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課題

ヒトを除く哺乳動物への薬剤投与方法、特に腫瘍治療又は再発防止に役立つ薬剤の投与方法であって、有効であり且つ動物やその飼い主への負担の少ない方法の開発。

解決手段

抗癌剤抗生物質抗炎症剤生物活性物質、抗寄生虫薬、局所麻酔薬及び破骨細胞の活動阻害剤からなる群から選択される薬剤(例えば、インターフェロン−γ)が封入されているリポソームを、ヒトを除く哺乳動物の前記薬剤の薬効発現を求める個所(例えば、腫瘍の除去後において、当該腫瘍が存在していた個所の周辺や、腫瘍そのもの)に投与することを含む、薬剤の投与方法を実施する。

概要

背景

従来、ヒトを除く哺乳動物の癌の治療方法には、外科療法、放射線療法化学療法免疫細胞療法がある。

外科療法は、早期の癌や、固形局所)の癌の治療に有用であり、ヒトと同じくヒト以外の哺乳動物にも最も効果的な治療法である。しかし、癌の発生部位、又は発生状態や癌の種類によっては、切除できない、又は切除しきれない場合がある。放射線療法は、癌に対して放射線照射することで癌細胞を殺傷する治療方法である。放射線療法の対象は、一般的に、外科療法で治療することが出来ない部位に発生した癌である。ヒト以外の哺乳動物に放射線療法を施す場合には、全身麻酔をかけて行わなければならず、また、1回の治療にかかる費用が高額であるうえ、週に何度も治療を行わなければならないため、治療を受ける動物だけでなく、飼い主にも大きな負担となっている。化学療法は、外科療法や放射線療法などの局所療法では対応できない全身に発生する癌に対して行う治療方法であり、特定の腫瘍悪性リンパ腫等)には効果を発揮する。しかし、抗癌剤の多くは、強い副作用があることから、哺乳動物の生活の質を低下させることもある。また、抗癌剤の頻回投与が必要な場合には、治療に長期間を要する(以上、非特許文献1参照)。免疫細胞療法は、血液に含まれるリンパ球を体外で培養し、それを再び体内に戻して癌細胞を攻撃させる治療方法である。この方法には、局所の癌や全身に広がった癌に対する治癒効果があり、切除後の癌の再発予防にも有効であり、副作用はほとんどないが、1回の治療費が高額である(非特許文献2参照)。

免疫療法の一つとして、インターフェロン療法が知られている。インターフェロンには、天然型のもの、化学合成によるもの、遺伝子組換え型のものがある。近年の遺伝子操作技術の進歩により、ヒトのインターフェロンのみならず、ウシウマネコなどの哺乳動物についても、インターフェロン遺伝子が単離されるようになり、イヌについても、α、β、γの各タイプのインターフェロンが報告されている。ヒトにおいては、インターフェロン−γは悪性腫瘍治療剤として実用化されている(特許文献1及び2参照)。

獣医療においても、抗腫瘍効果を期待して、上皮向性リンパ腫肥満細胞腫悪性黒色腫などに対するインターフェロン療法の報告例がある(非特許文献3参照)。また、イヌの治療例として、腫瘍の摘出後に、イヌインターフェロン−γの注射のみを行い、術後3カ月、良好に経過しているという報告、未分化肉腫の切除後、インタードッグ登録商標;遺伝子組換え型イヌインターフェロン−γ)を注射しながら経過を観察しているが、経過は良いようであるという報告がある(非特許文献4参照)。さらに、ネコのインターフェロン−ωであるインターキャット(登録商標)については、乳腺癌扁平上皮癌、肥満細胞腫、肛門周囲線腫に対して局所投与したところ、一部に有効であったとする報告、耳血腫に対してプレドニゾロンを併用して局所注入したところ、33症例中28症例で完治したとの報告がある(非特許文献5)。加えて、インタードッグ(登録商標)については、悪性黒色腫やアポクリン腺癌、肥満細胞腫などに投与され、ある程度の再発、転移抑制効果延命効果が報告されているとのことである(非特許文献5)。

非特許文献6には、近年、リポソームによるドラッグデリバリー・システムを利用した癌の治療方法も提案されている旨の記載がある。また、非特許文献6には、肉腫を移植したマウスにおいて、薬物を含むリポソームを血中投与した場合、薬物による急性毒性は軽減され、且つ、顕著な腫瘍抑制効果が示されたことが記載されている。

非特許文献7にはリポソーム技術の概要が、特許文献3及び4には、リポソームの組成調製方法が開示されている。

ヒトの癌治療においては、化学療法と放射線療法との併用がしばしば採用される。しかし、非特許文献8に記載されているように、獣医療分野では、このような併用療法はあまり行われていない。イヌやネコの場合、化学療法剤の使用による骨髄抑制などの副作用のために、麻酔処置におけるリスクが高まり、放射線療法の継続が難しくなるためである。

また、非特許文献9に記載されているように、化学療法剤である抗癌剤を放射線療法の増感剤として使用する治療法も知られている。しかし、この方法では、抗癌剤を静脈又は動脈から全身に投与する必要があり、抗癌剤の投与量や副作用の問題に加え、抗癌剤を所望の局所に分布させることの困難さがある。

概要

ヒトを除く哺乳動物への薬剤投与方法、特に腫瘍の治療又は再発防止に役立つ薬剤の投与方法であって、有効であり且つ動物やその飼い主への負担の少ない方法の開発。抗癌剤、抗生物質抗炎症剤生物活性物質、抗寄生虫薬、局所麻酔薬及び破骨細胞の活動阻害剤からなる群から選択される薬剤(例えば、インターフェロン−γ)が封入されているリポソームを、ヒトを除く哺乳動物の前記薬剤の薬効発現を求める個所(例えば、腫瘍の除去後において、当該腫瘍が存在していた個所の周辺や、腫瘍そのもの)に投与することを含む、薬剤の投与方法を実施する。 なし

目的

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請求項1

抗癌剤抗生物質抗炎症剤生物活性物質、抗寄生虫薬、局所麻酔薬及び破骨細胞の活動阻害剤からなる群から選択される薬剤封入されているリポソームを、ヒトを除く哺乳動物の前記薬剤の薬効発現を求める個所投与することを含む、ヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法

請求項2

前記薬剤の薬効発現を求める個所が、表皮真皮皮下組織粘膜組織粘膜下組織、及び体腔間隙からなる群から選択される、請求項1に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。

請求項3

前記薬剤の薬効発現を求める個所が、骨の融解部位周辺及び/又は骨の周囲の軟部組織である、請求項1に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。

請求項4

前記リポソームを、ヒトを除く哺乳動物の病変部位直接注入する、請求項1に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。

請求項5

前記薬剤が抗癌剤であり、前記病変悪性腫瘍である、請求項4に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。

請求項6

腫瘍治療又は再発防止のために、当該腫瘍の部分除去又は全摘後において、当該腫瘍が存在していた個所の周辺に、抗癌剤が封入されている前記リポソームを投与する、請求項1又は2に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。

