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技術 光学的異方性素子、液晶配向膜、およびこれらに使用される液晶高分子膜ならびにその製造方法

出願人 林テレンプ株式会社公立大学法人兵庫県立大学
発明者 高塚啓文酒井丈也川月喜弘
出願日 2015年10月13日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2015-201910
公開日 2017年4月20日 (4年8ヶ月経過) 公開番号 2017-075983
状態 特許登録済
技術分野 液晶3-2(配向部材)
主要キーワード 剛直部分 マスキング被膜 面外配向 マスキング部位 液晶高分子材料 昇華除去 ヘイズ増加 昇華性物質
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

面外配向面内配向配向分割された液晶高分子膜の製造方法、およびこの液晶高分子膜を用いる光学的異方性素子液晶配向膜および液晶表示素子を提供する。

解決手段

前記液晶高分子膜は、感光性の官能基およびメソゲン部分を有する液晶高分子を含む液晶高分子膜上に易除去性マスキング材を積層し、その積層体加熱処理する工程と、偏光成分を含む光を照射する光照射工程と、を少なくとも備える製造方法により得ることができる。

概要

背景

本発明者らは、特許文献1(特開平11−181127号公報)において、感光性の側鎖型高分子膜直線偏光性紫外線照射して任意の配向特性をもった配向膜を得ることを特徴とする配向膜の製造方法、特許文献2(特開2002−90750号公報)において、感光性の重合体の膜に、直線偏光性または部分偏光性の光を照射することによって、液晶パネル封入した液晶配向を促進する膜を提案してきた。

また、特許文献3(特開2002−202409号公報)において、感光性の重合体と低分子化合物混合体の膜に、紫外線を照射することによって分子配向させ、該高分子材料内に位相差光軸方向を任意に発現させた位相差フィルム、特許文献4(特開2003−307618号公報)において、感光性の材料をもってフィルム製膜し、フィルム面に対して傾斜した方向からの光照射、または加えて加熱冷却する操作を含む工程によって作製することを特徴とする位相差フィルムを提案してきた。

特許文献1から4に記載されている材料では、基材に塗布して製膜した後、直線偏光性紫外線を照射すると、高分子側鎖の軸選択的な光架橋反応が生じる。更に、このような膜を加熱すると、材料自体液晶性により、直線偏光性紫外線の照射により未反応であった側鎖を、軸選択的に光架橋した側鎖に沿って配向させることができる。この結果、膜全体を分子配向させることもできる。この膜は、液晶分子の配向能を発現することから液晶配向膜として利用できる。更には、分子配向により複屈折性が発現することから位相差フィルムとして利用することができる。また、直線偏光性紫外線を照射する際に全面に照射した後、直線偏光性紫外線の電場ベクトル方向を90°回転させマスクパターンを通した光を再度照射することにより面内配向配向分割が可能である。

また、特許文献5(特開2013−33128号公報)において、ヘイズを低減できると共に、ホメオトロピック配向性を示すことができる光学フィルムを提案してきた。

特許文献5の材料では、基材に塗布して製膜した後、材料自体の液晶相を示す温度で加熱することにより基材に対して面外方向に液晶メソゲンが配向したホメオトロピック配向を形成することが可能である。

概要

面外配向と面内配向に配向分割された液晶高分子膜の製造方法、およびこの液晶高分子膜を用いる光学的異方性素子、液晶配向膜および液晶表示素子を提供する。前記液晶高分子膜は、感光性の官能基およびメソゲン部分を有する液晶高分子を含む液晶高分子膜上に易除去性マスキング材を積層し、その積層体加熱処理する工程と、偏光成分を含む光を照射する光照射工程と、を少なくとも備える製造方法により得ることができる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

感光性の官能基およびメソゲン部分を有する液晶高分子(以下、感光性液晶高分子と称する)を製膜する製膜工程と、前記製膜工程で得られた膜の表面に、パターン化した易除去性マスキング層を積層し、積層体を得るマスキング工程と、前記積層体を、前記感光性液晶高分子が液晶相を示す温度で加熱し、非マスキング部位面外配向誘起する第1の加熱工程と、前記面外配向の誘起中および/または誘起後に、マスキング層を除去する除去工程と、前記マスキング層が除去された膜に、当該液晶高分子中のメソゲン部分を異方的に配向可能な光を照射する光照射工程と、を少なくとも備える、液晶高分子膜を製造する方法。

請求項2

請求項1の製造方法において、易除去性マスキング層が、昇華能力を有する化合物(以下、昇華性化合物と称する)で構成される、液晶高分子膜の製造方法。

請求項3

請求項2の製造方法において、除去工程が、昇華性化合物が昇華する温度において加熱する第2の加熱工程であり、第1の加熱工程と第2の加熱工程が同時に実施される液晶高分子膜の製造方法。

請求項4

請求項1〜3のいずれか一項の製造方法において、さらに、光照射膜を加熱する第3の加熱工程を備える、液晶高分子膜の製造方法。

請求項5

請求項1〜4のいずれか一項の製造方法において、光照射工程が複数回行われ、それぞれの光照射工程において異なる方向の面内配向が誘起される、液晶高分子膜の製造方法。

請求項6

請求項1〜5のいずれか一項の製造方法において、液晶高分子が、側鎖に下記化学式1で表される感光性を有する官能基を有する側鎖型液晶高分子である、液晶高分子膜の製造方法。(式中、Rは、水素原子ハロゲン基、−CN、アルキル基、またはアルキルオキシ基である。)

