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技術 エアゾール製品

出願人 株式会社ウォーターデザイン中央エアゾール化学株式会社株式会社クイックレスポンス
発明者 芝塚全功甲斐英弘加藤啓雄丸山誉将玉城剛史
出願日 2015年10月28日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-224286
公開日 2017年5月18日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-081892
状態 未査定
技術分野 化粧料
主要キーワード 摺動開口 流路区間 十字形態 残留大気 液体入口側 大気由来 減圧域 ガス充填空間
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年5月18日)のものです。
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図面 (9)

課題

噴射時の溶存水素損失を効果的に防止し、また保湿性に優れ、低アルコール処方においても清涼感を維持できる水素含有化粧水エアゾール製品を提供する。

解決手段

エアゾール製品300は、化粧水301が噴射ガス303とともにエアゾール容器302に加圧充てんされている。噴射ガス303は1体積%以上の水素を含有し、かつ、水素と不活性ガスとの合計含有率が90体積%以上とされる。化粧水301はIOB値が1.7以上6以下の親水性有機成分を5質量%以上30質量%以下の範囲内で含有し、その親水性有機成分の一部をなす水素蒸散抑制成分としてのポリオール類を2質量以上20質量%以下にて含有し、かつ、エタノールメタノール及びプロパノールより選ばれる1種又は2種以上からなる低級1価アルコール成分(アルコール成分)の含有量がポリオール類の合計含有量よりも少ないか、又は10質量%未満とされる。

概要

背景

近年、化粧料の分野でもガス状水素溶存により還元性を付与し、肌の保湿美白老化防止アンチエイジング)などの機能を付与する試みがなされ、特許出願もなされている(特許文献1〜12)。美容液乳液ジェルクリームのように、溶存水素を保持する液状化粧料基材の粘度を高めれば、肌等に適用した際の水素蒸発が抑制され、上記保湿、美白、アンチエイジング等に関してもより大きな効果が気体できる(特許文献8〜12)。例えば乳液は、油分を中心に、肌に水分と保湿成分をバランスよく補って、肌にしっとりしたうるおいを与える働きをする。

しかし、乳液等の有効成分の肌への浸透を促進するためには、これらを使用するに先立って、肌の角質層の状態を十分に整えておくことが重要である。この目的で使用されるのが化粧水である。化粧水は粘度が大幅に低く、油相成分含有率も低いため、乳液のように長時間持続する水分保持力は有さないが、表面の汚れを落とすとともに水分を一時的に速やかに浸透させて角質層に潤いと柔軟性を与え、後続の乳液等からの美肌成分や保湿成分の浸透と持続効果を十分に引き出させる。換言すれば、肌の角質層に水分を補ってこわばった肌をしなやかにし、あとから使う乳液や美容液の、肌への浸透を高める働きをするのである。そして、こうした化粧水にもガス状水素の添加が試みられている(特許文献1〜7)。化粧水にガス状水素を添加することで、下地として整えられる角質層は還元領域に保持され、酸化によるダメージを低減しながら水分補給ができるとともに、溶存水素の働きにより肌への水の浸透力も向上するので、よりみずみずしく弾力のある皮膚状態が実現し、その効果の持続も大幅に延ばすことができるといわれている。

ところで、ガス状水素は水への溶解度が低く、比重も全ガス中で最も小さいことから、粘度の低い化粧水に溶存した水素は液面が大気にさらされると急速に蒸散する。その結果、化粧水にガス状水素を加圧撹拌等により溶解させてボトリングした場合、化粧水を使うにつれてボトル内の空き空間が増大することも相まって、開封から時間が経過したとき、ボトル内の残化粧水の溶存水素濃度は大きく減少してしまう問題がある。この問題は、水素含有化粧水を、ガス状水素のバリア性に優れたアルミパウチ容器に収容し(例えば、特許文献5)、使用するごとにパウチ内の空気を追い出して栓をすることで多少は解決できるが、アルミパウチ容器の見栄えの悪さからくる高級感の喪失と、容器自体の過剰な可撓性により、少しでも力を入れすぎると化粧水が吹き出してしまうなどの使い勝手の悪さもあり、ほとんど普及していない。また、実製品には、1回使用分を個別の少量アルミパウチに分包した形態も見いだされるが(例えば、商標名:アクアデト(株式会社マイナス600ミリボルト)、URL:http://www.m600mv.co.jp/beauty.html)、包装コストがかさむほか、当然のことながらパウチ包装された分量は1回で使い切るしかなく、本来は個人差のある適正使用量に柔軟に対応できない課題がある。

ところで、化粧水は、水分の浸透は速いが蒸発もまた急速であり顔面均質に延ばしながらたっぷり塗布しなければ、乳液等により肌仕上げを行う際にも十分な効果が得られない。その適用方法としては、コットンなどにしみ込ませて肌に塗付することが推奨されているが、最近では、コットンを使わなくても塗布の均質性が得やすく持ち運びにも便利なエアゾール化粧水が好まれるようになってきている。このエアゾール形態は、水素添加化粧水の場合、別の重要な意義をもつ。すなわち、エアゾールの噴射ガスに水素を含有させることで、密閉された容器内の化粧水の溶存水素濃度は、容器内の化粧水の残量にかかわらず、充てんガス中の水素濃度に応じて維持できる利点がある。このような水素含有化粧水のエアゾール製品が特許文献1〜3に開示されている。

概要

噴射時の溶存水素損失を効果的に防止し、また保湿性に優れ、低アルコール処方においても清涼感を維持できる水素含有化粧水のエアゾール製品を提供する。 エアゾール製品300は、化粧水301が噴射ガス303とともにエアゾール容器302に加圧充てんされている。噴射ガス303は1体積%以上の水素を含有し、かつ、水素と不活性ガスとの合計含有率が90体積%以上とされる。化粧水301はIOB値が1.7以上6以下の親水性有機成分を5質量%以上30質量%以下の範囲内で含有し、その親水性有機成分の一部をなす水素蒸散抑制成分としてのポリオール類を2質量以上20質量%以下にて含有し、かつ、エタノールメタノール及びプロパノールより選ばれる1種又は2種以上からなる低級1価アルコール成分(アルコール成分)の含有量がポリオール類の合計含有量よりも少ないか、又は10質量%未満とされる。

目的

本発明の課題は、噴射時の溶存水素損失を効果的に防止し、また保湿性に優れ、低アルコール処方においても清涼感を維持できる水素含有化粧水のエアゾール製品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

化粧水噴射ガスとともにエアゾール容器加圧充てんしたエアゾール製品であって、前記噴射ガスは1体積%以上の水素を含有し、かつ、水素と不活性ガスとの合計含有率が90体積%以上とされ、前記化粧水はIOB値が1.7以上6以下の親水性有機成分を5質量%以上30質量%以下の範囲内で含有し、前記親水性有機成分の一部をなす水素蒸散抑制成分としてのポリオール類を3質量以上20質量%以下にて含有し、かつ、エタノールメタノール及びプロパノールより選ばれる1種又は2種以上からなる低級1価アルコール成分の含有量が前記ポリオール類の合計含有量よりも少ないか、又は10質量%未満である特徴とするエアゾール製品。

請求項2

前記化粧水は、前記ポリオール類の合計含有量が前記親水性有機成分の全含有量の1/2以上である請求項1記載のエアゾール製品。

請求項3

前記親水性有機成分は低級1価アルコール成分の含有量が前記ポリオール類の合計含有量の80%未満である請求項2記載のエアゾール製品。

請求項4

前記化粧水は、前記ポリオール類としてグリセリンを1質量%以上8質量%以下の範囲にて含有する請求項3記載のエアゾール製品。

請求項5

前記エアゾール容器は、前記噴射ガスと前記化粧水とを混合しつつ噴射するバルブユニットを備える請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のエアゾール製品。

請求項6

前記噴射ガスの前記エアゾール容器への充填圧力をP(MPa)とし、前記噴射ガス中の水素体含有率をUHとし、前記エアゾール容器の噴射ノズルより前記化粧水を噴射しつつ内径5cmの円筒状容器に30cc収集して直ちに測定した溶存水素濃度をCH(ppm)として、DR≡CH/(1.61・UH・10P)((UH・10P)<1のとき)≡CH/1.61((UH・10P)≧1のとき)にて表される水素残留率DRが0.55以上である請求項5記載のエアゾール製品。

