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概要
背景
ロック状態において車両のステアリングシャフトを係止してステアリングへの操作を規制するステアリングロック装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。
この従来例において、ステアリングロック装置は、プラグが保持されるアウターシリンダを、ステアリングシャフトに係脱するロックボルトが保持されるハウジング内に挿入して形成される。ロックボルトはプラグへの回転操作を並進動作に変換するスライダにより駆動され、ハウジングには阻止部材がプラグの回転軸長方向に移動自在に装着される。
阻止部材は、スプリングによりアウターシリンダに圧接されており、圧接状態においてスライダの移動経路から退避してスライダの移動が許容される。
アウターシリンダが不正にハウジングから引き抜かれると、アウターシリンダによる支えを失った阻止部材はスプリングによる付勢方向に移動する。阻止部材は付勢方向の移動に伴ってスライダに係止して該スライダ、およびスライダとともに移動するロックボルトの移動が規制され、結果、ロックボルトがロック位置に保持されて不正な解錠操作が防がれる。
概要
不正解錠操作に対する耐性が高く、かつ、装置の軽量化をることのできるステアリングロック装置の提供を目的とする。シリンダ錠1が挿入されたフレーム2に、シリンダ錠1によりロック位置、およびアンロック位置間を並進駆動され、ロック位置において車両のステアリングシャフトに係止するデッドボルトを保持するデッドケース4が連結されるとともに、スプリング5により付勢されて一端がシリンダ錠1に圧接する検出杆6の変位によりデッドケース4とシリンダ錠1との離隔を検出可能なステアリングロック装置であって、前記シリンダ錠1、およびデッドケース4を金属材料により形成するとともに、フレーム2を合成樹脂材により形成し、かつ、検出杆6の移動経路は、シリンダ錠1、またはデッドケース4により全長にわたって覆われる。
目的
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、不正解錠操作に対する耐性が高く、かつ、装置の軽量化を図ることのできるステアリングロック装置の提供を目的とする
効果
実績
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この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
シリンダ錠が挿入されたフレームに、シリンダ錠によりロック位置、およびアンロック位置間を並進駆動され、ロック位置において車両のステアリングシャフトに係止するデッドボルトを保持するデッドケースが連結されるとともに、スプリングにより付勢されて一端がシリンダ錠に圧接する検出杆の変位によりデッドケースとシリンダ錠との離隔を検出可能なステアリングロック装置であって、前記シリンダ錠、およびデッドケースを金属材料により形成するとともに、フレームを合成樹脂材により形成し、かつ、検出杆の移動経路は、シリンダ錠、またはデッドケースにより全長にわたって覆われるステアリングロック装置。
請求項2
前記検出杆のフレーム内壁への対峙面を覆うカバー部がデッドケースから突出されるとともに、シリンダ錠には、フレームへの装着状態において前記検出杆との圧接境界をカバー部による包囲領域内に押し込む押圧突部が設けられる請求項1記載のステアリングロック装置。
請求項3
前記押圧突部の基端と前記カバー部の自由端とは側面視において非重合配置されるとともに、前記カバー部はシリンダ錠中心軸方向が開口して押圧突部の中心軸方向への移動を許容する断面C字形状に形成される請求項2記載のステアリングロック装置。
請求項4
前記検出杆は、板状に形成されて前記カバー部をガイドとして移動自在であり、かつ、前記押圧突部は細径ピン形状に形成されて前記検出杆の先端端面を被押圧部として押圧する請求項2または3記載のステアリングロック装置。
請求項5
