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技術 積層フィルム及び包装容器

出願人 凸版印刷株式会社
発明者 菅谷幸子
出願日 2015年10月14日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2015-203028
公開日 2017年4月20日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-074965
状態 特許登録済
技術分野 特殊用途包装体
主要キーワード 剛性容器 加工線 蒸気抜き孔 蒸気抜き 内層フィルム 放出孔 外層フィルム 酸化アルミニウム蒸着膜
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

外層フィルム11と内層フィルム12とを積層した積層体から成り、外層フィルムの内部に達して内層フィルムを貫通しない深さの脆弱加工線11aが設けられている積層フィルムであって、電子レンジ加熱用包装容器に適する積層フィルムにおいて、外層フィルムとして延伸ナイロンフィルムを採用して、しかも、吸湿の有無によらず、電子レンジ加熱の際に、目的とする小孔が形成されて、内容物を十分に蒸熱することができると共に過剰の水蒸気を放出することができる技術を提供すること。

解決手段

内層フィルムとして密度0.93g/cm2以上の線状低密度ポリエチレンを使用する。電子レンジ加熱の際に、脆弱加工線に沿って内層フィルムに多数の微小な孔が開口して、過剰の水蒸気を放出することができる。一方、小孔はその径が小さいため、水蒸気放出速度が小さく、内容物を十分に蒸して調理することができる。

概要

背景

従来、調理済み又は半調理済みの食品常温低温、あるいは冷凍保存可能に包装容器に収容密封し、開封せずに電子レンジで加熱して、食べられる状態にする包装体が知られている。

包装体を開封せずに電子レンジで加熱すると、包装体内の水分が水蒸気になり、体積が増加する。したがって、水蒸気が逃げられる隙間がないと破袋のおそれがある。一方、内容物が半調理状態等の場合には、単に加熱するだけでなく、発生した水蒸気による蒸らし等が必要となる場合がある。この場合、蒸気が逃げる孔が過度に大きいと、蒸らしが十分行われず、風味落ちる等の問題がある。

この用途に対応した包装体はいくつか知られている。いずれも積層フィルムから構成された包装容器を用いるのが一般的であり、内圧が高まると、積層フィルムの一部に裂け目ができて、この裂け目を蒸気抜き孔として水蒸気を逃がすことにより破袋を防止する。

電子レンジによる加熱時に蒸らしも可能な包装体としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載の包装体は、外層フィルムの内側にポリオレフィン系樹脂内層フィルムを積層した積層フィルムから蓋材を構成して、その蓋材に、外層フィルムの内部に達し、かつ、内層フィルムを貫通しない深さの蒸気抜き脆弱加工線を、レーザー加工によって形成している。この包装体においては、電子レンジで加熱すると、前記脆弱加工線が裂けて小さな貫通孔が形成され、この結果、過度に水蒸気が逃げず、破袋を防ぎつつ蒸らしを行うことが可能となる。

概要

外層フィルム11と内層フィルム12とを積層した積層体から成り、外層フィルムの内部に達して内層フィルムを貫通しない深さの脆弱加工線11aが設けられている積層フィルムであって、電子レンジ加熱用包装容器に適する積層フィルムにおいて、外層フィルムとして延伸ナイロンフィルムを採用して、しかも、吸湿の有無によらず、電子レンジ加熱の際に、目的とする小孔が形成されて、内容物を十分に蒸熱することができると共に過剰の水蒸気を放出することができる技術を提供すること。内層フィルムとして密度0.93g/cm2以上の線状低密度ポリエチレンを使用する。電子レンジ加熱の際に、脆弱加工線に沿って内層フィルムに多数の微小な孔が開口して、過剰の水蒸気を放出することができる。一方、小孔はその径が小さいため、水蒸気放出速度が小さく、内容物を十分に蒸して調理することができる。

目的

本発明は、特許文献1に記載の技術を前提とし、外層フィルムとして延伸ナイロンフィルムを採用して、しかも、吸湿の有無によらず、電子レンジ加熱の際に、目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

熱融着可能な内層フィルムと、この内層フィルムに積層された外層フィルムとで構成され、前記外層フィルムの内部に達し、かつ、内層フィルムを貫通しない脆弱加工線を有する積層フィルムにおいて、前記外層フィルムが延伸ナイロンフィルムから成り、前記内層フィルムが密度0.930g/cm2以上の線状低密度ポリエチレンから成る、ことを特徴とする積層フィルム。

