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技術 導電性粒子及びそれを含む導電性組成物

出願人 三井金属鉱業株式会社
発明者 井関博行馬渡芳夫
出願日 2015年10月16日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2015-205004
公開日 2017年4月20日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-075081
状態 特許登録済
技術分野 重金属無機化合物(I) 導電材料 電子写真における帯電・転写・分離 非絶縁導体
主要キーワード 適用対象物 導電性粒子中 導電ポリマー層 標準運転条件 中心域 表面域 鉄鋼製 圧粉抵抗
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

導電体電気抵抗が、印加電圧に依存しにくくなる導電性粒子を提供すること。

解決手段

本発明の導電性粒子は、金属又は半金属化合物からなる芯材と、導電性酸化スズからなる被覆層とを有する。芯材は、該芯材を構成する金属又は半金属と異なる種類の金属又は半金属を、該芯材の表面域偏在して含有している。前記異なる種類の金属又は半金属の価数が、前記芯材を構成する化合物の金属又は半金属の価数と同じであるか、又はそれよりも小さいものであることが好適である。前記芯材が酸化チタンからなり、該芯材の表面域にアルミニウムケイ素又はジルコニウムが含まれていることも好適である。

概要

背景

ポリマー等の非導電材料導電性を付与する導電性材料として、界面活性剤金属粉末カーボンブラックアンチモン等をドープした酸化スズ粉末、アンチモン等をドープした酸化スズ皮膜を有する粉末、酸化スズ粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ皮膜を有する二酸化チタン粉末硫酸バリウム粉末等が知られている。これらの導電性材料のうち、酸化スズ皮膜を有する二酸化チタン粉末や硫酸バリウム粉末に関する従来の技術としては、特許文献2ないし4に記載のものが知られている。特許文献2には、AlやZnを含有したアナタース型酸化チタン粒子の表面に、酸化スズの被覆層を形成することが記載されている。特許文献3には、KやMgを含有する酸化チタン粒子の表面に、酸化スズの被覆層を形成することが記載されている。特許文献4には、Zrを含有する酸化チタン粒子の表面に、酸化スズの被覆層を形成することが記載されている。

ところで、上述した導電性材料によって導電性が付与されたポリマーは、その電気的特性を活かして画像形成装置転写ベルトなどの構成材料として使用される。そのような構成材料は、トナーの紙への転写性を考慮して、ある程度高抵抗であること、及び転写時の画像乱れを抑制する観点から塗膜抵抗電圧依存性が小さいことが求められる。例えば特許文献4は、導電ポリマー層表面抵抗をある範囲に設定することでこれらの課題を解決できることを示している。しかし、使用する導電性材料によって抵抗の電圧依存性がどのように変化するかについては、全く検討が行われていない。特許文献1ないし3に関しても同様である。

概要

導電体電気抵抗が、印加電圧に依存しにくくなる導電性粒子を提供すること。本発明の導電性粒子は、金属又は半金属化合物からなる芯材と、導電性酸化スズからなる被覆層とを有する。芯材は、該芯材を構成する金属又は半金属と異なる種類の金属又は半金属を、該芯材の表面域偏在して含有している。前記異なる種類の金属又は半金属の価数が、前記芯材を構成する化合物の金属又は半金属の価数と同じであるか、又はそれよりも小さいものであることが好適である。前記芯材が酸化チタンからなり、該芯材の表面域にアルミニウムケイ素又はジルコニウムが含まれていることも好適である。なし

目的

本発明の課題は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る導電性粒子を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

金属又は半金属化合物からなる芯材と、導電性酸化スズからなる被覆層とを有する導電性粒子であって、前記芯材は、該芯材を構成する金属又は半金属と異なる種類の金属又は半金属を、該芯材の表面域偏在して含有している導電性粒子。

請求項2

前記異なる種類の金属又は半金属の価数が、前記芯材を構成する化合物の金属又は半金属の価数と同じであるか、又はそれよりも小さいものである請求項1に記載の導電性粒子。

請求項3

前記異なる種類の金属又は半金属の割合が0.002質量%以上20質量%以下である請求項1又は2に記載の導電性粒子。

請求項4

前記芯材が酸化チタンからなり、該芯材の表面域にアルミニウムケイ素又はジルコニウムが含まれている請求項1ないし3のいずれか一項に記載の導電性粒子。

請求項5

前記導電性粒子71質量部と、バインダ樹脂29質量部とを含む導電性組成物から形成された導電膜について、10Vの印加電圧下で測定された体積抵抗R10に対する、100Vの印加電圧下で測定された体積抵抗R100の変化率であるR10/R100の値が100以下である請求項1ないし4のいずれか一項に記載の導電性粒子。