前記デッドケースには、前記デッドボルトに係止して該デッドボルトをロック位置に保持するデッド規制位置、およびデッドボルトとの係止が解除されるデッド規制解除位置間を移動可能で、デッド規制位置側に付勢されたデッドストッパを有し、前記検出杆は、前記デッドストッパに係止して該デッドストッパをデッド規制解除位置に保持するストッパ係止位置、およびデッドストッパとの係止が解除されるストッパ係止解除位置間を移動可能で、ストッパ係止解除位置側に付勢されてデッドケースに組み込まれる請求項1から4のいずれかに記載のステアリングロック装置。
請求項6
技術分野
0001
本発明は、ステアリングロック装置に関するものである。
背景技術
0002
ロック状態において車両のステアリングシャフトを係止してステアリングへの操作を規制するステアリングロック装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。
0003
この従来例において、ステアリングロック装置は、プラグが保持されるアウターシリンダを、ステアリングシャフトに係脱するロックボルトが保持されるハウジング内に挿入して形成される。ロックボルトはプラグへの回転操作を並進動作に変換するスライダにより駆動され、ハウジングには阻止部材がプラグの回転軸長方向に移動自在に装着される。
0005
アウターシリンダが不正にハウジングから引き抜かれると、アウターシリンダによる支えを失った阻止部材はスプリングによる付勢方向に移動する。阻止部材は付勢方向の移動に伴ってスライダに係止して該スライダ、およびスライダとともに移動するロックボルトの移動が規制され、結果、ロックボルトがロック位置に保持されて不正な解錠操作が防がれる。
先行技術
0006
特開2010-12989号公報
発明が解決しようとする課題
0007
しかし、上述した従来例において、軽量化のために、ステアリングロック装置の外皮を構成するハウジングを合成樹脂材により形成した場合、ハウジングに外部から孔を明けた後、穿孔から供給した接着剤等により阻止部材を固定し、アウターシリンダを抜去する不正解錠操作を防止することができない。
0009
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、不正解錠操作に対する耐性が高く、かつ、装置の軽量化を図ることのできるステアリングロック装置の提供を目的とする。
課題を解決するための手段
0010
本発明によれば上記目的は、
シリンダ錠1が挿入されたフレーム2に、シリンダ錠1によりロック位置、およびアンロック位置間を並進駆動され、ロック位置において車両のステアリングシャフトに係止するデッドボルト3を保持するデッドケース4が連結されるとともに、スプリング5により付勢されて一端がシリンダ錠1に圧接する検出杆6の変位によりデッドケース4とシリンダ錠1との離隔を検出可能なステアリングロック装置であって、
前記シリンダ錠1、およびデッドケース4を金属材料により形成するとともに、フレーム2を合成樹脂材により形成し、
かつ、検出杆6の移動経路は、シリンダ錠1、またはデッドケース4により全長にわたって覆われるステアリングロック装置を提供することにより達成される。
0011
ステアリングロック装置は、シリンダケース12内にプラグ11を挿入し、真正な解錠キーによりシリンダケース12に対する相対回転操作を可能にするシリンダ錠1と、ステアリングシャフトをロックするデッドボルト3を収容するデッドケース4とをフレーム2を介して連結して形成され、フレーム2を合成樹脂材により形成することにより装置全体の重量を軽減することが可能になる。
0012
また、検出杆6の移動経路は、金属材料により形成されるシリンダケース12、またはデッドケース4により全長にわたって覆うことにより、合成樹脂製のフレーム2に孔を明けて接着剤等を流し込み、検出杆6を固着させることによって検出杆6によるシリンダケース12の不正抜去の検出を回避して行われる不正解錠操作を確実に防止することが可能になる。
0013
さらに、検出杆6の隠蔽はシリンダケース12、あるいはデッドケース4の一部を利用して行われるために、格別の遮蔽用部品を要しないことから、部品点数の増加に伴うコストアップ、あるいは組立作業性の低下を防止することが可能になる。
0014
また、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
前記検出杆6のフレーム2内壁への対峙面を覆うカバー部7がデッドケース4から突出されるとともに、
シリンダ錠1には、フレーム2への装着状態において前記検出杆6との圧接境界をカバー部7による包囲領域内に押し込む押圧突部8が設けられるステアリングロック装置を構成することができる。