請求項7

光学的異方性を有するか、液晶配向能を有するか、または、液晶配向能および光学的異方性を有する液晶高分子膜であって、前記液晶高分子は、面外配向した領域と面内配向した領域とを備えているとともに、面外配向領域と、それに隣接する面内配向領域との境界部が平坦な膜表面を有する、液晶高分子膜。

請求項8

透明基材と、透明基材の上に配置された液晶高分子膜と、を備える光学的異方性素子であって、前記液晶高分子膜が請求項7に記載の液晶高分子膜である、光学的異方性素子。

請求項9

透明基材と、透明基材の上に配置された液晶高分子膜と、を備える液晶配向膜であって、前記液晶高分子膜が請求項7に記載の液晶高分子膜である、液晶配向膜。

請求項10

一対の液晶配向膜と、前記一対の液晶配向膜間に配設される液晶層とを備える液晶表示素子であって、前記液晶配向膜が、請求項9に記載の液晶配向膜である、液晶表示素子。

技術分野

0001

本発明は、面外配向面内配向配向分割された液晶高分子膜の製造方法、およびこの液晶高分子膜を用いる光学的異方性素子液晶配向膜および液晶表示素子に関する。

背景技術

0002

本発明者らは、特許文献1(特開平11−181127号公報)において、感光性の側鎖型高分子膜直線偏光性紫外線照射して任意の配向特性をもった配向膜を得ることを特徴とする配向膜の製造方法、特許文献2(特開2002−90750号公報)において、感光性の重合体の膜に、直線偏光性または部分偏光性の光を照射することによって、液晶パネル封入した液晶配向を促進する膜を提案してきた。

0003

また、特許文献3(特開2002−202409号公報)において、感光性の重合体と低分子化合物混合体の膜に、紫外線を照射することによって分子配向させ、該高分子材料内に位相差光軸方向を任意に発現させた位相差フィルム、特許文献4(特開2003−307618号公報)において、感光性の材料をもってフィルム製膜し、フィルム面に対して傾斜した方向からの光照射、または加えて加熱冷却する操作を含む工程によって作製することを特徴とする位相差フィルムを提案してきた。

0004

特許文献1から4に記載されている材料では、基材に塗布して製膜した後、直線偏光性紫外線を照射すると、高分子側鎖の軸選択的な光架橋反応が生じる。更に、このような膜を加熱すると、材料自体液晶性により、直線偏光性紫外線の照射により未反応であった側鎖を、軸選択的に光架橋した側鎖に沿って配向させることができる。この結果、膜全体を分子配向させることもできる。この膜は、液晶分子の配向能を発現することから液晶配向膜として利用できる。更には、分子配向により複屈折性が発現することから位相差フィルムとして利用することができる。また、直線偏光性紫外線を照射する際に全面に照射した後、直線偏光性紫外線の電場ベクトル方向を90°回転させマスクパターンを通した光を再度照射することにより面内配向の配向分割が可能である。

0005

また、特許文献5(特開2013−33128号公報)において、ヘイズを低減できると共に、ホメオトロピック配向性を示すことができる光学フィルムを提案してきた。

0006

特許文献5の材料では、基材に塗布して製膜した後、材料自体の液晶相を示す温度で加熱することにより基材に対して面外方向に液晶メソゲンが配向したホメオトロピック配向を形成することが可能である。

先行技術

0007

特開平11−181127号公報
特開2002−90750号公報
特開2002−202409号公報
特開2003−307618号公報
特開2013−33128号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許文献1から4に記載されている方法では、紫外線照射時マスク露光することにより同一基板(または同じ液晶高分子材料から形成される液晶高分子膜)内に面内配向について配向分割することが可能であるが、同一基板内に面内配向と面外配向との双方を配向分割させることは難しい。

0009

特許文献5に記載されている方法でも、依然として、同一基板上で面内配向と面外配向を分割することは難しい。

0010

上記問題を鑑みて、本発明では、液晶の面内配向と面外配向を同一基板上に配向分割できる液晶高分子膜の製造方法を提案し、従来技術で問題となる前記課題を解決しようとするものである。

課題を解決するための手段

0011

本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、以下の発明を見出した。

0012

すなわち、本発明の第1の構成は、感光性の官能基およびメソゲン部分を有する液晶高分子(以下、感光性液晶高分子と称する)を製膜する製膜工程と、
前記製膜工程で得られた膜の表面に、パターン化した易除去性マスキング層を積層し、積層体を得るマスキング工程と、
前記積層体を、前記感光性液晶高分子が液晶相を示す温度で加熱し、非マスキング部位の面外配向を誘起する第1の加熱工程と、
前記面外配向の誘起中および/または誘起後に、マスキング層を除去する除去工程と、
前記マスキング層が除去された膜に、当該液晶高分子中のメソゲン部分を異方的に配向可能な光を照射する光照射工程と、
を少なくとも備える、液晶高分子膜を製造する方法である。

0013

前記製造方法において、加熱により容易に除去できる観点から、易除去性マスキング層が、昇華能力を有する化合物(以下、昇華性化合物と称する)で構成されるのが好ましい。昇華性化合物の除去は、昇華性化合物が昇華する温度において加熱する第2の加熱工程であってもよい。その場合、製造効率の観点から、液晶高分子が液晶相を示す温度で加熱する第1の加熱工程と、昇華性物質が昇華する温度での加熱する第2の加熱工程を同時に実施してもよい。

