図面 (/)

技術 流体ポンプ

出願人 株式会社TBK
発明者 大澤誠人
出願日 2015年10月20日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-206616
公開日 2017年4月27日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2017-078359
状態 特許登録済
技術分野 非容積形ポンプの構造 メカニカルシール
主要キーワード 鋳造工法 流体貯留 両シール部材 取付工数 ノーマルクローズ型 固定端側 段付き円筒 ポンプケース内
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

部品点数取付工数を増加させることなく、外部への流体漏出を防止することのできる流体ポンプを提供する。

解決手段

ポンプケース10内において軸孔18に連通して形成されて、メカニカルシール50から漏出する流体を貯留する水貯留手段100を備え、電磁クラッチ60は、励磁コイル73への通電/非通電を切り替えることで、動力駆動軸30に伝達又は遮断し、水貯留手段100は、メカニカルシール50と軸受17との間において軸孔18に連通して軸線方向の他端側に開口するキャッチタンク102を有し、電磁クラッチ60のコア72をポンプケース10に取り付けるための取付部材71がキャッチタンク102の開口部102aを封止する。

概要

背景

従来から、自動車用エンジンを初めとする水冷式エンジンには、シリンダシリンダヘッドを冷却するための媒体として水(冷却水)が使用されており、その冷却水をエンジンのシリンダブロック内に形成されたウォータジャケット内送り込んで強制循環させるための装置として流体ポンプが備えられている。このような流体ポンプは、一般にウォータポンプと呼ばれており、シリンダブロックの一部からなり冷却水の吸入口と吐出口とが形成されたポンプベースと、このポンプベースに取り付けられてポンプ室を形成するポンプケースと、ポンプケースの外周部において回転自在に支持されたポンププーリと、ポンププーリに一端部が連結されるとともにポンプケースの軸孔を通ってポンプ室内に延びる駆動軸と、駆動軸を回転自在に支持する軸受と、駆動軸の端部に取り付けられてポンプ室内に設けられたインペラとを有して構成される(例えば、特許文献1を参照)。また、近年では、ポンププーリと駆動軸との間の動力伝達経路を接続又は遮断するための電磁クラッチを配設して、エンジンの冷間時には該動力伝達経路を遮断して冷却水の供給を制限し、エンジンの温間時には該動力伝達経路を接続して冷却水を供給する可変式の流体ポンプも提案されている(例えば、特許文献2を参照)。

このような構成のウォータポンプでは、ポンプ室の密閉性を保持する必要があり、ポンプケースの軸孔と駆動軸との間を液密に保持するためのシール手段が取り付けられている。このシール手段は、ポンプケース側に取り付けられる第1シール部材と、駆動軸側に取り付けられる第2シール部材とからなるメカニカルシールと称されるシール手段が用いられることが多く、これら両シール部材が接触することによりシール面を形成するようになっている。

概要

部品点数取付工数を増加させることなく、外部への流体漏出を防止することのできる流体ポンプを提供する。ポンプケース10内において軸孔18に連通して形成されて、メカニカルシール50から漏出する流体を貯留する水貯留手段100を備え、電磁クラッチ60は、励磁コイル73への通電/非通電を切り替えることで、動力を駆動軸30に伝達又は遮断し、水貯留手段100は、メカニカルシール50と軸受17との間において軸孔18に連通して軸線方向の他端側に開口するキャッチタンク102を有し、電磁クラッチ60のコア72をポンプケース10に取り付けるための取付部材71がキャッチタンク102の開口部102aを封止する。

目的

本発明は上記のような課題に鑑みてなされたものであり、部品点数や取付工数を増加させることなく、外部への流体の漏出を抑制することのできる流体ポンプを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

