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技術 ゴム組成物、トレッドゴム及び重荷重用タイヤ

出願人 株式会社ブリヂストン
発明者 宮本紫
出願日 2015年10月21日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2015-207150
公開日 2017年4月27日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2017-078126
状態 特許登録済
技術分野 付加系(共)重合体、後処理、化学変成 高分子組成物 タイヤ一般
主要キーワード メッシュ状部材 ゴミ分 車両装着 親和剤 低摩耗性 天然ゴム成分 固形ゴム成分 スモークドシート
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課題

低ロス性に優れるとともに、実地耐摩耗性の向上したゴム組成物を提供する。

解決手段

天然ゴム天然ゴムラテックス凝固物及び天然ゴムカップランプからなる群から選択される少なくとも一種天然ゴム原材料に、式(1)で表されるヒドラジド化合物を添加し、該ヒドラジド化合物を該天然ゴム原材料に付加させてなる変性天然ゴム。(式中、Qは3−ピリジン骨格を有する基又は3−キノリン骨格を有する基である。)

概要

背景

昨今、自動車低燃費化に対する要求が強くなりつつあり、転がり抵抗の小さいタイヤが求められている。そのため、タイヤのトレッド等に使用するゴム組成物として、tanδが低く(以下、「低ロス性」という。)、低発熱性に優れたゴム組成物が求められている。また、トレッド用のゴム組成物においては、低ロス性に加え、耐摩耗性に優れることが求められる。

ゴム組成物の耐摩耗性を向上するためには、カーボンブラック等の補強性充填材を増量する技術や、ポリマー網目を増やす技術が有効であると考えられる。ただし、カーボンブラック量を増加させると低ロス性の悪化を招くことになり、また、ポリマーの網目増量により耐引裂性耐テアー性)等の耐破壊性の低下を招くという問題があった。そのため、補強性充填材の増量や、ポリマー網目の増量を単純に行うだけでは、他の物性を低下させることなく低ロス性及び低摩耗性両立させることが困難であった。

上記技術の他にも、例えば特許文献1には、天然ゴムを含むエラストマーに、カーボンブラック及び特定のヒドラジド化合物を配合する技術が開示されている。特許文献1の技術では、カーボンブラック及び特定のヒドラジド化合物を配合することによって、カーボンブラックとゴム成分との親和性を向上させ、低ロス性及び耐摩耗性の両立を図ったものである。

概要

低ロス性に優れるとともに、実地耐摩耗性の向上したゴム組成物を提供する。天然ゴム、天然ゴムラテックス凝固物及び天然ゴムカップランプからなる群から選択される少なくとも一種天然ゴム原材料に、式(1)で表されるヒドラジド化合物を添加し、該ヒドラジド化合物を該天然ゴム原材料に付加させてなる変性天然ゴム。(式中、Qは3−ピリジン骨格を有する基又は3−キノリン骨格を有する基である。)なし

目的

また、重荷重用タイヤ等への適用を考慮すると、低ロス性のさらなる改善に加えて、実地耐摩耗性についてもさらなる改善が望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

式(1)で表されるヒドラジド化合物天然ゴム原材料に添加し、該ヒドラジド化合物を該天然ゴム原材料に付加させてなる変性天然ゴムを60質量%以上含むゴム成分と、(式中、Qは3−ピリジン骨格を有する基又は3−キノリン骨格を有する基である。)前記ゴム成分100質量部に対して20〜55質量部の、圧縮ジブチルフタレート吸油量(24M4 DBP)が105ml/100g未満であるカーボンブラックと、を含むことを特徴とする、ゴム組成物

請求項2

前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が、120m2/g以上であることを特徴とする、請求項1に記載のゴム組成物。

請求項3

前記ヒドラジド化合物の融点が、200℃以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のゴム組成物。

請求項4

前記ヒドラジド化合物の添加量が、前記天然ゴム原材料中固形ゴム成分100質量部に対して、0.01質量部以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いてなることを特徴とする、トレッドゴム

請求項6

請求項5に記載のトレッドゴムを備えることを特徴とする、重荷重用タイヤ

技術分野

0001

本発明は、ゴム組成物トレッドゴム及び重荷重用タイヤに関する。

背景技術

0002

昨今、自動車低燃費化に対する要求が強くなりつつあり、転がり抵抗の小さいタイヤが求められている。そのため、タイヤのトレッド等に使用するゴム組成物として、tanδが低く(以下、「低ロス性」という。)、低発熱性に優れたゴム組成物が求められている。また、トレッド用のゴム組成物においては、低ロス性に加え、耐摩耗性に優れることが求められる。