請求項7

前記噴射ガスの水素濃度が1.5体積%以上97体積%以下であり、アルゴン濃度が0.03体積%以上0.20体積%以下である請求項6記載のエアゾール製品。

請求項8

前記噴射ガスの酸素濃度が0.5体積%以上4.5体積%以下である請求項7記載のエアゾール製品。

請求項9

前記噴射ガスの酸素濃度が2体積%以下である請求項8記載のエアゾール製品。

請求項10

前記噴射ガスの水素濃度が80体積%以上であり、前記水素残留率DRが0.65以上0.8以下である請求項7ないし請求項9のいずれか1項に記載のエアゾール製品。

請求項11

前記噴射ガスの水素濃度が1.5体積%以上7体積%以下であり、前記水素残留率DRが0.7以上0.95以下である請求項7ないし請求項9のいずれか1項に記載のエアゾール製品。

技術分野

0001

この発明は化粧水水素含有噴射ガスとともに充てんしたエアゾール製品に関するものである。

背景技術

0002

近年、化粧料の分野でもガス状水素溶存により還元性を付与し、肌の保湿美白老化防止アンチエイジング)などの機能を付与する試みがなされ、特許出願もなされている(特許文献1〜12)。美容液乳液ジェルクリームのように、溶存水素を保持する液状化粧料基材の粘度を高めれば、肌等に適用した際の水素蒸発が抑制され、上記保湿、美白、アンチエイジング等に関してもより大きな効果が気体できる(特許文献8〜12)。例えば乳液は、油分を中心に、肌に水分と保湿成分をバランスよく補って、肌にしっとりしたうるおいを与える働きをする。

0003

しかし、乳液等の有効成分の肌への浸透を促進するためには、これらを使用するに先立って、肌の角質層の状態を十分に整えておくことが重要である。この目的で使用されるのが化粧水である。化粧水は粘度が大幅に低く、油相成分含有率も低いため、乳液のように長時間持続する水分保持力は有さないが、表面の汚れを落とすとともに水分を一時的に速やかに浸透させて角質層に潤いと柔軟性を与え、後続の乳液等からの美肌成分や保湿成分の浸透と持続効果を十分に引き出させる。換言すれば、肌の角質層に水分を補ってこわばった肌をしなやかにし、あとから使う乳液や美容液の、肌への浸透を高める働きをするのである。そして、こうした化粧水にもガス状水素の添加が試みられている(特許文献1〜7)。化粧水にガス状水素を添加することで、下地として整えられる角質層は還元領域に保持され、酸化によるダメージを低減しながら水分補給ができるとともに、溶存水素の働きにより肌への水の浸透力も向上するので、よりみずみずしく弾力のある皮膚状態が実現し、その効果の持続も大幅に延ばすことができるといわれている。

0004

ところで、ガス状水素は水への溶解度が低く、比重も全ガス中で最も小さいことから、粘度の低い化粧水に溶存した水素は液面が大気にさらされると急速に蒸散する。その結果、化粧水にガス状水素を加圧撹拌等により溶解させてボトリングした場合、化粧水を使うにつれてボトル内の空き空間が増大することも相まって、開封から時間が経過したとき、ボトル内の残化粧水の溶存水素濃度は大きく減少してしまう問題がある。この問題は、水素含有化粧水を、ガス状水素のバリア性に優れたアルミパウチ容器に収容し(例えば、特許文献5)、使用するごとにパウチ内の空気を追い出して栓をすることで多少は解決できるが、アルミパウチ容器の見栄えの悪さからくる高級感の喪失と、容器自体の過剰な可撓性により、少しでも力を入れすぎると化粧水が吹き出してしまうなどの使い勝手の悪さもあり、ほとんど普及していない。また、実製品には、1回使用分を個別の少量アルミパウチに分包した形態も見いだされるが(例えば、商標名:アクアデト(株式会社マイナス600ミリボルト)、URL:http://www.m600mv.co.jp/beauty.html)、包装コストがかさむほか、当然のことながらパウチ包装された分量は1回で使い切るしかなく、本来は個人差のある適正使用量に柔軟に対応できない課題がある。

0005

ところで、化粧水は、水分の浸透は速いが蒸発もまた急速であり顔面均質に延ばしながらたっぷり塗布しなければ、乳液等により肌仕上げを行う際にも十分な効果が得られない。その適用方法としては、コットンなどにしみ込ませて肌に塗付することが推奨されているが、最近では、コットンを使わなくても塗布の均質性が得やすく持ち運びにも便利なエアゾール化粧水が好まれるようになってきている。このエアゾール形態は、水素添加化粧水の場合、別の重要な意義をもつ。すなわち、エアゾールの噴射ガスに水素を含有させることで、密閉された容器内の化粧水の溶存水素濃度は、容器内の化粧水の残量にかかわらず、充てんガス中の水素濃度に応じて維持できる利点がある。このような水素含有化粧水のエアゾール製品が特許文献1〜3に開示されている。

先行技術

0006

特開2001−2560号公報 特開2015−37769号公報 特開2015−86220号公報 特許 4600889号公報 特開2014−227346号公報 特開2004−285036号公報 特開2005−21876号公報 特開2007−308467号公報 特開2007−314496号公報 特開2008−279424号公報 特開2011−173083号公報 特許 5060032号公報

発明が解決しようとする課題

0007

水中の溶存水素は、水に撹拌や振動を加えるとその蒸発がさらに加速される。エアゾール充填された化粧水を使用する場合、化粧水はノズルの細孔を通って高圧噴射される際に激しい撹拌を受けるため、溶存水素が含有されている場合は、噴射された化粧水が肌に届くまでに多くが蒸発して失われてしまう問題がある。特に、化粧水の処方がエタノールなどの揮発性の高い低級1価アルコール成分(以下、本明細書において単に「アルコール成分」という場合は、特に断りのない限り、エタノール、プロパノール及びメタノールのような低級1価アルコールを意味するものとする)を含有する場合、化粧水を噴射する際の溶存水素の損失は一層大きくなる。これは、水素添加に伴う前述の効果の損失ばかりでなく、充填した水素成分の無駄を多く生じるという点でも、懸念されるべき事項である。

0008

化粧水においてこうしたアルコールは、殺菌や洗浄、油相成分の溶解度向上のほか、肌上でのアルコールの揮発に伴う清涼感や肌の収斂引き締め)作用を付与するために添加されることが多い。他方、近年では、アルコールによる過剰な収斂作用脱脂を嫌い、アルコールを使用しない化粧水処方にも相当の需要を生じているが、アルコールを添加しない化粧水はべとつき感が気になることが多く、特に保湿成分としてグリセリンエチレングリコールなどのポリオール類を多く含む化粧水処方ほど、べとつき感が不快に感じられやすい傾向がある。一方、保湿成分を添加しない化粧水は、塗布後の水分保持力が小さく、乳液塗布等の下地として求められる角質層への潤い付与や柔軟作用に乏しいため、市販化粧水として普及している製品処方においては、ほとんど採用されていない。

0009

水素を充てんガスに用いたエアゾール製品に関する先行技術の内容を順に検討すると、特許文献1では、充填されているのは抗酸化剤であるカテキンを添加した精製水であり、アルコールを含有しない代わりに、保湿成分も全く含有せず、そのままでは化粧水としての機能が十分に期待できない。特許文献2及び3においても、充填物は単なる精製水であり、特許文献1のエアゾール製品と同様の問題を生ずる。なお、特許文献2の請求項には「化粧料」を充填物とする概念が記載されているものの、その化粧料の具体的な組成例については全く開示されていないから、特に前段落で述べたアルコール添加に伴う噴射時の水素蒸散や、保湿成分添加に伴うべとつき感増大に関する課題及び解決手段については読み取ることはできない。

0010

他方、特許文献4においては、アルコール添加化粧水とアルコール非添加化粧水の双方についてガス状水素添加の可能性が示唆されているが、参考例や実施例に開示されている具体的な化粧水処方は全てアルコールを含むものである。そして、化粧水が充てんされているのは通常のボトルであって、開封後の水素の蒸散防止についても何ら対策は講じられておらず、エアゾール容器の採用についても言及されていない。当然、アルコールを含有した化粧水をエアゾールから噴射する際の溶存水素蒸散に関する課題についても記載や示唆はない。また、アルコール非添加化粧水については、具体的な処方の開示はなく、アルコール非添加化粧水における清涼感の低下や、保湿剤添加によるべとつき感増大に関する課題や解決手段については読み取ることはできない。