軸線方向に延びる軸孔が形成されるとともに、前記軸孔に連通するポンプ室が形成されたハウジングと、前記軸孔内に設けられて動力源からの動力により軸線周りに回転する駆動軸と、前記軸孔内に設けられて前記駆動軸を回転自在に支持する回転軸受と、前記ポンプ室内に設けられて前記駆動軸の端部に連結されるインペラと、前記ハウジングに設けられて前記動力源の動力を駆動軸へ伝達又は遮断する電磁クラッチと、前記インペラと前記回転軸受との間に位置して、前記軸孔の内周部に設けられた第1シール部材と前記駆動軸の外周部に設けられた第2シール部材とが対向接触してなるメカニカルシールと、前記ハウジング内において前記軸孔に連通して形成されて、前記メカニカルシールから漏出する流体貯留する貯留手段とを備えた流体ポンプにおいて、前記電磁クラッチは、磁界を発生させるコイルを内部に収容したコア部を有し、前記コイルへの通電/非通電を切り替えることで、前記動力源の動力を前記駆動軸に伝達又は遮断し、前記貯留手段は、前記メカニカルシールと前記回転軸受との間において前記軸孔に連通して軸線方向の他端側に開口する流体貯留部を有し、前記コア部を前記ハウジングに取り付けるための取付部材が前記流体貯留部の前記開口を封止することを特徴とする流体ポンプ。

請求項2

前記流体貯留部は、軸線周りに円環状に形成された環状空間からなり、前記流体貯留部と外部とを連通させる排出部は、前記流体貯留部の下端から所定の高さ位置に設けられて、前記流体貯留部から前記外部へ向けて斜め下方指向するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の流体ポンプ。

技術分野

0001

本発明は、例えばウォータポンプ等の流体ポンプに関する。

背景技術

0002

従来から、自動車用エンジンを初めとする水冷式エンジンには、シリンダシリンダヘッドを冷却するための媒体として水(冷却水)が使用されており、その冷却水をエンジンのシリンダブロック内に形成されたウォータジャケット内送り込んで強制循環させるための装置として流体ポンプが備えられている。このような流体ポンプは、一般にウォータポンプと呼ばれており、シリンダブロックの一部からなり冷却水の吸入口と吐出口とが形成されたポンプベースと、このポンプベースに取り付けられてポンプ室を形成するポンプケースと、ポンプケースの外周部において回転自在に支持されたポンププーリと、ポンププーリに一端部が連結されるとともにポンプケースの軸孔を通ってポンプ室内に延びる駆動軸と、駆動軸を回転自在に支持する軸受と、駆動軸の端部に取り付けられてポンプ室内に設けられたインペラとを有して構成される(例えば、特許文献1を参照)。また、近年では、ポンププーリと駆動軸との間の動力伝達経路を接続又は遮断するための電磁クラッチを配設して、エンジンの冷間時には該動力伝達経路を遮断して冷却水の供給を制限し、エンジンの温間時には該動力伝達経路を接続して冷却水を供給する可変式の流体ポンプも提案されている(例えば、特許文献2を参照)。

0003

このような構成のウォータポンプでは、ポンプ室の密閉性を保持する必要があり、ポンプケースの軸孔と駆動軸との間を液密に保持するためのシール手段が取り付けられている。このシール手段は、ポンプケース側に取り付けられる第1シール部材と、駆動軸側に取り付けられる第2シール部材とからなるメカニカルシールと称されるシール手段が用いられることが多く、これら両シール部材が接触することによりシール面を形成するようになっている。

先行技術

0004

特開2007−16629号公報
特開2011−202526号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、このような構成の流体ポンプにおいては、メカニカルシールがダスト等の異物を噛み込んだときに、メカニカルシールから少量の冷却水が漏出するおそれがある。これはシール手段としてメカニカルシールを採用するうえで、構造的に避けられないものとなっているが、該漏出した冷却水が流体ポンプから外部へ水漏れすると、流体ポンプが故障していると誤認されるおそれがある。そこで、上記特許文献1に記載の流体ポンプでは、ポンプケース内にメカニカルシールから漏出した冷却水を一時的に貯留するための水貯留空間が設けられた構成が提案されている。しかしながら、その場合には水貯留空間の開口を着脱自在に封止するための専用のカバーが必要となるため、部品点数取付工数の増加により、流体ポンプの製造コストが増大するという課題があった。