0003

ゴム組成物の耐摩耗性を向上するためには、カーボンブラック等の補強性充填材を増量する技術や、ポリマー網目を増やす技術が有効であると考えられる。ただし、カーボンブラック量を増加させると低ロス性の悪化を招くことになり、また、ポリマーの網目増量により耐引裂性耐テアー性)等の耐破壊性の低下を招くという問題があった。そのため、補強性充填材の増量や、ポリマー網目の増量を単純に行うだけでは、他の物性を低下させることなく低ロス性及び低摩耗性両立させることが困難であった。

0004

上記技術の他にも、例えば特許文献1には、天然ゴムを含むエラストマーに、カーボンブラック及び特定のヒドラジド化合物を配合する技術が開示されている。特許文献1の技術では、カーボンブラック及び特定のヒドラジド化合物を配合することによって、カーボンブラックとゴム成分との親和性を向上させ、低ロス性及び耐摩耗性の両立を図ったものである。

先行技術

0005

特表2014−501827号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、近年の自動車の低燃費化に対する要求に応えるべく、特許文献1に開示された技術においても、さらなる低ロス性の改善が必要とされていた。また、重荷重用タイヤ等への適用を考慮すると、低ロス性のさらなる改善に加えて、実地耐摩耗性についてもさらなる改善が望まれていた。

0007

そこで、本発明の目的は、低ロス性に優れるとともに、実地耐摩耗性の向上したゴム組成物を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、低ロス性に優れるとともに、実地耐摩耗性の向上したトレッドゴム及び重荷重用タイヤを提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明者は、上記目的を達成するべく鋭意研究を行った結果、ゴム成分として、特定のヒドラジド化合物を付加させた変性天然ゴムを用い、さらに、充填材として低ストラクチャのカーボンブラックを用いることによって、低ロス性に優れるとともに、実地耐摩耗性についても向上させることができることを見出した。
実地耐摩耗性を向上させるためには、ゴム組成物中に低ストラクチャのカーボンブラックを配合することが有効であるものの、従来のゴム成分に対して、低ストラクチャのカーボンブラックを配合すると、耐テアー性は向上するが、低ロス性が悪化することが考えられる。しかしながら、特定のヒドラジド化合物を付加させた変性天然ゴムをゴム成分として用いることで、従来のゴム成分に比べて低発熱性を大きく向上できることに加え、変性天然ゴムのポリマー末端でのカーボンブラックとの相互作用により補強性を大きく向上できる結果、耐テアー性の向上を図りつつ、低ロス性及び耐摩耗性についても高いレベルで実現できる。
さらに、上記ゴム組成物を、トレッドゴムに用い、また、該トレッドゴムを重荷重用タイヤに用いることによって、得られたトレッドゴム及び重荷重用タイヤは、低ロス性に優れるとともに、実地耐摩耗性が向上する。

0009

即ち、本発明の変性天然ゴムは、式(1)で表されるヒドラジド化合物を天然ゴム原材料に添加し、該ヒドラジド化合物を該天然ゴム原材料に付加させてなる変性天然ゴムを60質量%以上含むゴム成分と、

(式中、Qは3−ピリジン骨格を有する基又は3−キノリン骨格を有する基である。)
前記ゴム成分100質量部に対して20〜55質量部の、圧縮ジブチルフタレート吸油量(24M4 DBP)が105ml/100g未満であるカーボンブラックと、
を含むことを特徴とする。
上記構成により、優れた低ロス性及び実地耐摩耗性を実現できるとともに、耐テアー性を向上できる。

0010

本発明のゴム組成物は、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が、120m2/g以上であることが好ましい。より優れた低ロス性を実現できるためである。

0011

また、本発明のゴム組成物は、前記ヒドラジド化合物の融点が、200℃以下であることが好ましい。より優れた低ロス性を実現できるためである。

0012

さらに、前記ヒドラジド化合物の添加量が、前記天然ゴム原材料中固形ゴム成分100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましい。より優れた低ロス性及び実地耐摩耗性を実現できるからである。