請求項6

請求項1ないし5のいずれか一項に記載の導電性粒子と、バインダ樹脂とを含む導電性組成物。

請求項7

金属又は半金属の化合物からなる芯材と、導電性酸化スズからなる粒子と、バインダ樹脂とを含む導電性組成物であって、前記芯材は、その表面域に、該芯材を構成する金属又は半金属と異なる種類の金属又は半金属を含有している導電性組成物。

技術分野

0001

本発明は、酸化スズ導電層を有する導電性粒子及びそれを含む導電性組成物に関する。

背景技術

0002

ポリマー等の非導電材料導電性を付与する導電性材料として、界面活性剤金属粉末カーボンブラックアンチモン等をドープした酸化スズ粉末、アンチモン等をドープした酸化スズ皮膜を有する粉末、酸化スズ粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ皮膜を有する二酸化チタン粉末硫酸バリウム粉末等が知られている。これらの導電性材料のうち、酸化スズ皮膜を有する二酸化チタン粉末や硫酸バリウム粉末に関する従来の技術としては、特許文献2ないし4に記載のものが知られている。特許文献2には、AlやZnを含有したアナタース型酸化チタン粒子の表面に、酸化スズの被覆層を形成することが記載されている。特許文献3には、KやMgを含有する酸化チタン粒子の表面に、酸化スズの被覆層を形成することが記載されている。特許文献4には、Zrを含有する酸化チタン粒子の表面に、酸化スズの被覆層を形成することが記載されている。

0003

ところで、上述した導電性材料によって導電性が付与されたポリマーは、その電気的特性を活かして画像形成装置転写ベルトなどの構成材料として使用される。そのような構成材料は、トナーの紙への転写性を考慮して、ある程度高抵抗であること、及び転写時の画像乱れを抑制する観点から塗膜抵抗電圧依存性が小さいことが求められる。例えば特許文献4は、導電ポリマー層表面抵抗をある範囲に設定することでこれらの課題を解決できることを示している。しかし、使用する導電性材料によって抵抗の電圧依存性がどのように変化するかについては、全く検討が行われていない。特許文献1ないし3に関しても同様である。

先行技術

0004

特開平10−316429号公報
特開2014−010902号公報
特開2014−010903号公報
特開2012−128171号公報

発明が解決しようとする課題

0005

したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る導電性粒子を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、金属又は半金属化合物からなる芯材と、導電性酸化スズからなる被覆層とを有する導電性粒子であって、
前記芯材は、該芯材を構成する金属又は半金属と異なる種類の金属又は半金属を、該芯材の表面域偏在して含有している導電性粒子を提供するものである。

0007

また本発明は、前記の導電性粒子と、バインダ樹脂とを含む導電性組成物を提供するものである。

発明の効果

0008

本発明の導電性粒子を用いて導電体を製造すると、該導電体の電気抵抗が、印加電圧に依存しにくくなる。

0009

以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。なお以下の説明において、導電性粒子とは、文脈に応じて個々の粒子を指す場合と、粒子の集合体としての粉体を指す場合とがある。本発明の導電性粒子は、芯材と、導電性の酸化スズ(SnO2)からなる被覆層とを有するものである。芯材は粒子状の形態をしている。芯材は、本発明の導電性粒子における容積の大部分を占める部位であり、導電性粒子の中心域に位置する。一方、被覆層は、本発明の導電性粒子の最表面に位置する。被覆層と芯材とは直接に接していてもよく、あるいは両者間に他の層が介在していてもよい。好ましくは、被覆層と芯材とは直接に接している。

0010

芯材は、金属又は半金属の化合物からなる。この化合物は一般に非導電性材料からなる。金属又は半金属の例としては、例えばアルミニウムチタン及びジルコニウムなどの金属や、ケイ素などの半金属が挙げられる。本明細書にいう非導電性とは、体積抵抗率が例えば1013Ω・cm以上であることをいう。