0006

本発明は上記のような課題に鑑みてなされたものであり、部品点数や取付工数を増加させることなく、外部への流体の漏出を抑制することのできる流体ポンプを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するため、本発明に係る流体ポンプは、軸線方向に延びる軸孔が形成されるとともに、前記軸孔に連通するポンプ室が形成されたハウジング(例えば、実施形態におけるポンプケース10)と、前記軸孔内に設けられて動力源(例えば、実施形態におけるエンジンEG)からの動力により軸線周りに回転する駆動軸と、前記軸孔内に設けられて前記駆動軸を回転自在に支持する回転軸受(例えば、実施形態における軸受17)と、前記ポンプ室内に設けられて前記駆動軸の端部に連結されるインペラと、前記ハウジングに設けられて前記動力源の動力を駆動軸へ伝達又は遮断する電磁クラッチと、前記インペラと前記回転軸受との間に位置して、前記軸孔の内周部に設けられた第1シール部材と前記駆動軸の外周部に設けられた第2シール部材とが対向接触してなるメカニカルシールと、前記ハウジング内において前記軸孔に連通して形成されて、前記メカニカルシールから漏出する流体を貯留する貯留手段(例えば、実施形態における水貯留手段100)とを備えた流体ポンプにおいて、前記電磁クラッチは、磁界を発生させるコイル(例えば、実施形態における励磁コイル73)を内部に収容したコア部(例えば、実施形態におけるコア72)を有し、前記コイルへの通電/非通電を切り替えることで、前記動力源の動力を前記駆動軸に伝達又は遮断し、前記貯留手段は、前記メカニカルシールと前記回転軸受との間において前記軸孔に連通して軸線方向の他端側に開口する流体貯留部(例えば、実施形態におけるキャッチタンク102)を有し、前記コア部を前記ハウジングに取り付けるための取付部材が前記流体貯留部の前記開口を封止することを特徴とする。

0008

上記構成の流体ポンプにおいて、前記流体貯留部は、軸線周りに円環状に形成された環状空間からなり、前記流体貯留部と外部とを連通させる排出部は、前記流体貯留部の下端から所定の高さ位置に設けられて、前記流体貯留部から前記外部へ向けて斜め下方指向するように形成されていることが好ましい。

発明の効果

0009

本発明に係る流体ポンプによれば、ハウジング内にメカニカルシールから漏出した流体を貯留するための流体貯留部を設けた構成において、電磁クラッチの取付部材を流体貯留部の開口部を封止するためのカバーとして併用することで、専用のカバーを設けることなく、流体ポンプからの水漏れを抑制することができるため、流体ポンプの部品点数および組立工数を削減して、流体ポンプの製造コストを低減することが可能となる。

0010

上記構成の流体ポンプにおいて、流体貯留部を軸線周りに円環状をなす環状空間として形成し、流体貯留部内の空間体積を効率よく確保することで、メカニカルシールから冷却水が水蒸気として漏出した場合でも、流体貯留部内で該水蒸気が凝縮するまでに要する水蒸気量が増えるため、流体貯留部内での結露を抑制して、流体ポンプからの水漏れをより一層効果的に防止することが可能となる。

図面の簡単な説明

0011

本実施形態のウォータポンプによる冷却水の循環経路を示すブロック図である。
上記ウォータポンプの断面図である。
上記ウォータポンプにおけるポンプケースの平面図である。
上記ウォータポンプの要部を示す断面図である。

実施例

0012

以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明の一実施形態に係るウォータポンプ(流体ポンプ)は、冷却水の循環経路中に配設されて該冷却水を強制循環させるためのものである。まず、本実施形態に係るウォータポンプを説明する前に、冷却水の循環経路について図1を用いて説明する。

0013

図1に示すように、冷却水の循環経路中には、水冷式の内燃機関であるエンジンEGと、エンジンEGから排出される冷却水(エンジン冷却用冷媒)を冷却するラジエターRDと、冷却水の温度に応じて該冷却水の循環を制御する切換弁SVと、冷却水を強制循環させるウォータポンプ1とが配置されており、これらを接続する複数の流路を介して冷却水が循環されることにより、エンジンEGが冷却されるようになっている。

0014

エンジンEGは、例えば水冷式のガソリンエンジンであって、その内部にシリンダ(図示しない)を覆うように形成された空間であるウォータジャケットWJが設けられている。吐出流路L2からウォータジャケットWJに流入した冷却水は、該ウォータジャケットWJを通過する過程でシリンダ等を冷却した後、接続流路CLへ排出される。

0015

ラジエターRDは、図示しない冷却ファンからの送風により該ラジエターRD内を通過する冷却水を冷却して外部へ放熱を行うように構成されている。そのため、エンジンEGのウォータジャケットWJで昇温された冷却水は、このラジエターRDを通過する過程で熱を放出して水温下げるようになっている。

