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図面 (20)

課題

液体吐出部の駆動信号電力伝達により受ける干渉を抑え、液体吐出結果品質を安定させることができる液体吐出装置及び液体吐出システムを提供する。

解決手段

液体吐出装置の一例であるプリンター11は、駆動信号を受けて液体吐出する液体吐出部を備える。さらにプリンター11は、第1周波数帯域の少なくとも一部を含む第2周波数帯域(例えば1〜8MHz)を用いて駆動信号を生成する駆動信号生成回路58と、第1周波数帯域を用いて非接触にて電力の伝達を行う非接触式受電回路57と、駆動信号生成回路58と非接触式受電回路57とを制御する制御回路53とを有する。制御回路53は、駆動信号生成回路58における駆動信号が生成されている場合は、非接触式受電回路57における電力の伝達を制限する。

概要

背景

近年、圧電素子を用いたインクジェット式プリンター等の液体吐出装置においては、小型化省電力を追求して開発が進められており、圧電素子に印加する駆動信号駆動波形高周波スイッチング(例えば1〜8MHz)により生成する技術が普及している(例えば特許文献1)。特許文献1に記載の液体吐出装置では、デジタルアンプの技術を適用して、高周波スイッチングの周波数帯域を利用して駆動信号の波形生成を行う。

その一方で、OA機器持ち運びおよび設置の自由度を高くしたい要求から、パーソナルコンピューターパソコン)およびプリンターなどに関しても、小型化の要求とともにワイヤレス給電の要求が高く、この種のOA機器においては、6.78MHzの周波数帯域を使用した電力伝送技術の開発が進んでいる(例えば特許文献2〜4等)。

例えば特許文献2には、プリンターから他の電子デバイスへ、非接触で電力伝送を行う技術が開示されている。また、特許文献3には、プリンター内で非接触給電により電力伝送を行う技術が開示されている。さらに、特許文献4には、プリンターから着脱式部品への電力伝送を非接触で行う技術が開示されている。

概要

液体吐出部の駆動信号が電力伝達により受ける干渉を抑え、液体吐出結果品質を安定させることができる液体吐出装置及び液体吐出システムを提供する。液体吐出装置の一例であるプリンター11は、駆動信号を受けて液体吐出する液体吐出部を備える。さらにプリンター11は、第1周波数帯域の少なくとも一部を含む第2周波数帯域(例えば1〜8MHz)を用いて駆動信号を生成する駆動信号生成回路58と、第1周波数帯域を用いて非接触にて電力の伝達を行う非接触式受電回路57と、駆動信号生成回路58と非接触式受電回路57とを制御する制御回路53とを有する。制御回路53は、駆動信号生成回路58における駆動信号が生成されている場合は、非接触式受電回路57における電力の伝達を制限する。

目的

本発明の目的は、液体吐出部の駆動信号が電力伝達により受ける干渉を抑え、液体吐出結果物の品質を安定させることができる液体吐出装置及び液体吐出システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

駆動信号を受けて液体吐出する液体吐出部と、第1周波数帯域の少なくとも一部を含む第2周波数帯域を用いて駆動信号を生成する駆動信号生成回路と、第1周波数帯域を用いて非接触にて電力の伝達を行う非接触電力伝達回路と、前記駆動信号生成回路と前記非接触電力伝達回路とを制御する制御回路とを有し、前記制御回路は、前記駆動信号生成回路により前記駆動信号が生成されている場合は、非接触電力伝達回路による前記電力の伝達を制限することを特徴とする液体吐出装置

請求項2

前記駆動信号生成回路と前記非接触電力伝達回路とを囲み、第1の面と、前記第1の面と対向する第2の面とを有する筐体を有し、前記駆動信号生成回路は、前記第2の面より前記第1の面寄りに配置され、前記非接触電力伝達回路は、前記第1の面より前記第2の面寄りに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。

請求項3

前記非接触電力伝達回路は、前記液体吐出装置外の装置から前記液体吐出装置へ電力を伝送することを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。

請求項4

前記非接触電力伝達回路は、前記液体吐出装置から前記液体吐出装置外の装置へ電力を伝送することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体吐出装置。

請求項5

前記駆動信号生成回路は、デジタルアンプを用いた増幅回路を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液体吐出装置。

請求項6

前記第2周波数帯域は、1MHzから8MHzの帯域周波数が含まれることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体吐出装置。

請求項7

前記制御回路は、前記駆動信号生成回路により前記駆動信号が生成されている場合は、非接触電力伝達回路による前記電力の伝達を停止することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液体吐出装置。

請求項8

請求項1乃至7のいずれか一項に記載の前記液体吐出装置と、給電装置とを備えた液体吐出システムであって、前記液体吐出装置は、受電部を備え、前記給電装置は前記受電部に非接触で送電する送電部を備えたことを特徴とする液体吐出システム。

請求項9

請求項1乃至7のいずれか一項に記載の前記液体吐出装置と、電子機器とを備えた液体吐出システムであって、前記液体吐出装置は、前記非接触電力伝達回路に送電部を備え、前記電子機器は前記送電部から非接触で電力の供給を受ける受電部を備えたことを特徴とする液体吐出システム。

技術分野

0001

本発明は、インクジェット式プリンター等のように液体吐出する液体吐出機能と、他の装置との間で非接触で電力を伝達する電力伝達機能とを有する液体吐出装置及び液体吐出システムに関する。

背景技術

0002

近年、圧電素子を用いたインクジェット式プリンター等の液体吐出装置においては、小型化省電力を追求して開発が進められており、圧電素子に印加する駆動信号駆動波形高周波スイッチング(例えば1〜8MHz)により生成する技術が普及している(例えば特許文献1)。特許文献1に記載の液体吐出装置では、デジタルアンプの技術を適用して、高周波スイッチングの周波数帯域を利用して駆動信号の波形生成を行う。

0003

その一方で、OA機器持ち運びおよび設置の自由度を高くしたい要求から、パーソナルコンピューターパソコン)およびプリンターなどに関しても、小型化の要求とともにワイヤレス給電の要求が高く、この種のOA機器においては、6.78MHzの周波数帯域を使用した電力伝送技術の開発が進んでいる(例えば特許文献2〜4等)。

0004

例えば特許文献2には、プリンターから他の電子デバイスへ、非接触で電力伝送を行う技術が開示されている。また、特許文献3には、プリンター内で非接触給電により電力伝送を行う技術が開示されている。さらに、特許文献4には、プリンターから着脱式部品への電力伝送を非接触で行う技術が開示されている。

先行技術

0005

特開2015−63119号公報
特開2004−262091号公報
特開2001−310457号公報
特開2000−58356号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、小型で省電力性に富み、持ち運びおよび設置の自由度が高い液体吐出装置を実現しようとした場合、必然的に特許文献1に記載の駆動信号生成技術と特許文献2〜4に記載のワイヤレス給電技術とを組み合わせれば実現できる。しかし、いずれの技術も高周波帯域を利用した技術であり、単に2つの技術を組み合わせて実現を図ろうとすると、使用周波数が一部で重複する都合上、共振等の電気的な干渉の問題が生じ、液体吐出装置が正常に動作できなくなる可能性がある。

0007

ここで、正常に動作できなくなる例としては、駆動信号がワイヤレス給電で使用される周波数帯域の電磁波の影響を受け、駆動信号の駆動波形が乱れ、駆動波形が乱れた結果として液体の非吐出エラーや誤吐出が発生し、印字品質が低下してしまう場合が挙げられる。また、正常に動作できなくなる他の例としては、ワイヤレス給電が駆動信号の波形生成時の高周波スイッチングの周波数帯域で発生する電磁波ノイズの影響を受け、充電に支障を来し、過充電又は充電不足がもたらされる場合が挙げられる。

0008

特許文献1は、単に吐出駆動に用いられる増幅回路に高周波スイッチングを行う回路(デジタルアンプ)に関する技術を開示しているが、ワイヤレス給電が併存する構成において、双方の使用周波数帯域の干渉に起因する課題および対策については開示していない。また、特許文献2〜4には、プリンターにおけるワイヤレス給電の技術が開示されているが、他の高周波スイッチング回路との干渉および干渉によって生じる課題とその対策については開示されてない。

0009

本発明の目的は、液体吐出部の駆動信号が電力伝達により受ける干渉を抑え、液体吐出結果物の品質を安定させることができる液体吐出装置及び液体吐出システムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体吐出装置は、駆動信号を受けて液体を吐出する液体吐出部と、第1周波数帯域の少なくとも一部を含む第2周波数帯域を用いて駆動信号を生成する駆動信号生成回路と、第1周波数帯域を用いて非接触にて電力の伝達を行う非接触電力伝達回路と、前記駆動信号生成回路と前記非接触電力伝達回路とを制御する制御回路とを有し、前記制御回路は、前記駆動信号生成回路により前記駆動信号が生成されている場合は、非接触電力伝達回路による前記電力の伝達を制限することが好ましい。

0011

この構成によれば、第1周波数帯域の少なくとも一部を含む第2周波数帯域を用いて駆動信号生成回路により生成された駆動信号を受けて液体吐出部は液体を吐出する。非接触電力伝達回路により、第1周波数帯域を用いて非接触にて電力の伝達(例えば送電又は受電)が行われる。駆動信号生成回路と非接触電力伝達回路とは制御回路により制御される。このとき、制御回路は、駆動信号生成回路により駆動信号が生成されている場合は、非接触電力伝達回路による電力の伝達が制限される。よって、駆動信号の生成が優先的に行われることで、駆動信号が電力伝達により受ける干渉を抑え、液体吐出結果物の品質(例えば印刷品質)を安定させることができる。

0012

上記液体吐出装置において、前記駆動信号生成回路と前記非接触電力伝達回路とを囲み、第1の面と、前記第1の面と対向する第2の面とを有する筐体を有し、前記駆動信号生成回路は、前記第2の面より前記第1の面寄りに配置され、前記非接触電力伝達回路は、前記第1の面より前記第2の面寄りに配置されていることが好ましい。

0013

この構成によれば、駆動信号生成回路は、筐体内で第2の面より第1面寄りに配置され、非接触電力伝達回路は、筐体内で第1の面より第2面寄りに配置されている。よって、筐体内で駆動信号生成回路と非接触電力伝達回路とが離れて位置するので、両者の電気的な干渉を抑えることができる。

0014

上記液体吐出装置において、前記非接触電力伝達回路は、前記液体吐出装置外の装置から前記液体吐出装置へ電力を伝送することが好ましい。
この構成によれば、非接触電力伝達回路により、液体吐出装置外の装置から液体吐出装置へ電力が伝送される。よって、液体吐出装置外の装置から液体吐出装置に非接触で電力を供給できる。

0015

上記液体吐出装置において、前記非接触電力伝達回路は、前記液体吐出装置から前記液体吐出装置外の装置へ電力を伝送することが好ましい。
この構成によれば、非接触電力伝達回路により、液体吐出装置から液体吐出装置外の装置へ電力が伝送される。よって、液体吐出装置から液体吐出装置外の装置に非接触で電力を供給できる。

0016

上記液体吐出装置において、前記駆動信号生成回路は、デジタルアンプを用いた増幅回路を含むことが好ましい。
この構成によれば、デジタルアンプの高周波数帯域でも、干渉(例えば共振)を回避できる。

0017

上記液体吐出装置において、前記第2周波数帯域は、1MHzから8MHzの帯域周波数が含まれることが好ましい。
この構成によれば、液体吐出部に与えられる駆動信号の生成に必要な第2周波数帯域が1〜8MHzの帯域を含む場合に、第2周波数帯域に少なくとも一部が含まれる電力伝達用の第1周波数帯域を用いても、共振等の干渉を回避できる。駆動信号の波形を急峻に変化させたいときは、1〜8MHzを含む第2周波数帯域のうち、高い周波数の帯域を使用し、それ以外のときはその周波数よりも低い周波数の帯域が使用される場合がある。この場合、急峻な波形が不要な場合や、急峻な波形の精度が多少低下しても許容される場合は、この第2周波数帯域を一部制限することにより、共振等の干渉を回避できる。

0018

上記液体吐出装置において、前記制御回路は、前記駆動信号生成回路により前記駆動信号が生成されている場合は、非接触電力伝達回路による前記電力の伝達を停止することが好ましい。

0019

この構成によれば、駆動信号生成回路により前記駆動信号が生成されている場合は、非接触式電力伝達回路による電力の伝達が停止されることで、電力の伝達が制限される。よって、駆動信号生成回路と非接触式電力伝達回路との電気的な干渉を抑制でき、非接触電力伝達機能を有する割に液体吐出結果物の高い品質を得ることができる。

0020

上記課題を解決する液体吐出システムは、上記液体吐出装置と、給電装置とを備えた液体吐出システムであって、前記液体吐出装置は、受電部を備え、前記給電装置は前記受電部に非接触で送電する送電部を備えている。

0021

この構成によれば、液体吐出装置は、給電装置の送電部から供給された電力を、受電部にて非接触で受けることができる。よって、給電装置から供給された電力で液体吐出装置を充電できる。

0022

上記課題を解決する液体吐出システムは、上記液体吐出装置と、電子機器とを備えた液体吐出システムであって、前記液体吐出装置は、前記非接触電力伝達回路に送電部を備え、前記電子機器は前記送電部から非接触で電力の供給を受ける受電部を備えている。

