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図面 (17)

課題

支承を介して上部構造下部構造に載置した構造物に取り付けた鋼製ダンパの状態が変化したかどうかを簡単な構成で検知する技術を提供する。

解決手段

摩擦ダンパ5は、一端が構造物の下部構造側に、他端が上部構造側に取り付けられている。構造物は、支承を介して上部構造を下部構造に載置している。ひずみセンサ13aは、摩擦ダンパ5が軸方向の応力を受ける内筒6に取り付けている。センサ部13は、ひずみセンサ13aの出力によって、摩擦ダンパ5の状態が変化したかどうかを検知する。

概要

背景

従来、橋梁ビル等の様々な種類の構造物について、状態を検知するシステムがある(特許文献1、2等参照)。この種のシステムでは、温度センサ湿度センサ加速度センサ変位センサ赤外線イメージセンサ等、様々な種類のセンサを用いて、構造物にかかる計測対象物理量センシングすることによって、構造物の状態をモニタリングしている。

また、上部構造下部構造の上に支承を介して載置された構造物においては、耐震性を向上させるために、ダンパを取り付けることが行われている(特許文献3等参照)。また、上部構造が下部構造の上に支承を介して載置された構造物においては、上部構造と下部構造との間における振動の伝達が支承を介して行われる。例えば、地震動にともなう下部構造の振動が支承を介して上部構造に伝達される。ダンパは、軸方向(伸縮方向)の一方の端部が上部構造側に取り付けられ、他方の端部が下部構造側に取り付けられ、下部構造または上部構造の一方から他方に伝達される振動を抑制する。

概要

支承を介して上部構造を下部構造に載置した構造物に取り付けた鋼製ダンパの状態が変化したかどうかを簡単な構成で検知する技術を提供する。摩擦ダンパ5は、一端が構造物の下部構造側に、他端が上部構造側に取り付けられている。構造物は、支承を介して上部構造を下部構造に載置している。ひずみセンサ13aは、摩擦ダンパ5が軸方向の応力を受ける内筒6に取り付けている。センサ部13は、ひずみセンサ13aの出力によって、摩擦ダンパ5の状態が変化したかどうかを検知する。

目的

この発明の目的は、支承を介して上部構造を下部構造に載置した橋梁やビル等の構造物に取り付けた鋼製ダンパの状態が変化したかどうかを簡単な構成で検知する技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

支承を介して上部構造下部構造に載置した構造物において、一端を前記下部構造側に、他端を前記上部構造側に取り付けた鋼製ダンパと、前記鋼製ダンパの応力を受ける部分に取り付けたひずみセンサと、前記ひずみセンサの出力によって、前記鋼製ダンパの状態が変化したかどうかを検知する検知部と、を備えたダンパの状態検知装置

請求項2

前記鋼製ダンパは、摩擦ダンパであり、前記ひずみセンサは、応力が作用したときに軸方向にスライドする部材に取り付けている、請求項1に記載のダンパの状態検知装置。

請求項3

前記鋼製ダンパは、座屈拘束された鋼材ダンパであり、前記ひずみセンサは、応力が作用したときに座屈する部分に取り付けている、請求項1に記載のダンパの状態検知装置。

請求項4

前記ひずみセンサは、圧電素子で形成したセンサである、請求項1〜3のいずれかに記載のダンパの状態検知装置。

請求項5

外部機器からの要求に応じて、前記検知部における検知結果を前記外部機器に出力する出力部を備えた、請求項1〜4のいずれかに記載のダンパの状態検知装置。

技術分野

0001

この発明は、支承を介して上部構造下部構造に載置した橋梁ビル等の構造物に取り付けた鋼製ダンパの状態を検知する技術に関する。

背景技術

0002

従来、橋梁やビル等の様々な種類の構造物について、状態を検知するシステムがある(特許文献1、2等参照)。この種のシステムでは、温度センサ湿度センサ加速度センサ変位センサ赤外線イメージセンサ等、様々な種類のセンサを用いて、構造物にかかる計測対象物理量センシングすることによって、構造物の状態をモニタリングしている。

