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技術 管路の異常の判定方法

出願人 積水化学工業株式会社
発明者 近藤博昭
出願日 2015年10月28日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2015-211662
公開日 2017年5月18日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-083292
状態 特許登録済
技術分野 気密性の調査・試験
主要キーワード 集中程度 流体搬送管 ポンプ音 音圧データ 判定値算出 判定表 バルブ周辺 機械音
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

算出した判定値に基づいて管路の異常を判定できる管路の異常判定方法を提供することを目的とする。

解決手段

本発明にかかる管路の異常を判定する判定方法は、少なくとも1ヶ所の検査位置で、管路100の振動を所定時間計測して振動データを得る振動データ計測工程と、振動データ計測工程で得られた振動データから一部の波形パターンを抽出する波形パターン抽出工程と、波形パターン抽出工程で得られた波形パターンと振動データ計測工程で得られた振動データとの相互相関関数を得る相互相関工程と、相互相関工程で得られた相互相関関数の振幅から判定値を算出する判定値算出工程と、を含み、算出した判定値に基づいて管路100の異常を判定する、ものである。

概要

背景

従来、2ヶ所以上の検査位置に設置した圧電センサにより振動データ計測し、その2つ以上の振動データをもとに相互相関関数を求めていた。そして、その相互相関関数から漏水の有無を判断していた。

例えば、特許文献1(特表2003−502678号公報)に係る発明は、2つの入力信号流体搬送管から検知され、周波数領域での入力信号の位相が判定され、少なくとも1個のフィルターが提供され、入力信号がフィルター処理され、フィルター処理された信号の相互相関が実行されるというものである。

一方、特許文献2(特開平8−121700号公報)に係る発明は、埋設管路の適宜個所において所定のサンプリング時間で所定の計測時間に亘って音圧データ収集し、収集した音圧データの音圧レベルに関する度数分布を形成し、この度数部分における音圧データの集中程度により埋設管路における漏洩の有無を判別するというものである。

概要

算出した判定値に基づいて管路の異常を判定できる管路の異常判定方法を提供することを目的とする。本発明にかかる管路の異常を判定する判定方法は、少なくとも1ヶ所の検査位置で、管路100の振動を所定時間計測して振動データを得る振動データ計測工程と、振動データ計測工程で得られた振動データから一部の波形パターンを抽出する波形パターン抽出工程と、波形パターン抽出工程で得られた波形パターンと振動データ計測工程で得られた振動データとの相互相関関数を得る相互相関工程と、相互相関工程で得られた相互相関関数の振幅から判定値を算出する判定値算出工程と、を含み、算出した判定値に基づいて管路100の異常を判定する、ものである。

目的

本発明の主な目的は、このような問題を解決すべく、算出した判定値に基づいて管路の異常を判定できる管路の異常判定方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

管路の異常を判定する判定方法であって、少なくとも1ヶ所の検査位置で、管路の振動を所定時間計測して振動データを得る振動データ計測工程と、前記振動データ計測工程で得られた少なくとも1つの前記振動データから一部の波形パターンを抽出する波形パターン抽出工程と、前記波形パターン抽出工程で得られた波形パターンと前記振動データ計測工程で得られた前記振動データとの相互相関関数を得る相互相関工程と、前記相相関工程で得られた相互相関関数の振幅から判定値を算出する判定値算出工程と、を含み、算出した前記判定値に基づいて前記管路の異常を判定する、管路の異常判定方法。

請求項2

管路の異常を判定する判定方法であって、1ヶ所の検査位置で、管路の振動を所定時間計測して振動データを得る振動データ計測工程と、前記振動データ計測工程で得られた1つの前記振動データから複数の波形パターンを抽出する波形パターン抽出工程と、前記波形パターン抽出工程で得られた複数の前記波形パターンと前記振動データ計測工程で得られた1つの前記振動データとの相互相関関数を得る相互相関工程と、前記相互相関工程で得られた相互相関関数の振幅から判定値を算出する判定値算出工程と、を含み、算出した前記判定値に基づいて、1ヶ所の検査位置で前記管路の異常を判定する、管路の異常判定方法。

請求項3

前記判定値算出工程は、前記相互相関工程で得られた相互相関関数の振幅から相関の大きさを相対的に示す判定値を算出するものであり、算出した前記判定値とあらかじめ定められた判定値とを比較し、前記管路の異常振動を判定する、請求項1または2記載の管路の異常判定方法。