請求項7

腫瘍の治療又は再発防止のために、当該腫瘍の部分除去又は全摘後において、術創周辺の皮膚表皮へ、抗癌剤が封入されている前記リポソームを含有する乳化物塗擦する、請求項1又は2に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。

請求項8

前記抗癌剤がインターフェロン−γである、請求項5乃至7のいずれか一項に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。

請求項9

前記抗癌剤が白金製剤である、請求項5乃至7のいずれか一項に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。

請求項10

前記薬剤がビスホスホネート剤である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。

請求項11

前記腫瘍が、乳腺癌乳癌扁平上皮癌軟組織癌、血管周皮腫、線維肉腫、及び移行上皮癌からなる群から選択される、請求項5乃至10のいずれか一項に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。

請求項12

前記ヒトを除く哺乳動物が愛玩動物である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。

請求項13

請求項5乃至12のいずれか一項に記載の薬剤の投与方法と、放射線療法とを併用する、ヒトを除く哺乳動物の腫瘍の治療又は再発防止方法

技術分野

0001

本発明は、抗癌剤(例えば、インターフェロン−γやビスホスホネート剤)、抗生物質抗炎症剤生物活性物質、抗寄生虫薬、局所麻酔薬及び破骨細胞の活動阻害剤からなる群から選択される薬剤封入されているリポソームを、前記薬剤の薬効発現を求める個所投与することを含む、ヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、ヒトを除く哺乳動物の癌の治療方法には、外科療法、放射線療法化学療法免疫細胞療法がある。

0003

外科療法は、早期の癌や、固形局所)の癌の治療に有用であり、ヒトと同じくヒト以外の哺乳動物にも最も効果的な治療法である。しかし、癌の発生部位、又は発生状態や癌の種類によっては、切除できない、又は切除しきれない場合がある。放射線療法は、癌に対して放射線照射することで癌細胞を殺傷する治療方法である。放射線療法の対象は、一般的に、外科療法で治療することが出来ない部位に発生した癌である。ヒト以外の哺乳動物に放射線療法を施す場合には、全身麻酔をかけて行わなければならず、また、1回の治療にかかる費用が高額であるうえ、週に何度も治療を行わなければならないため、治療を受ける動物だけでなく、飼い主にも大きな負担となっている。化学療法は、外科療法や放射線療法などの局所療法では対応できない全身に発生する癌に対して行う治療方法であり、特定の腫瘍悪性リンパ腫等)には効果を発揮する。しかし、抗癌剤の多くは、強い副作用があることから、哺乳動物の生活の質を低下させることもある。また、抗癌剤の頻回投与が必要な場合には、治療に長期間を要する(以上、非特許文献1参照)。免疫細胞療法は、血液に含まれるリンパ球を体外で培養し、それを再び体内に戻して癌細胞を攻撃させる治療方法である。この方法には、局所の癌や全身に広がった癌に対する治癒効果があり、切除後の癌の再発予防にも有効であり、副作用はほとんどないが、1回の治療費が高額である(非特許文献2参照)。

0004

免疫療法の一つとして、インターフェロン療法が知られている。インターフェロンには、天然型のもの、化学合成によるもの、遺伝子組換え型のものがある。近年の遺伝子操作技術の進歩により、ヒトのインターフェロンのみならず、ウシウマネコなどの哺乳動物についても、インターフェロン遺伝子が単離されるようになり、イヌについても、α、β、γの各タイプのインターフェロンが報告されている。ヒトにおいては、インターフェロン−γは悪性腫瘍治療剤として実用化されている(特許文献1及び2参照)。

0005

獣医療においても、抗腫瘍効果を期待して、上皮向性リンパ腫肥満細胞腫悪性黒色腫などに対するインターフェロン療法の報告例がある(非特許文献3参照)。また、イヌの治療例として、腫瘍の摘出後に、イヌインターフェロン−γの注射のみを行い、術後3カ月、良好に経過しているという報告、未分化肉腫の切除後、インタードッグ登録商標;遺伝子組換え型イヌインターフェロン−γ)を注射しながら経過を観察しているが、経過は良いようであるという報告がある(非特許文献4参照)。さらに、ネコのインターフェロン−ωであるインターキャット(登録商標)については、乳腺癌扁平上皮癌、肥満細胞腫、肛門周囲線腫に対して局所投与したところ、一部に有効であったとする報告、耳血腫に対してプレドニゾロンを併用して局所注入したところ、33症例中28症例で完治したとの報告がある(非特許文献5)。加えて、インタードッグ(登録商標)については、悪性黒色腫やアポクリン腺癌、肥満細胞腫などに投与され、ある程度の再発、転移抑制効果延命効果が報告されているとのことである(非特許文献5)。

0006

非特許文献6には、近年、リポソームによるドラッグデリバリー・システムを利用した癌の治療方法も提案されている旨の記載がある。また、非特許文献6には、肉腫を移植したマウスにおいて、薬物を含むリポソームを血中投与した場合、薬物による急性毒性は軽減され、且つ、顕著な腫瘍抑制効果が示されたことが記載されている。

0007

非特許文献7にはリポソーム技術の概要が、特許文献3及び4には、リポソームの組成調製方法が開示されている。

0008

ヒトの癌治療においては、化学療法と放射線療法との併用がしばしば採用される。しかし、非特許文献8に記載されているように、獣医療分野では、このような併用療法はあまり行われていない。イヌやネコの場合、化学療法剤の使用による骨髄抑制などの副作用のために、麻酔処置におけるリスクが高まり、放射線療法の継続が難しくなるためである。

0009

また、非特許文献9に記載されているように、化学療法剤である抗癌剤を放射線療法の増感剤として使用する治療法も知られている。しかし、この方法では、抗癌剤を静脈又は動脈から全身に投与する必要があり、抗癌剤の投与量や副作用の問題に加え、抗癌剤を所望の局所に分布させることの困難さがある。

0010

特開平10−306037号公報
特開2002−29998号公報
特開2001−139460号公報
特許第4497765号公報

先行技術

0011

トムズどうぶつ病院細胞免疫療法センター、癌治療として注目される動物のための細胞免疫療法、[平成27年6月4日検索インターネット<URL:http://tomsamc.com/smrc/index.html>
はらだ動物病院がん免疫細胞療法について、[平成27年6月4日検索]、インターネット<URL:http://www.1122hah.com/medical/immunity.html>
あつき動物病院、腫瘍治療におけるインターフェロン療法、[平成27年4月17日検索]インターネット<URL:http://atsuki-ac.com/>
ハート動物医療センター、診療日記、[平成27年5月28日検索]インターネット<URL:http://www.heart-animal.com/>
下田哲也、“いまさら聞けない!〜インターフェロン療法(もう一度おさらいしましょう)〜”、第35回動臨床医学会(2014)、[平成27年5月26日検索]、インターネット<URL: https://confit.atlas.jp/guide/event/acrf35/session/LuncheonSeminar2-9/date>
奥 直人、“機能性リポソーム医薬応用”、[平成27年5月26日検索]、インターネット<URL:http://www.dojindo.co.jp/letterj/083/83r2.html>
Brian C. Keller、“QuSome(登録商標)学術文献”、[平成27年4月15日検索]、インターネット<URL:http://www.bglen.net/LP/qusome_article.html>
Isotope News 2015年8月号 No.736 2−6頁
頭頸部腫瘍21(1) 193−197頁 1995年

