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技術 レール支承装置

出願人 東電設計株式会社
発明者 土屋順二佐藤亮治公家克徳松尾繁相馬澄子上山等影山宏
出願日 2015年10月22日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2015-207921
公開日 2017年4月27日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2017-077964
状態 特許登録済
技術分野 クレーンの脚部・ガーダ・走行路
主要キーワード プレート取付板 傾倒防止 中間支 レール取付板 調整片 固定くさび 落下防止用ワイヤ 取付梁
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この項目の情報は公開日時点(2017年4月27日)のものです。
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図面 (17)

課題

互いに相対変位する第1クレーンガータと第2クレーンガータとの衝突を防止するとともに、クレーン走行体レールの上を走行するときのレールの変形が抑えられるにようにする。

解決手段

クレーン支承装置11において、第1クレーンガータ21及び第2クレーンガータ22の間に、X方向に移動可能な中間クレーンガータ50が配置され、隣接するもの同志の間にクリアランスL1,L2が形成され、これらの合計が、少なくとも、発生し得る相対変位のX方向における予想値に設定され、クリアランスL1,L2のX方向におけるそれぞれの長さが、クリアランスL1,L2上に架設されたレール30上をクレーン走行体40が走行するときに、クレーン走行体40の走行が可能となるレール30の変形に抑えられるように設定されている。

概要

背景

従来、発電施設工場又は倉庫等の建物内には、施設や工場内の設備を構成する部品あるいは倉庫内の荷物といった吊荷を搬送するためのクレーン装置が備えられている。クレーン装置は、一般に、建物にレール支承装置としてクレーンガータが設置され、そのクレーンガータの上にレールが敷設され、そのレール上面を吊荷を吊上げるクレーン走行体走行することにより吊荷が搬送される構成とされている。

ところで、上記の建物を増築する必要が生じた場合、増築部分に用いるクレーン装置は、レール支承装置としてのクレーンガータの部分については新設する必要があるものの、クレーン走行体等は、既設の建物で用いられていたものを新設の建物でも利用できるようにすることが望ましい。図14は、そのような従来の増築された建物B内に備えられたクレーン装置100を概略的に示す図である。図14に示す建物Bは、既設の第1建物部B1と新設の第2建物部B2とを有している。これらの第1建物部B1と第2建物部B2とは、構造上は切り離され(縁切りされ)ており、一方の振動が他方に影響しない構造とされている。クレーン装置100は、レール支承装置として、第1建物部B1に設置された第1クレーンガータ210と、当該第1クレーンガータ210の延長線上において第2建物部B2に設置された第2クレーンガータ220とを有し、第1クレーンガータ210と第2クレーンガータ220の上面に共通のレール300が敷設され、そのレール300の上面をクレーン走行体400がレール300に案内されながら紙面右方向(X方向)に移動するようになっている。クレーン走行体400は、紙面奥行方向に延在する梁部(不図示)を有し、その上を走行するトロリ(不図示)が、例えば吊荷を吊上げるためのフックF等を有しており、このフックFに吊荷を懸吊しつつクレーン走行体400がレール300上を走行することで吊荷を搬送する構成とされている。

クレーンガータを延設する場合、同一建物内であれば互いに連接していく構造が公知である(特許文献1)。しかしながら、互いに縁切りされた構造物間でクレーンガータを延設する場合には、図14に示すように、第1クレーンガータ210の端部210Tと第2クレーンガータ220の端部220Tとの間に、第1クレーンガータ210と第2クレーンガータ220とが互いに相対変位した場合でも衝突し合わないように隙間Sが設けられる。第1クレーンガータ210と第2クレーンガータ220とが互いに相対変位する原因としては、熱による変形等も含まれるが、就中、台風地震発生時等における第1建物部B1と第2建物部B2との間の揺れの違いによるものが大きい。隙間Sは、台風や地震発生時の建物の揺れ等により第1クレーンガータ210と第2クレーンガータ220との間の相対変位が生じた場合でも、第1クレーンガータ210と第2クレーンガータ220との衝突を防止するために設けられている。

概要

互いに相対変位する第1クレーンガータと第2クレーンガータとの衝突を防止するとともに、クレーン走行体がレールの上を走行するときのレールの変形が抑えられるにようにする。クレーン支承装置11において、第1クレーンガータ21及び第2クレーンガータ22の間に、X方向に移動可能な中間クレーンガータ50が配置され、隣接するもの同志の間にクリアランスL1,L2が形成され、これらの合計が、少なくとも、発生し得る相対変位のX方向における予想値に設定され、クリアランスL1,L2のX方向におけるそれぞれの長さが、クリアランスL1,L2上に架設されたレール30上をクレーン走行体40が走行するときに、クレーン走行体40の走行が可能となるレール30の変形に抑えられるように設定されている。

目的

本発明は、上述の問題に鑑み、互いに相対変位する二つのクレーンガータの間に隙間を設けて互いの干渉を防止するとともに、クレーン走行体がその隙間に渡されたレールの上を走行するとき、レールの撓み等による変形がクレーン走行体の走行を可能ならしめる程度に抑えられるにようにするレール支承装置及び当該レール支承装置を備えたクレーン装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

吊荷を吊上げて搬送するクレーン走行体が上面を第一方向に走行するレールを支承するレール支承装置において、前記レールが載置されかつ前記レールとともに前記第一方向に延在するクレーンガータを有し、前記クレーンガータは、対向する端部が前記第一方向に互いに離間した第一クレーンガータと第二クレーンガータとを有し、前記第一クレーンガータ及び前記第二クレーンガータのそれぞれの前記端部の間には、前記レールを上面側で支持しかつ前記第一方向に移動可能な少なくとも一つの中間クレーンガータが配置され、 前記第一クレーンガータ、前記第二クレーンガータ及び前記少なくとも一つの中間クレーンガータの互いに隣接するもの同志の間に衝突防止クリアランスが形成され、前記衝突防止クリアランスの前記第一方向における長さの合計は、少なくとも、前記第一クレーンガータと前記第二クレーンガータとの間で発生し得る相対変位の前記第一方向における予想値に設定され、前記衝突防止クリアランスの前記第一方向におけるそれぞれの長さは、前記衝突防止クリアランスに亘って延在する前記レール上を前記クレーン走行体が走行するときに、前記クレーン走行体の走行が可能となる範囲に前記レールの変形が抑えられるように設定されていることを特徴とするレール支承装置。

請求項2

請求項1に記載のレール支承装置において、前記中間クレーンガータの前記第一方向への移動を案内するとともに、前記第一方向と交差する第二方向への移動を規制する中間クレーンガータ案内手段を備えていることを特徴とするレール支承装置。

請求項3

請求項1又は2のいずれかに記載のレール支承装置において、前記第一クレーンガータと前記第二クレーンガータの相対変位時に、前記中間クレーンガータに働く前記第一方向の力が所定の閾値を超えたときのみ前記中間クレーンガータの前記第一方向への移動を許容する中間クレーンガータ移動開始調整手段を備えていることを特徴とするレール支承装置。

請求項4

請求項1乃至3のいずれか一項に記載のレール支承装置において、前記中間クレーンガータの上面と前記レールとの間にレール取付板介装され、前記レール取付板の前記第一方向への移動を規制するとともに、前記第二方向への移動を案内するレール取付板案内手段を備えていることを特徴とするレール支承装置。

請求項5

請求項4に記載のレール支承装置において、前記第一クレーンガータと前記第二クレーンガータとの間の相対変位時に、前記レール取付板に働く前記第二方向の力が所定の閾値を超えたときのみ前記レール取付板の前記第二方向への移動を許容するレール取付板移動開始調整手段を備えていることを特徴とするレール支承装置。

請求項6

請求項1乃至5のいずれか一項に記載のレール支承装置において、前記第一クレーンガータ又は前記第二クレーンガータのいずれか一方から他方に向けてガータ延長部突設され、前記中間クレーンガータは、前記ガータ延長部の上面に前記第一方向に移動可能に載置されていることを特徴とするレール支承装置。