請求項4

算出した前記判定値が、あらかじめ定められた判定値の所定範囲の上限値を超過した場合、前記管路が機械振動により振動していると判定する、請求項3記載の管路の異常判定方法。

請求項5

算出した前記判定値が、前記所定範囲内の場合、前記管路に漏水が生じていると判定する、請求項3または4記載の管路の異常判定方法。

技術分野

0001

本発明は、管路の異常を判定する判定方法に関する。

背景技術

0002

従来、2ヶ所以上の検査位置に設置した圧電センサにより振動データ計測し、その2つ以上の振動データをもとに相互相関関数を求めていた。そして、その相互相関関数から漏水の有無を判断していた。

0003

例えば、特許文献1(特表2003−502678号公報)に係る発明は、2つの入力信号流体搬送管から検知され、周波数領域での入力信号の位相が判定され、少なくとも1個のフィルターが提供され、入力信号がフィルター処理され、フィルター処理された信号の相互相関が実行されるというものである。

0004

一方、特許文献2(特開平8−121700号公報)に係る発明は、埋設管路の適宜個所において所定のサンプリング時間で所定の計測時間に亘って音圧データ収集し、収集した音圧データの音圧レベルに関する度数分布を形成し、この度数部分における音圧データの集中程度により埋設管路における漏洩の有無を判別するというものである。

先行技術

0005

特表2003−502678号公報
特開平8−121700号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1に係る発明は、2ヶ所以上の検査位置に設置された圧電センサにより振動データを計測し、その2つ以上の振動データをもとに相互相関関数を求めている。そして、その相互相関関数から漏水による振動が入力されないと、漏水の検知ができないという問題がある。

0007

一方、特許文献2に係る発明は、管路における音圧を所定時間計測し、音圧が一定の値に集中したときに漏水が生じていると判定するものである。

0008

そのため、騒音の少ない静かな環境下においては、漏水が生じてなくても音圧が一定となる場合があり、正確に判定できないという問題がある。

0009

本発明の主な目的は、このような問題を解決すべく、算出した判定値に基づいて管路の異常を判定できる管路の異常判定方法を提供することである。本発明の他の目的は、1ヶ所の検査位置で管路の異常を判定できる管路の異常判定方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

(1)
一局面に従う管路の異常の判定方法は、管路の異常を判定する判定方法であって、少なくとも1ヶ所の検査位置で、管路の振動を所定時間計測して振動データを得る振動データ計測工程と、振動データ計測工程で得られた少なくとも1つの振動データから一部の波形パターンを抽出する波形パターン抽出工程と、波形パターン抽出工程で得られた波形パターンと振動データ計測工程で得られた振動データとの相互相関関数を得る相互相関工程と、相互相関工程で得られた相互相関関数の振幅から判定値を算出する判定値算出工程と、を含み、算出した判定値に基づいて管路の異常を判定する、ものである。

0011

例えば漏水が管路に生じている場合、発生源は同一であるため、漏水由来固有の波形パターンが生じる。そして、その波形パターンは時系列で連続的に発生する。つまり、時系列での振動データのうち漏水由来の固有の波形パターンが計測されることになる。

0012

したがって、任意に抽出された、振動データの一部の波形パターンと振動データとの相互相関関数を得ることにより、波形パターンのうち振動データに繰り返されている部分(例えば漏水による固有の波形部分)は、相関値が大きくなる。

0013

そのため、相互相関関数の振幅から算出された値(判定値)は、管路の環境に応じた固有の値となる。その結果、算出した判定値に基づいて管路の異常を判定できる。

0014

(2)
他の局面に従う管路の異常の判定方法は、管路の異常を判定する判定方法であって、1ヶ所の検査位置で、管路の振動を所定時間計測して振動データを得る振動データ計測工程と、振動データ計測工程で得られた1つの振動データから複数の波形パターンを抽出する波形パターン抽出工程と、波形パターン抽出工程で得られた複数の波形パターンと振動データ計測工程で得られた1つの振動データとの相互相関関数を得る相互相関工程と、相互相関工程で得られた相互相関関数の振幅から判定値を算出する判定値算出工程と、を含み、算出した判定値に基づいて、1ヶ所の検査位置で管路の異常を判定する、ものである。