発明が解決しようとする課題

0012

前記したように、非特許文献4には、イヌにおいて、腫瘍の摘出後にイヌインターフェロン−γを注射で投与したところ、予後がよかったという報告があるが、それらの症例において、どの部位に、どのような量でイヌインターフェロン−γの注射を行ったのか、また、注射の頻度はどのようであったかなど、治療の詳細は不明である。非特許文献5にも、悪性黒色腫等に対するインタードッグ(登録商標)の使用例の報告があるが、各症例における具体的な使用方法使用条件の記載はなく、インタードッグ(登録商標)について、「具体的な抗腫瘍効果を示したエビデンスはない」と評価されている。非特許文献5におけるインターキャット(登録商標)の腫瘍への投与に関する報告については、局所投与を行った旨の記載や、投与量等の記載はあるが、これはネコのインターフェロン−ωを投与した症例であり、且つ、これらの症例のみでは、インターフェロン療法が十分に確立されたとはいえない。

0013

ヒトにおいては、化学療法等によって腫瘍を縮小させた後に手術で摘出したり、腫瘍が周辺組織一体化しているために完全な摘出ができなかった場合に、手術後に化学療法や放射線療法を実施するという手段が採用されることがあり、獣医療においても同様な治療法を行うことがある。しかし、前記したように、獣医療においては、化学療法と放射線療法との併用は、麻酔時のリスクを伴うためにあまり実施されていない。化学療法剤について、その使用量が低減され、全身投与の必要性が無くなれば、骨髄抑制などの副作用の発生リスクが低減され、放射線療法との併用が可能となると思われる。また、抗癌剤を放射線療法の増感剤として使用する治療法についても、化学療法剤の使用量を低減することができ且つ化学療法剤を所望の局所に分布させることができれば、採用の余地があると考える。

課題を解決するための手段

0014

本発明者らは、従来技術に鑑み、ヒトを除く哺乳動物、中でも愛玩動物、特に腫瘍を患っているそのような動物に、より効率的に薬剤を投与できる方法であって且つ当該哺乳動物や飼い主への負担の少ない方法を鋭意検討した。そして、先ず、負担軽減の観点から薬剤の投与回数(即ち、治療頻度)の低減について検討し、リポソームを利用した徐放性製剤の採用を決定し、次いで、負担軽減と有効性の観点から、投与部位及び投与方法についても検討し、本発明を完成させた。

0015

すなわち、本願第一の発明は、抗癌剤、抗生物質、抗炎症剤、生物活性物質、抗寄生虫薬及び局所麻酔薬からなる群から選択される薬剤が封入されているリポソームを、ヒトを除く哺乳動物の前記薬剤の薬効発現を求める個所に投与することを含む、ヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法に関する。

0016

前記リポソームの投与は、1回のみ行われてもよいし、複数回行われてもよい。

0017

前記薬剤の薬効発現を求める個所の例としては、表皮真皮皮下組織粘膜組織粘膜下組織、及び体腔間隙が挙げられ、好ましくは、皮下組織、粘膜組織及び粘膜下組織からなる群から選択される少なくとも一個所である。体腔内間隙は、例えば病変が腫瘍であった場合には、腫瘍の除去によって生じた体腔内間隙を包含する。また、例えば腫瘍の骨転移を原因として、骨融解が発生している場合には、骨の融解部位周辺及び/又は骨の周囲の軟部組織が、薬剤の薬効発現を求める個所である。

0018

前記リポソームを、ヒトを除く哺乳動物の病変部位直接注入してもよい。例えば、抗癌剤が封入されてなるリポソームを、病変部位である悪性腫瘍に直接注入してもよい。また、当該リポソームを、当該腫瘍の摘出前(術前)に腫瘍に注入してもよいし、術後の残存腫瘍に注入してもよい。

0019

本願第一の発明は、次の態様を包含する:
(1)腫瘍の治療又は再発防止のために、当該腫瘍の部分除去又は全摘後において、当該腫瘍が存在していた個所の周辺に、抗癌剤が封入されている前記リポソームを投与する、本願第一の発明の薬剤の投与方法;及び
(2)腫瘍の治療又は再発防止のために、当該腫瘍の部分除去又は全摘後において、術創周辺の皮膚表皮へ、抗癌剤が封入されている前記リポソームを含有する乳化物塗擦する、本願第一の発明の薬剤の投与方法。

0020

前記抗癌剤の例は、インターフェロン−γ、白金製剤及びビスホスホネート剤を包含する。したがって、本願第一の発明は、次の態様をも包含する。
(1)ヒトを除く哺乳動物の腫瘍の治療又は再発防止方法であって、当該腫瘍の除去後において、当該腫瘍が存在していた個所の周辺にインターフェロン−γが封入されているリポソームを投与することを含む、前記治療又は再発防止方法;及び
(2)ヒトを除く哺乳動物の腫瘍の治療又は再発防止方法であって、当該腫瘍の除去後において、術創周辺の皮膚表皮へインターフェロン−γが封入されているリポソームを含有する乳化物を塗擦し、インターフェロン−γを経皮吸収させることを含む、前記治療又は再発防止方法である。

0021

なお、ビスホスホネート剤は、骨融解を発症している症例において、破骨細胞の活動阻害剤としても有効に働く。したがって、ビスホスホネート剤等の破骨細胞の活動阻害剤を使用する態様においては、薬剤が封入されているリポソームを、骨の融解部位周辺及び/又は骨の周囲の軟部組織に投与する、ヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法が本願に包含される。

0022

本発明が対象とする腫瘍の例は、乳腺癌、乳癌、扁平上皮癌、軟組織癌、血管周皮腫、線維肉腫、及び移行上皮癌である。特に、扁平上皮癌の治療に適する。また、本発明の適用対象はヒトを除く哺乳動物であるが、好ましい適用対象は、いわゆる愛玩動物、例えば、イヌ、ネコ、ウサギフェレットミニブタ、マウス、ラット及びハムスターであり、特に好ましい適用対象はイヌ及びネコであり、最も適する対象はイヌである。

0023

リポソームは、自己組織化リポソームであることが好ましく、ポリエチレングリコール(PEG)-12 二オレイン酸グリセロールGDO)、PEG-12 二ミリスチン酸グリセロール(GDM)、PEG-23 二パルミチン酸グリセロール(GDP)、PEG-12 二ステアリン酸グリセロール(GDS)、及びPEG-23 二ステアリン酸グリセロール(GDS)からなる群から選択される少なくとも一種の脂質から調製されたリポソームであることがさらに好ましい。

