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図面 (13)

課題

ヒトタンパク質チロシンホスファターゼβ(HPTPβ)の活性を選択的に調節し、それにより血管新生シグナル伝達亢進する、血管増殖(血管新生)を刺激する、及び/若しくは虚血組織血流を増加させる、又は、血管新生シグナル伝達を低下させる、血管増殖を低下させる、及び/若しくは効果の出た組織への血流を減少させる分子の提供。

解決手段

HPTPβに結合する、抗体あるいは抗原結合断片モノクローナル抗体ヒト化モノクローナル抗体

概要

背景

血管新生(既に存在する脈管構造からの新たな血管の出芽)は、広範囲生理学的及び病理学過程において重要な役割を果たす(グエン,L.L.(Nguyen, L.L.)ら(2001年)『インターナシナル・レヴュー・オブ・サイトロジー(Int.Rev.Cytol.)』第204巻、1〜48ページ非特許文献1))。血管新生は、血管の内側を覆う内皮細胞とそれらを取り囲む環境との間の伝達により仲介される複雑な過程である。血管新生の初期段階では、組織又は腫瘍細胞は、低酸素のような環境刺激応答して血管新生促進増殖因子生産及び分泌する。これらの因子は、内皮細胞付近拡散し、周囲の細胞外マトリクスを分解するプロテアーゼの産生及び分泌を誘導する受容体刺激する。活性化した内皮細胞は、これらの増殖因子の供給源に向かって周辺組織遊走及び増殖し始める(ブッソリーノ,F.(Bussolino,F.)(1997年)『トレンズ・オブ・バイオケミカルサイエンス(TrendsBiochem. Sci.)』第22巻、251〜256ページ(非特許文献2))。次いで、内皮細胞は増殖を停止し、管状構造分化するが、これは安定で成熟した血管形成第一段階である。続いて、周皮細胞及び平滑筋細胞のような周辺内皮細胞は、血管成熟に向けてのさらなる段階で、新たに形成された血管に補充される。

血管新生は、天然に存在する血管新生促進因子及び抗血管新生因子バランスにより調節される。血管内皮増殖因子線維芽細胞増殖因子、及びアンジオポエチン(angiopoeitin)は、多くの潜在的血管新生促進増殖因子の数例を表す。これらのリガンドは、内皮細胞表面上のそれぞれの受容体チロシンキナーゼに結合し、細胞遊走及び増殖を促進するシグナルを伝達する。多くの調節因子が同定されている一方、この過程を動かす分子機構は依然として完全には理解されていない。

持続的に無調節な又は不適当に調節された血管新生により生じる疾病状態が多く存在する。かかる疾病状態では、無調節な又は不適当に調節された血管新生は、特定の疾患を引き起こす又は現存する病態を悪化させる場合がある。例えば、眼球新血管新生は、失明の最も一般的な原因として関係づけられており、およそ20種の眼疾患病状の根底にある。関節炎のような、特定の既に存在する状態では、新たに形成される毛細血管が関節に侵入し、軟骨破壊する。糖尿病では、網膜に形成される新しい毛細管硝子体液に侵入し、出血及び失明を引き起こす。

固形腫瘍の増殖及び転移両方とも血管新生依存性である可能性もある(フォークマン(Folkman)ら「腫瘍の血管新生(Tumor Angiogenesis)」(メンデルゾーン(Mendelsohn)ら編W.B.サウンダース(Saunders)(1995年)『癌の分子機序(TheMolecular Basis of Cancer)』第10章、206〜232ページ)(非特許文献3))。直径2mmを超える大きさに肥大した腫瘍は、自ら血液供給を獲得しなければならず、新たな毛細血管の増殖を誘導することによりそれを行うことが示されている。これらの新たな血管が腫瘍中に組み込まれ始めた後、それらは腫瘍の増殖に必須である栄養素及び増殖因子、並びに、腫瘍細胞が循環血液中に入り肝臓又は骨のような遠位部位に転移する手段を供給する(ウィドナー(Weidner)(1991年)『ニューイングランドジャーナル・オブ・メディシン(NewEng. J. Med.)第324巻、1号1〜8ページ(非特許文献4))。担癌動物薬剤として使用する際、天然の血管新生阻害剤は、小さな腫瘍の増殖を防ぐことができる(オライリー(O'Reilly)ら(1994年)『細胞学(Cell)』第79巻、315〜328ページ(非特許文献5))。幾つかのプロトコルでは、かかる阻害剤の適用は、治療休止後でさえ腫瘍退縮及び休眠を導く(オライリー(O'Reilly)ら(1997年)『細胞学(Cell)』第88巻、277〜285ページ(非特許文献6))。さらに、血管新生阻害剤を特定の腫瘍に供給すると、他の治療レジメンに対するそれらの応答を高めることができる(例えば、テイスチャー(Teischer)ら(1994年)『インターナショナル・ジャーナル・オブ・キャンサー(Int.J.Cancer)第57巻、920〜925ページ(非特許文献7))。

多くの病状は、持続的に無調節な又は不適当に調節された血管新生により動かされているが、幾つかの病状は血管新生の亢進により治療することができる。組織増殖及び修復は、細胞増殖及び血管新生が生じる生物学的事象である。従って、創傷修復の重要な局面は、血管新生により損傷した組織の血管再生である。

慢性難治性創傷は、老齢ヒト集団における病的状態の主な原因である。これは特に、重篤な、難治性皮膚潰瘍の発生した寝たきり又は糖尿病患者の場合である。これらの場合の多くでは、治癒遅れは、持続的圧力又は血管閉塞のいずれかの結果としての不十分な血液供給の結果である。小さなアテローム性動脈硬化又は静脈うっ滞により毛細管循環が乏しくなることは、損傷組織の修復の失敗の一因となる。かかる組織は、病原体を効果的に除去するために良好な血管組織を必要とする体の先天的防御システムにより未処置である、増殖する微生物に感染する場合が多い。結果として、大部分の治療的介入は、虚血組織への血流回復させ、それにより栄養素及び免疫因子の創傷部位への到達を可能にすることに重点を置いている。

大血管動脈硬化病変は、患部組織への血管増殖を調節することにより改善し得る、組織虚血を引き起こす場合がある。例えば、冠動脈の動脈硬化病変は、側副動脈の増殖を刺激することにより血流を回復させることができる場合予防することができるアンギナ及び心筋梗塞を引き起こす場合がある。同様に、脚(leg)を供給する大動脈の動脈硬化病変は、可動性を制限する骨格筋虚血を引き起こす場合があり、切断を必要とする一部の例では、それはまた血管新生治療で血流を改善することにより予防することができる。

糖尿病及び高血圧のような他の疾患は、細動脈及び毛細管のような小血管の数及び密度を減少させることを特徴とする。これらの小血管は、酸素及び栄養素の送達にとって重要である。これらの血管の数及び密度の減少は、高血圧、跛行を含む糖尿病、虚血性潰瘍加速性高血圧及び腎不全の有害な結果をもたらす。これらの一般的な疾患及びビュルガー病のような多くの他の稀な病気は、血管新生治療を用いて小血管の数及び密度を増加させることにより改善することができる。

概要

ヒトタンパク質チロシンホスファターゼβ(HPTPβ)の活性を選択的に調節し、それにより血管新生シグナル伝達を亢進する、血管増殖(血管新生)を刺激する、及び/若しくは虚血組織の血流を増加させる、又は、血管新生シグナル伝達を低下させる、血管増殖を低下させる、及び/若しくは効果の出た組織への血流を減少させる分子の提供。HPTPβに結合する、抗体あるいは抗原結合断片モノクローナル抗体ヒト化モノクローナル抗体

目的

これらの自己リン酸化現象は、キナーゼ活性をさらに亢進させ、細胞シグナル分子の結合のためのアンカーポイントを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

本願明細書に記載の発明。

技術分野

0001

本発明は、ヒトタンパク質チロシンホスファターゼβ(HPTPβ)に結合する抗体及びその抗原結合断片、並びにこれらの使用に関する。
本出願は、特願2009−503719号の分割出願である特願2012−223157号の分割出願である。

背景技術

0002

血管新生(既に存在する脈管構造からの新たな血管の出芽)は、広範囲生理学的及び病理学過程において重要な役割を果たす(グエン,L.L.(Nguyen, L.L.)ら(2001年)『インターナシナル・レヴュー・オブ・サイトロジー(Int.Rev.Cytol.)』第204巻、1〜48ページ非特許文献1))。血管新生は、血管の内側を覆う内皮細胞とそれらを取り囲む環境との間の伝達により仲介される複雑な過程である。血管新生の初期段階では、組織又は腫瘍細胞は、低酸素のような環境刺激応答して血管新生促進増殖因子生産及び分泌する。これらの因子は、内皮細胞付近拡散し、周囲の細胞外マトリクスを分解するプロテアーゼの産生及び分泌を誘導する受容体刺激する。活性化した内皮細胞は、これらの増殖因子の供給源に向かって周辺組織遊走及び増殖し始める(ブッソリーノ,F.(Bussolino,F.)(1997年)『トレンズ・オブ・バイオケミカルサイエンス(TrendsBiochem. Sci.)』第22巻、251〜256ページ(非特許文献2))。次いで、内皮細胞は増殖を停止し、管状構造分化するが、これは安定で成熟した血管形成第一段階である。続いて、周皮細胞及び平滑筋細胞のような周辺内皮細胞は、血管成熟に向けてのさらなる段階で、新たに形成された血管に補充される。

0003

血管新生は、天然に存在する血管新生促進因子及び抗血管新生因子バランスにより調節される。血管内皮増殖因子線維芽細胞増殖因子、及びアンジオポエチン(angiopoeitin)は、多くの潜在的血管新生促進増殖因子の数例を表す。これらのリガンドは、内皮細胞表面上のそれぞれの受容体チロシンキナーゼに結合し、細胞遊走及び増殖を促進するシグナルを伝達する。多くの調節因子が同定されている一方、この過程を動かす分子機構は依然として完全には理解されていない。

0004

持続的に無調節な又は不適当に調節された血管新生により生じる疾病状態が多く存在する。かかる疾病状態では、無調節な又は不適当に調節された血管新生は、特定の疾患を引き起こす又は現存する病態を悪化させる場合がある。例えば、眼球新血管新生は、失明の最も一般的な原因として関係づけられており、およそ20種の眼疾患病状の根底にある。関節炎のような、特定の既に存在する状態では、新たに形成される毛細血管が関節に侵入し、軟骨破壊する。糖尿病では、網膜に形成される新しい毛細管硝子体液に侵入し、出血及び失明を引き起こす。

0005

固形腫瘍の増殖及び転移両方とも血管新生依存性である可能性もある(フォークマン(Folkman)ら「腫瘍の血管新生(Tumor Angiogenesis)」(メンデルゾーン(Mendelsohn)ら編W.B.サウンダース(Saunders)(1995年)『癌の分子機序(TheMolecular Basis of Cancer)』第10章、206〜232ページ)(非特許文献3))。直径2mmを超える大きさに肥大した腫瘍は、自ら血液供給を獲得しなければならず、新たな毛細血管の増殖を誘導することによりそれを行うことが示されている。これらの新たな血管が腫瘍中に組み込まれ始めた後、それらは腫瘍の増殖に必須である栄養素及び増殖因子、並びに、腫瘍細胞が循環血液中に入り肝臓又は骨のような遠位部位に転移する手段を供給する(ウィドナー(Weidner)(1991年)『ニューイングランドジャーナル・オブ・メディシン(NewEng. J. Med.)第324巻、1号1〜8ページ(非特許文献4))。担癌動物薬剤として使用する際、天然の血管新生阻害剤は、小さな腫瘍の増殖を防ぐことができる(オライリー(O'Reilly)ら(1994年)『細胞学(Cell)』第79巻、315〜328ページ(非特許文献5))。幾つかのプロトコルでは、かかる阻害剤の適用は、治療休止後でさえ腫瘍退縮及び休眠を導く(オライリー(O'Reilly)ら(1997年)『細胞学(Cell)』第88巻、277〜285ページ(非特許文献6))。さらに、血管新生阻害剤を特定の腫瘍に供給すると、他の治療レジメンに対するそれらの応答を高めることができる(例えば、テイスチャー(Teischer)ら(1994年)『インターナショナル・ジャーナル・オブ・キャンサー(Int.J.Cancer)第57巻、920〜925ページ(非特許文献7))。

0006

多くの病状は、持続的に無調節な又は不適当に調節された血管新生により動かされているが、幾つかの病状は血管新生の亢進により治療することができる。組織増殖及び修復は、細胞増殖及び血管新生が生じる生物学的事象である。従って、創傷修復の重要な局面は、血管新生により損傷した組織の血管再生である。

