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技術 イージークリーンコーティングでのコーティングのための基材要素

出願人 ショットアクチエンゲゼルシャフト
発明者 マーテンヴァルターマータクジュザク
出願日 2017年1月26日 (3年9ヶ月経過) 出願番号 2017-012114
公開日 2017年4月20日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-074797
状態 特許登録済
技術分野 接着剤、接着方法 流動性材料の適用方法、塗布方法 積層体(2) ガラスの表面処理
主要キーワード 基材要素 長時間負荷 中間空域 カメラ測定 ソルゲル法 清浄サイクル 粒状層 温度測定プローブ
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課題

イージークリーンコーティングの特性が改善され、かつ接触面が十分に要求される特性を有するように、多数のイージークリーンコーティングと相互作用することに好適である特別な表面を有する、強く反射を低減させる基材要素の提供。

解決手段

支持材料(2)及び反射防止コーティング(3、4、5)を包含するイージークリーンコーティングでのコーティングのための基材要素(11、12、13)において、前記反射防止コーティングは、1層(5)又は少なくとも2層(31、32、33、41、42、43、44)から成り、かつ1層(5)又は少なくとも2層の最上層(31、41)は、イージークリーンコーティングと相互作用を行うことができるように構成されている接着促進剤層であり、かつ接着促進剤層は混合酸化物を包含する、前記基材要素。

概要

背景

表面、殊に透明な材料、例えば、ガラス又はガラスセラミックの処理は、特に接触画像スクリーン又はセンサー画像スクリーン(タッチスクリーン)の急速に成長する市場に基づき、例えば、対話式入力でのタッチパネルアプリケーションの範囲でますます重要性増してきている。この際、接触面は、例えば、マルチタッチアプリケーションの範囲で増々高められる透明性及び機能性の要求を達成しなければならない。タッチスクリーンは、スマートホンの操作として、銀行自動装置ATM又は、例えば、時刻表情報のための情報モニターとして使用される。更に、タッチスクリーンは、例えば、ゲームマシーンで、又は工業における機械操作工業用PCs)にも使用される。画像スクリーン作業場には、画像スクリーンは反射及び反映を有してはならないという欧州のディスプレイ画面指令90/270/EWGにおける画像スクリーン操作条例が既に要求される。透明なガラス表面又はガラスセラミック表面の処理は、全てのカバープレート、しかし特に携帯用電子製品のカバープレート、例えば、ノートブック型ラップトップコンピューター腕時計又は携帯電話のディスプレイの焦点になる。しかし、例えば、冷凍ユニットショーウィンドウカウンター又はショーケースのガラス表面又はガラスセラミック表面にも、表面処理はますます重要である。従って、全ての適用で、良好で衛生的な機能で、高い清浄労力をかけずに、高い美的作用を有する良好な透明性を保証することが問題であり、このことは、例えば、指紋汚れ及び残渣よって損なわれる。

表面処理は、例えば、グレアフリーディスク、例えば、アンチグレアスクリーンで公知であるガラス表面のエッチングである。しかしこの場合、透明度及び解像度の高い損失が欠点であり、それというのも、構造化された表面に基づき、表示画面で観察者に対する機器撮像光破壊されかつ散乱されるからである。高い解像度を達成するために、イージークリーンコーティングでの表面のコーティングの範囲で他の解決可能性が探究される。

この際、特にタッチスクリーンのために要求される特性の最前線に、殊にマルチタッチアップリケーションのために平滑であるべき接触表面の触覚的及び触感知覚可能性がある。この際、実際には、利用者による触覚が問題であり、測定可能粗度は問題が少ない。更に、最前線には、僅少反射行動での高い透明度、高い防汚性及び清浄しやすさ、特に利用後及び多くの清浄サイクル後のイージークリーンコーティングの長期耐久性、例えば、入力ピンの使用時での耐引掻き性及び耐摩耗性、塩及び脂肪を含む指のによる化学的負荷に対する耐性及び同様に気候負荷及びUV負荷でのコーティングの耐久性がある。イージークリーン作用は、環境により又は同様に自然使用により表面に達する汚れが容易に再び除去されるように、又はしかし、よごれが表面に付着残存しないような状態であるように配慮する。この場合には、イージークリーン表面は、例えば、指紋による汚れがほとんどもはや可視不可能であり、かつ従って清浄しなくても使用表面は清浄に見えるという特性を有する。この場合は、イージークリーン表面の特例としての場合では、耐指紋表面である。接触面は、例えば、利用者による使用の際に、指紋の残渣から生じる水付着物、塩付着物及び脂肪付着物に対して耐性であるべきである。接触面の湿潤性は、表面が、疎水性でもあり、疎油性でもあるようでなければならない。

大抵の公知のイージークリーンコーティングは、実際に、水に対する高い接触角を有する弗素有機化合物である。即ち、DE19848591は、そのような保護層の製造のために、担体液中の弗素有機化合物からの液体物質系の形の式 Rf‐V の弗素有機化合物の使用を記載していて、この際、式 Rf‐V 中、Rfは、部分的又は完全に弗素化されていて、かつ直鎖、分枝鎖又は環状で存在していてよい脂肪族炭化水素を表わし、この際、炭化水素基は、1個以上の酸素原子窒素原子又は硫黄原子によって遮断されていてよい。Vは、極性又は双極性の基を表わし、これは‐COOR、‐COR、‐COF、‐CH2OR、‐OCOR、‐CONR2、‐CN、‐CONH‐NR2、‐CON=C(NH2)2、‐CH=NOR、‐NRCONR2、‐NR2COR、NRw、‐SO3R、‐OSO2R、‐OH、‐SH、≡B、‐OP(OH)2、‐OPO(OH)2、‐OP(ONH4)2、‐OPO(ONH4)2、‐CO-CH=CH2から選択され、この際、基V中のRは、同じ又は異なっていてよく、水素フェニル基又は12個まで、有利に8個までの炭素原子を有する、部分的又は完全に弗素化又はクロロ弗素化されていてよい直鎖又は分枝鎖のアルキル基又はアルキルエーテル基を表わし、かつwは、2又は3であり、又は‐Rv-V-を表わす。式 ‐Rv-V- 中、Vは、前記の極性又は双極性の基を表わし、かつRvは、1〜12個まで、有利に8個までの炭素原子を有する、部分的又は完全に弗素化又はクロロ弗素化されていてよい直鎖又は分枝鎖のアルキルレン基を表わす。

更に、EP0844265は、表面に十分で長く持続する防汚性、十分な耐候性滑性抗付着性撥水性及び油汚れ及び指紋に対する抵抗性を与えるために、金属材料ガラス材料及びプラスチック材料のような基材表面のコーティングのための、珪素を含む有機フルオルポリマーを記載している。更に、珪素を含有する有機フルオルポリマー、弗素を含有する有機溶剤及びシラン化合物包含する、表面処理法のための処理溶液を挙げている。そのような有機フルオルポリマーでのコーティングのための基材表面の適合性については何ら示されていない。

US2010/0279068は、耐指紋コーティングとして、フルオルポリマー又はフルオルシランを記載している。この関連では、既にUS2010/0279068は、耐指紋コーティングのために要求された表面特性を得るために、表面のコーティングがそのようなコーティングだけでは不十分であることを示している。US2010/0279068は、問題の解決のために、ガラス製品の表面に構造を刻み込むこと又はこれに粒子押圧することを提示している。耐指紋コーティングでのコーティングのための表面のそのような表面の製造は、極めて煩雑で経費が掛かり、かつ必要な熱処理に基づく不所望な応力がガラス製品に生じる。