0024

前記薬剤がインターフェロン−γである場合、インターフェロン−γが封入されているリポソームの投与量は、インターフェロン−γの量として、1回当たり、500乃至100,000単位/kg−体重の量であることが好ましく、1,000乃至50,000単位/kg−体重の量であることがより好ましく、2,000乃至30,000単位/kg−体重の量であることがさらにより好ましく、5,000乃至15,000単位/kg−体重の量であることが特に好ましい。この投与は、1回のみ行われることも、2回以上行われることもある。この投与が1回のみ行われる場合には、インターフェロン−γの量として、5,000乃至30,000単位/kg−体重の量を投与することが好ましく、5,000乃至20,000単位/kg−体重の量を投与することがより好ましい。

0025

術前に腫瘍にインターフェロン−γが封入されているリポソームを注入する場合、当該リポソームの注入量は、インターフェロン−γの量として、1回当たり、500乃至100,000単位/kg−体重の量であることが好ましく、1,000乃至50,000単位/kg−体重の量であることがより好ましく、2,000乃至30,000単位/kg−体重の量であることがさらにより好ましく、5,000乃至15,000単位/kg−体重の量であることが特に好ましい。また、この注入は、1回のみ行われることも、2回以上行われることもある。この注入が1回のみ行われる場合には、インターフェロン−γの量として、5,000乃至30,000単位/kg−体重の量を注入することが好ましく、5,000乃至20,000単位/kg−体重の量を注入することがより好ましい。

0026

本願第二の発明は、薬剤が抗癌剤であり、病変が悪性腫瘍である場合における本願第一の発明と、放射線療法とを併用する、ヒトを除く哺乳動物の腫瘍の治療又は再発防止方法に関する。

発明の効果

0027

本発明により、ヒトを除く哺乳動物の薬剤の薬効発現を求める個所、例えば炎症部位や腫瘍等の病変部位や腫瘍摘出手術後の腫瘍が存在していた個所の周辺に、薬効を効率的に発現させることのできる、ヒトを除く哺乳動物に薬剤を投与する方法が提供される。

0028

本発明により、癌(腫瘍を包含する、以下同様)に罹患している、炎症を発症している、骨融解個所等の組織再生が不良な個所を有する、あるいは寄生虫が寄生しているヒトを除く哺乳動物において、その治療の予後が著しく改善され、再発の可能性も低減される。また、疼痛が効果的に軽減される。

0029

本発明では、従来の治療方法と比べて治療回数を低減することが可能となるので、治療を受けるヒトを除く哺乳動物のみならず、その飼い主においても、治療に係る負担が大きく軽減される。

0030

特に、リポソームを含有する乳化物を使用する態様においては、飼い主が治療を必要としているヒトを除く哺乳動物に対して直接処置できることから、通院回数も大幅に低減できる利点がある。

0031

腫瘍に抗癌剤(例えば、インターフェロン−γ、白金製剤又はビスホスホネート剤)が封入されてなるリポソームを直接注入する方法では、それが腫瘍の摘出前に行われる場合には、腫瘍を縮小又は軟化させることが可能となる。これにより、腫瘍摘出手術の際、腫瘍及び周辺組織の切除範囲が狭くなり、又は腫瘍のその周辺組織からの引き剥がしが容易になるので、ヒトを除く哺乳動物の体への負担が軽減される。また、手術時に腫瘍細胞を播き散らす危険性が小さくなり、よって、再発の可能性も低減される。

0032

腫瘍に抗癌剤(例えば、インターフェロン−γ、白金製剤又はビスホスホネート剤)が封入されてなるリポソームを直接注入する方法が腫瘍摘出後に行われる場合には、切除しきれなかった腫瘍の増大を抑えることが可能となり、完全に消失させることができない場合でも、予後がよくなる。

0033

本発明では、薬剤が標的部位である局所に投与されるため、従来の薬剤の全身性投与を伴う治療方法と比べて薬剤の投与量を低減することが可能となり、当該薬剤による副作用のリスクも低減される。その結果、放射線療法との併用が可能となる。本発明の方法による化学療法と放射線療法との併用により、癌の治癒率が上昇する。また、本発明の方法による薬剤の投与を放射線療法の直前に行うことで、当該薬剤による増感効果が期待でき、その結果、放射線療法による治療回数を低減できる。

0034

本発明における腫瘍の治療又は再発防止方法の対象は、ヒト以外の哺乳動物全般である。中でも、イヌ、ネコ、ウサギ、フェレット、ミニブタ、マウス、ラット及びハムスター等の愛玩動物として飼育されている哺乳動物が治療の対象であり、特にイヌ及びネコ、さらにはイヌの治療において、本発明は顕著な効果を示す

0035

本発明において、「腫瘍」とは、組織や細胞生体内の制御に反して自律的に過剰に増殖することによってできた組織塊、例えば癌や肉腫をいう。良性悪性は問わない。また、「腫瘍組織」は、腫瘍と同義又はその一部をいい、「腫瘍細胞」とは、腫瘍に由来する個々の細胞をいう。

0036

本発明の薬剤の投与方法が適用される疾患は、腫瘍を包含する癌、炎症、再生が不良となっている組織(例えば、骨融解個所)、及び寄生虫の寄生である。また、原因を問わず、局所の疼痛も、本発明の方法の適用対象である。

0037

本発明の薬剤の投与方法が適用される腫瘍は、例えば、乳腺癌、乳癌、扁平上皮癌、軟組織癌、血管周皮腫、線維肉腫、移行上皮癌、肥満細胞腫、悪性リンパ腫、口腔内腫瘍、湿潤性脂肪腫及び悪性黒色腫であり、本発明は、特に、乳腺癌、乳癌、扁平上皮癌、軟組織癌、血管周皮腫、線維肉腫及び移行上皮癌の治療に適する。

0038

本発明の薬剤の投与方法が適用される炎症及び局所の疼痛は、その原因を問わない。例えば、手術や外傷などによる炎症の改善、手術や外傷などに伴う疼痛の低減のために、本発明の薬剤の投与方法が適用され得る。

0039

本発明の薬剤の投与方法が適用される、生物活性物質が薬効を示す疾患は、皮膚などの局所に発生した免疫介在性疾患アレルギー天疱瘡など)、癌、炎症、組織の再生不良(例えば、骨融解)である。

0040

本発明の薬剤の投与方法が適用される寄生虫病は、例えば、皮膚などの局所に寄生するニキビダニ等である。

0041

本発明の方法において使用される、リポソームに封入される薬剤の例は、次のとおりである。

0042

(1)抗癌剤
抗癌剤の例には、アルキル化薬、白金製剤、代謝拮抗薬トポイソメラーゼ阻害薬微小管阻害薬、抗腫瘍性抗生物質分子標的薬ホルモン療法薬、がんワクチン腫瘍溶解性ウイルス、インターフェロン、ビスホスホネート剤等がある。より具体的には、白金製剤であるシスプラチン及びカルボプラチン、インターフェロン−γ、及び腫瘍の骨転移や多発性骨髄腫の治療に用いられるビスホスホネート剤であるゾレドロン酸が例示される。