0023

この構成によれば、液体吐出装置の送電部から電子機器の受電部に非接触で電力を供給できる。よって、液体吐出装置から供給した電力で電子機器を充電できる。

図面の簡単な説明

0024

第1実施形態における充電機能付きの液体吐出システムを示す斜視図。
プリンター内の部品レイアウトを示す図3の2−2線における模式平断面図。
プリンター内の部品レイアウトを示す図2の3−3線における模式正断面図。
単位ヘッドと吐出駆動系の一部とを示す模式底面図。
単位ヘッドにおける液体吐出部を示す模式断面図。
液体吐出システムの電気的構成を示すブロック図。
駆動信号生成回路の電気的構成を示す回路図。
駆動信号および印字データを示すタイミングチャート
元駆動信号のスペクトル解析図。
ヘッド駆動回路の電気的構成を示すブロック図。
電力伝達周波数帯域F2の全域駆動信号周波数帯域F1に含まれる場合の排他制御を説明する模式図。
電力伝達周波数帯域F2の一部のみ駆動信号周波数帯域F1に含まれる場合の排他制御を説明する模式図。
液体吐出システムにおける給電システムの電気的構成を示すブロック図。
駆動信号生成処理を優先する排他制御を示すフローチャート
電力伝達処理を優先する排他制御を示すフローチャート。
第2実施形態における充電機能付きの液体吐出システムを示す斜視図。
プリンター内の部品レイアウトを示す図18の17−17線における模式平断面図。
プリンター内の部品レイアウトを示す図17の18−18線における模式正断面図。
液体吐出システムにおける給電システムの電気的構成を示すブロック図。

実施例

0025

(第1実施形態)
以下、液体吐出装置及び液体吐出システムの第1実施形態を、図面を参照して説明する。

0026

図1に示すように、非接触式充電機能付きの液体吐出システム10は、液体吐出装置の一例であるプリンター11と、プリンター11に非接触で電力を供給する非接触給電機能を有する給電装置30とを備える。プリンター11は、液体の一例としてインクを吐出するインクジェット式プリンターである。給電装置30は、プリンター11を載置可能な載置面31Aを有するトレイ状給電用パッド31を有している。給電装置30は、商用交流電源200から入力した交流直流に変換した所定電圧の電力を非接触で供給可能な送電ユニット32を備える。また、プリンター11は、パッド31に載置された状態で送電ユニット32と対向する位置に受電ユニット22を備える。プリンター11をパッド31の載置面31A上に載置すると、給電装置30側の送電ユニット32からプリンター11側の受電ユニット22へ非接触で給電が行われる。つまり、プリンター11は、給電装置30から非接触で電力を受電する。なお、本実施形態では、給電装置30が、液体吐出装置に電力を伝送する「液体吐出装置外の装置」の一例に相当する。

0027

図1に示すプリンター11は、略直方体形状を有する筐体12と、筐体12の前面(図1では右面)に設けられてユーザー入力操作に用いられる操作パネル13とを備える。操作パネル13は、液晶パネル等よりなる表示部14及び複数の操作スイッチからなる操作部15を備える。操作部15には、プリンター11の電源オンオフする際に操作される電源スイッチ15a、及び表示部14に表示されたメニュー画面で所望の項目選択操作する際に操作される選択スイッチ15bなどが含まれる。

0028

図1に示すように、筐体12の前面における操作パネル13の下側位置には、用紙等の媒体Pを複数枚収容可能な給送カセット16が着脱可能(挿抜可能)な状態で装着されている。給送カセット16に収容された複数枚の媒体Pは不図示の給送ローラー(例えばピックアップローラー)により一枚ずつ送り出される。その送り出された媒体Pは、媒体搬送用の搬送ローラーおよび搬送ベルトのうち少なくとも一方を備える搬送機構(図示略)により所定の搬送経路に沿って搬送方向Yに搬送される。図1に示すように、筐体12内の幅方向Xにおける一方の端部(図1の例では右端部)には、前述の給送ローラーの動力源となる給送モーター17および搬送機構の動力源となる搬送モーター18が配設されている。搬送モーター18は、液体吐出ヘッド20の吐出部D(図4参照)により液体(インク)が吐出される液体吐出対象の媒体Pを搬送する動力を搬送機構へ出力する。

0029

また、筐体12内には、液体吐出ヘッド20が搬送方向Yと交差する主走査方向Xに延びる状態で架設されている。液体吐出ヘッド20は例えばラインヘッドであり、想定最大幅の媒体Pの幅よりも主走査方向Xに若干長い長さ寸法を有し、媒体Pの幅方向全域に一斉にインク滴を吐出可能な複数のノズル27a(図4参照)を有する。液体吐出ヘッド20は、所定の搬送速度で搬送方向Yに搬送される媒体Pに対しその幅方向全域に亘るライン状の範囲を吐出範囲としてインク滴を一定の時間間隔ごとに吐出する。媒体Pの表面にインク滴が着弾してできたインクドットにより、媒体Pに画像や文書印刷される。印刷済みの媒体Pは、筐体12に収容された給送カセット16の前部に開閉可能に設けられたカバー21の開状態露出する排出口から、図1白抜き矢印で示す方向へ排出される。排出された印刷済みの媒体Pは、例えば排出口の下側から前方へ延出する不図示のスタッカー(媒体受けトレイ)上に積載される。

0030

本実施形態のプリンター11は、充電式バッテリー19を内蔵する。プリンター11は、図1に示す給電装置30のパッド31上に載置された状態で、充電が許可される時期に給電装置30から非接触で受電し、その受電した電力によりバッテリー19が充電される。パッド31には、プリンター11が載置される載置面31Aにおける所定箇所に送電ユニット32が送電部33と通信部34とを少なくとも一部露出させた状態で内蔵されている。パッド31の載置面31Aを囲む周縁部には、プリンター11をその載置面31A上の所定位置位置決め可能な位置決め用凸部31Bが、載置面31Aの少なくとも一部の辺に沿って延びる状態で突設されている。

0031

プリンター11の底部に設けられた受電ユニット22は、プリンター11がパッド31に載置された状態で、パッド31側の送電ユニット32とワイヤレス給電可能に非接触で対向する。本例では、受電ユニット22は、筐体12内の幅方向X(主走査方向X)の両端部のうち一方の端部の底部側に配置されている。

0032

図2及び図3に示すように、受電ユニット22は、プリンター11が給電装置30の載置面31Aに載置された状態で、プリンター11の底部における、送電ユニット32側の送電部33と対向する位置に露出する受電部23と、送電ユニット32側の通信部34と対向する位置に露出する通信部24とを有している。このように本実施形態の液体吐出システム10は、送電ユニット32を有する給電装置30と、受電ユニット22を有するプリンター11とを備える。

0033

図1に示すように、筐体12内には、液体吐出ヘッド20にインク滴を吐出させるために送信される駆動信号を生成する駆動信号生成回路58(図6図7を参照)を含む各種の回路部が実装された回路基板25が設けられている。本例では、回路基板25は、筐体12内における液体吐出ヘッド20の長手方向(幅方向X)において、受電ユニット22が配置された一方の端部と反対側となる他方の端部に配置されている。つまり、駆動信号生成回路58が実装された回路基板25と受電ユニット22とは、筐体12内の幅方向Xにおいて液体吐出ヘッド20の長手方向の両端部よりも外側となる両端部(両サイド領域)にそれぞれ配置されている。

0034

図2及び図3に示すように、プリンター11の筐体12は、その外壁面として幅方向Xに対向する第1面41(右面)および第2面42(左面)と、搬送方向Y(前後方向)に対向する第3面43(前面)および第4面44(後面)とを有する。さらに筐体12は、プリンター11の高さ方向(図3における上下方向)に対向する第5面45(底面)と第6面46(上面)とを有する。回路基板25(駆動信号生成回路58)は、筐体12内において第2面42よりも第1面41寄りの位置に配置されている。また、受電ユニット22(非接触式受電回路57)は、筐体12内において第1面41よりも第2面42寄りの位置に配置されている。

0035

図2及び図3に示すように、筐体12内の幅方向Xに媒体Pの想定最大幅に相当する広さの中央部分は、液体吐出ヘッド20、媒体Pの搬送機構(搬送ローラー等)等が配置されると共に媒体Pの搬送および媒体Pへの印刷が行われる印刷用スペースPSに使用されている。また、筐体12における印刷用スペースPSの下方は、給送カセット16を収納可能な収納凹部12Aとなっている。そして、筐体12内には、印刷用スペースPSの幅方向Xの両側、つまり液体吐出ヘッド20を間に挟むその長手方向(幅方向X)の両側には、搬送方向Yに沿って延びると共に幅方向Xに若干狭い直方体形状の第1収容スペースSA1(第1サイド領域SA1)と第2収容スペースSA2(第2サイド領域SA2)とが設けられている。

0036

図2図3に示すように、筐体12内には、各種の部品等を支持する金属製のフレーム47が設けられている。フレーム47の材質は、例えば鉄系金属またはアルミ系金属からなる。筐体12内に配置された金属製のフレーム47には、液体吐出ヘッド20が支持されている。駆動信号生成回路58が実装された回路基板25と、非接触式受電回路57を備えた受電ユニット22とは、フレーム47を挟んで互いに反対側に配置されている。

0037

フレーム47は、印刷用スペースPSに幅方向Xに延びるように横架されたメインフレーム部47Aと、筐体12の底面(内壁底面)から立設すると共にメインフレーム部47Aの長手方向(横架方向)と交差する方向(搬送方向Yと平行な方向)に沿って延びる左右の板状のサイドフレーム部47B,47Cとを有する。左右のサイドフレーム部47B,47Cは、メインフレーム部47Aとその長手方向両端部でそれぞれ連結されている。左右のサイドフレーム部47B,47Cは、筐体12内を、印刷用スペースPSと第1収容スペースSA1と第2収容スペースSA2とに区画している。なお、本実施形態では、メインフレーム部47Aにより「第1フレーム部」の一例が構成され、右側のサイドフレーム部47Bにより「第2フレーム部」の一例が構成され、左側のサイドフレーム部47Cにより「第3フレーム部」の一例が構成される。

0038

印刷用スペースPSには、液体吐出ヘッド20がメインフレーム部47Aに支持された状態で横架されている。また、第1収容スペースSA1には、給送モーター17、搬送モーター18等の給搬送系の動力源、搬送モーター18の動力を搬送機構に伝達する動力伝達機構ギヤ列等)および搬送モーター18の回転量を検出するエンコーダー(いずれも図示略)等が、例えばサイドフレーム部47Bに支持された状態で収容されている。

0039

回路基板25は、筐体12内の第1収容スペースSA1に、例えばサイドフレーム部47Bに支持された状態で配置されている。また、受電ユニット22は筐体12内の第2収容スペースSA2に、フレーム47を構成する不図示の金属製の底板部に組み付けられた状態で配置されている。より詳しくは、回路基板25は、給搬送系のモーター17,18と同じ第1収容スペースSA1に収容されている。また、受電ユニット22は、バッテリー19と同じ第2収容スペースSA2に収容されている。このように、筐体12内において、回路基板25と受電ユニット22は、幅方向Xに液体吐出ヘッド20の両端面よりも外側に位置し、幅方向Xに液体吐出ヘッド20を間に挟む両側に、液体吐出ヘッド20の長さ以上の距離を隔ててそれぞれ配置されている。換言すれば、回路基板25と受電ユニット22は、筐体12内の幅方向Xにおいて、液体吐出ヘッド20が液体を吐出可能な液体吐出可能領域(印刷可能領域)を挟む両側に、液体吐出可能領域の長さ以上の距離を隔ててそれぞれ配置されている。

0040

駆動信号生成回路58が実装された回路基板25と、非接触式受電回路57を有する受電ユニット22は、左右のサイドフレーム部47B,47Cを挟んで互いに反対側に配置されている。このため、駆動信号生成回路58が駆動信号COMを生成する過程で発生する第2周波数帯域の電波と、非接触式受電回路57が非接触での電力伝達時(受電時)に生成する第1周波数帯域の電波とが、金属製のサイドフレーム部47B,47Cによって遮蔽される。よって、回路基板25で生成され液体吐出ヘッド20へ送信される駆動信号COMが、給電装置30における送電ユニット32の送電部33と受電ユニット22の受電部23との間で非接触で伝送される第1周波数帯域の電波との共振等により電気的な干渉を受けることを、一層効果的に抑制可能となっている。また、送電ユニット32の送電部33と受電ユニット22の受電部23との間で非接触で伝送される第1周波数帯域の電波が、駆動信号COMの生成時に回路基板25および信号伝送系から放射される第2周波数帯域の電波との共振等により電気的な干渉を受けることを、一層効果的に抑制可能となっている。

0041

図3に示すように、筐体12内の第1収容スペースSA1の底面に相当する箇所には、金属製の板状のボトムフレーム部47Dが配置されている。サイドフレーム部47Bに組み付けられた回路基板25は、金属製のフレーム部47B,47Dにより2方向で遮蔽されているが、遮蔽されていない方向では、筐体12の外周面である第1面41と第5面45から内方へ離れて位置する。一方、受電ユニット22は、サイドフレーム部47Cにより遮蔽されている方向以外の他の方向のうち電力伝達が行われる方向(図3では下側)では、筐体12の外周面である第5面45寄りに配置されている。すなわち、回路基板25は、フレーム部47B,47Dにより遮蔽されていない面(図3における右側面および上側面)が、受電ユニット22の受電部23側の面よりも、筐体12の外周面(第5面45)に対して内方へより離間した位置に配置されている。