0007

慢性難治性創傷は、老齢ヒト集団における病的状態の主な原因である。これは特に、重篤な、難治性皮膚潰瘍の発生した寝たきり又は糖尿病患者の場合である。これらの場合の多くでは、治癒遅れは、持続的圧力又は血管閉塞のいずれかの結果としての不十分な血液供給の結果である。小さなアテローム性動脈硬化又は静脈うっ滞により毛細管循環が乏しくなることは、損傷組織の修復の失敗の一因となる。かかる組織は、病原体を効果的に除去するために良好な血管組織を必要とする体の先天的防御システムにより未処置である、増殖する微生物に感染する場合が多い。結果として、大部分の治療的介入は、虚血組織への血流回復させ、それにより栄養素及び免疫因子の創傷部位への到達を可能にすることに重点を置いている。

0008

大血管動脈硬化病変は、患部組織への血管増殖を調節することにより改善し得る、組織虚血を引き起こす場合がある。例えば、冠動脈の動脈硬化病変は、側副動脈の増殖を刺激することにより血流を回復させることができる場合予防することができるアンギナ及び心筋梗塞を引き起こす場合がある。同様に、脚(leg)を供給する大動脈の動脈硬化病変は、可動性を制限する骨格筋虚血を引き起こす場合があり、切断を必要とする一部の例では、それはまた血管新生治療で血流を改善することにより予防することができる。

0009

糖尿病及び高血圧のような他の疾患は、細動脈及び毛細管のような小血管の数及び密度を減少させることを特徴とする。これらの小血管は、酸素及び栄養素の送達にとって重要である。これらの血管の数及び密度の減少は、高血圧、跛行を含む糖尿病、虚血性潰瘍加速性高血圧及び腎不全の有害な結果をもたらす。これらの一般的な疾患及びビュルガー病のような多くの他の稀な病気は、血管新生治療を用いて小血管の数及び密度を増加させることにより改善することができる。

0010

PCT国際公開特許WO00/65088号
米国特許出願公開第2004/0077065号
米国特許第4,816,567号
米国特許第5,225,539号
米国特許第6,162,963号
米国特許第6,150,584号
米国特許第6,114,598号
米国特許第6,075,181号
米国特許第5,545,807号
同第5,545,806号
米国特許第5,625,825号
PCT国際公開特許WO93/12227号
米国特許第4,399,216号
米国特許第4,912,040号
米国特許第4,740,461号
米国特許第4,959,455号
米国特許第4,522,811号

先行技術

0011

グエン,L.L.(Nguyen, L.L.)ら(2001年)『インターナショナル・レヴュー・オブ・サイトロジー(Int.Rev.Cytol.)』第204巻、1〜48ページ
ブッソリーノ,F.(Bussolino, F.)(1997年)『トレンズ・オブ・バイオケミカルサイエンス(TrendsBiochem. Sci.)』第22巻、251〜256ページ
フォークマン(Folkman)ら「腫瘍の血管新生(Tumor Angiogenesis)」(メンデルゾーン(Mendelsohn)ら編W.B.サウンダース(Saunders)(1995年)『癌の分子的機序(TheMolecular Basis of Cancer)』第10章、206〜232ページ
ウィドナー(Weidner)(1991年)『ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(New Eng. J. Med.)第324巻、1号1〜8ページ
オライリー(O'Reilly)ら(1994年)『細胞学(Cell)』第79巻、315〜328ページ
オライリー(O'Reilly)ら(1997年)『細胞学(Cell)』第88巻、277〜285ページ
テイスチャー(Teischer)ら(1994年)『インターナショナル・ジャーナル・オブ・キャンサー(Int.J. Cancer)第57巻、920〜925ページ
ヤンコポーロス(Yancopoulo)ら(2000年)『ネイチャー(Nature)』第407巻、242〜248ページ
ファン(Huang)ら(1999年)『ジャーナル・オブ・バイオロジカルケミストリー(Journal of BiologicalChemistry)』第274巻、38183〜38185ページ
スーリ(Suri)ら(1998年)『サイエンス(Science)』第282巻、468〜471ページ
リン(Lin)ら(1997年)『ジャーナル・オブ・クリニカル・インヴェスティゲーション(J Clin.Invest.)』第100巻、2072〜2078ページ
サーストン(Thurston)ら(2000年)『ネイチャー・メディシン(Nature Medicine』第6巻、460〜463ページ
クルーガー(Kruegar)ら(1990年)『EMBOジャーナル(EMBO J.)』第9巻
ダニエルP.スタイトス(Daniel P. Stites)、アバI.テラ(Abba I. Terr)及びトリストラムG.パースロー(Tristram G.Parslow)(編)(1994年)『基礎及び臨床免疫学(Basic and Clinical Immunology)第8版
マイルダーマンズS.(Muyldermans, S.)(2001年)『レヴューズ・イン・モルキュラー・バイオテクノロジー(Rev.Mol.Biotechnol.)』74巻、277〜302ページ
カバト(Kabat)ら(1991年)『タンパク質配列免疫学的興味(Sequences of Proteins of ImmunologicalInterest)第5版』(公衆衛生局(Public Health Service)、国立衛生研究所(National Institutes ofHealth)(メリーランド州ベテスダ(Bethesda)
クラックソン(Clackson)ら(1991年)『ネイチャー(Nature)』第352号、624〜628ページ
リソン(Morrison)ら(1984年)『米国科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)』第81巻、6851〜6855ページ
ハドソン(Hudson)ら(2003年)『ネイチャー・メディシン(Nature Med.)』第9巻、129〜134ページ
プリヤノフ(Kipriyanov)及びル・ガリ(Le Gall)(2004年)『モルキュラー・バイオテクノロジー(MolecularBiotechnol)』第26巻、39〜60ページ(ヒューマナ・プレス(Humana Press)、ニュージャージー州トトワ(Totowa))
ロー(Lo)(2004年)『メソッズ・イン・モルキュラー・バイオロジー(Methods Mol.Biol.)』第248巻135〜159ページ(ヒューマナ・プレス(HumanaPress)ニュージャージー州トトワ(Totowa))
ウー(Wu)ら(1999年)『ジャーナル・オブ・モルキュラー・バイオロジー(J. Mol. Biol)』第294巻、151〜162ページ
ゴアデル(Goeddel)編(1990年)『メソッズ・オブ・エンザイモロジー(Methods Enzymol.)』第185巻(アカミック・プレス(AcademicPress)
アウエルバッハ,R.(Auerbach,R.)ら(2003年)『クリニカル・ケミストリー(Clin Chem)』第49巻、32〜40ページ;
ベイル,B.(Vailhe,B.)ら(2001年)『ラボラトリー・インヴェスティゲーション(Lab Invest)』第81巻439〜452ページ
シモンズ(Simons)ら(2000年)「冠状動脈血管新生の臨床試験(Clinical trials in coronaryangiogenesis)」(『サーキュレーションCirculation)』第102巻、73〜86ページ
ウェブスター学生辞典第9版(Webster's Ninth Collegiate Dictionary)』
ホックフィールドS.(Hockfield, S.)ら(1993年)『免疫細胞化学(Immunocytochemistry)』第1巻、111〜201ページ(コールドスプリングハーバー・ラボラトリー・プレス(ColdSpring Habor Laboratory Press)
ゴーディング(Goding)J.W.(1996年)『モノクローナル抗体:その原理及び実施(Monoclonal Antibodies:Principles and Practices)』第3版、アカデミック・プレス社(Academic Press Limited.)145ページ
スピッツ(Spitz),M.(1986年)『メソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods In Enzymology)』第121巻(ジョン.J,ラゴン(JohnJ, Lagone)及びヘレンヴァン・ヴナキス(Helen Van Vunakis)編、33〜41頁(アカデミック・プレス(Academic Press)ニューヨーク州ニューヨーク)

発明が解決しようとする課題

0012

従って、血管新生の調節因子を同定する持続的必要性が存在する。

0013

上記内容を考慮して、血管新生仲介疾患の治療において生化学的標的を同定する必要性が存在する。しかしながら、血管新生は、複数の増殖因子及びそれらの同族の受容体チロシンキナーゼ(RTKs)の作用に関与する(ヤンコポーロス(Yancopoulo)ら(2000年)『ネイチャー(Nature)』第407巻、242〜248ページ(非特許文献8))。例えば、血管内皮増殖因子(VEGF)は、内皮細胞の、の脈管構造における発生期の血管への分化にとって重要である。さらに、VEGFは、成体の脈管構造における血管発生を亢進する。外来性VEGFの投与は、側副脈管構造の発生を亢進し、虚血組織への血流を改善する。

0014

現在までに、VEGFR1(FLT−1)、VEGFR2(KDR)及びVEGFR3(FLT−4)という、3種のVEGFRTKが同定されている。これらの受容体は高度に保存されているが、生化学的特性及び生物活性に基づいて、それぞれが特異的であるとともに重複しない機能を有する。3種の受容体のうち、VEGFR2は、脈管構造の発生及び成体の血管新生中のVEGF作用の仲介において、主な役割を果たすと考えられている。しかしながら、VEGFR1及びVEGFR3はともに、胚の脈管構造の正常な発生に必要であり、成体組織における血管新生にとっても重要である場合がある。VEGFが結合し二量体になると、VEGFR2キナーゼドメイン構造変化によりそのキナーゼ活性が亢進し、特異的なチロシン残基での対におけるもう一方の要素の「自己リン酸化」をもたらす。これらの自己リン酸化現象は、キナーゼ活性をさらに亢進させ、細胞シグナル分子の結合のためのアンカーポイントを提供する機能を有する。

0015

しかしながら、1つの血管新生経路の活性化では、虚血組織に十分な灌流を供給する持続的及び機能的な血管を生産するには不十分である可能性がある。胚の脈管構造の構築に複数のRTKが関与するという事実に加えて、これらの知見は、複数の血管新生経路を調節する生化学的標的が、1つの増殖因子の投与を超える利点を有することを示す。

0016

タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)は、ホスホチロシン残基を含有するタンパク質脱リン酸化する近縁酵素の大きなファミリーを含む。最近の証拠は、PTPの機能の1つがRTKのリン酸化及び活性化を制限することであることを示している。例えば、HCPTPA(低分子量タンパク質チロシンホスファターゼ)は、VEGFR2と結合して、培養内皮細胞におけるその活性化及び血管新生アッセイにおける生物活性を負に調節することが示された(ファン(Huang)ら(1999年)『ジャーナル・オブ・バイオロジカルケミストリー(Journal of BiologicalChemistry)』第274巻、38183〜38185ページ(非特許文献9))。

0017

VEGFR2に加えて、別のRTKであるTie−2(アンジオポエチン(Ang1及びAng2)の受容体)からのシグナル入力もまた重要である。マウスにおけるAng1又はTie−2のいずれかの遺伝子の欠失は、脈管構造の発達異常に伴って、胚の致死をもたらす可能性がある(ヤンコポーロス(Yancopoulos)ら(2000年)『ネイチャー(Nature)』第407巻、242〜248ページ(非特許文献8))。さらに、皮膚でのAng1の過剰発現は皮膚の血管増生を増加させ、外来性Ang1の投与は虚血骨格筋への血流を増加させる(スーリ(Suri)ら(1998年)『サイエンス(Science)』第282巻、468〜471ページ(非特許文献10))。さらに、癌の動物モデルにおいて、Tie−2の活性化阻害は、血管新生を阻害し、腫瘍進行を制限する(リン(Lin)ら(1997年)『ジャーナル・オブ・クリニカル・インヴェスティゲーション(JClin.Invest.)』第100巻、2072〜2078ページ(非特許文献11))。その血管新生活性に加えて、Ang1の外来性投与によるTie−2の活性化は、VEGF仲介血液漏出及び炎症促進効果ブロックするが、血管新生効果を亢進する(サーストン(Thurston)ら(2000年)『ネイチャー・メディシン(NatureMedicine』第6巻、460〜463ページ(非特許文献12))。それゆえ、VEGFR2及びTie−2シグナル伝達の両方を調節する生化学的標的は、優れた血管新生促進又は抗血管新生治療をもたらす可能性がある。

0018

HPTPβ(最初に、クルーガー(Kruegar)ら(1990年)『EMBOジャーナル(EMBO J.)』第9巻(非特許文献13)に記載された)は、アンジオポエチン受容体型チロシンキナーゼTie−2(例えば、PCT国際公開特許WO00/65088号(特許文献1))の活性を調節することが示唆されている。HPTPβはまた、VEGFR2の活性を調節することが示唆された(例えば、米国特許出願公開第2004/0077065号(特許文献2))。