0014

前記製造方法は、液晶高分子の配向性を向上する観点から、さらに、光照射膜を加熱する第3の加熱工程を備えていてもよい。

0015

光照射工程は、必要に応じて複数回行われてもよい。その場合、それぞれの光照射工程において異なる方向の面内配向が誘起されてもよい。

0016

前記液晶高分子は、側鎖に下記化学式(1)で表される感光性を有する官能基を有する側鎖型液晶高分子であってもよい。

0017

(式中、Rは、水素原子ハロゲン基、−CN、アルキル基、またはアルキルオキシ基である。)

0018

本発明の第2の構成は、光学的異方性を有するか、液晶配向能を有するか、または、液晶配向能および光学的異方性を有する液晶高分子膜であって、液晶高分子が面外配向した領域と面内配向した領域とを備えているとともに、面外配向領域と、それに隣接する面内配向領域との境界部が平坦な膜表面を有する、液晶高分子膜である。この液晶高分子膜は、前記いずれかの製造方法により製造することが可能である。この液晶高分子膜では、液晶高分子が、側鎖型液晶高分子であり、側鎖に上記化学式1で表される構造を有していてもよい。

0019

本発明の第3の構成は、透明基材と、透明基材の上に配置された液晶高分子膜と、を備える光学的異方性素子であって、液晶高分子膜が、前記記載された膜である、光学的異方性素子である。

0020

本発明の第4の構成は、透明基材と、透明基材の上に配置された液晶高分子膜と、を備える液晶配向膜であって、液晶高分子膜が、前記記載された膜である、液晶配向膜である。

0021

本発明の第5の構成は、一対の配向膜と、前記一対の光学素子間に配設される液晶層とを備える液晶表示素子であって、前記配向膜が、前記記載された膜である、液晶表示素子である。

発明の効果

0022

本発明では、感光性液晶高分子を製膜した後に、その膜の表面にパターン化した易除去性マスキング層を積層後、加熱処理することにより、易除去性マスキング層が積層された領域では感光性液晶高分子の面外配向を抑制し、易除去性マスキング層が積層されていない任意の領域を面外配向させることが可能となる。さらに、易除去性マスキング層を除去後に面外配向していない領域の感光性液晶高分子を、光照射することにより面内配向を得ることが可能であり、同一基板内で面外配向と面内配向に配向分割した、液晶配向能を付与させた液晶配向膜や光学方性を有する液晶高分子膜を効率よく製造することができる。

0023

さらに、このような液晶高分子膜は、光学的異方性素子、液晶配向膜として有用にもちいることができる。さらに、液晶配向膜として液晶層と組み合わせる場合、液晶表示素子を得ることが出来る。

図面の簡単な説明

0024

実施例1で得られた、昇華性化合物を積層していない領域の高分子膜の偏光UV−vis吸収スペクトルの変化を示すグラフである。
実施例1で得られた、昇華性化合物を積層した領域の高分子膜の偏光UV−vis吸収スペクトルの変化を示すグラフである。
実施例1で得られた高分子膜をクロスニコルに配置した偏光板間に挟んで観察した写真であり、左は面内配向方向と偏光板の透過軸が45°の場合を示し、右は面内配向方向と偏光板の透過軸が平行の場合を示している。

0025

本発明の第1の構成は、液晶高分子膜を製造する方法であって、
感光性の官能基およびメソゲン部分を有する液晶高分子(以下、感光性液晶高分子と称する)を製膜する製膜工程と、
前記製膜工程で得られた膜の表面に、パターン化した易除去性マスキング層を積層し、積層体を得るマスキング工程と、
前記積層体を、前記感光性液晶高分子が液晶相を示す温度で加熱し、非マスキング部位の面外配向を誘起する第1の加熱工程と、
前記面外配向の誘起中および/または誘起後に、マスキング層を除去する除去工程と、
前記マスキング層が除去された膜に、当該液晶高分子中のメソゲン部分を異方的に配向可能な光を照射する光照射工程と、
を少なくとも備える、液晶高分子膜を製造する方法である。

0026

(製膜工程)
製膜工程では、感光性液晶高分子の製膜を行う。

0027

感光性液晶高分子とは、感光性基を有するとともに、液晶性を発揮する剛直な部位であるメソゲン部分を有する高分子である。感光性液晶高分子において、感光性基とメソゲン部分とは、独立に存在していてもよいし、感光性基は、メソゲン部分の一部であってもよい。

0028

製膜性を有するとともに、光配向性および温度配向性を有する限り、液晶高分子のメソゲン部分は、液晶高分子の主鎖を形成していてもよいが、溶媒への溶解性を良好にする観点から、液晶高分子は、メソゲン部分を側鎖に含む、側鎖型液晶高分子であるのが好ましい。

0029

側鎖型液晶高分子は、ポリメタアクリレート系、ポリビニル系ポリシロキサン系、ポリエーテル系、ポリマロネート系等の直鎖状又は環状構造骨格鎖を有する高分子を主鎖とし、側鎖としてメソゲン部分が結合した液晶高分子、またはこれらの混合物等であってもよい。

