図面 (/)

技術 メカニカルシール

出願人 イーグル工業株式会社
発明者 長田真悟村義博名護典寛
出願日 2015年10月15日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2015-203763
公開日 2017年4月20日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-075653
状態 特許登録済
技術分野 メカニカルシール 密封装置
主要キーワード 摺動端面 減圧流路 静止環 摺接面間 固定座 密封領域 くさび効果 正面断面
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月20日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

密封流体の圧力が変動した場合において、密封流体の圧力を迅速に減圧するメカニカルシールを提供する事を目的とする。

解決手段

少なくとも二組の回転環5と静止環4とによる摺接面により流体機器内の密封流体が密封される複数の密封領域A1、A2、A3と、密封領域間を連通するように設けられる減圧流路10と、減圧流路10に設けられ、高圧側である一次圧領域A1の一次圧p1を低圧側である二次圧領域A2の二次圧p2に減圧する減圧装置6と、を備え、減圧装置6は、一次圧領域A1からつながる流入口7aと、二次圧領域へとつながる流出口7bとを有するハウジング7と、ハウジング7内の固定座8と、固定座8に対して近接又は離間可能に設けられ、固定座8とともに絞り部を形成する絞り体9と、を備え、絞り体9には固定座8に向けて上流側から狭まる傾斜面9aが形成されていることを特徴するメカニカルシール。

概要

背景

メカニカルシールは、流体機器ハウジングと、ハウジングを貫通するように配置される回転軸との間に装着して使用されるものであり、流体機器のケースに固定される静止環と、回転軸とともに回転する回転環とを、付勢手段により軸方向に付勢することで摺接面を形成し、流体機器の内部から外部又は外部から内部への流体漏れを防ぐものである。

これらのメカニカルシールの内、高圧流体密封するものとして、いわゆるタンデム式と呼ばれる二組の静止環と回転環とを同じ方向に直列に配置し、二つの摺接面の間に形成される中間領域を、密封流体の略中間圧に維持することで、それぞれの摺接面にかかる圧力を分担し、密封性を確保するメカニカルシールが知られている。

このような中間領域を、密封流体の略中間圧に維持する方法として例えば特許文献1には、高圧領域及び中間領域の間、中間領域及び低圧領域の間に、オリフィスを用いた減圧機構をそれぞれ設けたタンデム式メカニカルシールが開示されている。
また、特許文献2には、高圧領域及び中間領域の間、中間領域及び低圧領域の間に、バネを有する逆止弁を用いた減圧機構をそれぞれ設けたタンデム式メカニカルシールが開示されている。

概要

密封流体の圧力が変動した場合において、密封流体の圧力を迅速に減圧するメカニカルシールを提供する事を目的とする。少なくとも二組の回転環5と静止環4とによる摺接面により流体機器内の密封流体が密封される複数の密封領域A1、A2、A3と、密封領域間を連通するように設けられる減圧流路10と、減圧流路10に設けられ、高圧側である一次圧領域A1の一次圧p1を低圧側である二次圧領域A2の二次圧p2に減圧する減圧装置6と、を備え、減圧装置6は、一次圧領域A1からつながる流入口7aと、二次圧領域へとつながる流出口7bとを有するハウジング7と、ハウジング7内の固定座8と、固定座8に対して近接又は離間可能に設けられ、固定座8とともに絞り部を形成する絞り体9と、を備え、絞り体9には固定座8に向けて上流側から狭まる傾斜面9aが形成されていることを特徴するメカニカルシール。

目的

本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、密封流体の圧力が変動した場合において、密封流体の圧力を迅速に減圧するメカニカルシールを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

少なくとも二組の回転環静止環とによる摺接面により流体機器内の密封流体密封される複数の密封領域と、前記密封領域間を連通するように設けられる減圧流路と、前記減圧流路に設けられ、高圧側である一次圧領域の一次圧を低圧側である二次圧領域の二次圧に減圧する減圧装置と、を備え、前記減圧装置は、前記一次圧領域からつながる流入口と、前記二次圧領域へとつながる流出口とを有するハウジングと、前記ハウジング内の固定座と、前記固定座に対して近接又は離間可能に設けられ、前記固定座とともに絞り部を形成する絞り体と、を備え、前記絞り体には前記固定座に向けて上流側から狭まる傾斜面が形成されていることを特徴するメカニカルシール