0003

また、上部構造が下部構造の上に支承を介して載置された構造物においては、耐震性を向上させるために、ダンパを取り付けることが行われている(特許文献3等参照)。また、上部構造が下部構造の上に支承を介して載置された構造物においては、上部構造と下部構造との間における振動の伝達が支承を介して行われる。例えば、地震動にともなう下部構造の振動が支承を介して上部構造に伝達される。ダンパは、軸方向(伸縮方向)の一方の端部が上部構造側に取り付けられ、他方の端部が下部構造側に取り付けられ、下部構造または上部構造の一方から他方に伝達される振動を抑制する。

先行技術

0004

特開2008− 2986号公報
特開2013− 40774号公報
特開2005−299078号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上部構造が下部構造の上に支承を介して載置された構造物に取り付けたダンパは、振動時における上部構造と下部構造との相対的な変位を抑制するものである。そして、耐震性を向上させるためにダンパを取り付けた構造物であっても、地震発生時における下部構造の振動は支承を介して上部構造に伝達される。したがって、ダンパが取り付けられた構造物であっても、地震動にともなう下部構造の振動がある程度の大きさを超えると、ダンパの状態が変化することがある。ダンパの状態変化によっては、振動時における上部構造と下部構造との相対的な変位を十分に抑制することができない場合もある。このため、状態が変化したダンパを確認し、必要に応じてダンパの状態を戻す必要がある。

0006

この発明の目的は、支承を介して上部構造を下部構造に載置した橋梁やビル等の構造物に取り付けた鋼製ダンパの状態が変化したかどうかを簡単な構成で検知する技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

この発明のダンパの状態検知装置は、上記目的を達するために以下のように構成している。

0008

鋼製ダンパは、支承を介して上部構造を下部構造に載置した構造物において、一端を下部構造側に、他端を上部構造側に取り付けている。ここで言う、鋼製ダンパとは、摩擦ダンパや、座屈拘束された鋼材ダンパであって、オイルダンパ粘性ダンパ、および粘弾性ダンパを含まない。

0009

ひずみセンサは、鋼製ダンパの応力を受ける部分に取り付けている。例えば、鋼製ダンパが摩擦ダンパである場合、応力が作用したときに軸方向にスライドする部材にひずみセンサを取り付けている。また、鋼製ダンパが鋼材ダンパである場合、応力が作用したときに座屈する部分にひずみセンサを取り付けている。ひずみセンサは、例えば圧電素子で形成したセンサである。検知部は、ひずみセンサの出力によって、鋼製ダンパの状態が変化したかどうかを検知する。

0010

このように、簡単な構成で、支承を介して上部構造を下部構造に載置した橋梁やビル等の構造物に取り付けた鋼製ダンパの状態が変化したかどうかの検知が行える。

0011

また、ダンパの状態検知装置は、外部機器からの要求に応じて、検知部における検知結果を、この外部機器に出力する出力部を備える構成にしてもよい。

発明の効果

0012

この発明によれば、簡単な構成で、支承を介して上部構造を下部構造に載置した橋梁やビル等の構造物に取り付けた鋼製ダンパの状態が変化したかどうかの検知が行える。

図面の簡単な説明

0013

モニタリングシステムの構成を示す図である。
高架道路橋の橋軸方向の概略断面図である。
高架道路橋の橋軸直角方向の概略断面図である。
摩擦ダンパの取り付け状態を示す図である。
摩擦ダンパの構造を説明する図である。
センサノードの主要部の構成を示す図である。
図7(A)、(B)は、ダンパにおけるセンサの取り付け例を示す平面図である。
報知装置の主要部の構成を示すブロック図である。
上位装置の主要部の構成を示すブロック図である。
センサノードの動作を示すフローチャートである。
報知装置の動作を示すフローチャートである。
上位装置の動作を示すフローチャートである。
図13(A)は、摩擦ダンパの断面図であり、図13(B)は、図13(A)におけるA方向の平面図である。
図14(A)、(B)、(C)は、鋼材ダンパを示す図であり、図14(D)は、ひずみセンサ13aの取り付け例を示す図である。
図15(A)は、鋼材ダンパの平面図であり、図15(B)は、図15(A)におけるA方向の平面図である。
図16(A)は、鋼材ダンパの平面図であり、図16(B)は、図16(A)におけるA方向の平面図である。

