図面 (/)

技術 容器詰コーヒー飲料及びその製造方法

出願人 株式会社伊藤園
発明者 福島武松本剛弥一谷正己杉本明夫鈴木章嗣三好誠
出願日 2015年10月30日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2015-214127
公開日 2017年5月18日 (2年1ヶ月経過) 公開番号 2017-079678
状態 特許登録済
技術分野 茶・コーヒー
主要キーワード コーヒー豆粉砕物 飲料液中 給液流量 ハンター色差計 実施例試料 比較例試料 ミルク入りコーヒー 消費者ニーズ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年5月18日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

含有成分の酸化による品質低下や好ましくない苦み雑味酸味を生じることがなく、かつコーヒー豆の使用量を増やすことなく従来の容器詰コーヒー飲料よりも、香味が強く、濃度感がある容器詰コーヒー飲料及びその製造方法を提供する。

解決手段

飲料液中粒子径10μm未満の水不溶性粒子含有量が25ppm以上であり、粒子径10μm以上の水不溶性粒子の含有量が10ppm以下であることを特徴とする容器詰コーヒー飲料。

概要

背景

コーヒーと並び、古来より多くの人々に飲されている代表的な嗜好性飲料である。
家庭飲食店等で直接提供される形態の他、小売店自動販売機容器詰コーヒー飲料の形態でも提供されている。
また、飲料以外のコーヒー関連製品の具体的な販売形態としては、例えば、焙煎前の生豆、焙煎コーヒー豆、若しくは焙煎コーヒー豆の粉砕物、前記コーヒー豆粉砕物を布、不織布、若しくは紙等の抽出用バッグ封入した抽出用バッグの形態、焙煎コーヒー豆抽出液濃縮液の形態、または前記抽出液湯水に簡単に溶解し得るよう、凍結乾燥等の手段によって固化し、粉末又は粒状とした所謂インスタントコーヒーの形態等がある。
加えて昨今では、食品生理活性機能への関心の高まりに従い、カフェインクロロゲン酸類等といったコーヒーの生理活性機能成分の分析研究も進み、コーヒー飲料は単なる嗜好性飲料だけではなく機能性飲料としての役割が注目されるようになってきた。

このような中、RTD(READY TO DRINK)タイプの容器詰コーヒー飲料は、いつでも手軽にコーヒーを楽しむことができるという利便性により、清涼飲料市場において最大の市場規模を有しており、夫々の製品に求められる消費者ニーズ多様化してきている。
この多様化した消費者ニーズ応えブラックコーヒー(無糖、有糖)、ミルク入りコーヒー、各種フレーバー入りコーヒーをはじめ、多種多様バリエーション製品が上市されており、提供される形態についてもコールド販売から加温販売まで様々である。

また、コーヒーは、「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」によれば、「コーヒー」と表示できる内容量100グラム中にコーヒー生豆換算で5グラム以上のコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分を含むものから、「コーヒー入り清涼飲料」と表示できる内容量100グラム中にコーヒー生豆換算で1グラム以上2.5グラム未満のコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分を含むものまで、様々な濃度の商品がある。

しかし、容器詰コーヒー飲料において水不溶性粒子量が多く濁りがある場合、コーヒーの強さを感じるが、含有成分の酸化による品質低下や好ましくない酸味を呈しやすいという課題があった。そのため、容器詰コーヒー飲料では清澄化が求められ、遠心分離フィルターによるろ過などで、水不溶性粒子の除去が行われている。

一方で水不溶性粒子の除去が行われている容器詰コーヒー飲料では、酸化劣化などは生じにくいが、コーヒー感が弱いという課題があった。それを補う手法として、コーヒー豆の微粒子に着目した技術が提案されてきた。例えば、コーヒー固形分としてコーヒー豆を微粉砕したコーヒー微粉末飲用液中に添加することで、コーヒー豆の使用量を抑えながら濃厚感を高める技術が提案されている(特許文献1)。