0019

HPTPβの活性を選択的に調節し、それにより血管新生シグナル伝達を亢進する、血管増殖(血管新生)を刺激する、及び/若しくは虚血組織の血流を増加させる、又は、血管新生シグナル伝達を低下させる、血管増殖を低下させる、及び/若しくは効果の出た組織への血流を減少させる抗体、例えば、ヒト化モノクローナル抗体を開発することが望ましい。本明細書では、HPTPβに結合し、血管新生細胞のシグナル伝達を調節し、次に血管新生を調節する抗体及びその断片について記載する。

課題を解決するための手段

0020

本発明は、ヒトタンパク質チロシンホスファターゼβ(HPTPβ)に結合し、それにより血管新生細胞シグナル伝達を調節し、次に血管新生を調節する抗体に関する。

0021

一実施形態では、本発明は、ヒトタンパク質チロシンホスファターゼβに結合する単離した抗体又はその抗原結合断片であり、該抗体又はその抗原結合断片が血管新生細胞シグナル伝達を調節し、次に血管新生を調節する抗体又はその抗原結合断片に関する。

0022

別の実施形態では、本発明は、ヒトタンパク質チロシンホスファターゼβのN−末端部分に結合する抗体に関する。

0023

別の実施形態では、本発明は、ヒトタンパク質チロシンホスファターゼβの第一FN3反復に結合する抗体に関する。

0024

別の実施形態では、本発明は、ヒトタンパク質チロシンホスファターゼβの第一FN3反復に結合する抗体であり、該ヒトタンパク質チロシンホスファターゼβの第一FN3反復が配列番号11に示した配列又はその一部を有する抗体に関する。

0025

別の実施形態では、本発明は、モノクローナル抗体である抗体に関する。

0026

別の実施形態では、本発明は、モノクローナル抗体R15E6(マウスのハイブリドーマ、Balbc脾臓細胞B細胞)(2006年5月4日に、アメリカ培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection)(ATCC)(郵便番号20108米国バージニア州マナッサス(Manassas)私書箱1549)に寄託され、ATCC寄託番号PTA−7580に指定された)である抗体に関する。

0027

別の実施形態では、本発明は、R15E6と同様の、又は実質的に同様の生物学的特性を有する抗体に関する。

0028

別の実施形態では、本発明は、抗体又は抗原結合断片がヒト化された抗体に関する。

0029

別の実施形態では、本発明は、モノクローナル抗体R15E6由来抗原結合領域残基を含み、ヒト化された抗体に関する。

0030

別の実施形態では、本発明は、重鎖及び軽鎖可変領域を含む、抗体の抗原結合断片に関する。

0031

別の実施形態では、本発明は、Fv断片、Fab断片、Fab’断片及びF(ab’)2断片からなる群から選択される抗原結合断片に関する。

0032

別の実施形態では、本発明は、血管新生の調節を必要とする被験体を同定する工程と、有効量の、HPTPβに結合し、血管新生を調節する抗体又はその抗原結合断片を被験体に投与する工程とを含む、被験体の血管新生調節疾患を治療する方法に関する。

0033

別の実施形態では、本発明は、血管新生調節疾患が、血管新生増加疾患であり、糖尿病性網膜症黄斑変性症、癌、鎌状赤血球性貧血サルコイド梅毒弾力線維仮性黄色腫パジェット病静脈閉塞動脈閉塞、頸動脈閉塞性疾患、慢性ブドウ膜炎硝子体炎(vitritis)、マイコバクテリア感染ライム病全身性紅斑性狼瘡(erythematosis)、未熟児網膜症イールズ病ベーチェット病網膜炎又は脈絡膜炎の原因となる感染、推定眼ヒストプラスマ症ベスト病近視視神経乳頭小窩シュタルガルト病扁平部炎、慢性網膜剥離過粘稠度症候群トキソプラスマ症外傷及びレーザ合併症ルベオーシス関連疾患、及び増殖性硝子体網膜症から選択される、被験体の血管新生調節疾患の治療方法に関する。

0034

別の実施形態では、血管新生調節疾患が、血管新生増加疾患であり、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、癌、リウマチ様関節炎血管腫、オースラー−ウェーバーランデュ病、又は遺伝性出血性末梢血管拡張症、及び固体若しくは血液媒介腫瘍の群から選択されるが、これらに限定されない、被験体の血管新生調節疾患の治療方法に関する。

0035

別の実施形態では、血管新生調節疾患が、血管新生増加疾患であり、クローン病及び潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患乾癬サルコイドーシス、リウマチ様関節炎、血管腫、オースラー−ウェーバー−ランデュ病、又は遺伝性出血性末梢血管拡張症、固体若しくは血液媒介腫瘍、及び後天性免疫不全症候群からなる群から選択される、被験体の血管新生調節疾患の治療方法に関する。

0036

別の実施形態では、本発明は、血管新生調節疾患が、血管新生減少疾患であり、骨格筋又は心筋虚血、脳卒中、冠動脈疾患末梢血管疾患、冠動脈疾患、脳血管疾患糖尿病性ニューロパシー及び創傷治癒からなる群から選択されるが、これらに限定されない、被験体の血管新生調節疾患の治療方法に関する。

0037

別の実施形態では、本発明は、血管新生調節疾患が、血管新生減少疾患であり、骨格筋又は心筋虚血、脳卒中、冠動脈疾患、末梢血管疾患、冠動脈疾患からなる群から選択される、被験体の血管新生調節疾患の治療方法に関する。

0038

別の実施形態では、本発明は、血管新生減少疾患が末梢血管疾患である、被験体の血管新生減少疾患の治療方法に関する。

0039

別の実施形態では、本発明は、血管新生減少疾患が冠動脈疾患である、被験体の血管新生減少疾患の治療方法に関する。

0040

別の実施形態では、本発明は、ヒトタンパク質チロシンホスファターゼβに結合する抗体又はその断片と、製薬上許容できる担体とを含む医薬組成物に関する。

0041

別の実施形態では、本発明は、ヒトタンパク質チロシンホスファターゼβに結合する抗体又はその断片であり、該抗体がモノクローナル抗体R15E6である抗体又はその断片と、製薬上許容できる担体とを含む医薬組成物に関する。

0042

別の実施形態では、本発明は、ヒトタンパク質チロシンホスファターゼβに結合する抗体又はその断片であり、抗体がR15E6と同様の、又は実質的に同様の生物学的特性を有するモノクローナル抗体である抗体又はその断片と、製薬上許容できる担体とを含む医薬組成物に関する。

0043

別の実施形態では、本発明は、ヒトタンパク質チロシンホスファターゼβに結合する、ヒト化された抗体又はその抗原結合断片と、製薬上許容できる担体とを含む医薬組成物に関する。

0044

別の実施形態では、本発明は、ヒトタンパク質チロシンホスファターゼβに結合する抗体又はその抗原結合断片であり、該抗体がモノクローナル抗体R15E6由来の抗原結合領域残基を含み、ヒト化された抗体又はその抗原結合断片と、製薬上許容できる担体とを含む医薬組成物に関する。

0045

配列表の説明
配列表の各ヌクレオチド及びタンパク質配列を、対応するGenbank又はDerwent受入番号(適用可能な場合)及び由来種とともに表Iに示す。

0046

図面の簡単な説明

0047

HPTPβECDタンパク質の設計及び作製(パネルA)完全長HPTPβ及びHPTPβ細胞ドメイン−6his融合タンパク質の略図(パネルB)βECD−6Hisの発現を誘導するベクター形質移入したHEK293細胞の上清充填したNi−NTカラムからのイミダゾール溶出液銀染色HPTPβ細胞外ドメイン−6his融合タンパク質に一致する単一高分子量バンドが検出された。
R15E6は内皮細胞の内因性HPTPβを認識する。(パネルA)内皮細胞溶解物対照抗体(レーン1)、R15E6(レーン2)又は抗Tie2及び抗VEGFR2抗体(レーン3)の混合物免疫沈降する。免疫沈降物をSDS−PAGEで分離し、PVDFメンブレン転写し、R15E6、抗Tie2及び抗VEGFR2抗体の混合物でウエスタンブロットすることによりプローブする。HPTPβに一致する1本の主な高分子量バンドがR15E6(レーン2)で見られ、対照抗体(レーン1)又は抗Tie2及び抗VEGFR2の混合物(レーン3)では見られなかった。(パネルB)内皮細胞を、R15E6(白色ピーク)又は一次抗体なしの対照(黒色ピーク)とともにFACS分析に供する。蛍光の大きな変化は、R15E6が、インタクトな内皮細胞のHPTPβに結合することを示す。
R15E6はHUVEC中でのTie2受容体活性化を亢進する。Tie2の活性化は、実施例4に記載したようにヒト内皮細胞で測定される。R15E6は用量依存的に基準及びAng1誘導Tie2活性化の両方を亢進。
R15E6はHUVECの生存を亢進する。血清欠乏ヒト内皮細胞の生存は、実施例4に記載のように測定する。そのTie2活性化効果に一致し、R15E6は用量依存的に基準及びAng1誘導性内皮細胞生存を亢進する(パネルA)。さらに、R15E6はまた、用量依存的にVEGF及びFGF仲介内皮細胞の生存を亢進する(パネルB及びC)。対照抗体は、内皮細胞の生存を亢進しない(パネルD)。
R15E6は、HUVECの遊走を亢進する。ヒト内皮細胞の遊走は、実施例4に記載のように測定する。R15E6は、用量依存的に基準及びVEGF誘導性内皮細胞遊走を亢進。
R15E6は、HUVEC/ビーズ出芽アッセイにおいて毛細管形態形成を亢進する。ヒト内皮細胞の毛細管形態形成は、実施例4に記載のようにビーズ出芽アッセイにおいて測定する。R15E6は、基準及びVEGF誘導性内皮細胞毛細管形態形成の両方を亢進。
ウエスタンブロット解析は、R15E6結合エピトープが、HPTPβ細胞外ドメインのN末端FN3反復に局在することを示す。(パネルA)ウエスタン解析により、R15E6が全てのC末端切断変異体に結合することは、結合エピトープがN末端2FN3反復に位置することを示す。(パネルB)マウス/ヒトキメラタンパク質の解析でも、R15E6結合エピトープはHPTPβN末端FN3反復に局在。
MSD分析により、R15E6結合エピトープのHPTPβ細胞外ドメインのN末端FN3反復への局在を確認する。(パネルA)MSD分析により、R15E6は、全てのC末端切断変異体に結合し、これにより結合エピトープがN末端2FN3反復に位置することが確認される。(パネルB)マウス/ヒトキメラタンパク質の解析により、さらに、R15E6結合エピトープがHPTPβN末端FN3反復に局在することを確認。
MSD分析は、単量体R15E6Fab断片もまた、HPTPβのN末端FN3反復に結合することを示す。(パネルA)インタクトなR15E6抗体と同様に、R15E6Fab断片は、全てのC末端切断変異体に結合し、これにより結合エピトープがN末端2FN3反復に位置することが確認される。(パネルB)マウス/ヒトキメラタンパク質の分析は、R15E6Fab断片がHPTPβN末端FN3反復に局在することを示す。
単量体R15E6Fab断片は、Tie2活性化を亢進せず、インタクトなR15E6のTie2活性化をブロック。
R15E6Fab断片は、内皮細胞の生存を強力に阻害する。(パネルA)対照Fab断片に比べて、R15E6Fab断片は内皮細胞の生存を強力に阻害する。(パネルB)R15E6Fab断片の阻害効果は、インタクトなR15E6との競合により回復。
R15E6Fab断片は、VEGF仲介内皮細胞遊走を阻害。

0048

本発明は、HPTPβに結合する抗体及びその使用に関する。

0049

組み換えDNAオリゴヌクレオチド合成、並びに組織培養及び形質転換(例えば、電気穿孔法リポフェクション)には、標準的な技術を用いてもよい。酵素反応及び精製技術は、メーカー説明書に従って、又は当該技術分野において一般的に達成されるように、又は本明細書で記載するように実施してもよい。技術及び手順は、一般に、当該技術分野において既知である従来の方法に従って、本明細書を通して引用及び議論される種々の一般的でより特異的な参照文献に記載したように実施する。特別に定義しない限り、本明細書で記載した分析化学、合成有機化学、並びに医薬品及び製薬化学に関連して利用される専門用語、並びにそれらの分野の実験手順及び技術は、当該技術分野において既知であり、一般的に用いられているものである。化学合成化学分析、製剤、配合、送達、及び患者の治療には、標準的な技術を用いることができる。