0030

また、メソゲン部分は、2つ以上の芳香族環又は脂肪族環とこれを結合する連結基とで構成される。芳香族環としては、ベンゼン環ナフタレン環などが挙げられ、脂肪族環としては、シクロヘキサン環シクロペンタン環などが挙げられる。なお、これらの芳香族環又は脂肪族環は、置換基を有していてもよい。
連結基としては、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−N=N−、−NO=N−、−CH=CH−、−CO−CH=CH−、−CH=N−、アルキレン基(例えば、C1−3アルキレン基)などが挙げられる。これらのうち、−N=N−、−CO−CH=CH−、−CH=N−が好ましく、特に−CH=N−が好ましい。
好ましい感光性液晶高分子は、2つ以上の芳香族環とこれを結合する連結基とで構成される側鎖を少なくとも有し、前記連結基が−N=N−、−CO−CH=CH−、−CH=N−から選択される感光性液晶高分子であってもよい。

0031

感光性基は、カルコン基クマリン基、シンナモイル基シンナミリデン基、ビフェニルアクリロイル基フリルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基ベンジリデンアニリン基、桂皮酸基ナフチルアクリル酸基、もしくはそれらの誘導体などであってもよい。また、メソゲン部分が感光性基を形成してもよく、その場合、例えば、感光性基は、ベンゼン環が所定の連結基で結合されることにより感光性を発揮する官能基(例えば、連結基が−N=N−、−CO−CH=CH−、−CH=CH−、−CH=N−など、特に好ましくは−CO−CH=CH−、−CH=N−など)であってもよい。

0032

感光性液晶高分子は、例えば、以下の構造を側鎖に有する側鎖型液晶高分子であってもよい。以下の側鎖は、一種でまたは二種以上が共存して側鎖型を形成してもよい。好ましくは、単一種で側鎖を形成してもよい。

0033

0034

0035

前記化学式2および化学式3のそれぞれの式において、nは1〜12、mは1〜12、pは1〜12の整数をそれぞれ示し、XまたはYは、−COO−、−OCO−、または−N=N−をそれぞれ表し、W1およびW2はカルコン基、シンナミリデン基、ビフェニルアクリロイル基、フリルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基、桂皮酸基、ナフチルアクリル酸基もしくはそれらの誘導体をそれぞれ表す。

0036

0037

[式中、Zは、−CH=CH−、−CO−CH=CH−、−CH=N−、または−N=N−を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、−CN、アルキル基(例えばC1−6アルキル基、好ましくはC1−4アルキル基)、またはアルキルオキシ基(例えばC1−6アルキルオキシ基、好ましくはC1−4アルキルオキシ基)を示す。]

0038

これらの側鎖のうち、好ましくは、下記式で表される感光性基を有する側鎖である。

0039

0040

[式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、−CN、アルキル基(例えばC1−6アルキル基、好ましくはC1−4アルキル基)、またはアルキルオキシ基(例えばC1−6アルキルオキシ基、好ましくはC1−4アルキルオキシ基)である。]

0041

製膜工程では、例えば、前記感光性液晶高分子を、所定の溶媒に溶解することにより塗布液を得て製膜してもよい。製膜の際、塗布液は、支持体などに対して塗布してもよい。支持体は、必要に応じて剥離性を有する支持体であってもよい。その場合、製膜後、適当な段階で膜を支持体から剥離することが可能である。
支持体としては、種々の高分子フィルムなどの有機物ガラス石英基板などの無機物の中から適宜選択して用いられる。例えば、高分子フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルムジアセチルセルロースおよびトリアセチルセルロースなどのセルロース系ポリマーフィルム、ビスフェノールA・炭酸共重合体などのポリカーボネートポリマーフィルムポリエチレンポリプロピレンおよびエチレンプロピレン共重合体などの直鎖または分枝鎖ポリオレフィンフィルムポリアミド系フィルムイミド系ポリマーフィルム、スルホン系ポリマーフィルムなどが挙げられる。支持体とともに膜を加熱する場合、高分子フィルムは、後述する加熱工程において、非溶融の高分子フィルムが好ましい。
なお、液晶高分子膜が光学的異方性素子や液晶配向膜を構成する場合、支持体のうち、透明なものを透明基材として用いてもよい。

0042

塗布方法としては、例えば、グラビアコーティングフレキコーティングダイコーティング、バーコーティング、スピンコーティングなどの方法、インクジェットプリンターを用いた直接描画を利用することができる。
塗布後、溶媒の蒸発により、乾燥した液晶高分子塗膜を形成することが可能である。

0043

[マスキング工程]
マスキング工程では、前記製膜工程で得られた塗膜の所定の位置を、易除去性マスキング材でパターン化してマスキングし、パターン化した易除去性マスキング層が積層された積層体を得ることができる。

0044

マスキングにより、空気が塗膜と直接接触することを防止することが可能である。未配向の液晶高分子塗膜に対してマスキング被膜により空気の直接接触を防止すると、驚くことに、その後の加熱工程で、マスキング被膜により空気と非接触の表面部位では塗膜中の液晶高分子の面外配向が抑制されるとともに、空気と接触している表面部位では、液晶高分子−空気界面で表面自由エネルギーを最小にするために、塗膜中の液晶高分子の面外配向が促進される。