請求項2

前記絞り体は、前記一次圧領域内に、前記傾斜面の反対側に前記密封流体の圧力を受ける受圧面を有していることを特徴とする請求項1に記載のメカニカルシール。

請求項3

前記ハウジングは、前記一次圧領域への流入口が前記傾斜面に向けて設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のメカニカルシール。

請求項4

前記絞り体は、前記二次圧領域内に、前記傾斜面の反対側に前記密封流体の圧力を受ける受圧面を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のメカニカルシール。

請求項5

前記絞り体は、中空状のリング状部材であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のメカニカルシール。

請求項6

前記絞り体はセラミクスで形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のメカニカルシール。

技術分野

0001

本発明は、流体機器駆動軸等の軸封部品として用いられるメカニカルシールに関する。

背景技術

0002

メカニカルシールは、流体機器のハウジングと、ハウジングを貫通するように配置される回転軸との間に装着して使用されるものであり、流体機器のケースに固定される静止環と、回転軸とともに回転する回転環とを、付勢手段により軸方向に付勢することで摺接面を形成し、流体機器の内部から外部又は外部から内部への流体漏れを防ぐものである。

0003

これらのメカニカルシールの内、高圧流体密封するものとして、いわゆるタンデム式と呼ばれる二組の静止環と回転環とを同じ方向に直列に配置し、二つの摺接面の間に形成される中間領域を、密封流体の略中間圧に維持することで、それぞれの摺接面にかかる圧力を分担し、密封性を確保するメカニカルシールが知られている。

0004

このような中間領域を、密封流体の略中間圧に維持する方法として例えば特許文献1には、高圧領域及び中間領域の間、中間領域及び低圧領域の間に、オリフィスを用いた減圧機構をそれぞれ設けたタンデム式メカニカルシールが開示されている。
また、特許文献2には、高圧領域及び中間領域の間、中間領域及び低圧領域の間に、バネを有する逆止弁を用いた減圧機構をそれぞれ設けたタンデム式メカニカルシールが開示されている。

0005

特開2010−190651号公報(図3
特開平3−164597号公報(図2

0006

ここで、特許文献1のタンデム式メカニカルシールにおいては、オリフィスにより常に同じ流下断面積隘路を形成し、密封流体がこの隘路を流下する際に、絞り効果による圧力損失によって密封流体を減圧する減圧機構を採用している。しかし、流量が常に同じ流下断面積に依存するため、流体機器を高圧高流量で用いると、オリフィスを通過する流量や流速が大きくなり、オリフィス周辺においてキャビテーションエロージョンが発生し、これにより流路が損傷する虞があった。
また、他の減圧機構として、特許文献2のタンデム式メカニカルシールにおいては、バネで付勢された弁体と接触する密封流体の一次圧が増加すると、弁体が開放し、これにより一次圧と二次圧とをバネの付勢力に応じた差圧として、密封流体を減圧させる減圧機構が採用されている。

先行技術

0007

しかしながら、このようなバネを用いた減圧機構においては、用いられるバネのバネ定数により圧力損失の程度である減圧量が設定されるため、流体機器の使用条件の変化に伴い、密封流体の圧力が一時的に変動した場合に、変動圧に迅速に追従して減圧量を調整することができず、減圧量が過多又は不足するという問題があった。

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、密封流体の圧力が変動した場合において、密封流体の圧力を迅速に減圧するメカニカルシールを提供する事を目的とする。