請求項7

請求項6に記載のレール支承装置において、前記ガータ延長部の上面には、前記中間クレーンガータの上方への移動を規制する上下動規制手段が設けられていることを特徴とするレール支承装置。

請求項8

請求項6又は7に記載のレール支承装置において、前記第一クレーンガータ又は前記第二クレーンガータのうち前記ガータ延長部が設けられた一方から他方に向けて前記中間クレーンガータが移動しないように規制する飛び出し防止手段が設けられていることを特徴とするレール支承装置。

請求項9

請求項6乃至8のいずれか一項に記載のレール支承装置において、前記ガータ延長部の上面には、前記中間クレーンガータの傾倒を防止する傾倒防止手段が設けられていることを特徴とするレール支承装置。

請求項10

請求項9に記載のレール支承装置において、前記傾倒防止手段は、前記中間クレーンガータに固設された移動くさびと、当該移動くさびに上側から当接するように前記ガータ延長部に固設された固定くさびとからなるくさび対を備え、前記くさび対は、前記第一クレーンガータ又は前記第二クレーンガータのうち前記ガータ延長部が設けられた一方に向けて前記中間クレーンガータが移動するときには、前記移動くさびが前記固定くさびから離間し、他方に向けて前記中間クレーンガータが移動するときには、前記移動くさびが前記固定くさびにより下方に押圧力を受けるような傾斜面を有していることを特徴とするレール支承装置。

請求項11

請求項1乃至10のいずれか一項に記載のレール支承装置において、前記第一クレーンガータは、第一建物部に設置され、前記第二クレーンガータは、前記第一建物部と構造上切り離された状態で隣接された第二建物部に設置され、前記相変位は、前記第一建物部と前記第二建物部との間の揺れの違いにより前記第一クレーンガータと前記第二クレーンガータとの間で発生する変位であることを特徴とするレール支承装置。

請求項12

走行体が上面を第一方向に走行するレールを支承するレール支承装置において、前記レールが載置されかつ前記レールとともに前記第一方向に延在する支承体を有し、前記支承体は、対向する端部が前記第一方向に互いに離間した第一支承体と第二支承体とを有し、前記第一支承体及び前記第二支承体のそれぞれの前記端部の間には、前記レールを上面側で支持しかつ前記第一方向に移動可能な少なくとも一つの中間支承体が配置され、 前記第一支承体、前記第二支承体及び前記少なくとも一つの中間支承体の互いに隣接するもの同志の間に衝突防止クリアランスが形成され、前記衝突防止クリアランスの前記第一方向における長さの合計は、少なくとも、前記第一支承体と前記第二支承体との間で発生し得る相対変位の前記第一方向における予想値に設定され、前記衝突防止クリアランスの前記第一方向におけるそれぞれの長さは、前記衝突防止クリアランスに亘って延在する前記レール上を前記走行体が走行するときに、前記走行体の走行が可能となる範囲に前記レールの変形が抑えられるように設定されていることを特徴とするレール支承装置。

技術分野

0001

本発明は、吊荷を吊上げて搬送するクレーン走行体レール上面を一方向に走行するように敷設されたレールを支承し、当該レールが載置されかつレールと同方向に延在するクレーンガータを有するレール支承装置及び当該レール支承装置と、クレーン走行体と、レールとを備えるクレーン装置に関する。

背景技術

0002

従来、発電施設工場又は倉庫等の建物内には、施設や工場内の設備を構成する部品あるいは倉庫内の荷物といった吊荷を搬送するためのクレーン装置が備えられている。クレーン装置は、一般に、建物にレール支承装置としてクレーンガータが設置され、そのクレーンガータの上にレールが敷設され、そのレール上面を吊荷を吊上げるクレーン走行体が走行することにより吊荷が搬送される構成とされている。

0003

ところで、上記の建物を増築する必要が生じた場合、増築部分に用いるクレーン装置は、レール支承装置としてのクレーンガータの部分については新設する必要があるものの、クレーン走行体等は、既設の建物で用いられていたものを新設の建物でも利用できるようにすることが望ましい。図14は、そのような従来の増築された建物B内に備えられたクレーン装置100を概略的に示す図である。図14に示す建物Bは、既設の第1建物部B1と新設の第2建物部B2とを有している。これらの第1建物部B1と第2建物部B2とは、構造上は切り離され(縁切りされ)ており、一方の振動が他方に影響しない構造とされている。クレーン装置100は、レール支承装置として、第1建物部B1に設置された第1クレーンガータ210と、当該第1クレーンガータ210の延長線上において第2建物部B2に設置された第2クレーンガータ220とを有し、第1クレーンガータ210と第2クレーンガータ220の上面に共通のレール300が敷設され、そのレール300の上面をクレーン走行体400がレール300に案内されながら紙面右方向(X方向)に移動するようになっている。クレーン走行体400は、紙面奥行方向に延在する梁部(不図示)を有し、その上を走行するトロリ(不図示)が、例えば吊荷を吊上げるためのフックF等を有しており、このフックFに吊荷を懸吊しつつクレーン走行体400がレール300上を走行することで吊荷を搬送する構成とされている。

0004

クレーンガータを延設する場合、同一建物内であれば互いに連接していく構造が公知である(特許文献1)。しかしながら、互いに縁切りされた構造物間でクレーンガータを延設する場合には、図14に示すように、第1クレーンガータ210の端部210Tと第2クレーンガータ220の端部220Tとの間に、第1クレーンガータ210と第2クレーンガータ220とが互いに相対変位した場合でも衝突し合わないように隙間Sが設けられる。第1クレーンガータ210と第2クレーンガータ220とが互いに相対変位する原因としては、熱による変形等も含まれるが、就中、台風地震発生時等における第1建物部B1と第2建物部B2との間の揺れの違いによるものが大きい。隙間Sは、台風や地震発生時の建物の揺れ等により第1クレーンガータ210と第2クレーンガータ220との間の相対変位が生じた場合でも、第1クレーンガータ210と第2クレーンガータ220との衝突を防止するために設けられている。

先行技術

0005

特開2000−211881号

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、台風や地震発生時等における第1クレーンガータ210と第2クレーンガータ220との間の相対変位の大きさは、第1建物部B1と第2建物部B2の構造の違いによる揺れの違い、地震の場合には建物Bが建てられている地面Gの予想される揺れの大きさの違い(地面Gが岩盤なのか埋立地なのかといった違い)等によっても異なり得る。そこで、図15に示されるように、異なる条件を加味した結果、その建物において予想される相対変位のX方向における予想値がΔxである場合に、第1クレーンガータ210と第2クレーンガータ220とが確実に衝突しないよう、第1クレーンガータ210と第2クレーンガータ220との間の隙間SをS>Δxとなるように設定する。ところが、場合によってはこのSが大きくなり過ぎ、レール300が、レール300上を走行するクレーン走行体400の重さを支えきれずにΔh分だけ隙間Sに沈み込むように撓み、クレーン走行体400の走行に支障をきたすような破損をもたらすことがある。そこで、今度は図16に示すように、隙間S´<Sとなるように隙間S´を設定し、クレーン走行体400の走行に支障をきたさない程度のレール300の撓みΔh´に抑えようとすると、今度は隙間S´がS´<Δxとなって、相対変位による第1クレーンガータ210と第2クレーンガータ220との衝突を防止するのに十分でなくなり、結果として第1クレーンガータ210と第2クレーンガータ220とが衝突により破損し、その際に伝わる揺れによって第1建物部B1と第2建物部B2の構造にも影響が及ぶ。こうして施設全体復旧には著しく時間がかかることになる。

0007

本発明は、上述の問題に鑑み、互いに相対変位する二つのクレーンガータの間に隙間を設けて互いの干渉を防止するとともに、クレーン走行体がその隙間に渡されたレールの上を走行するとき、レールの撓み等による変形がクレーン走行体の走行を可能ならしめる程度に抑えられるにようにするレール支承装置及び当該レール支承装置を備えたクレーン装置を提供することを目的とする。