0015

1つの振動データから任意の複数の波形パターンを抽出する。そして、その複数の波形パターンと抽出前の1つの振動データとの相互相関関数を求める。その結果、波形パターンのうち振動データに繰り返されている部分(例えば漏水による固有の波形部分)は、相関値が大きくなる。

0016

そのため、相互相関関数の振幅から算出された値(判定値)は、管路の環境に応じた固有の値となる。その結果、算出した判定値に基づいて管路の異常を判定できる。つまり、1ヶ所の検査位置で管路の異常を判定できる。

0017

(3)
第3の発明にかかる管路の異常の判定方法は、一局面または他の局面に従う管路の異常を判定する判定方法であって、判定値算出工程は、相互相関工程で得られた相互相関関数の振幅から相関の大きさを相対的に示す判定値を算出するものであり、算出した判定値とあらかじめ定められた判定値とを比較し、管路の異常を判定する、ものである。

0018

「相関の大きさを相対的に示す」とは、例えば、複数の相互相関関数について、それぞれの最大値を算出し、その平均値をとるというようなことである。また、その最大値の平均値を、相互相関関数の正となる部分の平均値で割ることも含まれる。

0019

相互相関関数の振幅から相関の大きさを相対的に示す値(判定値)は、管路の環境に応じた固有の値となる。そして、様々な環境下での判定値を事前に算出しておく(あらかじめ定められた判定値)。そして、調べたい管路の判定値を算出する。

0020

そして、算出した判定値とあらかじめ定められた判定値とを比較することにより、算出した判定値があらかじめ定められた判定値のどの値付近に該当するかわかる。その結果、管路の異常を判定できる。

0021

(4)
第4の発明にかかる管路の異常の判定方法は、第3の発明に従う管路の異常を判定する判定方法であって、算出した判定値が、あらかじめ定められた判定値の所定範囲の上限値を超過した場合、管路が機械振動により振動していると判定する、ものである。

0022

機械振動の場合、振動の規則性が強いことから、振動データと波形パターンとの相関値が大きくなる。その結果、判定値も大きくなる。このことから、算出した判定値が所定範囲の上限値を超える値である場合、その振動は機械振動であると判定することができる。機械振動を判定することができれば、管路の異常の原因を推定することができる。

0023

(5)
第5の発明にかかる管路の異常の判定方法は、第3の発明または第4の発明に従う管路の異常を判定する判定方法であって、算出した判定値が、所定範囲内の場合、管路に漏水が生じていると判定する、ものである。

0024

漏水は発生源が同一であるため、固有の波形パターンがある。そして、漏水は連続的に発生している。その結果、波形パターンと振動データとの相関値が大きくなる。つまり、機械振動よりは低い値となるが、算出した判定値が大きくなる。したがって、あらかじめ定められた判定値の所定範囲内である場合、漏水が生じていると判定することができる。

図面の簡単な説明

0025

本発明の一実施形態における模式図。
本発明の一実施形態における管路異常の判定方法のフローチャート
本発明の一実施形態における管路異常の判定方法のフローチャート。
本発明の一実施形態における波形パターンを抽出する模式図。
本発明の一実施形態における振動データと波形パターンの相互相関関係の値を算出する模式図。
本発明の一実施形態における判定値順に並べた判定表
本発明の一実施形態における判定値順に並べた判定表。

実施例

0026

以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を附してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。

0027

図1は、管路である配管100に設置された振動センサである圧電センサ200が、配管100の振動を検知する模式図である。圧電センサ200が検知した振動データは、制御装置300に送られる。なお、圧電センサ200から制御装置300への振動データの送信方法は、有線無線いずれの送信方法であってもよい。

0028

制御装置300は、少なくとも記憶部310と演算部320とを備える。制御装置300は、モニター400と接続している。制御装置300は、圧電センサ200から送られてきた振動データをグラフ化し、モニター400はそのグラフを表示できる。

0029

<管路の異常の判定方法のフローチャート1>
図2は、本発明にかかる一局面に従う管路の異常の判定方法のフローチャートである。まず、圧電センサ200が配管100の振動を検知する。圧電センサ200は、配管100の振動を所定時間計測し、振動データを得る(ステップS11)。圧電センサ200は、その検知した振動データを制御装置300に送信する。