請求項2

前記内層フィルムが、その面内において引張破断強度の高い方向と低い方向とを有しており、前記脆弱加工線が引張破断強度の低い方向に沿って延びていることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。

請求項3

前記引張破断強度の低い方向の引張破断強度が30MPa以下であることを特徴とする請求項2に記載の積層フィルム。

請求項4

請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルムを包装材料の一部として使用した包装容器

請求項5

包装袋である請求項4に記載の包装容器。

請求項6

上面に開口部を有し、かつ、この開口部の周囲にフランジを有する容器本体と、この容器本体のフランジにヒートシールして開口部を塞ぐ蓋材とから成り、この蓋材が前記積層フィルムで構成されている請求項4に記載の包装容器。

技術分野

0001

本発明は、内容物を包装したまま電子レンジで加熱して、加熱に伴って発生した水蒸気包装体外部に放出する技術に関する。

背景技術

0002

従来、調理済み又は半調理済みの食品常温低温、あるいは冷凍保存可能に包装容器に収容密封し、開封せずに電子レンジで加熱して、食べられる状態にする包装体が知られている。

0003

包装体を開封せずに電子レンジで加熱すると、包装体内の水分が水蒸気になり、体積が増加する。したがって、水蒸気が逃げられる隙間がないと破袋のおそれがある。一方、内容物が半調理状態等の場合には、単に加熱するだけでなく、発生した水蒸気による蒸らし等が必要となる場合がある。この場合、蒸気が逃げる孔が過度に大きいと、蒸らしが十分行われず、風味落ちる等の問題がある。

0004

この用途に対応した包装体はいくつか知られている。いずれも積層フィルムから構成された包装容器を用いるのが一般的であり、内圧が高まると、積層フィルムの一部に裂け目ができて、この裂け目を蒸気抜き孔として水蒸気を逃がすことにより破袋を防止する。

0005

電子レンジによる加熱時に蒸らしも可能な包装体としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載の包装体は、外層フィルムの内側にポリオレフィン系樹脂内層フィルムを積層した積層フィルムから蓋材を構成して、その蓋材に、外層フィルムの内部に達し、かつ、内層フィルムを貫通しない深さの蒸気抜き脆弱加工線を、レーザー加工によって形成している。この包装体においては、電子レンジで加熱すると、前記脆弱加工線が裂けて小さな貫通孔が形成され、この結果、過度に水蒸気が逃げず、破袋を防ぎつつ蒸らしを行うことが可能となる。

先行技術

0006

国際公開第2014/061651号

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、特許文献1には、外層フィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルムに加えて、二軸延伸ナイロンフィルムを使用できる旨記載されているが、この二軸延伸ナイロンフィルムを使用すると、次のような欠点があることが分かった。

0008

すなわち、ナイロン吸湿性の高い樹脂であるため、延伸ナイロンフィルムを外層フィルムとし、ポリオレフィン系樹脂の内層フィルムを積層して積層フィルムとすると、その保管中に延伸ナイロンフィルムが吸湿することがある。

0009

一方、内層フィルムはポリオレフィン系樹脂で構成されており、吸湿性が乏しいため、これら外層フィルムと内層フィルムとのラミネート強度が低下する。もちろん、前述の線状蒸気抜き用脆弱加工線の周辺でも、これら内外層のラミネート強度が低下する。

0010

このように蒸気抜き用脆弱加工線の周辺でラミネート強度が低下した包装体を電子レンジで加熱すると、蒸気抜き用脆弱加工線の全域で内層フィルムが破断して、大きな貫通孔
が形成される。

0011

すなわち、外層ナイロンフィルムが吸湿した場合には、大きな貫通孔が形成されて、大量の水蒸気が外部に放出されてしまい、内容物の蒸らしが十分行われず、風味が落ちるのである。

0012

そこで、本発明は、特許文献1に記載の技術を前提とし、外層フィルムとして延伸ナイロンフィルムを採用して、しかも、吸湿の有無によらず、電子レンジ加熱の際に、目的とする小孔が形成されて、内容物を十分に蒸熱することができると共に過剰の水蒸気を放出することができる技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