実施例

0014

以下、この発明の実施形態について説明する。

0015

図1は、モニタリングシステムの構成を示す図である。この例にかかるモニタリングシステムは、自動車走行する高架道路橋(橋梁)に取り付けた摩擦ダンパ5の状態が変化したかどうかを検知する。高架道路橋は、支承を介して上部構造(橋桁等)を下部構造(橋脚等)に載置している。高架道路橋が、この発明で言う構造物に相当する。この例にかかるモニタリングシステムは、複数のセンサノード1と、複数の報知装置2と、上位装置3と、を備える。

0016

複数のセンサノード1は、グループP1〜Pnに分けている。各グループP1〜Pnに属するセンサノード1は、1つであってもよいし、複数であってもよい。また、各グループP1〜Pnに属するセンサノード1の数は、均一である必要はない。この例では、センサノード1と摩擦ダンパ5とを、1対1で対応付けている。センサノード1は、対応づけられている摩擦ダンパ5の状態が変化したかどうかを検知する。センサノード1のグループ分けの詳細については、後述する。この例では、センサノード1、および摩擦ダンパ5が、この発明にかかるダンパの状態検知装置に相当する。

0017

報知装置2は、センサノード1のグループP1〜Pn毎に設けている。報知装置2は、対応するグループP1〜Pnに属するセンサノード1との間で入出力にかかる通信を行う。この例では、報知装置2が、この発明で言う外部機器に相当する。

0018

上位装置3は、高架道路橋を含む交通網を管理する道路管制センタに設置している。上位装置3は、各報知装置2との間で入出力にかかる通信を行う。

0019

構造物である高架道路橋について説明する。図2は、高架道路橋の橋軸方向(この例では、車両の走行方向)の概略断面図である。図3は、高架道路橋の橋軸直角方向(この例では、車両の幅方向)の概略断面図である。図4は、図3において破線で囲んだ領域の拡大図である。高架道路橋の橋脚は、橋軸方向に適当な間隔で並んでいる。高架道路橋は、下部構造である橋脚と、上部構造である主桁との間に、支承が位置する。支承は、主桁を含む上部構造と、橋脚を含む下部構造との間に作用する荷重(振動)を伝達する部材である。自動車が走行する路面は、主桁の上面(橋脚側の反対面)側に設けた床版の上に形成されている。

0020

この例では、高架道路橋の下部構造である橋脚と、報知装置2とを1対1で対応付けている。報知装置2は、図2に示すように、上部構造の側壁に取り付けている。報知装置2は、橋軸方向において、対応する橋脚と略同じ位置に取り付けている。

0021

支承は、公知のように、下部構造である橋脚側に位置する下と、上部構造である主桁側に位置する上沓とを備え、下沓と上沓とが相対的に変位する部材である。支承は、下沓を橋脚の上面(上部構造に対向する面)に取り付け、上沓を橋桁の底面(下部構造に対向する面)に取り付けている。すなわち、支承は、図2、および図3に示すように、上部構造と、下部構造との間に位置する。言い換えれば、上部構造は、支承を介して下部構造の上に載置されている。図3は、支承が橋軸直角方向に3つ並んでいる場合を例示している。

0022

なお、橋軸直角方向に並んでいる支承の数は、3つでなくてもよい。

0023

また、下部構造である橋脚の上面には、定着台が形成されている。この定着台は、橋脚に載置されている上部構造の橋桁のいずれかの側面に対向する面を有するブロックである。

0024

摩擦ダンパ5は、上部構造の橋桁と、下部構造の定着台との間に取り付けている。図4に示すようには、摩擦ダンパ5は、伸縮する軸方向の一方の端部を橋桁に取り付け、軸方向の他方の端部を定着台に取り付けている。すなわち、摩擦ダンパ5は、軸方向の一方の端部を上部構造側に取り付け、軸方向の他方の端部を下部構造側に取り付けている。摩擦ダンパ5の軸方向は、この例では橋軸直角方向に合わせている。図3は、1つの橋脚に対して、2つの摩擦ダンパ5を取り付けた場合を例示している。