0042

ここで、駆動信号と電力伝達用の第1周波数帯域の電波との干渉および電力伝達用の電波と駆動信号生成時に発生する第2周波数帯域の電波との干渉を回避するための対策として、受電ユニット22(又は非接触式受電回路57)と、回路基板25とをそれぞれ全周囲を金属製のボックス等で遮蔽すればよい。しかし、受電ユニット22を完全に遮蔽してしまうと給電装置30からプリンター11への円滑な給電が阻害されてしまう。また、受電ユニット22を筐体12の外周面から内方へ離れた位置に配置すると、給電装置30からの受電がしにくくなる。そのため、受電ユニット22の少なくとも受電部23のある面は、金属製のフレーム部により遮蔽することなく開放すると共に、筐体12の外周面近くに配置することにより第1周波数帯域の電波の受電をし易くしている。一方、回路基板25は、筐体12の外周面よりも内方へ離れた位置に配置することで、筐体12の外側からの電波の影響を受けにくくしている。

0043

なお、プリンター11は、液体吐出ヘッド20がラインヘッドであるラインプリンター替え、主走査方向に移動可能なキャリッジに液体吐出ヘッドを備えたシリアルプリンターでもよい。シリアルプリンターの場合、筐体内の幅方向においてキャリッジが移動して液体を吐出可能な液体吐出可能領域を間に挟む両側の第1収容スペースSA1と第2収容スペースSA2に、駆動信号生成回路58を含む回路基板25と受電ユニット22とをそれぞれ配設し、上記の条件を満たすように配置すればよい。

0044

図2及び図3に示すように、受電ユニット22は、その本体22Aの一面に露出する受電部23と通信部24とを備える。そして、受電ユニット22は、受電部23と通信部24が筐体12の底板の貫通孔から外側(底面側)に露出させた状態で配設されている。また、図2に示すように、液体吐出ヘッド20には、複数の単位ヘッド26が所定の配置パターンで配列されてなる、所謂マルチヘッドタイプのものを採用している。図2の例では、複数の単位ヘッド26は、二列が幅方向Xに一定ピッチで配置されるとともに列間で互いに半ピッチずれた配置パターンで配列されている。なお、液体吐出ヘッド20は、1つの長尺状の単位ヘッドを備えた構成でもよい。

0045

図4に示すように、単位ヘッド26のノズル開口面26a(底面)に設けられたn個のヘッド列部27は、n列図4では4列)のノズル列N1〜Nnを1列ずつ備える。各ノズル列N1〜Nnは、媒体Pの搬送方向Yと交差する方向(ノズル列方向)に一定のノズルピッチで一列に配列されたF個(図4の例ではF=180)のノズル♯1〜♯Fによりそれぞれ構成されている。なお、ノズル列を構成するノズル♯1〜♯Fの配列は、1列配列に限らず、2列が半ピッチずつずれたジグザグ状でもよい。

0046

本例では、n個のノズル列N1〜Nnは、異なる色のインク滴を吐出するものか、あるいは同一色のインク滴を吐出するものである。前者の場合は、n列のノズル列N1〜Nnが異なる色のインク滴を吐出する。図4の例のようにn=4の場合、4列のノズル列N1〜N4は、各々のノズル27aから黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の4色のインク滴を吐出する。

0047

図4に示すように、ヘッド列部27には、各ノズル27aと対応する吐出駆動素子28が、ノズル列毎ノズル数同数内蔵されている。そして、ノズル列毎の複数の吐出駆動素子28により吐出駆動素子群29が構成される。但し、図4では単位ヘッド26の外側に、ノズル27aに対応する一部の吐出駆動素子28を模式的に描いている。吐出駆動素子28は、例えば圧電振動子又は静電駆動素子からなり、所定波形の駆動信号COM(図8参照)が印加されると、電歪作用又は静電駆動作用により、ノズル27aに連通するインク室図5キャビティー174)の内壁部の一部を構成する後述の振動板175(図5参照)を振動させる。この振動板175の振動によりインク室を膨張圧縮させることによりノズル27aからインク滴が吐出される。

0048

図4に示すように、ノズル列N1〜Nnに対応するヘッド列部27は、ノズル27aと吐出駆動素子28とを有する吐出部D1〜Dnを、複数個(F個)ずつ備えている。n=4である本例の場合、ノズル列N1〜N4に対応する各ヘッド列部27は、ノズル27aと吐出駆動素子28とを有する吐出部D1〜D4を、例えば180個ずつ備えている。なお、吐出部D1〜D4を特に区別しない場合は、単に「吐出部D」と記す。なお、本実施形態では、駆動信号を受けて液体を吐出する吐出部Dにより、液体吐出部の一例が構成される。

0049

次に図5を参照して、単位ヘッド26のノズル27aからインク滴を吐出する吐出部Dの構成について説明する。図5では、単位ヘッド26に設けられた複数個のノズル27aと同数個設けられた吐出部Dのうち1個の吐出部Dと、この1個の吐出部Dにインク供給口181を通じて連通するリザーバー182と、インクカートリッジインクタンク等のインク供給源(図示略)からリザーバー182にインクを供給するためのインク供給流路183とを示している。

0050

図5に示すように、吐出部Dは、吐出駆動素子28の一例である圧電素子170と、内部にインクが充填されたキャビティー174(インク室)と、キャビティー174に連通するノズル27aと、振動板175とを備えている。吐出部Dは、圧電素子170が駆動信号に基づく駆動電圧の印加により駆動され、キャビティー174内のインクをノズル27aから吐出させる。

0051

吐出部Dのキャビティー174は、凹部を有する所定形状に成形されたキャビティープレート176と、ノズル27aが形成されたノズルプレート177と、振動板175とにより区画される空間である。キャビティー174は、インク供給口181を通じてリザーバー182と連通している。リザーバー182は、インク供給流路183を通じて1つのインク供給源(図示略)と連通している。

0052

本実施形態では、圧電素子170として、例えば図5に示すようなユニモルフモノモルフ)型を採用する。圧電素子170は、下部電極171と、上部電極172と、下部電極171及び上部電極172の間に設けられた圧電体173とを有する。下部電極171は所定の基準電位Vsに設定され、上部電極172に駆動信号が供給されることで、下部電極171及び上部電極172の間に電圧が印加される。この印加電圧に応じて圧電素子170は図5における上下方向に撓んで振動する。

0053

キャビティープレート176の上面開口部を閉塞する状態に設置された振動板175には、圧電素子170の下部電極171が接合されている。このため、圧電素子170が駆動信号により振動すると、振動板175も振動する。そして、振動板175の振動によりキャビティー174の容積(キャビティー174内の圧力)が変化し、キャビティー174内に充填されたインクがノズル27aより吐出される。

0054

インクの吐出によりキャビティー174内のインクが減少した場合、リザーバー182からキャビティー174へインクが供給される。また、リザーバー182へはインク供給源からインク供給流路183を通じてインクが供給される。

0055

次に図6を参照して、充電式液体吐出システムの電気的構成について説明する。
ここでは、プリンター11を制御する制御装置(回路)は、回路基板25(メイン基板)(図1)に実装された複数の回路部から構成されている。

0056

プリンター11は、コントローラー50(制御装置)、液体吐出ヘッド20に内蔵されたヘッド基板51、媒体を給送する給送装置駆動源である給送モーター17、媒体を搬送する搬送装置の駆動源である搬送モーター18およびバッテリー19を備える。なお、ヘッド基板51は、例えば複数の単位ヘッド26に共通の1つが設けられていてもよいし、単位ヘッド26毎に設けられていてもよい。

0057

コントローラー50は、インターフェイス回路52、制御回路53、ヘッド制御回路54、モーター駆動回路55,56および非接触式受電回路57を備える。インターフェイス回路52は、ホスト装置100から入力される印刷データを制御回路53で処理可能なデータに整えて制御回路53に送信する。ホスト装置100は、例えばパーソナルコンピューター(以下「PC」ともいう。)により構成されている。なお、ホスト装置100は、PCに限らず、携帯情報端末(PDA(Personal Digital Assistants))、タブレットPC又はスマートフォン等のスマートデバイスなどでもよい。

0058

制御回路53は、コンピューターにより構成され、CPU61(Central Processing Unit)、記憶部としてROM(Read-Only Memory)62、およびRAM63(Random Access Memory)を内蔵している。ROM62には、プリンター11の動作を制御するための様々な制御プログラム、および付随するデータなどが記憶されている。なお、付随するデータには、液体吐出ヘッド20の圧電素子170(図5)を駆動するための駆動信号データのデータテーブルも含まれている。当該テーブルには、解像度ドットサイズ)、階調、色調などに応じた複数の駆動信号データが格納されている。

0059

RAM63には、入力された印刷データ、および印刷データを印刷する際に必要な処理データなどが一時的に格納される。また、印刷処理などのプログラムが一時的に展開されることもある。なお、この構成に限定するものではなく、ROM、およびRAMを含んだMCU(Micro Controller Unit)など、1チップ専用システムIC(IntegratedCircuit)を用いてもよい。

0060

さらに、制御回路53では、インターフェイス回路52を介して入力された印刷データを印字データと駆動信号データとの2つに区分け(生成)して、これらをヘッド制御回路54に送信する。ヘッド制御回路54は、入力した駆動信号データを基に駆動信号を生成する駆動信号生成回路58を備える。そして、ヘッド制御回路54は、印字データと駆動信号COM(図8参照)とを、フレキシブル配線基板59(以下「FPC59」という。)を介してヘッド基板51に送信する。印字データは、液体吐出ヘッド20を構成する単位ヘッド26における圧電素子170(図5)のON/OFF切り替えや、吐出タイミングの制御といった情報である。駆動信号データSDは、単位ヘッド26の圧電素子170(図5)に印加する電圧(駆動信号)の情報である。なお、図6では、簡略化して1つの単位ヘッド26(図4)を駆動するための1つのヘッド制御回路54を図示しているが、実際は、単位ヘッド26(ヘッド基板51)の数に対応した数のヘッド制御回路54が、回路基板25(図1図3を参照)に実装されている。また、駆動信号生成回路58の詳細な回路構成については後述する。

0061

モーター駆動回路55は、給送ローラーを回転駆動する給送モーター17の駆動回路であり、制御回路53からの制御信号に基づいて給送モーター17を駆動する。また、モーター駆動回路56は、搬送ローラーを回転駆動する搬送モーターの駆動回路であり、制御回路53からの制御信号に基づいて搬送モーター18を駆動する。

0062

図6に示すように、給電装置30が備える送電ユニット32は、制御部35と非接触式送電回路36とを備える。非接触式送電回路36は、例えば商用交流電源200から入力した交流電力をAC/DC変換した直流電力を基に所定周波数パルス電圧を生成する。非接触式送電回路36は、所定周波数のパルス電流を送電部33に流すことで、送電部33から受電部23へ非接触で電力を供給する。また、非接触式送電回路36は、プリンター11側の通信部24と近距離無線通信を行う通信部34を備える。なお、給電装置30のパッド31の載置面31Aにプリンター11を載置した状態では、送電部33と受電部23とが非接触で対向すると共に、通信部24,34が非接触で対向して配置される。

0063

図6に示す非接触式受電回路57は、受電ユニット22に内蔵されている。制御回路53は、通信部24,34間の無線通信を介して送電ユニット32側の制御部35に非接触式送電回路36による給電(送電)の開始および給電の停止を指示する。また、制御回路53は、駆動信号生成回路58と非接触式受電回路57との間で駆動させるべきタイミングが重なった場合、駆動信号生成回路58と非接触式受電回路57とうち一方を優先的に駆動させ、他方の駆動を制限する排他制御を行う。制御回路53は、非接触式受電回路57による受電が必要なときは、通信部24,34を介して給電装置30に備えられた送電ユニット32内の非接触式送電回路36に対して、給電の開始を要求し、受電が不要なときは、給電の停止を要求する。制御部35は、制御回路53から通信部24,34を介して給電開始要求を受け付けると、非接触式送電回路36を駆動させて送電部33(送電用コイル)に所定周波数のパルス電流を供給する。送電部33(送電用コイル)に所定周波数のパルス電流が流れることで、受電部23に同じ所定周波数のパルス電流が流れ、これにより受電部23は送電部33から電力の供給を受ける。また、制御部35は、制御回路53から通信部24,34を介して給電停止要求を受け付けると、非接触式送電回路36の駆動を停止させ、送電部33(送電用コイル)への所定周波数のパルス電流の供給を停止する。その結果、送電部33における所定周波数のパルス電流の供給が停止し、受電部23への送電部33からの電力の供給が停止される。なお、本実施形態では、非接触式受電回路57が、非接触電力伝達回路の一例に相当し、電力の伝達の一例として受電を行う。

0064

次に、図7を参照して、ヘッド制御回路に備えられた駆動信号生成回路58の構成について詳細に説明する。
駆動信号生成回路58は、駆動IC64、スイッチング回路65、フィルター回路66などから構成された、いわゆるD級アンプ(デジタルアンプ)である。

0065

駆動IC64は、制御回路53から供給されるデジタル形式の駆動信号データSDをD/A変換して元駆動信号DSを生成する。さらに駆動IC64は、元駆動信号DSに対してパルス密度変調を行い、生成された変調データに基づいてスイッチング回路65をスイッチング駆動する。駆動IC64は、記憶部67、制御部68、D/A変換部69、三角波発振器70、比較器71、ゲートドライブ回路72などから構成されている。

0066

記憶部67は、RAMであり、デジタル電位データなどで構成される駆動信号データSDを記憶する。
制御部68は、記憶部67から読み込んだ駆動信号データを電圧信号に変換して所定サンプリング周期ホールドすると共に、後述する三角波発振器70に向けて三角波信号の周波数や、駆動信号、および駆動信号出力タイミングなどを指示する。また、ゲートドライブ回路72の動作を停止する動作停止信号SS(動作時:ハイレベル)も出力する。