0011

芯材を構成する前記化合物としては、例えば、金属又は半金属の酸化物水酸化物、窒化物、及び炭化物などを用いることができる。また、硫酸塩などの塩を用いることもできる。これらの各種化合物水不溶性であることが好ましい。特に好ましい化合物としては、金属酸化物である酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)及び酸化ジルコニウム(ZrO2)、半金属の酸化物である二酸化ケイ素(SiO2)、並びに金属塩である硫酸バリウム(BaSO4)等が挙げられる。

0012

芯材の形状は、その表面に導電性酸化スズの被覆層を形成することが可能な形状であればよく、導電性粒子の用途に応じて、球状、多面体状フレーク状、針状等の種々の形状のものが用いられる。本発明において、被覆層の厚みは芯材の大きさに比べて非常に小さいので、通常、芯材と導電性粒子の形状は概ね同じであるとみなすことができる。

0013

導電性粒子の最外層をなす被覆層は、芯材の表面が全く露出しないように該表面を満遍なく連続して被覆していることが、導電性粒子の導電性を高める点から好ましい。しかし、本発明の効果を損なわない範囲において、芯材の表面が一部露出するように該表面を不連続に被覆していてもよい。

0014

被覆層の厚みは、本発明の導電性粒子の導電性が十分に発現する程度であれば、過度に厚くする必要はない。被覆層の厚みを酸化スズ(SnO2)の量に換算して表すと、本発明の導電性粒子に占める酸化スズの割合が20質量%以上60質量%以下、特に25質量%以上50質量%以下となるような厚みであることが好ましい。導電性粒子中のスズの量は、導電性粒子の被覆層をアルカリで溶解させて得られる溶液について、ICP発光分光測定器で測定することによって求めることができる。

0015

導電性粒子の用途に応じて被覆層の導電性を調整する観点から、該被覆層を構成する酸化スズには、必要に応じてドーパント元素を含有させることができる。ドーパント元素は、それを添加した後の酸化スズの導電性を、添加前の酸化スズに比べて変化させることができる元素である。具体的にはドーパント元素としては、アンチモン(Sb)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、リン(P)、フッ素(F)、塩素(Cl)、ビスマス(Bi)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、モリブデン(Mo)、窒素(N)、亜鉛(Zn)などを挙げることができる。ドーパント元素は、これらのうちの1種又は2種以上を用いることができる。特に、ドーパント元素がアンチモン(Sb)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、リン(P)、フッ素(F)及びタングステン(W)のうちの少なくとも1種以上であり、とりわけアンチモン(Sb)であることが、導電性粒子の導電性が周囲環境に依存しにくくなる点から好ましい。また被覆層に、本発明の効果を損なわない範囲において、不可避不純物が少量含まれることは許容される。

0016

以上が本発明の導電性粒子の基本構造であるところ、該導電性粒子を構成する芯材は、該芯材を構成する金属又は半金属(以下、これら総称して「第1金属等」という。)と異なる種類の金属又は半金属(以下、これら総称して「第2金属等」という。)を、該芯材のその表面域に偏在して含有している。つまり、芯材は、第1金属等の化合物からなり、かつその表面域に第2金属等を含有している。表面域とは、芯材の表面及びその近傍の領域のことである。芯材が例えば球状のものである場合には、表面域は、表面を含む球殻の領域に相当する。芯材の表面近傍の領域とは、芯材を投影面積円換算したときに、半径の100%から80%までの領域のことをいう。

0017

表面域においては、第2金属等は均一な濃度で存在していてもよく、あるいは、内部に向かうに連れ漸次減少していてもよい。濃度の減少のしかたは、連続的でもよく、あるいはステップ状でもよい。

0018

芯材はその表面域に第2金属等を含むことが必須であるところ、表面域よりも内部には、第2金属等が含まれていなくてもよく、あるいは含まれていてもよい。以下の説明では、芯材における表面域よりも内部の領域のことを中央域と呼ぶこととする。中央域に第2金属等が含まれていない場合、第2金属等は表面域にのみ存在する。一方、中央域にも第2金属等が含まれている場合、表面域に存在する第2金属等の濃度は、中央域に存在する第2金属等の濃度よりも高くなっている。表面域から中央域にかけての境界領域では、第2金属等の濃度は連続して減少していてもよく、あるいはステップ状に減少していてもよい。中央域においては、第2金属等は均一な濃度で存在していてもよく、あるいは、内部に向かうに連れて漸次減少していてもよい。濃度の減少のしかたは、連続的でもよく、あるいはステップ状でもよい。特に好ましくは、第2金属等は、表面域のみ存在しており、表面域よりも内部には第2金属等が含まれていない。