0025

なお、1つの橋脚に取り付ける摩擦ダンパ5の数は、2つでなくてもよい。また、定着台は、橋脚に取り付ける摩擦ダンパ5の個数に応じて形成すればよい。

0026

図5は、この例にかかる摩擦ダンパの断面図である。図5における左右方向が、摩擦ダンパ5の軸方向である。摩擦ダンパ5は、内筒6に取り付けたダイス8と、外筒7に取り付けたロッド9によって構成される。摩擦ダンパ5の軸方向は、外筒7に対する内筒6の挿入方向であり、図5における左右方向である。外筒7の内部には、軸方向に延びるロッド9が取り付けられている。また、内筒6の内部には、軸方向に貫通させた穴を有するダイス8が取り付けられている。ダイス8の穴の内径は、ロッド9の外形よりも少し小さい。摩擦ダンパ5は、内筒6を外筒7に挿入したとき、ロッド9がダイス8の穴に嵌挿される構成である。すなわち、摩擦ダンパ5は、ダイス8と、ロッド9との接触面において生じている摩擦力静摩擦、または動摩擦)を超える応力が軸方向に作用しているときに伸縮する。また、摩擦ダンパ5は、軸方向に作用している応力がダイス8と、ロッド9との接触面において生じている摩擦力未満になると、そのときの状態を保持する。

0027

摩擦ダンパ5には、上部構造と下部構造との間で伝達される振動の大きさに応じた応力が軸方向に作用する。摩擦ダンパ5の軸方向に作用する応力は、上部構造と下部構造との間で伝達された振動が大きくなるにつれて大きくなる。

0028

報知装置2と、センサノード1のグループP1〜Pnとは1対1で対応付けている。また、上述したように、報知装置2と、橋脚とは1対1で対応付けている。そして、センサノード1のグループP1〜Pnと、橋脚とは1対1で対応付けている。すなわち、各報知装置2に対応づけたグループP1〜Pnに属するセンサノード1は、その報知装置2を対応付けた橋脚に取り付けられている摩擦ダンパ5に対応付けたものである。

0029

図6は、センサノードの主要部の構成を示すブロック図である。センサノード1は、制御部11と、電源部12と、センサ部13と、近距離無線通信部14とを備えている。

0030

制御部11は、センサノード1本体の動作を制御する。また、センサノード1は、自機を識別するノードコードを制御部11に設けたメモリ(不図示)に記憶している。このノードコードは、例えばn桁のコードであり、先頭のm桁(n>m)が対応づけた摩擦ダンパ5を取り付けた橋脚を示すコードである。

0031

電源部12は、センサノード1本体各部に動作電源を供給する。電源部12は、センサノード1本体に内蔵している電池電力源とし、センサノード1本体各部に動作電源を供給する。

0032

なお、電源部12は、外部接続しているバッテリや、内蔵、または外部接続している発電ユニット(太陽電池等)を電力源とし、センサノード1本体各部に動作電源を供給する構成であってもよい。

0033

センサ部13には、ひずみセンサ13aが接続されている。ひずみセンサ13aは、圧電素子(ピエゾ素子)で構成したものである。ひずみセンサ13aは、図7に示すように、摩擦ダンパ5の内筒6に取り付けている。図7(A)は、橋軸方向に見た摩擦ダンパ5の平面図であり、図7(B)は、図7(A)に示すA方向から見た平面図である。摩擦ダンパ5は、ある程度の大きさの応力(第1の大きさの応力)が軸方向に作用すると、内筒6にひずみが生じる。ひずみセンサ13aは、この内筒6のひずみに応じた電圧を出力する圧電センサである。

