また、化成処理は、組み立て工程後に実施されることに限られず、電極製造工程における熟成及び乾燥後に実施されてもよい(タンク化成)。

0087

負極材に対する正極材の質量比(正極材/負極材)は、充分な電池容量が得られやすいと共に高い充電受け入れ性が得られやすい観点から、0.9以上が好ましく、1以上がより好ましく、1.05以上が更に好ましい。負極材に対する正極材の質量比は、充分な電池容量が得られやすい観点から、1.3以下が好ましく、1.2以下がより好ましく、1.15以下が更に好ましい。負極材に対する正極材の質量比は、充分な電池容量が得られやすいと共に高い充電受け入れ性が得られやすい観点から、0.9〜1.3が好ましく、1〜1.2がより好ましく、1.05〜1.15が更に好ましい。負極材に対する正極材の前記質量比は、化成後の負極材及び正極材の質量比である。

0088

以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明は下記の実施例のみに限定されるものではない。

0089

(実施例1)
[正極板の作製]
正極活物質の原料として、酸化度70%の鉛粉及び酸化度90%の鉛丹(Pb3O4)を用いた(鉛粉:鉛丹=85:15(質量比))。正極活物質の原料と、正極活物質の原料の全質量を基準として0.2質量%の補強用短繊維(アクリル繊維)と、水とを混合して混練した。続いて、希硫酸(比重1.280、20℃換算以下同様)を少量ずつ添加しながら混練して、正極材ペーストを作製した。鉛合金からなる圧延シートエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド式集電体に、この正極材ペーストを充填した。次いで、正極材ペーストが充填された集電体を温度50℃、湿度98%の雰囲気で24時間熟成した。その後、乾燥して未化成の正極板を作製した。

0090

[負極板の作製]
負極活物質の原料として酸化度70%の鉛粉を用いた。ビスフェノール系樹脂を0.2質量%(固形分換算、日本製紙(株)製、商品名:ビスパーズP215)、補強用短繊維(アクリル繊維)を0.1質量%、硫酸バリウムを1.0質量%、炭素材料(鱗片状黒鉛(粒径180μm))を1.5質量%含む混合物を前記鉛粉に添加した後に乾式混合した(前記配合量は、負極活物質の原料の全質量を基準とした配合量である)。前記ビスフェノール系樹脂の重量平均分子量は、前記記載の条件のGPCにより測定したところ、53900であった。前記鱗片状黒鉛の粒径は、前記記載の方法により、算術平均化した数値として得た。次に、上記混合物に水と希硫酸を加えて、化成後の密度が3.8g/cm3となるペースト(A)及び化成後の密度が4.2g/cm3となるペースト(B)をそれぞれ作製した。上記(A)及び上記(B)は、水の添加量を調整する方法により密度を調整した。その後、鉛合金からなる圧延シートにエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド式集電体に上記(B)を充填した。続いて、その上から、上記(A)が表面から負極板の厚み方向に対して10%となるように、上記(A)を充填した。次いで、負極材ペーストが充填された集電体を温度50℃、湿度98%の雰囲気で24時間熟成した。その後、乾燥して未化成の負極板を作製した。

0091

[電池の組み立て]
正負極板とセパレータが積層された極板群の断面図を図1に示す。まず、所定寸法長さの微多孔シートからなるポリエチレン製セパレータ(ベース部の厚みは0.2mm、リブの高さは0.6mmである)を、長さ方向の中央において幅方向に折り目をつけてU字状に折り曲げ、未化成の負極板をU字の内側に配置する。そして、U字状に折り曲げた微多孔シートからなるポリエチレン製セパレータの長さ方向両側部をシールした。袋状の二重セパレータに入った未化成の負極板8枚と未化成の正極板7枚と交互に積層した。続いて、キャストオンストラップ(COS)方式で同極性の極板の耳部同士を溶接して極板群を作製した。極板群を電槽に挿入して2V単セル電池(JIS D 5301規定のD23サイズの単セルに相当)を組み立てた。アルミニウムイオン濃度が0.04mol/Lになるように硫酸アルミニウム無水物を溶解させた希硫酸(比重1.280)をこの電池に注入した。その後、40℃の水槽中、通電電流20Aで20時間の条件で化成して鉛蓄電池を得た。また、化成後の負極材に対する正極材の質量比(正極材/負極材)は、1.2とした。