US2010/0285272は、耐指紋コーティングとして、僅少な表面張力を有するポリマー又はオリゴマー、例えば、フルオルポリマー又はフルオルシランを記載している。耐指紋コーティングでのコーティングのための表面の製造のために、ガラス表面をサンドブラストし、かつその上に物理的又は化学的蒸着法により、金属又は金属酸化物、例えば、酸化錫酸化亜鉛酸化セリウムアルミニウム又はジルコニウムを施すことが提示されている。更に、耐指紋コーティングのための表面の製造のために、スパッタされた金属酸化物膜をエッチングし、又は蒸着された金属膜陽極酸化させることが提示されている。2つのトポロジカル平面を有する段階的表面構造が製造されるということである。この場合、耐指紋コーティングはもう1つの段階的トポロジカル構造を包含する。この方法も煩雑で経費が掛かり、その他の必要な特性を十分に考慮することなく、構築された表面によるポリマーの機械的固着での疎水性及び疎油性の表面が単に得られるだけである。

US2009/0197048は、カバーガラスに一程度の疎水性及び疎油性を与え、従ってガラス表面と水及び油との湿潤を最少にさせるフルオル末端基、例えば、ペルフルオル炭素基又はペルフルオル炭素含有基を有する外側コーティングの形のカバーガラス上の耐指紋コーティング又はイージークリーンコーティングを記載している。ガラス表面上へのこの層の塗布のために、ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオンの代わりに、殊にカリウムイオンを入れることによって、表面を化学的にイオン交換により硬化させることが提示されている。更に、カバーガラスは、耐指紋コーティング又はイージークリーンコーティングの下に、二酸化珪素石英ガラス、フルオル添加二酸化珪素、フルオル添加石英ガラス、MgF2、HfO2、TiO2、ZrO2、Y2O3又はGd2O3からの反射防止層を含有することができる。また、ガラス表面上に、耐指紋コーティングの前に、エッチング、リトグラフィー又は粒子コーティングにより、テクスチャー又はパターンを生じさせることも提示されている。ガラス表面を、イオン交換による硬化後に、耐指紋コーティングの前に、酸処理することも提示されている。これらの方法も同様に煩雑であり、要求される特性の全体に満足するイージークリーンコーティングは得られない。

EP2103965A1は、同時に、もう1種の特別なコーティング無しで、耐指紋性を有するという反射防止を記載している。ガラス基材又はプラスチック基材上に、少なくとも1種の元素錫、ガリウム又はセリウム酸化物及び酸化インジウムを含有する第1高屈折率層、銀及びパラジウムからの金属からの第2層、第1高屈折率層に相応する第3層、及び最上の第4層として二酸化珪素、弗化マグネシウム又は弗化カリウムから成る低屈折率層が塗布されている。これらの層は各々スパッタリングされる。しかし、そのようなコーティングからは、要求される特性の全体を満足させるイージークリーンコーティングは得られない。

同様に、US5847876は、同時に、もう1種の特別なコーティング無しで、耐指紋性を有するという反射防止層を記載している。ガラス基材上にAl2O3からの第1高屈折率層及びMgF2からの第二低屈折率層が塗布される。しかし、そのようなコーティングからは、要求される特性の全体を満足させるイージークリーンコーティングは得られない。

殊に、公知技術水準によるそのようなイージークリーン層の欠点は、層の限定された長期耐久性であり、従って、化学的及び物理的攻撃により、イージークリーン特性の急速な減少が認められる。この欠点は、イージークリーンコーティングの種類に依存するばかりでなく、それを載せる基材表面の種類にも依存する。

概要

イージークリーンコーティングの特性が改善され、かつ接触面が十分に要求される特性を有するように、多数のイージークリーンコーティングと相互作用することに好適である特別な表面を有する、強く反射を低減させる基材要素の提供。支持材料(2)及び反射防止コーティング(3、4、5)を包含するイージークリーンコーティングでのコーティングのための基材要素(11、12、13)において、前記反射防止コーティングは、1層(5)又は少なくとも2層(31、32、33、41、42、43、44)から成り、かつ1層(5)又は少なくとも2層の最上層(31、41)は、イージークリーンコーティングと相互作用を行うことができるように構成されている接着促進剤層であり、かつ接着促進剤層は混合酸化物を包含する、前記基材要素。

目的

"ホワイトボード(White Boards)"としての使用の例には、例えば、Schott AG, Mainzが、Opalika(登録商標)で提供する

効果

実績

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請求項1

支持材料(2)及び反射防止コーティング(3、4、5)を包含するイージークリーンコーティングでのコーティングのための基材要素(11、12、13)において、反射防止コーティング(3、4、5)は、1層(5)又は少なくとも2層(31、32、33、41、42、43、44)から成り、かつ1層(5)又は少なくとも2層の最上層(31、41)は、イージークリーンコーティングと相互作用を行うことができるように構成されている接着促進剤層であり、かつ接着促進剤層は混合酸化物を包含することを特徴とする、イージークリーンコーティングでのコーティングのための基材要素。

請求項2

接着促進剤層(5、31、41)は、液相コーティング、殊に熱固化ゾルゲル層である、請求項1に記載の基材要素。

請求項3

接着促進剤層(5、31、41)は、CVDコーティング又は火炎熱分解層である、請求項1に記載の基材要素。

請求項4

接着促進剤層(5、31、41)は、PVDコーティング、殊にスパッタリング層である、請求項1に記載の基材要素。

請求項5

反射防止コーティング(3、4、5)は、少なくとも1単層の厚さにおいて、後に続くイージークリーンコーティングでの基材要素のコーティングによって、スペクトル領域での完全な所望される反射防止が達成されるように変更され、有利に減らされて構成されている、請求項1から4までのいずれか1項に記載の基材要素。

請求項6

反射防止コーティング(3、4)は、CVD法又はPVD法、殊にスパッタリング法印刷技術により、噴霧技術又は蒸着法、有利に液相コーティング法により、特に有利にゾルゲルコーティング法により製造されている、請求項1から5までのいずれか1項に記載の基材要素。

請求項7

接着促進剤層(31、41)及び反射防止コーティングの他の層(32、33、42、43、44)は、様々な方法の組み合わせにより製造されている、請求項1から6までのいずれか1項に記載の基材要素。

請求項8

反射防止コーティング(3、4)は、不完全反射防止層パケットとして構成されていて、かつこのパケットは、接着促進剤層及びイージークリーンコーティングでのコーティングによって反射防止層パケットが光学的に完全にされるように適合される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の基材要素。

請求項9

反射防止コーティング(3)は、3層以上の、交互に中屈折率層高屈折率層及び低屈折率層(31、32、33)から成り、かつ接着促進剤層(31)は低屈折率層である、請求項1から8までのいずれか1項に記載の基材要素。

請求項10

反射防止コーティング(4)は、2層以上の、交互に高屈折率層及び低屈折率層(41、42、43、44)から成り、かつ接着促進剤層(41)は低屈折率層である、請求項1から8までのいずれか1項に記載の基材要素。

請求項11

反射防止コーティングは、低屈折率層、殊に多孔性の単層反射防止系、マグネシウムフルオライト層又はマグネシウムフルオライト珪素混合酸化物層から成り、かつ接着促進剤層は、10nmよりも少ない、有利に8nmよりも少ない、特に有利に6nmよりも少ない層厚を有する低屈折率層である、請求項1から8までのいずれか1項に記載の基材要素。