0030

次に、制御装置300は、圧電センサ200から得た振動データを記憶部310で記憶する。そして、制御装置300は、記憶された振動データから波形パターンを複数抽出する(ステップS12)。なお、波形パターンの抽出は作業者が振動データをモニター400で見ながら行ってもよい。

0031

抽出される波形パターンは、任意の時間帯のものを抽出するが、明らかな騒音が含まれていない音圧レベルが平均的なものが好ましい。

0032

抽出された波形パターンには、例えば漏水が生じていれば、漏水固有の波形パターンが含まれている。しかし、作業者が振動データを見ても判断がつかない場合が多い。そこで、その波形パターンと振動データとの相互相関関数を求める。

0033

具体的には、制御装置300は、演算部320で振動データとそれぞれの波形パターンとで相互相関関数を求める(ステップS13)。制御装置300は、それぞれの波形パターンを時系列(時間軸)に従い少しずつ動かし、それぞれの時間ごとの相互相関関数を求める。得られた相互相関関数はグラフ化されモニター400に表示される。

0034

漏水が生じている場合、漏水固有の波形パターンは、抽出した波形パターンと振動データとのいずれにも含まれている。そのため、抽出した波形パターンと振動データとの相互相関関数を求めれば、相関値は大きくなる。

0035

一方、機械振動が生じている場合、機械振動は固有の波形パターンである。そして、機械振動の波形パターンは、抽出した波形パターンと振動データとのいずれにも含まれている。さらに、漏水の場合と比べて規則性が高い。そのため、抽出した波形パターンと振動データとの相互相関関数を求めれば、相関値は漏水の場合と比べて大きくなる。つまり、漏水と機械振動との区別が可能である。

0036

次に、演算部320は、ステップS13で得られた相互相関関数の振幅から判定値を算出する(ステップS14)。

0037

具体的には、抽出した波形パターンと振動データとを時系列に沿って、多数の点で相互相関関数を求める。そして、そのそれぞれの最大値を算出し、最大値の平均値を求める。この値を判定値としてもよい。なお、算出した数が多いほど平均値は一定の値に近づく。また、場合によっては、その最大値の平均値を相互相関関数が正になる部分の平均値で割る。この値を判定値としてもよい。

0038

このように、いわゆる判定値を算出することにより、他の環境下と比較しやくなる。

0039

次に、その求めた判定値とあらかじめ定められた判定値とを比較して、配管100に漏水が生じているか否か判定をする。

0040

このように、求めた判定値とあらかじめ定めた判定値とを比較することにより、漏水の有無を判定することができる。また、管路の異常が機械振動であるか否かもこの判定方法により判定することができる。

0041

まとめると、次の通りである。漏水が生じている場合、騒音等と異なり発生源が同一である。そのため、その漏水に対応する固有の波形パターンが存在する。そして、漏水の場合、その波形パターンは連続的に発生する。

0042

そのため、同一の圧電センサ200で得られた振動データの中から一部を抽出し、その波形パターンと振動データとの相互相関関数を計算した場合、相互相関関数の値が大きくなる。

0043

また、漏水は連続的に生じているため、この相互相関関数を複数回計算した場合、相互相関関数の値は一定の値になりやすい。

0044

一方、ポンプまたはモータによって生じる音の機械振動は、漏水の振動と比較して波形の規則性が強い。その結果、相互相関関数の値は、漏水の場合と比べて高い値を示す。そのため、漏水の場合と機械振動の場合とを区別することができる。

0045

<管路の異常の判定方法のフローチャート2>
図3は、本発明の他の局面に従う管路の異常の判定方法のフローチャートである。上述したフローチャート1と同じ部分に関しては省略する。

0046

1ヶ所の検査位置で、圧電センサ200は、配管100の振動を所定時間計測し、振動データを得る(ステップS21)。圧電センサ200は、その検知した振動データを制御装置300に送信する。

0047

次に、制御装置300は、圧電センサ200から得た1つの振動データを記憶部310で記憶する。そして、制御装置300は、記憶された1つの振動データから波形パターンを複数抽出する(ステップS22)。

0048

制御装置300は、演算部320で1つの振動データとそれぞれの波形パターンとで相互相関関数を求める(ステップS23)。制御装置300は、それぞれの波形パターンを時系列(時間軸)に従い少しずつ動かし、それぞれの時間ごとの相互相関関数を算出する。