0019

第2金属等としては、例えば金属元素としてチタン、ジルコニウム及びアルミニウムなどを用いることができ、非金属元素としてケイ素などを用いることができる。これらの第2金属等は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。芯材の表面域において、第2金属等がどのような形態で存在しているかは、第2金属等の種類や芯材の種類に応じて様々である。例えば第2金属等がアルミニウム、ケイ素又はジルコニウムなどの酸化物を形成しやすい元素であり、芯材が酸化チタン等の酸化物である場合には、これら第2金属等はその酸化物の形態で芯材の表面域に含まれていると考えられる。

0020

第2金属等が含有されている芯材の表面域は、被覆層と芯材との間の電気的導通を妨げる目的で用いられる。芯材の表面域に第2金属等を含有させることで、本発明の導電性粒子を用いて形成された導電体に電圧印加した場合、該導電体の導電性が印加電圧に依存しにくくなることが、本発明者の検討の結果判明した。この目的のために、第2金属等は、その価数が、第1金属等の価数と同じであるか、又はそれよりも小さいものであることが好適である。例えば芯材が四価の金属の化合物である酸化チタン(TiO2)からなる場合、該芯材の表面域に含有される第2金属等としては、四価の金属であるジルコニウムや、三価の金属であるアルミニウムや、四価の半金属であるケイ素を用いることができる。

0021

芯材に含有させる第2金属等の量は、これが少量場合であっても、被覆層と芯材との間の電気的導通を十分に妨げることが可能であることが判明した。本発明の導電性粒子に占める第2金属等の割合は、0.002質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.005質量%以上10質量%以下であることが更に好ましく、0.008質量%以上5質量%以下であることが一層好ましい。

0022

導電性粒子に占める第2金属等の割合は、使用する芯材を酸又はアルカリで溶解して溶液とし、その溶液を用いICP発光分光測定器で芯材に含まれる第2金属元素量を測定し、その値を酸化スズ被覆後の導電性粒子の質量で割ることによって求めることができる。

0023

上述したとおり、本発明の導電性粒子は、これを用いて導電体を製造すると、該導電体の電気抵抗が、印加電圧に依存しにくくなるという特異な効果を奏するものである。例えば、本発明の導電性粒子44.3質量部と、バインダ樹脂29.5質量部と溶媒とを含む導電性組成物から形成された導電膜について、100Vの印加電圧下で測定された体積抵抗率R100に対する、10Vの印加電圧下で測定された体積抵抗率R10の変化率であるR10/R100の値が好ましくは100以下、更に好ましくは30以下という、印加電圧依存性の低い導電体が得られる。

0024

上述の導電体の体積抵抗率の測定は次のように行う。バインダ樹脂としてレヂトップPL−2211(群栄化学工業社製)を用いる。このバインダ樹脂と本発明の導電性粒子とを、上述の比率でもって混合する。混合を十分に行う目的で、有機溶媒である1−メトキシ2−プロパノールを24.7質量部添加する。
次いでペイントシェーカー(浅田鉄鋼製)を用い分散を行う。ペイントシェーカーの運転条件は、65Hz環境下の標準運転条件とする。運転時間は180分とする。分散に使用する容器は、アイボーイ広口瓶100ml(ポリプロピレン製)とし、ビーズは直径1mmのガラス製ビーズとする。ビーズの使用量は、導電性粒子及びバインダ樹脂の質量に対して417質量%とする 。分散によって得られた塗工液を、厚さ50μmのアルミ箔(福田金属箔粉工業株式会社製)に塗工する。ベーカー式アプリケーターSA−201(テスター産業株式会社製)を自動塗工装置PI−1210(テスター産業株式会社製)にセットし、液量1mLで厚さ20μmの塗膜を形成する。塗膜形成後、大気下に140℃で60分間にわたり乾燥を行い導電体を得る。この導電体について、三菱アナリテック製のハイレスタを用いて体積抵抗率を測定する。測定にはURSプローブを用いる。印加電圧は、上述のとおり10V及び100V(いずれも直流)とする。