0016

切換弁SVは、排出流路HLを介してラジエターRDに接続されるとともに、ラジエターRDを迂回するバイパス流路BLに接続されている。切換弁SVは、冷却水の水温に応じて開閉するサーモスタット(冷却水感応型の切換え弁)から構成されており、冷却水の水温が所定温度以下のときには接続流路CLとバイパス流路BLとを連通し、冷却水の水温が所定温度を超えるときには接続流路CLと排出流路HLとを連通するようになっている。

0017

ウォータポンプ1は、その回転軸がエンジンEGのクランクシャフトCSに駆動ベルトDB等を介して連結され、エンジンEGの運転連動して作動する。ウォータポンプ1には戻り流路L1および吐出流路L2が接続されており、戻り流路L1から吸入した冷却水を昇圧して吐出流路L1からウォータジャケットWJへ供給するようになっている。

0018

このような冷却水の循環経路では、ウォータポンプ1から吐出流路L2を通して吐出された冷却水は、エンジンEG内部に形成されたウォータジャケットWJに流入し、エンジンEGを冷却して排出される。この排出された冷却水は、ラジエターRDにより冷却されて、もしくはラジエターRDを通らずに、戻り流路L2からウォータポンプ1に戻って循環する。

0019

続いて、ウォータポンプ1の全体構成について図2図4を追加参照しながら説明する。以下では、説明の便宜上、図2に示すウォータポンプ1の配設姿勢を基準として、軸線方向の左側を「一端側」、軸線方向の右側を「他端側」とも称して説明する。

0020

ウォータポンプ1は、エンジンEGのシリンダブロックCBの一部をなすポンプベース2に取り付けられるポンプケース10と、ポンプケース10に軸受(ベアリング)17を介して軸線Xを中心として回転自在に取り付けられる駆動軸30と、駆動軸30の端部に取り付けられるインペラ40と、ポンプケース10と駆動軸30との間を液密的にシールするためのメカニカルシール50と、エンジンEGからの回転力(動力)を駆動軸30に伝達又は遮断する電磁クラッチ60と、メカニカルシール50からリークした冷却水を貯留する水貯留手段100とを主体に構成される。

0021

ポンプベース2には、冷却水の戻り流路L1と繋がる吸入口3と、冷却水の吐出流路L2に繋がる吐出口4とが設けられている。また、ポンプベース2には、ポンプケース10と対向する他端側に凹部5が形成されている。

0022

ポンプケース10は、複数本ボルトを用いてポンプベース2に着脱可能に取り付けられており、ポンプベース2の他端側に形成された凹部5とポンプケース10の一端側に形成された凹部11との間には、ポンプ室12が画成されている。ポンプケース10は、中空円筒部13と、この円筒部13の一端部から径方向外方に拡がって延びたフランジ部14とを有して形成される。円筒部13は、大径部13aおよび小径部13bを有して、全体として段付き円筒状に形成されている。小径部13bの外周部には、軸受(ベアリング)24を介してポンププーリ20が同軸的に取り付けられている。また、ポンプケース10の中心には、軸線方向に貫通する軸孔18が形成されている。

0023

ポンププーリ20は、クランクシャフトCSと繋がる駆動ベルトDBが掛け渡されるプーリ部21と、内周側に軸受24が嵌合される支持部22と、プーリ部21および支持部22を連結する連結部23とを有して形成されており、クランクシャフトCSの回転力が駆動ベルトDBを介してポンププーリ20に伝達されるようになっている。なお、連結部23の他端側の端面は、後述のアーマチュア83と摩擦係合するための摩擦面として形成されている。

0024

駆動軸30は、ポンプケース10の軸孔18に嵌合された軸受17を介してポンプケース10に回転自在に支持されている。この駆動軸30の一端側には、インペラ40が同軸的に取り付けられている。ポンプケース10の軸孔18と駆動軸30との間は、ポンプ室12の密閉性を保持するためのメカニカルシール50によってシールされている。メカニカルシール50は、ポンプケース10の軸孔18の内周面に固定された第1シール部材51と、駆動軸30の外周面に固定された第2シール部材52とからなり、両シール部材51,52が軸線方向に対向した状態で滑り接触することにより、ポンプ室12の密閉性が保持されるようになっている。また、メカニカルシール50と軸受17との間には、軸孔18の一部をなして、メカニカルシール50から漏出した冷却水(水分)が流入される水抜空間19が形成されている。