0034

なお、摩擦ダンパ5は、第1の大きさの応力よりも大きい第2の大きさの応力が軸方向に作用すると、内筒6が外筒7に対して軸方向にスライドする。

0035

摩擦ダンパ5に割り当てたセンサノード1のセンサ部13は、ひずみセンサ13aの出力によって、摩擦ダンパ5が軸方向に受けた応力の大きさが、予め定めた応力の大きさ(応力閾値)を超えたかどうかを検知することにより、摩擦ダンパ5の内筒6が外筒7に対して軸方向にスライドしたかどうか検知する。この応力閾値は、摩擦ダンパ5の内筒6が外筒7に対して軸方向にスライドする応力の大きさよりも少し小さい値に定めている。センサ部13は、ひずみセンサ13aの出力電圧と、この応力閾値に応じた電圧とを比較することによって、摩擦ダンパ5の内筒6が外筒7に対して軸方向にスライドしたかどうか(摩擦ダンパ5の状態が変化したかどうか)を検知する。センサ部13が、この発明で言う検知部に相当する。

0036

制御部11は、センサ部13が摩擦ダンパ5の状態が変化したことを検知すると、その旨をメモリに記憶する。

0037

近距離無線通信部14は、報知装置2との間における近距離無線通信を制御する。近距離無線通信部14が、この発明で言う出力部に相当する。

0038

図8は、報知装置の主要部の構成を示すブロック図である。報知装置2は、制御部21と、電源部22と、操作部23と、表示部24と、近距離無線通信部25と、無線通信部26とを備えている。

0039

制御部21は、報知装置2本体の動作を制御する。また、報知装置2は、自機を識別する装置コードを制御部21に設けた不揮発性のメモリ(不図示)に記憶している。この装置コードは、例えばm桁のコードであり、対応づけた橋脚を示すコードである。

0040

電源部22は、報知装置2本体各部に動作電源を供給する。電源部22は、バッテリが接続されるバッテリ接続端子22aを備えている。電源部22は、バッテリ接続端子22aにバッテリが接続されている場合、バッテリ接続端子22aに接続されているバッテリを電力源とし、報知装置2本体各部に動作電源を供給する。言い換えれば、報知装置2は、バッテリ接続端子22aにバッテリが接続されていない場合、報知装置2本体各部に動作電源が供給されない。

0041

なお、この例では、報知装置2は、商用電源を電力源とし、報知装置2本体各部に動作電源を供給する構成でないので、報知装置2の設置時に、商用電源を供給するためのケーブル敷設工事をともなわない。

0042

操作部23は、報知装置2本体に対応づけた橋脚に取り付けたいずれかの摩擦ダンパ5の状態が変化したことが検知されたかどうかを出力させるときに操作する確認ボタン23aを有している。この確認ボタン23aは、報知装置2本体の表面に露出しており、簡単に操作できる。

0043

表示部24は、報知装置2本体に対応づけた橋脚に取り付けたいずれかの摩擦ダンパ5において、状態が変化したことが検知されていた場合に点灯させる通知ランプ24aを有している。表示部24は、報知装置2本体に対応づけた橋脚に取り付けられている全ての摩擦ダンパ5において、状態が変化したことが検知されていない場合、通知ランプ24aを点灯させない。通知ランプ24aの発光色は例えば赤である。

0044

近距離無線通信部25は、対応づけたグループP1〜Pnに属するセンサノード1との間における近距離無線通信を制御する。

0045

無線通信部26は、上位装置3との間における入出力にかかる無線通信を制御する。

0046

図9は、上位装置の主要部の構成を示すブロック図である。上位装置3は、制御部31と、操作部32と、表示部33と、記憶部34と、無線通信部35と、交通網データベース36(以下、交通網DB36と言う。)と、を備えている。

0047

制御部31は、上位装置3本体の動作を制御する。

0048

操作部32には、キーボードマウス等の入力デバイスが接続されている。操作部32は、オペレータによる入力デバイスの操作に応じて、上位装置3本体に対する入力を受け付ける。

0049

表示部33には、液晶ディスプレイ等の表示デバイスが接続されている。表示部33は、接続されている表示デバイスにおける画面表示を制御する。

0050

記憶部34は、動作時に発生したデータ等を一時的に記憶するワーキングエリアとして使用するメモリを有する。

0051

無線通信部35は、報知装置2との間における入出力にかかる無線通信を制御する。また、上位装置3と、報知装置2との間における通信は、公衆回線を利用してもよいし、インタネット等のネットワークを利用してもよい。