0092

以下に、実施例2〜7の詳細について記載する。
(実施例2)
化成後の負極板内部の負極材密度が4.2g/cm3、表面部の負極材密度が3.6g/cm3となるように、実施例1同様の方法でペーストを充填して得た負極板を用いて作製された鉛蓄電池。
(実施例3)
化成後の負極板内部の負極材密度が4.2g/cm3、表面部の負極材密度が3.4g/cm3となるように、実施例1同様の方法でペーストを充填して得た負極板を用いて作製された鉛蓄電池。
(実施例4)
化成後の負極板内部の負極材密度が4.4g/cm3、表面部の負極材密度が3.8g/cm3となるように、実施例1同様の方法でペーストを充填して得た負極板を用いて作製された鉛蓄電池。
(実施例5)
化成後の負極板内部の負極材密度が4.6g/cm3、表面部の負極材密度が3.8g/cm3となるように、実施例1同様の方法でペーストを充填して得た負極板を用いて作製された鉛蓄電池。
(実施例6)
化成後の負極板内部の負極材密度が4.4g/cm3、表面部の負極材密度が3.6g/cm3となるように、実施例1同様の方法でペーストを充填して得た負極板を用いて作製された鉛蓄電池。
(実施例7)
化成後の負極板内部の負極材密度が4.6g/cm3、表面部の負極材密度が3.4g/cm3となるように、実施例1同様の方法でペーストを充填して得た負極板を用いて作製された鉛蓄電池。

0093

以下に、比較例1〜6の詳細を記載する。
(比較例1)
負極板の表面及び内部共に化成後の負極材密度が4.0g/cm3となるようにペーストを充填して、得た負極板を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で作製された鉛蓄電池。
(比較例2)
負極板の表面及び内部共に化成後の負極材密度が4.6g/cm3となるようにペーストを充填して、得た負極板を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で作製された鉛蓄電池。
(比較例3)
負極板の表面及び内部共に化成後の負極材密度が4.4g/cm3となるようにペーストを充填して、得た負極板を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で作製された鉛蓄電池。
(比較例4)
負極板の表面及び内部共に化成後の負極材密度が3.4g/cm3となるようにペーストを充填して、得た負極板を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で作製された鉛蓄電池。
(比較例5)
化成後の負極板内部の負極材密度が4.2g/cm3、表面部の負極材密度が3.8g/cm3となるように、実施例1同様の方法でペーストを充填して得た負極板を用いて作製された鉛蓄電池。
(比較例6)
化成後の負極板内部の負極材密度が3.4g/cm3、表面部の負極材密度が4.6g/cm3となるように、実施例1同様の方法でペーストを充填して得た負極板を用いて作製された鉛蓄電池。

0094

低温高率放電持続時間の測定)
それぞれの鉛蓄電池を−15℃の雰囲気下で16時間放置した後、300Aの電流値で、終止電圧が1.0Vまで放電を行い、持続時間を測定した。比較例1を100として、比較例1に対する各鉛蓄電池の低温高率放電持続時間を表1に示した。

0095

(サイクル特性の評価)
低温高率放電持続時間の測定が終了した鉛蓄電池に対し、40℃の環境下において、25Aの定電流で4分間放電を行い、引き続き2.47V、25Aの定電圧で10分間充電を行い、この放電と充電サイクルを1回とし、480サイクル毎に582Aの定電流で30秒間放電し、30秒目端子電圧を測定した。その端子電圧が1.2V以下に低下し、再び上昇しないことを確認した時点を寿命サイクル数とした。前記寿命サイクル数が多い程、サイクル特性に優れる。比較例1のサイクル特性を100として、比較例1に対する各鉛蓄電池のサイクル特性を表1に示した。

0096

実施例

0097

これらの鉛蓄電池について、表1に低温高率放電持続時間、及びサイクル特性の測定結果を示す。本発明を用いた実施例は、低温高率放電の持続時間、サイクル特性ともに優れていた。これらの理由として、以下の理由が考えられる。低温高率放電特性に影響があるのは負極の表面層の一部であると考えられ、低温高率放電特性が優れるのは負極の表面に比表面積の小さい密度の大きいペーストを配置したためであると推測される。また、サイクル特性が良好な理由は、負極の内部に密度の大きいペーストを配置した結果、活物質の凝集が抑制されたためであると推測される。

0098

10…セパレータ、10a…一方面、10b…他方面、11…ベース部、12…リブ、
13…ミニリブ、14,14a,14b…電極、20…袋セパレータ、22…メカニカル
シール部、A…リブの下底幅、B…リブの上底幅、H…リブの高さ、T…ベース部の厚み
1:負極板、2:微多孔シートからなるセパレータ、3:正極板

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