すなわち、請求項1に記載の発明は、熱融着可能な内層フィルムと、この内層フィルムに積層された外層フィルムとで構成され、前記外層フィルムの内部に達し、かつ、内層フィルムを貫通しない脆弱加工線を有する積層フィルムにおいて、
前記外層フィルムが延伸ナイロンフィルムから成り、
前記内層フィルムが密度0.930g/cm2以上の線状低密度ポリエチレンから成る、
ことを特徴とする積層フィルムである。

0014

次に、請求項2に記載の発明は、前記内層フィルムが、その面内において引張破断強度の高い方向と低い方向とを有しており、前記脆弱加工線が引張破断強度の低い方向に沿って延びていることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルムである。

0015

また、請求項3に記載の発明は、前記引張破断強度の低い方向の引張破断強度が30MPa以下であることを特徴とする請求項2に記載の積層フィルムである。

0016

また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルムを包装材料の一部として使用した包装容器である。

0017

また、請求項5に記載の発明は、包装袋である請求項4に記載の包装容器である。

0018

また、請求項6に記載の発明は、上面に開口部を有し、かつ、この開口部の周囲にフランジを有する容器本体と、この容器本体のフランジにヒートシールして開口部を塞ぐ蓋材とから成り、この蓋材が前記積層フィルムで構成されている請求項4に記載の包装容器である。

発明の効果

0019

後述する実施例から分かるように、外層フィルムとして延伸ナイロンフィルムを使用した場合、内層フィルムとして密度0.930g/cm2以上の線状低密度ポリエチレンを採用すると、電子レンジ加熱の際に、脆弱加工線に沿って、内層フィルムに多数の微小な孔が開口する。この小孔から過剰の水蒸気を放出することができる。一方、これらの小孔はその径が小さいため、水蒸気放出速度が小さく、内容物を十分に蒸して調理することができるのである。

図面の簡単な説明

0020

図1は本発明の積層フィルムに係り図1(a)はその断面説明図、図1(b)は平面説明図である。
図2は本発明の積層フィルムを使用した包装袋に係り、図2(a)は包装袋の説明用斜視図、図2(b)は包装袋を電子レンジ加熱したときの包装袋の説明用斜視図である。
図3は本発明の積層フィルムを使用した包装容器の説明用斜視図である。

0021

本発明の積層フィルムは外層フィルムと内層フィルムとの二層構造を有するものである。そして、この積層フィルムには、外層フィルムに達し、かつ、内層フィルムを貫通しない脆弱加工線が設けられている。

0022

この積層フィルムは電子レンジ加熱用包装容器の一部として使用するのに適している。この積層フィルムを使用して作成した包装容器は、その内部に内容物を収容し、密封したまま、電子レンジ中で加熱して調理することができる。電子レンジ加熱に伴って包装容器内部に水蒸気が発生すると同時にその内圧が高まり、包装容器は外側に向けて膨らむ。そして、このため、外層フィルムは脆弱加工線で破断して、その両側の外層フィルム端部が広がるように引っ張られ、この外層フィルムに接着した内層フィルムが引き伸ばされる。引き伸ばされた内層フィルムには、多数の微小孔が発生し、この微小孔から過剰の水蒸気が包装容器外部に放出されるため、包装容器内部の内圧の上昇が抑制され、包装容器の破烈を防止することができる。ところで、引き伸ばされた内層フィルムに生じる微小孔は極めて小さいものであるから、この微小孔を通じて放出される水蒸気の放出速度も小さいものである。このため、包装容器の内部は適度な内圧を保ち、内容物を十分に蒸して調理することが可能である。

0023

包装容器は、例えば、包装袋であってよい。また、剛性容器の蓋材として本発明の積層フィルムを使用することも可能である。以下、本発明の積層フィルムを包装袋の一部として使用する場合を例として、本発明の積層フィルムと、この積層フィルムの構成要素が果たす役割について説明する。図1は本発明の積層フィルムに係り、図1(a)はその断面説明図、図1(b)は平面説明図である。また、図2はこの積層フィルムを使用した包装袋に係り、図2(a)は包装袋の説明用斜視図、図2(b)は包装袋を電子レンジ加熱したときの包装袋の説明用斜視図である。