0052

交通網DB36は、この例にかかるモニタリングシステムにおいて、状態をモニタリングする高架道路橋を含む交通網の地図データを記憶している。また、この例にかかるモニタリングシステムにおいて、状態をモニタリングする高架道路橋にかかる橋脚毎に、その橋脚の地図上の位置を示すデータを記憶している。具体的には、橋脚の識別コード(この例では、報知装置2の装置コードでもある。)と、橋脚の位置を示す緯度データ、および経度データと、を対応付けて記憶している。交通網DB36が記憶しているデータを総称して交通網データと言う。

0053

以下、この例にかかるモニタリングシステムの動作について説明する。

0054

図10は、センサノードの動作を示すフローチャートである。センサノード1は、センサ部13で検知対象の摩擦ダンパ5(ひずみセンサ13aを取り付けた摩擦ダンパ5)の状態が変化したことを検知すると、その旨(摩擦ダンパ5の状態変化有)を検知結果として制御部11のメモリに記憶する(s1、s3)。

0055

また、センサノード1は、近距離無線通信部14において、報知装置2からの検知結果の通知要求を受信すると、制御部11のメモリに記憶している摩擦ダンパ5の状態変化の有無を報知装置2に通知する(s2、s4)。

0056

センサノード1は、s1〜s4の処理を繰り返す。

0057

図11は、報知装置の動作を示すフローチャートである。報知装置2は、保守員等によって確認ボタン23aが操作されると(s11)、対応づけたグループP1〜Pnに属する全てのセンサノード1に対して検知結果の通知要求を送信する(s12)。

0058

なお、確認ボタン23aを操作する保守員等が、バッテリを報知装置2のバッテリ接続端子22aに接続している。

0059

報知装置2は、s12で検知結果の通知要求を送信すると、予め定めた一定時間経過するのを待つ(s13)。この一定時間は、センサノード1が上述したs2、s4にかかる処理を行うのに必要な時間よりも、少し長い。すなわち、報知装置2は、s13において、対応するグループP1〜Pnに属する各センサノード1から検知結果が送信されてくるのを待っている。報知装置2は、近距離無線通信部25で受信した検知結果に対応づけられているノードコードによって、受信した検知結果が対応づけられているグループP1〜Pnに属するいずれかのセンサノード1から送信されてきたものであるかどうかを判定することができる。

0060

報知装置2は、s13で予め定めた一定時間経過したと判定すると、対応づけられている橋脚に取り付けられているいずれかの摩擦ダンパ5について、状態が変化したことが検知されているかどうかを判定する判定処理を行う(s14)。報知装置2は、検知結果を受信したセンサノード1については、その検知結果によって、このセンサノード1に対応づけられている摩擦ダンパ5の状態が変化したかどうかを判断する。また、報知装置2は、s13で一定時間経過するのを待っている間に、検知結果が送信されてこなかったセンサノード1については、このセンサノード1が損傷している可能性が高いことから、このセンサノード1に対応づけられている摩擦ダンパ5の状態が変化したと判断する。

0061

報知装置2は、s14にかかる判定処理が完了すると、今回の判定結果を表示部24において表示する(s15)。具体的には、報知装置2は、対応する橋脚に取り付けられているいずれかの摩擦ダンパ5について状態が変化したと判断した場合、通知ランプ24aを点灯する。報知装置2は、対応する橋脚に取り付けられている全ての摩擦ダンパ5について状態が変化していないと判断した場合、通知ランプ24aを点灯させない(消灯状態を保持する。)。

0062

このように、ひずみセンサ13aを利用した簡単な構成で、橋脚に取り付けた摩擦ダンパ5の状態が変化したかどうかの検知が行える。また、保守員は、確認ボタン23aを操作するという簡単な作業で、その報知装置2に対応づけられている橋脚に取り付けた摩擦ダンパ5の状態が変化したかどうかの確認が簡単に行える。