0045

易除去性マスキング材は、塗膜の所定の部位をマスキングして、液晶高分子の面外配向を抑制するとともに、使用後は、蒸発、昇華、洗浄などにより容易に除去できる材料であれば特に限定されず、例えば、易洗浄性溶媒、昇華性化合物などが挙げられる。

0046

易洗浄性溶媒としては、例えば、所定の付着性(または粘性)を有するとともに、加熱工程の後、洗浄により塗膜から容易に除去することが可能な溶媒などが挙げられる。溶媒の付着により、塗膜と空気の非接触部分を形成することが可能である。

0047

このような溶媒としては、感光性液晶高分子が溶解しない溶媒が好ましく、例えば、加熱工程の温度に応じて、各種有機溶媒、例えば、エタノールプロパノールブタノールイソブチルアルコール等のアルコール系溶媒アセトン2−ブタノンメチルイソブチルケトン酢酸エチル酢酸ブチルメトキシプロピルアセテート等のエステル系溶媒ジエチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテルジエチレングリコールモノエチルエーテルジエチレングリコールジメチルエーテルプロピレンモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒ヘキサンシクロヘキサンメチルシクロヘキサントルエンキシレン等の炭化水素系溶媒;N−メチルピロリドンジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用してもよい。これらの溶媒のうち、マスキング性を高める観点から、高沸点溶媒(例えば、沸点100℃以上の有機溶媒)を用いるのが好ましい。高沸点溶媒としては、例えば、ブタノール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレンモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒等)などが挙げられる。

0048

易洗浄性溶媒のコーティング方法としては、例えば、印刷版を用いたグラビアコーティング、フレキソコーティングなどの印刷法、インクジェットプリンターを用いた直接描画法などを利用することができる。
易洗浄性溶媒で形成された被膜の厚みは、良好なマスキングの観点から、例えば、100〜0.01μm程度であってもよく、好ましくは10〜0.1μm程度であってもよい。

0049

また、昇華性化合物は、簡便にパターン化された被膜を形成できるとともに、洗浄剤を用いなくとも加熱により除去できる点で好ましい。
昇華性化合物としては、昇華能力を有する化合物であればよく、例えば、p−アニシジンナフタレン、1,3,5−トリクロロベンゼンベンゾフェノンなどの化合物が挙げられる。

0050

昇華性化合物のパターン化した膜の製膜方法としては、所定の膜を形成できる限り、湿式、乾式のいずれも利用可能である。例えば、印刷版を用いたグラビアコーティング、フレキソコーティングなどの印刷法、パターンマスクを用いて化合物を昇華、蒸着などで累積させる方法、インクジェットプリンターを用いた直接描画を利用することができる。

0051

湿式法の場合、昇華性化合物を溶解させるための溶剤は感光性液晶高分子が溶解しないものが好ましく、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピルアセテート等のエステル系溶媒;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレンモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用してもよい。湿式法の場合、溶媒は室温下または加熱下で揮発してもよい。
昇華性化合物で形成された被膜の厚みは、化合物の種類に応じて、例えば、100〜0.01μm程度の広い範囲から選択することができ、好ましくは1〜0.01μm程度であってもよい。

0052

[第1の加熱工程]
第1の加熱工程は、感光性液晶高分子を面外配向させる工程であり、第1の加熱工程により、膜中の液晶高分子が分子運動を行うことが可能となる。上述したように、マスキング材が積層されている部分では液晶高分子はマスキング材と接触しており空気と接触していないため面外配向が抑制され、マスキング材が積層されていない部分(非マスキング部位)では液晶高分子は空気と接しており、液晶状態では液晶高分子-空気界面で表面自由エネルギーを最小にしようとするためか、面外配向が促進される。

0053

加熱温度は、膜自体を形成する材料(液晶高分子)の液晶相転移温度以上であり、等方相転移温度以下に設定することが好ましい。また、加熱時間は、液晶高分子の種類や、加熱温度などに応じて適宜設定することができ、例えば1分〜60分の範囲で行ってもよく、好ましくは3分〜40分程度、より好ましくは5分〜20分程度であってもよい。

0054

[易除去性マスキング材除去工程]
易除去性マスキング材は、除去工程において、第1の加熱工程で得られた膜から除去される。易除去性マスキング材の種類に応じて、適宜除去工程を行うことができる。

0055

易除去性マスキング材が易洗浄性溶媒の場合、第1の加熱工程の後、所定の洗浄工程により塗膜から容易に除去することが可能である。このような易洗浄性溶媒は、例えば、塗膜に影響を与えない洗浄剤などにより容易に除去することが可能である。このような洗浄剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピルアセテート等のエステル系溶媒;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレンモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用してもよい。

0056

易除去性マスキング材が昇華性化合物の場合、第2の加熱工程を行うことにより、塗膜から容易に除去することが可能である。昇華性化合物が昇華する温度で加熱することにより、感光性液晶高分子上に積層した昇華性化合物を容易に昇華除去することが可能である。なお、第2の加熱工程は、昇華性化合物の種類に応じて、第1の加熱工程の後に行われてもよいし、第1の加熱工程とともに行われてもよい。なお、湿式法において昇華性化合物を溶解するために用いられた溶剤は、加熱工程において、通常除去されるが、必要に応じて、適宜洗浄剤による洗浄工程を行ってもよい。