0008

また、本発明は、クレーンガータのようなレールを支承する複数の支承体の間に隙間を設けて互いの干渉を防止するとともに、走行体がその隙間に渡されたレールの上を走行するとき、レールの撓み等による変形が走行体の走行を可能ならしめる程度に抑えられるにようにするレール支承装置一般を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、吊荷を吊上げて搬送するクレーン走行体が上面を第一方向に走行するように敷設されたレールを支承するレール支承装置において、レールが載置されかつレールとともに第一方向に延在するクレーンガータを有し、クレーンガータは、対向する端部が第一方向に互いに離間した第一クレーンガータと第二クレーンガータとを有し、第一クレーンガータ及び第二クレーンガータのそれぞれの端部の間には、レールを上面側で支持しかつ第一方向に移動可能な少なくとも一つの中間クレーンガータが配置され、第一クレーンガータ、第二クレーンガータ及び少なくとも一つの中間クレーンガータの互いに隣接するもの同志の間に衝突防止クリアランスが形成され、衝突防止クリアランスの第一方向における長さの合計は、少なくとも、第一クレーンガータと第二クレーンガータとの間で発生し得る相対変位の第一方向における予想値に設定され、衝突防止クリアランスの第一方向におけるそれぞれの長さは、衝突防止クリアランス上に架設されたレール上をクレーン走行体が走行するときに、クレーン走行体の走行が可能となる程度にレールの変形が留まるように設定されている点に特徴を有する。

0010

本発明は、上記構成を具備することにより、第一クレーンガータと第二クレーンガータとが相対変位により第一方向に互いに接近しても、第一クレーンガータと第二クレーンガータのそれぞれの端部の間に配置された少なくとも一つの中間クレーンガータが第一方向に移動し、このときに、第一クレーンガータ、第二クレーンガータ及び少なくとも一つの中間クレーンガータの互いに隣接するもの同志の間に形成されていた衝突防止クリアランスがそれぞれ距離を縮めることになる。ここで、衝突防止クリアランスの第一方向の長さを全て合わせた大きさは、少なくとも、第一クレーンガータと第二クレーンガータとの間で発生し得る相対変位の第一方向における予想値に設定されているので、衝突防止クリアランスがそれぞれ縮んだとしても、相対変位の大きさが予想の範囲内であれば、衝突防止クリアランスが残されることになり、第一クレーンガータと第二クレーンガータの衝突を防止することができる。他方、それぞれの衝突防止クリアランスの第一方向の長さは、中間クレーンガータの位置や数を調整することで、クレーン走行体が衝突防止クリアランス上のレールの上を走行しても、クレーン走行体の走行に支障をきたさない程度にレールの変形が抑えられるように設定することができる。要するに、本発明は、従来、クレーンガータ同士の衝突防止のために設けられていた一つの隙間を、複数の衝突防止クリアランスに分割し、第一クレーンガータと第二クレーンガータとの間に延在するレールを、第一クレーンガータから第二クレーンガータに至る間に、少なくとも一つの中間クレーンガータにより下支え、つまりは支承することで、レールの変形を防止しようとするものである。そして、第一クレーンガータと第二クレーンガータとが接近するように相対変位するときには、中間クレーンガータが第一方向に移動することにより、各衝突防止クリアランスが同時並行的に詰まっていき、その量を合わせると、その大きさは、少なくとも、第一クレーンガータと第二クレーンガータとの衝突を防止し得る一つの隙間が形成されている場合と同じ程度のものが保証されているので、衝突防止クリアランスの第一方向における長さがそれぞれ短いものであっても、衝突防止用の一つの長い隙間が設けられている場合と同じく、第一クレーンガータと第二クレーンガータとの衝突を防止することができる。各衝突防止クリアランスの第一方向における長さは、クレーン走行体の自重、最大の吊荷重さ、レールの寸法及び材質等によって異なるものであるが、これらの条件が定まれば、クレーン走行体の走行に許容されるレールの変形量に基づいて設定することができる。すなわち、クレーン装置の各部の構成が決まれば、少なくとも必要とされる各衝突防止クリアランスの第一方向における長さも決まる。また、第一クレーンガータと第二クレーンガータとの間で発生し得る相対変位の第一方向における予想値は、相対変位を生じさせる原因に複数のものが考えられるところ、第一クレーンガータと第二クレーンガータとの衝突による破損を防止するために必要な、第一クレーンガータと第二クレーンガータが設置される場所において想定される最大のものにする必要がある。すなわち、第一クレーンガータと第二クレーンガータとの間で発生し得る相対変位の第一方向における最大の大きさを予想値として設定し、少なくともこの予想値を上回る大きさの第一クレーンガータと第二クレーンガータとの衝突を防止するためのクリアランス全体の大きさを決定し、第一クレーンガータと第二クレーンガータとの間に中間クレーンガータを配置することでクリアランスの全体を個別の衝突防止クリアランスに分割し、このとき、第一クレーンガータ、第二クレーンガータ及び中間クレーンガータとで支承されるレールの変形が、クレーン走行体の走行時においてクレーン走行体の走行が可能となる範囲に抑えられるように各衝突防止クリアランスの大きさを決定するとともに、各衝突防止クリアランスが得られるように第一クレーンガータと第二クレーンガータとの間に配置する中間クレーンガータの位置と数を決定する。

0011

本発明は、上記の発明に加えて、中間クレーンガータの第一方向への移動を案内するとともに、第一方向と交差する第二方向への移動を規制する中間クレーンガータ案内手段を備えているレール支承装置でもよい。

0012

当該構成によれば、中間クレーンガータの第二方向への無駄な動き等を抑制しながら、確実に第一方向への中間クレーンガータの移動を促しめ、第一クレーンガータと第二クレーンガータとの衝突を確実に防止することができる。

0013

本発明は、上記のいずれかの発明に加えて、第一クレーンガータと第二クレーンガータの相対変位時に、中間クレーンガータに働く第一方向の力が所定の閾値を超えたときのみ中間クレーンガータの第一方向への移動を許容する中間クレーンガータ移動開始調整手段を備えているレール支承装置でもよい。

0014

第一クレーンガータと第二クレーンガータとが互いに第一方向に相対変位するような力を受けるとき、中間クレーンガータも第一方向に変位するような力を受ける。そのような力のうち、些細なものについてまで逐一中間クレーンガータが移動していたのでは、その後の修正作業の手間が増えてしまう。上記構成によれば、中間クレーンガータが移動を開始する力の閾値を設定することができ、本当に中間クレーンガータを移動させなければならないほどの力が加わったときのみ中間クレーンガータが移動するように調整できる。例えば、地震発生時に第一クレーンガータと第二クレーンガータとが互いに第一方向に相対変位するような場合、中小規模の地震(例えば震度5程度)では中間クレーンガータに加わる力が小さく、中間クレーンガータは移動しないが、大規模の地震(例えば震度6以上)では中間クレーンガータが移動するように調整できる。このような中間クレーンガータ移動開始調整手段として、中間クレーンガータを係止する係止片が、中間クレーンガータに大きな力が加わることで中間クレーンガータを係止できない状態に壊れるといった態様が考えられる。この場合、復旧は、中間クレーンガータを元の位置に戻し、破損した係止片を取り替えるだけで済み、復旧作業が当日のうちに終了して時間がかからない。この例の場合、中間クレーンガータが移動を開始する力の閾値を設定するには、係止片の板厚や幅等の材料強度を変更して、係止片が壊れるのに必要な力を調整すること等が考えられる。なお、この一例は、係止片が壊れる態様のものであるが、閾値を超える力が加わると係止片が脱落するような態様のものであっても無論構わない。

0015

本発明は、上記のいずれかの発明に加えて、中間クレーンガータの上面とレールとの間にレール取付板介装され、レール取付板の第一方向への移動を規制するとともに、第二方向への移動を案内するレール取付板案内手段を備えているレール支承装置でもよい。