請求項12

反射防止コーティングの少なくとも1層、有利に接着促進剤層(5、31、41)は、1層以上の中間層によって、部分層に分けられていて、かつ1層以上の中間層は部分層と殆ど同じ屈折率を有する、請求項1から11までのいずれか1項に記載の基材要素。

請求項13

接着促進剤層(5、31、41)は、1.35〜1.7の範囲、有利に1.35〜1.6の範囲、特に有利に1.35〜1.56の範囲の屈折率を有する、請求項1から12までのいずれか1項に記載の基材要素。

請求項14

反射防止コーティング(5)は、接着促進剤層(5)であり、かつ支持材料表面の屈折率の平方根±10%、有利に±5%、特に有利に±2%に相応する屈折率を有する層から成る、請求項1から5までのいずれか1項に記載の基材要素。

請求項15

反射防止コーティング(5)は、1.2〜1.38の範囲、有利に1.25〜1.38の範囲、特に有利に1.28〜1.38の範囲の屈折率を有し、かつ少なくとも空気側に向いた表面範囲で、イージークリーンコーティングと、イージークリーンコーティングの長期耐久性が達成されるように相互作用をし得る混合酸化物を包含する層から成る、請求項1から5まで又は14のいずれか1項に記載の基材要素。

請求項16

接着促進剤層(5、31、41)は、珪素混合酸化物層であり、殊に、少なくとも1種の元素アルミニウム、錫、マグネシウム、燐、セリウムジルコニウムチタンセシウムバリウムストロンチウムニオブ亜鉛硼素酸化物及び/又は弗化マグネシウムと混合した酸化珪素層であり、この際、有利に少なくとも1種の元素アルミニウムの酸化物が含有されている、請求項1から15までのいずれか1項に記載の基材要素。

請求項17

接着促進剤層(5、31、41)は、1nmよりも大きい、有利に10nmよりも大きい、特に有利に20nmよりも大きい厚さを有する、請求項1から16までのいずれか1項に記載の基材要素。

請求項18

接着促進剤層(5、31、41)の上に外層(6)が配置されていて、かつこの外層(6)は粒状層又は多孔層である、請求項1から17までのいずれか1項に記載の基材要素。

請求項19

外層(6)は、酸化珪素から、又は珪素混合酸化物から成る、請求項18に記載の基材要素。

請求項20

支持材料(2)は、金属、プラスチック結晶セラミックガラスガラスセラミック又は複合材料である、請求項1から19までのいずれか1項に記載の基材要素。

請求項21

支持材料(2)は、リチウムアルミニウムシリケートガラス、ソーダ石灰シリケートガラス硼珪酸ガラスアルカリ金属アルミノシリケートガラスアルカリ金属不含又は低アルカリ金属アルミノシリケートガラスである、請求項1から19までのいずれか1項に記載の基材要素。

請求項22

支持材料(2)は表面(20)上に構造されていて、殊にエッチング表面を有する、請求項1から21までのいずれか1項に記載の基材要素。

請求項23

接着促進剤層(5、31、41)上へのイージークリーンコーティングの塗布後に、中性塩噴霧試験で1.5倍よりも長く、有利に2倍よりも長く、特に有利に3倍よりも長く負荷させた後のイージークリーンコーティングに対する水接触角は、中性塩噴霧試験で相応により短い負荷において接着促進剤層を塗布していない同じイージークリーンコーティングの場合よりも高い、請求項1から22までのいずれか1項に記載の基材要素。

請求項24

次の段階:−少なくとも1表面(20)を有する、殊にガラス又はガラスセラミックからの支持材料(2)を準備する段階、−支持材料の少なくとも1表面(20)を、ゾルゲル塗布技術により、反射防止コーティングの1層(5)又は少なくとも2層(3、4)でコーティングする段階(この際、1層又は少なくとも2層の最上外層は接着促進剤前駆層を形成する)、−接着促進剤前駆層を有する反射防止コーティングを熱固化し、かつ接着促進剤前駆層を接着促進剤層(5、31、41)へと変換する段階(この際、接着促進剤層は、混合酸化物、有利に珪素混合酸化物、特に有利に、少なくとも1種の元素アルミニウム、錫、マグネシウム、燐、セリウム、ジルコニウム、チタン、セシウム、バリウム、ストロンチウム、ニオブ、亜鉛、硼素の酸化物と又は弗化マグネシウムと混合した酸化珪素を包含し、従って、そうして得られる基材要素(11、12、13)上に、イージークリーンコーティングを、噴霧法浸漬法払拭法又は印刷法によって塗布することができる)を包含する、イージークリーンコーティングでのコーティングのための基材要素(11、12、13)の製法

請求項25

支持材料(2)上での接着促進剤前駆層の熱固化及び接着促進剤前駆層の接着促進剤層(5、31、41)への変換は、支持材料の軟化温度より低い、殊に、550℃より低い、有利に350〜500℃、特に有利に400〜500℃の基材表面温度で行われる、請求項24に記載の基材要素(11、12、13)の製法。

請求項26

接着促進剤前駆層の熱固化及び接着促進剤前駆層の接着促進剤層(5、31、41)への変換の前に、有利に300℃より低い温度で、特に有利に200℃より低い温度で、接着促進剤前駆層の乾燥を先行させる、請求項24又は25に記載の基材要素(11、12、13)の製法。

請求項27

接着促進剤前駆層の熱固化及び接着促進剤前駆層の接着促進剤層(5、31、41)への変換に続いて、殊に火炎熱分解による接着促進剤層(5、31、41)上の外層(6)の塗布を後続させ、この際、外層(6)は、有利に酸化珪素から又は珪素混合酸化物から成り、かつこの外層は、粒状層又は多孔層であり、従って、そうして得られる基材要素に、イージークリーンコーティングを、噴霧法、浸漬法、払拭法又は印刷法によって直接塗布可能である、請求項24から26までのいずれか1項に記載の基材要素(12)の製法。

請求項28

1層(5)又は少なくとも2層の最上層(31、41)は、混合酸化物、有利に珪素混合酸化物、特に有利に少なくとも1種の元素アルミニウム、錫、マグネシウム、燐、セリウム、ジルコニウム、チタン、セシウム、バリウム、ストロンチウム、ニオブ、亜鉛、硼素の酸化物及び/又は弗化マグネシウムと混合した酸化珪素を包含する接着促進剤層である、殊にガラス又はガラスセラミックからの支持プレート(2)及び1層(5)から又は少なくとも2層(31、32、33、41、42)から成る反射防止コーティング(3、4、5)を包含する請求項1から27までのいずれか1項に記載の基材要素(11、12、13)の、イージークリーンコーティングでの、殊に弗素有機化合物又はナノ層系でのコーティングのための使用。

請求項29

接着促進剤層(5、31、41)上に外層(6)を配置させ、かつこの外層は粒状層又は多孔層であり、かつ殊に酸化珪素又は珪素混合酸化物から成る、イージークリーンコーティングでの、殊に弗素有機化合物での又はナノ層系でのコーティングのための、請求項28に記載の基材要素(11、12、13)の使用。