0025

なお、導電性組成物の調製時に、上述のペイントシェーカーを用いて各成分の分散を行うと、場合によっては、外力によって本発明の導電性粒子が一部破壊され、被覆層と芯材とが分離した状態になることがある。そのような状態の導電性組成物は、金属又は半金属の化合物からなる芯材と、導電性酸化スズからなる粒子と、バインダ樹脂とを含むものになる。そして、芯材が、その表面域に、該芯材を構成する金属又は半金属と異なる種類の金属又は半金属を含有している構造のものとなる。このような形態の導電性組成物を用いて導電体を製造した場合にも、該導電体は、その体積抵抗率が印加電圧に依存しにくくなる。

0026

導電性粒子は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による累積体積50容量%における体積累積粒径D50が0.1μm以上2.0μm以下、特に0.2μm以上1.5μm以下であることが、該導電性粒子を用いて導電性組成物を調製するときの分散性が良好になる点や、該導電性組成物から形成された導電体の導電性が良好になる点から好ましい。

0027

次に、本発明の導電性粒子の好適な製造方法について説明する。導電性粒子は、(1)芯材の表面域に第2金属等を含有させる工程、及び(2)芯材の表面に被覆層を形成する工程、の2工程に大別される。以下、それぞれの工程について説明する。

0028

(1)の工程においては、芯材を水等の分散媒に分散させてスラリーとなし、該スラリー中に、第2金属等を含む化合物を添加する。この物質は分散媒に可溶であることが好ましい。スラリーを撹拌して芯材の表面に、該化合物を付着させる。第2金属等の付着量を高めるために、及び第2金属等と芯材との密着性を高めるために、スラリーのpHを調整して第2金属等を中和する操作を行うことができる。

0029

次いでスラリーを濾過して、第2金属等が表面に付着した芯材を分離し、更にこれを乾燥させた後に焼成工程に付す。この焼成によって、芯材の表面に付着した第2金属等が、芯材の表面域に熱拡散する。焼成温度や焼成時間、及び焼成雰囲気等の焼成条件は、第2金属等が十分に熱拡散するように、芯材の種類及び第2金属等の種類に応じて適切に設定すればよい。例えば芯材が酸化チタンであり、第2金属等がアルミニウムである場合には、大気雰囲気下に、700℃以上1300℃以下の温度範囲で、1時間以上3時間以下の時間にわたり焼成を行うことができる。このようにして、第2金属等が表面域に含有された芯材が得られる。

0030

(2)の被覆層形成工程においては、スズ源を含有し、かつ芯材を分散させたスラリーを中和することによって、該芯材の表面にスズ化合物を被覆させる。スラリーの分散媒としては、中和反応の条件等に応じて適切な液体が選択される。一般的には水が用いられる。

0031

スズ源を添加前のスラリーにおいて、分散媒と芯材との配合比率は、分散媒1リットルに対して芯材が50g以上240g以下、特に60g以上200g以下であることが好ましい。両者の配合比率がこの範囲内にあると、芯材の表面にスズ化合物の均一な被覆層が容易に形成されるからである。

0032

スズ源は、芯材の表面を被覆するスズ化合物の層を形成するために用いられる。スズ化合物としては、水酸化スズや酸化スズ水和物等が挙げられる。スズ源としては、芯材の表面にこのようなスズ化合物の層を形成し得るものが用いられる。スズ源は水溶性化合物であることが好ましい。そのようなスズ源としては、水への溶解が容易な化合物であるスズ酸ナトリウム及び四塩化スズ等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0033

スラリーにおけるスズ源と芯材との配合比率は、該芯材100質量部に対するスズ源中のSn量が10質量部以上90質量部以下、特に20質量部以上80質量部以下であることが好ましい。両者の配合比率がこの範囲内にあると、芯材の表面にスズ化合物の均一な層を形成しやすい。

0034

スラリーの中和には通常、酸又はアルカリを用いる。酸としては、例えば硫酸、硝酸酢酸などの水溶液が用いられる。硫酸を用いる場合、希硫酸、特に濃度が10容量%以上50容量%以下の希硫酸を用いると、スズ化合物の均一な層が得られやすいため好ましい。アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム水溶液アンモニア水などが用いられる。スラリーの中和において、スラリーへのスズ源の添加と酸又はアルカリの添加とは、どちらが先でもよく、同時でもよい。