0057

加熱温度は昇華性化合物が昇華する温度であればよいが、感光性液晶高分子が等方相を示す温度より低い温度が好ましい。

0058

また、加熱時間は、昇華性化合物の種類や、加熱温度などに応じて適宜設定することができ、例えば1分〜30分の範囲で行ってもよく、好ましくは1分〜10分程度であってもよい。

0059

昇華性化合物が昇華する温度と感光性液晶高分子が液晶相を示す温度が同じ範囲であれば第1の加熱工程と第2の加熱工程を同時に実施することができる。この場合、昇華性化合物は、塗膜中の液晶高分子の面外配向を抑制する程度に被覆を維持した状態で第1の加熱工程において表面から徐々に昇華し、除去される。

0060

[光照射工程]
光照射工程では、感光性液晶高分子に対し、メソゲン部分を異方的に配向可能な光を照射する。照射される光は、通常偏光成分を含む光である。偏光成分を含む光は、円偏光であっても直線偏光であってもよいが、直線偏光が好ましい。光照射工程において、既に面外配向した部分では光の吸収が弱くなっているため軸選択的な光反応は起こらない、もしくは、実質的に起こらない。一方、面外配向していない部分では液晶高分子の軸選択的な光反応が起こり、液晶高分子の面内配向を誘起することができる。その結果、異方性を生じた液晶高分子膜とすることができる。該膜に、液晶分子が接触すると膜の異方性により、液晶分子の配向を誘起する液晶配向膜として機能する。

0061

この光反応を進めるには、感光性基の部分が反応し得る波長の光の照射を要する。感光性基の種類によって波長を適宜設定することができるが、一般に200−500nmであり、中でも250−400nmの有効性が高い場合が多い。光反応は、光2量化反応、光フリース転移反応光異性化反応などが挙げられるが、好ましくは光異性化反応である。

0062

例えば、ベンジリデンアニリン化合物は、直線偏光性を有する光の照射により、反応式1に示すように軸選択的に光異性化反応が生じる。ベンジリデンアニリン化合物を含有する側鎖型高分子膜に偏光紫外線を照射すると、軸選択的な光異性化による異方性を生じた膜となる。

0063

0064

また、光照射工程は、複数回行われてもよい。複数回の光照射工程において、異なる方向の面内配向を誘起することができる。例えば光照射工程を2回行う場合、マスキング材を積層していた領域に光の当たる領域と光の当たらない領域とができるよう作製したフォトマスクを設置して、第1の光照射工程を行う。続いて、フォトマスクを取り外し、第1の光照射工程とは異なる光の電界ベクトルの方向を有する光により、第2の光照射工程を行う。これらの光照射工程により、面外配向の部分とともに、互いに異なる面内配向の部分とを有する液晶高分子膜を得ることが可能となる。
光照射工程で、それぞれの光が有する配向誘起方向を変更させることにより、光照射の回数に応じて、異なる面内配向を誘起させることが可能となる。

0065

[光照射後の加熱工程]
また、必要に応じて、光を照射した後、光照射膜を加熱する加熱工程を行ってもよい。加熱工程により、膜中の未配向である液晶高分子が分子運動を行うことが可能となる。光照射膜の面外配向していない部分に未配向の剛直部分(メソゲン部分)が存在する場合、加熱による分子運動により、すでに配向している剛直部分に沿って未配向の剛直部分の配向が促進され面内配向する。

0066

その結果、膜の任意の部分においては面外配向した領域と、照射した偏光成分(例えば、直線偏光)の電界振動方向垂直方向に側鎖が面内配向した領域とが配向分割された膜となり、膜自体の異方性が増幅される。この異方性の増幅により液晶配向能の増強や膜自体の光学的異方性(複屈折)を生じる。

0067

加熱温度は、膜自体を形成する材料(液晶高分子)の液晶相転移温度以上であり、等方相転移温度以下に設定することが好ましい。また、加熱時間は、液晶高分子の種類や、加熱温度などに応じて適宜設定することができ、例えば1分〜60分の範囲で行ってもよく、好ましくは3分〜40分程度、より好ましくは5分〜20分程度であってもよい。

0068

さらに、このように加熱した後、剛直部分を配向させた膜を材料の軟化点以下まで冷却される。冷却すると分子凍結されて、剛直部分が配向した膜が得られる。再配向性を高める観点から、冷却は通常の放置冷却で行うことが好ましい。
以上のようにして、同一基材上に面外配向した領域と面内配向した領域に配向分割した液晶高分子膜を形成できる。

0069

[液晶高分子膜]
本発明の第2の構成である液晶高分子膜は、同一の液晶高分子材料から、面外配向した領域と面内配向した領域とを形成することが可能である。
易除去性のマスキング材を用いているため、面外配向した領域および面内配向した領域の双方を有するにもかかわらず、前記液晶高分子膜は、面外配向領域と、それに隣接する面内配向領域との境界部が平坦な膜表面を有することが可能である。

0070

ここで、「面外配向領域と、それに隣接する面内配向領域との境界部が平坦な膜表面」とは、液晶高分子膜の表面において、面外配向領域と、それに隣接する面内配向領域との境界部が段差を有することなく、連続している膜表面をいう。

0071

特に前記液晶高分子膜では、液晶高分子膜内に面外配向した領域と面内配向した領域とを有しているため、双方の領域を有していても、液晶高分子膜は、双方の領域の膜表面において同等の接着性および密着性を有している。また、マスキング部位を完全に除去することが可能であるため、マスキング部位の残存に由来する透過率の減少、ヘイズ増加、着色などを抑制することができる。