0016

第一クレーンガータと第二クレーンガータとの間の相対変位は、第一方向だけでなく、第二方向へも生じ得る。この第二方向への相対変位が生じた場合に、第一クレーンガータと第二クレーンガータとの間でレールを支持する中間クレーンガータがレールの第二方向への移動を許容することで、レールに加わる第二方向の力をレールの所定長さに亘って分散させることができる。

0017

本発明は、上記の発明に加えて、第一クレーンガータと第二クレーンガータとの間の相対変位時に、レール取付板に働く第二方向の力が所定の閾値を超えたときのみレール取付板の第二方向への移動を許容するレール取付板移動開始調整手段を備えているレール支承装置でもよい。

0018

第一クレーンガータと第二クレーンガータとが互いに第二方向に相対変位するような力を受けるとき、レールも第二方向に変位するような力を受ける。そのような力のうち、些細なものについてまで逐一レールが中間クレーンガータ上で移動していたのでは、その後のレールの修正作業の手間が増えてしまう。上記構成によれば、レールが取り付けられたレール取付板が移動を開始する力の閾値を設定することができ、本当にレール及びレールが取り付けられたレール取付板を第二方向に移動させなければならない力がレール取付板に加わったときのみレール取付板が移動するように調整できる。このようなレール取付板移動開始調整手段として、レール取付板を係止する係止片が、レール取付板に大きな力が加わることでレール取付板を係止できない状態に壊れるといった態様が考えられる。この場合、復旧は、レール取付板を元の位置に戻し、破損した係止片を取り替えるだけで済み、復旧作業が当日のうちに終了して時間がかからない。この例の場合、レール取付板が移動を開始する力の閾値を設定するには、係止片の板厚や幅等の材料強度を変更して、係止片が壊れるのに必要な力を調整すること等が考えられる。なお、この一例は、係止片が壊れる態様のものであるが、閾値を超える力が加わると係止片が脱落するような態様のものであっても無論構わない。

0019

本発明は、上記のいずれかの発明に加えて、第一クレーンガータ又は第二クレーンガータのいずれか一方から他方に向けてガータ延長部突設され、中間クレーンガータは、そのガータ延長部の上面に第一方向に移動可能に載置されているレール支承装置でもよい。

0020

中間クレーンガータを第一クレーンガータと第二クレーンガータの間に配置するにあたり、建物側から支持させたり、第一クレーンガータと第二クレーンガータ間に設けた可変部材に支持させたり、あるいは第一クレーンガータか第二クレーンガータかのいずれかの側面からアームを延ばして、そのアームに支持させたり、様々な態様のものがあり得るが、就中、第一クレーンガータと第二クレーンガータのいずれか一方から他方に向けてガータ延長部を突設して、そのガータ延長部に中間ガータを支持させると、構成が簡潔である。ガータ延長部の態様としては、第一クレーンガータや第二クレーンガータの両側もしくは片側面又は下側面等から突設させるものも考えられるが、とりわけ、第一クレーンガータ又は第二クレーンガータの第一方向の端面側から、下側の部分を相手側の端面に向けて突出させるように延長部を一体ないし別体に形成し、その上面に重力を利用して中間クレーンガータを載置するものが構成上簡易である。クレーンガータの側面には、クレーン走行体の駆動に必要な配線等が配設されることが多いが、端面側であれば、そのような配線上の制約を受けない上、ガータ延長部が側方に出っ張らない分、スリムにできる。しかも、断面を大きくできるので強度も確保できる。特に、クレーンガータとガータ延長部とを一体に形成する場合が強度上好ましい。また、クレーンガータの側面にアームを設けたり延長部を設ける等して中間クレーンガータを側方から支持する場合は、第一方向以外の相対変位、例えば第二方向への相対変位が大きい場合に、中間クレーンガータを支持するための構成とクレーンガータとの干渉が生じる可能性があるが、第一クレーンガータ又は第二クレーンガータの第一方向の端面側から、下側の部分を相手側の端面に向けて突出させるように延長部を形成する場合は、クレーンガータの側方への相対変位を阻む部分がないため、クレーンガータと延長部とが干渉するおそれもない。

0021

本発明は、上記の発明に加えて、ガータ延長部の上面には、その上面からの中間クレーンガータの浮き上がり跳ね上がりといった上方への移動を防止する上下動規制手段が設けられているレール支承装置でもよい。

0022

第一クレーンガータと第二クレーンガータとは互いに上下方向にも相対変位する場合があるが、ガータ延長部の上面に中間ガータを載置するときには、第一クレーンガータと第二クレーンガータを上下に変位させる力により中間クレーンガータがガータ延長部の上面から離れるようなことがあってはならない。本発明によれば、中間クレーンガータは、上下動規制手段により、ガータ延長部の上面からの浮き上がり・跳ね上がり等がなく上面に留まることができる。

0023

本発明は、ガータ延長部を具備した上記の発明に加えて、第一クレーンガータ又は第二クレーンガータのうち、ガータ延長部が設けられた一方には、他方に向けて中間クレーンガータが移動しないように飛び出し防止手段が設けられているレール支承装置でもよい。

0024

中間クレーンガータが、第一クレーンガータ又は第二クレーンガータのうちガータ延長部の設けられていない方に向かって移動し(飛び出し)ていくと、いずれはガータ延長部の上面から出て重力により落下してしまう。本発明によれば、飛び出しを防止することで、ガータ延長部の上面からの中間クレーンガータの落下を防止し、落下の心配のない、ガータ延長部の設けられている方への移動だけを許容することができる。

0025

本発明は、ガータ延長部を具備した上記の発明に加えて、ガータ延長部の上面には、上面からの中間クレーンガータの傾倒を防止する傾倒防止手段が設けられているレール支承装置でもよい。

0026

第一クレーンガータ又は第二クレーンガータのうちガータ延長部の設けられていない方の第一方向の端面と、ガータ延長部の第一方向の端面との間には、やはり第一クレーンガータと第二クレーンガータとの間の衝突を防止するだけの隙間が設けられていなければならないところ、中間クレーンガータによって第一クレーンガータと第二クレーンガータとの間に衝突防止クリアランスを分割配置すると、中間クレーンガータの一部がガータ延長部から上記隙間にせり出すように中間クレーンガータを配置せざるを得ない。このとき、傾倒防止手段によって、中間クレーンガータが傾倒によってガータ延長部の上面から上記隙間に向かって倒れ込んで落下するのを防ぐことができる。

0027

本発明は、傾倒防止手段を具備した上記の発明に加えて、傾倒防止手段は、中間クレーンガータに固設された移動くさびと、当該移動くさびに上側から当接するようにガータ延長部に固設された固定くさびとからなるくさび対を備え、くさび対は、第一クレーンガータ又は第二クレーンガータのうちガータ延長部が設けられた一方に向けて中間クレーンガータが移動するときには、移動くさびが固定くさびから離間し、他方に向けて中間クレーンガータが移動するときには、移動くさびが固定くさびにより下方に押圧力を受けるような傾斜面を有しているレール支承装置でもよい。

0028

中間クレーンガータが上記隙間に向かって倒れ込むのは、中間クレーンガータが、第一クレーンガータ又は第二クレーンガータのうちガータ延長部が設けられていない方に向けて移動するときであるから、この移動時に、傾倒を防止する効果がより発揮できる押圧力がくさび対の傾斜面を介して加わるようにすれば、飛び出し防止に寄与しながら、その飛び出そうとする力を利用して一層傾倒を防止するような力を働かせることができる。その一方で、飛び出す方向とは逆向きに中間クレーンガータが移動するときには、傾斜面のおかげでいち早く移動くさびと固定くさびとが離間し、離間した面同士には摩擦抵抗も働かないから、中間クレーンガータのより円滑な移動にも寄与できる。

0029

本発明は、吊荷を吊上げて搬送するクレーン走行体と、当該クレーン走行体が上面を第一方向に走行するように敷設されたレールと、上記の発明のいずれかのレール支承装置とを有するクレーン装置でもよい。