0043

(2)抗生物質
抗生物質は、局所の感染症の予防と治療目的で使用される。抗生物質は、その作用機序から、核酸合成阻害薬細胞壁合成阻害薬及びタンパク合成阻害薬に分類される。

0044

(3)抗炎症薬
抗炎症薬は、ステロイド系抗炎症薬非ステロイド系抗炎症薬に大別される。本発明においては、いずれの抗炎症薬も使用可能である。

0045

(4)生物活性物質
生物活性物質とは、各種のサイトカインホルモンを指す。サイトカインの例としては、インターロイキンケモカイン、インターフェロン、造血因子細胞増殖因子細胞傷害因子アディポカイン神経栄養因子等が挙げられる。また、ホルモンの例としては、コルチコステロイド等が挙げられる。

0046

(5)抗寄生虫薬
抗寄生虫薬には、イベルメクチン等がある。

0047

(6)局所麻酔薬
本発明で用いる局所麻酔薬は、リドカインメピバカインロピバカイン等である。

0048

(7)破骨細胞の活動阻害剤
本発明で用いる破骨細胞の活動阻害剤は、ビスホスホネート剤、抗RANKLモノクローナル抗体製剤等である。

0049

第一の発明は、抗癌剤、抗生物質、抗炎症剤、生物活性物質、抗寄生虫薬、局所麻酔薬及び破骨細胞の活動阻害剤からなる群から選択される薬剤が封入されているリポソームを、ヒトを除く哺乳動物の前記薬剤の薬効発現を求める個所に投与することを含む、ヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法である。

0050

「薬剤の薬効発現を求める個所」とは、具体的には、腫瘍の存在個所、炎症の存在個所、再生不良が観察される個所、寄生虫が存在する個所、もしくはこれらの周辺等である。また、病変が腫瘍である場合には、除去処理がなされていない又は部分除去後に残存している当該腫瘍が「薬剤の薬効発現を求める個所」であり、したがって、当該腫瘍へリポソームを直接注入してもよい。あるいは、当該腫瘍を部分除去又は全摘した後に本発明の方法を実施する場合には、当該腫瘍の除去後にできた体腔内間隙(腫瘍が存在していた個所周辺)が、「薬剤の薬効発現を求める個所」となり得る。

0051

薬剤が投与される個所は、組織名でいうと、表皮、真皮、皮下組織、粘膜組織や粘膜下組織である。また、骨の再生が不良である場合の薬剤投与部位は、直接患部(骨の融解部位周辺)とその周囲の軟部組織である。

0052

「投与」方法は、具体的には、薬剤が封入されているリポソームを塗布した支持体(例えば布)の皮膚や粘膜消化管気道膀胱結膜などの粘膜)への局所貼付による方法、腫瘍や骨融解部位への前記リポソームの局所注入による方法等が挙げられる。

0053

本発明の方法は、腫瘍の除去後において、当該腫瘍が存在していた個所の周辺に薬剤が封入されているリポソームを投与することを含む腫瘍の治療又は再発防止方法として実施され得る。その場合、「腫瘍の除去」方法は、特に限定されないが、例えば、一般的な手術による腫瘍の摘出、半導体レーザー装置を使用した腫瘍の切除、超音波凝固切開装置を使用した腫瘍の切除、及び超音波乳化吸引装置を使用して腫瘍を乳化吸引により除去する方法が挙げられる。さらに、転移が疑われるような場合には、リンパ節郭清等も行われ得る。

0054

「腫瘍が存在していた個所の周辺」とは、例えば乳癌や皮膚癌の場合には、当該癌を取り除いて皮膚を縫合した術創の周辺(組織としては、表皮、真皮、皮下組織等)をいい、例えば臓器の腫瘍の場合には、腫瘍の摘出によって生じた体腔内間隙や、腫瘍切除後に残存している臓器の粘膜組織や粘膜下組織をいう。腫瘍を手術等によって摘出又は切除した場合、腫瘍が存在していた個所の周辺に腫瘍組織片や腫瘍細胞が残存していることがあり、その場合、再び腫瘍組織が形成される恐れがある。よって、残存する腫瘍細胞をインターフェロン−γ等の抗癌剤で攻撃するために、腫瘍が存在していた個所の周辺にインターフェロン−γ等の抗癌剤が封入されているリポソームを投与する。これにより、腫瘍組織の形成や増大が抑制され、再発の可能性が低減される。

0055

ここで、「リポソームに封入されている薬剤」がインターフェロン−γである場合、当該リポソームとは、その内部にインターフェロン−γの水性溶液を含むリポソームである。インターフェロン−γが封入されているリポソームの腫瘍が存在していた個所の周辺への投与方法には、例えば、腫瘍を摘出した後であって、切開個所の縫合前における、腫瘍が存在していた個所周辺の体腔内間隙、皮下組織、粘膜組織、粘膜下組織等へのリポソームの直接注入、切開個所の縫合後における、術創周辺への皮下注射による皮下組織や体腔内間隙へのリポソームの注入、及びインターフェロン−γが封入されているリポソームを含有する乳化物、例えばクリーム乳液を、術創周辺の皮膚へ塗擦し、当該リポソームとともに、インターフェロン−γを経皮吸収させる方法がある。

0056

「インターフェロン−γが封入されているリポソーム」は、外相水相リポソーム内部の水相が、インターフェロン−γの水性溶液(水溶液緩衝溶液)であり、外相にリポソームが分散している水性懸濁液の形態をとり得る。このような水性懸濁液は、インターフェロン−γ、水(又は緩衝液)及びリポソームの外殻となる脂質(並びに必要に応じて添加される溶剤等の添加剤)から調製され得る。

0057

「インターフェロン−γが封入されているリポソーム」は、油性の外相中に分散されることもできる。例えば、外相がパラフィンや脂質である場合(換言すると、軟膏クリーム製剤である場合)には、リポソームは、その内側が親水性、その外側が親油性という構造となり、リポソーム内部に、インターフェロン−γの水性溶液が封入されている。

0058

「リポソームに封入されている薬剤」が白金製剤又はビスホスホネート剤である場合も、外相の水相とリポソーム内部の水相が、薬剤の水性溶液(水溶液や緩衝溶液)であり、外相にリポソームが分散している懸濁液の形態をとり得る。