0072

このような液晶高分子膜は、光学的異方性を有するか、液晶配向能を有するか、または、液晶配向能および光学的異方性を有する液晶高分子膜である。
さらに、一態様として、前記液晶高分子膜は、面外配向領域および面内配向領域の双方を有するとともに、前記面内配向領域が、さらに複数(例えば2〜4、好ましくは2〜3)に配向分割された液晶高分子膜であってもよい。
前記液晶高分子膜は、上述の製造方法で用いられる液晶高分子材料で構成される。

0073

例えば、本発明の第3の構成である光学的異方性素子は、透明基材と、透明基材の上に配置された第2の構成である液晶高分子膜と、を備える光学的異方性素子であって、液晶高分子膜が、前記記載された膜である、光学的異方性素子である。

0074

また、本発明の第4の構成は、透明基材と、透明基材の上に配置された液晶高分子膜と、を備える液晶配向膜であって、液晶高分子膜が、第2の構成である液晶高分子膜である、液晶配向膜である。

0075

さらに本発明の第5の構成は、一対の液晶配向膜と、前記一対の液晶配向膜間に配設される液晶層とを備える液晶表示素子であって、前記液晶配向膜が、第2の構成である液晶高分子膜である、液晶表示素子である。ここで、液晶層は、通常使用されている液晶分子で構成されていてもよい。

0076

以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。本発明の実施例において用いた材料に関する合成方法を以下に示す。

0077

単量体1)
4−ヒドロキシベンズアルデヒドと6−クロロ−1−ヘキサノールを、アルカリ条件下で加熱することにより、4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシベンズアルデヒドを合成した。この生成物p−トルエンスルホン酸の存在下でメタクリル酸を大過剰加えてエステル化反応させ、4−(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンズアルデヒドを合成した。この生成物にp−アニシジンを脱水縮合させて化学式6に示される単量体1を合成した。

0078

0079

(重合体1)
単量体1をTHF中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を添加して重合することにより重合体1を得た。

0080

(化合物1)
化合物1として、市販のp−アニシジン(東京化成工業(株)製)をそのまま使用した。
(化合物2)
化合物2として、市販のナフタレン(東京化成工業(株)製)をそのまま使用した。
(化合物3)
化合物3として、市販の1-ブタノール(ナカライテスク(株)製)を使用した。

0081

(実施例1)
重合体1をジクロロメタンに溶解した溶液を調製した。この溶液を石英基板上にスピンコーターを用いて約0.3μmの厚みとなるよう塗布した。この基板を室温で乾燥して感光性の液晶高分子膜を形成した。液晶高分子塗膜の表面にパターンマスクを貼り付けた基板を基板裏面に両面テープを貼り付け容器の蓋の内側に固定し、容器内に化合物1を入れ、容器を100℃で2分間加熱することで化合物1を昇華させて液晶高分子膜の表面に化合物1の薄膜を積層した。続いて、基板を容器から取り出し100℃で10分間加熱した。加熱後、基板の液晶高分子膜面に高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光性として10J/cm2照射した。
化合物1を積層していなかった領域の偏光UV−vis吸収スペクトルの変化を図1に示す。塗布後と比べ加熱後の偏光UV−vis吸収スペクトルが大きく減少していることから液晶高分子は面外配向していることを確認した。
一方、化合物1を積層した領域の偏光UV−vis吸収スペクトルの変化を図2に示す。図2より、塗布後と比較して化合物1の積層後の偏光UV−vis吸収スペクトルが大きく増加していることから、液晶高分子に化合物1が積層されていることを確認した。次に図2の積層後と加熱後の偏光UV−vis吸収スペクトルを比べると、積層後より加熱後の吸収が大きく減少していることから化合物1が除去できていることを確認した。また、加熱後の吸収スペクトルは塗布後の吸収スペクトルと比較して大きく減少していないことから液晶高分子は面外配向していないことが確認できる。続く直線偏光性紫外光の照射により、吸収スペクトルに異方性が生じていることが確認でき化合物1を積層した領域では面内配向していることを確認した。
この基板を、偏光板クロスニコル下で観察した写真を図3に示す。図3において左は面内配向方向と偏光板の透過軸が45°の場合を示し、右は面内配向方向と偏光板の透過軸が平行の場合を示している。この図3より同一基板上において面外配向の部分と面内配向の部分に配向分割できていることを確認した。
また、得られた液晶高分子膜の表面状態は、目視において、面外配向部分と面内配向部分との間で段差がなく均一な状態であるため、膜表面全体として、接着性、密着性において有意な差はないと考えられる。
また、このような膜を形成した1枚のガラス基板と一様な光配向処理を施したガラス基板1枚も用いて対向させセルを作製し、基板間に液晶材料(「E7」、メルク(株)製)を充填し、100℃で加熱後、冷却した。このようにして作製した液晶セルでは、充填した液晶材料が膜の配向パターンにそって配向していることを確認した。