0011

本発明の課題は、噴射時の溶存水素損失を効果的に防止し、また保湿性に優れ、低アルコール処方においても清涼感を維持できる水素含有化粧水のエアゾール製品を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

上記の課題を解決するために、本発明のエアゾール製品は、化粧水を噴射ガスとともにエアゾール容器に加圧充てんしたエアゾール製品であって、
噴射ガスは1体積%以上の水素を含有し、かつ、水素と不活性ガスとの合計含有率が90体積%以上とされ、
化粧水はIOB値が1.7以上6以下の親水性有機成分を5質量%以上30質量%以下の範囲内で含有し、親水性有機成分の一部をなす水素蒸散抑制成分としてのポリオール類を2質量以上20質量%以下にて含有し、かつ、エタノール、メタノール及びプロパノールより選ばれる1種又は2種以上からなる低級1価アルコール成分の含有量がポリオール類の合計含有量よりも少ないか、又は10質量%未満であることを特徴とする。

0013

本発明において「不活性ガス」は、窒素アルゴンヘリウムネオンのほかに炭酸ガスを概念として含み、それらの1種又は2種以上の混合物を使用することができる。

0014

上記本発明の構成によると、エアゾール容器に化粧水が、水素を1.5体積%以上含有した噴射ガスとともに充てんされているので、これを噴射して使用することにより、化粧水中に水素を効果的に溶存させることができる。その結果、化粧水適用により下地として整えられる肌の角質層は還元領域に保持され、酸化によるダメージを低減しながら角質層への水分浸透を図ることができる。すなわち、従来の化粧水よりも肌の潤いと柔軟性が向上し、後続の乳液等からの美肌成分や保湿成分の浸透と持続作用をより効果的に引き出すことができる。また、エアゾールの噴射ガスに水素を含有させることで、密閉された容器内の化粧水の溶存水素濃度は、容器内の化粧水の残量にかかわらず、充てんガス中の水素濃度に応じて維持できる。

0015

そして、本発明においては、化粧水はIOB値が1.7以上6以下の親水性有機成分を5質量%以上30質量%以下の範囲内で含有させる。IOB値とは、Inorganic/Organic Balance(無機性有機性比)の略であって、化合物の有機値に対する化合物の無機値の比に対応する値であり、有機化合物極性度合いを示す指標である。具体的には、IOB値=無機性値有機性値として表される。「無機性値」、「有機性値」のそれぞれについては、例えば、分子中の炭素原子1個について「有機性値」が20、同水酸基1個について「無機性値」が100といったように、各種原子又は官能基に応じた「無機性値」、「有機性値」が設定されており、有機化合物中の全ての原子及び官能基の「無機性値」、「有機性値」を積算することによって、当該有機化合物のIOB値が算出される(例えば、田善生 著、「有機概念図基礎と応用−」11頁〜17頁、三共出版1984年発行参照)。

0016

タンパク質脂肪及び脂肪が主体の肌角質層と化粧水との親和性、及び水分の肌への浸透を考えるとき、化粧水に配合するべき有機成分は、IOB値が1.7以上6以下となる親水性成分を選択することが重要である。IOB値が1.7未満の成分は油性傾向が強く乳化作用も大きくなり、IOB値が6を超える成分は、水と肌との親和性を取り持つ効果が薄れる結果、いずれも過度の添加は水分の速やかな浸透を妨げる可能性があるためである。そして、水分の浸透と適度な保持力を維持するためには、上記の範囲のIOBを有した親水性有機成分の合計含有量を5質量%以上30質量%以下の範囲内に設定することが必要である。

0017

そして、本発明者らは詳細に検討した結果、水素を含有したガスにて化粧水をエアゾール噴射する際に、化粧水の親水性有機成分の構成と、噴射後の溶存水素濃度の持続性、及び保湿感及びその持続性、さらには清涼感などの肌適用時の体感との間に、次のような相関があることを見出したのである。
(1)親水性有機成分として適量のポリオール類を含有することにより、肌の保湿性が高められるだけでなく、噴射時の溶存水素の蒸散が効果的に抑制される。つまり、ポリオール類は、エアゾール噴射時における水素蒸散抑制成分として機能する。
(2)水素の溶存した化粧水は、肌に塗付したとき、水素が溶存していない化粧水よりもさらさらとした肌触りとなり、アルコール成分の添加量が少ないか、添加がなされていない場合にあっても、肌塗布時の清涼感が高められる。
(3)水素の溶存した化粧水は、水素が溶存していない化粧水よりも保湿性の持続が長くなる。その結果、(2)の効果と相まって、保湿性が高いにもかかわらず、べとつきなどの不快感も抑制され、非常に心地より肌仕上がりが得られる。
上記(1)の効果は、適正組成範囲内であれば、ポリオール類の添加量が高いほど、また(2)(3)の効果は噴射後の溶存水素量が高いほど顕著になる傾向がある。

0018

本発明においては、上記を前提に、エアゾール充填される化粧水における水素蒸散抑制成分としてのポリオール類の合計含有量を3質量%以上20質量%以下とし、清涼感付与や殺菌・洗浄ないし肌の引き締めを目的に添加されるエタノール、メタノール及びプロパノールより選ばれる1種又は2種以上からなる低級1価アルコール成分(特に、エタノール)の含有量を、上記ポリオール類の合計含有量よりも少ないか、又は10質量%未満に設定する。これにより、エアゾール噴射時の化粧水からの溶存水素の蒸散を効果的に抑制することができる。該効果の意義は、溶存水素の蒸散を助長するアルコールが上記範囲内において化粧水に相当量含有されている場合と、含有されていない場合の2通りに分けて考えるとわかりやすい。
A:アルコール成分が添加される場合:噴射時のアルコール成分の蒸発により溶存水素の蒸散も助長されようとするが、ポリオール類の添加効果によりこの弊害が抑制され、エアゾール噴射後も化粧水は有効な溶存水素濃度を保つことができる。結果、アルコール成分添加による洗浄や殺菌効果や清涼感の付与効果とも両立を図ることができる。
B:アルコール成分が添加されない場合:ポリオール類の添加による溶存水素の蒸散抑制効果が顕著に達成され、かつ、ポリオール類添加によるべとつき感が溶存水素濃度向上に由来した新たな清涼感により抑制される。その結果、ポリオール類含有及び溶存水素含有による非常に良好な保湿性を有しつつも、アルコール成分非添加の化粧水特有のべとつき感が、溶存水素に由来した清涼感により抑制される。

0019

いずれも、つまるところ、溶存水素による肌の還元性維持効果と、保湿性の向上及び持続、さらには清涼感付与という、アルコール成分とポリオール類との作用の相違に起因した本来なら両立の難しい効果を同時達成できる利点を生じていることがわかる。なお、Aにおいては、肌への清涼感付与やさらさら感の向上がより際立ったものとなり、Bにおいては、溶存水素濃度増加に伴う肌への還元性付与、ひいてはそれに由来した美白やアンチエイジング効果などがより顕著なものとなる傾向にある。

0020

なお、ポリオール類の合計含有量が3質量未満では、エアゾール噴射時の溶存水素の蒸散が著しくなり、溶存水素特有の効果が十分得られなくなったり、水素の無駄な損失が増大して不経済となったりする問題を生ずるので、3質量%以上とする。同様の観点にて、ポリオール類の合計含有量が親水性有機成分の全含有量の1/2以上となっていることがより望ましい。さらに、親水性有機成分はアルコール成分(低級1価アルコール成分)の含有量がポリオール類の合計含有量の80%未満であることが望ましい。

0021

また、ポリオール類の合計含有量が20質量%を超えると肌へのべとつき感が過剰となり、不快感につながる恐れがある。ポリオール類の合計含有量は、より望ましくは5質量%以上17質量%以下であるのがよい。また、アルコール成分(特に、エタノール)の含有量がポリオール類の合計含有量よりも多くなるか、又は10質量%を超えると、エアゾール噴射時の溶存水素の蒸散が著しくなり、溶存水素特有の効果が十分得られなくなったり、水素の無駄な損失が増大して不経済となったりする問題を生ずる。