0050

以下の用語は、特に指示がない限り、以下の意味を有すると理解されるべきである。
「タンパク質」は、本明細書では、ペプチド及びポリペプチド互換的に使用される。HPTPβは、配列表で定義したようなヒトタンパク質チロシンホスファターゼである。幾つかの実施形態では、HPTPβの種々の断片を使用する。以下に記載するような、HPTPβタンパク質及び遺伝子の、ホモログオルソログ、断片、変異型、及び突然変異体は、用語「HPTPβ」の範囲内であると見なす。

0051

「断片」とは、ヌクレオチド又はタンパク質配列の一部を意図する。断片は、天然タンパク質の生物活性を保持することができる。ヌクレオチド配列の断片はまた、ハイブリダイゼーションプローブ及びプライマーとしても、又は、例えば、アンチセンス、siRNA若しくはマイクロRNAのように遺伝子の発現調節にも有用である。生物活性のある部分は、本発明のヌクレオチド配列のうちの1つの一部を単離し、コード領域を発現させ(例えば、インビトロでの組み換え体発現により)、コードタンパク質の活性を評価することにより調製することができる。

0052

業者はまた、配列表に列挙した以外の種、特に脊椎動物種由来の遺伝子及びタンパク質が有用である場合があることも認識している。かかる種としては、マウス、ラットモルモットウサギイヌブタヤギウシサルチンパンジーヒツジハムスター及びゼブラフィッシュが挙げられるが、これらに限定されない。当業者はさらに、既知の種の配列由来のプローブを用いることにより、cDNA又は既知の配列と相同ゲノム配列を、既知のクローニング方法により同種又は代替種から得ることができることを認識している。かかるホモログ及びオルソログは、本発明の実施において有用であると考えられる。

0053

「変異型」は、類似の配列を意図する。例えば、保存的変異型は、遺伝暗号縮重のために、本発明のポリペプチドのうちの1つのアミノ酸配列をコードする配列を含む場合がある。天然に存在する対立遺伝子変異型及びスプライス変異型は、既知の技術、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応PCR)、一塩基多型(SNP)解析及びハイブリダイゼーション技術を使用することにより同定できる。オルソログ及びホモログを単離するために、一般に、特異的配列、配列長、グアニンシトシンGC)含量及び他のパラメータにより決定される、厳しいハイブリダイゼーション条件が利用される。変異型ヌクレオチド配列はまた、合成的に誘導されたヌクレオチド配列、例えば、部位特異的突然変異誘発を使用することにより誘導されたものを含む。変異型は、ゲノム遺伝子座のみからの、又は他の配列と組み合わせた付加配列を含有してもよい。

0054

本発明の分子はまた、リガンドの結合又はシグナル伝達に必要のないタンパク質領域が欠失又は改変されている、切断及び/又は突然変異型タンパク質も含む。同様に、それらは、突然変異が生じて、リガンド結合又はシグナル伝達活性が改変される場合がある。かかる突然変異は、アミノ酸又はタンパク質ドメインの非保存的突然変異、欠失、又は付加を含んでよい。変異型タンパク質は、生物活性を保持していてもよく、していなくてもよい。かかる変異型は、例えば、遺伝的多型又は人間による操作から得ることができる。

0055

本明細書では、融合タンパク質もまた検討される。既知の方法を用いて、当業者は、本発明のタンパク質の融合タンパク質を作製することができ、それは、天然型とは異なるが、有用である場合がある。例えば、融合の相手は、翻訳と同時に又は翻訳後に、タンパク質の合成部位から別の部位への移動を導くシグナル(又はリーダーポリペプチド配列であってよい(例えば、酵母α−因子リーダー)。或いは、本発明のタンパク質の精製又は同定を容易にする工夫が加えられてもよい(例えば、ポリ−His、フラッグペプチド、又は蛍光タンパク質)。

0056

抗原」という用語は、抗体などの選択的結合剤が結合することのできる分子又は分子の一部であり、さらに、動物の体内で用いて、抗原のエピトープに結合できる抗体を産生することができる分子又は分子の一部を指す。抗原は、1つ以上のエピトープを有する場合がある。

0057

「エピトープ」という用語は、免疫グロブリン又はT細胞受容体に特異的に結合することができる、任意の抗原決定基、好ましくはポリペプチド決定基を含む。特定の実施形態では、エピトープ決定基は、アミノ酸、糖類、脂質類ホスホリル又はスルホニルなどの化学的活性面群を含み、特定の実施形態では、特異的三次元構造特性及び/又は特異的電荷特性を有してよい。エピトープは、抗体が結合する抗原領域である。特定の実施形態では、抗体は、タンパク質の複合混合物及び/又は巨大分子中でその標的抗原優先的に認識すると、特異的に抗原に結合すると言われている。抗体はまた、抗原に対して、他の関連及び/又は非関連分子よりも高い親和性を示す場合、特異的に抗原に結合すると言われている。

0058

「抗体」(Ab)という用語は、本明細書で使用する時、それらが所望の生物活性、例えば、抗原結合活性を示す限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多選択性抗体(例えば、二選択性抗体)、一本鎖抗体(例えば、ラマ及びラクダ由来の抗体)、抗体断片(例えば、可変領域及び/又は定常領域断片)を含む。「免疫グロブリン」(Ig)という用語は、本明細書で「抗体」と互換的に使用される。

0059

「単離した抗体」は、自然環境から、同定及び/又は分離及び/又は回収したものである。

0060

基本の四鎖抗体ユニットは、2つの同一軽(L)鎖及び2つの同一重(H)鎖から構成される、ヘテロ四量体糖タンパク質である(IgM抗体は、J鎖と呼ばれる付加ポリペプチドに加えて、5つの基本のヘテロ四量体ユニットからなり、従って、10個の抗原結合部位を含有し、一方、分泌IgA抗体は、重合して、J鎖に加えて2〜5つの基本の四鎖ユニットを含む多価集合を形成することができる)。IgGの場合は、四鎖ユニットは、一般に約2.49E−19g(150キロダルトン(kDa))である。各L鎖は1つの共有ジスルフィド結合H鎖に結合し、一方2つのH鎖は、H鎖のアイソタイプに応じて1以上のジスルフィド結合で互いに結合する。各H及びL鎖はまた、規則的間隔の鎖内ジスルフィド架橋を有する。各H鎖は、N末端に、α及びγ鎖のそれぞれに対する3つの定常領域(CH)、並びにμ及びεアイソタイプに対する4つのCHドメインに続く可変ドメイン(VH)を有する。各L鎖は、N末端に、もう一方の末端部にある定常ドメイン(CL)が続く可変ドメイン(VL)を有する。VLは、VHと整列し、CLは重鎖の第一定常ドメイン(CH1)と整列する。特定のアミノ酸残基は、軽鎖と重鎖の可変ドメインの間に界面を形成すると考えられている。VHとVLは対を形成し、ともに1つの抗原結合部位を形成する。抗体の異なるクラスの構造及び特性については、例えば、ダニエルP.スタイトス(Daniel P. Stites)、アバI.テラ(Abba I. Terr)及びトリストラムG.パースロー(Tristram G.Parslow)(編)(1994年)『基礎及び臨床免疫学(Basic and Clinical Immunology)第8版(非特許文献14)』、アップトンレンジ(Appleton& Lange)71ページ及び6章を参照のこと。

0061

任意の脊椎動物種由来のL鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、κ及びλと呼ばれる2種の明らかに異なる型のうち1種に割り当ててもよい。重鎖の定常ドメイン(CH)のアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは様々なクラス又はアイソタイプに割り当てられうる。免疫グロブリンには5種のクラスが存在し、それぞれ、α、δ、ε、γ及びμと名付けられた重鎖を有するIgAIgDIgE、IgG及びIgMである。γ及びαクラスは、CH配列及び機能の比較的わずかな違いに基づいて、さらにサブクラスに分けられる(例えば、ヒトは以下のサブクラスを発現する:IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)。

0062

ラクダ科の構成種、例えば、ラマ、ラクダ、及びヒトコブラクダは、軽鎖及びさらにCH1ドメインが欠失しているという、独特な型の抗体を有する(マイルダーマンズS.(Muyldermans, S.)(2001年)『レヴューズ・イン・モルキュラー・バイオテクノロジー(Rev.Mol.Biotechnol.)』74巻、277〜302ページ(非特許文献15))。これらの重鎖抗体の可変領域は、VHH又はVHHと呼ばれ、機能的免疫グロブリン由来の最も小さな利用可能な完全抗原結合断片(2.5E−20g(15kDa))を構成する。

0063

「可変」という用語は、可変ドメインの特定のセグメントの配列が、抗体間で大幅に異なるという事実を指す。Vドメインは、抗原結合を仲介し、その抗原に対する特定の抗体の特異性を規定する。しかしながら、可変性は、可変ドメインの110個のアミノ酸からなる範囲にわたって不均一に分布する。代わりに、V領域は15〜30個のアミノ酸からなるフレームワーク領域(FR)と呼ばれる比較的不変的な伸長からなり、これはそれぞれ9〜12アミノ酸長である「超可変領域」と呼ばれる極度な可変性を有する短い領域により分離される。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、それぞれ、3つの超可変領域によって連結された、概してβシート形状をとる4つのFRを含み、これはβ−シート構造を連結し、場合によってはその一部を形成するループを形成する。各鎖の超可変領域は、FRよりともに近接近に保持され、他の鎖の超可変領域とともに、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。定常領域は、抗体の抗原への結合に直接関与しないが、抗体依存性細胞傷害ADCC)における抗体の関与のように、種々のエフェクター機能を示す。

0064

「超可変領域」という用語は、本明細書で使用する時、抗原結合に関与する抗体のアミノ酸残基を指す。超可変領域は、一般に、「相補性決定領域」若しくは「CDR」(例えば、VLの24〜34残基(L1)、50〜56残基(L2)及び89〜97残基(L3)、並びに、VHの1〜35(H1)、50〜65(H2)及び95〜102(H3)前後)からのアミノ酸残基を含み(カバト(Kabat)ら(1991年)『タンパク質配列の免疫学的興味(Sequences of Proteins of ImmunologicalInterest)第5版』(公衆衛生局(Public Health Service)、国立衛生研究所(National Institutes ofHealth)(メリーランド州ベテスダ(Bethesda)(非特許文献16)))、及び/又は、「超可変ループ」からの残基を含む。

0065

「モノクローナル抗体」という用語は、本明細書で使用する時、実質的に相同な抗体の集団から得られる抗体、即ち、微量存在する可能性のある、予想される自然発生的突然変異を除いて同一である集団を含む個々の抗体を指す。様々なエピトープに対する様々な抗体を含むポリクローナル抗体の調製に対して、各モノクローナル抗体は単一エピトープ、即ち、単一抗原決定基に対する。その特異性に加えて、モノクローナル抗体は、他の抗体が混入せずに合成できる点で有利である。修飾語モノクローナル」は、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とすると解釈されるべきではない。例えば、本発明で有用なモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ手法により調製できる、又は細菌、真核動物若しくは植物細胞内で組み換えDNA方法を用いて製造できる(例えば、米国特許第4,816,567号(特許文献3)を参照のこと)。「モノクローナル抗体」はまた、利用可能な技術を用いてファージ抗体ライブラリーから単離することもできる(例えば、クラックソン(Clackson)ら(1991年)『ネイチャー(Nature)』第352号、624〜628ページ(非特許文献17))。

0066

本明細書では、モノクローナル抗体は、それらが所望の生物活性を示す限り、重鎖及び/又は軽鎖の一部が、特定の種由来の又は特定の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体と同一である、又は対応配列と相同であり、一方、鎖の残部が、別の種由来の又は別の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体と同一である、又は対応配列と相同である、「キメラ」抗体、並びに、かかる抗体の断片を含む(米国特許第4,816,567号(特許文献3)及びモリソン(Morrison)ら(1984年)『米国科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)』第81巻、6851〜6855ページ(非特許文献18)を参照のこと)。

0067

「抗体断片」は、多量体抗体、好ましくはインタクトな抗体の抗原結合又は可変領域の一部を含む。抗体断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fab複合体の二量体及び三量体、Fv、scFv、ミニボディダイア−、トリア−及びテトラボディ;直鎖抗体が挙げられる(ハドソン(Hudson)ら(2003年)『ネイチャー・メディシン(Nature Med.)』第9巻、129〜134ページ(非特許文献19)を参照のこと)。