0063

また、報知装置2は、s15にかかる判定処理の判定結果を上位装置3に送信し(s16)、s11に戻る。

0064

また、報知装置2は、バッテリ接続端子22aにバッテリが接続されたときに、s12以降の処理を実行する構成にしてもよい。このようにすれば、保守員は、確認ボタン23aを操作しなくても、対応する橋脚に取り付けられている摩擦ダンパ5の状態が変化したかどうかの確認が行える。

0065

また、上記の例では、報知装置2は、s14にかかる判定処理の判定結果を視覚により確認できる形態(通知ランプ24aの点灯状態)で出力する構成であるとしたが、判定結果を音声メッセージ聴覚により確認できる形態)で出力する構成にしてもよいし、判定結果をメッセージで表示する構成にしてもよい。判定結果を出力する形態は、保守員が視覚、または聴覚で確認できる形態であれば、どのような形態であってもよい。

0066

図12は、上位装置の動作を示すフローチャートである。上位装置3は、無線通信部35において、いずれかの報知装置2から送信されてきた判定結果を受信すると(s21)、受信した判定結果を記憶部34に記憶し(s22)、s21に戻る。s22では、受信した判定結果を、この判定結果を送信してきた報知装置2の装置コードに対応づけて記憶する。

0067

また、上位装置3は、判定結果の集計開始要求があると(s23)、記憶部34に記憶している各報知装置2から通知された判定結果を集計する集計処理を行う(s24)。オペレータは、操作部32で所定の入力操作を行うことにより、上位装置3に対してs23にかかる集計開始要求の入力が行える。

0068

s24では、記憶部34に記憶している最新の判定結果に基づき、状態が変化した摩擦ダンパ5が取り付けられている橋脚と、状態が変化した摩擦ダンパ5が取り付けられていない橋脚と、に分類する。

0069

上位装置3は、s24にかかる集計処理の集計結果を出力し(s25)、s21に戻る。s25では、例えば、状態が変化した摩擦ダンパ5が取り付けられている橋脚を一覧表で出力する。また、地図上に、状態が変化した摩擦ダンパ5が取り付けられている橋脚を示して出力する構成であってもよい。この集計結果は、表示部33に接続されている液晶ディスプレイ等の表示デバイスに表示してもよいし、プリンタに対して印字データとして出力してもよい。

0070

これにより、オペレータは、状態が変化した摩擦ダンパ5が取り付けられている橋脚の確認が行える。

0071

また、上記の例では、報知装置2に対応付ける橋脚を1つとしたが、隣接する複数の橋脚を対応付けてもよい。このようにすれば、必要な報知装置2の台数が抑えられる。また、上記の例では、報知装置2は、側壁に取り付けるとしたが、対応する橋脚の周辺であれば、側壁に限らず、他の場所に取り付けてもよい。さらに、報知装置2は、保守員が携帯する携帯型の端末で構成してもよい(報知装置2を、対応する橋脚周辺に設置しない構成としてもよい。)。

0072

また、センサノード1は、複数のひずみセンサ13aをセンサ部13に接続した構成であってもよい。このようにすれば、1つのセンサノード1で、複数の摩擦ダンパ5について、その状態が変化したかどうかを検知することができる。例えば、1つの橋脚に対して、その橋脚に取り付けられている全ての摩擦ダンパ5について、その状態が変化したかどうかを1つのセンサノード1で検知する構成にしてもよい。

0073

また、上記の例では、摩擦ダンパ5は、軸方向を橋軸直角方向に合わせているとしたが、軸方向を橋軸方向にしてもよいし、橋軸直角方向と平行の角度から橋軸方向の角度までの範囲に合わせてもよいし、構造物の鉛直方向に合わせてもよい。

0074

また、摩擦ダンパ5は、図13に示す構成の摩擦ダンパを用いてもよい。図13(A)は、摩擦ダンパの断面図であり、図13(B)は、図13(A)におけるA方向の平面図である。

0075

図13に示す摩擦ダンパ50は、中板51を2枚の外板52、53で挟んだ構成である。中板51と、外板52、53との当接面には、摩擦係数が比較的大きいブレーキ材を設けている。摩擦ダンパ50は、中板51、外板52、53を、皿バネおよび座金を介してボルト締め付けることにより、ブレーキ材により生じる摩擦力を生じさせている。中板51には、長径が軸方向(図13における左右方向)である長穴を形成している。