0025

インペラ40は、駆動軸30が圧入固定される円盤部41と、この円盤部41の一端側に設けられた複数枚羽根42とを有して形成されている。インペラ40は、駆動軸30と一体的に回転することで、ポンプベース2の吸入口3から冷却水をポンプ室12へ吸入し、該冷却水を羽根42同士の間の空間を通じてポンプベース2の吐出口4から吐出する。

0026

電磁クラッチ60は、ポンプケース10に取り付けられるフィールドコアアッシー70と、駆動軸30に取り付けられるアーマチュアアッシー80と、ポンププーリ20に取り付けられる磁石部90とを備えて構成される。

0027

フィールドコアアッシー70は、大径部13aの他端側の端面に着脱可能に取り付けられる取付部材71と、取付部材71に固定されたコア72と、コア72の内部において巻回された励磁コイル73とを有しており、不図示の制御手段によって励磁コイル73が通電されることにより磁界を発生する。励磁コイル73は、コア72の内部に収容されて絶縁樹脂によりモールドされている。

0028

アーマチュアアッシー80は、駆動軸30に固定されるハブ81と、ハブ81に取り付けられた弾性部材としての板ばね82と、板ばね82を介してハブ81に移動自在に支持されるアーマチュア83とを有している。ハブ81は、駆動軸30の他端部が圧入されるボス部81aと、ボス部81aの外周側に一体的に設けられた円板状の鍔部81bとを有して形成され、軸心Xを中心に駆動軸30と一体回転可能に構成されている。板ばね82は、ばね鋼鋼材打ち抜き加工により帯板状に形成されており、その基端側(固定端側
リベット84を用いてハブ81に締結され、その先端側(自由端側)がリベット85を用いてアーマチュア83に締結されることで、ハブ81とアーマチュア83との間に跨って略板厚方向に弾性変形可能に取り付けられている。アーマチュア83は、磁性材料を用いて中空の円板状に形成されており、板ばね82の先端側(自由端側)に取り付けられて、ハブ81に対して軸線方向に相対移動自在に配設されている。アーマチュア83は、板ばね82の弾性力によりポンププーリ20から離間する方向へ付勢されている。アーマチュア83におけるポンププーリ20と対向する端面(一端側の端面)は、ポンププーリ20の摩擦面と摩擦係合が可能な摩擦面として形成されている。

0029

磁石部90は、アーマチュア83を磁気吸引して該アーマチュア83の摩擦面をポンププーリ20の摩擦面に当接させるための永久磁石91と、この永久磁石91をポンププーリ20に固定するための外極板92とを有している。永久磁石91は、アーマチュア83を吸引する方向(フィールドコアアッシー70の磁界とは逆方向)に磁界を発生する。外極板92は、磁性材料を用いて断面L字形となる環状に形成されており、永久磁石91を嵌め込んだ状態でプーリ部21の内周側に固定されるようになっている。

0030

水貯留手段100は、軸孔18の一部をなす水抜空間19に連通して斜め下方へ延びる回収通路101と、この回収通路101に連通してメカニカルシール50からリークした冷却水を貯留するキャッチタンク102とを備えている。

0031

回収通路101は、軸線方向の一端側から他端側へ向かうにつれて径方向外方へ傾斜するように延びている。この回収通路101は、例えばドリルリーマ等の切削工具を用いた穴明け加工にて形成される。回収通路101は、水抜空間19とキャッチタンク102とに跨って形成され、メカニカルシール50から水抜空間19側にリークした冷却水をその自重によってキャッチタンク102へ向けて流動させる。

0032

キャッチタンク102は、軸線周りに円環状をなす環状空間として形成されており、大径部13aの他端側の端面において開口されている。このキャッチタンク102には、回収通路101から導入された冷却水が貯留されるようになっている。なお、該開口部102aは、ポンプケース10をアルミダイカスト等の鋳造工法により製造する場合、その金型形状に合わせて当該金型型閉じおよび型開き方向に沿って開放されたものである。なお、開口部102aは、電磁クラッチ60の取付部材71によって閉鎖される。また、キャッチタンク102には、該キャッチタンク102の下端部から所定の高さ位置Hにおいて、軸線方向と直交する方向(径方向)に延びて、該キャッチタンク102と外部とを連通させる排出孔103が開設されている。この排出孔103は、キャッチタンク102から外部へ向けて斜め下方に指向している。そのため、キャッチタンク102には、該排出孔103に至る水位(所定の高さ位置H)までの冷却水(漏水)が貯留されることになる。なお、排出孔103は、例えばドリルやリーマ等の切削工具を用いた穴明け加工にて形成されている。