0022

本発明において化粧水に添加可能なポリオール類は、例えば、グリセリン、ポリプロピレングリコールポリエチレングリコール共重合物またはそのアルキルエーテル、ポリエチレングリコールまたはそのアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンジカルボン酸エステル、1,3−ブチレングリコールジプロピレングリコールイソプレングリコール、1,2−ペンタングリコール、1,2−ヘキサングリコール、2−メチル−1,3−プロパノール、エチルカルビトール、1,2−ブチレングリコール、及びポリオキシエチレンメチルグルコシドから選ばれる1種又は2種以上であるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、エアゾール噴射時の溶存水素蒸散抑制効果に最も優れる成分がグリセリンである。化粧水は、溶存水素蒸散抑制効果をより顕著なものとするためには、例えばポリオール類としてグリセリンを1質量%以上8質量%以下の範囲にて含有させることが望ましい。

0023

エアゾール容器は、噴射ガスと化粧水とを混合しつつ噴射するバルブユニットを備えるものとされる場合に、化粧水は細かい液滴となって噴射されるので、溶存水素蒸発の影響が特に著しく、本発明を適用したときの効果がより際立つものとなる。そして、化粧水及び噴射ガスの組成を上記本発明の範囲内のものとすることにより、噴射ガスのエアゾール容器への充填圧力をP(MPa)とし、噴射ガス中の水素体積含有率をUHとし、エアゾール容器の噴射ノズルより化粧水を噴射しつつ内径5cmの円筒状容器に30cc収集して直ちに測定した溶存水素濃度をCH(ppm)として、
DR≡CH/(1.61・UH・10P)((UH・10P)<1のとき)
≡CH/1.61 ((UH・10P)≧1のとき)
にて表される水素残留率DRを0.55以上確保することが可能となる。
なお、雰囲気の温度は常温(20℃)を仮定する。また、ノズルからの化粧水の噴射は、ノズルに装着した内径1mm、長さ80mmのキャピラリチューブを介して容器に採集するものとする。

0024

上記の水素残留率DRの意味について説明する。エアゾール容器内の噴射ガスを分析して得られる水素体積含有率をUHとし、噴射ガスのエアゾール容器への充填圧力をP(MPa)とすると、エアゾール容器内の水素の分圧はUH・P(MPa)であり、これを気圧単位に換算すると、1気圧(噴射後の化粧水が感じる圧力)が0.1MPaであるから、水素分圧はUH・10P(気圧)となる。また、1気圧での水への溶存水素の飽和濃度は1.61ppmであるから、該水素分圧での容器内の化粧水に対する平衡溶存水素濃度は1.61・UH・10Pとなる。そして、化粧水の噴射後の溶存水素濃度(例えば、ポーラログラフ溶存水素計で測定することができる)をCHとすると、CH/(1.61・UH・10P)の値は、エアゾール容器内で化粧水中に溶存していると考えられる水素のうち、噴射後においても化粧水中に残留しているものの比率を意味する。当然、この水素残留率DRは、水素の無駄が少なく、また、溶存水素による効果も高められる観点から高いほどよいのであり、化粧水の組成の適正化により、さらに良好な値、例えば0.7以上に確保することも、本発明の採用により十分に可能である。

0025

なお、噴射ガスの濃度と充填圧設定によっては、容器内の水素分圧が常圧(0.1MPa)を超える場合がある。この場合、容器内では化粧水に常圧下での溶解度を超える水素が溶存しているが、ノズルから噴射して圧力が大気圧に戻ると、過飽和に溶存していた水素は速やかに発泡して蒸散するので、水素残留率DRの計算式分母は、常圧での飽和溶存水素濃度である1.61ppmを用いるのが妥当である。

0026

噴射ガスの水素濃度は1.5体積%以上97体積%以下とすることが望ましい。噴射ガスの水素濃度が1.5体積%未満では、噴射後の化粧水に十分な水素が残留せず、効果が不十分となる。また、噴射ガスの水素濃度を97体積%以上にするには、エアゾール容器内に化粧水を注入後、その上側のガス充填空間内の大気を極度低圧となるまで排気するか、あるいは容器への化粧水やガスの充填自体を不活性ガスで満たされた雰囲気内で実施する必要が生ずる。前者は容器内の化粧水の減圧沸騰に伴う成分蒸散を招き、後者は雰囲気形成のための設備コストの高騰が避けがたくなる。容器への化粧水やガスの充填を大気中で行った場合、噴射ガスを充てんする前に容器内には大気成分が残留する。その結果、充填後のエアゾール容器内の噴射ガスには、大気に由来した酸素、窒素及びアルゴンが残留する。この観点において、噴射ガスの水素濃度は、より望ましくは96%以下、さらに望ましくは93%以下とすることが望ましい。

0027

噴射ガスの水素以外の不活性ガス成分を窒素としたり、化粧水中に溶存酸素が多く存在したりしている場合は、噴射ガス中の酸素ないし窒素濃度は上記大気由来の酸素や窒素の量と一致しない。しかし、アルゴン濃度については、外部からアルゴンを積極添加しない限りは大気由来のアルゴン濃度を反映したものとなり、噴射ガス充てん前に容器内に残留していた大気量を知る目安となる。この残留大気量は、水への溶存により酸化性となる酸素濃度を低減する観点においては低いほうがよい。容器内の空間は、噴射ガスを充てん前に、その体積の70%程度までならば、化粧水の沸騰を伴わずに減圧排気が可能である(大気残留量は空間体積の30%)。この状態で、例えば水素と窒素とからなる噴射ガスを充てんし、容器内圧を1MPa(10気圧)とすると、エアゾール容器内の噴射ガスのアルゴン濃度は0.03体積%まで低減できる。一方、容器内の空間を全く排気せずに噴射ガスを充てんし、容器内圧を0.5MPa(5気圧)とすると、エアゾール容器内の噴射ガスのアルゴン濃度は0.20体積%となる。これ以上のアルゴン濃度となることは、噴射ガスの圧力が不足して、最終的に容器内に噴射できずに残留する化粧水の量が増え、無駄が多くなる。また、エアゾール容器内の残留大気量が増えると、噴射ガスの酸素濃度が増加することにつながり、溶存水素の効果が減殺される可能性がある。同様の観点から、噴射ガス中の酸素濃度は0.5体積%以上4.5体積%以下であるのがよく、より望ましくは噴射ガスの酸素濃度が2体積%以下であるのがよい。

0028

噴射ガスとしてエアゾール容器に外部から充てんする原ガスは、噴射後の化粧水の溶存水素濃度を高める観点においては純水素ガスを採用することが望ましい。このとき、エアゾール容器内の残留空気の影響を考慮して、エアゾール容器内の噴射ガスの水素濃度は80体積%以上、より望ましくは、85%以上とするのがよい。このとき、噴射後の化粧水中の水素残留率DRは0.65以上を確保でき、化粧水の組成の適正化等により該DRを0.8程度まで高めることができる。

0029

一方、大気中での爆発下限界濃度が低い水素ガスを噴射ガスとして使用する場合、噴射ガスの水素濃度は1.5体積%以上7体積%以下とすることで、噴射ガス自体の不燃性を高めることができ、取り扱いが容易になる。そして、特にこのような水素含有率の低い噴射ガスを採用する場合にあっても、本発明の採用により、噴射後の化粧の水素残留率DRは0.7以上もの高い値を確保することが可能となり、化粧水の組成の適正化等により該DRを0.95程度まで高めることができる。この場合、噴射ガスとしてエアゾール容器に外部から充てんする原ガスは、不燃性の観点においては、水素濃度が5.8%以下、望ましくは4%以下、より望ましくは3%以下のものを採用することが望ましい。また、容器内の噴射ガスの水素濃度は、1.7体積%以上3体積%以下とすることが望ましい。

0030

エアゾール容器に充てんする化粧水の粘度は、500mPa・s以下に調整されていることが望ましい。粘度が該値を超えると、エアゾールからの噴霧性が低下するほか、肌延び性が損なわれたり、過剰なべとつき感が生じたりする場合がある。粘度の下限値は特に制限はないが、水性化粧料の場合積極的に粘性付与しない限り、おおむね1mPa・s程度の値となる。化粧水の粘度(ひいては、結果物としての水素含有液状水性化粧料の粘度)は、望ましくは100mPa・s以下、より望ましくは50mPa・s以下とするのがよい。なお、本明細書において粘度は、B型粘度計ブルックフィールド粘度計)により、LV4ロータにより回転数60rpmにて25℃で計測した値を用いるものとする。