0013

本発明のトレッドゴムは、上述したゴム組成物を用いてなることを特徴とする。
上記構成により、優れた低ロス性を実現できるとともに、実地耐摩耗性を向上できる。

0014

本発明の重荷重用タイヤは、上述したトレッドゴムを備えることを特徴とする。
上記構成により、優れた低ロス性を実現できるとともに、実地耐摩耗性を向上できる。

発明の効果

0015

本発明によれば、優れた低ロス性を実現できるとともに、実地耐摩耗性の向上したゴム組成物を提供することが可能となる。
さらに、本発明によれば、優れた低ロス性を実現できるとともに、実地耐摩耗性の向上したトレッドゴム及び重荷重用タイヤを提供することが可能となる。

0016

以下に、本発明の実施形態を具体的に説明する。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、特定のヒドラジド化合物を天然ゴム原材料に添加し、該ヒドラジド化合物を該天然ゴム原材料に付加させてなる変性天然ゴムを含むゴム成分と、特定のカーボンブラックと、を含むゴム組成物である。

0017

(ゴム成分)
本発明のゴム組成物を構成するゴム成分は、変性天然ゴムを60質量%以上含み、該変性天然ゴムは、式(1)で表されるヒドラジド化合物を天然ゴム原材料に添加し、該ヒドラジド化合物を該天然ゴム原材料に付加させてなることを特徴とする。

(式中、Qは3−ピリジン骨格を有する基又は3−キノリン骨格を有する基である。)

0018

ヒドラジド化合物において、3−ピリジル基又は3−キノリル基のような含窒素複素環を有することによって、天然ゴム原材料に付加させた際、含窒素複素環の他の位置(例えば2位又は4位等)にヒドラジド基がある化合物を用いた場合に比べて、格段に優れた低ロス性及び実地耐摩耗性を得ることができる。

0019

なお、前記ゴム成分中の前記変性天然ゴムの含有量を60質量%以上としたのは、所望の効果(低発熱性及び実地耐摩耗性の向上)を得るためであり、含有量が60質量%未満の場合、本発明の変性天然ゴムによる効果を得ることができない。また、さらに高い効果を得る観点から、前記ゴム成分中の前記変性ゴムの含有量を80質量%以上とすることが好ましく、95質量%以上とすることがより好ましい。

0020

本発明の変性天然ゴムに用いられるヒドラジド化合物は、前記式(1)で表されるヒドラジド化合物である。
ここで、上述の3−ピリジン骨格又は3−キノリン骨格を有する基とは、3−ピリジル基若しくは3−キノリル基、又は、置換基を有する3−ピリジル基又は3−キノリル基が挙げられる。
なお、前記3−ピリジル基又は3−キノリル基が置換基を有する場合の置換基としては、例えば、フッ素原子塩素原子臭素原子等のハロゲン原子メチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基アミノ基、モノメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、ジメチルアミノ基等の炭素数1〜4のアルキル基で置換されることのあるアミノ基、シアノ基ニトロ基等を挙げることができ、これらの置換基の中でも、ハロゲン原子、アミノ基が好ましい。
これらの置換基は、3−ピリジル基又は3−キノリル基の置換可能な位置に任意の数を有することができるが、3−ピリジル基又は3−キノリル基のそれぞれ2位又は5位に置換基を有するのが好ま

0021

前記式(1)で表されるヒドラジド化合物の具体例としては、ニコチノヒドラジド、2−アミノニコチノヒドラジド、5−ブロモニコチノヒドラジド、キノリン−3−カルボヒドラジドを挙げることができ、これらの中でも、ニコチノヒドラジド、2−アミノニコチノヒドラジド、キノリン−3−カルボヒドラジドが好ましく、ニコチノヒドラジドが特に好ましい。より優れた低ロス性及び耐摩耗性を実現できるためである。

0022

また、前記ヒドラジド化合物の融点については、200℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがより好ましい。前記ヒドラジド化合物の融点を低くすることで、変性天然ゴムを製造する際に天然ゴムの各分子に満遍なく極性基が導入できるため、より優れた低ロス性を得ることができ、ゴム組成物中の充填材の分散性についても高めることができるからである。

0023

なお、前記ヒドラジド化合物を添加し、該ヒドラジド化合物を付加させる天然ゴム原材料としては、天然ゴム成分を含むものであれば限定はされない。例えば、乾燥後の各種固形天然ゴム、各種天然ゴムラテックス凝固物アンスモークドシート包含する)又は天然ゴムカップランプを用いることができ、その他にも、天然ゴムそのものが挙げられる。これら天然ゴム原材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。
前記変性天然ゴムの製造には、純度の高い天然ゴムラテックスを用いる必要がないため、比較的安価に変性天然ゴムを製造することができる。また、前記天然ゴム原材料の中でも、カップランプ等は、安価に入手できるため、コストの点でのメリットが大きい。また、天然ゴム原材料として天然ゴムを用いることで、低ロス性及び低摩耗性の向上を望める。