課題を解決するための手段

0009

前記課題を解決するために、本発明のメカニカルシールは、
少なくとも二組の回転環と静止環とによる摺接面により流体機器内の密封流体が密封される複数の密封領域と、
前記密封領域間を連通するように設けられる減圧流路と、
前記減圧流路に設けられ、高圧側である一次圧領域の一次圧を低圧側である二次圧領域の二次圧に減圧する減圧装置と、を備え、
前記減圧装置は、
前記一次圧領域からつながる流入口と、前記二次圧領域へとつながる流出口とを有するハウジングと、
前記ハウジング内の固定座と、
前記固定座に対して近接又は離間可能に設けられ、前記固定座とともに絞り部を形成する絞り体と、を備え、
前記絞り体には前記固定座に向けて上流側から狭まる傾斜面が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、一次圧領域の圧力が変動したときに、その動圧を絞り体の傾斜面と固定座が受け、絞り体の傾斜面と固定座によるくさび効果によって、絞り体と固定座の距離が動圧の大きさに応じて瞬時に変化するため、圧力の変動に対して迅速に応答し減圧を行うことができる。

0010

前記絞り体は、前記一次圧領域内に、前記傾斜面の反対側に前記密封流体の圧力を受ける受圧面を有していることを特徴としている。
この特徴によれば、一次圧領域内で傾斜面の反対側に受圧面があることで、傾斜面が受ける一次圧と対抗する力を、同じ一次圧領域内で得ることができ、一次圧領域が高圧であっても、簡単に絞り体の力のつり合いを確保できる。

0011

前記ハウジングは、前記一次圧領域への流入口が前記傾斜面に向けて設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、流入口からハウジング内の密封流体に伝達された変動圧が傾斜面に直接伝わるため、固定座から絞り体までの距離が高い応答性を持って調整される。

0012

前記絞り体は、前記二次圧領域内に、前記傾斜面の反対側に前記密封流体の圧力を受ける受圧面を有していることを特徴としている。
この特徴によれば、絞り体が一次圧と二次圧の両方の圧力を受けた状態で力のつり合い状態を維持することになるため、一次圧と二次圧のバランスを容易に調整することができる。

0013

前記絞り体は、中空状のリング状部材であることを特徴としている。
この特徴によれば、絞り体の周方向に設けられた傾斜面に均一に密封流体が流下してゆくため、絞り体に周方向に均一な力がかかり、固定座に対して円滑に近接・離間させることができる。

0014

前記絞り体はセラミクスで形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、絞り体を軽量に形成できるため、圧力変動に対して高い応答性を確保することができる。

図面の簡単な説明

0015

実施例1における本発明に係るメカニカルシールの全体構造断面模式図である。
実施例1における減圧装置の正面断面図である。
実施例1における減圧装置の動作の状態を表す正面断面図であり、(a)定常状態を表す図及びその一部拡大図、(b)圧力が変動した状態を表す図である。

0016

本発明に係るメカニカルシールを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。

0017

まず、実施例1に係るメカニカルシールの全体構造について説明する。
図1に示されるように、本発明に係るメカニカルシール1は流体機器の回転軸2に相対回転不能に取付けられる回転環4,4、流体機器のケース3に取付けられる静止環5,5及び減圧装置6により構成されている。ここで、回転環4及び静止環5は互いに対向する面に図示しない摺動端面をそれぞれ有し、図示しない付勢手段により対向付勢して取り付けられている。これにより、回転軸2と共に回転する回転環4と静止環5とにより摺接面を形成し、流体機器内の流体を密封することで、流体機器の回転軸2とケース3まわりのシール性を確保している。

0018

また、メカニカルシール1はタンデム式メカニカルシールであり、回転環4,4及び静止環5,5はそれぞれ同じ向きに二組設けられており、これにより二つの密封領域A1、A2が形成されている。ここで、最も流体機器の内部に近い位置に、密封圧が最も高い高圧領域A1が、二つの摺接面間中圧領域A2が、最も大気側に密封圧が最も低い低圧領域A3が、それぞれ設けられている。なお、二組の回転環、静止環は異なる方向に向いて配置されるものであってもよい。
ここで、各密封領域の圧力については、高圧領域A1において圧力p1、中圧領域A2においてp1の略半分の圧力p2となっており、低圧領域A3の圧力p3は大気圧と略同一となっている。このように段階的に密封領域の圧力を下げることで、回転環4と静止環5の摺接面にかかる圧力を半分に分散し、密封性を確保している。
なお、本説明において、一次圧領域及び二次圧領域とは相対的な圧力領域を指しており、例えば減圧装置6Aにおいては、一次圧領域が高圧側のA1、二次圧領域が低圧側のA2となり、減圧装置6Bにおいては、一次圧領域が高圧側のA2、二次圧領域が低圧側のA3となる。また、一次圧及び二次圧とは、それぞれの領域における圧力を指す。