0059

リポソームは、公知の方法により調製することができる。リポソームの外殻となる脂質としては、各種脂肪酸及びその誘導体や、ホスファチジルコリンジパルミトイルホスファチジルコリンジリノレオイルホスファチジルコリン等のリン脂質が知られている。また、リポソームの調製に際し、外からエネルギー超音波処理高速撹拌均質高圧処理、及び高速切削体液処理等)を加える方法が知られている。本発明では、脂質として、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を含む脂質、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)-12 二オレイン酸グリセロール(GDO)、PEG-12 二ミリスチン酸グリセロール(GDM)、PEG-23 二パルミチン酸グリセロール(GDP)、PEG-12 二ステアリン酸グリセロール(GDS)、及びPEG-23 二ステアリン酸グリセロール(GDS)からなる群から選択される少なくとも1種を使用し、且つ、当該脂質とインターフェロン−γの水溶液とを混ぜることによって自ずとリポソームが形成される方法で調製された、いわゆる自己組織化リポソームを使用することが好ましい。これらの脂質の中でも、PEG-12 二オレイン酸グリセロール又はPEG-12 二ミリスチン酸グリセロールを使用することが、特に好ましい。なお、自己組織化リポソームの調製については、例えば特許第4497765号を参照されたい。

0060

本発明においては、インターフェロン−γ等の薬剤が封入されているリポソームを含む製剤は、前記したような懸濁液、軟膏及びクリームの形態に限定されず、その内部に薬剤を封入してなるリポソームを含む、各種形態のリポソーム含有製剤のいずれであってもよい。リポソーム含有製剤の例としては、リポソームを含有してなる水性懸濁液、ローション、軟膏、及び乳液やクリーム等の乳化物が挙げられる。リポソーム含有製剤は、その形態に応じて必要とされる各種添加剤等を加えて、調剤学の分野で公知の方法によって調製される。

0061

インターフェロン−γには、天然生物材料由来のもの、化学合成によって製造されるもの、遺伝子組換え技術によって製造されるものがある。遺伝子組換え技術によって製造されるインターフェロン−γには、例えば、大腸菌を用いた遺伝子組換え型のヒトインターフェロン−γ、同じく大腸菌を用いた遺伝子組換え型のマウスインターフェロン−γ、カイコを用いた遺伝子組換え型のイヌインターフェロン−γがある。本発明で使用するインターフェロン−γの製造方法は、特に限定されないが、遺伝子組換え型のインターフェロン−γを使用することが好ましい。また、本発明で使用するインターフェロン−γとして、治療対象の動物のインターフェロンを選択することが好ましく、例えば、治療対象がイヌである場合には、イヌインターフェロン−γが好ましい。

0062

シスプラチンやカルボプラチン等の白金製剤は、その点滴静注注射液が製造・販売されているので、それらを使用してリポソーム含有製剤を調製すればよい。また、ビスホスホネート剤であるゾレドロン酸も、その点滴静注用注射液が製造・販売されているので、それらを使用してリポソーム含有製剤を調製すればよい。

0063

本願第一の発明は、インターフェロン−γ等の薬剤が封入されているリポソームを腫瘍に直接注入する方法を包含している。具体的には、体外から腫瘍に対して注射針を刺し、当該腫瘍に当該リポソームを含有している注射液を注入するのである。これは、腫瘍摘出手術の前(術前)に行われてもよいし、術後に行われてもよい。

0064

本発明の方法において、治療対象に投与される薬剤の量は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」によって設定されている動物用医薬品使用基準に従う。例を挙げると、次のとおりである。
(1)表皮、真皮、皮下組織、粘膜組織、粘膜下組織、及び腫瘍の除去によって生じた体腔内間隙からなる群から選択される少なくとも一個所に薬剤が封入されているリポソームを注入する場合や、骨の融解部位周辺及び/又は骨の周囲の軟部組織に薬剤が封入されているリポソームを投与する場合には、
(1−1)薬剤がインターフェロン−γである場合には、インターフェロン−γの量として、1回当たり、500乃至100,000単位/kg−体重の量であることが好ましく、1,000乃至50,000単位/kg−体重の量であることがより好ましく、2,000乃至30,000単位/kg−体重の量であることがさらにより好ましく、5,000乃至15,000単位/kg−体重の量であることが特に好ましく;
(1−2)薬剤がカルボプラチンである場合には、カルボプラチンの量として、1回当たり、1乃至50mgであることが好ましく、2乃至30mgであることがより好ましく、2.5乃至20mgであることが特に好ましく;
(1−3)薬剤がシスプラチンである場合には、シスプラチンの量として、1回当たり、0.1乃至5.0mgであることが好ましく、0.15乃至3.0mgであることがより好ましく、0.25乃至2.0mgであることが特に好ましく;及び
(1−4)薬剤がゾレドロン酸(塩)である場合には、ゾレドロン酸の量として、1回当たり、0.05乃至4.0mgであることが好ましく、0.1乃至2.5mgであることがより好ましく、0.2乃至1.6mgであることが特に好ましい。

0065

また、この方法による当該リポソームの注入が1回のみ実施される場合には、
(1−1)インターフェロン−γの量として、5,000乃至30,000単位/kg−体重の量であることが好ましく、5,000乃至20,000単位/kg−体重の量であることがさらに好ましく;
(1−2)薬剤がカルボプラチンである場合には、カルボプラチンの量として、1.5乃至50mgであることが好ましく、2乃至40mgであることがより好ましく、2.5乃至20mgであることが特に好ましく;
(1−3)薬剤がシスプラチンである場合には、シスプラチンの量として、0.15乃至5.0mgであることが好ましく、0.2乃至4.0mgであることがより好ましく、0.25乃至2.0mgであることが特に好ましく;及び
(1−4)薬剤がゾレドロン酸(塩)である場合には、ゾレドロン酸の量として、0.1乃至4.0mgであることが好ましく、0.15乃至3.0mgであることがより好ましく、0.2乃至1.6mgであることが特に好ましい。

0066

(2)術創周辺の皮膚表皮へ前記リポソームを含有する乳化物を塗擦する場合には、
(2−1)薬剤がインターフェロン−γである場合には、インターフェロン−γの量として、1回当たり、5,000乃至20,000単位/kg−体重の量であることが好ましく、5,000乃至15,000単位/kg−体重の量であることがさらに好ましく;
(2−2)薬剤がカルボプラチンである場合には、カルボプラチンの量として、1回当たり、2乃至40mgであることが好ましく、2.5乃至20mgであることがさらに好ましく;
(2−3)薬剤がシスプラチンである場合には、シスプラチンの量として、1回当たり、0.2乃至4.0mgであることが好ましく、0.25乃至2.0mgであることがさらに好ましく;及び
(2−4)薬剤がゾレドロン酸(塩)である場合には、ゾレドロン酸の量として、1回当たり、0.15乃至3.0mgであることが好ましく、0.2乃至1.6mgであることがさらに好ましい。

0067

(3)術前に腫瘍に薬剤が封入されているリポソームを直接注入する場合には、
(3−1)薬剤がインターフェロン−γである場合には、インターフェロン−γの量として、1回当たり、500乃至100,000単位/kg−体重の量であることが好ましく、1,000乃至50,000単位/kg−体重の量であることがより好ましく、2,000乃至30,000単位/kg−体重の量であることがさらにより好ましく、5,000乃至15,000単位/kg−体重の量であることが特に好ましく;
(3−2)薬剤がカルボプラチンである場合には、カルボプラチンの量として、1回当たり、1乃至50mgであることが好ましく、2乃至30mgであることがより好ましく、2.5乃至20mgであることが特に好ましく;
(3−3)薬剤がシスプラチンである場合には、シスプラチンの量として、1回当たり、0.1乃至5.0mgであることが好ましく、0.15乃至3.0mgであることがより好ましく、0.25乃至2.0mgであることが特に好ましく;及び
(3−4)薬剤がゾレドロン酸(塩)である場合には、ゾレドロン酸の量として、1回当たり、0.05乃至4.0mgであることが好ましく、0.1乃至2.5mgであることがより好ましく、0.2乃至1.6mgであることが特に好ましい。