0015
本発明において、シリンダケース12を装着した状態、すなわち、組立完成の状態で検出杆6のシリンダケース12との当接界面は、シリンダケース12に突設される押圧突部8に押されてカバー部7による包囲領域内に押し込まれる。
0016
外部がフレーム2により覆われているために、シリンダケース12と検出杆6との境界は外部から目視することができないために、検出杆6の移動経路を覆うだけで、フレーム2のシリンダケース12と検出杆6との境界位置に孔を明けて接着剤等を供給することは一般に困難であるが、本発明のように、シリンダケース12と検出杆6との接触部をカバー部7内に位置させると、検出杆6の先端への接着剤の供給を完全に防ぐことが可能になる。
0017
さらに、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
前記押圧突部8の基端と前記カバー部7の自由端とは側面視において非重合配置されるとともに、前記カバー部7はシリンダ錠1中心軸方向が開口して押圧突部8の中心軸方向への移動を許容する断面C字形状に形成されるステアリングロック装置を構成することができる。
0018
本発明において、シリンダケース12とデッドケース4をフレーム2に装着した状態において、押圧突部8の基端とカバー部7の自由端とは側面視において非重合状態で配置され、かつ、カバー部7は中心方向が開放されたC字断面形状を有しているために、押圧突部8が内方に移動するためのスペースが確保される。
0019
この結果、車両事故等が発生して、運転者の膝がステアリングロックに衝突した場合であっても、ステアリングロックはカバー部7と押圧突部8の基端部との境界から折れ曲がることが可能となるために、検出杆6をカバー部7により覆ったことによる非常時破断抵抗力が増加することはなく、運転者の事故時の安全性を低下させることもない。
0020
また、
前記検出杆6は、板状に形成されて前記カバー部7をガイドとして移動自在であり、
かつ、前記押圧突部8は細径ピン形状に形成されて前記検出杆6の先端端面を被押圧部として押圧するステアリングロック装置を構成した場合には、押圧突部8が細径ピン形状に形成されて破断しやすくなるために、事故時に膝が当たった際の変形抵抗を低くすることができる。
0021
さらに、板状の検出杆6の端面を被押圧部として細径ピン形状の押圧突部8を当接させる構成を取ることにより、被押圧部と押圧突部8との接触状態はシリンダ錠1とデッドケース4との少量の変位によっても直ちに解消されるために、検出精度が高くなる。
0022
検出杆6の出力は、例えば、スイッチにより検出した後、電磁的手段によりデッドボルト3を拘束して盗難に備えることが可能であるが、検出杆6の変位により作動する機械的機構により直接デッドボルト3を拘束して盗難を防ぐことが可能である。
0023
この場合、
前記デッドケース4には、前記デッドボルト3に係止して該デッドボルト3をロック位置に保持するデッド規制位置、およびデッドボルト3との係止が解除されるデッド規制解除位置間を移動可能で、デッド規制位置側に付勢されたデッドストッパ9を有し、
前記検出杆6は、前記デッドストッパ9に係止して該デッドストッパ9をデッド規制解除位置に保持するストッパ係止位置、およびデッドストッパ9との係止が解除されるストッパ係止解除位置間を移動可能で、ストッパ係止解除位置側に付勢されてデッドケース4に組み込まれるステアリングロック装置を構成することができる。
0024
不正破壊操作に対する対策には、デッドボルト3がロック位置にあるときの検出杆6の移動によりデッドストッパ9を作動させてデッドボルト3のアンロック位置側への移動を規制すれば足りるが、検出杆6による検出時にデッドボルト3をアンロック位置に保持可能にすると、事故の際に膝等が当たってシリンダ錠1とデッドケース4とが離隔しても、ステアリングが、不用意に施錠状態に遷移することがない。
発明の効果
0026
本発明によれば、フレームを合成樹脂により形成したので、軽量化を達成でき、かつ、検出杆の移動経路を金属材料により形成されるシリンダ錠、あるいはデッドケースにより覆い隠したので、検出杆に対する不正アクセスが不能となり、不正解錠操作に対する耐性を高くすることができる。
0027