特開2005−318812

概要

含有成分の酸化による品質低下や好ましくない苦み雑味、酸味を生じることがなく、かつコーヒー豆の使用量を増やすことなく従来の容器詰コーヒー飲料よりも、香味が強く、濃度感がある容器詰コーヒー飲料及びその製造方法を提供する。飲料液中粒子径10μm未満の水不溶性粒子の含有量が25ppm以上であり、粒子径10μm以上の水不溶性粒子の含有量が10ppm以下であることを特徴とする容器詰コーヒー飲料。なし

目的

本発明の目的は、含有成分の酸化による品質低下や好ましくない苦みや雑味、酸味を生じることがなく、かつコーヒー豆の使用量を増やすことなく従来の容器詰コーヒー飲料よりも、香味が強く、濃度感がある容器詰コーヒー飲料及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

飲料液中粒子径10μm未満の水不溶性粒子含有量が25ppm以上であり、粒子径10μm以上の水不溶性粒子の含有量が10ppm以下であることを特徴とする容器詰コーヒー飲料

請求項2

前記粒子径10μm未満の水不溶性粒子の粒子径が0.45μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の容器詰コーヒー飲料。

請求項3

前記粒子径10μm未満の水不溶性粒子の粒子量が1μLあたり1.3×105個以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の容器詰コーヒー飲料。

請求項4

前記粒子径10μm未満の水不溶性粒子の含有量[a]と水不溶性粒子の総含有量[b]の比率([a]/[b])が0.75以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の容器詰コーヒー飲料。

請求項5

前記水不溶性粒子の総含有量[b]が30ppm以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の容器詰コーヒー飲料。

請求項6

前記水不溶性粒子のメディアン径が1.7μm以下であり、かつ粒度分布標準偏差が0.2以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の容器詰コーヒー飲料。

請求項7

前記粒子径10μm未満の水不溶性粒子の含有量が150ppm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の容器詰コーヒー飲料。

請求項8

粒子径が10μm未満の水不溶性粒子の含有量を25ppm以上に調整する工程と、粒子径が10μm以上の水不溶性粒子の含有量を10ppm以下に調整する工程とを含むことを特徴とする容器詰コーヒー飲料の製造方法。

請求項9

粒子径が10μm未満の水不溶性粒子の含有量を25ppm以上に調整する工程と、粒子径が10μm以上の水不溶性粒子の含有量を10ppm以下に調整する工程とを含むことを特徴とする容器詰コーヒー飲料の濃度感向上方法

技術分野

0001

本発明は、濃度感増しながらも苦渋味雑味の増大を抑制した容器詰コーヒー飲料及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

コーヒーと並び、古来より多くの人々に飲されている代表的な嗜好性飲料である。
家庭飲食店等で直接提供される形態の他、小売店自動販売機で容器詰コーヒー飲料の形態でも提供されている。
また、飲料以外のコーヒー関連製品の具体的な販売形態としては、例えば、焙煎前の生豆、焙煎コーヒー豆、若しくは焙煎コーヒー豆の粉砕物、前記コーヒー豆粉砕物を布、不織布、若しくは紙等の抽出用バッグ封入した抽出用バッグの形態、焙煎コーヒー豆抽出液濃縮液の形態、または前記抽出液湯水に簡単に溶解し得るよう、凍結乾燥等の手段によって固化し、粉末又は粒状とした所謂インスタントコーヒーの形態等がある。
加えて昨今では、食品生理活性機能への関心の高まりに従い、カフェインクロロゲン酸類等といったコーヒーの生理活性機能成分の分析研究も進み、コーヒー飲料は単なる嗜好性飲料だけではなく機能性飲料としての役割が注目されるようになってきた。