0049

つまり、1つの振動データから抽出した任意の時間帯の複数の波形パターンと抽出前の振動データとの相互相関関数を求める。例えば、管路に漏水が生じていれば、抽出した波形パターンにも振動データにも漏水の波形パターンが含まれている。そのため、振動データの漏水の波形パターンがある部分は、相関値が大きくなる。

0050

機械振動の場合も同様に、抽出した波形パターンにも振動データにも漏水の波形パターンが含まれている。そのため、振動データの機械振動の波形パターンがある部分は、相関値が大きくなる。機械振動の場合、漏水よりも規則性が高いため、漏水の場合と比べてより相関値が大きくなる。

0051

次に、演算部320は、ステップS23で得られた相互相関関数の振幅から判定値を算出する(ステップS24)。判定値の求め方等は上述した通りである。

0052

これらのことから、1ヶ所の検出位置であっても管路の異常を判定することができる。

0053

以下、実施例(実施例1、実施例2)について説明する。
<実施例1>
図4に示すように、配管100に取り付けた圧電センサ200により、配管100の振動を50秒間計測する。そして、その50秒間の波形のうち、任意の0.1秒間の波形(波形パターン)を3つ(A、B、C)抽出する。

0054

次に、図5に示すように、抽出した波形パターンA(B、C)のそれぞれで、0sec以上0.1sec以下の振動データと相互相関関数を求める(n1)。次に波形パターンA(B、C)は、0.05msecだけ移動する。そして、波形パターンA(B、C)と0.05msec以上100.05msec以下の振動データと相互相関関数を求める(n2、図示せず)。

0055

この作業を同様に繰り返し、n1からn100万までの相互相関関数を求める。なお、n1を1番目とするとnkはk番目を示す。この作業は、波形パターンA以外に波形パターンB、波形パターンCでも同様に行われる。

0056

つまり、波形パターンAは、100万個の相互相関関数を求める。同様に波形パターンB、Cでもそれぞれ100万個の相互相関関数を求める。その結果、全部で300万個の相互相関関数が求められる。

0057

上記の通り、算出した300万個の相互相関関数のすべてにおいて、相互相関関数の最大値を算出する。そして、その300万個の相互相関関数の最大値の平均値を算出する。次に、300万個の相互相関関数のうち、相互相関関数が正となる部分の平均値を算出する。判定値は、この最大値の平均値と正となる部分の平均値とから算出される。

0058

判定値は以下の式で算出する。
判定値=[相互相関関数の最大値の平均値]/[相互相関関数が正となる部分の平均値]・・・(1)

0059

図6に示すように、様々な条件下で判定値を算出し、第1判定表500を作成する。第1判定表500中において、漏水が生じている部分の範囲を所定範囲P1とする。また、所定範囲P1は、上限値H1と下限値L1とを含む。

0060

図6では、所定範囲P1の上限値H1は、0.25であり、下限値L1は0.10である。上限値H1より高い値の判定値は、ポンプ音等の機械音、つまり機械振動である。また、下限値L1より低い値の判定値は、漏水なしと判定する。

0061

具体的には、判定値が0.10以下の場合、漏水が生じていないと判定する。判定値が0.10超過0.25以下の場合、漏水が生じていると判定する。判定値が0.25超過の場合、機械音、つまり機械振動と判定する。

0062

例えば、漏水が生じているか否かわからない配管100において、図2図3に示すフローチャートに従い判定値を算出したとする。判定値の算出方法は、上記(1)の式に従う。

0063

そして、その判定値が、例えば0.15であったとする。この場合、0.15は、0.10超過0.25以下であるため、所定範囲P1に該当する。つまり、配管100で漏水が生じていると判定することができる。

0064

この場合、配管100の2ヶ所以上で振動データを得る必要がなく、その場で漏水が生じているか否かの判定をすることができる。

0065

具体的な例として、水道管VP50のバルブ上に圧電センサを設置し、振動を計測した。この時、判定値が0.21となったため、バルブ周辺ボーリングにより試掘したところ、実際に漏水が発生された。なお、「VP」とは、硬質塩化ビニルパイプのことをいう。