0033

取付部材71は、軸線Xを中心とする中空の円板状に形成されており、第1円筒部13aの他端側の端面にスナップリング74を利用して着脱可能に取り付けられる。取付部材71は、キャッチタンク102の開口部102aの全域を封止して、キャッチタンク102にて捕捉された冷却水(水分)が電磁クラッチ60側へ漏れ出るのを防止している。なお、この取付部材71と第1円筒部13aとの間には、キャッチタンク102を液密に閉塞するためのOリング104が介設されている。

0034

次に、本実施形態の理解を容易なものとするため、ウォータポンプ1の特徴的な作用について説明する。

0035

まず、エンジンEGの冷間始動時には、エンジンEGの冷却水の温度が所定温度未満であるため、ウォータポンプ1の励磁コイル73が通電され、電磁クラッチ60は動力切断状態となる。該動力切断状態では、電磁コイル73が通電されることにより、フィールドコアアセンブリ70が磁界を発生する。フィールドコアアセンブリ70の磁界は、永久磁石91の磁界とは反対方向に形成されるため、該磁界同士が互いに打消し合うことになる。そのため、アーマチュア83は、永久磁石91の磁界による拘束から解放され(磁界の影響を受けず)、板ばね82の弾性力を受けてポンププーリ20から離間することにより、アーマチュア83とポンププーリ20との摩擦係合が解かれる。従って、ウォータポンプ1は非駆動状態となり、ウォータポンプ1から冷却水は吐出されない。

0036

一方、エンジンEGの温間時(暖気運転後)には、エンジンEGの冷却水の温度が所定温度以上となるため、ウォータポンプ1の励磁コイル73への通電が遮断され、電磁クラッチ60は動力伝達状態となる。該動力伝達状態では、励磁コイル73への通電が遮断されることにより、アーマチュア83は永久磁石91の磁界により板ばね82の弾性力に抗してポンププーリ20に磁気吸着される。そして、ポンププーリ20の摩擦面とアーマチュア83の摩擦面とが摩擦係合することにより、エンジンEGの動力がポンププーリ20およびアーマチュア83を介して駆動軸30に伝達され、インペラ40が該駆動軸30と一体回転する。従って、ウォータポンプ1が駆動状態となり、ウォータポンプ1からエンジンEGの内部に冷却水が供給されて、エンジンEGが冷却水の作用により水冷されることになる。

0037

ここで、ウォータポンプ1が駆動状態であるとき、軸孔18に配されたメカニカルシール50による境界潤滑によって、ポンプ室12から軸孔18への冷却水の漏出は抑止されている。このとき、メカニカルシール50がダスト等の異物を噛み込むと、少量の冷却水を軸孔18側へリークする場合がある。メカニカルシール50から漏出した冷却水は、水抜空間19に導入されて、この水抜空間19から回収通路101を経てキャッチタンク102へ流動され、キャッチタンク102内において一時的に貯留される。キャッチタンク102は、冷却水を排出孔103の高さ位置Hに達する水位まで溜めることができる。なお、図3には、キャッチタンク102内において冷却水を貯留可能な領域をハッチングにて示している。ここで、キャッチタンク102に貯留された冷却水は、エンジンEGの排熱(エンジンEGから放射又は伝導される熱)を受けることで蒸発気化が促進されて、水蒸気として排出孔103から外部へ排気される。また、キャッチタンク102を環状空間により形成して該キャッチタンク102内の空間体積を効率よく確保することで、メカニカルシール50から冷却水が水蒸気として漏出された場合でも、キャッチタンク102内で該水蒸気が凝縮するまでに要する水蒸気量が増えるため、キャッチタンク102内での結露を抑制することができる(その結果、該水蒸気のまま排出孔103から排気することができる)。このように、キャッチタンク102に滞留する冷却水を効率的に消失させるとともに、キャッチタンク102の排出孔103から冷却水が水滴として該ウォータポンプ1の外部へ水漏れしてしまうのを抑制することで、ウォータポンプ1の故障と誤認されるのを防止することができる。なお、キャッチタンク102の開口部102aは、電磁クラッチ60の取付部材71により封止されているため、キャッチタンク102に滞留する冷却水が該開口部102aから電磁クラッチ60側へ漏出するおそれはない。