0003

このような中、RTD(READY TO DRINK)タイプの容器詰コーヒー飲料は、いつでも手軽にコーヒーを楽しむことができるという利便性により、清涼飲料市場において最大の市場規模を有しており、夫々の製品に求められる消費者ニーズ多様化してきている。
この多様化した消費者ニーズ応えブラックコーヒー(無糖、有糖)、ミルク入りコーヒー、各種フレーバー入りコーヒーをはじめ、多種多様バリエーション製品が上市されており、提供される形態についてもコールド販売から加温販売まで様々である。

0004

また、コーヒーは、「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」によれば、「コーヒー」と表示できる内容量100グラム中にコーヒー生豆換算で5グラム以上のコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分を含むものから、「コーヒー入り清涼飲料」と表示できる内容量100グラム中にコーヒー生豆換算で1グラム以上2.5グラム未満のコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分を含むものまで、様々な濃度の商品がある。

0005

しかし、容器詰コーヒー飲料において水不溶性粒子量が多く濁りがある場合、コーヒーの強さを感じるが、含有成分の酸化による品質低下や好ましくない酸味を呈しやすいという課題があった。そのため、容器詰コーヒー飲料では清澄化が求められ、遠心分離フィルターによるろ過などで、水不溶性粒子の除去が行われている。

0006

一方で水不溶性粒子の除去が行われている容器詰コーヒー飲料では、酸化劣化などは生じにくいが、コーヒー感が弱いという課題があった。それを補う手法として、コーヒー豆の微粒子に着目した技術が提案されてきた。例えば、コーヒー固形分としてコーヒー豆を微粉砕したコーヒー微粉末飲用液中に添加することで、コーヒー豆の使用量を抑えながら濃厚感を高める技術が提案されている(特許文献1)。

0007

特開2005−318812

発明が解決しようとする課題

0008

上記発明によれば、多量のコーヒー豆を使用しないでも、濃厚感を高める一定の効果を奏するといえる。しかし、水不溶性粒子量が多くなるため、長い賞味期限中に生じる再凝集沈殿を解決すべく複数の乳化剤を用いており、製品の特性上好ましいとは言えなかった。
一方、乳化剤を減らすと、再凝集や沈殿を生じるほか、飲用時にザラツキ感不自然な苦渋味・雑味を感じ、舌触り呈味性バランスが保てないという課題があった。
また、酸化劣化などが生じやすく、賞味期限まで一定の品質に保てないという課題もあった。
一方、単位量当たりのコーヒー豆の使用量を増やす技術では、原料コストの増大という課題があり、使用するコーヒー豆の量は変えず、温度や熱水の量を調整して抽出効率を高める技術では、好ましくない苦みや雑味の増大や、香りが弱くなるなどの課題があった。

0009

そこで本発明の目的は、含有成分の酸化による品質低下や好ましくない苦みや雑味、酸味を生じることがなく、かつコーヒー豆の使用量を増やすことなく従来の容器詰コーヒー飲料よりも、香味が強く、濃度感がある容器詰コーヒー飲料及びその製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは上記問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、飲用液中に含まれる比較的細かい粒度の水不溶性粒子量を増やすことで、水不溶性粒子量が多く、濁りがある容器詰コーヒー飲料を製造した場合であっても、上記の課題が解決されることを見出した。
より具体的には、本発明は以下のとおりである。

0011

すなわち本発明は、飲料液中粒子径10μm未満の水不溶性粒子の含有量が25ppm以上であり、粒子径10μm以上の水不溶性粒子の含有量が10ppm以下であることを特徴とする容器詰コーヒー飲料である。なお、前記粒子径10μm未満の水不溶性粒子の含有量は、150ppm以下であることが好ましい。

0012

さらに、本発明の容器詰コーヒー飲料は、前記粒子径10μm未満の水不溶性粒子の粒子径が0.45μm以上であることを特徴とする。

0013

また、本発明の容器詰コーヒー飲料は、前記粒子径10μm未満の水不溶性粒子の粒子量が1μLあたり1.3×105個以上であることを特徴とする。

0014

また、本発明の容器詰コーヒー飲料は、前記粒子径10μm未満の水不溶性粒子の含有量[a]と水不溶性粒子の総含有量[b]の比率([a]/[b])が0.75以上であることを特徴とし、前記水不溶性粒子の総含有量[b]が30ppm以上であることが望ましい。