0066

次に別の水道管VP50のバルブ上に圧電センサを設置し、振動を計測した。この時、判定値が0.44となったため、周辺調査したところ、これは浄化槽のポンプ音であった。

0067

水道管DCIP100のバルブ上に圧電センサを設置し、振動を計測した。この時、判定値が0.24となったため、バルブ周辺をボーリングにより試掘したところ、実際に漏水が発生された。なお、「DCIP」とは、ダグタイル鋳鉄管のことをいう。

0068

<実施例2>
実施例1と同様の部分は省略する。実施例2では、算出した300万個の相互相関関数のすべてにおいて、相互相関関数の最大値を算出する。そして、その300万個の相互相関関数の最大値の平均値を算出する。

0069

判定値は、以下の式で算出する。
判定値=相互相関関数の最大値の平均・・・(2)

0070

図7に示すように、様々な条件下で判定値を算出し、第2判定表600を作成する。第2判定表600中において、漏水が生じている部分の範囲を所定範囲P2とする。また、所定範囲P2は、上限値H2と下限値L2とを含む。

0071

図7では、所定範囲P2の上限値H2は、0.70であり、下限値L2は0.40である。上限値H2より高い値の判定値は、ポンプ音等の機械音、つまり機械振動である。また、下限値L2より低い値の判定値は、漏水なしと判定する。

0072

具体的には、判定値が0.40以下の場合、漏水が生じていないと判定する。判定値が0.40超過0.70以下の場合、漏水が生じていると判定する。判定値が0.70超過の場合、機械音、つまり機械振動と判定する。

0073

例えば、漏水が生じているか否かわからない配管100において、図2図3に示すフローチャートに従い判定値を算出したとする。判定値の算出方法は、上記(2)の式に従う。そして、その判定値が、例えば0.45であれば、0.40以上0.70以下であるため、所定範囲P2に該当する。つまり、配管100で漏水が生じていると判定することができる。

0074

水道管VP100のバルブ上に圧電センサを設置し、振動を計測した。この時、判定値が0.61となったため、バルブ周辺をボーリングにより試掘したところ、実際に漏水が発生された。

0075

次に別の水道管VP50のバルブ上に圧電センサを設置し、振動を計測した。この時、判定値が0.88となったため、周辺を調査したところ、管路上に自動販売機があり、これが振動していた。

0076

水道管DCIP100のバルブ上に圧電センサを設置し、振動を計測した。この時、判定値が0.64となったため、バルブ周辺をボーリングにより試掘したところ、実際に漏水が発生された。

0077

以上のように、本実施の形態にかかる管路異常の判定方法によると、算出した判定値に基づいて配管100の異常を判定できる。また、1ヶ所の検査位置でも配管100の異常を判定することができる。

0078

また、算出した判定値とあらかじめ定められた判定値とを比較することにより、算出した判定値があらかじめ定められた判定値のどの値付近に該当するかわかる。つまり、算出した判定値が第1の判定表または第2の判定表のどの値付近にあるかにより、漏水が生じているか否か判定することができる。

0079

また、算出した判定値があらかじめ定められた判定値の所定範囲P1、P2の上限値H1、H2を超過した場合、管路が機械振動により振動していると判定することができる。その結果、機械振動を判定することができれば、配管100の振動の原因を推定することができる。

0080

また、算出した判定値が、あらかじめ定められた判定値の所定範囲P1、P2内である場合、漏水が生じていると判定することができる。

0081

本発明においては、配管100が「管路」に相当し、圧電センサ200が「振動センサ」に相当し、所定範囲P1、P2が「所定範囲」に相当し、上限値Hが「上限値」に相当し、下限値Lが「下限値」に相当する。

0082

また、本発明において、ステップS11が「振動データ計測工程」に相当し、ステップS12が「波形パターン抽出工程」に相当し、ステップS13が「相互相関工程」に相当し、ステップS14が「判定値算出工程」に相当する。

0083

また、本発明において、ステップS21が「振動データ計測工程」に相当し、ステップS22が「波形パターン抽出工程」に相当し、ステップS23が「相互相関工程」に相当し、ステップS24が「判定値算出工程」に相当する。

0084

本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。音圧データの集中度のような既存の判定方法と組み合わせることにより、複数の指標から異常を判定することも可能である。本発明の精神の範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。

0085

100配管(管路)
200圧電センサ(振動センサ)
300制御装置
310 記憶部
320演算部
400モニター
500 第1判定表
600 第2判定表

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