0076

したがって、この摩擦ダンパ50は、ある程度の大きさの応力(第1の大きさの応力)が軸方向に作用すると、中板51にひずみが生じる。ひずみセンサ13aは、この中板51に取り付けており、中板51のひずみを検出する。

0077

なお、摩擦ダンパ50は、第1の大きさの応力よりも大きい第2の大きさの応力が軸方向に作用すると、中板51が外板52、53に対して軸方向にスライドする。

0078

また、摩擦ダンパ5に換えて、図14図16に示す鋼材ダンパを用いてもよい。図14(C)に示す鋼材ダンパ60は、軸降伏型履歴ダンパである。この鋼材ダンパ60は、図14(A)に示す中心鋼材を、図14(B)に示す座屈拘束材に嵌挿した構成である。中心鋼材は、アンボンド材の両端に鋼板を設けた部材である。アンボンド材は、緩衝材である。座屈拘束材は、鋼管コンクリートによって、嵌挿された中心鋼材を座屈拘束する。

0079

鋼材ダンパ60は、座屈拘束材に対する中心鋼材の嵌挿方向が軸方向である。

0080

図14(D)は、図14(C)において破線で囲んだ領域の拡大図である。図14(D)に示すように、ひずみセンサ13aは、中心鋼材の鋼板に取り付けている。

0081

この鋼材ダンパ60は、ある程度の大きさの応力(第1の大きさの応力)が軸方向に作用すると、中心鋼材が座屈し、ひずみが生じる。ひずみセンサ13aは、この中心鋼材のひずみを検出する。

0082

また、図15(A)は、鋼材ダンパの平面図であり、図15(B)は、図15(A)におけるA方向の平面図である。図15に示す鋼材ダンパ61は、壁型のものである。この鋼材ダンパ61は、2枚の拘束材波形芯材を挟んだ構成である。この鋼材ダンパ61の軸方向は、図15における左右方向である。

0083

この鋼材ダンパ61は、ある程度の大きさの応力(第1の大きさの応力)が軸方向に作用すると、波形心材が座屈し、拘束材にひずみが生じる。ひずみセンサ13aは、この拘束材のひずみを検出する。

0084

また、図16(A)は、鋼材ダンパの平面図であり、図16(B)は、図16(A)におけるA方向の平面図である。図16に示す鋼材ダンパ62は、パネル型のものである。この鋼材ダンパ62は、低降伏点鋼等の制振パネル補剛スチフナ座屈補剛した制振部材である。この鋼材ダンパ62の軸方向は、制振パネルの対角線方向である。

0085

この鋼材ダンパ62は、ある程度の大きさの応力(第1の大きさの応力)が軸方向に作用すると、制振パネルが座屈し、制振パネルにひずみが生じる。ひずみセンサ13aは、この制振パネルのひずみを検出する。

0086

また、この発明で言う鋼製ダンパは、図5図13図16に示したもの以外であってもよい。但し、この発明で言う鋼製ダンパとは、摩擦ダンパ、座屈拘束された鋼材ダンパや座屈補剛された鋼材ダンパであって、オイルダンパ、粘性ダンパ、および粘弾性ダンパを含まない。

0087

また、上記の例では、構造物として高架道路橋(橋梁)を例にして説明したが、ビル等の橋梁以外の構造物であっても、本願発明は適用できる。

0088

1…センサノード
2…報知装置
3…上位装置
5…摩擦ダンパ
6…内筒
7…外筒
8…ダイス
9…ロッド
11…制御部
12…電源部
13…センサ部
13a…センサ
14…近距離無線通信部
21…制御部
22…電源部
22a…バッテリ接続端子
23…操作部
23a…確認ボタン
24…表示部
24a…通知ランプ
25…近距離無線通信部
26…無線通信部
31…制御部
32…操作部
33…表示部
34…記憶部
35…無線通信部
36…交通網データベース(交通網DB)
50…摩擦ダンパ
51…中板
52…外板
60、61、62…鋼材ダンパ

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