0024

図1(a)に示すように、この積層フィルム1は、外層フィルム11と内層フィルム12とを必須の構成要素とするものである。

0025

外層フィルム11は延伸ナイロンフィルム111単独で構成されることが望ましいが、その引張破断強度に影響を与えない範囲で、他の層を積層することもできる。例えば、印刷インキ被膜塗料塗布被膜アルミニウム蒸着膜等の金属蒸着膜酸化アルミニウム蒸着膜等の無機蒸着膜等である。延伸ナイロンフィルムには一定の酸素バリア性があるが、金属蒸着膜あるいは無機蒸着膜を積層することにより、酸素バリア性と水蒸気バリア性を高めて、内容物保存性を高めることができる。図1(a)は、印刷インキ被膜112を延伸ナイロンフィルム111に積層して外層フィルム11を構成した例である。

0026

また、内層フィルム12は密度0.930g/cm2以上の線状低密度ポリエチレンで構成する必要がある。後述する比較例1から分かるように、内層フィルム12をポリプロピレンで構成した場合には、電子レンジ加熱の際に脆弱加工線の全域で内層フィルムが破断して、大きな貫通孔が形成される。このため、内容物を十分に蒸らすことができない。

0027

内層フィルム12として密度0.930g/cm2に満たない線状低密度ポリエチレンを採用した場合も同様である。すなわち、電子レンジ加熱の際に脆弱加工線の全域で内層フィルムが破断して、大きな貫通孔が形成され、この結果、内容物を十分に蒸らすことができない。望ましくは、密度0.940g/cm2以上の線状低密度ポリエチレンである。

0028

脆弱加工線11aは電子レンジ加熱の際に、その一部に水蒸気放出孔を形成するもので、外層フィルム11に達して内層フィルム12を貫通しない深さに設ける必要がある。このように脆弱加工線11aは延伸ナイロンフィルム111を貫通して設けられるため、延伸ナイロンフィルム111の酸素バリア性が損なわれるが、脆弱加工線11xは細い線状に設けられるから、その酸素バリア性の低下はわずかである。その長さは40mm以下でよい。

0029

図2(a)は、この積層フィルム1を使用して作成した包装袋2を示す説明用斜視図である。また、図2(b)はこの包装袋2を電子レンジ加熱したときに、この脆弱加工線11aの果たす役割を説明するための説明用斜視図である。

0030

前述のように、電子レンジ加熱した際には、水蒸気の発生に伴って内圧が増大し、包装袋2が外側に向けて膨らむため、外層フィルム11が脆弱加工線11aで破断して、これを挟む外層フィルム11の両端部11x,11xが互いに離間するように引っ張られる。内層フィルム12は外層フィルム11に接着されているため、外層フィルム11の両端部11x,11xに付随して、脆弱加工線11aに直交する方向に引っ張られるが、この内層フィルム12には脆弱加工線11aが貫通していないため、外層フィルム11の両端部11x,11xの間で薄く引き伸ばされる。そして、この薄く引き伸ばされた領域内に、規則的又は不規則に、内層フィルム12には微小な孔が開くのである。図2(b)において、12aは薄く引き伸ばされた内層フィルム12を示しており、12bはこの内層フィルム12に開口した微小孔を示している。

0031

なお、後述するように、脆弱加工線11aをレーザー照射によって形成した場合には、レーザー光線周期的な出力変動に基づいて、脆弱加工線11aにはわずかに強度の高い部位と強度の低い部位とが形成されるから、その低強度の部位に微小孔12bが形成される。この場合の微小孔12bは、脆弱加工線11aに沿って、周期的かつ規則的に配置される。

0032

ところで、内層フィルム12が、その面内において引張破断強度の高い方向と低い方向とを有する場合、脆弱加工線11aが引張破断強度の高い方向に沿って延びていると、電子レンジ加熱に伴って、内層フィルム12は、脆弱加工線11aに対して垂直な方向、すなわち、引張破断強度の低い方向に引き伸ばされる。このため、内層フィルムが速やかに破断して大きな孔が発生することがある。そして、このように大きな孔が生じた場合には、水蒸気の放出速度が大きくなり、内容物を十分に蒸すことができない。これに対して、脆弱加工線11aが引張破断強度の低い方向に沿って延びていると、電子レンジ加熱の際に、内層フィルム12は引張破断強度の高い方向に引き伸ばされる。この場合には、内層フィルム12は十分に伸びて破断することがなく、微小な孔12bを発生する。このような理由から、脆弱加工線11aは引張破断強度の低い方向に沿って延びていることが望ましい。