0038

以上、本実施形態に係るウォータポンプ1によれば、ポンプケース10内にメカニカルシール50から漏出した冷却水を貯留するためのキャッチタンク102を設けた構成において、電磁クラッチ60の取付部材71をキャッチタンク102の開口部102aを封止するためのカバーとして併用することで、専用のカバーを設けることなく、ウォータポンプ1からの水漏れを抑制することができるため、ウォータポンプ1の部品点数および組立工数を削減して、ウォータポンプ1の製造コストを低減することが可能となる。

0039

また、キャッチタンク102を軸線周りに円環状をなす環状空間として形成し、キャッチタンク102内の空間体積を効率よく確保することで、メカニカルシール50から冷却水が水蒸気として漏出した場合でも、キャッチタンク102内で該水蒸気が凝縮するまでに要する水蒸気量が増えるため、キャッチタンク102内での結露を抑制して、ウォータポンプ1からの水漏れをより一層効果的に防止することが可能となる。

0040

なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。

0041

上述の実施形態では、電磁クラッチ60として、非通電時に駆動軸30とポンププーリ20とが接続状態となる、いわゆるノーマルクローズ型の電磁クラッチを例示したが、ポンプケース10内にメカニカルシール50から漏出した冷却水を貯留するためのキャッチタンクを設けた構成において、この構成に限定されず、非通電時に駆動軸30とポンププーリ20とが遮断状態となる、いわゆるノーマルオープン型の電磁クラッチを適用してもよい。

0042

また、上述の実施形態では、電磁クラッチ60の取付部材71はスナップリング74を用いてポンプケース10に取り付けられる構成であったが、この構成に限定されるものではなく、例えばボルトやリベット等の他の締結手段を利用して取り付けられるものでもよい。

0043

また、上述の実施形態では、エンジン駆動式のウォータポンプを例示して説明したが、この構成に限定されるものではなく、電動式のウォータポンプに適用してもよい。また、ウォータポンプに限定されず、燃料ポンプオイルポンプ等の他の流体ポンプに適用してもよい。

0044

1ウォータポンプ(流体ポンプ)
2ポンプベース(ハウジング)
10ポンプケース(ハウジング)
12ポンプ室
17軸受(回転軸受)
18軸孔
19 水抜空間
20ポンププーリ
30駆動軸
40インペラ
50メカニカルシール
51 第1シール部材
52 第2シール部材
60電磁クラッチ
70フィールドコアアッシー
71取付部材
72コア(コア部)
73励磁コイル(コイル)
80アーマチュアアッシー
81 ハブ
82板ばね
83 アーマチュア
90磁石部
91永久磁石
92外極板
100水貯留手段(貯留手段)
101回収通路
102キャッチタンク(流体貯留部)
103排出孔(排出部)
X軸線
EGエンジン(動力源)

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • パイロテックインコーポレイテッドの「 金型ポンプ係合装置」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題・解決手段】金型にアルミニウムなどの溶融金属を満たすための溶融金属ポンプ組立体及び方法。組立体は、炉の上方に溶融金属ポンプを懸架するための支持フレームを含む。支持フレームは、溶融金属ポンプの持ち... 詳細

  • ヴァレオシステムテルミクの「 自動車両用の送風機及び対応する暖房、換気及び/又は空調装置」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題・解決手段】本発明は、‐回転軸(A)を持つタービン(2)であって、第1部分(6)と第2部分(5)とを有するタービン(2)と、‐軸(B)に沿って主に延在するスクロール出口(17a)を有するスクロー... 詳細

  • ファナック株式会社の「 工作機械」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】ポンプを停止させた状態において行われるクーラントタンクの清掃中等に、クーラント内に舞い上がった切粉が吸い込み口内に侵入し易い状況となることを未然に防止すること。【解決手段】クーラントXを貯留す... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