0067

D/A変換部69は、制御部68から出力される電圧信号をアナログ変換して元駆動信号DSとして出力する。つまり、記憶部67、制御部68、およびD/A変換部69で、元駆動信号生成回路の機能を果たしている。

0068

三角波発振器70は、制御部68の指示に基づく周波数、駆動信号、および駆動信号出力タイミングに応じて、基準信号となる三角波信号を出力する。
比較器71は、D/A変換部69から出力される元駆動信号DSと、三角波発振器70から出力された三角波信号とを比較し、元駆動信号DSが三角波信号より大きいときにオンデューティとなるパルスデューティ変調信号高周波)を出力する。このように、三角波発振器70、および比較器71で、変調回路(A/Dコンバーター)の機能を果たしている。

0069

ゲートドライブ回路72は、比較器71からの変調信号に基づき、後述するスイッチング回路65の2つのトランジスター74,77のいずれかを選択的にオンとする。換言すれば、スイッチング用のトランジスター74,77を交互にスイッチング(ON/OFF)駆動する。なお、制御部68からの動作停止信号SSがローレベルの場合には、2つのトランジスター74,77ともにオフとする。

0070

スイッチング回路65は、2つのトランジスター74,77、コンデンサー78、抵抗79、コンデンサー80、抵抗81などから構成されている。なお、ゲートドライブ回路72とスイッチング回路65とで、デジタル電力増幅回路の機能を果たしている。

0071

トランジスター74は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、ゲート端子はゲートドライブ回路72のハイサイド側出力端子GHに接続され、ソース端子ハーフブリッジ出力段となる中間ノード75(中間電位75ともいう)に接続され、ドレイン端子はVDDに接続されている。好適例として、出力端子GHとゲート端子との間には、抵抗73が挿入(介在)されている。

0072

トランジスター77は、MOSFETであり、ゲート端子はゲートドライブ回路72のローサイド側の出力端子GLに接続され、ソース端子はGNDに接続され、ドレイン端子は中間ノード75に接続されている。好適例として、出力端子GLとゲート端子との間には、抵抗76が挿入(介在)されている。なお、抵抗73,76は、ゲート端子への過電流を防止するための、過電流防止抵抗である。

0073

また、好適例として、トランジスター74のソース端子とドレイン端子との間には、コンデンサー78、抵抗79が、この順番直列に接続されている。同様に、トランジスター77のソース端子とドレイン端子との間には、コンデンサー80、抵抗81が、この順番で直列に接続されている。これらのコンデンサー、抵抗は、スイッチング時の高周波ノイズを低減するための回路である。なお、この構成に限定するものではなく、2つのトランジスター74,77だけの構成であっても良い。

0074

スイッチング回路65の出力信号は、中間ノード75からフィルター回路66に出力される。この出力信号は、変調信号を増幅した増幅変調信号であり、GNDを基準としたVDD電位波高)のパルス方形波)が連続した高周波パルス信号となる。

0075

フィルター回路66は、コイル82、コンデンサー83などから構成されたローパスフィルターである。
コイル82の一端は中間ノード75に接続されており、他端はコンデンサー80の一端に接続されている。コンデンサー80の他端はGNDに接続されている。そして、コイル82の他端は駆動信号COMの出力ラインとなる。詳しくは、スイッチング回路65からフィルター回路66に入力された増幅変調信号は、高周波域カットされ、元駆動信号DSを増幅したアナログ信号復調されて駆動信号COMとなり、FPC59を介してヘッド基板51に供給される。

0076

次に、図8を参照して、駆動信号および印字データの一例を説明する。
ここでは、ヘッド制御回路54内の駆動信号生成回路58が生成する駆動信号(波形)について説明する。代表的な駆動信号COMは、波形PCOM2のように中間ノード75の中間電位Voから立ち上り、暫く高電位(VDD)を維持した後、中間電位Voを下回って立ち下り、暫く低電位(GND)を維持した後、再度中間電位Voまで立ち上り、暫く中間電位Voを維持する波形である。また、波形PCOM1のように、中間電位Voから立ち上り、暫く高電位を維持した後、中間電位Voまで立ち下り、暫く中間電位Voを維持する波形も駆動波形である。つまり、駆動信号COMは、時系列で連続する単位波形PCOM1,PCOM2,PCOM3…から構成されている。

0077

ヘッド制御回路54は、駆動信号生成回路58により駆動信号COMを生成する他、ラッチ信号LATおよびチャンネル信号CHを生成する。ラッチ信号LATは、1ドット分(1画素分)のインク滴を吐出する周期である印刷周期開始時期を規定するパルス信号である。また、チャンネル信号CHは、印刷周期内における複数の単位波形PCOM1,PCOM2,PCOM3,PCOM4の切り換わりタイミングを規定するパルス信号である。ヘッド制御回路54は、駆動信号COMをラッチ信号LATおよびチャンネル信号CHと同期させて単位ヘッドに出力すると共に、印字データSI,SPを単位ヘッド26に出力する。

0078

波形PCOM2の場合、立ち上り部分がノズル27a(図5)に連通するキャビティー174(図5)の容積を拡大してインクを引き込む(インクの吐出面を考えればメニスカスを引き込む)段階であり、立ち下がり部分がキャビティー174の容積を縮小してインクを押出す(メニスカスを押出す)段階となる。この動作によりインク滴がノズル27aから吐出される。また、波形PCOM1は、微振動と呼ばれる単位波形であり、ノズル27a付近のインクを吐出しないレベル揺動(メニスカスを出し入れ)することで、インクを攪拌して増粘を抑制するための波形である。

0079

また、単独の波形PCOM2だけでインク滴を吐出させてもよい。電圧台形波からなる波形PCOM2の電圧増減傾きや、波高値を種々に変更することにより、インクの引き込み量や引き込み速度、押し出し量押し出し速度を変化させることが可能となり、異なる大きさのインク滴を得ることができる。

0080

図8の駆動信号COMのように、複数の駆動波形を時系列的に連結することにより、先に着弾したインクが乾かないうちに、次のインク滴を同じ位置に着弾させることができるため、印刷ドットのサイズを大きくすることも可能となる。このような技術の組合せによって多階調化を図ることが可能となる。

0081

図8に示すように、印字データSI,SPは、吐出データSIと波形選択用の定義データSPとからなる。吐出データSIは、1画素(ドット)当たり2ビットで表されるドットデータ(HL)のうち上位ビットHのみを180ノズル分集めた上位ビットデータSIHと、下位ビットLのみを180ノズル分集めた下位ビットデータILとにより構成される。定義データSPは、吐出データSI中の2ビットのドットデータ(HL)と、駆動信号COM中の単位波形PCOM1,PCOM2,PCOM3,PCOM4のうち選択される1つの波形との対応関係を示す所定ビット数(例えば4ビット)のデータである。また、吐出データSIのドットデータ(HL)は、非吐出、小ドット、中ドット、大ドットからなる4階調を表す。なお、吐出データSIのドットデータは、非吐出と吐出(ドット)とからなる2階調を表わすものでもよい。

0082

続いて、駆動信号COMの波形品質などについて、図7を参照しつつ説明する。
前述した通り、駆動信号COMは、D/A変換部69で生成された元駆動信号DSを増幅した信号である。詳しくは、駆動信号COMは、振動幅(peak to peak)が数ボルト(例えば約3V)の元駆動信号DSを数十ボルト(例えば約42V)の振動幅に増幅した信号である。例えば、波形PCOM2は、元駆動信号DSにおける波形を増幅した波形である。

0083

ここで、駆動信号COMの波形品質(増幅前後の相似度合)は、元駆動信号DSの波形を、ジャギーを抑えて略忠実再現したものとなっている。
これは、パルス密度変調方式を採用しているからである。詳しくは、例えば電源電圧42Vとしたときに、駆動信号COMの振動幅は約2〜37Vと広いレンジが必要となる。波形品質を確保してパルス変調を行うためには、メガヘルツオーダーの高周波の変調信号で駆動することが求められるが、実験結果によれば、周期が一定のパルス幅変調方式よりも、パルス密度変調方式の方が、より高周波駆動に適しているからである。なお、一般のオーディオ機器では、32kHz〜400kHz程度の周波数が用いられている。また、パルス密度変調方式に限定するものではなく、メガヘルツオーダーの高周波駆動に対応可能な変調方式であればよい。

0084

次に、図9を参照して、元駆動信号DSのスペクトル解析について説明する。詳しくは、図8の元駆動信号DSにおける波形COMA(増幅後の波形PCOM2)を周波数スペクトル解析した図である。グラフG1に示すように、周波数スペクトル解析された元駆動信号DSの波形COMAには約10kHz〜400kHz程度の周波数が含まれていることが分かる。

0085

駆動信号をデジタルアンプで増幅するためには最低でも増幅前の駆動信号に含まれる周波数成分の10倍以上のスイッチング周波数でデジタルアンプを駆動させてやる必要がある。もし、駆動信号に含まれる周波数スペクトルに比して、デジタルアンプのスイッチング周波数が10倍未満である場合、駆動信号に含まれる高周波スペクトル成分を変調し増幅することができず、駆動信号の角(エッジ)が鈍り丸くなってしまう。駆動信号が鈍ると波形の立ち上り、立ち下りエッジに応じて動作する圧電素子の動き緩慢になり、吐出量が不安定になったり、吐出しなかったりする可能性がある。つまり、不安定な駆動が発生してしまう虞がある。

0086

本実施形態においては、図9のグラフG1に示されるように約60kHzにピークを有し、多くの成分が100kHz未満にあるゆえ、最低でも100kHzの10倍である1MHz程度のスイッチング周波数で駆動可能なデジタルアンプであることが望ましい。

0087

ここで、元駆動信号に含まれる周波数成分は、吐出させるインク滴の大きさや、液体吐出ヘッド20(又は単位ヘッド26)のサイズに応じた元駆動信号の波形によって異なる。例えば、波形COMAは、標準よりも小さいサイズのインク滴を吐出させるための元駆動信号であるため、図9に示すように振動幅が約2V程度と小さくなっている。このように、小さいサイズのインク滴を吐出させるためには、圧電素子170を急峻に動かし少量のインク滴を吐出させなければいけない。そのため、駆動信号には、高周波スペクトル成分を多く含む必要があるゆえ、また、高速印刷を行うためには、圧電素子170を速く動かさなければいけない都合上、高周波スペクトル成分を多く含む必要がある。つまり、高速高画質印刷を追求すればするほど、要求される最低限度の周波数は高くなる傾向にある。

0088

なお、本実施形態における駆動信号COMは、一般的な家庭およびオフィスでの使用を目的として設計されたものであって、180個の圧電素子を用いて5760×1440dpi程度のA4サイズの印刷物を毎分5枚程度印刷することを想定して設計されたものである。

0089

また、スイッチング周波数が高い場合も異なる問題が発生する。圧電素子170を駆動させるような高圧、且つ、高周波でスイッチングを行おうとすると、スイッチング用のトランジスターの構造上の理由から、接合容量が増加しそれに起因するノイズが発生したり、高周波駆動によるスイッチング損失が増加したり、など種々の問題が発生してしまう。特に、デジタルアンプにおいてスイッチング損失の増加は大きな問題となり得る。つまり、スイッチング損失の増加は、デジタルアンプがAB級アンプ(アナログアンプ)と比して優位性を確保している省電力性・省発熱性というメリットが損なわれてしまう恐れがある。

0090

本実施形態においては、従来から使用していたアナログアンプ(AB級アンプ)と比した場合、8MHzまでは、デジタルアンプの方が優位であるとの結果が得られたが、それ以上の周波数でトランジスターを駆動させた場合には、AB級アンプの方が優位となることもあり得ることが解っている。

0091

これらを鑑みて、変調信号の周波数は、1MHz以上で、かつ、8MHz未満であることがより好ましい。本実施形態では、吐出部D(圧電素子170)の仕様や、吐出品質に応じて、1MHz以上、または、8MHz未満の範囲内で設定すればよい。

0092

次に図10を参照して、単位ヘッド26の電気的構成について説明する。図10に示すヘッド制御回路54は、制御回路53から受信した印字データSI,SPと、駆動信号生成回路58が生成した駆動信号COMと、ラッチ信号LATおよびチャンネル信号CHとを、FPC59を介して単位ヘッド26内のヘッド基板51に実装されたヘッド駆動回路90へ転送する。

0093

図10に示すように、ヘッド駆動回路90は、シフトレジスター91、ラッチ回路92、制御ロジック93、デコーダー94、レベルシフター95及びスイッチ回路96を備えている。

0094

ヘッド制御回路54は、印字データSI,SPを1ノズル列分ずつヘッド駆動回路90へ転送し、その転送された印字データSI,SPは、シフトレジスター91に1ノズル列分ずつ順次入力される。駆動信号生成回路58からのラッチ信号LATはラッチ回路92に入力され、チャンネル信号CHは制御ロジック93に入力される。また、駆動信号生成回路58からの駆動信号COMは、スイッチ回路96に入力される。

0095

シフトレジスター91には、1ノズル列に相当する例えば180ノズル分(180ビット)の印字データSI,SPが入力される。シフトレジスター91は不図示の第1シフトレジスター(第1SR)、第2シフトレジスター(第2SR)及び第3シフトレジスター(第3SR)を備える。第1SRには吐出データSIのうち上位ビットデータSIHが格納され、第2SRには下位ビットデータSILが格納される。また、第3SRには、定義データSPが格納される。