また、検出杆へのアクセスルートの隠蔽は、デッドケース等に一体に形成されるために、特別な部材を要しない。
図面の簡単な説明
0028
本発明を示す断面図で、図3(a)の1A-1A線断面図である。
図3(a)の2A-2A線断面図である。
本発明を示す図で、(a)は図1の3A方向矢視図、(b)は図3(a)の3B-3B線断面図である。
ステアリングロック装置の組立方法を示す図である。
デッドケースを示す図で、(a)は底面図、(b)は(a)を5B方向から見たデッドボルトとデッドストッパとの関係を示す図、(c)は図4の5C-5C線断面図である。
デッドストッパがデッド規制解除位置にある時を示す図で、(a)は図5(b)に対応する図、(b)は図5(b)を6B方向から見た図、(c)は図5(c)に対応する図、(d)は検出杆によりデッド規制解除位置に保持された状態を示す断面図である。
シリンダ錠とデッドケースとの位置関係を示す図で、(a)は底面図、(b)は(a)の7B方向矢視図である。
実施例
0029
図1以下に示すように、ステアリングロック装置は、フレーム2と、シリンダ錠1と、デッドケース4とを有する。
0030
フレーム2は軽量化のために合成樹脂材によりエルボー形状に形成され、一方の開口からシリンダ錠1が、他端にはイグニッションスイッチ13が収容される。
0031
シリンダ錠1は、亜鉛合金等の金属材料により形成されるシリンダケース12内に挿入されるプラグ11と、シリンダケース12、およびフレーム2の前端開口覆うポジションキャップ1aとを有し、プラグ11は図外の真正な解錠キーによりシリンダケース12に対して回転させることができる。上記ポジションキャップ1aには、図示しないが、「STOP」、「START」等のポジションマークが表示される。
0032
また、プラグ11の前端部には、キー検出ピース14が径方向に移動自在に装着されており、シリンダケース12に装着される揺動レバー15の前端に形成される検知先端15aにより中心方向に押し付けられる。揺動レバー15は、後端に連結フック15bを有して中心部の揺動軸15c周りに揺動自在であり、圧縮スプリングからなるレバースプリング15dにより検知先端15aがキー検出ピース14をプラグ11内に押し込む方向に付勢される。
0033
したがって本例において、解錠キーがプラグ11に挿入されない状態において、図1に示すように、揺動レバー15はキー検出ピースをプラグ11内に押し込み、連結フック15bがプラグ11の回転中心から離れる方向(以下、当該方向を「遠心方向」、反対方向を「向心方向」という。)に移動する。この状態からプラグ11内に解錠キーを挿入すると、解錠キーによりキー検出ピース14が遠心方向に押し出される結果、揺動レバーは図1において時計回りに揺動して連結フック15bが向心方向に移動し、この後、プラグ11を回転させると、揺動レバー15の検知先端15aはプラグ11の外周壁に乗り上げ、以後、連結フック15bは同一姿勢を保持する。
0034
さらに、上記プラグ11の後端には、カム部材16が連結される。カム部材16は、カム面(図示せず)と、傘歯歯車16aとを備え、プラグ11の回転に伴って回転する。図1に示すように、カム部材16の傘歯歯車16aにはイグニッションスイッチ13の駆動軸13aが噛合しており、プラグ11への回転操作に伴って、イグニッションスイッチ13のスイッチ動作が行われる。
0035
一方、上記フレーム2の前方開口は後方に向けて開口され、該後方開口を閉塞するようにデッドケース4が固定される。デッドケース4はシリンダケース12と同様に、亜鉛合金等の金属材料により形成されており、該デッドケース4に形成されたボルト挿通部4bにデッドボルト3が摺動自在に挿入される。
0036
デッドボルト3はプラグ11の回転中心線に対して鋭角側交差角(θ)で交差しており、図1に示すように、後端がデッドケース4から突出するロック位置と、全体がデッドケース4内に収容されるアンロック位置までの間を移動する。このデッドボルト3は、デッド用圧縮スプリング17によってロック位置側に付勢されており、ロック位置において突出部は図外のステアリングシャフトに係止して該ステアリングシャフトの固定し、ステアリングへの操作を禁止する。
0037
デッドボルト3を並進駆動するために、上記デッドボルト3には、連結用切欠3aが形成されており、ハンガーロッド18の後端が係止される。このハンガーロッド18は、前端に上記揺動レバー15の連結フック15bが係止可能な連結開口18aを、中間部に上記カム部材16のカム面に当接するフォロアー部18bを各々備える。