0019

次に、減圧装置6は、それぞれの密封領域と減圧流路10によって繋がれて配置されている。より具体的には、高圧領域A1から減圧流路10Aを経由して減圧装置6Aに密封流体が流れ、その後減圧流路10Bを経由して中圧領域A2に流れ込むようになっている。更に中圧領域A2から減圧流路10Cを経由して減圧装置6Bに密封流体が流れ、その後減圧流路10Dを経由して低圧領域A3に流れ込むようになっている。
このように減圧装置6を各密封領域間に配置することで、それぞれの密封領域内の圧力を調整できる構成となっている。なお、低圧領域A3にレギュレータ等の圧力調整器を設けて更に調整する構成であっても良い。

0020

次に、減圧装置6の構造について説明する。なお、減圧装置6A及び6Bについては構造が略同一であるため、以下の説明は減圧装置6Aについて行い、6Bに関する説明は省略する。
図2に示されるように、減圧装置6Aは、その側面に減圧流路10Aと接続される流入口7aと、上面に減圧流路10Bと接続される流出口7bを備えた筐体状のハウジング7により構成されている。ハウジング7は内部に密封流体が流入する内部空間を有し、その中央部から上方に向けて流出口7bにつながる略円筒部を備えており、略円筒部の一部を成し上下方向に延設された案内部7cを備えている。

0021

また、ハウジング7は、その内部空間の底面に密封材であるOリング11Aを介して固定されたリング状の固定座8と、ハウジング7の案内部7cに取り付けられた絞り体9を備えている。絞り体9は密封材であるOリング11Bを介して、上下に移動可能に案内部7cに取付けられており、後述する減圧装置6Aの動作時に、必要に応じて上下に移動することができるが、図示しないピンにより回り止めがされているため、周方向に移動することはない。
この固定座8及び絞り体9は、本実施例においては共にセラミクスにより形成されているが、固定座8については、ハウジング7と一体に金属で形成されていてもよく、中空部を有さない円盤状に形成されていてもよいし、ハウジング7の底面であってもよい。

0022

次に、絞り体9の下面には、上流から下流に向けて固定座8に近づく傾斜面9aと、傾斜面9aから水平に伸び平坦面9bが形成され、固定座8の上面に水平に設けられた座面8aと対向している。ここで、密封流体は流入口7aから傾斜面9aに向けて流入する構成となっている。傾斜面9aとハウジング7の流入口7aとの位置関係は任意であるが、同じ高さに設けられると傾斜面9aに密封流体が流入し易くなる。
また絞り体9の上面には、傾斜面9aの上方に第一背面9cが、平坦面9bの上方であり案内部7cの下方に第二背面9dが、それぞれ設けられている。

0023

ここで、ハウジング7の内部空間の密封圧については、固定座8及び絞り体9の上流側が一次圧領域としての高圧領域A1(圧力p1)となり、下流側が二次圧領域としての中圧領域A2(圧力p2)となっている。言い換えれば固定座8及び絞り体9が高圧領域A1と中圧領域A2を仕切る構成となっている。そして、ハウジング7に流入してきた密封流体は、座面8aと、傾斜面9a及び平坦面9bにより形成される隙間を流下することにより、座面8aと平坦面9bにより形成される絞り部の絞り効果によって圧力損失を起こし、減圧されることとなる。また、絞り体9は中空状のリング状部材であるため、固定座8と絞り体9により形成される隙間は、周方向に一様に形成されていることになる。

0024

次に、減圧装置6の動作について説明する。
図3(a)に示されるように、定常状態(圧力変動がない状態)において、固定座8と絞り体9は所定の隙間δ1を介して近接した状態となっている。ハウジング7内には継続して流入口7a(図2参照)から略一定流量の密封流体が流入し、流出口7b(図2参照)から流出されている状態となっている。このため、ハウジング7の内部空間は、密封流体が充満した状態となっている。この状態における圧力状態としては、固定座8と絞り体9の上流側である高圧領域A1において、p1が例えば15MPa、下流側である中圧領域A2において、p2が例えば7.5MPaとなり、上述の通り、絞り効果による減圧作用により中圧領域A2の二次圧p2は、高圧領域A1の一次圧p1の略半分となっている。