0096

ラッチ回路92は、シフトレジスター91(第1SRと第2SR)からの吐出データSI(SIH,SIL)をLAT信号に基づき保持し、印刷周期のタイミングでそれまで保持していた吐出データSIをデコーダー94へ出力する。

0097

制御ロジック93には、翻訳ルールのテーブルが格納されている。吐出データSIの2ビットの階調情報(HL)は、非吐出(微振動)が「00」、小ドットが「01」、中ドットが「10」、大ドットが「11」となっている。これらの2ビットの階調情報(HL)と、単位波形PCOM1,PCOM2,PCOM3,PCOM4との対応関係を定義付けるのが定義データSPである。この定義データSPに基づいて制御ロジック93及びデコーダー94を介して翻訳ルールに従った翻訳処理により、吐出データSI(階調情報HL)に応じたパルス選択情報がデコーダー94から出力される。

0098

デコーダー94は翻訳機能を有し、制御ロジック93からの翻訳ルール情報に基づいて、吐出データSIを構成する180ノズル(1ノズル列)分の上位ビットデータSIHと下位ビットデータSILの各組み合わせからなる階調情報を翻訳して、複数ビット(本例では4ビット)のパルス選択情報を180ノズル分出力する。

0099

例えばデコーダー94は、入力された吐出データSIが「00」のとき、第3の波形PCOM3を選択する旨の波形選択情報(0010)を出力する。また、デコーダー94は、吐出データSIが「01」のとき、第2の波形PCOM2を選択する旨の波形選択情報(0100)を出力する。さらにデコーダー94は、入力された吐出データSIが「10」のとき、第4の波形PCOM4を選択する旨の波形選択情報(0001)を出力する。デコーダー94は、入力された吐出データSIが「11」のとき、第1の波形PCOM1を選択する旨の波形選択情報(1000)を、スイッチ回路96へ出力する。4桁の波形選択情報は、その上位ビットから下位ビットに向かう降順の順番に、レベルシフター95を介してスイッチ回路96へ入力される。4桁の波形選択情報は、第1〜第4の波形PCOM1,PCOM2,PCOM3,PCOM4のそれぞれに対応しており、スイッチ回路96では、その値が「1」となった桁と対応する波形が選択される。

0100

レベルシフター95は、電圧増幅器として機能し、ビット値が「1」の場合に、スイッチ回路96を駆動可能な例えば数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。このスイッチ回路96の入力側には、駆動信号生成回路58からの駆動信号COMが供給されており、スイッチ回路96の出力側には吐出駆動素子28(圧電素子170)が接続されている。

0101

スイッチ回路96は、入力する駆動信号COMと、デコーダー94からレベルシフター95を介して入力する波形選択情報とに基づいてオン/オフを切り換えることで、第1〜第4の波形PCOM1,PCOM2,PCOM3,PCOM4のうち吐出データSI(HL)に応じた波形を選択して吐出駆動素子28に印加する。スイッチ回路96からの波形が吐出駆動素子28に印加されることにより、その印加された波形に応じた振動態様で吐出駆動素子28が駆動され、非吐出(微振動)以外のときはノズル27aからその振動態様に応じたサイズのインク滴が吐出される。

0102

次に図13を参照して、充電機能付きの液体吐出システムに備えられた非接触式給電システムの構成を説明する。非接触式給電システムは、プリンター11側の制御回路53および非接触式受電回路57と、給電装置30とにより構成される。

0103

図13に示すように、給電装置30は、制御部35と、非接触式送電回路36とを備える。非接触式送電回路36は、送電回路部37と通信回路38とを備える。送電回路部37は、商用交流電源200からの所定電圧の交流を所定電圧の直流に変換するAC/DC変換回路37A(AC/DCコンバーター)と、AC/DC変換回路37Aから出力される所定電圧の直流を所定周波数の電流に変換して送電部33(送電用コイル)へ供給する送電駆動回路37Bとを備える。通信回路38は、通信部34が送信する送信信号の生成と、通信部34が受信した受信信号を制御部35が処理しうる信号への変換とを含む通信処理を行う。そして、送電回路部37および通信回路38は、制御部35により制御される。なお、AC/DC変換回路37Aに替え、給電装置30外で商用交流電源200と接続される外部部品(AC/DCアダプター)を用いてもよい。

0104

図13に示すように、電力伝達部の一例である非接触式受電回路57は、受電回路部97と通信回路98とを備える。非接触式受電回路57は、受電部23が受電した所定周波数の電流を整流する整流回路97Aと、整流回路97Aで整流された電流を所定の電圧に調整(例えば降圧)する電圧調整回路97Bとを備える。電圧調整回路97Bが出力する所定電圧の電流によってバッテリー19は充電される。通信回路98は、通信部24,34間の通信のための通信部24が送信する送信信号の生成と、通信部24が受信した受信信号を制御回路53が処理できる信号への変換とを含む通信処理を行う。そして、受電回路部97および通信回路98は、制御回路53により制御される。

0105

例えば給電装置30に給電を行わせるとき、制御回路53は、通信部24,34間の通信で制御部35へ給電の開始を指示する。この給電の開始の指示を受け付けた制御部35は、非接触式送電回路36の送電回路部37を駆動させて送電部33に所定周波数の電流を供給することにより、送電部33と受電部23間における非接触給電を開始させる。また、例えば給電装置30による給電を停止させるとき、制御回路53は、通信部24,34間の通信で制御部35に対して給電の停止を指示(要求)する。この給電の停止の指示(要求)を受け付けた制御部35は、非接触式送電回路36の送電回路部37の駆動を停止させて送電部33への所定周波数の電流の供給を停止することにより、送電部33と受電部23間での非接触給電を停止させる。

0106

制御回路53は、回路基板25の駆動信号生成回路58と受電ユニット22(受電回路)との駆動タイミングが重なった場合、駆動信号生成回路58と受電ユニット22とのうち一方を優先して駆動させると共に、他方の駆動を制限する排他制御を行う。この排他制御を行うに当たり、制御回路53は、通信部24,34間の無線通信により制御部35に対して排他制御に関する指示を与える。

0107

この排他制御において回路基板25の駆動信号生成回路58と受電ユニット22の非接触式受電回路57とのうち一方の駆動を優先した結果、他方の駆動を制限する場合、その他方の駆動の制限の仕方には、駆動を停止させる場合と、駆動の内容を制限しない第1の駆動内容から一部制限した第2の駆動内容に切り替える場合とがある。

0108

駆動信号生成回路58の駆動中に非接触式受電回路57を駆動させる電力伝達要求(受電要求)を受け付けたり、非接触式受電回路57の駆動中に駆動信号生成回路58を駆動させる駆動信号生成要求を受け付けたりした場合、制御回路53が行う排他制御には、次の2通りがある。1つは、駆動信号生成回路58の駆動(駆動信号生成)を優先し、非接触式受電回路57による電力伝達(受電)を制限する場合である。他の1つは、非接触式受電回路57の電力伝達(受電)を優先し、駆動信号生成回路58の駆動(駆動信号生成)を制限する場合である。

0109

次に図11図12を参照して、制御回路53による非接触式受電回路57と駆動信号生成回路58との排他制御について説明する。
図11は、駆動信号生成回路58の駆動信号周波数帯域F1に、非接触式受電回路57の電力伝達周波数帯域F2の全部が含まれる場合の例である。また、図12は、駆動信号生成回路58の駆動信号周波数帯域F1に、非接触式受電回路57の電力伝達周波数帯域F2の一部が含まれる場合の例である。

0110

図11図12における右側に、排他制御が行われる場合における駆動信号周波数帯域F1と電力伝達周波数帯域F2を示す。排他制御には、駆動信号COMの生成を優先して電力の伝達(受電)を制限するAモードと、電力の伝達(受電)を優先して駆動信号COMの生成を制限するBモードとがある。図11における左側に示す通常(非重複時)の駆動信号周波数帯域F1は周波数f1〜f2の範囲の帯域であり、通常の電力伝達周波数帯域F2は周波数f3〜f4(但しf3>f1,f4<f2)の範囲の帯域である。また、図12における左側に示す通常(非重複時)の駆動信号周波数帯域F1は周波数f1〜f2の範囲の帯域であり、通常の電力伝達周波数帯域F2は周波数f3〜f4(但しf1<f3<f2,f4>f2)の範囲の帯域である。そして、排他制御において、駆動信号の生成は優先しつつ、受電ユニット22の電力の伝達(受電)を制限するAモードの場合、制限のない通常の電力伝達周波数帯域F2から、制限された制限周波数帯域LF2に切り替える。一方、排他制御において、受電ユニット22の電力の伝達(受電)は優先しつつ、駆動信号COMの生成を制限するBモードの場合、制限のない通常の駆動信号周波数帯域F1から、制限された制限周波数帯域LF1に切り替える。

0111

図11の例におけるAモードでは、駆動信号周波数帯域F1は通常時のまま維持し、電力の伝達を停止する。一方、図11の例におけるBモードでは、周波数f1〜f2(例えば1〜8MHz)の範囲に設定された通常の駆動信号周波数帯域F1から、例えば周波数f1〜f5(但しf5<f3)(例えば1〜6MHz)の範囲に制限された制限周波数帯域LF1に切り替える。

0112

また、図12の例におけるAモードでは、駆動信号周波数帯域F1は通常時のまま維持し、周波数f3〜f4(例えば6.78±0.15MHz)の範囲に設定された通常の電力伝達周波数帯域F2から、例えば周波数f5〜f4(但しf5>f3)(例えば6.78〜6.78±0.15MHz)の範囲に制限された制限周波数帯域LF2に切り替える。つまり、具体的には、共鳴型ワイヤレス給電方式の非接触充電規格であるA4WPで使用される周波数帯域である6.78±0.15MHzを、例えば6.78〜6.78±0.15MHzの制限周波数帯域に切り替える。一方、図12の例におけるBモードでは、周波数f1〜f2(例えば1〜8MHz)の範囲に設定された通常の駆動信号周波数帯域F1から、例えば周波数f1〜f6(但しf6<f3)(例えば1〜6MHz)の範囲に制限された制限周波数帯域LF1に切り替える。

0113

ここで、駆動信号周波数帯域F1を制限する例では、具体的には、例えば1〜8MHzの通常周波数帯域F1から、例えば1〜6MHzに制限された制限周波数帯域LF1に切り替える。この制限周波数帯域では、共鳴型ワイヤレス給電方式の非接触充電の規格であるA4WPでの使用周波数帯域(6.78±0.15MHz)を含まない。このため、ワイヤレス給電方式の使用周波数帯域を避けていれば、1〜6.6MHzや1〜5MHzを制限周波数帯域としてもよい。なお、他のワイヤレス給電方式を使用する場合は、そのワイヤレス給電方式で使用する使用周波数帯域を避けた制限周波数帯域に切り替えることが望ましい。制限周波数帯域LF1,LF2は、上記の制限周波数の範囲に限定されず、駆動信号周波数帯域F1や電力伝達周波数帯域F2と重複しない、制限された制限周波数帯域LF1,LF2に切り替えることができる。なお、本実施形態では、ワイヤレス給電方式で使用する周波数帯域(例えば6.78±0.15MHz)が、「第1周波数帯域」の一例に相当し、駆動信号生成回路58が駆動信号を生成する際のスイッチング周波数(変調信号の周波数)として使用される周波数帯域(例えば1〜8MHz)が、「第2周波数帯域」の一例に相当する。そして、第1周波数帯域の少なくとも一部を第2周波数帯域が含んでいる。つまり、第1周波数帯域と第2周波数帯域とは少なくとも一部で重複している。

0114

また、プリンター11には、複数種の印刷モードが設定されている。本例の印刷モードには、ドラフトモード高精細モードとが少なくとも含まれる。ドラフトモードは、印刷品質よりも印刷速度を優先するモードであり、比較的低解像度の第1解像度で大ドットのインク滴を吐出して印刷する。一方、高精細モードは、印刷速度よりも印刷品質を優先するモードであり、比較的高い第2解像度で小・中ドットのインク滴を吐出して印刷される。

0115

ここで、大ドットは、駆動信号が電力伝達時の周波数による干渉で多少波形が乱れても、インク液滴量がその割合で大きく変化することは起こりにくい。その結果、インクドットが大ドットである場合、ドットサイズが相対的にばらつきにくい。これに対して小ドットは、駆動信号が電力伝達時の周波数による干渉で多少波形が乱れると、インク液滴量がその割合で大きく変化することになる。その結果、インクドットが小ドットである場合、ドットサイズが相対的にばらつき易い。一方、中ドットは、駆動信号が電力伝達時の周波数による干渉で多少波形が乱れた場合、小ドットほどではないが、大ドットよりもドットサイズが相対的にばらつき易い。そのため、本実施形態の制御回路53は、印刷モードがドラフトモードである場合は排他制御を実施せず、印刷モードが高精細モードである場合に排他制御を実施する。なお、印刷モードに応じて排他制御の実施/非実施を決める構成に替え、印刷モードに関わらず排他制御を実施する構成でもよい。