請求項30

破壊性又はコントラスト低減性反射の回避のための、カバーとしての、モニター又はディスプレイフロントスクリーンディスプレイスクリーンとしての、有利に3Dディスプレイ又はフレキシブルディスプレイとしての、内部建築範囲及び外部建築範囲におけるスクリーンとしての、例えば、ディスプレイウインドー、画像、陳列ケースカウンター冷凍ユニットガラス板又は清浄するには接近が困難なガラス板、オーブンフロントスクリーンとしての、装飾ガラス要素としての、殊に汚れの危険の比較的高い露出範囲での、例えば、台所浴室又は実験室、又は太陽光モジュールのカバーとしての、請求項1から23までのいずれか1項に記載の、イージークリーンコーティングでコーティングされた基材要素(11、12、13)の使用。

請求項31

破壊性又はコントラスト低減性反射の回避のための、殊にタッチ機能として、特に有利に抵抗方式容量方式光学方式赤外線又は表面弾性波方式により作用されるタッチ技術で構成されている対話型入力要素のための基材としての、殊にタッチスクリーン機能を有するディスプレイスクリーンとしての、特に有利にシングルタッチディスプレイ、デュアルタッチディスプレイ又はマルチタッチディスプレイとしての、請求項1から23までのいずれか1項に記載の、イージークリーンコーティングでコーティングされた基材要素(11、12、13)の使用。

請求項32

破壊性又はコントラスト低減性反射の回避のための、複合要素内での中間空域との1面以上の界面での反射が、光学的に適合した接合によって回避される、複合要素中の基材としての、請求項1から23までのいずれか1項に記載のイージークリーンコーティングでコーティングされた基材要素(11、12、13)の使用。

請求項33

請求項1から27までのいずれか1項に記載の基材要素を含有する表示要素又は操作要素を有する装置。

技術分野

0001

本発明は、支持プレート及び支持プレート上に配置された反射防止コーティング包含する、イージークリーンコーティング(Easy-to-clean)でのコーティングのための基材要素に関し、この際、反射防止コーティングの最上層は、イージークリーンコーティングと相互作用をすることに好適である接着促進剤層である。更に、本発明は、そのような基材要素の製法及びそのような基材要素の使用に関する。

背景技術

0002

表面、殊に透明な材料、例えば、ガラス又はガラスセラミックの処理は、特に接触画像スクリーン又はセンサー画像スクリーン(タッチスクリーン)の急速に成長する市場に基づき、例えば、対話式入力でのタッチパネルアプリケーションの範囲でますます重要性増してきている。この際、接触面は、例えば、マルチタッチアプリケーションの範囲で増々高められる透明性及び機能性の要求を達成しなければならない。タッチスクリーンは、スマートホンの操作として、銀行自動装置ATM又は、例えば、時刻表情報のための情報モニターとして使用される。更に、タッチスクリーンは、例えば、ゲームマシーンで、又は工業における機械操作工業用PCs)にも使用される。画像スクリーン作業場には、画像スクリーンは反射及び反映を有してはならないという欧州のディスプレイ画面指令90/270/EWGにおける画像スクリーン操作条例が既に要求される。透明なガラス表面又はガラスセラミック表面の処理は、全てのカバープレート、しかし特に携帯用電子製品のカバープレート、例えば、ノートブック型ラップトップコンピューター腕時計又は携帯電話のディスプレイの焦点になる。しかし、例えば、冷凍ユニットショーウィンドウカウンター又はショーケースのガラス表面又はガラスセラミック表面にも、表面処理はますます重要である。従って、全ての適用で、良好で衛生的な機能で、高い清浄労力をかけずに、高い美的作用を有する良好な透明性を保証することが問題であり、このことは、例えば、指紋汚れ及び残渣よって損なわれる。

0003

表面処理は、例えば、グレアフリーディスク、例えば、アンチグレアスクリーンで公知であるガラス表面のエッチングである。しかしこの場合、透明度及び解像度の高い損失が欠点であり、それというのも、構造化された表面に基づき、表示画面で観察者に対する機器撮像光破壊されかつ散乱されるからである。高い解像度を達成するために、イージークリーンコーティングでの表面のコーティングの範囲で他の解決可能性が探究される。

0004

この際、特にタッチスクリーンのために要求される特性の最前線に、殊にマルチタッチアップリケーションのために平滑であるべき接触表面の触覚的及び触感知覚可能性がある。この際、実際には、利用者による触覚が問題であり、測定可能粗度は問題が少ない。更に、最前線には、僅少反射行動での高い透明度、高い防汚性及び清浄しやすさ、特に利用後及び多くの清浄サイクル後のイージークリーンコーティングの長期耐久性、例えば、入力ピンの使用時での耐引掻き性及び耐摩耗性、塩及び脂肪を含む指のによる化学的負荷に対する耐性及び同様に気候負荷及びUV負荷でのコーティングの耐久性がある。イージークリーン作用は、環境により又は同様に自然使用により表面に達する汚れが容易に再び除去されるように、又はしかし、よごれが表面に付着残存しないような状態であるように配慮する。この場合には、イージークリーン表面は、例えば、指紋による汚れがほとんどもはや可視不可能であり、かつ従って清浄しなくても使用表面は清浄に見えるという特性を有する。この場合は、イージークリーン表面の特例としての場合では、耐指紋表面である。接触面は、例えば、利用者による使用の際に、指紋の残渣から生じる水付着物、塩付着物及び脂肪付着物に対して耐性であるべきである。接触面の湿潤性は、表面が、疎水性でもあり、疎油性でもあるようでなければならない。

0005

大抵の公知のイージークリーンコーティングは、実際に、水に対する高い接触角を有する弗素有機化合物である。即ち、DE19848591は、そのような保護層の製造のために、担体液中の弗素有機化合物からの液体物質系の形の式 Rf‐V の弗素有機化合物の使用を記載していて、この際、式 Rf‐V 中、Rfは、部分的又は完全に弗素化されていて、かつ直鎖、分枝鎖又は環状で存在していてよい脂肪族炭化水素を表わし、この際、炭化水素基は、1個以上の酸素原子窒素原子又は硫黄原子によって遮断されていてよい。Vは、極性又は双極性の基を表わし、これは‐COOR、‐COR、‐COF、‐CH2OR、‐OCOR、‐CONR2、‐CN、‐CONH‐NR2、‐CON=C(NH2)2、‐CH=NOR、‐NRCONR2、‐NR2COR、NRw、‐SO3R、‐OSO2R、‐OH、‐SH、≡B、‐OP(OH)2、‐OPO(OH)2、‐OP(ONH4)2、‐OPO(ONH4)2、‐CO-CH=CH2から選択され、この際、基V中のRは、同じ又は異なっていてよく、水素フェニル基又は12個まで、有利に8個までの炭素原子を有する、部分的又は完全に弗素化又はクロロ弗素化されていてよい直鎖又は分枝鎖のアルキル基又はアルキルエーテル基を表わし、かつwは、2又は3であり、又は‐Rv-V-を表わす。式 ‐Rv-V- 中、Vは、前記の極性又は双極性の基を表わし、かつRvは、1〜12個まで、有利に8個までの炭素原子を有する、部分的又は完全に弗素化又はクロロ弗素化されていてよい直鎖又は分枝鎖のアルキルレン基を表わす。

0006

更に、EP0844265は、表面に十分で長く持続する防汚性、十分な耐候性滑性抗付着性撥水性及び油汚れ及び指紋に対する抵抗性を与えるために、金属材料ガラス材料及びプラスチック材料のような基材表面のコーティングのための、珪素を含む有機フルオルポリマーを記載している。更に、珪素を含有する有機フルオルポリマー、弗素を含有する有機溶剤及びシラン化合物を包含する、表面処理法のための処理溶液を挙げている。そのような有機フルオルポリマーでのコーティングのための基材表面の適合性については何ら示されていない。