0033

例えば、内層フィルム12が巻き取り形態のフィルムであって、その流れ方向(TD)の引張破断強度が幅方向(MD)より低い場合には、脆弱加工線11aは流れ方向(TD)に沿って延びていることが望ましい。図1(b)はこのように引張破断強度の低い流れ方向(TD)に沿って延びている脆弱加工線11aを有する積層フィルム1を示している。

0034

なお、引張破断強度の低い方向の引張破断強度、この例では流れ方向(TD)の引張破断強度は、30MPa以下であることが望ましい。一方、引張破断強度の高い方向の引張破断強度、この例では幅方向(MD)の引張破断強度は、30MPa以上であることが望
ましい。

0035

次に、この積層フィルム1は、外層フィルム11と内層フィルム12とを積層した後、これに炭酸ガスレーザー照射して脆弱加工線11aを形成することができる。外層フィルム11と内層フィルム12との積層は、例えば、接着剤13を使用して可能である。

0036

また、炭酸ガスレーザーを照射したとき、延伸ナイロンフィルム111はレーザー光線を吸収して溶融し、延伸が戻って、引張破断強度の低い脆弱加工線11aを形成することができる。一方、線状低密度ポリエチレンはレーザー光線を吸収することなく透過するから、脆弱加工線11aが内層フィルム12を貫通することはない。

0037

以上、本発明の積層フィルムを包装袋の一部として使用する場合を例として説明したが、本発明の積層フィルムは蓋材として使用することもできる。図3はこのような例を示すもので、この包装容器3は容器本体31と蓋材とで構成されている。容器本体31は、上面に開口部を有し、かつ、この開口部の周囲にフランジを有するもので、蓋材はそのフランジにヒートシールして開口部を塞ぐものである。なお、開封して内容物を取り出す際の便宜のため、図示の容器3では、蓋材にタブが設けられている。

0038

以下、実施例に基づいて本発明を説明する。

0039

(実施例1)
この例で使用した延伸ナイロンフィルム111は興人フィルム・アンドケミカルズ社製ボニールRX(厚さ15μm)である。そして、この延伸ナイロンフィルムに印刷インキ被膜112を設けて外層フィルム11とした。

0040

また、内層フィルム12として東セロ社製線状低密度ポリエチレン(商品名:HCE密度:0.935g/cm2,融点:123.6℃,厚さ:40μm,透湿度:10g/m2・day)を使用した。なお、この内層フィルム12は、流れ方向(TD)の引張破断強度が26MPaであり、幅方向(MD)の引張破断強度が47MPである。

0041

そして、内層フィルム12の片面をコロナ放電処理した後、その処理面に外層フィルム11を接着して積層した。使用した接着剤13は三井武田ケミカル社製A626である。

0042

そして、炭酸ガスレーザーを照射して、外層フィルム11に達し、かつ、内層フィルム12を貫通しない脆弱加工線11aを形成した。脆弱加工線11aの長さは30mm、その延びる方向は流れ方向(TD)である。

0043

次に、こうして得られた積層フィルム1を使用して三方シールシール袋を作成した。

0044

(実施例2)
脆弱加工線11aの延びる方向を幅方向(MD)としたほかは実施例1と同様に包装袋を作成した。

0045

(実施例3)
内層フィルム12として東セロ社製線状低密度ポリエチレン(商品名:HZ,密度:0.940g/cm2,融点:124.0℃,厚さ:40μm,透湿度:8g/m2・day)を使用したほかは実施例1と同様に包装袋を作成した。この内層フィルムの流れ方向(TD)の引張破断強度は25MPaであり、幅方向(MD)の引張破断強度が44MPである。

0046

(実施例4)
内層フィルム12として東セロ社製線状低密度ポリエチレン(商品名:HZR2,密度:0.950g/cm2,融点:128.0℃,厚さ:40μm,透湿度:8g/m2・day)を使用したほかは実施例1と同様に包装袋を作成した。この内層フィルムの流れ方向(TD)の引張破断強度は29MPaであり、幅方向(MD)の引張破断強度が38MPである。