0116

次に液体吐出装置の一例であるプリンター11の作用を説明する。
ユーザーは、プリンター11を充電させたい場合、プリンター11を給電装置30のパッド31の上に置く。パッド31上の適切な位置に配置されると、パッド31側の送電ユニット32の送電部33と、プリンター11側の受電ユニット22の受電部23とが非接触状態対向配置される。このとき、通信部24,34も非接触状態で対向配置され、制御回路53と制御部35とが通信部24,34を介して通信する。この通信を通じて制御回路53は、給電装置30による充電が可能な状態にあることを認識する。また、給電装置30のパッド31の上に置かれた状態にあるプリンター11に電源を入れた場合も同様に、制御回路53は、給電装置30による充電が可能な状態にあることを認識する。さらに制御回路53は、バッテリー19の状態を確認し満充電以外の状態にあって充電すべき条件が整うと、電力伝達要求(受電要求)ありと判断する。

0117

制御回路53は、電力伝達処理と駆動信号生成処理とのうちどちらを優先させるかモードを決定する。このモードは、ユーザーによる選択、バッテリー19の充電状態、印刷モードなどに応じて選択されたり、予め機種ごとに決められた1つのモードが決定されたりする。

0118

また、ユーザーが操作部15の操作またはホスト装置100のキーボードマウスの操作で、プリンター11に印刷を指示すると、ホスト装置100内の印刷ドライバー印刷ジョブを生成し、プリンター11へ送信される。また、ユーザーが操作部15を操作して印刷の実行を指示すると、その指示に従って内部で印刷ジョブが生成される。制御回路53は、印刷ジョブを受け付けると、印刷ジョブに基づく印刷を行ううえで必要な駆動信号の生成を要求する駆動信号生成要求としても受け付ける。

0119

以下、図14および図15に示すフローチャートを参照して、制御回路53が実施する電力伝達処理(電力の受電処理)と駆動信号生成処理との排他制御について説明する。本実施形態の排他制御には、図14に示す駆動信号の生成を優先するAモードと、図15に示す電力伝達を優先するBモードとがあり、制御回路53は、いずれか一方のモードを実行する。まず、図14を参照して、電力伝達よりも駆動信号生成を優先するAモードのときの排他制御について説明する。

0120

まずステップS11では、電力伝達要求があったか否かを判断する。例えばユーザーが電源オン状態のプリンター11を給電装置30の載置面31A上に載置したとき、あるいは給電装置30の載置面31A上に載置されたプリンター11の電源を投入したとき、制御回路53は、通信部24,34間の通信で給電装置30による充電が可能な状態にあることを認識する。さらに制御回路53は、バッテリー19の状態を確認し満充電以外の状態にあって充電を必要とする条件が整うと、電力伝達要求ありと判断する。電力伝達要求があればステップS12に進み、電力伝達要求がなければステップS15に進む。

0121

ステップS12では、駆動信号生成中であるか否かを判断する。例えば印刷ジョブに基づく印刷処理を実行中のときは、その印刷で必要な駆動信号の生成中であると判断する。駆動信号生成中であればステップS13に進み、駆動信号生成中でなければステップS14に進む。

0122

ステップS13では、電力の伝達を制限する。本実施形態では、電力の伝達の制限とは、電力の伝達を止める場合と、電力伝達時の使用周波数を制限周波数帯域で電力を伝達する場合とがある。例えば図11の例では、制御回路53が制御部35に対して電力伝達の制限を指示し、制御部35が通常周波数帯域(f3〜f4(例えば6.78±0.15MHz))で駆動されていた非接触式送電回路36の駆動を停止させる。この結果、給電装置30の送電部33からプリンター11側の受電部23への非接触での給電が停止される。また、図12の例では、制御回路53が制御部35に対して電力伝達の制限を指示し、制御部35は非接触式送電回路36の使用周波数帯域を、通常周波数帯域(f3〜f4(例えば6.78±0.15MHz))から制限周波数帯域(f6〜f4(例えば6.78MHz〜6.78+0.15MHz))に切り替える。この結果、共鳴型ワイヤレス給電方式の規格であるA4WPで使用される周波数帯域6.78±0.15MHzを含まない制限周波数帯域でワイヤレス給電が継続される。

0123

ステップS14では、電力を伝達する。制御回路53は、通信部34,24間の無線通信を介して給電装置30の制御部35に電力の供給(給電)を指示する。この指示を受け付けた制御部35は、非接触式送電回路36を駆動して、通常の周波数帯域6.78±0.15MHzで給電する。この結果、給電装置30の送電部33からプリンター11の受電部23へ非接触給電が行われ、プリンター11側のバッテリー19が充電される。

0124

ステップS15では、駆動信号生成要求があったか否かを判断する。制御回路53は印刷ジョブを受け付けたことをもって、駆動信号生成要求があったものと判断する。駆動信号生成要求があればステップS16に進み、駆動信号生成要求がなければ当該ルーチンを終了する。

0125

ステップS16では、電力伝達中であるか否かを判断する。制御回路53は、給電装置30の送電部33からプリンター11の受電部23へ電力が供給されているときは、電力伝達中であると判断する。電力伝達中であればステップS17に進み、電力伝達中でなければステップS18に進む。

0126

ステップS17では、電力の伝達を制限する。すなわち、駆動信号生成要求があったときに(S15で肯定判定)、通常周波数帯域(6.78±0.15MHz)で電力を伝達している場合、伝達する電力の使用周波数帯域を、通常周波数帯域から制限周波数帯域へ切り替える。例えば図11の例では、通常周波数帯域(f3〜f4)から、Aモード時の制限周波数帯域(0)に切り替え、つまり電力の伝達(受電)を停止する。また、図12の例では、通常周波数帯域(f3〜f4)から、Aモード時の制限周波数帯域(f6〜f4)に切り替える。このとき、例えば6.78±0.15MHzから、そのうち駆動信号周波数帯域F1と重なる範囲が除かれた6.78〜6.78+0.15MHzに切り替えられる。

0127

図14に戻ってステップS18では、駆動信号を生成する。制御回路53は、ヘッド制御回路54内の駆動信号生成回路58を駆動させ、駆動信号COMを生成する。駆動信号COMは駆動信号生成回路58から単位ヘッド26内のヘッド基板51へ転送される。ヘッド基板51では、入力する印字データSI,SPと駆動信号COMとに基づいてヘッド駆動回路90を介して吐出駆動素子28(圧電素子170)が駆動され、吐出部Dのノズル27aからインクが吐出される。

0128

こうして駆動信号生成処理と電力伝達処理との実施タイミングが重なったとき、駆動信号生成処理を優先する排他制御が行われる。この結果、電力伝達時の周波数帯域と駆動信号の波形生成時の周波数帯域とが少なくとも一部重なっている場合に起こりうる共振等に起因する、過充電や充電不足等の不適切な充電(給電)および不適切な駆動信号の生成を回避できる。また、排他制御において優先する駆動信号生成回路58が駆動中のときは、非接触式受電回路57は停止されるか、使用周波数帯域が重複しないように制限された制限周波数帯域の下で駆動される。このように制限周波数帯域の下で駆動される場合、プリンター11が給電装置30から受電して行うバッテリー19の充電中においても、そのバッテリー19の充電を維持しつつ、ユーザーから要求された印刷ジョブに基づく印刷を行うことができる。

0129

次に図15を参照して、駆動信号生成よりも電力伝達を優先するBモードのときの排他制御について説明する。
まずステップS21では、駆動信号生成要求があったか否かを判断する。駆動信号生成要求があればステップS22に進み、駆動信号生成要求がなければステップS25に進む。

0130

ステップS22では、電力伝達中であるか否かを判断する。電力伝達中であればステップS23に進み、電力伝達中でなければステップS24に進む。
ステップS23では、駆動信号の生成を制限する。本実施形態では、駆動信号の生成の制限とは、駆動信号の生成を止める場合と、駆動信号の波形生成時のスイッチング周波数を制限して駆動信号を生成する場合とがある。後者の場合、駆動信号の生成に当たり、使用周波数帯域を、通常周波数帯域から制限周波数帯域に切り替える。例えば図11の例では、通常周波数帯域(f1〜f2(例えば1〜8MHz))から、制限周波数帯域(f1〜f5(例えば1〜6MHz))に切り替える。この制限周波数帯域では、共鳴型ワイヤレス給電方式の規格であるA4WPで使用される周波数帯域6.78±0.15MHzが含まれない。なお、制限周波数は、1〜6.6MHzや1〜5MHzでもよい。また、他のワイヤレス給電方式を使用する場合は、駆動信号の制限周波数帯域を、そのワイヤレス給電方式での使用周波数帯域を含まない範囲にすることが望ましい。

0131

ステップS24では、駆動信号を生成する。この場合、制御回路53は、駆動信号生成回路58を駆動させ、通常周波数帯域で駆動信号を生成する。例えば図11の例では、駆動信号周波数帯域F1(f1〜f2(例えば1〜8MHz))で駆動信号COMを生成する。また、図12の例では、駆動信号周波数帯域F1(f1〜f2(例えば1〜6.78MHz))で駆動信号COMを生成する。

0132

ステップS25では、電力伝達要求があったか否かを判断する。電力伝達要求があればステップS26に進み、電力伝達要求がなければ当該ルーチンを終了する。
ステップS26では、駆動信号生成中であるか否かを判断する。駆動信号生成中であればステップS27に進み、駆動信号生成中でなければステップS28に進む。

0133

ステップS27では、駆動信号の生成を制限する。すなわち、電力伝達要求があったときに、通常周波数帯域で駆動信号を生成している場合、駆動信号の使用周波数帯域を、通常周波数帯域(例えば1〜8MHz)から制限周波数帯域(例えば1〜6MHz)へ切り替える。例えば図11図12の例では、駆動信号の使用周波数帯域を、通常周波数帯域(f1〜f2(例えば1〜8MHz又は1〜6.78MHz))から制限周波数帯域(f1〜f5(例えば1〜6MHz))へ切り替える。

0134

ステップS28では、電力を伝達する。制御回路53は、通信部24,34を介して給電装置30側の制御部35と通信し、制御部35に給電を指示する。この給電の指示を受け付けた制御部35は、非接触式送電回路36を駆動させる。この結果、給電装置30から送電部33および受電部23を介してプリンター11へ電力が非接触で給電され、その給電された電力によりプリンター11側のバッテリー19が充電される。

0135

このように駆動信号生成処理と電力伝達処理との実施タイミングが重なったとき、電力伝達処理を優先する排他制御が行われる。この結果、電力伝達時の周波数帯域と駆動信号の波形生成時の周波数帯域とが少なくとも一部重なっている場合に起こりうる共振等に起因する、過充電や充電不足等の不適切な充電(給電)を回避できる。また、排他制御において優先する非接触式受電回路57が駆動中のときに駆動信号生成要求があったり、電力伝達要求があったときに駆動信号生成中であったりしても、駆動信号生成回路58を停止させるか、制限周波数の下で駆動信号生成回路58の駆動が継続される。この結果、電力伝達時の周波数帯域と駆動信号の波形生成時の周波数帯域とが少なくとも一部重なっている場合に起こりうる共振等に起因する、過充電や充電不足等の不適切な充電(給電)および不適切な駆動信号の生成を回避できる。また、制限周波数の下で駆動信号生成回路58の駆動が継続される場合、バッテリー19の充電を維持しつつ、制限周波数で波形が生成された駆動信号COMに基づき印刷を実施できる。

0136

以上詳述した第1実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)プリンター11は、第1周波数帯域の少なくとも一部を含む第2周波数帯域を用いて駆動信号COMを生成する駆動信号生成回路58と、第1周波数帯域を用いて非接触にて電力の伝達を行う非接触式受電回路57とを備える。制御回路53は、駆動信号生成回路58による駆動信号生成処理と、非接触式受電回路57による電力伝達処理との実施タイミングが重なったとき、一方を優先し他方を制限する排他制御を行う。そのため、電力伝達用の電磁波と、駆動信号COMの生成時に発生する電磁波ノイズとの共振等の電気的な干渉を抑制できる。よって、印刷品質の向上と適切な充電とを共に実現できる。

0137

(2)制御回路53は、駆動信号生成回路58により駆動信号COMが生成されている場合は、非接触式受電回路57による電力の伝達(受電)を制限する。よって、印刷中に電力伝達要求を受け付けても、駆動信号COMの生成が優先され、通常周波数帯域での駆動信号COMの生成が継続されると共に、電力の伝達が制限される。したがって、印刷品質を安定させることができる。

0138

(3)制御回路53は、非接触式受電回路57により電力が伝達(受電)されている場合は、駆動信号生成回路58による駆動信号COMの生成を制限する。よって、給電装置30から非接触でプリンター11に電力が伝達されている最中(例えば充電中)に、プリンター11が印刷要求を受け付けても、電力の伝達が優先され、駆動信号COMの生成が制限される。したがって、電力伝達の安定性が高められ、例えばプリンター11のバッテリー19を、共振等の電気的な干渉に起因する過充電や充電不足などを抑え、適切に充電できる。

0139

(4)プリンター11は、駆動信号生成回路58が実装された回路基板25と、非接触式受電回路57を有する受電ユニット22とを囲み、第1面41と、第1面41と対向する第2面42とを有する筐体12を備える。駆動信号生成回路58は、第2面42より第1面41寄りに配置され、非接触式受電回路57は、第1面41より第2面42寄りに配置されている。よって、筐体12内で駆動信号生成回路58と非接触式受電回路57とを離して配置でき、両者の電気的な干渉を抑制できる。

0140

(5)非接触式受電回路57は、液体吐出装置外の装置の一例である給電装置30からプリンター11へ電力を伝送する。よって、給電装置30からプリンター11に非接触で電力を供給できる。プリンター11を給電装置30に載置して使用すれば、充電が必要なときに制御回路53が給電装置30の制御部35に給電を要求し、給電装置30から供給された電力によりプリンター11を充電できるうえ、印刷時には排他制御の実施により、高い印刷品質と適正な充電とを実現できる。