0068

また、この方法による当該リポソームの注入が1回のみ実施される場合には、
(3−1)薬剤がインターフェロン−γである場合には、インターフェロン−γの量として、5,000乃至30,000単位/kg−体重の量であることが好ましく、5,000乃至20,000単位/kg−体重の量であることがより好ましく;
(3−2)薬剤がカルボプラチンである場合には、カルボプラチンの量として、2乃至40mgであることが好ましく、2.5乃至20mgであることがより好ましく;
(3−3)薬剤がシスプラチンである場合には、シスプラチンの量として、0.2乃至4.0mgであることが好ましく、0.25乃至2.0mgであることがより好ましく;及び
(3−4)薬剤がゾレドロン酸(塩)である場合には、ゾレドロン酸の量として、0.15乃至3.0mgであることが好ましく、0.2乃至1.6mgであることがより好ましい。

0069

(4)術後に残存腫瘍に薬剤が封入されているリポソームを直接注入する場合には、
(4−1)薬剤がインターフェロン−γである場合には、インターフェロン−γの量として、1回当たり、500乃至100,000単位/kg−体重の量であることが好ましく、1,000乃至50,000単位/kg−体重の量であることがより好ましく、2,000乃至30,000単位/kg−体重の量であることがさらにより好ましく、5,000乃至15,000単位/kg−体重の量であることが特に好ましく;
(4−2)薬剤がカルボプラチンである場合には、カルボプラチンの量として、1回当たり、1乃至50mgであることが好ましく、2乃至30mgであることがより好ましく、2.5乃至20mgであることが特に好ましく;
(4−3)薬剤がシスプラチンである場合には、シスプラチンの量として、1回当たり、0.1乃至5.0mgであることが好ましく、0.15乃至3.0mgであることがより好ましく、0.25乃至2.0mgであることが特に好ましく;及び
(4−4)薬剤がゾレドロン酸(塩)である場合には、ゾレドロン酸の量として、1回当たり、0.05乃至4.0mgであることが好ましく、0.1乃至2.5mgであることがより好ましく、0.2乃至1.6mgであることが特に好ましい。

0070

また、この方法による当該リポソームの注入が1回のみ実施される場合には、
(4−1)薬剤がインターフェロン−γである場合には、インターフェロン−γの量として、5,000乃至30,000単位/kg−体重の量を注入することが好ましく、5,000乃至20,000単位/kg−体重の量を注入することがより好ましく;
(4−2)薬剤がカルボプラチンである場合には、カルボプラチンの量として、1.5乃至50mgであることが好ましく、2乃至40mgであることがより好ましく、2.5乃至20mgであることが特に好ましく;
(4−3)薬剤がシスプラチンである場合には、シスプラチンの量として、0.15乃至5.0mgであることが好ましく、0.2乃至4.0mgであることがより好ましく、0.25乃至2.0mgであることが特に好ましく;及び
(4−4)薬剤がゾレドロン酸(塩)である場合には、ゾレドロン酸の量として、0.1乃至4.0mgであることが好ましく、0.15乃至3.0mgであることがより好ましく、0.2乃至1.6mgであることが特に好ましい。

0071

本願第二の発明は、病変が悪性腫瘍である場合に、上記した本願第一の発明を、薬剤として抗癌剤を選択して実施し、且つ放射線療法を併用する、ヒトを除く哺乳動物の腫瘍の治療又は再発防止方法である。

0072

本願第二の発明は、本願第一の発明で使用した薬剤を、放射線療法の増感剤として用いるものであってよい。すなわち、本願第一の発明を実施して、病変部位周辺に薬剤を分布させたうえで、放射線照射を行ってよい。あるいは、化学療法と放射線療法との併用療法として、一方の処理を行い、一定の期間経過後に、他方の処置を行ってもよい。

0073

放射線療法の照射線量は、例えば、1日線量が8乃至9グレイ、総線量が32乃至36グレイ程度である。

0074

以下、実施例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されないことはいうまでもない。

0075

(実施例1)イヌインターフェロン−γを含むリポソームの水性懸濁液の製造
1.材料
インタードッグ(登録商標)(東レ株式会社製の遺伝子組換え型イヌインターフェロン−γ): 30万単位/バイアル
日局生理食塩水: 5.94mL
ポリエチレングリコール−12 二ミリスチン酸グリセロール: 0.06g

0076

2.製造方法
インタードッグ(登録商標)を日局生理食塩水に溶解した。ポリエチレングリコール−12 二ミリスチン酸グリセロールを、25℃にてインタードッグ(登録商標)の生理食塩水溶液にゆっくりと加え、得られた混合物ボルテックスミキサーで約15秒間撹拌した。得られた調製物偏光顕微鏡で観察したところ、水中にリポソームが懸濁されてなるインターフェロン−γ封入リポソームの水性懸濁液であった。

0077

(実施例2)イヌインターフェロン−γを含むリポソームを含む皮膚への塗擦用乳化物の製造
1.材料
実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液: 4.0g
可溶化剤セテアレス−20): 2.0g
乳化剤ポリソルベート20): 2.0g
保湿剤白色ワセリン): 2.0g

0078

2.製造方法
80℃にて、セテアレス−20及び白色ワセリンを溶かし、その後にポリソルベート20を加え、撹拌した。得られた油性混合液を40℃まで冷却した後に、実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液をゆっくりと加え、乳化するまで撹拌し、その後室温となるまで放冷して、インターフェロン−γ封入リポソーム含有乳化物を調製した。

0079

(実施例3)インターフェロン−γを含むリポソームを使用した腫瘍の治療
[症例1]
13齢の雌のビーグル犬において、乳腺腫瘍炎症性乳癌)の再発に伴う強い疼痛が観察された。第1−2乳腺付近の皮膚の腫瘍とかリンパ節の切除術を行い、同時に、切除部位周辺の体腔内間隙及び皮下組織へ、実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で一回投与した。本症例では、術創は良好に癒合し、術後3ヶ月間、疼痛は観察されず、再発もなかった。

0080

[症例2]
11歳齢の雌のミニチュアダックスフンド犬において、乳腺腫瘍の切除術を行い、同時に切除部位周辺の体腔内間隙及び皮下組織へ実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で一回投与した。術後6ヶ月間、再発及び副作用は観察されなかった。