0024

なお、前記天然ゴム原材料に、式(1)で表されるヒドラジド化合物を天然ゴム原材料用添加剤として添加し、該ヒドラジド化合物を付加させる方法については特に限定はされず、例えば、乾燥後の固形天然ゴム原材料へ、式(1)で表されるヒドラジド化合物を、押出機混練機又は噴霧によって添加する方法が挙げられる。
前記天然ゴム原材料に対して、噴霧によって式(1)で表されるヒドラジド化合物を添加した後、乾燥させた場合には、自然に前記天然ゴム原材料のゴム分子に式(1)で表されるヒドラジド化合物を付加させることがきる。一方、前記天然ゴム原材料に対して、ミキサー、押出機又は混練機によって式(1)で表されるヒドラジド化合物を添加した場合のように、機械なせん断力を与えることで、前記天然ゴム原材料のゴム分子に式(1)で表されるヒドラジド化合物を付加させることもできる。
さらに、混練後、ストレーナー処理をしてもよい。これにより、分子量が高く、さらにゴミ分のない変性天然ゴムが得られる。ここでいう「ストレーナー処理」とは、メッシュ状部材を用いて変性天然ゴム中に含まれるゴミ分を除去する処理をいう。

0025

また、式(1)で表されるヒドラジド化合物を添加する工程では、該ヒドラジド化合物をそのまま添加することもできるし、溶媒希釈した溶液又はエマルジョンとして添加することもできる。天然ゴム中への分散性向上の点からは、溶液又はエマルジョンとして添加するのが好ましい。

0026

なお、前記ヒドラジド化合物の溶液とは、式(1)で表されるヒドラジド化合物を溶媒で希釈したものであり、式(1)で表されるヒドラジド化合物の種類により好適な溶媒種が設定される。例えば溶媒種として、水(精製水イオン交換水、純水等)を用いることができる。また、前記ヒドラジド化合物のエマルジョンは、乳化剤と、必要に応じて親和剤を用い、通常の方法で得ることができる。ここで、式(1)で表されるヒドラジド化合物の溶液の濃度は5〜50質量%であることが好ましく、式(1)で表されるヒドラジド化合物のエマルジョンの濃度は3〜50質量%であることが好ましい。上記溶液又は上記エマルジョンにおける式(1)で表されるヒドラジド化合物の濃度が低すぎると(上記水溶液の濃度が5質量%未満又は上記エマルジョンの濃度が3質量%未満であると)、所望量の式(1)で表されるヒドラジド化合物を添加するのに必要となる溶液又はエマルジョンの量が多くなりすぎ、また、式(1)で表されるヒドラジド化合物の濃度が高すぎると(上記溶液の濃度が50質量%又は上記エマルジョンの濃度が50質量%を越えると)、溶液の安定性が低下し、また、ヒドラジド化合物の分散性が低下するなどの不具合を生じるおそれがある。

0027

式(1)で表されるヒドラジド化合物の添加量は、本発明に係る変性天然ゴムをカーボンブラックやシリカ等の充填材と配合し、加工性を低下させずに低ロス性や実地耐摩耗性を向上させることを考慮した場合、天然ゴムの各分子に満遍なく少量の極性基が導入されていることが重要であり、具体的には、前記天然ゴム原材料中の固形ゴム成分100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.1〜1.5質量部であることがより好ましい。前記添加量を固形ゴム成分100質量部に対して0.01質量部以上とすることで、所望の低ロス性、耐摩耗性、及び耐テアー性が得られ、前記添加量をゴム成分100質量部に対して0.1〜1.5質量部とすることで、他の物性を低下させることなく、より優れた低ロス性、耐摩耗性、及び耐テアー性を得ることができる。

0028

また、前記変性天然ゴムを製造する方法は、特に限定はされない。例えば、天然ゴム、天然ゴムラテックス凝固物及び天然ゴムカップランプからなる群から選択される少なくとも一種の天然ゴム原材料に対して、式(1)で表されるヒドラジド化合物を添加し、式(1)で表されるヒドラジド化合物を該天然ゴム原材料に付加させる製造方法が挙げられる。