0031

また、化粧水は、あらかじめ水素を含有させたものをエアゾール容器に充てんしてもよい。このようにすると、エアゾール容器から噴霧される化粧水には、噴射ガスに含まれる水素からの溶存寄与に加え、容器に充てんする前にあらかじめ化粧水に含有されていたものが加わり、より高濃度に水素を含有させることができ、すでに説明した溶存水素による効果を高めることができる。特に、化粧水にあらかじめ含有させる水素の一部を平均気泡径1μm以下、望ましくは500nm以下の微細気泡として含有させておくと、より多くの水素を含有させることができるほか、噴射後の化粧水の溶存水素濃度の持続性が向上し、また、化粧水の肌への浸透性をさらに改善することができる。

0032

以下、本発明に採用可能な化粧水に構成成分及び添加可能な成分を以下に列挙する。
水は液状の組成物ベースをなす成分であり、RO水イオン交換水を使用する。
適宜、水性溶媒を配合することができる。水性溶媒としては、エタノール、プロパノール(特に、イソプロパノール)、メタノールの1種又は2種以上を組み合わせて使用可能である。
保湿成分:ポリオール類については、すでに説明済みである。このほか、ソルビトールキシリトールマルチトールムコ多糖ヒアルロン酸コンドロイチン硫酸キトサン等を保湿成分として添加可能である。

0037

また、界面活性剤金属封鎖剤油脂類ワックス類炭化水素油類、合成エステル油類、シリコーン油類、高級脂肪酸類、高級アルコール類等に関しては、IOB値が1.5未満となる成分も多く含有され、粘度が化粧水としての適性範囲を超えず、また、油性成分による肌へのべとつき感が過剰とならない範囲であれば、添加量を慎重に制限しつつも適宜添加可能である。これら各成分の具体例については周知であるため、詳細な列挙は略する。

発明の効果

0038

本発明の作用及び効果の詳細については、「課題を解決するための手段」の欄にすでに記載したので、ここでは繰り返さない。

図面の簡単な説明

0039

本発明のエアゾール製品の一例を示す斜視図図1におけるエアゾール容器の要部を示す縦断面図。図2噴射バルブを拡大して示す縦断面図。化粧水にガス状水素を水素微細気泡として添加する装置の一例を示す模式図。図4の装置に使用する液体処理ノズルの一例を示す横断図。図5の側面拡大図。図5の液体処理ノズルの処理コア部の詳細を示す断面図。図6の一つの絞り孔における、衝突部をなすねじ部材の配置形態実体的に描いた拡大図。

0040

以下、本発明を実施するための形態を添付の図面を用いて説明する。
図1は、本発明のエアゾール製品の一実施形態を示す斜視図である。エアゾール製品300は、化粧水301を噴射ガス303とともにエアゾール容器302に加圧充てんしたものである。噴射ガス303は1体積%以上の水素(ガス状水素)を含有し、かつ、水素と不活性ガスとの合計含有率が90体積%以上とされている。噴射ガス303に含まれる「不活性ガス」は、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオンのほかに炭酸ガスを概念として含み、それらの1種又は2種以上の混合物であるが、本実施形態では窒素ガスが使用され、一部大気由来のアルゴンガスが微量(例えば0.20体積%未満)含有されたものである。噴射ガス303の水素濃度は、望ましくは1.5体積%以上97体積%以下であり、エアゾール容器302への充填圧力は、例えば0.4MPa以上1MPa以下である。

0041

他方、化粧水301はIOB値が1.7以上6以下の親水性有機成分を5質量%以上30質量%以下の範囲内で含有し、その親水性有機成分の一部をなす水素蒸散抑制成分としてのポリオール類を2質量以上20質量%以下にて含有し、かつ、エタノール、メタノール及びプロパノールより選ばれる1種又は2種以上からなる低級1価アルコール成分(アルコール成分)の含有量がポリオール類の合計含有量よりも少ないか、又は10質量%未満とされている。ポリオール類の合計含有量は、親水性有機成分の全含有量の1/2以上となっていることがより望ましく、親水性有機成分はアルコール成分の含有量がポリオール類の合計含有量の80%未満であることがより望ましい。アルコール成分は、本実施形態ではエタノールが使用されている。また、ポリオール類として採用可能な成分の例はすでに説明した通りである。エアゾール容器302内の化粧水301と噴射ガス303の充填空間の比率は、例えば、化粧水体積の容器内全空間容積に対する比率にて40%以上70%以下程度である。

0042

以下、エアゾール製品300の構造の詳細について説明する。
図2に示すように、エアゾール製品300においては、エアゾール容器301の容器本体305の開口に、バルブユニット306が気密に一体化されたマウンテンカップ308が組み付けられ、バルブユニット306の下端からはディップチューブ304が容器内にて下方に伸び、その下端側が化粧水302中に浸漬されている。バルブユニット306に取り付けられたノズル307を押下するとバルブが開き、水素含有液状水性化粧料302を加圧する噴射ガスがバルブユニット306内にも流入しつつ、ディップチューブ304により吸い上げられた水素含有液状水性化粧料302が噴射ル307から噴射ガスとともに噴射される。

0043

図2はバルブユニット306の詳細を示すものである。バルブユニット306は、内部が噴射準備室313とされたバルブケーシング312と、噴射準備室313の開口を覆うバルブキャップ311と、一端が噴射準備室313の内側に位置する噴射制御頭部310cとされ他端側がバルブキャップ311の外側に突出するとともにバルブキャップ311に形成された摺動孔311aに対し隙間嵌め形態にて配置される摺動軸部310aとされたバルブ摺動体310と、噴射準備室313内にてバルブケーシング312の底部とバルブ摺動体310との間に配置された弾性付勢部材(本実施形態では圧縮コイルばねにて構成される)314とを備える。摺動軸部310aには、図1に示すようにプッシュ型の噴射ノズル307(図1)が嵌着される。

0044

バルブケーシング312の底部には内面側が噴射準備室313と連通する筒状のチューブコネクタ部312aが突出形態で一体化され、ここにディップチューブ304の一端が嵌合している。バルブ摺動体310は、噴射制御頭部310cが摺動孔311aを塞ぐ閉位置と、該噴射制御頭部310cが該摺動孔311aから後退した開位置との間で軸線方向に進退可能に配置されている。その摺動軸部310aには、バルブキャップ311からの突出側端面に開口し反対側が底部により塞がれた噴射パス310bが軸線方向に形成されるとともに、噴射制御頭部310cに近い側の端部には自身の外周面から噴射パス310の内周面に至る半径方向の流通制御孔310bが貫通形成されている。バルブ摺動体310が閉位置にあるときは流通制御孔310bがバルブキャップ311の摺動孔311aの内周面にて塞がれる一方、開位置にあるときは流通制御孔310bが摺動孔311aから外れ、噴射準備室313と噴射パス310bとが流通制御孔310bを介して連通した状態となる。

0045

バルブ摺動体310は、常時は弾性付勢部材314により閉位置となるように付勢されている。バルブキャップ311の摺動開口311aには、噴射準備室313側の端部に続く形でテーパ状のバルブシート面311bが形成され、上記閉位置ではここに噴射制御頭部310cの摺動軸部310との接続側端部に形成されたテーパ状のバルブ封止面310dが密着して、噴射準備室313側から噴射パス310b側へのエアゾール内容物流通が阻止される。

0046

他方、図1の噴射ノズル307を押下するとバルブ摺動体310は弾性付勢部材314の付勢力に抗して開位置へ移動し、流通制御孔310bは摺動孔311aから外れて、それよりも径大のバルブシート面311b側へ移動する。すると、摺動軸部310の外周面とバルブシート面との間には噴射準備室313と連通する円環状の隙間が形成される。図2に示すように、エアゾール容器302内の化粧水302は噴射ガス303により加圧されているから、この状態で化粧水302はディップチューブ304→噴射準備室313→上記円環状の隙間→流通制御孔310b→噴射パス310bを経て図1の噴射ノズル307の噴射孔307aから容器外へ噴射される。

0047

本実施形態では、バルブケーシング312の壁部を貫通する形でガス流通孔312bが孔設されており、圧縮された噴射ガス303が該ガス流通孔312bから噴射準備室313へ流入し、ディップチューブ304からの化粧水302と混合されて噴射ノズル307(図1)から噴射される(ただし、ガス流通孔312bは省略することも可能であり、この場合は化粧水のみが噴射ノズル307から噴射されることとなる)。