0082

(実施例2)
実施例1の化合物1の代わりに化合物2を用い、それ以外は実施例1と同じ方法で実施した。
その結果、同一基板上において面外配向の部分と面内配向の部分に配向分割できていることを確認した。また、得られた液晶高分子膜の表面状態は、目視において、面外配向部分と面内配向部分との間で段差がなく均一な状態であるため、膜表面全体として、接着性、密着性において有意な差はないと考えられる。
また、このような膜を形成した1枚のガラス基板と一様な光配向処理を施したガラス基板1枚も用いて対向させセルを作製し、基板間に液晶材料(「E7」、メルク(株)製)を充填し、100℃で加熱後、冷却した。このようにして作製した液晶セルでは、充填した液晶材料が膜の配向パターンにそって配向していることを確認した。

0083

(実施例3)
重合体1をジクロロメタンに溶解した溶液を調製した。この溶液を石英基板上にスピンコーターを用いて約0.3μmの厚みとなるよう塗布した。この基板を室温で乾燥して感光性の液晶高分子膜を形成した。この液晶高分子膜の表面に化合物3を格子状にで塗ってパターン化した化合物3の塗膜を形成した。続いて、この基板を100℃で10分間加熱処理を行い、化合物3が蒸発した後基板に高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光性として10J/cm2照射した。
その結果、化合物3を塗っていなかった領域は面外配向し、化合物3を塗っていた部分は面内配向しており、同一基板上において面外配向の部分と面内配向の部分に配向分割できることを確認した。
また、このような膜を形成した1枚のガラス基板と一様な光配向処理を施したガラス基板1枚も用いて対向させセルを作製し、基板間に液晶材料(「E7」、メルク(株)製)を充填し、100℃で加熱後、冷却した。このようにして作製した液晶セルでは、充填した液晶材料が膜の配向パターンにそって配向していることを確認した。

0084

(実施例4)
重合体1をジクロロメタンに溶解した溶液を調製した。この溶液を石英基板上にスピンコーターを用いて約0.3μmの厚みとなるよう塗布した。便宜上、この石英基板の厚み方向をz方向、石英基板面をx−y面と規定する。この基板を室温で乾燥して感光性の液晶高分子膜を形成した。液晶高分子塗膜の表面にパターンマスクを貼り付けた基板を基板裏面に両面テープを貼り付け容器の蓋の内側に固定し、容器内に化合物1を入れ、容器を100℃で2分間加熱することで化合物1を昇華させて液晶高分子膜の表面に化合物1の薄膜を積層した。続いて、基板を容器から取り出し100℃で10分間加熱した。加熱後、高圧水銀灯と基板の間に、昇華性化合物を積層していた領域に光の当たる領域と光の当たらない領域とができるよう作製したフォトマスクを設置し、高圧水銀灯からの紫外光をグランテーラープリズムを介して直線偏光性とし、直線偏光性の光の電界ベクトルの方向が石英基板のx方向と平行になるように基板の液晶高分子膜面に10J/cm2照射した。続いて、フォトマスクを撤去して、高圧水銀灯からの紫外光をグランテーラープリズムを介して直線偏光性とし、直線偏光性の光の電界ベクトルの方向が石英基板のy方向と平行になるように基板の液晶高分子膜面に10J/cm2照射した。
その結果、同一基板上において石英基板のz方向にメソゲンが配向した面外配向の部分と、石英基板のx方向にメソゲンが配向した面内配向の部分と、石英基板のy方向にメソゲンが配向した面内配向した部分と、に配向分割できていることを確認した。
また、このような膜を形成した1枚のガラス基板と一様な光配向処理を施したガラス基板1枚も用いて対向させセルを作製し、基板間に液晶材料(「E7」、メルク(株)製)を充填し、100℃で加熱後、冷却した。このようにして作製した液晶セルでは、充填した液晶材料が膜の配向パターンにそって配向していることを確認した。

0085

(比較例1)
重合体1をジクロロメタンに溶解した溶液を調製した。この溶液を石英基板上にスピンコーターを用いて約0.3μmの厚みとなるよう塗布した。この基板を室温で乾燥して感光性の液晶高分子膜を形成した。この基板を100℃で10分間加熱処理を行い、加熱後の基板に高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光性として10J/cm2照射した。その結果、基板全面で一様に面外配向していることを確認した。

実施例

0086

実施例1から4より、得られた液晶高分子膜上に易除去性のマスキング材を用いて高分子膜表面をパターンニングし、加熱処理するとともに、マスキング材を除去して光照射を行うと、この液晶高分子膜を面外配向と面内配向に配向分割することが可能である。特に、実施例4では、光照射を制御することにより、面内配向性をさらに配向分割することが可能である。その結果、得られた膜は、光学的異方性を有するか、液晶配向能を有するか、または、液晶配向能および光学的異方性を有する液晶高分子膜であり、このような膜を利用して位相差フィルムを、効率よく製造できることが立証できた。
一方、比較例1では、マスキング材を利用していないため基板全面で一様に面外配向してしまい、液晶高分子膜を面内配向と面外配向に配向分割することができなかった。

0087

以上のように、本発明では、面外配向と面内配向に配向分割された光学的異方性および/または液晶配向能を有する液晶高分子膜を効率的に製造することができる。そして、本発明の液晶高分子膜は、各種光素子として有用であり、特に位相差フィルム、光学補償フィルムなどとして好適に用いられるだけでなく、さらに液晶高分子の配向性を利用することにより、液晶配向膜としても好適に用いることができる。

0088

以上の通り、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本発明の範囲に含まれる。

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