0029

なお、本発明のゴム組成物を構成するゴム成分の、前記変性天然ゴム以外のゴム成分については、特には限定されない。例えば、優れた耐摩耗性を得る点からは、ゴム成分として、天然ゴム若しくはジエン系合成ゴムを単独で、又は天然ゴムとジエン系合成ゴムを併用して用いることができる。かかるジエン系合成ゴムとしては、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエン共重合体ゴムSBR)、ポリブタジエンゴム(BR)等が挙げられる。なお、これらジエン系合成ゴムは、一種単独で用いてもよいし、二種以上のブレンドとして用いてもよい。

0030

(カーボンブラック)
本発明のゴム組成物は、上述したゴム成分に加えて、圧縮ジブチルフタレート吸油量(24M4 DBP)が105ml/100g未満であるカーボンブラックを、前記ゴム成分100質量部に対して20〜55質量部含むことを特徴とする。
24M4 DBPが105ml/100g未満と、ストラクチャの低いカーボンブラックを用いることで、本発明のゴム組成物の耐テアー性を向上させることができる。前記カーボンブラックの24M4 DBPが105ml/100g以上の場合、カーボンブラックのストラクチャが高く、応力集中がしやすくなるため、所望の実地耐摩耗性を得ることができない。さらに優れた実地耐摩耗性を得る観点から、前記カーボンブラックの24M4 DBPは、85〜95であることが好ましい。

0031

ここで、前記圧縮ジブチルフタレート吸油量(24M4 DBP)とは、カーボンブラックを165MPaで1秒間圧縮するという作業を4回繰り返す、という条件で測定された、JIS K6217-4に準じるジブチルフタレートの吸油量のことである。

0032

なお、前記24M4 DBPが105ml/100g未満のカーボンブラックについては、従来のゴム成分とともに用いた場合、耐テアー性については向上できるものの、貯蔵弾性率が低下するため、低ロス性の悪化を招くという問題があった。しかしながら、本発明では、ゴム成分として、上述した低ロス性に極めて優れた変性天然ゴムを用いているため、低ロス性の悪化を招くことなく耐テアー性についても向上させることが可能となる。

0033

また、前記カーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が100m2/g以上であることが好ましく、120m2/g以上であることがより好ましい。前記カーボンブラックの比表面積を大きくすることで、より優れた低ロス性を実現できるからである。
ここで、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)とは、例えば、ISO4652-1に準拠して単点法にて測定することができ、例えば脱気したカーボンブラックを液体窒素に浸漬させた後、平衡時においてカーボンブラック表面吸着した窒素量(m2/g)を測定し、測定値から比表面積(m2/g)を算出できる。

0034

前記カーボンブラックの含有量については、所望の耐テアー性を実現する点から、前記ゴム成分100質量部に対して20〜55質量部とする。前記カーボンブラックの含有量が20質量部未満の場合、カーボンブラックの量が少なすぎるため、所望の耐テアー性を得ることができないからであり、一方、55質量部を超えると、カーボンブラックの量が多すぎるため、低ロス性が悪化するおそれがあるからである。同様の観点から、前記カーボンブラックの含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して25〜55質量部であることが好ましく、30〜55質量部であることがより好ましい。

0035

また、前記カーボンブラックのグレードについては、特に限定はされない。例えば、より優れた耐摩耗性を得る観点からは、前記カーボンブラックのグレードが、HAF〜SAFの範囲に含まれるハードカーボンであることが好ましい。

0036

なお、本発明のゴム組成物に上記各配合成分を配合する方法については、予め式(1)で表されるヒドラジド化合物を付加させた変性天然ゴムを含むゴム成分に対して、カーボンブラックを添加し、混練することで配合してもよいし、前記天然ゴム原材料に対して、式(1)で表されるヒドラジド化合物及びカーボンブラックを添加し、まとめて混練することで、変性天然ゴムとカーボンブラックとを含むゴム組成物を調製してもよい。

0037

(その他の成分)
本発明のゴム組成物は、上述したゴム成分及びカーボンブラックに加えて、耐摩耗性の向上を目的として、シリカ等の充填材をさらに含むことも可能である。
なお、前記シリカとしては、湿式シリカ乾式シリカ及びコロイダルシリカ等が挙げられる。

0038

ここで、前記シリカの含有量は、他の物性を低下させることなく、優れた耐摩耗性を実現する観点から、前記ゴム成分100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、4〜20質量部であることがより好ましい。

0039

本発明のゴム組成物は、さらに、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、老化防止剤軟化剤シランカップリング剤ステアリン酸亜鉛華加硫促進剤加硫剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。