0048

こうして噴射される化粧水302中には噴射ガス303のガス状水素が溶存し、これを肌に噴射して塗布すると、肌の角質層は還元領域に保持され、酸化によるダメージを低減しながら角質層への水分浸透を図ることができる。その結果、後述の実施例で詳述するように、肌の潤いと柔軟性が向上し、後続の乳液等からの美肌成分や保湿成分の浸透と持続作用をより効果的に引き出すことができる。また、エアゾールの噴射ガスに水素を含有させることで、密閉された容器内の化粧水の溶存水素濃度は、容器内の化粧水の残量にかかわらず、充てんガス中の水素濃度に応じて維持できる。

0049

ここで、化粧水302はIOB値が1.7以上6以下の親水性有機成分を5質量%以上30質量%以下の範囲内で含有するとともに、水素蒸散抑制成分としてのポリオール類の合計含有量が3質量%以上20質量%以下とされ、他方アルコール成分の含有量が、上記ポリオール類の合計含有量よりも少ないか、又は10質量%未満に設定されている。これにより、エアゾール噴射時における化粧水302からの溶存水素の蒸散を効果的に抑制することができる。

0050

化粧水302へのアルコール成分の添加は任意であるが、アルコール成分が添加される場合は、噴射時のアルコール成分の蒸発により溶存水素の蒸散が促されようとするが、ポリオール類が溶存水素を液中にとどめる蒸散抑制作用を有しているため、エアゾール噴射後も化粧水は有効な溶存水素濃度を保つことができる。結果、アルコール成分添加による洗浄や殺菌効果や清涼感の付与効果とも両立を図ることができる。他方、アルコール成分が添加されない場合は、ポリオール類の添加による溶存水素の蒸散抑制効果が顕著に達成され、かつ、ポリオール類添加によるべとつき感が溶存水素濃度向上に由来した清涼感により抑制される。その結果、ポリオール類含有及び溶存水素含有による非常に良好な保湿性を有しつつも、アルコール成分非添加の化粧水特有のべとつき感が、溶存水素に由来した清涼感により抑制される。

0051

そして、上記実施形態のごとく、噴射ガス303と化粧水302とを混合しつつ噴射すると、化粧水は細かい液滴となって噴射されるので、溶存水素の蒸発は特に起こりやすいが、化粧水の組成を上記のものとすることで、該溶存水素蒸散抑制効果は一層顕著なものとなる。例えば、噴射ノズル307の噴射孔307aに内径1mm、長さ80mm程度のキャピラリチューブを差し込み、該キャピラリチューブを介して化粧水302を噴射しつつ内径5cmの円筒状容器に30cc収集し、直ちに測定した溶存水素濃度をCH(ppm)とすると、噴射ガス303のエアゾール容器301への充填圧力をP(MPa)とし、噴射ガス中の水素体積含有率をUHとして、
DR≡CH/(1.61・UH・10P)((UH・10P)<1のとき)
≡CH/1.61 ((UH・10P)≧1のとき)
にて表される水素残留率DRを0.55以上確保することが可能となる。

0052

次に、上記のようなエアゾール製品300を製造する方法について説明する。
すなわち、図2において、マウンテンカップ308を未装着の状態で、エアゾール容器301に化粧水302を充てんし、次いでバルブユニット306及びディップチューブ304を組み付けたマウンテンカップ308のアセンブリを、ディップチューブ304の下端を容器本体305内に挿入しながらその開口部に被せ、両者の外周縁同士を加締めて密封する。この状態では、エアゾール容器1内にて化粧水302の液面上方に形成される空間は残留大気で満たされている。次いで、マウンテンカップ308から突出しているバルブユニット306の摺動軸部310に図示しないガス充填コネクタを接続し、その状態で摺動軸部310を押し下げながらガス充填コネクタに接続されたボンベ等の圧縮ガス源から噴射ガスの原ガスを設定充填圧力まで充てんする。これにより、エアゾール容器301内には、原ガスと残留大気との混合気が噴射ガスとして充填されることとなる。

0053

なお、エアゾール容器301に化粧水302を充てんした後、マウンテンキャップ308を未装着の状態で化粧水302の上方空間を例えば0.3MPa程度まで減圧排気することができる。これにより、噴射ガス303への残留空気の混入量を少なくでき、特に酸化性となる酸素の混入による影響を低減することができる。

0054

充てんする原ガスは、噴射後の化粧水の溶存水素濃度を高める観点においては純水素ガスを採用することが望ましい。例えば、噴射ガス303の充填圧を0.5MPaとし、充てん前の減圧排気を実施しなかった場合は、エアゾール容器301内の噴射ガス303の水素濃度は80体積%程度にとどまり、充填圧を0.7MPaまで上昇させれば水素濃度は85体積%、10MPaでは90体積%となる。この時、残留空気に由来するアルゴンの濃度はそれぞれ0.20体積%、0.14体積%及び0.09体積%となり、同じく酸素濃度はそれぞれ4.2体積%、3.0体積%及び2.1体積%となる。一方、充てん前の減圧排気を実施した場合、排気レベルが0.4MPaの場合は、噴射ガス303の水素濃度は92体積%、94体積%及び96体積%となり、アルゴン濃度は0.07体積%、0.05体積%及び0.03体積%、酸素濃度は1.68体積%、1.20体積%及び0.84体積%となる。このとき、噴射後の化粧水302中の水素残留率DRは0.65以上を確保でき、化粧水302の組成の適正化等により該DRを0.8程度まで高めることができる。

0055

他方、大気中での爆発下限界濃度が低い水素ガスを噴射ガス303として使用する場合、噴射ガス303の水素濃度は1.5体積%以上7体積%以下とすることで、噴射ガス自体の不燃性を高めることができ、取り扱いが容易になる。水素含有率の低い噴射ガスを採用する場合にあっても、噴射後の化粧椎の水素残留率DRは0.7以上もの高い値を確保することができ、化粧水302の組成の適正化等により該DRは0.95程度まで高めることができる。この場合、噴射ガスとしてエアゾール容器に外部から充てんする原ガスは、不燃性の観点において、水素濃度が5.8%以下、望ましくは4%以下、より望ましくは3%以下のものを採用することが望ましい。

0056

次に、化粧水302は、あらかじめ水素を含有させたものをエアゾール容器301に充てんしてもよい。この構成では、エアゾール容器301から噴霧される化粧水302に、噴射ガス303に含まれる水素から溶存するものに加え、容器301に充てんする前に化粧水に含有されていた水素が加わり、より高濃度に水素を含有させることができる。含有させる水素は、例えば加圧溶解により溶存させる形でもよいが、含有させる水素の一部を平均気泡径1μm以下、望ましくは500nm以下の微細気泡として含有させておくと、より多くの水素を含有させることができるほか、噴射後の化粧水302の溶存水素濃度の持続性が向上し、また、化粧水302の肌への浸透性をさらに改善することができる。以下、水素をこのような微細気泡の形で化粧水に含有させる方法の一例について説明する。

0057

図4は、水素微細気泡含有化粧水の製造装置の一例を概念的に示すものである。該装置500において、原料となる化粧水502は、粘度が500mPa・s以下(望ましくは100mPa・s以下、より望ましくは50mPa・s以下)に調整された状態で、タンク501に貯留されるとともに、該タンク501から延出する循環配管51の途上に、エジェクタ等で構成されるガス導入部219、送液ポンプ505及び液体処理ノズル1がこの順序で設けられている。ガス導入部219には減圧弁411及びガス供給チューブ412を介して水素ガス供給源としての水素ボンベ420から水素ガスが供給されるようになっている。なお、水素ガス供給源としては水素ボンベ以外に、電解水素発生装置や、可逆的に水素を吸着・脱着する水素吸蔵合金を水素ガス貯留部として使用し、加熱による水素吸蔵合金からの水素脱着により水素ガスを放出する水素合金キャニスターを使用してもよい。また、送液ポンプ505は、気液混相流の送液に適したベーンポンプ渦流ポンプにて構成され、特にベーンポンプを用いることが望ましい。

0058

図5は液体処理ノズルの横断面を、図6はその液体入口側の軸線方向からの拡大側面を示すものである。この液体処理ノズル1は、液体流路3が形成されたノズル本体2を備える。ノズル本体2は円筒状に形成され、その中心軸線Oの向きに円形断面の液体流路が貫通形成されている。ノズル本体2には、液体流路3を液体入口4側の流入室6と液体出口5側の流出室7とに区画する隔壁部8と、隔壁部8に貫通形成され流入室6と流出室7とを互いに別経路にて連通させる複数の絞り孔9と、絞り孔9の内面から各々突出する衝突部10とからなる処理コア部COREが形成されている。図6において、隔壁部8に絞り孔2は中心軸線Oに関して軸対象となるように、同一内径にて2個形成されている。流入室6及び流出室7の各内周面は、処理コア部COREに向けて縮径するテーパ面14とされている。