0068

「Fv」は、完全な抗原結合部位を含有する最小の抗体断片である。この断片は、緊密に非共有結合性会合した1本の重鎖と1本の軽鎖の可変領域の二量体からなる。これらの2つのドメインの折り畳み構造から、抗原結合のためのアミノ酸残基に寄与し、抗体に抗原結合特異性を与える6つの超可変ループ(H鎖及びL鎖からそれぞれ3つのループ)が延びる。しかしながら、1つの可変ドメイン(又は抗原に対して特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)でさえ、抗原を認識し結合する能力を有するため、Fvの定義に含まれる。

0069

「sFv」又は「scFv」とも略される「一本鎖Fv」は、単一ポリペプチド鎖に結合するVH及びVL抗体ドメインを含む抗体断片である。好ましくは、sFvポリペプチドは、VH及びVLドメインの間にポリペプチドリンカーをさらに含み、これはsFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にする。

0070

「ダイア−、トリア−及びテトラボディ」とは、鎖間ではあるが鎖内ではないVドメインの対形成を達成し、多価断片を得るように、VH及びVLドメインの間に短いリンカー(約5〜10残基)を有するsFv断片を構築することにより調製される小さな抗体断片を指す。

0071

ヒト化抗体」又は「ヒト抗体」とは、非ヒト種(例えば、マウス)由来の重鎖及び軽鎖可変領域を含むが、VH及び/又はVL配列の少なくとも一部がより「ヒト様」に改変されている、即ち、ヒト生殖細胞系可変配列により類似した抗体を指す。ヒト化抗体の1種は、CDR−グラフト化抗体であり、ここではヒトCDR配列を非ヒトVH及びVL配列に導入し、対応する非ヒトCDR配列と置換する。キメラ、CDR−グラフト化及びヒト化抗体の製造方法は、当業者に既知である(例えば、米国特許第4,816,567号及び同第5,225,539号(特許文献3、4)を参照のこと)。ヒト抗体を作製する1つの方法は、トランスジェニックマウスのようなトランスジェニック動物を使用することである。これらのトランスジェニック動物は、それら自身のゲノムに挿入されたヒト抗体産生ゲノムのかなりの部分を含有し、抗体産生において動物自身の内因性抗体産生は欠失させられる。かかるトランスジェニック動物の製造方法は、当該技術分野において既知である。かかるトランスジェニック動物は、ゼノマウス(XenoMouse)(登録商標)技術を用いて、又は「ミニローカス(minilocus)」法を用いて製造することができる。ゼノマウス(XenoMouse)(登録商標)を製造する方法は、米国特許第6,162,963号、同第6,150,584号、同第6,114,598号及び同第6,075,181号(特許文献5〜9)に記載されている。「ミニローカス(minilocus)」法を用いるトランスジェニック動物の製造方法は、米国特許第5,545,807号、同第5,545,806号及び同第5,625,825号、並びにPCT国際公開特許WO93/12227号(特許文献10〜12)に記載されている。

0072

非ヒト抗体のヒト化は、近年日常化しており、現在は当業者の知識の範囲内である。例えば、ゾーマ(Xoma)、アリーズ(Aries)、メダレクス(Medarex)、PDL及びケンブリッジアンチボディ・テクノロジーズ(CambridgeAntibody Technologies)等の幾つかの会社が、ヒト化抗体を製造するサービスを提供している。ヒト化プロトコルは、広範囲の技術文献、例えば、キプリヤノフ(Kipriyanov)及びル・ガリ(LeGall)(2004年)『モルキュラー・バイオテクノロジー(Molecular Biotechnol)』第26巻、39〜60ページ(ヒューマナ・プレス(HumanaPress)、ニュージャージー州トトワ(Totowa));ロー(Lo)(2004年)『メソッズ・イン・モルキュラー・バイオロジー(MethodsMol.Biol.)』第248巻135〜159ページ(ヒューマナ・プレス(Humana Press)ニュージャージー州トトワ(Totowa));ウー(Wu)ら(1999年)『ジャーナル・オブ・モルキュラー・バイオロジー(J.Mol. Biol)』第294巻、151〜162ページ(非特許文献20〜22)に記載されている。

0073

特定の実施形態では、本発明の抗体は、ハイブリドーマ細胞株以外の細胞株で発現することができる。特定の抗体をコードする配列は、例えば、ウイルス(又はウイルスベクター)にポリヌクレオチドパッケージし、そのウイルス(又はベクター)を宿主細胞形質導入させることを含む、宿主細胞にポリヌクレオチドを導入するための既知の方法により、又は、米国特許第4,399,216号、同第4,912,040号、同第4,740,461号及び同第4,959,455号(特許文献13〜16)に例示されたような、当該技術分野において既知である形質移入方法により、好適な哺乳類宿主細胞の形質転換のために用いられる。使用する形質転換方法は、形質転換される宿主による場合がある。異種ポリヌクレオチド哺乳類細胞に導入する方法は、当該技術分野において既知であり、デキストラン仲介形質移入、リン酸カルシウム沈殿ポリブレン仲介形質移入、プロトプラスト融合、電気穿孔法、ポリヌクレオチドのリポソームへの封入核酸と正荷電脂質との混合、及びDNAの核への直接顕微注入が挙げられるが、これらに限定されない。

0074

抗体の重鎖定常領域重鎖可変領域、軽鎖定常領域、若しくは軽鎖可変領域のアミノ酸配列をコードする核酸分子、又は必要に応じて好適に組み合わせられたその断片は、標準的なライゲーション技術を用いて、適切な発現ベクターに挿入される。抗体の重鎖又は軽鎖定常領域は、適切な可変領域のC末端に付加することができ、発現ベクターにライゲーションされる。ベクターは、典型的には、使用する特定の宿主細胞で機能的であるように選択される(即ち、ベクターは、遺伝子の増幅及び/又は遺伝子の発現が起こり得るように、宿主細胞の機構適合する)。発現ベクターの総説としては、ゴアデル(Goeddel)編(1990年)『メソッズ・オブ・エンザイモロジー(MethodsEnzymol.)』第185巻(アカデミック・プレス(AcademicPress)(非特許文献23))を参照のこと。

0075

本発明の抗体及びその断片は、HPTPβに結合し、血管新生を調節する。上記で定義したように、抗体という用語は、抗原結合断片を意味するように使用される。かかる抗体及び抗原結合断片の使用については、以下でより詳細に記載する。

0076

血管新生のインビトロ及びインビボモデルを用いたスクリーニングアッセイ
本発明の抗体は、当該技術分野において既知である血管新生アッセイでスクリーニングされてもよい。かかるアッセイとしては、培養細胞中の血管増殖又は組織外植片由来の血管構造の形成の代用物を測定するインビトロアッセイ、及び、血管増殖を直接又は間接的に測定するインビボアッセイが挙げられる(アウエルバッハ,R.(Auerbach,R.)ら(2003年)『クリニカル・ケミストリー(Clin Chem)』第49巻、32〜40ページ;ベイル,B.(Vailhe,B.)ら(2001年)『ラボラトリー・インヴェスティゲーション(LabInvest)』第81巻439〜452ページ(非特許文献24、25))。

0077

血管新生のインビトロモデル
これらのアッセイの大部分は、培養内皮細胞又は組織外植片を使用して、「血管新生」細胞応答又は毛細血管様構造の形成における剤の効果を測定する。インビトロ血管新生アッセイの例としては、内皮細胞遊走及び増殖、毛細管形成、内皮出芽、大動脈輪外植片アッセイ及びヒヨコ(chick)大動脈弓アッセイが挙げられるが、これらに限定されない。

0078

血管新生のインビボモデル
これらのアッセイでは、剤又は抗体は、増殖因子(即ち、VEGF又はアンジオポエチン1)の存在下又は非存在下で、局所的又は全身的に投与され、直接観察により、又は、ヘモグロビン含有量若しくは蛍光指示薬のような代用マーカーを測定することにより、新たな血管増殖を測定する。血管新生の例としては、ヒヨコ絨毛尿膜アッセイ、角膜血管新生アッセイ、及びマトリゲル(MATRIGEL)(商標)プラグアッセイが挙げられるが、これらに限定されない。

0079

血管新生調節疾患の治療
「調節」という用語は、その一般に認められた辞書の意味として定義される。従って、「調節」という用語の意味としては、上方制御若しくは下方制御する、固定する、秩序若しくは均一性をもたらす、支配する、又は種々の手段により方向づけることが挙げられるが、これらに限定されない。一態様では、抗体は、「血管新生増加疾患」又は「血管新生減少疾患」の治療方法に用いることができる。本明細書で使用する時、「血管新生増加疾患」は、疾病、疾患及び/若しくは状態の生物学的徴候において;疾患を誘導する生物学的カスケードにおいて;又は疾患の症状として、不要な血管新生又は血管新生の増加が関与するものである。同様に、「血管新生減少疾患」は、生物学的徴候において、必要な血管新生又は血管新生の減少が関与するものである。この、血管新生増加/減少疾患における、血管新生の「関与」として、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
(1)遺伝的、感染、自己免疫、外傷、生体力学的原因、生活習慣、又は他の幾つかの原因による、血管新生のレベルの増加、減少にかかわらず、疾患又は生物学的徴候の「原因」としての血管新生。
(2)疾病又は疾患の観察可能な徴候の一部としての血管新生。つまり、疾病又は疾患が、血管新生の増加又は減少の点で測定可能である。臨床的観点から、血管新生は疾病の徴候であるが、疾病又は疾患の「ホールマーク(hallmark)」である必要はない。
(3)血管新生は、疾病又は疾患をもたらす生化学的又は細胞カスケードの一部である。この観点では、血管新生の調節はカスケードを中断させ、疾病を制御することができる。本発明により治療できる血管新生調節疾患の非限定的な例は、本明細書で以下に記載するものである。

0080

本発明の抗体は、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、癌、鎌状赤血球性貧血、サルコイド、梅毒、弾力線維性仮性黄色腫、パジェット病、静脈閉塞、動脈閉塞、頸動脈閉塞性疾患、慢性ブドウ膜炎/硝子体炎、マイコバクテリア感染、ライム病、全身性紅斑性狼瘡(erythematosis)、未熟児網膜症、イールズ病、ベーチェット病、網膜炎又は脈絡膜炎の原因となる感染、推定眼ヒストプラスマ症、ベスト病、近視、視神経乳頭小窩、シュタルガルト病、扁平部炎、慢性網膜剥離、過粘稠度症候群、トキソプラスマ症、外傷及びレーザ後合併症が挙げられるが、これらに限定されない網膜/脈絡膜新血管形成に関連する疾患を治療するために用いることができる。他の疾病としては、ルベオーシス(虹彩の新血管形成)に関連する疾病、及び糖尿病に関連するかどうかにかかわらず、増殖性硝子体網膜症の全ての形態を含む、線維性血管又は線維組織異常増殖により引き起こされる疾病が挙げられるが、これらに限定されない。

0081

本発明の抗体は、慢性炎症に関連する疾病を治療するために用いてもよい。慢性炎症の症状を伴う疾病としては、クローン病及び潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患、乾癬、サルコイドーシス、リウマチ様関節炎が挙げられる。血管新生は、これらの慢性炎症疾病が共通して有する鍵となる要素である。慢性炎症は、炎症性細胞の流入を維持するための毛細管出芽の持続的形成に依存する。炎症性細胞の流入及び存在は、肉芽腫を発生させ、従って、慢性炎症状態を維持する。本発明の組成物及び方法による血管新生の阻害は、肉芽種の形成を予防し、疾病を緩和させる。

0082

クローン病及び潰瘍性大腸炎は、慢性炎症及び胃腸管の様々な部位における血管新生を特徴とする。クローン病は、炎症性細胞のシリンダにより取り囲まれる新たな毛細管出芽からなる、胃腸管全体にわたる慢性肉芽腫性炎症を特徴とする。血管新生の予防は、出芽の形成を阻害し、肉芽種の形成を防ぐ。クローン病は、最も一般的に遠位回腸及び結腸発症する慢性経壁炎症性疾病として生じるが、口から肛門及び肛門周辺部までの胃腸管の任意の部分に生じる場合もある。クローン病の患者は、一般に、腹痛発熱拒食症体重低下及び腹部膨満に関連する慢性下痢を有する。潰瘍性大腸炎はまた、結腸粘膜に生じる慢性、非特異性、炎症性及び潰瘍性疾病であり、出血性下痢の存在を特徴とする。

0083

炎症性腸疾患はまた、皮膚病変のような腸外の徴候も示す。かかる病変は炎症及び血管新生を特徴とし、胃腸管以外の多くの部位で生じる場合がある。本発明の抗体は、血管新生を予防することによりこれらの病変を治療し、従って炎症性細胞の流入及び病変形成を低下させることができる。