0141

(6)駆動信号生成回路58は、デジタルアンプを用いた増幅回路を含む。よって、デジタルアンプの高周波数帯域でも、干渉(例えば共振)を回避できる。
(7)第2周波数帯域には、1〜8MHzの帯域が含まれる。駆動信号COMの生成に必要な周波数帯域が1〜8MHzである場合、給電用の第1周波数帯域の少なくとも一部が第2周波数帯域(1〜8MHz)に含まれても、共振等の電気的な干渉を回避できる。駆動信号COMの波形を急峻に変化させたいときは、第2周波数帯域のうち高めの周波数帯域を使用し、それ以外のときはその高周波数域よりも低い周波数帯域を使用する。1〜8MHzの周波数帯域が使用される場合も、共振等の電気的な干渉を回避できる。また、急峻な波形が不要な場合や、急峻な波形の精度が多少低下しても許容される場合は、駆動信号COMの生成に用いる第2周波数帯域を一部(例えば高めの周波数帯域)制限することにより、共振等の干渉を回避できる。

0142

(8)制御回路53は、第2周波数帯域を、第1周波数帯域を使用せずに駆動信号COMを生成しうる制限周波数に制限する。制御回路53により駆動信号COMの生成が制限された場合、駆動信号生成回路58は、第2周波数帯域のうち第1周波数帯域を除く制限周波数帯域を使用して、駆動信号COMを生成する。よって、駆動信号生成中(例えば印刷中)に電力伝達要求を受付けたり、電力伝達中(例えば充電中)に印刷要求を受け付けたりしても、第1周波数帯域を除く制限周波数帯域を用いて駆動信号COMを生成して印刷を実施できる。

0143

(9)制御回路53は、駆動信号生成回路58が駆動信号COMの生成に使用する周波数帯域を、通常周波数帯域(駆動信号周波数帯域F1)から制限周波数帯域LF2に切り換えることにより、駆動信号COMの生成を制限する(図11図12のBモード)。よって、給電装置30からプリンター11へ電力を伝達する際、共振等の電気的な干渉の影響をさほど受けず、電力を安定的に供給できるうえ、品質を多少落とした印刷品質で印刷を行うことができる。

0144

(10)制御回路53は、非接触電力伝達回路により電力が伝達されている場合、ドラフトモードであれば、駆動信号生成回路58による駆動信号の生成を制限し、高精細モードであれば、駆動信号生成回路58による駆動信号の生成を制限しない。よって、駆動信号生成回路58の不要な制限を比較的回避しつつ、印刷モードに応じた印刷品質の印刷物を取得できる。

0145

(11)制御回路53は、非接触式受電回路57の電力の伝達(受電)を停止することにより、電力の伝達を制限する(図11のAモード)場合、駆動信号生成回路58と非接触式受電回路57との電気的な干渉を抑制でき、印刷品質の向上を実現できる。

0146

(12)制御回路53は、駆動信号生成回路58による駆動信号COMの生成を停止することにより、駆動信号COMの生成を制限する場合、駆動信号生成回路58と非接触式受電回路57との電気的な干渉を抑制でき、適切な充電を実現できる。

0147

(13)非接触式受電回路57は、液体吐出装置以外の装置である給電装置30から電力の供給を受ける非接触式受電回路57を備える。よって、プリンター11は、非接触式受電回路57により、給電装置30から電力の供給を受けることができる。

0148

(14)駆動信号生成回路58および非接触式受電回路57のうち一方は、筐体12内において、液体吐出可能領域を長手方向に挟んだ両側の収容スペースSA1,SA2のうち、搬送用の動力源の一例である搬送モーター18が配置された一方の側の収容スペースSA1に配置される。駆動信号生成回路58および非接触式受電回路57のうち他方は、液体吐出可能領域を挟んで搬送モーター18側と反対側となる他方の側の収容スペースSA2に配置されている。よって、駆動信号生成回路58と非接触式受電回路57とが筐体12内で液体吐出可能領域を挟んだ両側に離れて配置されるため、両回路57,58の電気的な干渉を抑制できる。

0149

(15)非接触式受電回路57は、筐体12内において、駆動信号生成回路58よりも筐体12の外周面(例えば底面45)寄りの位置に配置されているので、筐体12外からの電力の伝達(受電)がし易い。また、駆動信号生成回路58は、非接触式受電回路57よりも、筐体12の外周面からより内側に配置されているので、筐体12外で伝達(送電・受電)が行われる電力伝達用(給電用)の電磁波の影響を受けにくい。

0150

(16)駆動信号生成回路58と非接触式受電回路57は、金属製のフレーム47を挟んで互いに反対側に配置されている。このため、駆動信号生成回路58が駆動信号COMを生成する際に発生する第2周波数帯域の電磁波ノイズが、非接触式受電回路57、送電部33および受電部23へ放射されること、および非接触式受電回路57が受信する対象の第1周波数帯域の電磁波が駆動信号生成回路58へ放射されることが、金属製のフレーム47によって遮蔽される。よって、駆動信号COMが電力伝達用の電磁波により電気的な干渉を受けること、および電力伝達用の電磁波が駆動信号生成時に発生する電磁波ノイズにより電気的な干渉を受けることを抑制できる。

0151

(17)筐体12内には、液体吐出ヘッド20を支持する金属製のメインフレーム部47Aと、メインフレーム部47Aの長手方向両側のうち少なくとも一方の側で長手方向と交差する方向に沿って延びる少なくとも一つ(例えば2つ)のサイドフレーム部47B,47Cとを有するフレーム47が設けられている。駆動信号生成回路58と非接触式受電回路57は、少なくとも1つのサイドフレーム部47B,47Cを挟んで互いに反対側に配置されている。このため、駆動信号生成回路58が駆動信号COMを生成する際に発生する第2周波数帯域の電磁波ノイズが非接触式受電回路57へ放射されること、および非接触式受電回路57が受電の対象とする第1周波数帯域の電磁波が駆動信号生成回路58に放射されることが、サイドフレーム部47B,47Cによって遮蔽される。よって、駆動信号生成回路58と非接触式受電回路57との電気的な干渉を一層効果的に抑制できる。

0152

(18)プリンター11と給電装置30とを備えた液体吐出システム10において、プリンター11は、受電部23を備え、給電装置30は受電部23に非接触で送電する送電部33を備える。プリンター11は、給電装置30の送電部33から供給された電力を、受電部23にて非接触で受電できる。よって、給電装置30から供給した電力でプリンター11を充電することができる。

0153

(第2実施形態)
次に、液体吐出装置及び充電機能付きの液体吐出システムの第2実施形態を、図面を参照して説明する。この第2実施形態では、液体吐出装置が給電装置(送電ユニット)を備えており、筐体12の一部に設けられた載置部に他の電子機器を載置することにより、他の電子機器に対して電力を供給する送電を行うことにより他の電子機器を充電する。このため、第2実施形態では、液体吐出装置が非接触式送電回路を備え、他の電子機器が非接触式受電回路を備える。

0154

図16に示すように、充電機能付きの液体吐出システム110は、液体吐出装置の一例であるプリンター11と、プリンター11から非接触で電力の供給を受ける非接触受電機能を有する電子機器120とを備える。プリンター11は、第1実施形態と基本的に同様の構成を有しており、第1実施形態における受電ユニット22に替えて、給電用の送電ユニット111を備えている点が、第1実施形態と異なる。なお、本実施形態では、電子機器120が、液体吐出装置から電力が伝送される「液体吐出装置外の装置」の一例に相当する。

0155

プリンター11の筐体12において送電ユニット111と相対する表面部には、電子機器120を充電する際に載置可能な載置面部12Bが設けられている。送電ユニット111の送電部112と通信部113は、載置面部12Bから露出した状態にある。送電ユニット111は、商用交流電源200から入力した交流を直流に変換した所定電圧の電力を、載置面部12Bに載置された電子機器120に非接触で伝達可能である。電子機器120は、受電ユニット121とバッテリー122(図19を参照)とを備えている。このように本実施形態の充電機能付きの液体吐出システム110は、送電ユニット111を有するプリンター11と、受電ユニット121を有する電子機器120とにより構成される。

0156

プリンター11の載置面部12Bに電子機器120を載置すると、給電用の送電ユニット111から電子機器120へ非接触で給電が行われる。そして、プリンター11からの給電によって電子機器120は充電される。送電ユニット111は、筐体12内において幅方向X(主走査方向X)の両端部のうち一方の端部の上面部側に、プリンター11の上面に一部露出する状態で配置されている。なお、本実施形態では、非接触式送電回路115が、「非接触電力伝達回路」の一例に相当し、「電力の伝達」の一例として送電(給電)を行う。

0157

図17図18に示すように、電子機器120を載置面部12Bに載置した状態で、プリンター11の上面部における受電ユニット121(図16参照)と対向する位置に、本体111Aに設けられた送電部112と通信部113とを一部露出させた状態で送電ユニット111は設けられている。

0158

図16図18に示すように、プリンター11の筐体12内には、第1実施形態と同様に、液体吐出ヘッド20にインク滴を吐出させるために送信される駆動信号を生成する駆動信号生成回路58(図6図7を参照)を含む各種の回路部が実装された回路基板25が設けられている。本例では、回路基板25は、筐体12内における液体吐出ヘッド20の長手方向(幅方向X)において、送電ユニット111が配置された一方の端部と反対側となる他方の端部に配置されている。つまり、駆動信号生成回路58が実装された回路基板25と送電ユニット111とは、筐体12内の幅方向Xにおいて液体吐出ヘッド20の長手方向の両端面よりも外側となる両端部(第1及び第2収容スペースSA1,SA2)にそれぞれ配置されている。

0159

次に図19を参照して、充電機能付きの液体吐出システム110に備えられた非接触式給電システムの構成を説明する。非接触式給電システムは、プリンター11側の制御回路53および非接触式送電回路115と、電子機器120側の受電ユニット121とにより構成される。

0160

図19に示すように、プリンター11は、制御回路53と、電力伝達部の一例である非接触式送電回路115とを備える。非接触式送電回路115は、送電回路部116と通信回路117とを備える。送電回路部116は、商用交流電源200からの所定電圧の交流を所定電圧の直流に変換するAC/DC変換回路116A(AC/DCコンバーター)と、AC/DC変換回路116Aから出力される所定電圧の直流を所定周波数の電流に変換して送電部112(送電用コイル)へ供給する送電駆動回路116Bとを備える。通信回路117は、通信部113が送信する送信信号の生成と、通信部113が受信した受信信号を制御回路53が処理しうる信号への変換とを含む通信処理を行う。そして、送電回路部116および通信回路117は、制御回路53により制御される。なお、AC/DC変換回路116Aに替え、プリンター11外で商用交流電源200と接続される外部部品(例えばAC/DCアダプター)を用いてもよい。

0161

図19に示すように、電子機器120は、制御部124、非接触式受電回路125、駆動系126およびバッテリー127を備える。非接触式受電回路125は、受電部128(受電用コイル)が接続された受電回路部129と、通信部130が接続された通信回路131とを備える。

0162

受電回路部129は、受電部128が受電した第1周波数帯域(電力伝達周波数帯域F2)の電流を整流する整流回路129Aと、整流回路129Aで整流された電流を所定の電圧に調整(例えば降圧)する電圧調整回路129Bとを備える。電圧調整回路129Bが出力する所定電圧の電流によってバッテリー127は充電される。通信回路131は、通信部113,130間の通信のために通信部130が送信する送信信号の生成と、通信部130が受信した受信信号を制御部124が処理できる信号への変換とを含む通信処理を行う。そして、受電回路部129および通信回路131は、制御部124により制御される。

0163

例えばプリンター11の載置面部12Bに電子機器120が載置されると、通信部24,34間の通信により制御回路53は、電子機器120からの給電要求を受け付ける。給電要求を受け付けた制御回路53は、駆動信号生成処理と電力伝達処理との実施タイミングが重なっていなければ、駆動信号生成と電力伝達とのうち要求を受け付けた一方を実施させる。一方、駆動信号生成処理と電力伝達処理との実施タイミングが重なっていれば、制御回路53は、駆動信号生成処理と電力伝達処理との間で一方を優先して実施し他方を制限する排他制御を行う。

0164

例えば給電要求を受け付けたときに排他制御の必要がなければ、制御回路53は、非接触式送電回路115の送電回路部116を駆動させて送電部112に所定周波数の電流を供給することにより、送電部112と受電部128間における非接触給電を開始させる。また、電子機器120の充電が完了して通信部113,130間の通信により給電停止要求を受け付けたとき、および排他制御のために給電の停止が必要になったとき、制御回路53は、非接触式送電回路115の送電回路部116の駆動を停止させる。その結果、送電部112への所定周波数の電流の供給が停止され、送電部112と受電部128間での非接触給電が停止される。

0165

制御回路53は、駆動信号生成回路58と非接触式送電回路115(送電ユニット111)との駆動タイミングが重なった場合、駆動信号生成回路58と非接触式送電回路115とのうち一方を優先して駆動させると共に他方の駆動を制限する排他制御を行う。

0166

駆動信号生成回路58の駆動と非接触式送電回路115の駆動との実施タイミングが重なるとき、制御回路53が行う排他制御には、次の2つがある。1つは、駆動信号生成回路58の駆動信号の生成を優先して非接触式送電回路115の送電を制限する場合であり、他の1つは、非接触式送電回路115の送電を優先して駆動信号生成回路58の駆動信号の生成を制限する場合である。