0059

図8は、そのうちの一方を拡大して示すものであり、衝突部10は外周面に周方向の山部11と高流速部となる谷部12とが複数交互に連なるように形成されている。衝突部10は、この実施形態では、脚部末端側が流路内に突出するねじ部材(以下、「ねじ部材10」ともいう)であり、結果、衝突部に形成される複数巻の山部11は、らせん状に一体形形成されている。なお、山部及び谷部は、らせん状に一体化せず、周方向に閉じたものを衝突部の軸線方向に複数密接配列してもよい。

0060

図6に示すように、衝突部10は、処理コア部COREにおいて複数の絞り孔9のそれぞれに、ノズル本体2の軸線Oと直交する平面への投影において、各絞り孔9の中心軸線を取り囲む十字形態に4つ配置されている。図8に示すように、各絞り孔9において、ねじ部材10と絞り孔9内周面との間には主流通領域21が形成される。また、4つの衝突部10が形成する十字の中心位置には、液体流通ギャップ15が形成されている。液体流通ギャップ15を形成する4つの衝突部10の先端面は平坦に形成され、前述の投影において液体流通ギャップ15は正方形状に形成されている。絞り孔9(液体流路)の内径Dは2.5mm以上7mm以下(望ましくは2.9mm以上5.5mm以下)に設定され、主流通領域21と液体流通ギャップ15とからなる液流通領域の全流通断面積Stは2.5mm2以上35mm2以下(望ましくは4mm2以上13mm2以下)に設定される。

0061

図7は処理コア部COREを拡大して示すものである。絞り孔9にそれぞれ形成される衝突部の組は、ノズル本体2の壁部外周面側から先端が絞り孔9内へ突出するようにねじ込まれる4本のねじ部材により形成されている。図6破線で示すように、ねじ部材10は、ノズル本体2の壁部に貫通形成されたねじ孔19にねじ込まれ、各ねじ孔19のねじスラスト方向途中位置にはねじ頭下面を支持するための段付き面19rが形成されている。該段付き面19rの形成位置は、ねじ部材10をねじ込んだ時に、絞り孔9内に突出するねじ脚部(すなわち、衝突部となる部分)の長さが、液体流通ギャップ15を形成するのに適正となるように調整されている。なお、小ロット生産時のように、液体処理ノズル1に流通する化粧水の流量を小さくできる場合は、絞り孔9を1個のみとしてもよく、また、ねじ部材も直径方向に対向する2本のみとしてもよい。

0062

図5に示すように、複数の絞り孔9の間でねじ部材10の干渉を回避するために、各絞り孔9に組み込む4つのねじ部材10の組は、それら絞り孔9の間で軸線方向にて互いにずれた位置に配置されている。また、図7においては、同一の絞り孔9内の複数のねじ部材10A,10Bと10C,10Dとは、該絞り孔9の軸線方向(流れ方向)にて互いにずれた位置に配置されている。具体的には、各絞り孔9において、同一平面上で互いに直交する位置に配置されたねじ部材の対10A,10B及び10C,10Dが、それぞれ流れ方向において互いに異なる位置(図中、上側の絞り孔9については下流側のA及びBの位置に、下側の絞り孔については上流側のC及びD位置)に配置されている。それぞれ図5の中心軸線Oと直交する平面への投影では、A及びBの位置の4つのねじ部材10A,10B、及びC及びD位置の4つのねじ部材10C,10Dが、それぞれ十字形態をなすように配置されることとなる。

0063

図4の装置550を用いた水素微細気泡含有化粧水の製造工程について説明する。すなわち、タンク501に原料となる化粧水502を投入して送液ポンプ505を動作させると、タンク501からの化粧水はガス導入部219にて水素ボンベ420からの水素ガスが供給されて混相流となり、送液ポンプ505内に吸い込まれる。混相流を形成するための水素ガス流量をQ1、化粧水の流量をQ2としたとき、液体処理ノズル1の液体入口側の動圧は0.1MPa以上0.5MPa以下(望ましくは0.2MPa以上0.4MPa以下)に設定され、水素ガスの化粧水に対する流量比Q1/Q2が0.01以上0.2以下(望ましくは0.03以上0.1以下)となるように設定される。

0064

送液ポンプ505の内部では水素ガスがポンプ撹拌流に巻き込まれることにより、水素ガス相がたとえば50〜1000μm程度の気泡予備粉砕されて、ポンプ下流側の液体処理ノズル1に供給されるので、水素ガスの溶解効率及び1μm以下の微細気泡への粉砕効率が一層高められる。そして、混相流はこの状態で液体処理ノズル1にて水素ガスの溶解及び微細気泡への粉砕処理がなされ、タンク502に戻る。以降、タンク内の水502は循環しながら水素ガスの溶解及び微細気泡への粉砕が継続され、水素微細気泡の形成濃度が高められる。

0065

図5の液体処理ノズル1内での作用は次のようなものである。混相流ははまず一括してテーパ部13で絞られ、さらに個々の絞り孔9へ分配されて、主流通領域21と液体流通ギャップ15とからなる液流通領域により個別に絞られて、ねじ部材10に衝突しながらこれを通過する。ねじ部材10の外周面を通過するときに、流れはねじの谷部に高速領域を、同じく山部に低速領域をそれぞれ形成する。すると、谷部の高速領域はベルヌーイの定理により負圧領域となり、キャビテーションすなわち空気等のプレ溶存ガス減圧析出により、気泡が発生する。

0066

谷部はねじ部材10の外周に複数巻形成され、かつねじ部材10が絞り孔9内に複数配置されていることから、この減圧析出は絞り孔9内の谷部にて同時多発的に起こることとなる。すると、液流がねじ部材10に衝突する際に谷部での減圧析出が沸騰的に激しく起こり、さらにねじ部材10の下流に迂回する際に生ずる渦流にこれを巻き込んで激しく撹拌する。衝突部10の周辺及び直下流域には、微小渦流を無数に含んだ顕著な強撹拌領域が形成されることとなる。気泡を析出する減圧域は衝突部周囲の谷底付近に限られており、高速液体流はほとんど瞬時的に該領域を通過してしまうから、発生した気泡はそれほど成長せずに上記の撹拌領域に巻き込まれ、過度に成長する心配がない。そして、液体処理ノズル1に供給される化粧水には、ポンプ505で予備粉砕された水素ガスの気泡が混入して混相流を形成しているので、水素微細気泡となるべきガス相は衝突部10の下流の強撹拌領域SMに巻き込まれることで化粧水との混合が顕著に進み、微細気泡化をきわめて効率的に行うことができる。

0067

また、液体処理ノズル1においては、隔壁部8に複数の絞り部を形成し、その前後の流路区間を、該隔壁部8が区画する流入室6ないし流出室7に集約して、それら複数の絞り部により共有化させる構造を採用しているので、流路が複数系統分岐する区間は隔壁部8に形成された絞り孔9のみとなる。その結果、絞り孔9内での流速の低下ないし不均一化が抑制され、水素ガスが絞り孔9の一部のものに偏ってしまう、いわゆる偏流を確実に防止することができる。すなわち、衝突部10を有する絞り孔9を複数形成することで十分なキャビテーション効果と十分な流量とを両立することができ、かつ、複数の絞り孔9間での偏流が効果的に抑制され、キャビテーション効果に基づいた微細気泡発生を安定に継続することができる。

0068

こうして得られる水素微細気泡含有化粧水は、レーザー回折粒度計にて測定した微細気泡の平均径が100nm以上800nm以下程度であり、ポーラログラフ式溶存水素計で測定した溶存水素濃度を0.8ppm以上2.5ppm以下(水素微細気泡が多量に含有されている場合、溶存水素計の水素濃度指示値は過飽和となることがあり得る)程度まで高めることができる。