0015

また、本発明の容器詰コーヒー飲料は、前記水不溶性粒子のメディアン径が1.7μm以下であり、かつ粒度分布標準偏差が0.2以下であることを特徴とする。

0016

また、本発明は、粒子径が10μm未満の水不溶性粒子の含有量を25ppm以上に調整する工程と、粒子径が10μm以上の水不溶性粒子の含有量を10ppm以下に調整する工程とを含むことを特徴とする容器詰コーヒー飲料の製造方法である。

0017

また、本発明は、粒子径が10μm未満の水不溶性粒子の含有量を25ppm以上に調整する工程と、粒子径が10μm以上の水不溶性粒子の含有量を10ppm以下に調整する工程とを含むことを特徴とする容器詰コーヒー飲料の濃度感向上方法である。

発明の効果

0018

上記構成とすることにより、含有成分の酸化による品質低下や好ましくない酸味を生じることがなく、かつコーヒー豆の使用量を増やすことなく従来の容器詰コーヒー飲料よりも、香味が強く、濃度感がある容器詰コーヒー飲料及びその製造方法を提供することが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下本発明の実施形態につき説明する。なお、本発明の構成を逸脱しない限りにおいて実施形態に記載した以外の成分を添加等することも可能である。

0020

飲料液の調製)
本実施形態において、飲料液は、原料となるコーヒー豆を所定時間焙煎した後に粉砕し、これを熱水により抽出する抽出工程及びその他の各種工程を経て得られる抽出液を、単体若しくは複数種混合して得られる。
容器詰コーヒー飲料に含まれる水不溶性粒子の含有量や粒子径は、コーヒーの品種、焙煎度、焙煎方法、遠心分離条件、フィルター制御、均質化前の温度と圧力条件、ならびに殺菌方法などによって調整できる。
具体的には、粒子径が小さい水不溶性粒子(特に粒子径0.45μm以上10μm未満)を増やす手法としては、次のような手法がある。

0021

(焙煎度)
焙煎豆の粉砕L値を小さくする、すなわち深煎りすることでコーヒー豆の組織を脆くし、焙煎豆の粉砕時に、粒子径が小さい水不溶性粒子量の発生量を増やすことができる。好ましい粉砕L値は14〜20であり、更に好ましくは15〜19であり、最も好ましくは15.5〜18である。
粉砕L値を15〜19、いわゆる中深煎りから深煎り(アメリカ式でシティロースト、フルシティローストフレンチロースト)と呼ばれている範囲にすることで、好ましい苦みとコーヒー特有の香りを持たせつつ、粒子径が小さい水不溶性粒子を増やすことができ、更に粉砕L値をフルシティロースト、フレンチローストと呼ばれる15.5〜18とすることで、粒子径が小さい水不溶性粒子をさらに増やすことができる。
なお、本発明では容器詰コーヒー飲料の製造に用いる全ての焙煎豆が上記粉砕L値を満たすようにしてもよいし、上記粉砕L値の焙煎豆と上記粉砕L値以外の焙煎豆(例えば浅煎り(ライトロースト、シナモンロースト)、中煎り(ミディアムローストハイロースト))を併用してもよい。
焙煎方式は一般的な手法を用いればよく、直火式、熱風式、又は半熱風式などの手法によって行うことができる。焙煎方法、温度、及び時間は、所望の焙煎度を達成するため、またコーヒー豆の特性に応じて適宜選択してよい。また、粉砕L値は、一般的なハンター色差計を用いて計測できる。