0047

(比較例1)
内層フィルム12として東セロ社製無延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:RXC−3,密度:0.890g/cm2,融点:140.0℃,厚さ:40μm,透湿度:10g/m2・day)を使用したほかは実施例1と同様に包装袋を作成した。この内層フィルムの流れ方向(TD)の引張破断強度は34MPaであり、幅方向(MD)の引張破断強度が43MPである。

0048

(比較例2)
内層フィルム12として東セロ社製線状低密度ポリエチレン(商品名:MCS,密度:0.920g/cm2,融点:116.0℃,厚さ:40μm,透湿度:14g/m2・day)を使用したほかは実施例1と同様に包装袋を作成した。この内層フィルムの流れ方向(TD)の引張破断強度は34MPaであり、幅方向(MD)の引張破断強度が41MPである。

0049

(比較例3)
内層フィルム12としてフタムラ社製線状低密度ポリエチレン(商品名:XHT,密度:0.925g/cm2,融点:121.0℃,厚さ:40μm,透湿度:12g/m2・day)を使用したほかは実施例1と同様に包装袋を作成した。この内層フィルムの流れ方向(TD)の引張破断強度は33MPaであり、幅方向(MD)の引張破断強度が40MPである。

0050

(評価)
これら実施例1〜4、比較例1〜3の包装袋を、40℃、90%RHの恒温恒湿槽中に6時間保存して、外層フィルムのナイロンフィルムに吸湿させた後、調理済み畜肉加工惣菜100gを収容して密封した。そして、ボイル殺菌して冷凍した。そして、この冷凍した包装袋を、開封することなく、電子レンジ内に載置し、出力1900ワットで2分間加熱した。こうして電子レンジ加熱した包装袋について、通蒸適性と発生した孔のサイズとを測定して評価した。

0051

なお、通蒸適性は、積層フィルム1が脆弱加工線11aの全長又はそれ以上に渡って破断している場合を「×」、この範囲内である場合を「○」と評価した。

0052

また、孔のサイズは、最大寸法が5mm未満の場合を「○」と評価し、5mm以上である場合を「×」と評価した。なお、積層フィルム1が脆弱加工線11aの全長又はそれ以上に渡って破断した場合には、孔のサイズを測定することは無意味なため、測定していない。

0053

その評価結果を表1に示す。なお、表中、「LLDPE」は線状低密度ポリエチレンフィルムを意味する。「CPP」は無延伸ポリプロピレンフィルムである。

0054

(考察)
まず、内層フィルム12として無延伸ポリプロピレンフィルムを使用した比較例1においては、電子レンジ加熱によって、積層フィルム1が脆弱加工線11aの全長又はそれ以上に渡って破断した。このため、水蒸気の放出速度が大きく、畜肉加工惣菜はほとんど蒸されていない。内層フィルム12として線状低密度ポリエチレンを採用した場合であっても、その線状低密度ポリエチレンの密度が0.930g/cm2に満たない比較例2〜3においても同様である。

0055

これに対して、密度0.935g/cm2〜密度0.950g/cm2以上の線状低密度ポリエチレンを内層フィルム12として採用した実施例1〜4においては、脆弱加工線11aに孔が開くことはあっても、その全長が破断することはなく、畜肉加工惣菜を蒸して調理することができた。

0056

この結果から、外層フィルム11としてナイロンフィルムを採用し、かつ、内層フィルムが密度0.930g/cm2以上の線状低密度ポリエチレンで構成されている場合には、ナイロンフィルムが吸湿したとしても、電子レンジ加熱した際にも内容物を蒸して調理できることが理解できる。

実施例

0057

中でも、脆弱加工線11aが引張破断強度の低いTD方向に沿って延びている実施例1,3〜4の場合には、電子レンジ加熱で発生する孔12bの大きさが小さく、内容物を十分に蒸して調理できると分かる。

0058

1:積層フィルム
11:外層フィルム111:延伸ナイロンフィルム112:印刷インキ被膜11a:脆弱加工線11x:脆弱加工線を挟む両端部
12:内層フィルム12a:引き伸ばされた内層フィルム 12b:微小孔
13:接着剤
2:包装袋2a:シール線
3:包装容器31:容器本体

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