0069

以下、本発明の効果を確認するために行った試験とその結果について記載する。
実験例1)
化粧水として、表1及び表2の種々の組成のものを用意した。

0070

0071

0072

上記の各化粧水をそれぞれ80cc計量し、図1図3に例示した内容積133ccのエアゾール容器の容器本体に注入した後、次の4通りの形態にて噴射ガスを充てんして、エアゾール製品サンプルとした。
(1)容器内ガス充填空間を0.5MPaまで予備減圧排気した後マウンテンカップをかしめて密封し、原ガスとして窒素−2体積%水素混合ガスを用いて圧力0.7MPaにて充てんした。
(2)容器内ガス充填空間を0.5MPaまで予備減圧排気した後マウンテンカップをかしめて密封し、原ガスとして窒素−5体積%水素混合ガスを用いて圧力0.7MPaにて充てんした。
(3)容器内ガス充填空間を予備減圧排気せずにマウンテンカップをかしめて密封し、原ガスとして純水素ガスを用いて圧力0.7MPaにて充てんした。
(4:比較例)容器内ガス充填空間を予備減圧排気せずにマウンテンカップをかしめて密封し、原ガスとして純窒素ガスを用いて圧力0.7MPaにて充てんした。
エアゾール容器内の噴射ガスのガスクロマトグラフィーによる組成分析結果を表1及び表2内に合わせて記載している。

0073

各エアゾール製品サンプルは、図1にて噴射ノズル307の噴射孔307aに内径1mm、長さ80mm程度のキャピラリチューブを差し込み、該キャピラリチューブを介して化粧水を噴射しつつ内径5cmの円筒状容器に30cc収集した。そして、ポーラログラフ式溶存水素計を用い、噴射直後及び2時間経過後の溶存水素濃度CH(ppm)を測定するとともに、前述の計算式に従い噴射直後の水素残留率DRを算出した。

0074

また、各エアゾール製品サンプルの化粧水を20〜60歳の10人の女性被験者に使用してもらい、次の各項目の評価を実施した。
・清涼感:化粧水1ccを顔に吹き付けて手で化粧水を肌にすり込む操作を1分間隔で2回繰り返し、顕著な清涼感ないしさらさら感を得たか否かについての回答を求めた。清涼感ないしさらさら感が顕著と感じた被験者が9人以上の場合を「◎」、7人から8人の場合を「○」、4〜6人の場合を「△」、3人以下の場合を「×」として評価した。
・保湿感:化粧水1ccを顔に吹き付けて手で化粧水を肌にすり込む操作を1分間隔で3回繰り返し、5分後及び2時間後に肌の保湿感(しっとり感)が得られているか否かについての回答を求めた。保湿感が顕著と感じた被験者が9人以上の場合を「◎」、7人から8人の場合を「○」、4〜6人の場合を「△」、3人以下の場合を「×」として評価した。
・1カ月後の肌張りの改善:保湿感評価と同様の操作を1カ月継続したときの、肌の弾力、つやしわ解消についての回答を求めた。肌の弾力やつや、しわ解消の少なくともいずれかに明確な効果を感じた被験者が9人以上の場合を「◎」、7人から8人の場合を「○」、4〜6人の場合を「△」、3人以下の場合を「×」として評価した。
以上の結果を表1及び表2に示す。

0075

表1の実施例1〜4は、エタノール(アルコール成分)の含有量が比較的大きく、かつ、ポリオール類の合計含有量も比較的大きい化粧水についての結果を示す。エタノール含有量が10%以下であって、かつポリオール類の含有量よりも少ない実施例1〜実施例3の化粧水組成では、噴射ガス中の水素濃度が高い場合はもちろん、2体積%あるいは5体積%と低い場合においても、噴射直後の溶存水素濃度が0.2ppm前後、噴射直後の水素残留率DRも0.82〜0.92と高く、2時間後もその半分程度を維持しており、良好な溶存水素濃度持続性を有していることがわかる。そして、エタノールを多く含有しているにも関わらず、2時間経過後の保湿性は良好であり、肌張りの改善効果も顕著であり、清涼感も良好であることがわかる。他方、窒素ガスを噴射ガスに用いたサンプルでは、保湿感維持や肌張り改善に関する効果が、水素を含有した噴射ガスを用いた場合と比較して明らかに劣っていることもわかる。また、エタノールの添加量が少ない実施例1及び実施例2のサンプルについては清涼感も不足気味であり、水素の添加が清涼感の改善に明確な効果を有していることが読み取れる。換言すれば、実施例1〜実施例3のサンプルは、べとつき感を生じやすいポリオール類の含有量が多いにも関わらず、水素の含有により、少ないアルコール成分量で充分な清涼感が実現できているといえる。他方、アルコール含有量が10質量%を超える実施例4については、ポリオール類の添加量を相当大きくすることにより、実施例1〜実施例3に準じた保湿感や肌張り改善効果を達成できている。しかしながら、ポリオール類の添加量を少なくとどめた比較例1の化粧水では、アルコール成分の蒸発が著しくなり、噴射ガスの水素含有量を相当高めても、溶存水素残留率や持続性、あるいは保湿感や肌張りの改善効果に劣っていることがわかる。

0076

次に、表2の実施例5〜9は、エタノール(アルコール成分)を含有しないか、含有量が比較的小さい組成の化粧水についての結果を示す。実施例6及び実施例7はエタノールを全く含有しない組成の例であり、ポリオール類の含有量が多い実施例6については、噴射ガスの水素含有量が小さい場合は多少清涼感が犠牲になるものの、溶存水素の残留率や持続性、保湿性の持続、肌張り改善効果に関しては極めて良好であり、水素含有量をより増加させることで、その清涼感もほぼ満足できるレベルにまで改善できていることがわかる。これは、噴射ガスに水素を添加しない窒素ガス充填の結果と比較した場合に特に明らかであり、水素添加が清涼感改善効果に顕著であることが明確である。また、実施例7は、ポリオール添加量は比較的少ないが、グリセリンの添加量を大きく取ることにより、清涼感付与のためにエタノールを若干添加はしているものの、実施例6及び実施例7に匹敵する溶存水素の残留率及び持続性、保湿性の持続、肌張り改善効果が達成できていることがわかる。他方、比較例2は、精製水をエアゾール充填した場合の結果であり、ポリオール類の添加を行わない実施例6〜9と比較すれば、溶存水素の残留率及び持続性に明らかに劣っており、保湿性の持続、肌張り改善効果についても、溶存水素量が相当高い場合においても見劣りのする結果となっていることがわかる。

0077

(実施例2)
図4の装置500においてタンク501に、実験例1の表1及び表2と同一組成の化粧水180L(ただし、精製水を用いた表2の比較例2は除く)をそれぞれ投入し、表3の条件で水素添加しながら循環を行った(液温20℃)。なお、使用したポンプは東振テクカル社製のベーンポンプTVP−MS1803である。また、液体処理ノズル1は、図5図8に示す形態のものを使用した。ノズル本体2の材質ABS樹脂であり、液体入口4と液体出口5の内径はφ14mm、流入室6及び流出室7の流れ方向の長さはそれぞれ30mmである。コア部COREについては、絞り孔9の形成個数図3に示す配置にて2個とし、絞り孔9の内径dはφ4.6mm、隔壁部8についてはその厚みを7.0とした。流入室6及び流出室7の内周面は、各々液体入口4と液体出口5との内周縁から、隔壁部8の対応する側の外周縁に至る連続テーパ面として形成した。衝突部10は脚部先端面が平坦に形成されたねじ部材により、具体的にはM1.4のJIS並目ピッチのなべ小ねじ(SUS304ステンレス鋼製)を使用して形成し、流通断面積は各絞り孔9について約10mm2である。

0078

0079

循環終了後の各化粧水の溶存水素濃度はいずれも1.6ppmを超えており、また、レーザー回折式粒度計により、いずれの化粧水にも平均粒径100〜400nmの水素微細気泡が相当量形成されていることが確認できた。これらの化粧水を用いて、実験例1と全く同様にしてエアゾールサンプルを作成し、同様の評価を行った。表4及び表5に結果を示す。なお、表4の実施例11〜14及び比較例3は、水素添加前にて表1の実施例1〜4及び比較例1と同一組成の化粧水を使用しており、表5の実施例16〜19は、水素添加前にて表2の実施例6〜9と同一組成の化粧水を使用している

0080

0081

実施例

0082

充てん前の各化粧水に溶存水素及び微細気泡水素が含有されていることから、各サンプルとも噴射後の溶存水素量と持続性、保湿感及び肌張り改善の効果が、実験例1と比較して大きく向上していることがわかる。しかし、エタノールの添加量が大きい比較例3のサンプルはこれらの効果は依然十分でないことがわかる。

300エアゾール製品
301エアゾール容器
302化粧水
303噴射ガス
306バルブユニット
307 噴射ノズル

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