0022

(遠心分離)
粉砕後の焙煎豆を熱水で抽出して得られた抽出液を遠心分離することで、粒子径の大きい水不溶性分子を選択的に取り除くことができる。そのため、抽出液中の水不溶性粒子の粒子径にバラつきがある場合や、粒子径の大きい水不溶性粒子が粒子径の小さい水不溶性粒子よりも比較的多い場合であっても、遠心分離により粒子径の大きい水不溶性分子を取り除くことで、容器詰めコーヒー飲料の粒子径が大きい水不溶性粒子と粒子径が小さい水不溶性粒子の含有比の調整が行える。
遠心分離は一般的な手法により行えばよく、例えば遠心分離機ウェストファリアセパレータ社製、SC35−06−177)を用いて5,000〜9,000rpm流量5,000〜15,000L/hで行うことができる。

0023

(フィルター制御)
一般的なフィルター制御手法を用いて任意の粒子径の水不溶性粒子の含有量を調整することができる。例えば、粉砕後の焙煎豆を熱水で抽出して得られた抽出液、若しくは上記遠心分離後の抽出液を孔径10μmのフィルターでろ過することで、粒子径10μm以上の水不溶性粒子の含有量に比して粒子径10μm未満の水不溶性粒子の含有量を多く含む抽出液を得ることができる。

0024

(均質化)
一般的な均質化手法を用いることで、抽出液中の水不溶性粒子を砕き、粒子径の小さい水不溶性粒子の含有量を増やすことができる。均質化の条件は、均質化前の抽出液に含まれる粒子量や粒子径により適宜条件が異なるが、例えば、上記遠心分離やフィルターでのろ過を経て得られた抽出液を、ホモゲナイザーで処理する場合、抽出液を30℃以上に加温し、圧力10MPa以上で処理することが好ましく、特に抽出液を40〜60℃に加温し、圧力12〜20MPaで処理することが好ましい。

0025

(その他)
上記手法で容器詰コーヒー飲料の粒子量を調整しにくい場合は、一般的な微粉砕化手法(湿式粉砕など)でコーヒー豆由来の粒子径0.45μm以上10μm未満の水不溶性粒子を得て添加してもよい。

0026

(水不溶性粒子の含有量)
本実施形態にあっては、飲料液中の粒子径10μm未満の水不溶性粒子の含有量(質量換算、以下同じ)が25ppm以上であることが好ましく、さらには30ppm以上150ppm以下であることが好ましく、特に37ppm以上100ppm以下であることが好ましい。なお、上記粒子径10μm未満の水不溶性粒子は、粒子径が0.45μm以上であることが好ましい。
粒子径10μm以上の水不溶性粒子の含有量は、10ppm以下であることが好ましく、さらには0.01ppm以上9ppm以下であることが好ましく、特に0.1ppm以上7ppm以下であることが好ましい。
粒子径10μm未満の水不溶性粒子の含有量を上記範囲にすることで、濃度感と共にスッキリとした後味が向上し、かつ酸化の抑制や粒子の凝集や沈殿が起きにくくなるため品質安定性を高めることができる。さらに、粒子径を0.45μm以上10μm未満とすることで、酸味を抑えつつ濃度感向上と品質の安定化が可能となる。
一方、粒子径10μm以上の水不溶性粒子を上記範囲内にすることで、苦みや雑味、酸味による呈味への悪影響を低減させるほか、酸化や粒子の凝集や沈殿の発生を低減し、継時安定性を高めることができる。