0025

ここで、この状態における圧力状態について詳述すると、平坦面9bには高圧領域A1における圧力は隙間δ1の絞り効果により圧力損失を起こして勾配を持った圧力(p1〜p2)がかかっている。更に第二背面9dに中圧領域A2の圧力(p2)がかかっている。
これらの複数の圧力が絞り体9の上下にそれぞれかかり、更に絞り体9の重量及びOリング11Bの摺動抵抗が影響し、力のつり合った状態として固定座8と絞り体9の間の隙間δ1が形成されている。加えて言えば、中圧領域A2が高圧領域A1の略半分になるように、必要な絞り効果を奏する隙間量δ1となるように、傾斜面9a、平坦面9b、第一背面9c、第二背面9dの各部の長さと、傾斜面9aの角度θ、絞り体9の重量及びOリング11Bの摺動抵抗が選択されている。

0026

次に、メカニカルシール1の密封流体に圧力変動があった場合について説明する。
図3(b)に示されるように、高圧領域A1の圧力p1がp1’に圧力変動により上昇した際、ハウジング内に流入口7a(図2参照)から伝達された変動圧が、傾斜面9aと座面8aの間に伝わり、この動圧を傾斜面9aが受けることなる。この動圧によるくさび効果により瞬時に絞り体9が上方に持ち上げられ、これにより固定座8と絞り体9の間の隙間量はδ1からδ2に拡大する。この隙間の拡大により、高圧領域A1の圧力が中圧領域A2に迅速に伝達され、中圧領域A2の圧力がp2からp2’に迅速に増加する。

0027

ほぼ同時に、この時の中圧領域A2の圧力増加により、下流側に位置する減圧装置6Bにおいても、同様に圧力の変動が発生する。すなわち、減圧装置6Bにおける一次圧領域A2の圧力がp2からp2’に増加したことで、先ほどと同様に減圧装置6Bの傾斜面9a’(図示せず)に動圧が作用し、くさび効果により上方に持ち上げられる。これにより、中圧領域A2の圧力が低圧領域A3に迅速に伝達され、低圧領域A3の圧力p3がp3’に増加する。
その後に、一定期間の経過とともに、当初の定常状態に戻り、安定した圧力状態を維持できる構成となっている。

0028

また、一次圧領域の圧力が低下した場合には、上記挙動と逆の現象が起き、隙間δ1が同様に変動圧に応じて調整され、先ほどとは逆に隙間が小さくなるように変化するため、これにより同様に二次圧領域の圧力が調整される。その後に最終的には定常状態に戻り、安定した圧力状態を維持できる構成となっている。

0029

このように、いずれかの密封領域内の圧力が変動したときに、その動圧を高圧領域A1と中圧領域A2を仕切る絞り体9の傾斜面9aと固定座8で受けることで、絞り体9の傾斜面9aによるくさび効果により、絞り体9と固定座8の間に動圧が集中してかかる。これにより、絞り体9と固定座8の距離が動圧の大きさに応じて瞬時に変化し、一次圧を圧力の変動に対して迅速に減圧させることができる。

0030

また、絞り体9の上方に第一背面9cが設けられていることで、傾斜面9aが受ける一次圧と対抗する力を、同じ一次圧領域内で得ることができ、一次圧領域A1が高圧であっても、簡単に絞り体9の力のつり合いを確保できる。
すなわち、動圧を集中させる目的で傾斜面9aを設けることで、一次圧領域内の一次圧の影響を絞り体9が受けやすくなるが、このように第一背面9cを設けることにより、その影響をキャンセルしている。

0031

また、ハウジング7の流入口7aが、傾斜面9aに向けて設けられているため、流入口7aからハウジング7内の密封流体に伝達された変動圧が傾斜面9aに直接伝わり、固定座8から絞り体9までの距離が高い応答性を持って、調整される。