0167

この排他制御において駆動信号生成回路58と非接触式送電回路115とのうち一方の駆動を優先した結果、他方の駆動を制限する場合、その他方の駆動の制限の仕方には、駆動を停止させる場合と、駆動の内容を通常の内容から一部制限した制限内容に切り替える場合とがある。

0168

本実施形態では、プリンター11が非接触式送電回路115を備え、送電部112から受電部128へ非接触で電力を伝達して電子機器120のバッテリー127を充電する。電子機器120がプリンター11の載置面部12Bに載置されると、電子機器120側の制御部124が、通信部130,113間の通信でプリンター11側の制御回路53に給電を要求する。プリンター11側の制御回路53は、制御部124から給電要求を受け付けると、非接触式送電回路115を駆動させる。その結果、送電回路部116が駆動され、送電部112から受電部128へ非接触で電力が供給される。

0169

そして、本実施形態では、非接触式送電回路115を備えるプリンター11側の制御回路53が、非接触式送電回路115の駆動を制御することにより、電力の伝達および電力の伝達の制限が行われる。ここで、プリンター11側の制御回路53は、電力の伝達として電力の送電を行う。

0170

駆動信号生成処理を優先する排他制御は、第1実施形態の図14で示すフローチャートと同様であり、電力伝達処理を優先する排他制御は、第1実施形態の図15で示すフローチャートと同様である。電力伝達要求を電子機器120から受け付ける点、電力の伝達および電力の伝達の制限が、制御回路53がプリンター11が備える非接触式送電回路115を制御して行う点が異なるものの、排他制御の基本的な処理内容は、図14図15と同様である。

0171

図14のフローチャートに従って排他制御を行う場合、駆動信号生成処理と電力伝達処理との実施タイミングが重なったとき、駆動信号生成処理を優先する排他制御が行われる。この結果、電力伝達時の周波数帯域と駆動信号の波形生成時の周波数帯域とが少なくとも一部重なっている場合に起こりうる共振等に起因する、過充電や充電不足等の不適切な充電(給電)および不適切な駆動信号の生成を抑えることができる。また、排他制御において優先される駆動信号生成回路58が駆動中のとき、非接触式送電回路115はその駆動が停止されるか、使用周波数帯域が重複しないように制限された制限周波数帯域で駆動される。このように制限周波数帯域でプリンター11が伝送する電力に基づき電子機器120がバッテリー127の充電中にあっても、そのバッテリー127の充電を維持しつつ、受け付けた印刷ジョブに基づく印刷を実施できる。

0172

また、図15のフローチャートに従って排他制御を行う場合、駆動信号生成処理と電力伝達処理との実施タイミングが重なったとき、電力伝達処理を優先する排他制御が行われる。この結果、駆動信号の波形生成時の周波数帯域と電力伝達時の周波数帯域とが少なくとも一部重なっている場合に起こりうる共振等に起因する、過充電や充電不足等の不適切な充電(給電)を抑えることができる。また、排他制御において優先される非接触式受電回路57が駆動中のときに駆動信号生成要求があったり、電子機器120から電力伝達要求があったときに駆動信号生成中であったりしても、駆動信号生成回路58を停止させるか、駆動信号生成回路58が波形生成時に使用する周波数帯域が制限周波数に制限される。この結果、電力伝達時の周波数帯域と駆動信号の波形生成時の周波数帯域とが重ならず、共振等に起因する過充電や充電不足等の不適切な充電(給電)および不適切な駆動信号の生成を回避できる。また、制限周波数帯域で駆動信号生成回路58の駆動が継続される場合、バッテリー19の充電を維持しつつ、制限周波数で波形が生成された駆動信号COMに基づく印刷を実施できる。

0173

以上詳述した第2実施形態によれば、プリンター11が非接触電力伝達回路の一例として、第1実施形態における非接触式受電回路57に替えて非接触式送電回路115を備え、プリンター11から電子機器120に電力を伝送する構成が第1実施形態と異なるものの、第1実施形態で述べた前記(1)〜(17)と同種の効果が得られる。その他に、以下に示す効果を得ることができる。

0174

(19)プリンター11は、液体吐出装置外の装置の一例である電子機器120に電力を供給する非接触式送電回路115を備える。非接触式受電回路125を有する電子機器120をプリンター11の載置面部12Bに載置すれば、プリンター11から電子機器120へ非接触で電力を伝送して、電子機器120を充電することができる。

0175

(20)液体吐出システム110は、プリンター11と電子機器120とを備える。プリンター11は、非接触式送電回路115に送電部112を備え、電子機器120は送電部112から非接触で電力の供給を受ける受電部128を備える。プリンター11の送電部112から送電された電力を、電子機器120の受電部128に非接触で供給できる。よって、プリンター11から供給した電力で電子機器120を充電することができる。

0176

なお、上記各実施形態は以下のような形態に変更することもできる。
・第1実施形態における非接触式送電回路36を備えた給電装置30と、第1実施形態の受電ユニット22と第2実施形態の送電ユニット111とを兼ね備えた液体吐出装置の一例としてのプリンター11とを備えた液体吐出システムとしてもよい。この液体吐出システムによれば、給電装置30によりプリンター11を充電できるうえ、プリンター11の送電ユニット111(非接触式送電回路115)により、受電ユニット121を有する電子機器120を充電できる。

0177

・排他制御において、駆動信号生成処理と電力伝達処理とのうちいずれを優先するかは、そのときの状況に応じて変化させてもよい。例えば印刷モードに応じて優先させる一方を決めたり、バッテリーの充電容量に応じて優先させる一方を決めたりしてもよい。例えば印刷モードがドラフトモードであれば、非接触電力伝達回路の駆動を優先させ、駆動信号生成回路を制限周波数帯域で駆動させる。一方、印刷モードが高精細モードであれば、駆動信号生成回路の駆動を優先させ、非接触電力伝達回路はその駆動を停止させるか、制限周波数帯域で駆動させる。また、例えばバッテリーの充電容量が閾値以下であれば、非接触電力伝達回路の駆動を優先させ、駆動信号生成回路を制限周波数帯域で駆動させる。一方、バッテリーの充電容量が閾値を超えていれば、駆動信号生成回路の駆動を優先させ、非接触電力伝達回路はその駆動を停止させるか、制限周波数帯域で駆動させる。

0178

・排他制御では、駆動信号生成と電力伝達とのうち一方を優先する場合における他方の制限として、他方を停止させたり、他方の使用周波数帯域を変更したりしたが、他方が使用する信号強度又は電磁波強度を弱めてもよい。つまり、排他制御対象の一方を優先するときに、他方の使用強度を非制限時に比べ弱めることで制限する排他制御でもよい。つまり、制限には、止める、周波数帯域の切り替えの他、強度を弱めるが含まれる。

0179

・駆動信号周波数帯域F1(第2周波数帯域)の少なくとも一部が電力伝達周波数帯域F2(第1周波数帯域)に含まれていればよい。この場合、第1周波数帯域の全部が第2周波数帯域に含まれる例(図11)や、第1周波数帯域の一部のみが第2周波数帯域に含まれる例(図12)でもよいが、さらに第1周波数帯域が第2周波数帯域よりも広く、第1周波数帯域に第2周波数帯域の全部が含まれることにより、第1周波数帯域の一部が第2周波数帯域に含まれる例でもよい。

0180

磁界共鳴(共振変圧、共鳴電磁結合、共振充電ともいう。)方式のワイヤレス充電規格であるA4WP Rezence(登録商標)以外のワイヤレス充電の他の国際標準規格であるQi(チー)規格に適用してもよい。Qi(チー)規格とは、ワイヤレスパワーコンソーシアム(Wireless Power Consortium;WPC)が策定したワイヤレス給電の国際標準規格である。携帯電話やスマートフォンを対象とした5W以下の低電力向け規格が策定されている。

0181

・非接触給電の方式は、電界共鳴方式以外でもよい。例えば電磁共鳴方式電磁誘導方式電波受信方式、マイクロ波送電方式、レーザー送電方式でもよい。
・収容スペースSA1に非接触式受電回路57を配置し、収容スペースSA2に駆動信号生成回路58を配置してもよい。

0182

・第1の面と第2の面は、筐体12の幅方向に対向する2つの面に限定されない。例えば第1の面と第2の面は、筐体12の搬送方向Yと平行な方向に対向する2つの面でもよい。駆動信号生成回路58を、第2の面より第1の面寄りに配置し、非接触電力伝達回路の一例である非接触式受電回路57を、第1の面より第2の面寄りに配置する。この場合、第1の面は、第3面43(前面)と第4面(後面)とのうち一方を指し、第2の面は、第3面43と第4面とのうち他方を指す。この構成によっても、駆動信号生成回路58と非接触式受電回路57とを離して配置できるので、同様の効果が得られる。この場合、駆動信号生成回路58と非接触式受電回路57とが別々の収容スペースSA1,SA2に配置され、両回路57,58を筐体12内の対角の位置に配置してもよい。また、両回路57,58を、収容スペースSA1,SA2のうち同一の収容スペースに配置してもよい。さらに、第1の面と第2の面は、筐体12の高さ方向(上下方向)に対向する第5面45と第6面46でもよい。

0183

・非接触式受電回路57と駆動信号生成回路58とのうち一方が同じ収容スペースに収容される動力源は、搬送系の動力源である給送モーター17と搬送モーター18とのうち少なくとも一方であればよい。

0184

・前記各実施形態では、制御回路53が非接触式受電回路57と駆動信号生成回路58のうち一方の駆動を優先すると共に他方の駆動を制限する排他制御を行ったが、排他制御を廃止してもよい。非接触式受電回路57と駆動信号生成回路58とが同時に駆動されても、筐体内で、両回路57,58のうち一方の回路が、第2の面より第1の面寄りに配置され、他方の回路が第1の面より第2の面寄りに配置されれば、共振等の電気的な干渉を抑制できる。

0185

・インク以外の液体を吐出する液体吐出装置でもよい。なお、液体吐出装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体吐出装置から吐出できる材料であればよい。例えば、物質が液相の状態であればよく、粘性の高い又は低い液状体ゾルゲル水、その他の無機溶剤有機溶剤溶液液状樹脂のような流状体を含む。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料などの固形物からなる粒子溶媒に溶解、分散又は混合されたものも含む。液体がインクである場合、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物包含する。液体吐出装置は、例えば捺染装置マイクロディスペンサー等であってもよい。

0186

スピーカーを駆動させる音響用の駆動信号を生成するデジタルアンプを有する駆動信号生成回路を備えたスピーカー装置と、非接触式受電回路を有する受電ユニットおよび非接触式送電回路を有する送電ユニットのうち少なくとも一方を非接触電力伝達部の一例として備えた音響機器に適用してもよい。この種の音響機器に適用した場合、例えば制御回路は、非接触電力伝達回路と駆動信号生成回路との排他制御を行って、一方を優先して駆動させると共に他方の駆動を制限する。音響機器では、駆動信号の周波数帯域(第2周波数帯域)に、例えば10Hz〜100kHzの範囲内の所定範囲が使用される。この第2周波数帯域に少なくとも一部が含まれる第1周波数帯域で非接触にて電力伝達が行われる場合は、排他制御を行うことにより、共振等の電気的な干渉に起因する過充電等の不適切な充電や、音響品質の低化を抑制できる。

0187

10…充電機能付きの液体吐出システム、11…液体吐出装置の一例としてのプリンター、12…筐体、13…操作パネル、14…表示部、15…操作部、17…動力源の一例としての給送モーター、18…動力源の一例としての搬送モーター、19…バッテリー、20…液体吐出ヘッド、22…受電ユニット、23…受電部、24…通信部、25…回路基板、26…単位ヘッド、27…ヘッド列部、27a…ノズル、28…吐出駆動素子、30…液体吐出装置外の装置の一例としての給電装置、32…送電ユニット、33…送電部、34…通信部、35…制御部、36…非接触式送電回路、37…送電回路部、38…通信回路、41…第1の面の一例としての第1面、42…第2の面の一例としての第2面、43…第3面(前面)、44…第4面(後面)、45…第5面(底面)、46…第6面(上面)、47…フレーム、47A…メインフレーム部、47B,47C…サイドフレーム部、50…コントローラー、51…ヘッド基板、53…制御回路、54…ヘッド制御回路、55,56…モーター駆動回路、57…非接触電力伝達回路の一例としての非接触式受電回路、58…駆動信号生成回路、61…CPU、62…ROM、63…RAM、64…駆動IC、65…スイッチング回路、90…ヘッド駆動回路、97…受電回路部、98…通信回路、110…充電機能付きの液体吐出システム、111…送電ユニット、112…送電部、113…通信部、115…非接触電力伝達回路の一例としての非接触式送電回路、116…送電回路部、117…通信回路、120…液体吐出装置外の装置の一例としての電子機器、121…受電ユニット、122…操作部、123…表示部、124…制御部、125…非接触式受電回路、126…駆動系、127…バッテリー、128…受電部、129…受電回路部、130…通信部、100…ホスト装置、170…圧電素子、200…商用交流電源、X…幅方向(主走査方向)、Y…搬送方向、P…媒体、SA1…第1収容スペース(第1サイド領域)、SA2…第2収容スペース(第2サイド領域)、D…液体吐出部の一例としての吐出部、SI,SP…印字データ、COM…駆動信号、F1…第2周波数帯域の一例としての駆動信号周波数帯域、F2…第1周波数帯域の一例としての電力伝達周波数帯域、LF1…制限周波数帯域(駆動信号周波数帯域)、LF2…制限周波数帯域(電力伝達周波数帯域)。

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