0084

サルコイドーシスは、多システム肉芽種性疾患を特徴とする、別の慢性炎症性疾病である。この疾病の肉芽腫は、体のどこにでも生じる可能性があり、従って、症状は肉芽腫の部位及び疾病が活性状態であるかどうかによる。肉芽腫は、炎症性細胞の持続的供給をもたらす血管新生毛細管出芽により作製される。

0085

本発明の抗体はまた、乾癬に関連する慢性炎症状態を治療することもできる。皮膚疾病である乾癬は、種々の大きさの丘疹及びを特徴とする、別の慢性及び再発性疾病である。新たな血管形成の予防は、症状の軽減を誘導する特徴的な病変を維持するために必要である。

0086

リウマチ様関節炎は、末梢関節の非特異性炎症を特徴とする、慢性炎症性疾病である。関節の滑膜内層の血管が血管新生を起こすと考えられている。新たな血管網の形成に加えて、内皮細胞は、パンヌス増殖及び軟骨破壊を誘導する因子及び活性酸素種を放出する。血管新生に関与する因子は、リウマチ様関節炎の慢性的炎症状態に能動的に寄与し、その状態の維持を補助する場合がある。本発明により治療しうる他の疾病は、血管腫、オースラー−ウェーバー−ランデュ病、又は遺伝性出血性末梢血管拡張症、固体若しくは血液媒介腫瘍、及び後天性免疫不全症候群である。

0087

本発明の抗体はまた、「血管新生減少疾患」を治療するためにも用いることができる。本明細書で使用する時、「血管新生減少疾患」は、血管新生が疾病、疾患及び/又は状態の治療に有益であると考えられるものである。疾患は、虚血性障害、感染及び/又は不十分な治癒に苦しんでいる又はそれらに苦しむ危険のある組織を特徴とし、それは、組織が不十分な循環のために酸素を豊富に含んだ血液の十分な供給を奪われた時に起こる。本明細書で使用する時、「組織」は、広い意味で用いられ、心筋及び心室のような心臓組織勃起組織;骨格筋;小脳由来のような神経組織;脳、心臓膵臓、肝臓、脾臓及び肺のような内臓;又は肢全体、足、指若しくはつま先のような遠位付属器のような体の全身領域が挙げられるが、これらに限定されない。

0088

虚血組織の血管新生方法
一態様では、抗体は虚血組織を血管新生化する方法で用いることができる。本明細書で使用する時、「虚血組織」は、十分な血流を奪われた組織を意味する。虚血組織の例としては、心筋及び脳梗塞腸管膜若しくは肢虚血、又は血管閉塞若しくは狭窄の結果から生じる、十分な血液供給を欠く組織が挙げられるが、これらに限定されない。一例では、酸素を豊富に含んだ血液の供給の中断は、血管閉塞により引き起こされる場合がある。かかる血管閉塞は、動脈硬化、外傷、外科手術、疾病及び/又は他の病因により引き起こされる場合がある。標準的な日常化技術は、組織が望ましくない血管閉塞による虚血性障害を患う危険があるかどうかを決定するために利用可能である。例えば、心筋疾病では、これらの方法は種々のイメージング技術(例えば、放射性トレーサ方法論X線及びMRI)及び生理学的試験を含む。それゆえ、血管新生の誘導は、血管閉塞に侵された又は侵される危険のある組織の虚血を予防又は減衰させる有効な手段である。さらに、骨格筋及び心筋虚血、脳卒中、冠動脈疾患、末梢血管疾患、冠動脈疾患の治療は、十分に考慮される。

0089

標準的な技術を使用する当業者であれば、組織の血管新生化を測定しうる。被験体の血管新生化を測定する非限定的な例としては、治療前及び後に組織への血流を測定することによる、SPECT単一光子放射型コンピュータ断層撮影法);PET(陽電子放出断層撮影);MRI(磁気共鳴映像法);及びこれらの組み合わせが挙げられる。血管造影法は、巨視的な血管分布アセスメントとして使用することができる。組織学的評価は、小血管レベルで血管分布を定量化するために用いることができる。これらの及び他の技術は、シモンズ(Simons)ら(2000年)「冠状動脈血管新生の臨床試験(Clinical trials in coronaryangiogenesis)」(『サーキュレーション(Circulation)』第102巻、73〜86ページ(非特許文献26))で論じられている。

0090

組織の修復方法
一態様では、抗体は、組織の修復方法で用いることができる。本明細書で使用する時、「組織の修復」とは、組織の修復、再生、増殖及び/又は維持を促進することを意味し、創傷修復又は再生医療を含むが、これらに限定されない。当業者は、新たな血管形成が組織の修復に必要であることを認識している。一方で、組織は、関節炎、骨粗鬆症及び他の骨格疾患、並びに、火傷を含む外傷又は外傷性状態を含むが、これらに限定されないものにより損傷を受ける可能性がある。組織はまた、外科手術、放射線照射裂傷有毒化学物質ウイルス感染若しくは細菌感染、又は火傷により傷害を受ける場合がある。修復を必要とする組織はまた、難治性創傷を含む。難治性創傷の例としては、糖尿病の症状から生じる難治性皮膚潰瘍;又は容易に治癒しない骨折が挙げられる。

0091

抗体はまた、組織再生誘導(GTR)法に関連して、組織の修復に使用することもできる。かかる方法は、侵襲的な外科治療後の創傷治癒を促進するために、当業者により現在用いられている。

0092

抗体は、再生医療過程中、組織の増殖を亢進することを特徴とする、組織の修復促進方法で用いることができる。本明細書で使用する時、「再生医療」は、体内組織及び器官の増大又は置換のために、合成又は天然材料と組み合わせた、生物学的人工器官創造、設計及び製作として定義される。従って、本方法は、病気の組織の修復又は置換における将来の移植のために、体外でヒト組織の設計及び増殖を増強するために用いることができる。例えば、抗体は、火傷の治療における療法として用いられる皮膚移植片代替物(skin graft replacement)の増殖の促進に有用である可能性がある。

0093

再生医療の別の態様では、本発明の抗体は、再生が必要な部位に移植する時、機能的ヒト組織の再生を誘導する、細胞を含有する又は細胞を含まないデバイスに含まれてもよい。上記で論じたように、生体材料組織再生誘導法は、骨の再生を促進するために、例えば、歯周病で用いてもよい。従って、抗体は、創傷した部位又はかかる修復を必要とする他の組織で、三次元形状に構築された、再構成された組織の増殖を促進するために用いてもよい。

0094

再生医療の別の態様では、抗体は、病気の内部組織の機能を置換するように設計されたヒト組織を含有する外部又は内部デバイスに含むことができる。この方法は、体から細胞を単離し、それらを構造マトリクスとともに定置し、体内に新たな系を移植する、又は体外で系を使用することを含む。例えば、抗体は、移植片に含有される細胞の増殖を促進するために、細胞株化血管移植片に含んでもよい。本発明の方法は、軟骨及び骨、中枢神経系組織筋肉、肝臓及び膵島インスリン産生)細胞のような産物中で、組織の修復、再生及び再生医療を増強するために用いられる可能性があると想像できる。

0095

製剤処方及び使用方法
本発明の抗体は、本発明の遺伝子及びタンパク質により調節される疾病又は疾患を治療又は予防するために投与されうる。「治療」という用語は、本明細書では、本発明の化合物の投与が、宿主の疾病又は疾患を軽減することを意味する。従って、「治療」という用語は、特に、宿主が病気にかかりやすいが、病気と診断されてはいない時に、宿主内で生じる疾患を予防すること、疾患を阻害すること、及び/又は疾患を緩和若しくは逆行させることを含む。本発明の方法が疾患を予防することを目的とする限り、「予防」という用語は疾病状態を完全に阻止する必要はないと理解される。(『ウェブスター大学生用辞典第9版(Webster's Ninth Collegiate Dictionary)』(非特許文献27)を参照のこと。)むしろ、本明細書で使用する時、予防という用語は、当業者の、疾病の発症前に本発明の化合物を投与できるように、疾患にかかりやすい集団を特定する能力を指す。この用語は、疾病状態を完全に回避することを意味するものではない。本発明のスクリーニング方法により同定される化合物は、他の化合物と併用して投与することができる。

0096

同定された化合物の安全性及び治療効果は、インビトロ又はインビボ技術を用いる標準的な方法により測定しうる。大きな治療指標を示す化合物が好ましい場合があるが、副作用水準許容可能である場合、治療指標の低い化合物が有用である場合もある。インビトロ又はインビボ毒物学及び薬理学的技術から得たデータは、投与量の範囲を処方するために用いられうる。

0097

化合物の有効性は、血管新生が無調節である又は不適当に調節された、動物モデル又は患者の臨床試験のいずれかでさらに評価してもよい。

0098

本明細書で使用する時、「製薬上許容できる担体」は、薬剤投与に適合した、全ての溶媒分散媒コーティング抗菌及び抗真菌剤等張剤及び吸収遅延剤等を含むことを意図する。薬剤的活性物質に対するかかる媒質及び剤の使用は、当該技術分野において既知である。従来の任意の媒質又は剤が活性化合物に適合しない場合を除いて、かかる媒質は本発明の組成物中に使用されてもよい。補足的活性化合物は、組成物に組み込まれてもよい。本発明の医薬組成物は、目的とする投与経路に適合するように配合される。投与経路の例としては、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(局所)、経粘膜、及び直腸投与が挙げられる。非経口、皮内又は皮下用途のために使用される溶液又は懸濁液とは、以下の成分を含んでよい:注射用水食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコールグリセリンプロピレングリコール若しくは他の合成溶媒のような無菌希釈剤ベンジルアルコール若しくはメチルパラベンのような抗菌剤アスコルビン酸若しくは亜硫酸水素ナトリウムのような抗酸化剤エチレンジアミン四酢酸のようなキレート剤酢酸塩クエン酸塩、又はリン酸塩のような緩衝剤及び塩化ナトリウム若しくはデキストロースのような張度調節剤。pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムのような、酸又は塩基で調節されうる。非経口製剤は、ガラス又はプラスチックで製造されたアンプル使い捨て注射器又は複数回投与バイアル内に入れてもよい。

0099

注入可能な用途に好適な医薬組成物としては、無菌水溶液(水溶性である場合)、又は分散液、及び注入可能な無菌溶液若しくは分散液の即時調合のための無菌粉末が挙げられる。静脈内投与では、好適な担体としては、生理食塩水静菌水、クレフォア(CREMOPHOR)EL(商標)(BASF、ニュージャージー州パーシパニー(Parsippany))又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合において、組成物は無菌でなければならず、容易に注入可能である程度に流動的であるべきである。それは、製造及び保管条件下で安定でなければならず、細菌及び真菌のような微生物の混入作用に対して保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノールポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール等)及びこれらの好適な混合物を含有する溶媒又は分散媒であってもよい。例えば、レシチンのようなコーティングを使用することにより、分散液の場合には必要な粒径を維持することにより、及び界面活性剤を使用することにより、適切な流動性を維持することができる。微生物の活動の予防は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベンクロロブタノールフェノール、アスコルビン酸、チメロサール等により達成されうる。多くの場合、組成物中に、等張剤、例えば、糖、マンニトール及びソルビトールのような多価アルコール、並びに塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注入可能な組成物の持続的吸収は、組成物中に、吸収遅延剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを含むことによりもたらされ得る。

0100

無菌注入可能溶液は、必要な量の活性化合物を、上記成分の1種又は組み合わせとともに、適切な溶媒に組み込み、必要に応じて、続いて濾過滅菌することにより調製されうる。一般に、分散液は、活性化合物を、基本の分散媒及び必要な他の成分を含有する無菌賦形剤に組み込むことにより調製される。無菌注入可能溶液の調製用無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、その既に濾過済み無菌溶液から、任意の所望の追加成分に加えて活性成分の粉末を得る、真空乾燥及び凍結乾燥である。

0101

全身投与はまた、経粘膜又は経皮的手段によるものであってもよい。経粘膜又は経皮的投与の場合、浸透する障壁に対して適切な浸透剤を製剤中に用いる。かかる浸透剤は、一般に当該技術分野において既知であり、例えば、経粘膜投与の場合、洗浄剤胆汁酸塩及びフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻内噴霧又は坐剤を用いて達成することができる。経皮投与の場合、活性化合物は、当該技術分野において一般に既知であるように、膏薬軟膏ゲル、又はクリームに配合される。