0040

<トレッドゴム>
本発明のトレッドゴムは、上述した本発明のゴム組成物を用いることを特徴とする。本発明のゴム組成物を用いることで、耐テアー性の向上を図りつつ、低ロス性及び耐摩耗性についても高いレベルで実現できる。
なお、本発明のトレッドゴムは、上述のゴム組成物を用いること以外特に制限はなく、常法に従って製造することができる。

0041

<重荷重用タイヤ>
本発明の重荷重用は、上述した本発明のトレッドゴムを備えることを特徴とする。本発明のトレッドゴムを具えることで、耐テアー性の向上を図りつつ、低ロス性及び耐摩耗性についても高いレベルで実現できる。
なお、本発明のタイヤは、上述のトレッドゴムを備えること以外特に制限はなく、常法に従って製造することができる。また、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴンヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。なお、重荷重用タイヤとは、トラックバス用タイヤ建設鉱山車両用タイヤ等を指すものである。

0042

以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。

0043

<変性天然ゴムの製造>
天然ゴム原材料としてのカップランプを、クレーパーで5回処理し、シュレッダーを通してクラム化した。この凝固物の乾燥ゴム含有量を求めた後、後述のドラジド化合物を、混練機(プレブレーカー)内で室温にて70rpmで1分間練りこみ、均一に分散させ、乾燥した変性天然ゴムを得た。
また、天然ゴムに対して添加したヒドラジド化合物及び比較用ヒドラジド化合物の種類及び添加量、及び、得られた変性天然ゴムについて含窒素複素環に対するヒドラジド基の位置については表2に示す。

0044

なお、使用したヒドラジド化合物について、はニコチノヒドラジド(融点162℃、)を用い、配合量は、ゴム成分100質量部に対して1質量部とした。
(ニコチノヒドラジド)
ニコチン酸メチル13.7gのイソプロピルアルコール26mL溶液に100%ヒドラジン一水和物5.50gを加え、一晩加熱還流した。室温に冷却して反応液濾過し、得られた固体をイソプロピルアルコール20mLで解砕洗浄し、減圧乾燥して下式のニコチノヒドラジド12.2g(収率88%)を得た。

0045

<実施例1〜7、比較例1〜5>
次に、プラストミルで混練して表1に示す配合処方のゴム組成物を調製した。
そして、調整した各ゴム組成物について、後述する方法で低ロス性(tanδ)及び実地耐摩耗性について、測定し、評価を行った。評価結果を表1に示す。

0046

なお、使用したカーボンブラックの24M4 DBP及びN2SAについては、以下の方法でそくていした。
DBP吸油量
カーボンブラックを165MPaで1秒間圧縮するという作業を4回繰り返した後、JIS K6217-4に準じた条件で、ジブチルフタレート吸油量を測定した。
・N2SA
ISO4652-1に準拠して単点法にて測定した。具体的には、脱気したカーボンブラックを液体窒素に浸漬させた後、平衡時においてカーボンブラック表面に吸着した窒素量(m2/g)を測定し、測定値から比表面積(m2/g)を算出した。

0047

(1)tanδ(低ロス性)
各ゴム組成物を145℃で33分間加硫して加硫ゴムを得た。得られた加硫ゴムに対し、粘弾性測定装置レオメトリックス社製]を用い、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzで損失正接(tanδ)を測定した。
なお、tanδは、各測定値の逆数をとり、比較例1の測定値の逆数を100としたときの指数で示し、数値が大きい程、低ロス性に優れることを示す。

0048

(2)実地耐摩耗試性
各ゴム組成物を用いてタイヤ(サイズ:46/90 R57)を作製し、車両装着後、市場にて2000時間走行させた。その後、タイヤの溝のゲージを測定し、実際の市場でのゴムの耐摩耗性(実地耐摩耗性)を評価した。
なお、各測定値は逆数をとり、比較例1の溝ゲージの逆数を100としたときの指数で示し、数値が大きい程、実地耐摩耗性に優れることを示す。

0049

0050

*1)TSR20(天然ゴムの種類)
*3)旭カーボン株式会社製、商品名「#80」
*4)旭カーボン株式会社製 LS-SAFカーボン N2SA:125 m2/g

実施例

0051

表1の結果から、各実施例は、低ロス性及び実地耐摩耗性の点で、いずれも各比較例よりも良好な結果を示すことがわかった。

0052

本発明によれば、低ロス性に優れるとともに、実地耐摩耗性の向上したゴム組成物を提供することができる。また、本発明によれば、低ロス性に優れるとともに、実地耐摩耗性の向上したトレッドゴム及び重荷重用タイヤを提供することができる。

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