0007

US2010/0279068は、耐指紋コーティングとして、フルオルポリマー又はフルオルシランを記載している。この関連では、既にUS2010/0279068は、耐指紋コーティングのために要求された表面特性を得るために、表面のコーティングがそのようなコーティングだけでは不十分であることを示している。US2010/0279068は、問題の解決のために、ガラス製品の表面に構造を刻み込むこと又はこれに粒子押圧することを提示している。耐指紋コーティングでのコーティングのための表面のそのような表面の製造は、極めて煩雑で経費が掛かり、かつ必要な熱処理に基づく不所望な応力がガラス製品に生じる。

0008

US2010/0285272は、耐指紋コーティングとして、僅少な表面張力を有するポリマー又はオリゴマー、例えば、フルオルポリマー又はフルオルシランを記載している。耐指紋コーティングでのコーティングのための表面の製造のために、ガラス表面をサンドブラストし、かつその上に物理的又は化学的蒸着法により、金属又は金属酸化物、例えば、酸化錫酸化亜鉛酸化セリウムアルミニウム又はジルコニウムを施すことが提示されている。更に、耐指紋コーティングのための表面の製造のために、スパッタされた金属酸化物膜をエッチングし、又は蒸着された金属膜陽極酸化させることが提示されている。2つのトポロジカル平面を有する段階的表面構造が製造されるということである。この場合、耐指紋コーティングはもう1つの段階的トポロジカル構造を包含する。この方法も煩雑で経費が掛かり、その他の必要な特性を十分に考慮することなく、構築された表面によるポリマーの機械的固着での疎水性及び疎油性の表面が単に得られるだけである。

0009

US2009/0197048は、カバーガラスに一程度の疎水性及び疎油性を与え、従ってガラス表面と水及び油との湿潤を最少にさせるフルオル末端基、例えば、ペルフルオル炭素基又はペルフルオル炭素含有基を有する外側コーティングの形のカバーガラス上の耐指紋コーティング又はイージークリーンコーティングを記載している。ガラス表面上へのこの層の塗布のために、ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオンの代わりに、殊にカリウムイオンを入れることによって、表面を化学的にイオン交換により硬化させることが提示されている。更に、カバーガラスは、耐指紋コーティング又はイージークリーンコーティングの下に、二酸化珪素石英ガラス、フルオル添加二酸化珪素、フルオル添加石英ガラス、MgF2、HfO2、TiO2、ZrO2、Y2O3又はGd2O3からの反射防止層を含有することができる。また、ガラス表面上に、耐指紋コーティングの前に、エッチング、リトグラフィー又は粒子コーティングにより、テクスチャー又はパターンを生じさせることも提示されている。ガラス表面を、イオン交換による硬化後に、耐指紋コーティングの前に、酸処理することも提示されている。これらの方法も同様に煩雑であり、要求される特性の全体に満足するイージークリーンコーティングは得られない。

0010

EP2103965A1は、同時に、もう1種の特別なコーティング無しで、耐指紋性を有するという反射防止を記載している。ガラス基材又はプラスチック基材上に、少なくとも1種の元素錫、ガリウム又はセリウム酸化物及び酸化インジウムを含有する第1高屈折率層、銀及びパラジウムからの金属からの第2層、第1高屈折率層に相応する第3層、及び最上の第4層として二酸化珪素、弗化マグネシウム又は弗化カリウムから成る低屈折率層が塗布されている。これらの層は各々スパッタリングされる。しかし、そのようなコーティングからは、要求される特性の全体を満足させるイージークリーンコーティングは得られない。

0011

同様に、US5847876は、同時に、もう1種の特別なコーティング無しで、耐指紋性を有するという反射防止層を記載している。ガラス基材上にAl2O3からの第1高屈折率層及びMgF2からの第二低屈折率層が塗布される。しかし、そのようなコーティングからは、要求される特性の全体を満足させるイージークリーンコーティングは得られない。

0012

殊に、公知技術水準によるそのようなイージークリーン層の欠点は、層の限定された長期耐久性であり、従って、化学的及び物理的攻撃により、イージークリーン特性の急速な減少が認められる。この欠点は、イージークリーンコーティングの種類に依存するばかりでなく、それを載せる基材表面の種類にも依存する。

先行技術

0013

DE19848591
EP0844265
US2010/0279068
US2010/0285272
US2009/0197048
EP2103965A1
US5847876

発明が解決しようとする課題

0014

従って、本発明の課題は、イージークリーンコーティングの特性が改善され、かつ接触面が十分に要求される特性を有するように、多数のイージークリーンコーティングと相互作用することに好適である特別な表面を有する、強く反射を低減させる基材要素を製造することであり、かつこの際、そのような基材の製造は経費的に有利でありかつ簡単である。

課題を解決するための手段

0015

本発明は、この課題を驚異的に簡単な方法で、請求項1、請求項24、請求項28及び請求項30〜33に記載の特徴で解明する。本発明の更なる有利な実施態様は、従属請求項2〜23、25〜27及び29に記載されている。

図面の簡単な説明

0016

図1は、本発明による基材要素の有利な1実施態様を示す。
図2は、本発明による基材要素のもう一つの有利な実施態様を示す。
図3は、本発明による基材要素のもう一つの有利な実施態様を示す。

0017

本発明者は、全ての要求された特性を満足させるイージークリーンコーティングのために、コーティングされるべき基材要素上に、特殊な接着促進剤層を製造するべきであることを確認した。この接着促進剤層は、混合酸化物から成りかつ後に塗布されるべきイージークリーンコーティングと相互作用をすべき特性を有する、反射防止コーティングの最上層として、支持基材上に配置される。

0018

相互作用は、本発明による基材の接着促進剤層と後に塗布されるべきイージークリーンコーティングとの間の化学結合、殊に共有結合であり、これはイージークリーンコーティングの長期耐久性を高めるように作用する。

0019

"イージークリーン(ETC)コーティング"、例えば、殊に"耐指紋(AFP)コーティング"とは、高い防汚性を有し、易洗浄性でありかつアンチグラフティ作用も示し得るコーティングが解される。そのようなイージークリーンコーティングの材料表面は、沈着物、例えば、指紋のそれ、例えば、液体、塩、脂肪、汚れ及び他の物質に対する耐性を示す。この耐性は、そのような沈着物に対する化学的耐性にも、そのような沈着物に対する僅少な湿潤性にも関連する。更に、利用者による接触での指紋出現の抑止、回避又は減少に関連する。指紋は、特に、塩、アミノ酸及び脂肪、例えば、タルク、汗、死んだ皮膚細胞の残渣、化粧品及びローション及び、事情により、様々な種類の液体又は粒子の形の汚れのような物質を含有する。

0020

従って、そのようなイージークリーンコーティングは、塩を含む水に対しても、脂肪沈着物及び油沈着物に対しても耐性であり、かつこれら双方に対する僅少な湿潤性を有するべきである。塩水噴霧試験での高い耐性に特に注目すべきである。イージークリーンコーティングを有する表面の湿潤性は、表面が疎水性も有し、即ち、表面と水との間の接触角が90°よりも大きく、疎油性も有し、即ち、表面と油の間の接触角が50°よりも大きいようでなければならない。