0102

化合物はまた、坐剤(例えば、カカオバター及び他のグリセリドのような従来の坐剤基剤を含む)又は直腸送達のための停留浣腸の形態で調製してもよい。

0103

一実施形態では、活性化合物は、植込錠及びマイクロカプセル化送達系を含む、徐放性製剤のような、体からの急速な排泄に対して化合物を保護する担体とともに調製される。エチレン酢酸ビニルポリ無水物ポリグリコール酸コラーゲンポリオルトエステル及びポリ乳酸のような、生分解性生体適合性ポリマー類が用いられうる。かかる製剤の調製方法は、当業者には明白である。材料は、アルザ社(Alza Corporation)及びノバ・ファーマスティカル社(Nova Pharmaceuticals, Inc.)からも商業的に入手することができる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を移入させる細胞を標的とするリポソームを含む)もまた、製薬上許容できる担体として使用してもよい。これらは、当業者に既知の方法に従って、例えば、米国特許第4,522,811号(特許文献17)に記載のように調製してもよい。

0104

投与の容易さ及び投与量の均一性のために、経口又は非経口組成物を単位剤形(dosage unit form)で処方することは特に有利である。「単位剤形」は、本明細書で使用する時、治療される被験体に対する単位用量として好適な、物理的に分離した単位を指し、各単位は、必要な薬剤担体に関連して所望の治療効果を生じさせるために算出された、所定の量の活性化合物を含有する。単位剤形の規格は、活性化合物の独自の特性、及び達成される特定の治療効果、及び個体の治療のためにかかる活性化合物を配合する当該技術分野において固有の制限により決定され、直接左右される。

0105

実施例1.HPTPβの細胞外ドメインタンパク質の産生。
方法:完全長HPTPβは、メーカー(オリゲネ(Origene))の説明書に従ってヒト胎盤ライブラリーからクローン化する。クローンは、FNIII反復#5を欠損していることを除き、既に報告したcDNAクローン(Genbank受入番号X54131)と同一である。HPTPβの可溶性細胞外ドメイン(ECD)全体をコードするcDNAは、c末端にHis−His−His−His−His−His−Gly(6His−Gly)が付加されたAA 1−1534(配列番号1)をコードする完全長cDNA(以下の配列を参照のこと)からPCRすることによりクローン化する。得られるcDNAを、HEK293細胞で一過的に(pShuttle-CMV)又は安定的に(pcDNA3.1(−))発現させるために、哺乳類発現ベクターにクローン化する。精製HPTPβECD(βECD)を得るために、βECD発現ベクターで形質移入したHEK293細胞を、通常の増殖条件下で24時間、OptiMEMセラフリーギブコ(Gibco))中でインキュベートする。次いで、馴化培地を回収し、遠心分離して残渣を除去し(1000rpm×5分)、1mLの洗浄Ni−NTAアガロースキアゲン(Qiagen))(500μLのパック入り材料)を、それぞれ10mLの清浄培地に添加し、4℃で一晩振動させる。次の日、混合物をカラムに充填し、20ベッド体積の50mMのNaH2PO4、300mMのNaCl、20mMのイミダゾール(pH8)で洗浄する。次いで、精製したHPTPβ細胞外ドメインタンパク質(配列番号2)を、50mMのNaH2PO4、300mMのNaCl、250mMのイミダゾール(pH8)中で、200μL/溶出物の6つの画分に溶出する。画分は、還元変性SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いてタンパク質含量を分析し、銀染色(インビトロゲン(Invitrogen))により検出し、質量分析により確認する。
結果:HPTPβの細胞外ドメインに対する抗体を展開するための、6−Hisタグ付きHPTPβ細胞外ドメインタンパク質(図1、パネルA)を発現させるための発現ベクターが展開される。その後、6−Hisタグ付きHPTPβ細胞外ドメインタンパク質を、発現ベクターで形質移入したHEK293の培養馴化培地から精製し、ほぼ均一な状態にする(図1、パネルB)。

0106

実施例2.HPTPβ細胞外ドメインに対するモノクローナル抗体の産生。
方法:HPTPβ細胞外ドメイン免疫原を作製するために、精製HPTPβ細胞外ドメイン−6Hisタンパク質を、EDCカップリング化学を用いてブタチログロブリンシグマ(Sigma))に結合させる(ホックフィールドS.(Hockfield, S.)ら(1993年)『免疫細胞化学(Immunocytochemistry)』第1巻、111〜201ページ(コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(ColdSpring Habor Laboratory Press)(非特許文献28)))。得られたHPTPβ細胞外ドメイン−チログロブリン複合体を、PBS(pH7.4)で透析する。成体Balb/cマウスを、次いで、複合体(100〜200μg)及びフロイント完全アジュバントの1:1混合物で皮下免疫する。2〜3週間後、マウスに、フロイント不完全アジュバント複合物の1:1混合物を腹腔又は皮下注射する。注射を4〜6週間繰り返す。3度目の注射の7日後、マウスから血清を収集し、ELISA及びウエスタンブロッティングにより、HPTPβ細胞外ドメイン抗原に対する免疫反応性を分析する。抗原に対して良好な応答を示すマウスには、50mLの精製HPTPβ細胞外ドメインタンパク質とミョウバン水酸化物の1:1混合物を、31ゲージ長針(31gauge extra long needle)を用いて、単回脾臓内投与により追加免役する(ゴーディング(Goding)J.W.(1996年)『モノクローナル抗体:その原理及び実施(MonoclonalAntibodies: Principles and Practices)』第3版、アカデミック・プレス社(Academic Press Limited.)145ページ(非特許文献29))。簡潔に言うと、2.5%アベルティン(avertin)でマウスに麻酔をかけ、皮膚を1cm切開し、斜筋体壁(obliquebody wall)を残す。長手方向注射で、脾臓の後部から前部へ針を挿入することにより、抗原混合物を投与する。体壁を縫合し、皮膚を2つの小さな金属クリップで塞ぐ。マウスが安全に回復するのを監視する。手術の4日後、マウスの脾臓を取り出し、ハイブリドーマ細胞株の作製のために、マウスの骨髄腫細胞と融合させるために単一細胞懸濁液を作製する(スピッツ(Spitz),M.(1986年)『メソッズ・イン・エンザイモロジー(MethodsIn Enzymology)』第121巻(ジョン.J,ラゴン(John J, Lagone)及びヘレン・ヴァン・ヴナキス(Helen Van Vunakis)編、33〜41頁(アカデミック・プレス(AcademicPress)ニューヨーク州ニューヨーク)(非特許文献30))。得られるハイブリドーマを、15%ウシ胎児血清ハイクローン(Hyclone))及びヒポキサンチン(hypoxathine)、アミノプテリン及びチミジンを添加したダルベッコ修飾培地(ギブコ(Gibco))で培養する。

0107

陽性ハイブリドーマのスクリーニングは、融合8日後に開始し、15日間続ける。抗HPTPβ細胞外ドメイン抗体を産生するハイブリドーマは、2組の96穴プレート(1組はヒスチジンタグ付きHPTPβ細胞外ドメインでコーティングされ、別の1組は陰性対照としてヒスチジンタグ付き細菌MurAタンパク質でコーティングされている)を用いたELISAにより同定する。二次抗体は、ホースディシュペルオキシダーゼGRP)(ジャクソン・イムノリサーチ(Jackson Immunoresearch)で標識したロバ抗マウスIgGである。TBS緩衝液(pH7.5)に溶解したABTS錠により開始される発色を使用して穴内の免疫反応性を監視する。個々のHRP反応混合物は、100μLの1%SDSを添加することにより終了し、分光光度計で405nmにおける吸光度読む。HPTPβ細胞外ドメイン−6Hisと相互作用し、murA−6Hisタンパク質と相互作用しない抗体を産生するハイブリドーマを、さらなる分析に使用する。99%を超える穴が陽性反応性を有するとして定義されるクローン性を有する、96穴プレート中の陽性クローンを2度限界希釈(0.8細胞/穴)する。抗体のイソタイプを、イソストリップ技術(iso-striptechnology)(ロシュ(Roche))を用いて決定する。さらなる評価のために精製抗体を得るために、組織培養上清はプロテインA又はプロテインGカラムを用いてアフィニティ精製する。
結果:HPTPβ細胞外ドメインタンパク質に対して免疫反応性である5種のモノクローナル抗体を単離し、R15E6、R12A7、R3A2、R11C3、R15G2及びR5A8と命名した。

0108

モノクローナル抗体R15E6は、2006年5月4日に郵便番号20108米国バージニア州マナッサス(Manassas)私書箱1549のアメリカ培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection)(ATCC)に寄託した。

0109

実施例3.R15E6はヒト内皮細胞のHPTPβに結合する。
A.R15E6は、免疫沈降及びウエスタンブロットにより示されるように、内因性HPTPβに結合する。
材料:ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)、EGM培地、及びキャンブレックス(Cambrex)製トリプシン中和溶液;OPTIMEMI(ギブコ)、ウシ血清アルブミン(BSA;サンクルーズ(Santa Cruz))、リン酸緩衝生理食塩水(PBS;ギブコ)、アンジオポエチン1(Ang1)を含む増殖因子、血管内皮増殖因子(VEGF)及び線維芽細胞増殖因子(FGF)(R&Dシステムズ)、Tie2モノクローナル抗体(デューク大学(DukeUniversity)/P&GP)、VEGF受容体2(VEGFR2)ポリクローナル抗体(ホイッティカー(Whitaker)ら)、プロテインA/Gアガロース(サンタクルーズ)、トリス−グリシンプレキャストゲル(Tris-Glycinepre-cast gel)電気泳動/転写系(6〜8%)(インビトロゲン)、PVDFメンブレン(インビトロゲン)、溶解バッファ(lysis buffer)(20mm Tris−HCl、137mm NaCl、10%グリセロール、1%トリトン−X−100、2mMEDTA、1mMNaOV、1mMNaF、1mMPMSF、1μg/mLロイペプチン、1μg/mLペプスタチン)。
方法:HUVECを、抗体(OPTIMEM中)とともに又はOPTIMEM I単独で30分間前処理する。前処理の除去後、細胞を、PBS+0.2% BSA中でAng1(100ng/mL)とともに6分間処理し、溶解バッファに溶解する。溶解物をトリス−グリシンゲル上に直接流す、又は、2〜5μg/mLのTie−2抗体若しくは10μg/mLのR15E6抗体及びプロテインA/Gアガロースで免疫沈降する。免疫沈降した試料を、1×溶解バッファでリンスし、1×試料バッファで5分間煮沸する。試料をトリス−グリシンゲル上で分離し、PVDFメンブレンに転写し、指標抗体(indicated antibody)(pTYR Ab(PY99、サンタクルーズ)、Tie−2、VEGFR2及び/又はR15E6)を使用して、ウエスタンブロットにより検出する。
結果:IP/ウエスタンブロッティングにより、R15E6は、HPTPβの大きさに一致する主要な、高分子量バンドを認識する(図2、パネルA、レーン2)。強度の低い、低分子量バンドは、恐らくHPTPβのあまりグリコシル化されていない前駆体を表す。対照である非免疫IgGの免疫沈降(IP)では、HPTPβの分子量範囲にバンドは見られず(図2、パネルA、レーン1)、混合Tie2/VEGFR2のIPでは、期待された分子量のバンドが見られた(図2、パネルA、レーン3)。この結果は、R15E6がHPTPβを認識し、それに特異的であることを示す。

0110

B.R15E6は、FACS分析により示されるように、内因性HPTPβに結合する。
材料:HUVEC、EGM培地、及びキャンブレックス製トリプシン中和溶液;モレキュラー・プローブス(Molecular Probes)製二次アレックスフルーア(Alexfluor)488タグ付き抗体;ハンクス平衡塩類溶液(ギブコ);ベクトン・ディッケンソン(BectonDickenson)製FACSCANフローサイトメーター及びセルクエスト(CellQuest)ソフトウェア
方法:HUVECをトリプシン処理し、トリプシン中和溶液で処理し、HBSSでリンスする。R15E6抗体(0.6μg)を50mLのHBSS中の250,000細胞に添加し、上で20分間インキュベートする。細胞を1mLのHBSSでリンスし、続いて、2μgの蛍光複合二次抗体を氷上で20分間添加する。細胞をリンスし、1mLのHBSSに再懸濁し、次いで、セルクエスト・ソフトウェアを備えるFACSCANフローサイトメーターで分析する。対照細胞を、蛍光複合二次抗体のみで処理する。
結果:FACS分析により、インタクトなHUVEC、R15E6は、二次抗体のみに比べて、蛍光シグナルの大きな変化(>90%の細胞)を引き起こした(図2、パネルB)。この結果は、R15E6が、インタクトな内皮細胞の表面上にある内因性HPTPβに結合することを示す。