0038
したがって本例において、図1のロック状態からプラグ11に真正な解錠キーを挿入して解錠方向に所定角度回転操作すると、カム部材16のカム面がハンガーロッド18のフォロアー部18bとの当接を開始し、さらにプラグ11の回転操作を続けると、カム面によりハンガーロッド18は前方に駆動される。ハンガーロッド18の移動により、デッドボルト3はデッド用圧縮スプリング17を圧縮させながらアンロック位置に移動する。
0039
上述したように、揺動レバー15の連結フック15bは、解錠キーの挿入、回転操作により、向心方向に移動した位置を保持しているために、ハンガーロッド18の前進移動に伴ってやがてハンガーロッド18の先端と揺動レバー15の連結フック15bが当接する。
0040
一方、上記揺動レバー15の揺動軸15cは径方向に移動自在で、かつ、向心方向に付勢されており、連結フック15bは、ハンガーロッド18との当接により揺動レバー15の揺動中心が一旦遠心方向に移動することによりハンガーロッド18の先端縁を受容し、その後、連結開口18aに弾発係止する。
0041
揺動レバー15によるハンガーロッド18の拘束、すなわち、デッドボルト3のロック位置への保持は、この後プラグ11を初期回転位置まで回転させてカム部材16のカム面によるハンガーロッド18の規制が解除した後でも維持される。この後、プラグ11の初期回転位置において解錠キーを抜去すると、キー検出ピース14のプラグ11内への沈降が許容されるために、揺動レバー15が搖動し、結果、揺動レバーとハンガーロッドとの係止が解除されて、デッドボルト3はデッド用圧縮スプリング17の復元力によりロック位置に移動する。
0043
さらに、図4以下に示すように、上記デッドケース4には、上記デッドボルト3、およびハンガーロッドに加え、デッドストッパ9と検出杆6とが組み込まれる。
0044
デッドストッパ9は、図4に示すように、デッドケース4に形成され、ボルト挿通部4bに直交する有底のストッパガイド凹部4aに沿って移動自在な板状部材であり、ストッパ用圧縮スプリング20により矢印S方向に付勢される。このデッドストッパ9には、図5(c)に示すように、下端側縁から突出するストッパ突起9aと、下端縁に凹設されるスプリング嵌合凹部9bと、上端縁に凹設されるストッパ溝9cとを有し、スプリング嵌合凹部9bに上記ストッパ用圧縮スプリング20の一端を嵌合させてストッパガイド凹部4aに挿入される。
0045
一方、デッドボルト3一側面には、図5に示すように、デッドボルト3がアンロック位置にあるときにストッパガイド凹部4aに対応するアンロック用係止溝10と、デッドボルト3のロック位置においてストッパガイド凹部4aに対応するロック用係止溝21が凹設される。
0046
デッドストッパ9の組み付けは、まず、ストッパ用圧縮スプリング20とデッドストッパ9とをストッパガイド凹部4aに挿入した後、デッドストッパ9をストッパ用圧縮スプリング20の反力に抗して押し込み、この状態でデッドボルト3をアンロック位置まで押し込み、次いで、デッドストッパ9に対する押し込み力を解除して行われる。押し込み力の解除により、デッドストッパ9はストッパ用圧縮スプリング20の復元力により上方に移動して図5(c)に示すように、ストッパ突起9aがデッドボルト3のアンロック用係止溝10に係止するデッド規制位置に移動し、以後、デッドボルト3は進退方向の移動が規制されてアンロック位置に保持される。
0047
上記検出杆6は、図2、4に示すように、後端にストッパ部6aを備えた板状部材であり、プラグ11の回転軸に平行に配置される。この検出杆6は、図3(b)に示すように、断面C字形状に形成されて上記ストッパガイド凹部4aに交差する杆ガイド凹部22によりガイドされ、検出杆6は、まず、杆ガイド凹部22に検出杆用圧縮スプリング(スプリング5)を挿入した後、杆ガイド凹部22に装着される。
0048
図4に示すように、検出杆6を装着した状態で検出杆用圧縮スプリング5は撓みの生じない自由状態であり、デッドケース4には、挿入された検出杆6の先端まで達するカバー部7が延設され、ストッパガイド凹部4aは、カバー部7まで延設される。
0050