0030

また、本発明は、とりわけ、上記いずれかの発明において、第一クレーンガータは、第一建物部に設置され、第二クレーンガータは、第一建物部と構造上切り離された状態で隣接された第二建物部に設置され、相対変位は、台風や地震発生時等における第一建物部と第二建物部との間の揺れの違いにより第一クレーンガータと第二クレーンガータとの間で発生する変位であるレール支承装置又はクレーン装置でもよい。

0031

第一クレーンガータが、第一建物部に設置され、第二クレーンガータが、第一建物部と構造上切り離された状態で隣接された第二建物部に設置されている場合、台風や地震発生時等における第一建物部と第二建物部との間の揺れの違いにより第一クレーンガータと第二クレーンガータとの間でかなり大きな相対変位が発生し得るが、それでも第一クレーンガータと第二クレーンガータとの間で衝突が起きないようにすることができる。本発明は、第一建物部と第二建物部の構造及び立地条件等から第一クレーンガータと第二クレーンガータの第一方向における相対変位が大きい場合に用いられるときに特に有利であるが、第二方向における相対変位が同時に生じる場合であっても用いられ得るものであり、さらなる有利な構成をも備え得るものである。

0032

本発明は、上記の発明において、レールは、所定以上の応力が加わるとレールを非連続にする部位を有しているクレーン装置でもよい。

0033

第一クレーンガータと第二クレーンガータとは端部において離間されている一方、レールは第一クレーンガータと第二クレーンガータとに跨って連続的に敷設されており、強度がある第一クレーンガータと第二クレーンガータとが連続している場合程ではないにしろ、それでもレールを介して第一建物部と第二建物部とが振動を伝え合うようになることには変わりない。本発明によれば、第一建物部と第二建物部との間の揺れの伝達が問題にならない少々の揺れではレールの連続状態を維持しつつ、大きな揺れが起きたときに、第一クレーンガータと第二クレーンガータとの相対変位により加わる応力の大きさが所定値以上になるとレールが一部破断ないし脱落するようにして、それ以上は第一建物部と第二建物部との間で揺れが伝えられることがないようにできる。

0034

また、本発明は、一般に、走行体が上面を第一方向に走行するレールを支承するレール支承装置において、レールが載置されかつレールとともに第一方向に延在する支承体を有し、当該支承体は、対向する端部が第一方向に互いに離間した第一支承体と第二支承体とを有し、第一支承体及び第二支承体のそれぞれの端部の間には、レールを上面側で支持しかつ第一方向に移動可能な少なくとも一つの中間支承体が配置され、第一支承体、第二支承体及び少なくとも一つの中間支承体の互いに隣接するもの同志の間に衝突防止クリアランスが形成され、衝突防止クリアランスの第一方向における長さの合計は、少なくとも、第一支承体と第二支承体との間で発生し得る相対変位の第一方向における予想値に設定され、衝突防止クリアランスの第一方向におけるそれぞれの長さは、衝突防止クリアランスに亘って延在するレール上を走行体が走行するときに、走行体の走行が可能となる範囲にレールの変形が抑えられるように設定されているレール支承装置でもよい。

0035

本発明によれば、走行体が上面を走行するレールを支承するレール支承体同志が、相互間の距離を変えても、衝突防止クリアランスがその相対変位を吸収するおかげで、レール支承体同志がぶつかり合って破損するようなことがなく、しかも、衝突防止クリアランスに亘って延在するレールも走行体通過時に変形することがない。

図面の簡単な説明

0036

実施例1のクレーン装置の正面図である。
実施例1のクレーン装置の平面図である。
本発明のクレーン装置の通常時の説明図である。
本発明のクレーン装置の相対変位時の動作の説明図である。
実施例1のクレーン装置の要部を拡大して示す正面図である。
実施例1のクレーン装置の要部を拡大して示す平面図である。
図5のI−I線断面矢視図である。
図5のII−II線断面矢視図である。
図5のIII−III線断面矢視図である。
レール破断部の動作の説明図である。
実施例1の変形例を示す図である。
実施例2のクレーン装置の要部を拡大して示す正面図である。
実施例2のクレーン装置の要部を拡大して示す平面図である。
従来のクレーン装置の正面図である。
従来のクレーン装置の動作の説明図である。
従来のクレーン装置の動作の説明図である。

0037

図1に示すように、クレーン装置10は、増築された建物B内に設置されており、既設の第1建物部B1の柱に架設されてX方向(第一方向)に延在する第1クレーンガータ21と、第1建物部B1の揺れが伝わらないように第1建物部B1とは構造上切り離された新設の第2建物部B2の柱に架設されてX方向に延在する第2クレーンガータ22とを有している。クレーン装置10は、第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22とが同一線上に設けられ、これら第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22の上側にX方向に延在するレール30が敷設され、そのレール30の上面をクレーン走行体40が走行する構成とされている。

0038

図2に示すように、第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22とは、建物Bを上方より平面視して、それぞれ平行に(図2において紙面上下に)2つずつ設けられている。したがって、レール30も対で敷設され、各レール30には、上面をX方向に走行するレール走行部41がそれぞれ載置されている。これら一対のレール走行部41を跨ぐようにして梁部42が架設され、梁部42にはトロリ43がY方向(第二方向)に走行可能に設置されている。トロリ43は昇降可能なフックFを有し、吊荷Mを懸吊しつつトロリ43とレール走行部41の走行により吊荷Mが搬送されるようになっている。レール走行部41、梁部42及びフックFを有したトロリ43は、全体でクレーン走行体40を構成している。

0039

第1クレーンガータ21の第2クレーンガータ22側の端部21Tには、第1クレーンガータ21から第2クレーンガータ22に向けてガータ延長部23が突設され、その第2クレーンガータ22側の端面と当該端面に対向する第2クレーンガータ22の端部22Tの端面との間に隙間L0が形成されている。ガータ延長部23は、第1クレーンガータ21の端部21Tの下側だけが第2クレーンガータ22に向けて延出した態様に構成され、その上側には水平な上面が形成されている。

0040

第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22の間のガータ延長部23の上面には、中間クレーンガータ50がX方向に移動可能に載置され、その上面側において第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22の間に延びるレール30が支承されている。レール支承装置11は、これら第1クレーンガータ21、第2クレーンガータ22及び中間クレーンガータ50を有して構成されている。

0041

レール30は、レール支承装置11に支承されている。すなわち、レール30は、第1クレーンガータ21、第2クレーンガータ23及び中間クレーンガータ23の上面側にそれぞれ固定されている。そして、レール30の第1クレーンガータ21側の一部には、レール30に所定の応力が加わると、一部が脱落するレール脱落部R(レールを非連続にする部位)が設けられている(図10参照)。

0042

上記レール支承装置11の基本的な動作について、一例として地震により建物が揺れる場合を想定して、図3及び図4を参照しながら説明する。なお、図3及び図4は、レール支承装置11の動作を原理的に説明するための図であるので、レール支承装置11において本質的な構成のみを概略的に示し、その余の構成については省いて示している。例えば、ガータ延長部23は、中間クレーンガータ50を移動可能に支持する構成として代替的な構成が考えられる(後述の図12及び図13に関する記載等を参照。)ので、ここでは図示していない。図3は、第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22とが相対変位することなく定位置で静止している場合の状態を示す図である。中間クレーンガータ50は、第1クレーンガータ21の端面(端部21Tの端面)からクリアランスL1(衝突防止クリアランス)だけ離間されるとともに、第2クレーンガータ22の端面(端部22Tの端面)からクリアランスL2(衝突防止クリアランス)だけ離間されるようにして、第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22との間に配置されている。クリアランスL1とクリアランスL2とは、本実施例においては、両者を足し合わせたときにちょうど上記隙間L0に等しくなるように設定されている。隙間L0は、レベル2地震動で予想されるX方向の相対変位量Δx(予想値)よりも若干大きめ(例えば60cm)に設定されている。クリアランスL1とクリアランスL2とは、本実施例においては同じ大きさに設定され、図3に示すように、クリアランスL1とクリアランスL2に渡されたレール30の上を吊荷搬送中のクレーン走行体40が通過しても、その重さによってレール30が撓み過ぎることがなく、クレーン走行体40の走行が可能となるように設定されている。例えば、クリアランスL1とクリアランスL2は、クレーン走行体40の仕様にもよるが、クレーン走行体40の通過に伴うレールの鉛直変位をδとするとき、δ/L1,2<1/1000(ここで、L1,2はL1又はL2を意味する。)を満たすように設定されている。