0081

[症例3]
13歳齢の雄のビーグル犬において、扁平上皮癌が右下顎骨へ湿潤し、右下顎骨を融解し始めていることが観察された。癌組織の超音波乳化吸引装置による摘出を行い、同時に癌摘出部位周辺の口腔粘膜組織及び口腔粘膜下組織へ、実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で投与した。本症例では、術創は良好に癒合し、癌の再発や進行は抑制され、病状の悪化は認められなかった。さらに、術後2週又は4週間間隔で、前記リポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で、癌摘出部位周辺の口腔粘膜組織及び口腔粘膜下組織に麻酔あるいは鎮静下で直接注入したところ、約1年間、癌の急激な再発や進行は抑制され、良好な術後経過を過ごした。

0082

[症例4]
13歳齢の避妊アイリッシュ・セッター犬において、軟組織癌の切除術を行い、同時に切除部位周辺の体腔内間隙及び皮下組織へ、実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で一回投与した。術後6ヶ月間、再発及び副作用は観察されなかった。

0083

[症例5]
8歳齢の雄の雑種犬において、血管周皮腫の切除術を行い、同時に切除部位周辺の体腔内間隙及び皮下組織へ、実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で一回投与した。術後11ヶ月間、再発及び副作用は観察されなかった。

0084

[症例6]
15歳齢の雄のウェルシュ・コーギー犬において、血管周皮腫の切除術を行い、同時に切除部位周辺の体腔内間隙及び皮下組織へ、実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で一回投与した。術後12ヶ月間、再発及び副作用は観察されなかった。

0085

[症例7]
7歳齢の避妊雌の柴犬において、尿道移行性上皮癌の再発が観察され、排尿困難も呈してきていた。そこで、実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で、前記癌の腫瘤へ直接注入した。その結果、腫瘤の軟化、縮小と、排尿状態の改善が認められた。

0086

[症例8]
13歳齢の雄のビーグル犬において、下顎に生じた扁平上皮癌の部分切除を行い、同時に切除部位周辺の体腔内間隙及び皮下組織へ、実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で投与した。術後2週間毎に、前記リポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で、癌切除部位周辺の皮下組織に注入したところ、3ヶ月間、取り残した癌の大きさの顕著な変化は認められなかった。

0087

[症例9]
14歳齢の避妊雌の柴犬において、皮膚に移行上皮癌の転移が観察された。当該転移癌の部分切除を行い、同時に切除部位周辺の皮下組織へ実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で投与した。術後2週間毎に、前記リポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で、癌切除部位周辺の皮下組織に注入したところ、2ヶ月間、取り残した癌の大きさの顕著な変化は認められなかった。

0088

[症例10]
7歳齢の雄のフレンチ・ブルドッグ犬において、皮膚に生じた繊維肉腫の治療として、最初に放射線治療を行い、その後、放射線を照射した患部の皮下組織に、実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で投与した。放射線治療後2週間毎に、前記リポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で、患部皮下組織に注入したところ、12ヶ月間腫瘍の顕著な増大は観察されなかった。

0089

(実施例4)ゾレドロン酸を含むリポソームの水性懸濁液の製造
1.材料
ゾレドロン酸(ノバルティスファーマ株式会社製のゾメタ(登録商標)点滴静注4mg/5mL: 5mL
ポリエチレングリコール−12 二ミリスチン酸グリセロール: 0.05g

0090

2.製造方法
ポリエチレングリコール−12 二ミリスチン酸グリセロールを、25℃にてゾメタ(登録商標)点滴静注4mg/5mLにゆっくりと加え、得られた混合物をボルテックス・ミキサーで約15秒間撹拌した。得られた調製物を偏光顕微鏡で観察したところ、水中にリポソームが懸濁されてなるゾレドロン酸封入リポソームの水性懸濁液であった。

0091

(実施例5)ゾレドロン酸を含むリポソームを使用した腫瘍の治療
[症例11]
11歳齢の雌のパピヨン犬(体重:3.2kg)において、大腿骨遠位に扁平上皮癌の骨転移があり、一部骨融解と疼痛が観察された。骨融解が生じている骨と転移腫瘍組織の間(融解が生じている骨の表面及びその周囲の軟部組織)に、実施例4で調製したリポソームの水性懸濁液0.17ml(ゾレドロン酸:0.136mg)を一回投与した。本症例では、投与4日目より、疼痛が緩和され、患肢を負重するようになり、その後、死に至るまで正常に歩行した。

0092

[症例12]
8歳齢の去勢雄のロッドワイラー犬(体重:80kg)において、上腕骨に扁平上皮癌の骨転移があり、一部骨融解と疼痛が観察された。骨融解が生じている骨と転移腫瘍組織の間(融解が生じている骨の表面及びその周囲の軟部組織)に、実施例4で調製したリポソームの水性懸濁液1.5ml(ゾレドロン酸:1.2mg)を初回投与し、その18日後に、2回目投与として、2.0ml(ゾレドロン酸:1.6mg)を投与した。本症例では、2回目投与の後、患部の疼痛は軽減したようであった。

0093

(実施例6)カルボプラチンを含むリポソームの水性懸濁液の製造
1.材料
カルボプラチン(日本化薬株式会社製のカルボプラチン点滴静注液50mg「NK」): 5mL
ポリエチレングリコール−12 二ミリスチン酸グリセロール: 0.05g

0094

2.製造方法
ポリエチレングリコール−12 二ミリスチン酸グリセロールを、25℃にてカルボプラチン点滴静注液50mg「NK」)にゆっくりと加え、得られた混合物をボルテックス・ミキサーで約15秒間撹拌した。得られた調製物を偏光顕微鏡で観察したところ、水中にリポソームが懸濁されてなるカルボプラチン封入リポソームの水性懸濁液であった。

0095

(実施例7)カルボプラチンを含むリポソームを使用した腫瘍の治療
[症例13]
8歳齢の去勢雄のロッドワイラー犬(体重:80kg)において、左前肢の肢端部に腫瘍(扁平上皮癌)が観察された。腫瘤は境界不明瞭で増大しており、皮膚は自壊しており、腫瘤の奥では骨の露出もあった。実施例6で調製したリポソームの水性懸濁液3ml(カルボプラチン:30mg)を腫瘤に直接注入したうえで、当該腫瘤部に、X線を8.9グレイ照射した。1週間後に、実施例6で調製したリポソームの水性懸濁液2ml(カルボプラチン:20mg)を腫瘤に直接注入したうえで、当該腫瘤部に、X線を8.9グレイ照射した。さらに1週間後、実施例6で調製したリポソームの水性懸濁液1.7ml(カルボプラチン:17mg)を腫瘤に直接注入したうえで、当該腫瘤部に、X線を8.9グレイ照射した。その1週間後には、X線の照射(8.9グレイ)のみを行った。その結果、腫瘍は縮小し、疼痛が軽減され、歩行が可能となった。

実施例

0096

本症例では、放射線療法の回数を減らすことができた(従来の方法では7回程度)。また、従来、このような症例では、患肢の断脚が行われることが多かったが、本治療により、本症例では、半年程度ではあるが、断脚をすることなく生活することができた。

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