フレーム2には、デッドケース4を固定した状態において検出杆6の前端端面に当接してフレーム2内への移動を規制する規制壁2bが設けられ、シリンダ錠1を装着しない状態であっても、検出杆6が妄りにデッドケース4から抜け出るのが防がれる。また、デッドケース4をフレーム2に固定した状態で検出杆6の先端面は一部が規制壁2bに当接してシリンダ錠1側から遮蔽され、規制壁2bにより隠蔽されない端面が被押圧部として使用される。
0051
ステアリングロック装置の組み立ては、以上のようにしてデッドケース4をフレーム2に固定した後、後端部にピン状の押圧突部8が突設されたシリンダ錠1をフレーム2内に挿入して行われる。シリンダ錠1の挿入動作に伴って押圧突部8はカバー部7により囲まれた杆ガイド凹部22内に進入して検出杆6の被押圧部を押圧する。
0052
上述したように、デッドストッパ9はデッドケース4をフレーム2に取り付ける前の初期状態において、ストッパ突起9aがデッドボルト3のアンロック用係止溝10に係止しており、この状態で、図4に示すように、検出杆6はデッドストッパ9によりストッパガイド凹部4a内への進入が規制される。この状態で押圧突部8により検出杆6を押し込むことはできないために、シリンダ錠1の挿入操作は、図6に示すように、デッドストッパ9をストッパ用圧縮スプリング20の反力に抗してストッパ突起9aがアンロック用係止溝10から離脱するデッド規制解除位置まで押し下げて行われる。
0053
以上のようにしてデッドストッパ9を押し下げた状態でシリンダ錠1をフレーム2に挿入すると、図2に示すように、シリンダケース12の押圧突部8により被押圧部が押されて検出杆6はストッパガイド凹部4a内に進入してストッパ係止位置に移動する。この結果、図6(d)、図7に示すように、検出杆6のストッパ部6aがデッドストッパ9のストッパ溝9cに係止し、以後、デッドストッパ9をデッド規制解除位置に保持するために、デッドボルト3の進退動作がデッドストッパ9により規制されることはない。
0054
以上のようにしてステアリングロック装置の通常モードで運用し、デッドボルト3がロック位置にある施錠状態のとき、シリンダ錠1が不正に引き抜かれ、破壊された時には、シリンダ錠1のデッドケース4に対する相対位置が変わり、結果、押圧突部8による検出杆6の拘束が解除される。
0055
検出杆6への拘束解除によって、該検出杆6は検出杆用圧縮スプリング5の復元力により後方に移動してデッドストッパ9との係止が解除されるストッパ係止解除位置に移動すると、デッドストッパ9の検出杆6による拘束が解除されてデッドストッパ9はストッパ用圧縮スプリング20によりデッド規制位置に復帰する。デッドストッパ9のデッド規制位置への移動によってデッドストッパ9のストッパ突起9aはデッドボルト3のロック用係止溝21に係止してデッドボルト3の移動を規制するために不正解錠操作が防がれる。
0056
押圧突部8が細径ピン形状に形成され、かつ、被押圧部が板状の検出杆6の端面に形成される本例において、押圧突部8と被押圧部との当接面積が小さなために、シリンダ錠1とデッドケース4との間に少量の変位が発生しても接触状態が解消されて検出杆6が作動するために、高い検出感度が保証される。
0057
また、図7に示すように、ステアリングロック装置を組み立てた状態で、検出杆6、および押圧突部8はデッドケース4から張り出すカバー部7内に収容されているために、フレーム2に孔を明けても検出杆6に直接アクセスして検出杆6の移動を規制する細工を行なうことも防止できる。
0058
さらに、押圧突部8はその基端部に比して断面積が小さな細径ピン形状に形成され、かつ、押圧突部8の基端部とデッドケース4のカバー部7とは重合することなく近接配置されているために、運転中に事故等で膝により図7(a)において図面下方から上方に向けて力が加えられた際には、上記押圧突部8の基端部とカバー部7との境界部を頂点として下方に凸なV字形状に折れ曲がり、あるいは押圧突部8が剪断してデッドケース4とシリンダ錠1が上下方向のずれが容易に発生する。
0059
このような場合であっても、検出杆6の支えは失われるために、デッドストッパ9が作動して運転中におけるアンロック位置にデッドボルト3を拘束する。
0060
1シリンダ錠
2フレーム
3デッドボルト
4デッドケース
5スプリング
6 検出杆
7カバー部
8押圧突部
9デッドストッパ
10アンロック用係止溝