0021

殊に公知技術水準による解明は、接触角の上昇のために、いわゆる、ロータス効果(Lotus-Effekt)を利用する。この際、表面の二重構造が根底にあり、それによって、接触面、従って、表面とその上にある粒子及び水滴の間の接着力が減少される。この二重構造は、約10〜20マイクロメーターの範囲の特徴的に形成された表面構造及びその上に塗布されたイージークリーンコーティングから形成される。固体粗面上での液体の湿潤性は、低い接触角についてはヴェンツェルモデル(Wenzel-Modell)で、又は高い接触角についてはキャシーバクスターモデル(Cassie-Baxter Modell)で記載されていて、例えば、US2010/0285272が詳説している。この構造的効果に対して、本発明は、化学的に基づく方法で課題を解決する。

0022

有利な1実施態様で、接着促進剤層は、反射防止コーティングの最上積層又は層として、液相コーティング、殊に熱的に固化されるゾルゲル層である。しかし、接着促進剤層は、CVDコーティング(プラズマ強化化学蒸着による層塗布)であってもよく、これは、例えば、PECVD、PICVD、低圧CVD又は大気圧での化学蒸着によって製造される。しかし、接着促進剤層は、PVDコーティング(プラズマ強化の物理蒸着による層塗布)であってもよく、これは、例えば、スパッタリング、熱蒸発レーザービーム蒸発、電子ビーム蒸発又は光アーク蒸発によって製造される。しかし、接着促進剤層は、火炎熱分解層であってもよい。

0023

この際、珪素混合酸化物層が重要であり、この際、混合物は、有利に、少なくとも1種の元素アルミニウム、錫、マグネシウム、燐、セリウム、ジルコニウム、チタンセシウムバリウムストロンチウムニオブ亜鉛硼素の酸化物及び/又は弗化マグネシウムであり、この際、有利に少なくとも1種の元素アルミニウムの酸化物が含有されている。

0024

本発明の意における酸化珪素とは、一酸化珪素及び二酸化珪素の間の各酸化珪素のことである。本発明の意における珪素は、金属として及び半金属として解される。珪素混合酸化物は、酸化珪素と少なくとも1種の他の元素の酸化物とからの混合物であり、これは均一又は不均一、化学量論的又は非化学量論的であってよい。

0025

そのような接着促進剤層は、1nmより大きい、有利に10nmより大きい、特に有利に20nmより大きい層厚を有する。この際、イージークリーンコーティングとの相互作用の深さを考慮して、層の接着促進剤機能が十分に使用され得ることが有意である。更に、層厚は、反射防止コーティングのその他の層の厚さと相互作用をするので、光の反射の最も広汎な軽減が得られる。接着促進剤層の厚さにおける上限は、それが、反射防止コーティングの最上層の少なくとも部分として、全層の反射防止作用に関与する、又は反射防止コーティングの全パケットの反射防止作用に貢献するという条件から生じる。

0026

そのような接着促進剤層は、1.35〜1.7の範囲、有利に1.35〜1.6の範囲、特に有利に1.35〜1.56の範囲の屈折率を有する(参照波長588nmで)。

0027

本発明の意における反射防止層とは、電磁波の可視、紫外及び/又は赤外スペクトルの少なくとも一分部で、この層で被覆された支持材料の表面での反射能の軽減を作用する層が解される。それによって、電磁放射線透過部分が高められる。

0028

反射防止コーティングとして、原則的に全ての公知のコーティングが使用され得る。本発明により、最上層が変性されている。そのような反射防止コーティングは、印刷技術、噴霧技術又は蒸着法により、有利に液相コーティングにより、特に有利にソルゲル法によっても塗布され得る。反射防止コーティングはCVDコーティングによっても塗布されることができ、これは、例えば、PECVD、PICVD、低圧CVD又は大気圧での化学的蒸着であってよい。反射防止コーティングはPVDコーティングによっても塗布されることができ、これは、例えば、スパッタリング、熱蒸着、レーザービーム蒸発、電子ビーム蒸発又は光アーク蒸発であってよい。

0029

接着促進剤層及び反射防止コーティングのその他の層は、様々な方法の組み合わせによっても製造されている。即ち、有利な実施は、反射防止層が、場合により、層パケットにおける空気側に向かう最上層無しに、スパッタリングによって塗布され、接着促進剤層が、設計コーティングにおける最上層として、ゾルゲル法により塗布される。

0030

反射防止コーティングの層は、任意の設計を有し得る。中屈折率高屈折率及び低屈折率層からの、殊に三層を有する交代層が特に有利であり、この際、最上の接着促進剤層が低屈折率層である。更に、高屈折率層及び低屈折率層からの、殊に4又は6層を有する交代層も有利であり、この際、最上接着促進剤層は再び低屈折率層である。更なる実施態様は、単層反射防止系、又は1層以上の層が光学的に不活性の極めて薄い中間層で割り込みされている設計層である。少なくとも空気に向う側に接着性を有する本発明による接着促進剤層は、その下にある層とは異なった組成近似的に同じ屈折率で、全体に反射防止系の光学的反射低減性の外層を生じさせるために有することもできる。

0031

全体設計において、反射防止コーティングを、先ず不完全な反射防止層パケットとして実施することもでき、これは、接着促進剤層及び場合により後にイージークリーンコーティングを有する補完性のコーティングによって、反射防止層パケットが光学的に完全にされるように適合されている。

0032

反射防止コーティングを、1層以上の単相の厚さにおいて、イージークリーンコーティングでの後続の基材要素コーティングによって、スペクトル範囲での完全な所望の反射防止が達成されるように変えて、有利に減らして実施することもできる。この際、全コーティングパケットの部分としてのETC層の光学的作用が考慮される。

0033

有利な1実施態様は、熱固化ゾルゲルコーティングの形の反射防止コーティングであり、この際、最上層は接着促進剤層を形成する。

0034

もう1つの実施態様は、光学的に不活性の又は殆ど不活性の層として、1層以上の層の反射防止層系上に置かれる、同様に本発明による接着促進剤層である。この接着促進剤層の層厚は、通例10nmよりも少なく、有利に8nmよりも少なく、特に有利に6nmよりも少ない。

0035

もう1つの実施態様で、本発明による接着促進剤層は、それ自体単相として、又は1層以上の中間層で割り込みされた層として、同様に反射防止層を形成する。これは、接着促進剤層の屈折率が支持基材の表面材料、例えば、より高い屈折率を有する又は電導性コーティングを有する相応するガラス、例えば、ITO(インジウム‐酸化錫)でコーティングされたガラスの屈折率よりも少ない場合である。

0036

本発明による接着促進剤層は、有利にゾルゲル法で塗布され、又は化学的又は物理的蒸着法、殊にスパッタリングによっても塗布され得る。

0037

本発明の大きな利点は、基材がガラスから成る又はガラスを包含する場合に、これをコーティング後もなお熱的にプレストレストさせ、従って熱硬化させることもでき、それによってコーティングは著しい障害を受けないことである。少なくともガラスの硬化すべき範囲を、ガラス厚に依り、例えば、約2分間〜6分間、有利に4分間に渡り、約600℃〜約750℃の温度に、有利に約670℃の温度にすることによって有利に熱硬化させる。

0038

支持材料の表面の活性化をゾルゲル層の塗布の前に行う場合には、それによって、塗布される層の接着能を改善することができる。処理は洗浄過程により有利に行われ、又はコロナ放電火炎処理UV処理プラズマ活性化及び/又は機械的方法、例えば、粗面化、サンドブラスト、及び/又は化学的方法、例えば、エッチングによる活性化として行なうこともできる。