0027

加えて本実施形態にあっては、粒子径10μm未満の水不溶性粒子の含有量[a]と水不溶性粒子の総含有量[b]の比率([a]/[b])が0.75以上0.99以下であることが好ましく、更には[a]/[b]が0.8以上であることが好ましく、特に[a]/[b]が0.83以上であることが好ましい。
これにより、粒子径10μm未満の水不溶性粒子が粒子径10μm以上の水不溶性粒子よりも多量に含まれるため、濃度感とスッキリとした後味を向上させつつ不快な苦みや雑味を抑えることができる。
また、水不溶性粒子の総含有量[b]は30ppm以上が望ましく、更には40ppm以上が好ましく、特に60ppm以上100ppm以下が好ましい。これにより苦みや雑味、酸味を抑制しつつ、濃度感を高めることができることができる。
また、水不溶性粒子の総含有量[b]の上限は、200ppm以下が望ましく、更には150ppm以下が好ましく、特に100ppm以下が好ましい。これにより飲用時のザラツキを抑えて口当たりを良くするほか、賞味期限内での性状安定性を高めることができる。
なお、水不溶性粒子の総含有量[b]は粒子径0.45μm以上の水不溶性粒子の含有量とできる。

0028

(水不溶性粒子の含有量の測定方法
本実施例にあっては、下記方法によって水不溶性粒子の含有量の測定を行った。
分析方法
テップ1:抽出液を孔径10μmのPPKフィルター(3M社製)にてろ過し、PPKフィルター上に残った残渣を回収し、乾燥質量を計測。この乾燥質量を粒子径10μm以上の水不溶性粒子の質量とし、粒子径10μm以上の水不溶性粒子の含有量をppm換算で求めた。
ステップ2:次に、ステップ1で得られたろ液を孔径0.45μmのPPKフィルター(3M社製)にてろ過し、PPKフィルター上に残った残渣を回収し、乾燥質量を計測。この乾燥質量を粒子径0.45μm以上10μm未満の水不溶性粒子の質量とし、粒子径10μm未満の水不溶性粒子の含有量をppm換算で求めた。

0029

(水不溶性粒子の粒子数
本実施形態にあっては、粒子径10μm未満の水不溶性粒子の粒子量が1μLあたり1.3×105個以上であることが好ましく、更には粒子量が1μLあたり1.4×105個以上であることが好ましく、特に粒子量が1μLあたり1.5×105個以上であることが好ましい。このように、粒子径10μm未満の水不溶性粒子が多量に含まれることで、濃度感と共にスッキリとした後味が向上する。
また、粒子径10μm未満の水不溶性粒子の粒子量の上限は、1μLあたり6.0×105個以下であることが好ましく、更には粒子量が1μLあたり5.0×105個以下であることが好ましく、特に粒子量が1μLあたり3.0×105個以下であることが好ましい。この範囲に調整することで、これにより飲用時のザラツキを抑えて口当たりを良くするほか、含有成分の酸化が抑えられ賞味期限内での性状安定性を高めることができる。
なお、粒子径10μm未満の水不溶性粒子の粒子量は、粒子径0.45μm以上の水不溶性粒子の粒子量とできる。

0030

(水不溶性粒子の粒子量の測定方法)
本実施形態にあっては、下記方法によって水不溶性粒子の粒子量(粒子数)の測定を行った。
装置構成
コールターカウンター:Multisizer4(ベックマンコールター社製)
アパチャーサイズ:20μm
=分析方法=
ステップ1:飲用液が入っている容器を10回上下に振り混ぜ、粒子を均一化させる。
ステップ2:飲用液をアイトン溶液にて測定濃度希釈する。
ステップ3:コールターカウンターにて希釈液中の粒子数を求め、希釈前の飲用液中の粒子量を算出した。

0031

(水不溶性粒子のメディアン径)
本実施形態にあっては、水不溶性粒子のメディアン径(粒度分布の50%となる粒径)が1.7μm以下であることが好ましく、更には1.65μm以下が好ましい。また、水不溶性粒子の粒度分布の標準偏差が0.2以下であることが好ましく、更には0.18以下であることが好ましい。
このように、粒子径の小さい水不溶性粒子を多く含むことで、香味向上と苦み・雑味の低減を実現することができ、更に水不溶性粒子の粒子径のバラつきを抑えることで、水不溶性粒子の凝集や沈殿が生じにくくなる。
なお、メディアン径は、一般的なレーザー回析散乱光式粒度分布装置、例えば島津製作所製SALD−2100を用いて求めることができる。