0043

図4には、第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22とが予想された相対変位量Δxだけ変位し、第1クレーンガータ21に向けて第2クレーンガータ22が接近した様子が示されている。このとき、X方向に移動可能とされた中間クレーンガータ50は、第2クレーンガータ22に押されて第1クレーンガータ21に向かって移動し、第1クレーンガータ21と中間クレーンガータ50との間に形成されていたクリアランスL1のうち、中間クレーンガータ50が移動した分が、第2クレーンガータ22と中間クレーンガータ50との間に形成されていたクリアランスL2に足し合わされたのと同じような状態(当初に第2クレーンガータ22と中間クレーンガータ50との間にL2+Δxの隙間が設けられていた場合と同じ状態)を実現する。本実施例では、クリアランスL1とクリアランスL2とを全て足し合わせると相対変位量Δxより若干大きめに設定されたL0(L0>Δx)になるように設定されているので、第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22とが相対変位量Δxだけ変位した状態でも依然として第1クレーンガータ21と中間クレーンガータ50との間に隙間(L0−Δx)が残されることになる。これにより、第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22とが予想された相対変位量Δx変位しても、第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22とが互いに力を及ぼし合うような関係にならない。こうして、従来のような第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22との衝突による破損の問題が回避できる。

0044

次に、図5乃至図10を参照しながら、本実施例を詳細に説明する。

0045

図5は、本実施例のクレーン装置の要部、すなわちレール支承装置11の要部を拡大して示す正面図であり、図6はその平面図である。図5において、中間クレーンガータ50は、ガータ延長部23の上面にX方向に移動可能に載置されている。中間クレーンガータ50の図中左側の端面と第1クレーンガータ21の図中右側の端面との間には、クリアランスL1が形成されている。その一方で、中間クレーンガータ50の図中右側の端面と第2クレーンガータ22の図中左側の端面との間には、クリアランスL2が形成されている。中間クレーンガータ50の右側の端部の下方には、ガータ延長部23の右側の端面と第2クレーンガータ22の左側の端面との間の隙間L0が形成され、本実施例においては、L1=L2かつL0=L1+L2に設定されている。従って、中間クレーンガータ50が第1クレーンガータ21に当接するまで移動すると、中間クレーンガータ50の右側の端面とガータ延長部23の右側の端面とが概ね揃うことになる。

0046

中間クレーンガータ50は、ガータ延長部23に載置される略矩形状の底部511と、底部511と同形かつレール30を支持する上面側の上部512と、底部511と上部512とを接続するために、底部511のY方向中央位置に垂直に立設されたX方向に延びる接続部513とからなる本体部51を有している。

0047

ガータ延長部23の上面には、中間クレーンガータ50の底部511をY方向における両側から挟み込むようして一対をなすX方向案内部52(中間クレーンガータ案内手段)がX方向前後に2対ほど配設されている。これらX方向案内部52は、一対でY方向に中間クレーンガータ50を挟み込むことでY方向への中間クレーンガータ50の移動を規制する一方、X方向へは中間クレーンガータ50の摺動を許し、中間クレーンガータ50がX方向案内部52に対してX方向に移動可能とされている。X方向前後に配置されたX方向案内部52の配置によって、中間クレーンガータ50の移動方向がX方向に平行に保たれるようになっている。

0048

中間クレーンガータ50のX方向中央付近には、底部511から上部512にかけて垂直に取付梁53が延在し、この取付梁53の垂直方向中央やや下寄りの位置に中間クレーンガータ50の外側に向けてX方向移動開始調整片54(中間クレーンガータ移動開始調整手段)が突設されている。一方、ガータ延長部23の上面には、中間クレーンガータ50のX方向中央付近に対応する位置に、Γ字状の当接片55が、自身の水平に延びる当接面部分551を中間クレーンガータ50側に向けるようにして立設されているとともに、中間クレーンガータ50側から延びる上記X方向移動開始調整片54に上記当接面部分551が対面するように配置されている。ここで、X方向移動開始調整片54は、真っ直ぐな状態では当接片55の通過を許さないが、所定の閾値以上の力がX方向に加わると折れ曲がり、この折れ曲がった状態では当接片55が素通りできるようになっている。このX方向移動開始調整片54は容易に交換が可能で、折れ曲がったものと新しいものとを直ぐに取り替えることができる。X方向移動開始調整片54が折れ曲がるときの力の閾値は、X方向移動開始調整片54の板厚や幅を調整することで適宜設定することができる。

0049

当接片55の当接面部分551の下側縁(上下動規制手段)は、中間クレーンガータ50の底部511の上面よりやや上側に位置し、若干の隙間を形成している。

0050

中間クレーンガータ50の底部511の上面には、当接片55の当接面部分551を上記X方向移動開始調整片54とともに挟み込むようにして逆走防止片56(飛び出し防止手段)が固設されており、中間クレーンガータ50が第2クレーンガータ22の方に移動しようとしても、逆走防止片56が当接片55の当接面部分551に妨げられて第2クレーンガータ22側に飛び出さないようになっている。

0051

中間クレーンガータ50の底部511の上面には、第1クレーンガータ21側の端部に、傾倒防止くさび対57(傾倒防止手段)が配置されている。傾倒防止くさび対57は、上くさび571(固定くさび)と下くさび572(移動くさび)とからなり、上くさび571がくさび固定バー573によってガータ延長部23に対して固定されている一方、下くさび572は中間クレーンガータ50の底部511の上面に固定されて中間クレーンガータ50と一体で移動可能とされている。上くさび571と下くさび572とは、図5中右下がりの傾斜当接面(傾斜面)にて互いに当接しており、中間クレーンガータ50が第1クレーンガータ21側に移動するときは上くさび571と下くさび572とが離間し、中間クレーンガータ50が第2クレーンガータ22側に移動するときは上くさび571と下くさび572とが傾斜当接面にて一層強く密着する。中間クレーンガータ50を第2クレーンガータ22側に移動させようとすると、下くさび572が傾斜当接面を介して上くさび571から下向き成分の力を受け、中間クレーンガータ50がガータ延長部23の上面に一層強く押さえつけられることで中間クレーンガータ50の傾倒が防止されるようになっている。また、傾倒が防止されるときに上部512が慣性により上方に向かおうとするのを支えるため、底部511から上部512にかけて垂直に補強梁58が延在している。

0052

中間クレーンガータ50の上部512の上面には、上部512と同形のレール取付板60が当該上面に対して摺動可能に載置され、第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22の上面と面一とされたレール取付板60の上面にレール30が固定されている。

0053

中間クレーンガータ50の上部512には、レール取付板60に取り付けられた断面コ字状のY方向案内部61(レール取付板案内手段)が、レール取付板60のX方向両側において対をなして上部512を挟み込むように係合している。X方向に対をなしたY方向案内部61は、Y方向に前後2か所に設けられ、合計4か所に配置されたY方向案内部61が、レール取付板60をY方向のみに案内するように構成されている。Y方向案内部61は、本実施例ではレール取付板60側に固定され、レール取付板60とともに一体で移動する。ここで、接続部513のY方向案内部61が通過する部位は切り欠かれており、Y方向案内部61の上部512に対する動きを妨げないようになっている。Y方向案内部61は、基本的には、レール取付板60又は上部512のどちらか一方に固定されて他方に対して摺動を許すものであればよいが、本実施例の構成にすると、Y方向案内部61が、レール30の固定されたレール取付板60とともに移動するので、Y方向案内部61がレール30の可動域を狭めない(Y方向案内部61が上部512に固定された場合、レール取付板60が大きく移動すると、レール30がY方向案内部61に衝突する。)。