0039

反射防止コーティングは、様々な屈折率を有する多数の単層から成ってよい。そのようなコーティングは、特に反射防止層として作用し、この際、最上層は低屈折率層であり、かつ本発明による接着促進剤層を形成する。

0040

1実施態様で、反射防止コーティングは、高屈折率層及び低屈折率層の交代から成る。この層系は、少なくとも2層、しかし同様に4層、6層及びそれ以上の層を有する。中間層系の場合には、第1高屈折率層Tが支持材料に境を接し、かつその上に塗布された低屈折率層Sは、本発明による接着促進剤層を形成する。高屈折率層Tは、殆ど酸化チタンTiO2を包含するが、酸化ニオブNb2O5、酸化タンタルTa2O5、酸化セリウムCeO2、酸化ハフニウムHfO2及び酸化チタン又は相互とのその混合物も包含する。低屈折率層Sは、有利に珪素混合酸化物、殊に少なくとも1種の元素アルミニウム、錫、マグネシウム、燐、セリウム、ジルコニウム、チタン、セシウム、バリウム、ストロンチウム、ニオブ、亜鉛、硼素の酸化物と、又は弗化マグネシウムと混合した酸化珪素を包含し、この際、少なくとも1種の元素アルミニウムの酸化物を含有していることが有利である。そのような単層の屈折率は、参照波長588nmで、次の範囲にある:高屈折率層T1.7〜2.3、有利に2.05〜2.15及び低屈折率層S1.35〜1.7、有利に1.38〜1.60、特に有利に1.38〜1.58、殊に1.38〜1.56。

0041

もう1つの特に有利な実施態様で、反射防止コーティングは、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層の変更から成る。この層系は、少なくとも3層を有するが、5以上の層も有する。3層系の場合には、そのような層は可視スペクトル範囲の反射防止コーティングを包含する。この際、次の単層構成を有する3層からの干渉フィルターが重要である:
支持材料/M/T/S、この際、Mは中屈折率層、Tは高屈折率層及びSは低屈折率層を表示する。中屈折率層Mは、酸化珪素及び酸化チタンからの大抵は1種の混合酸化物層を包含するが、酸化アルミニウムも使用される。高屈折率層Tは、大抵は酸化チタンを包含し、かつ低屈折率層Sは、珪素混合酸化物、殊に少なくとも1種の元素アルミニウム、錫、マグネシウム、燐、セリウム、ジルコニウム、チタン、セシウム、バリウム、ストロンチウム、ニオブ、亜鉛、硼素の酸化物と、又は弗化マグネシウムと混合した酸化珪素を包含し、この際、少なくとも1種の元素アルミニウムの酸化物を含有することが有利である。そのような単層の屈折率は、参照波長588nmで、次の範囲にある:中屈折率層M1.6〜1.8、有利に1.65〜1.75、高屈折率層T1.9〜2.3、有利に2.05〜2.15及び低屈折率層S1.38〜1.56、有利に1.42〜1.50。そのような単層の厚さは、通例、中屈折率層Mについては30〜60nm、有利に35〜50nm、特に有利に40〜46nmであり、高屈折率層Tについては、90〜125nm、有利に100〜115nm、特に有利に105〜111であり、かつ低屈折率層Sについては、70〜105nm、有利に80〜100nm、特に有利に85〜91nmである。

0042

様々な屈折率を有する数層の単層からのコーティング構成を有する本発明のもう1つの有利な実施態様で、反射防止コーティングの単層は、UV耐性及び温度耐性無機物質及び次の無機酸化物群からの1種以上の物質又は混合物を包含する:酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化セリウム、酸化ハフニウム、酸化珪素、弗化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム。殊にそのようなコーティングは少なくとも4層の単層を有する干渉層系を有する。

0043

もう1つの実施態様で、そのようなコーティングは、次の層構成を有する少なくとも5層の単層を有する干渉層系を包含する:
支持材料/M1/T1/M2/T2/S、この際、M1及びM2は各々中屈折率を有する層を表示し、T1及びT2は高屈折率を有する層を表示し、かつSは低屈折率を有する層を表示する。中屈折率層Mは、酸化珪素及び酸化チタンからの少なくとも1種の混合酸化物層を包含するが、酸化アルミニウム又は酸化ジルコニウムも使用される。高屈折率層Tは、大抵は酸化チタンを包含するが、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化セリウム、酸化ハフニウム、及び酸化チタン又は相互とのその混合物も包含する。低屈折率層Sは、珪素混合酸化物、殊に少なくとも1種の元素アルミニウム、錫、マグネシウム、燐、セリウム、ジルコニウム、チタン、セシウム、バリウム、ストロンチウム、ニオブ、亜鉛、硼素の酸化物と、又は弗化マグネシウムと混合した酸化珪素を包含し、この際、少なくとも1種の元素アルミニウムの酸化物を含有することが有利である。そのような単層の屈折率は、参照波長588nmで、中屈折率層M1、M2については1.6〜1.8の範囲で、高屈折率層T1、T2については1.9以上の範囲で、かつ低屈折率層Sについては1.58以下である。そのような層の厚さは、通例、層M1については70〜100nm、層T1については30〜70nm、層M2については20〜40nmであり、層T2については30〜50nmであり、かつ層Sについては90〜110nmである。

0044

少なくとも4層の単層から、殊に5層の単層からのそのようなコーティングは、EP1248959B1"UV-reflektierendes Interferenzschichtsystem"に記載されていて、開示内容は完全にこれに引用されかつその開示は本出願の構成要素である。

0045

本発明の課題は、ここで提示された系と異なっている、様々なM層、T層及びS層の組み合わせにより反射防止系を実現することができる更なる層系である。本発明の意において、空気側に向かう層が常に本発明による接着促進剤層でありかつETC物質に対する結合作用が、この層によって影響されるという特性をもって、基材物質に対して、少なくともスペクトル範囲での光学的反射の低減を達成する、全ての反射低減層系が容認されるべきである。

0046

本発明の1実施態様で、基材要素の少なくとも1表面は、接着促進剤層で被覆され、有利にその場合には極めて薄くかつ光学的に非活性又は殆ど非活性である単層からの反射防止コーティングを包含する。この実施で1層からなる反射防止コーティングは、場合により更に、光学的に殆ど非活性の極めて薄い中間層によって割り込みされていてよい低屈折率層である。そのような中間層の厚さは、0.3〜10nm、有利に1〜3nm、特に有利に1.5〜2.5nmである。接着促進剤層は、この実施では、10nmよりも少なく、有利に8nmよりも少なく、特に有利に6nmよりも少ない層厚を有する低屈折率層である。これは、珪素混合酸化物、殊に少なくとも1種の元素アルミニウム、錫、マグネシウム、燐、セリウム、ジルコニウム、チタン、セシウム、バリウム、ストロンチウム、ニオブ、亜鉛、硼素の酸化物と、又は弗化マグネシウムと混合した酸化珪素から成り、この際、少なくとも1種の元素アルミニウムの酸化物を含有することが有利である。