0111

実施例4.R15E6はTie2の活性化を亢進し、複数の血管新生応答(内皮細胞の生存、遊走及び毛細管の形態形成)を促進する。
A.R15E6は、Tie2のリガンドであるアンジオポエチン1(Ang1)の非存在下及び存在下で、Tie2のリン酸化を亢進する。
方法:HUVECを、種々の濃度のR15E6の存在下又は非存在下で、Ang1を添加して又は添加せずに、上述のように無血清培地で培養する。溶解物を調製し、Tie2抗体で免疫沈降し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離し、PVDFメンブレンに転写する。メンブレンに結合した、免疫沈降したタンパク質を、次いで、抗ホスホチロシン抗体で連続的にウエスタンブロットし、Tie2のリン酸化、続いてTie2抗体を定量化し、合計Tie2を定量化する。Tie2のリン酸化は、合計Tie2シグナルに比較した抗ホスホチロシンシグナルの比として表される。
結果:R15E6は、Ang1の非存在下及び存在下の両方でTie2のリン酸化を亢進する(図3)。この結果は、内皮細胞の表面上でのR15E6のHPTPβへの結合が、リガンドの非存在下又は存在下でTie2の活性化を亢進する、その生物学的機能を調節することを示す。

0112

B.R15E6は、内皮増殖因子の非存在下及び存在下で、内皮細胞の生存を亢進する。
材料:HUVEC、EGM培地、及びキャンブレックス製トリプシン中和溶液;DMEM(セルグロ(Cell Gro))、脱脂質化(Delipidized)BSA(BDファルコン(BD Falcon)、セルタイターグロ(CellTiter Glo)ATPアッセイ(プロメガ(Promega)、増殖因子(Ang1、VEGF165及びFGF)(R&Dシステムズ)、ビクターVマルチベルプレートリーダー(VictorV Multilabel plate reader)(パーキンエルマーウォレス(Perkin Elmer Wallac)。
方法:HUVECを、10,000細胞/穴にプレーティングし、DMEM/0.2%
BSA中の血清を欠乏させ、増殖因子(Ang1、VEGF又はFGF)の存在下又は非存在下で、種々の濃度のR15E6抗体あり又はなしで72時間処理する。72時間後、細胞をDMEMでリンスし、生存細胞を、メーカーの説明書(プロメガ)に従って、セルタイターグロ蛍光アッセイを用いてATP濃度を測定することにより定量化する。
結果:Tie2活性化アッセイの結果と一致し、R15E6は0.5〜5nMの濃度で添加した増殖因子の非存在下で内皮細胞の生存を亢進する。同様に、R15E6は、Ang1仲介内皮細胞生存(図4、パネルA)、並びに、VEGF及びFGFにより仲介される生存(図4、パネルB及びC)を亢進する。対照モノクローナル抗体では、生存亢進は見られなかった(図4、パネルD)。これらの結果は、内皮細胞表面上でHPTPβに結合するR15E6は、基準の内皮細胞生存、及び、複数の血管新生経路(Ang1、VEGF及びFGF)により仲介される生存を亢進することを示す。

0113

C.R15E6は、VEGFの非存在下及び存在下で、内皮細胞の遊走を亢進する。
材料:HUVEC、EGM培地、及びキャンブレックス製トリプシン中和溶液;EBMフェノールレッドフリー(phenol red free)(PRF−EBM、キャンブレックス)、脱脂質化BSA(BDファルコン)、BDファルコンバイオコート内皮細胞遊走系(BDファルコン)、カルセイン(Calcein)AM(モレキュラー・プローブス);増殖因子(VEGF165)(R&Dシステムズ)、ビクターVマルチラベルプレートリーダー(パーキンエルマーウォレス)。
方法:HUVECをPRF−EBM+0.1% BSAに再懸濁し、50,000細胞/トランスウェル(BDバイオサイエンス、孔経3μm)でプレーティングする。増殖因子/R15E6を、トランスウェルチャンバボトムウェルに定置し、4〜22時間インキュベートする。膜を通過する細胞遊走を、4μg/mLの90’用カルセインAMで標識することにより検出する。蛍光は、ビクターV機器を用いて測定する(485/535)。
結果:生存研究の結果と一致し、R15E6は、基準線及びVEGF仲介内皮細胞遊走の双方を亢進する(図5)。

0114

D.R15E6は、内皮増殖因子の非存在下及び存在下で、内皮細胞の出芽及び毛細管形態形成を亢進する。
材料:HUVEC及びキャンブレックス製EGM培地;シグマ(Sigma)製サイトデックスビーズ(Cytodex beads)及びI型コラーゲン;ギブコ製ダルベッコPBS及びM199培地;R&D製VEGF。
方法:HUVECパッセージ(passage)4(2×106細胞)を、時々回旋させながら48時間、100mmの非組織培養処理した細菌ディッシュ(bacteriologicaldish)内の10mLEGMで、5mgのサイトデックスビーズとともに培養する。細胞でコーティングしたビーズを、50mLのコニカルチューブに移し、380μLのD−PBSに再懸濁する。71.4mLの細胞でコーティングしたビーズを、2.8mLの、0.005NのNaOH、20mMのHEPES及び26mMのNaHCO3を追加したM199培地中の3mg/mLコラーゲンからなるマトリクス溶液に添加することにより、コラーゲンゲルを調製する。350μLのビーズを、24穴組織培養プレート分配し、マトリクスを、37℃/5%CO2で1時間固化させる。1穴当たり、VEGF(10ng/mL)又はR15E6(7.5μg/mL)を含む又は含まない1mLのEGM培地を添加し、インキュベータに戻す。48時間後、盲検観察者が、位相差顕微鏡で出芽を可視化し、3組の穴で、1穴当たり50ビーズについて、内皮細胞の出芽の存在を観察する。結果は、ビーズ当たりの出芽数として表される。
結果:他のアッセイの結果と一致し、R15E6はまた、内皮ビーズ出芽アッセイで基準線及びVEGF仲介毛細管形態形成を亢進する(図6)。

0115

実施例5.R15E6の結合エピトープは、ヒトHPTPβ細胞外ドメインのN末端FN3反復に存在する。
A.組み換えc末端切断変異体及びマウス/ヒトキメラタンパク質のウエスタンブロット解析は、エピトープに結合するR15E6がHPTPβ細胞外ドメインのN末端FN3反復に存在することを示す。
方法:HEK293細胞は、望ましいHPTPβ切断変異体又はマウス/ヒトキメラをコードする発現ベクターで形質移入する。次いで、形質移入した細胞を、望ましいHPTPβ細胞外ドメインを含有する培養上清を回収し、将来の使用のために保存した又は即時にウエスタンブロット又はECL(以下を参照のこと)研究に用いるために用いた後、OptiMEMでさらに24時間インキュベートする。ウエスタンブロット解析では、望ましいHPTPβタンパク質を含有する、又は組み換えタンパク質を含有しない(空ベクターを形質移入した)20μLの培養上清をPAGEで分離し、PVDFメンブレンに転写し、R15E6でプロープする。
結果:ウエスタンブロット解析により、R15E6は、全てのHPTPβC末端欠失変異体に結合し(図7A)、これは結合エピトープが最初の2つのN末端FN3反復内に存在することを示す。R15E6がマウスのHPTPβ(配列番号7)細胞外ドメインに結合しないことは、ヒトタンパク質に対する特異性を示す(図7B、レーン6対レーン2)。マウスの第一又は第一及び第二N末端FN3反復をヒト配列と置換すると、R15E6の結合が回復する(図7B、レーン3及び5)。逆に、マウスの第二FN3反復のみをヒト配列に置換しても、結合を回復させることはできない(図7B、レーン4)。総合すると、これらの知見は、R15E6の結合エピトープがヒトHPTPβのN末端FN3反復(〜100アミノ酸)に局在することを示す。

0116

B.末端切断変異体及びマウス/ヒトキメラタンパク質のECL(電気化学発光)分析により、R15E6の結合エピトープがヒトHPTPβ細胞外ドメインのN末端FN3反復に存在することを確認する。
方法:望ましいHPTPβタンパク質を含有する上清を、96穴高結合MSD(メソスケールディスカバリー(Meso Scale Discovery))プレート上にコーティングし、乾燥させ、3%BSAで1時間ブロックする。次いで、タンパク質をR15E6モノクローナル抗体又はR15E6Fab断片(10nM又は1.5μg/mL)とともに1時間インキュベートし、リンスし、MSDタグで標識したヤギ抗マウス抗体(10nM)とともに1時間インキュベートする。過剰な抗体を洗い流し、MSDリードバッファを添加する。発光を、セクター2400リーダー(Sector2400 reader)(MSD)を用いて測定する。MSDは、電気化学発光検出を利用し、模様付きアレイ(patterned array)上の結合現象を検出する。メソスケールディスカバリー技術は、プレートの底部に電極を組み込んだ、独占権下にあるマルチアレイ(MULTI-ARRAY)(商標)及びマルチスポット(商標)マイクロプレートを使用する。炭素及び生物学的試薬で製造されたMSDの電極は、受動的吸着により単純に炭素に付着し、生物活性を高水準に保持することができる。MSDアッセイは、超高感度検出のために電気化学発光標識を使用する。これらの電気化学発光標識は、電気化学的刺激を受けた時に光を放つ。検出プロセスは、MSDマイクロプレートの底部に位置する組み込み電極で開始され、電極付近の標識のみが励起され、620nmで光が検出される。
結果:ウエスタンブロット研究に一致し、R15E6はMSD分析によりHPTPβC末端切断タンパク質の全てに結合する(図8A)。またウエスタンブロットに一致し、R15E6はマウスHPTPβ細胞外ドメインに結合しないが、マウスN末端FN3反復をヒトN末端FN3ドメインに置換することにより結合は回復する(図8B)。これらのデータにより、R15E6の結合エピトープは、ヒトHPTPβのN末端FN3反復に存在することが確認された。予期されたように、モノバレントなR15E6Fab断片の結合エピトープはまた、ヒトHPTPβのN末端の大部分のFN3反復にマッピングされる(図9)。

0117

実施例6.モノバレントなR15E6Fab断片は、R15E6仲介Tie2活性化をブロックし、内皮細胞の生存及び遊走を阻害する。
方法:Tie2の活性化、並びに、内皮細胞の生存及び遊走アッセイは、上述の実施例4のように実施する。単量体R15E6Fab断片は、上述のように調製する。精製R15E6を、2mMEDTA及び1mMジチオトレイトールを含有する0.1Mトリス−HCL(pH8.0)で透析する。1〜2mg/mLのパパインピアース(Pierce))を、37℃で15分間、上述のバッファ中で活性化する。10mg/mLのR15E6を、1:100の比の酵素:基質を用いて同一バッファ内でパパインとともに、37℃で1時間インキュベートする。分解は、ヨードアセトアミド最終濃度20mM、氷上で1時間保持され、光から保護されている)の添加により終了する。パパイン分解物質を、リン酸緩衝食塩水で一晩透析し、ヨードアセトアミドを除去する。分解の程度は、γ重鎖(分子量9.1329E−17Eg(55,000kDa))が消失、γのFc断片(分子量4.4834E−17g(27,000kDa))及び軽鎖(分子量3.6532E−17g〜4.1513E−17g(22,000〜25,000kDa))が出現するSDS−PAGEにより監視する。
結果:インタクトなR15E6抗体とは異なり、Fab断片はTie2の活性化を亢進しない(図10)。さらに、過剰なFab断片の存在下で、R15E6仲介Tie2活性化はブロックされる(図10)。驚くべきことに、R15E6Fab断片は、対照Fabに比べて内皮細胞の生存を著しく阻害し(図11A)、この効果はインタクトなR15E6の添加により回復する(図11B)。内皮細胞生存における負の効果と一致し、R15E6FabはまたVEGF仲介内皮細胞遊走をブロックする(図12)。これらの知見は、インタクトな二量体R15E6が、血管新生シグナル伝達の亢進に必要であり、単量体R15E6はこれらの作用をブロックし、実際に血管新生内皮細胞応答に対する負の効果を有する。

0118

特に示されない限り、分量、百分率、部分、及び比率を含む量は、全て「約」という言葉により修飾されると理解され、量は有効数字を示すことを意図しない。

0119

特に指定される場合を除き、詞「a」、「an」及び「the」は「1以上」を意味する。

0120

引用される全ての文献は、関連部分において参考として本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることを承認するものと解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。

実施例

0121

本発明の特定の実施形態を説明及び記載してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行い得ることが当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

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