0032

原料豆
前記抽出工程に用いるコーヒー豆の産地としては、ブラジル、コロンビアタンニア、エチオピア等が挙げられるが、特に限定されない。また、コーヒー豆の品種としては、アラビカ種ロブスタ種等が挙げられる。コーヒー豆は、1種を用いても、2種以上をブレンドして用いてもよい。

0033

(コーヒー飲料)
また、本実施形態に係る容器詰コーヒー飲料とは、前記のコーヒー豆由来の抽出液を原料の一つとする飲料である。なお、本願発明の技術的範囲を逸脱しない限りにおいて、乳、ショ糖グルコースフルクトースキシロース果糖ブドウ糖液糖アルコール等の糖分の他、抗酸化剤pH調整剤、乳化剤、香料コーヒーエキス酵素等の添加物を添加することができる。

0034

(抗酸化剤)
また、前記容器詰コーヒー飲料に添加する添加物のうち、抗酸化剤としては、アスコルビン酸又はその塩、エリソルビン酸又はその塩等が挙げられるが、このうちアスコルビン酸又はその塩等が特に好ましい。

0035

(乳化剤)
また、前記乳化剤としては、公知の乳化剤を使用することが可能であり、ショ糖脂肪酸エステルグリセリン脂肪酸エステルレシチン類ソルビタン脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステル等一般的な乳化剤をいずれも本願発明の範囲を逸脱しない範囲で選択することができる。

0036

(pH調整剤)
また、前記pH調整剤としては公知のものを適宜選択できるが、劣化酸味の抑制に対しては、炭酸水素ナトリウム重曹)が好ましい。重曹の添加量は、飲料液に対して、0.1〜0.15%程度が好ましい。

0037

(容器)
本実施形態に係る容器詰コーヒー飲料の容器としては、PETボトルアルミニウムスチール)、紙、プラスチックレトルトパウチ、瓶(ガラス)等が挙げられるが、レトルト殺菌処理への耐熱性や、加温販売などを考慮する必要がある場合には、缶(アルミニウム、スチール)、若しくは強化層酸素吸収層などを有する強化プラスチック容器を用いることが好ましい。

0038

(殺菌)
また、本実施形態に係る容器詰コーヒー飲料の殺菌処理は、食品衛生法に定められた殺菌条件で行われる。殺菌方法としては、UHT殺菌レトルト殺菌等が挙げられ、例えばUHT殺菌の場合、135℃、40秒で行える。

0039

以下に本発明の実施例を、無糖ブラックコーヒーである場合を例として説明するが、本発明は有糖コーヒー、ミルク入りコーヒーの他、コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約で規定されるコーヒー飲料、コーヒー入り清涼飲料なども含み、特許請求の範囲が該実施例に限定されるものではない。

0040

容器詰コーヒー飲料を以下の方法より製造した。
工程1:ブラジル産コーヒー豆(アラビカ種)を焙煎・粉砕し、表1に示す粉砕L値の焙煎豆を得た。
工程2:焙煎豆を11倍量、90℃の熱水を用いて抽出器にて抽出。
工程3:遠心分離機(ウェストファリアセパレータ社製、SC35−06−177)を用いて、7,200rpm、給液流量8,000L/hで遠心分離処理
工程4:10μmのPPKフィルターにてろ過。
工程5:ホモゲナイザーにて表1に示す条件で均質化。
工程6:UHT殺菌(135℃、40秒)後、容器に充填

0041

0042

上述の方法で調整した各実施例試料及び比較例試料測定結果を表2に示す。

0043

0044

官能評価
前記表2の通りに調製された実施例試料1〜5、及び比較例試料1〜3について、以下の評価項目により官能評価試験を実施した。
官能評価試験は、7人の訓練されたパネラー委託して行い、各項目を以下に示す基準で評価したものである。ここで、表中の数値は、7人のパネラーの評価の平均値を算出(小数点以下は四捨五入)したものである。