0035

中和を行う際のスラリーのpHは、好ましくは0.5以上6.0以下、更に好ましくは1.5以上4.0以下とする。中和の際のpHをこの範囲内とすることにより、芯材の表面にスズ化合物の層を容易に形成することができる。中和を行った後、スラリーの撹拌を継続させてエージングを行うことが好ましい。熟成は30分以上180分以下、特に60分以上120分以下行うことが好ましい。熟成によってスズ化合物の均一な層が形成されやすくなる。熟成は、一般に70℃以上80℃以下で行うことができる。

0036

このようにしてスズ化合物の層が表面に形成された芯材は、反応系から分離され、好ましくは洗浄及び乾燥工程を経て、次工程である焼成工程に付される。それによって酸化スズで被覆された導電性粒子が得られる。その後、必要に応じて解砕工程に付され、所望の粒径に調整される。

0037

焼成工程は、大気等の酸化性雰囲気中で行うこともできるが、非酸化性雰囲気中で行うことが好ましい。非酸化性雰囲気としては、例えば窒素雰囲気アルゴン雰囲気などの非酸化性かつ非還元性雰囲気、少量の水素を含有した窒素雰囲気等の弱還元性雰囲気等が挙げられる。これらのうち、弱還元性雰囲気を用いると、酸化スズ中に酸素欠損が適度に形成されるので好ましい。弱還元性雰囲気として水素を含有した窒素雰囲気を用いる場合、水素の含有量は、好ましくは0.1体積%以上4体積%以下、更に好ましくは1体積%以上3体積%以下である。水素の含有量がこの範囲内にあると、スズを金属に還元させることなく、適度な量の酸素欠損を有する導電性の酸化スズの被覆層を形成しやすい。

0038

焼成温度は、焼成雰囲気によらず、好ましくは400℃以上900℃以下、更に好ましくは500℃以上800℃以下である。焼成時間は、好ましくは20分以上120分以下、更に好ましくは40分以上100分以下である。焼成温度及び時間がこれらの範囲内にあると、焼成によって得られる導電性粒子が凝集を起こし難いからである。

0039

このようにして得られた導電性粒子は、これを含む導電性組成物の状態で好適に用いられる。例えば導電性粒子をバインダ樹脂及び有機溶媒と混合して導電性ペーストとなすことができる。この導電性ペーストには、必要に応じガラスフリット等の他の成分も混合することができる。あるいは、導電性粒子を有機溶媒等と混合してインクとなすことができる。このようにして得られた導電性ペーストやインクを適用対象物の表面に施すことで、所望のパターンを有する導電体を得ることができる。

0040

以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。

0041

〔実施例1〕
本実施例では、表面域にアルミニウムが含有されたルチル型TiO2粒子を芯材として用いた。市販のルチル型酸化チタン粒子比表面積10m2/g)500gと硫酸アルミニウム16水和物(Al2(SO4)3、含有量54%)2.5gを水4.1Lに加え、撹拌しながら水酸化ナトリウム水溶液でpHを8に調整した。その後、固液分離して得られた芯材を200℃で乾燥後、大気雰囲気下に1000℃で1時間焼成した。これによって、表面域にアルミニウムが含有されたTiO2粒子からなる芯材を得た。この芯材の粒径D50は0.62μmであった。
このようにして得られたアルミニウム含有TiO2粒子(比表面積10m2/g)200gを水3Lに分散させてスラリーを得た。このスラリーに、スズの含有量が41%であるスズ酸ナトリウム(Na2SnO3)208gを添加し溶解させて混合スラリーを得た。この混合スラリーを循環させながら該混合スラリーに20%希硫酸水溶液を添加してスズの中和を行った。希硫酸水溶液は、混合スラリーのpHが2.5になるまで60分間かけて添加した。これによって、目的とする導電性粒子の前駆体を得た。この前駆体を、温水によって洗浄した後、脱水濾過を行った。濾過によって回収された前駆体のケーキを横型チューブ炉中に載置し、2体積%H2/N2雰囲気下で500℃、1時間還元焼成した。これによって目的とする導電性粒子を得た。