0032

また、絞り体9は、二次圧領域である中圧領域A2にも、第二背面9dを受圧面として有しているため、絞り体9が一次圧である高圧と二次圧である中圧の両方の圧力を受けた状態で力のつり合い状態を維持することになる。これにより、一次圧と二次圧のバランスを容易に調整することができる。

0033

また、絞り体9は、中空状のリング状部材であるため、固定座8と絞り体9の周方向に均一に形成された傾斜面9aの隙間に密封流体が流下してゆき、絞り体9に周方向に均一に力がかかり、固定座8に対して円滑に近接・離間させることができる。更に、絞り体9はセラミクスで形成されているため、絞り体9を軽量に形成できる。これにより、圧力変動への追従に対して高い応答性を確保することができる構造となっている。

0034

また、固定座8と絞り体9の間の隙間量が自動で調整されるため、流路面積が固定されているオリフィスのように高圧・高流量下での使用に際してキャビテーションやエロージョンを起こすことを防止することができる。更に、オリフィスが形成する隘路に異物詰まるといったリスクを回避することができる。

0035

以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。

0036

例えば、上記実施例においては、第一背面9c及び第二背面9dは、傾斜面9aと反対側に位置して高圧領域A1の圧力を受ける受圧部として作用する。これにより、絞り体9の上下の力のつり合いを取る構成となっているが、第一背面9cを高圧領域A1内に、第二背面9dを中圧領域A2に配置せずに、代わりにバネ等の付勢手段により傾斜面9aが受ける圧力と対抗させる構成であってもよい。なお、ここで使用するバネについては戻しバネを用いても良い。

0037

また、上記実施例においては、ハウジング7の側面に流入口7aを設け、上面に流出口7bを設けることで、絞り体9の外周から内周に向けて密封流体が流下する構成としているが、このような態様に限られない。例えば、ハウジング7の上面に流入口を、側面に流出口を設けたうえで、絞り体9の傾斜面を平坦面の上流側(内周側)に、下流側(外周側)に向かって固定座8との隙間が狭めるように設けることで、流入口と流出口の位置を逆にして配置することもできる。

0038

また、上記実施例においては、絞り体9は変形しにくいことが求められるため、剛性を考慮してセラミクスにより形成しているが、低圧条件下で使用される場合にはその他の材料、例えば金属で形成されていてもよい。

0039

また、絞り体9の傾斜面9aについては、上記実施例で説明した直線の傾斜面9aではなく、曲線の傾斜面であってもよいし、傾斜面9aと固定座8の隙間については、定常状態において隙間を有さずに当接している構成であってもよい。

実施例

0040

また、上記実施例では減圧機構6A、6Bを二つ設ける構成としたが、どちらか一方をオリフィス等の他の減圧機構を用いても良いし、減圧機構6A、6Bはタンデム式ではないメカニカルシールに採用してもよく、メカニカルシール以外に採用する構成であってもよい。

0041

1メカニカルシール
2回転軸
3ケース
4静止環
5回転環
6減圧装置
7ハウジング
8固定座
9絞り体
9a 傾斜面
A1高圧領域
A2中圧領域
A3低圧領域
p1 高圧領域の圧力
p2 中圧領域の圧力
p3 低圧領域の圧力

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • NOK株式会社の「 密封装置及び密封構造」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】ハウジングと軸との間に傾斜して組み付けられることを更に抑制することができる密封装置を提供する。【解決手段】密封装置1は、軸線Y1周りに環状の補強環10と、補強環10に取り付けられている弾性体か... 詳細

  • ナブテスコ株式会社の「 シール構造及びシール」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】簡易な構成によって内部を適正にシールすることができるシール構造及びシールを提供する。【解決手段】回転機械のシール構造は、ケース2と、軸部材3と、シール部材10とを備える。軸部材3は、ケース2の... 詳細

  • 株式会社デンソーの「 バルブ装置」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】ガス通路の全閉時におけるシール性を向上することの可能なバルブ装置を提供する。【解決手段】ハウジング10は、EGR通路6に連通するガス通路11を形成する。バルブ本体20は、ガス通路11内に設けら... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