0045

<コーヒーの強さ>
0点:感じない
1点:少し感じる
2点:感じるがやや物足りない(前記少し感じるよりも強く感じる)
3点:十分感じる
4点:強く感じる
5点:非常に強く感じる

0046

<濃度感>
0点:感じない
1点:少し感じる
2点:感じるがやや物足りない(前記少し感じるよりも強く感じる)
3点:十分感じる
4点:強く感じる
5点:非常に強く感じる

0047

苦味、雑味>
0点:感じない
−1点:少し感じる
−2点:やや感じる(前記少し感じるよりも強く感じる)
−3点:十分感じる
−4点:強く感じる
−5点:非常に強く感じる

0048

<酸味>
0点:感じない
−1点:少し感じる
−2点:やや感じる(前記少し感じるよりも強く感じる)
−3点:十分感じる
−4点:強く感じる
−5点:非常に強く感じる

0049

総合評価
各評価項目総合的に案して、商品としての適性を評価した。
×:商品としての適性に劣っている(合計点が0以下)
△:商品としての適性は標準的である(1点、2点)
○:商品としての適性に優れている(3〜7点)
◎:商品としての適性に非常に優れている(8〜10点)

0050

前記の各評価項目について実施例及び比較例の評価を行った結果を表3に示す。

0051

0052

(考察)
以上の結果から、粒子径0.45μm以上10μm未満の水不溶性粒子の含有量が25ppmを超える実施例試料1〜5では、コーヒーの強さ、濃度感を感じ、特に30ppm以上の実施例試料1〜3、5ではいずれも十分若しくはそれ以上に感じられる好成績を得た。一方で、粒子径10μm以上の水不溶性粒子の含有量が10ppm以下の実施例試料1〜5では、不快な苦みや雑味、酸味が抑制され、特に7ppm以下の実施例試料1〜3、5ではこれらを感じなかった。
これにより、粒子径0.45μm以上10μm未満の水不溶性粒子の含有量を増やすことでコーヒーの強さ、濃度感が増すが、不快な苦み、雑味、酸味は増えないことが分かった。また、粒子径0.45μm以上10μm未満の水不溶性粒子が多く含まれる場合、粒子径10μm以上の水不溶性粒子の含有量が10ppm以下であれば、不快な苦みや雑味、酸味が抑制されることが分かった。

0053

粒子径0.45μm以上10μm未満の水不溶性粒子の含有量[a]と水不溶性粒子の総含有量[b]の比率([a]/[b])に着目すると、実施例試料1〜5の通り[a]/[b]が0.75以上で、不快な苦み、雑味、酸味に大きな影響を与えず、コーヒーの強さや濃度感を増すことができ、特に[a]/[b]が0.8以上の実施例試料1〜3、5では好成績を得た。これにより、容器詰コーヒー飲料中の水不溶性粒子のうち、粒子径0.45μm以上10μm未満の水不溶性粒子が占める割合(質量比)が多くなるほど、効果が増すことが分かった。

0054

また、実施例試料1〜5の水不溶性粒子数は1.3×105以上と比較例試料1〜3よりも多いが、飲用時にザラツキを感じることはなく、オリの発生なども抑えられ性状も安定していた。これは、実施例試料中の水不溶性粒子のメディアン径がいずれの比較例試料より小さく、バラつきも少ない(標準偏差が小さい)ことが影響したと考えられる。また、水不溶性粒子数が1.4×105以上の実施例試料1〜3、5でコーヒーの強さ、濃度感を十分若しくはそれ以上に感じられた。

0055

本発明によれば、含有成分の酸化による品質低下や好ましくない苦みや雑味、酸味を生じることがなく、かつコーヒー豆の使用量を増やすことなく従来の容器詰コーヒー飲料よりも、香味が強く、濃度感がある容器詰コーヒー飲料及びその製造方法を提供できる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