0054

中間クレーンガータ50の上部512の下面のY方向端面側の位置に、Y方向に対をなすようにしてX方向に前後2か所、2対の取付片62が下方に向けて延出し、この取付片62にそれぞれY方向移動開始調整片63(レール取付板移動開始調整手段)が取り付けられている。Y方向移動開始調整片63は、上方に延在してその上端部がレール取付板60のY方向端面に当接している。ここで、Y方向移動開始調整片63は、真っ直ぐな状態ではレール取付板60の通過を許さないが、所定の閾値以上の力がY方向に加わると、折れ曲がり、この折れ曲がった状態ではレール取付板60が素通りできるようになっている。このY方向移動開始調整片63は容易に交換が可能で、折れ曲がったものと新しいものとを直ぐに取り替えることができる。Y方向移動開始調整片63が折れ曲がるときの力の閾値は、Y方向移動開始調整片63の板厚や幅を調整することで適宜設定することができる。

0055

中間クレーンガータ50の底部511の上面と、レール取付板60の上面と、ガータ延長部23の上面のそれぞれには、落下防止用ワイヤ取付金具70が立設され、落下防止用ワイヤWがこれらの間を繋いでいる。

0056

以上の構成とされた本実施例のクレーン装置10及びその要部を構成するレール支承装置11は、以下のように動作する。

0057

第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22とが相対変位することなく定位置で静止している場合、第1クレーンガータ21と中間クレーンガータ50との間に形成されたクリアランスL1のX方向の長さと、第2クレーンガータ22と中間クレーンガータ50との間に形成されたクリアランスL2のX方向の長さは、レール30がクレーン走行体40の重さで下方に撓んでも、クレーン走行体40の走行が可能となる程度に設定されているので、クレーン走行体40は、吊荷Mを懸吊しながらレール30上を支障なく行き来する。

0058

次に、例えば地震が発生する等して第1建物部B1と第2建物部B2とが異なる揺れ方をし、第1建物部B1に設置された第1クレーンガータ21と第2建物部B2に設置された第2クレーンガータ22とが相対変位するとき、揺れがそれほど大きくなく、その大きさがクリアランスL0よりも十分小さいような場合には、中間クレーンガータ50は、逆走防止片56とX方向移動開始調整片54とが、ガータ延長部23に固定された当接片55の当接面部551を挟んでいるため、ガータ延長部23上でX方向に移動しない。これにより、中小規模の地震等が発生したぐらいでは、中間クレーンガータ50は移動せず、そのため、揺れが収まった後、中間クレーンガータ50の位置を修正する作業等は発生しない。

0059

しかしながら、例えば震度6以上といった大規模地震等により激しい揺れが生じて中間クレーンガータ50に慣性力が働く、あるいは相対変位してきた第2クレーンガータ22が中間クレーンガータ50に当たる等して、X方向移動開始調整片54に働くX方向の力の大きさが所定の閾値を超えると、X方向移動開始調整片54が当接片55の当接面部分551に押されて折れ曲がり、この状態でX方向移動開始調整片54が当接面部分551を素通りできるようになるので、中間クレーンガータ50が第1クレーンガータ21に向かって移動できるようになる。これにより、第1クレーンガータ21に向かって第2クレーンガータ22が接近するように変位してきたときには、中間クレーンガータ50は、第2クレーンガータ22に押されて第1クレーンガータ21に向かって移動することができる。

0060

他方、逆走防止片56は、依然として当接片55の当接面部分551に当接して第2クレーンガータ22に向かう中間クレーンガータ50の移動を禁止しているので、揺れにより中間クレーンガータ50が第2クレーンガータ22の方に動いていきガータ延長部23から飛び出して下に落下することが防止される。

0061

当接片55の当接面部分551の下側縁と、中間クレーンガータ50の底部511の上面との間には、若干の隙間が形成されているので、中間クレーンガータ50が移動するときに、摩擦のない円滑な移動を保証する一方、中間クレーンガータ50がガータ延長部23の上面から上がろうとするときには、当接面部分551の下側縁に中間クレーンガータ50の底部511の上面がぶつかって、それ以上、中間クレーンガータ50がガータ延長部23から上方に離れることがない。

0062

中間クレーンガータ50が第1クレーンガータ21に向かって移動するときには、Y方向の揺れにもかかわらず、X方向案内部52により、Y方向への移動が規制されつつ、ガータ延長部23上においてX方向にのみ移動する。これにより、中間クレーンガータ50がガータ延長部23のY方向両端から下に落下することが防止されるとともに、第2クレーンガータ22から押されたときには、X方向に沿って円滑に第1クレーンガータ21に向けて移動することができる。

0063

中間クレーンガータ50が第2クレーンガータ22に向かって移動するときには、上記逆走防止片56の他、傾倒防止くさび対57もその移動を規制する。中間クレーンガータ50が第2クレーンガータ22側に移動するときは上くさび571と下くさび572とが傾斜当接面にて密着し、それ以上の移動を規制するとともに、上くさび571により中間クレーンガータ50がガータ延長部23の上面に押さえつけられることで中間クレーンガータ50の傾倒が防止される。これにより、中間クレーンガータ50が第2クレーンガータ22側に傾くようにして隙間L0から下方に滑り落ちることがない。逆に、中間クレーンガータ50が第1クレーンガータ21に向かって移動するときには、くさび571と下くさび572とが傾斜当接面にて直ちに離間し、摩擦等によって中間クレーンガータ50の移動を妨げることがない。

0064

地震が発生する等して第1建物部B1と第2建物部B2とが異なる揺れ方をするときには、第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22とは、上述のようにX方向に相対変位するだけでなく、Y方向にも相対変位する。このとき、プレート取付板6は、Y方向移動開始調整片63によりY方向両側で挟持されているため、揺れがそれほど大きくないときには、中間クレーンガータ50に対してY方向に移動することがない。これにより、中小規模の地震等が発生したぐらいでは、プレート取付板6は移動せず、そのため、揺れが収まった後、プレート取付板6の位置を修正する作業等は発生しない。

0065

しかしながら、例えば震度6以上といった大規模地震等による激しい揺れが生じて第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22とがY方向に大きくずれるときには、仮にレール30が中間クレーンガータ50に対して全く移動できないとすると、中間クレーンガータ50と第2クレーンガータ22の間の衝突防止クリアランスL2でのレール30の変形しか許されないことになり、レール30に局所的な応力が加わることになる。そこで、このような大きなY方向の変位が生じるときには、プレート取付板6は、閾値を上回る大きさのY方向の力でY方向移動開始調整片63を折り曲げ、Y方向移動開始調整片63を素通りしてY方向に移動する。レール30が第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22のY方向における中間位置に向けて横ずれすることにより、レール30の変形は、第1クレーンガータ21から第2クレーンガータ22にわたる比較的広い範囲にわたり、レール30に加わるY方向の力を所定長さに亘って分散させることができる。

0066

また、レール30は、第1クレーンガータ21の上側の一部にレール脱落部Rが形成されており、例えば図10に示すように、X方向に所定の力が働くとレール脱落部Rがレール30から外れ、レール30をこの部分で非連続にするので、第1建物部B1と第2建物部B2がレール30を介して揺れを伝えることが防止できる。

0067

以上の構成とされた中間クレーンガータ50がそれでもガータ延長部23から落下するような万が一の場合に備えて、中間クレーンガータ50及びガータ延長部23並びにレール取付板60及びガータ延長部23は、落下防止用ワイヤ取付金具70を介して落下防止用ワイヤWによってそれぞれ繋げられており、中間クレーンガータ50及びレール取付板60の落下が防止できる。

0068

以上のとおり、本発明の第一実施例に係るレール支承装置11及び当該レール支承装置11を備えたクレーン装置10によれば、互いに相対変位する第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22との間のクリアランスL1,L2により互いの衝突を防止するとともに、クレーン走行体40がクリアランスL1,L2に渡されたレール30の上を走行するとき、中間クレーンガータ50のおかげでレール30の変形がクレーン走行体40の走行を可能ならしめる程度に抑えられるにようにできる。そして、X方向移動開始調整片54により、中小規模の地震の揺れの程度では中間クレーンガータ50は動かず、特に事後的な調整作業は不要である一方、いざ大地震が起きたときに匹敵する揺れが発生したときには、X方向移動開始調整片54が折曲して中間クレーンガータ50の移動を許して上述の効果を発揮せしめ、復旧に際しては、移動した中間クレーンガータ50の位置調整を行って、折曲したX方向移動開始調整片54を新しいものと交換するだけで済むから、概ね当日のうちに復旧作業を終了させることができる。このことは、レール取付板60とY方向移動開始調整片63についても言える。