0042

〔実施例2〕
実施例1において、硫酸アルミニウムに代えてケイ酸ソーダ(SiO2含有量36.5%)1012gを用い、表面域にケイ素が含有されたTiO2粒子からなる芯材を得た。これ以外は実施例1と同様にして導電性粒子を得た。

0043

〔実施例3〕
実施例1において、硫酸アルミニウムに代えて硝酸酸化ジルコニウム二水和物(ZrO(NO3)2・2H2O、含有量99%)102gを用い、表面域にジルコニウムが含有されたTiO2粒子からなる芯材を得た。これ以外は実施例1と同様にして導電性粒子を得た。

0044

〔実施例4〕
本実施例では、表面域にアルミニウムが含有されたアナタース型TiO2粒子を芯材として用いた。市販のアナタース型酸化チタン粒子(比表面積6.7m2/g)500gと硫酸アルミニウム16水和物167gを水4.1Lに加え、撹拌しながら水酸化ナトリウム水溶液でpHを5に調整した。その後、固液分離して得られた芯材を200℃で乾燥後、大気雰囲気下に1000℃で1時間焼成した。これによって、表面域にアルミニウムが含有されたアナタース型TiO2粒子からなる芯材を得た。この芯材の粒径D50は0.54μmであった。これ以外は実施例1と同様にして導電性粒子を得た。

0045

〔実施例5〕
実施例4において、硫酸アルミニウムに代えてケイ酸ソーダ(SiO2として36.5%)79gを用い、表面域にケイ素が含有されたアナタース型TiO2粒子からなる芯材を得た。pHは硫酸を用いてアルカリ側からpH7になるまで調整した。これ以外は実施例1と同様にして導電性粒子を得た。

0046

〔実施例6〕
実施例4において、硫酸アルミニウムに代えて硝酸酸化ジルコニウム二水和物7.3gを用い、表面域にジルコニウムが含有されたアナタース型TiO2粒子からなる芯材を得た。pHは水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸性側からpH5になるまで調整した。これ以外は実施例1と同様にして導電性粒子を得た。

0047

〔比較例1〕
実施例1において、表面域にアルミニウムが含有されていないルチル型TiO2粒子そのものを芯材として用いた。これ以外は実施例1と同様にして導電性粒子を得た。

0048

〔比較例2〕
実施例1において、表面域にアルミニウムが含有されていないアナタース型TiO2粒子そのものを芯材として用いた。これ以外は実施例1と同様にして導電性粒子を得た。

0049

〔比較例3〕
実施例1において、表面域にアルミニウムが含有されていないTiO2粒子そのものを芯材として用いた。この芯材200gを水3Lに分散させてスラリーを得た。このスラリーに、スズの含有量が41%であるスズ酸ナトリウム(Na2SnO3)208g、及び硫酸アルミニウム125gを添加し溶解させて混合スラリーを得た。これ以外は実施例1と同様にして、酸化スズ層中にアルミニウムがドープされた導電性粒子を得た。アルミニウムのドープ量は、スズのモル数に対して12モル%であった。

0050

〔評価〕
実施例及び比較例で得られた導電性粒子について、上述の方法で、芯材に含まれるアルミニウムやジルコニウム等の第2金属の割合(対導電性粒子の質量)を測定した。また、以下の方法で圧粉抵抗を測定した。更に上述の方法で、導電性組成物を調製し、該導電性組成物から形成された導電体の体積抵抗率を、上述の方法で測定した。それらの結果を以下の表1に示す。

0051

〔導電性粒子の圧粉抵抗〕
圧粉抵抗測定ステム(三菱化学PD−41)と抵抗率測定器(三菱化学MCP−T600)を用いて測定した。試料5gをプローブシリンダ投入し、プローブユニットをPD−41へセットする。油圧ジャッキによって500kgfの荷重を0.5分間印加して直径25mmの円筒ペレットを作製する。得られたペレットの抵抗値を、MCP−T600を用いて測定する。測定した抵抗値と試料厚みから、圧粉抵抗(体積抵抗)を算出した。

0052

実施例

0053

表1に示す結果から明らかなとおり、実施例で得られた導電性粒子を用いて形成された導電体は、比較例に比べて、電気抵抗が印加電圧に依存しにくくなることが判る。

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