0069

本発明の一実施例は、上述の構成とされているが、その構成は、本発明の技術的思想を実現する様々な態様に変更できることは言うまでもない。例えば、中間クレーンガータ案内手段、上下動規制手段及び傾倒防止手段は、図11に示すような態様で実施することもできる。この変形例では、中間クレーンガータ50の底部511の下面に、断面逆T字状かつX方向に所定長さ延在する係合部80が突設される一方、ガータ延長部23側には、係合部80がX方向に摺動可能に嵌合する案内孔90が上面側から穿設されている。係合部80と案内孔90とが協働して、中間クレーンガータ50のY方向への移動を規制しながらX方向に案内し、上下動を規制し、傾倒を防止する。また、中間クレーンガータ50は、案内孔90に導かれてX方向に自在に摺動するが、第2クレーンガータ22側への飛び出しを防止するように、係合部80の第2クレーンガータ22への移動を禁止する不図示の飛び出し防止部が飛び出し防止手段として案内孔90内に設けられている。これは、例えば、係合部80の端面に当接するように案内孔90内に突設された当接片といった態様で実現できる。また、係合部80と案内孔90の表面に粗面部を設けておき、所定の力が加わったときのみ静止摩擦力を上回って中間クレーンガータ50が第1クレーンガータ21に向かって移動開始するようにして中間クレーンガータ移動開始調整手段を実施することもできる。また、地震発生時の建物の揺れ等により第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22との間の相対変位が生じることを想定して本発明の動作を説明したが、地震以外の台風その他の原因による第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22との間の相対変位が生じる場合にも本発明が適用できることは言うまでもない。

0070

次に、本発明の第二の実施例について図12乃至図13を参照しながら説明する。図12及び図13は、本発明の要部のみ示すものであるので、クレーン装置10の全体構成については、図1及び図2を援用する。また、本発明の第一の実施例と同じ構成については、見やすくする目的で一部図示を省略し、図示された部材のうち同一符号が付された部材は、第一の実施例と同じ作用効果を奏するものである。

0071

本実施例におけるレール支承装置11を備えたクレーン装置10は、第1クレーンガータ21のY方向両側面からX方向に突設された一対のアーム型ガータ延長部230と、アーム型ガータ延長部230にX方向に摺動可能に嵌合する支持アーム110を介してそれぞれ保持された二つの中間クレーンガータ50a,50bとを有している。本実施例においては、アーム型ガータ延長部230と支持アーム110との摺動可能な嵌合により、中間クレーンガータ案内手段、上下動規制手段及び傾倒防止手段が実現されている。

0072

第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22とが相対変位することなく定位置で静止している状態で、第1クレーンガータ21の図12中右側端面と中間クレーンガータ50aの左側端面との間はクリアランスL1だけ離間されている。中間クレーンガータ50aの右側端面と中間クレーンガータ50bの左側端面との間はクリアランスL2だけ離間されている。そして、中間クレーンガータ50bの右側端面と第2クレーンガータ22の左側端面との間はクリアランスL3だけ離間されている。クリアランスL1、クリアランスL2及びクリアランスL3は、本実施例においてはそれぞれ等しく設定され、クリアランスL1、クリアランスL2及びクリアランスL3に渡されたレール30の上を吊荷搬送中のクレーン走行体40が通過しても、その重さによってレール30が撓み過ぎることがなく、クレーン走行体40の走行が可能となるように設定されている。

0073

クリアランスL1、クリアランスL2及びクリアランスL3は、全て足し合わせたときにちょうどレベル2地震動で予想されるX方向の相対変位量Δx(予想値)よりも若干大きめとなる(例えば60cm)ように設定されている。

0074

中間クレーンガータ50a,50bが図12の状態に配置されているときに、中間クレーンガータ50a,50bが第2クレーンガータ22側に移動しないように、アーム型ガータ延長部230に逆走防止片120(飛び出し防止手段)が固設され、支持アーム110の右側の面に当接している。

0075

また、アーム型ガータ延長部230の支持アーム110の左側の面から支持アーム110の摺動面に接触する位置にかけて粗面部130(中間クレーンガータ移動開始調整手段)が形成されており、中間クレーンガータ50a,50bに所定の閾値以上のX方向の力が加わったときのみ、中間クレーンガータ50a,50bが静止摩擦力に打ち勝って第1クレーンガータ21に向けて移動することができるようになっている。

0076

本実施例においても、通常時には、クレーン走行体40のレール30上の走行が可能とされている。そして、地震発生時を例に取るなら、中小規模の地震の発生時には粗面部130によって中間クレーンガータ50a,50bの移動が抑えられる一方、例えば震度6以上の大規模な地震の発生時には、中間クレーンガータ50a,50bが逆走防止片120によって第2クレーンガータ22側への移動を禁止されながら、静止摩擦力に打ち勝って粗面部130を乗り越えることで第1クレーンガータ21側に移動可能となり、クリアランスL1、L2及びL3によって、第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22との相対変位による衝突を防止する。

0077

したがって、本発明の第二実施例に係るレール支承装置11を備えたクレーン装置10によれば、互いに相対変位する第1クレーンガータ21と第2クレーンガータ22との間のクリアランスL1、L2及びL3により互いの衝突を防止するとともに、クレーン走行体40がクリアランスL1、L2及びL3に渡されたレール30の上を走行するとき、中間クレーンガータ50a,50bのおかげでレール30の変形がクレーン走行体40の走行を可能ならしめる程度に抑えられるにようにできる。そして、本実施例によれば、中間クレーンガータ50a,50bのX方向の移動開始を調整するに際して破損する部材がないので、復旧に要する時間がさらに短縮できる。

0078

以上述べてきたように、本発明によれば、互いに相対変位する第1クレーンガータと第2クレーンガータとの間の衝突防止クリアランスにより衝突を防止するとともに、クレーン走行体がその隙間に渡されたレールの上を走行するとき、レールの変形が中間クレーンガータによりクレーン走行体の走行を可能ならしめる程度に抑えられるにようにできる。

実施例

0079

なお、本発明のレール支承装置は、クレーン装置だけでなく、レールを支承する二つの支承体の間に隙間を有するものについては全て応用できるものである。例えば、構造上切り離された二つの橋梁間に架け渡されたレールを、二つの橋梁の間に配置した中間支承体で支承する構造とすれば、二つの橋梁が地震等で振動する等して二つの橋梁間の距離が変化しても、橋梁同志がぶつかり合って破損することがなく、レールが走行体の重さで変形破損することもない。このようなレール支承装置は、例えば、走行体としての列車が走行する鉄橋遊園地におけるジェットコースターといった遊戯機等に用いられると好適である。

0080

クレーン装置…10
レール支承装置…11
第1クレーンガータ(第一支承体)…21
第2クレーンガータ(第二支承体)…22
ガータ延長部…23
レール…30
クレーン走行体(走行体)…40
中間クレーンガータ(中間支承体)…50
中間クレーンガータ(中間支承体)…50a,50b
X方向案内部…52
X方向移動開始調整片…54
当接片…55
当接面部分…551
逆走防止片…56
傾倒防止くさび対…57
上くさび…571
下くさび…572
レール取付板…60
Y方向案内部…61
Y方向移動開始調整片…63
係合部…80
案内孔…90
アーム型ガータ延長部…230
支持アーム…110
逆走防止片…120
粗面部…130
隙間…S
隙間…L0
クリアランス…L1,L2,L3
レール脱落部…R
吊荷…M
建物…B
第1建物部…B1
第2建物部…B2
地面…G

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