0047

反射防止層は、マグネシウムフルオライト層又はマグネシウムフルオライト珪素混合酸化物層の多孔性単層反射防止系から成ってよい。殊に単層反射防止系は多孔性ゾルゲル層であってよい。特に良好な反射防止性は、殊に単層反射防止層では、孔の体積分率が反射防止層の全体積の10%〜60%である場合に得られ得る。そのような多孔性反射防止単層は、屈折率を1.2〜1.38、有利に1.2〜1.35、有利に1.2〜1.30、有利に1.25〜1.38、有利に1.28〜1.38(参照波長588nmで)の範囲で有する。屈折率は、特に多孔率に依存している。

0048

この多孔性単層反射防止コーティングは、接着促進剤層として直接使用することもできる。各例で、これは少なくとも空気側に向いた表面範囲で、イージークリーンコーティングの長期耐久性が達成されるようにイージークリーンコーティングと相互作用をし得る混合酸化物を包含する。

0049

本発明のもう1つの実施態様で、単層反射防止コーティングは、金属混合酸化物、有利に珪素混合酸化物、殊に少なくとも1種の元素アルミニウム、錫、マグネシウム、燐、セリウム、ジルコニウム、チタン、セシウム、バリウム、ストロンチウム、ニオブ、亜鉛、硼素の酸化物と、又は弗化マグネシウムと混合した酸化珪素を包含し、この際、少なくとも1種の元素アルミニウムの酸化物を含有することが有利である。この単層反射防止コーティングは、同時に接着促進剤層である。珪素アルミニウム混合酸化物層の場合には、混合酸化物中のアルミニウム対珪素のモル比は、約3%〜約30%、有利に約5%〜約20%、特に有利に約7%〜約12%である。この反射防止単層は、屈折率を、1.35〜1.7の範囲で、有利に1.35〜1.6の範囲で、特に有利に1.35〜1.56の範囲で(参照波長588nmで)有する。

0050

単層からの反射防止コーティングのこの実施は、支持材料が相応により高い屈折率を有し、従って、単層の反射防止作用が発展し得る使用に限る。反射防止コーティングは、単層として、接着促進剤層でありかつ支持材料又は支持材料表面積の屈折率の平方根±10%、有利に±5%、特に有利に±2%に相応する屈折率を有する層から成る。反射防止コーティングは、選択的に、光学的に殆ど非活性の接着促進剤層で被覆されていてよい。

0051

高屈折率支持材料上のそのようなコーティングは、例えば、LED適用の改善された光出力結合に、又は光学ガラス眼鏡又は他の適用に好適である。

0052

反射防止層が、殊に空気に向かう最上層において、約2nm〜約20nm、有利に約5nm〜約10nm、特に有利に約8nmの粒度を有する多孔性ナノ粒子を含有する場合が有利である。多孔性ナノ粒子は有利に酸化珪素及び酸化アルミニウムを包含する。セラミックナノ粒子の混合酸化物中のアルミニウム対珪素のモル比が、約1:4.0〜約1:20、特に有利に約1:6.6である場合に、従って、珪素アルミニウム混合酸化物が、組成(SiO2)1-x(Al2O3)x/2(ここで、x=0.05〜0.25、有利に0.15)を包含する場合に、コーティングは特に高い機械的及び化学的耐性を有する。同様に接着促進剤層は多孔性ナノ粒子を含有することができる。約2nm〜約20nm、有利に約5nm〜約10nm、特に有利に約8nmの粒度を有する多孔性ナノ粒子をもって、散乱による層又は層系の透過性及び反射性が少しだけ損なわれることが有利に達成される。

0053

1実施態様で、反射防止層と支持材料との間に、少なくとも1バリヤー層が配置されていて、この際、バリヤー層は、殊にナトリウムバリヤー層として構成されている。そのようなバリヤー層の厚さは、3〜100nm、有利に5〜50nm及び特に有利に10〜35nmの範囲にある。バリヤー層は有利に金属酸化物及び/又は半金属酸化物を包含する。殊に、バリヤー層は実際に酸化珪素及び/又は酸化チタン及び/又は酸化錫から形成される。そのようなバリヤー層の塗布は、火炎熱分解法、物理的方法(PVD)法又は化学的蒸着(CVD)又はゾルゲル法によっても行われる。そのようなバリヤー層は、有利に実際にガラス層として構成されている。バリヤー層を有するそのような単層は、DE102007058927.3"Substrat mit einer Sol-Gel-Schicht und Verfahren zur Herstellung eines Verbundmaterials"に、及びDE102007058926.5"Solarglas und Verfahren zur Herstellung eines Solarglases"に記載されていて、開示内容は完全にこれに引用されかつその開示は本出願の構成要素である。バリヤー層は支持基材上で反射防止層の安定した結合を作用する。

0054

更に本発明の成分は、1層以上の層が1層以上の極めて薄い光学的に非活性の又は殆ど非活性の中間層によって互いに分けられている層系である。これは、特に層内部での応力回避に用いられる。例えば、殊に接着促進剤層として用いられる低屈折率混合酸化物最上層は、1層以上の純粋な酸化珪素中間層によって分けられていてよい。しかし、高屈折率層又は中屈折率層も分けられ得る。各例で、屈折率は、部分層及び1層以上の中間層が殆ど同じ屈折率を有するように適応されている。そのような中間層の厚さは、0.3〜10nm、有利に1〜3nm、特に有利に1.5〜2.5nmである。

0055

1実施態様で、接着促進剤層は外層を備えていてよい。そのような外層は、外層を通過して接着促進剤層及びイージークリーン層の間の相互作用、即ち、接着促進剤層及び後に塗布されるべきイージークリーンコーティングの間の化学的、殊に共有結合が十分に可能であるように形成されているべきである。このような層は、例えば、多孔性ゾルゲル層又は部分的に透過性の火炎熱分解塗布の薄い酸化物層である。これは、後に塗布可能なイージークリーンコーティングのために、支持的構造付与性であってよい。そのような外層は、粒状又は多孔性の層として実施されていてよい。そのような外層は酸化珪素から製造されることが殊に有利であり、この際、酸化珪素は珪素混合酸化物、殊に少なくとも1種の元素アルミニウム、錫、マグネシウム、燐、セリウム、ジルコニウム、チタン、セシウム、バリウム、ストロンチウム、ニオブ、亜鉛の酸化物又は弗化マグネシウムと混合された酸化珪素であってもよい。そのような外層の製造のために、例えば、火炎熱分解コーティング、他の熱コーティング法、コールドスプレー法又は、例えば、スパッタリング法も好適である。

0056

本発明による接着促進剤層の塗布のための支持材料として、原則的に全ての好適な材料、例えば、金属、プラスチック結晶セラミック又は複合材料が好適である。しかし、ガラス又はガラスセラミックが有利である。この際、その使用のためにプレストレストされているガラスが特に有利に使用される。このガラスは、化学的にイオン交換的に又は熱的にプレストレストされていてよい。殊に、低鉄のソーダ石灰ガラス硼珪酸ガラスアルミノシリケートガラスリチウムアルミニウムシリケートガラス及びガラスセラミックが有利であり、これらは、例えば、ドロー法、例えば、アップドロー法又はダウンドロー法フロート法により、又はキャストガラス又は圧延ガラスから得られる。キャストガラス又は圧延ガラス又はフロートガラスでは、例えば、ディスプレイフロントスクリーンのために必要とされる表面の必要な光学的品質が、研磨技術を介して達成されることは特別なことである。

0057

殊に、0.05質量%よりも少ない、有利に0.03質量%よりも少ないFe2O3含量を有する低鉄又は鉄を含まないガラスを使用することが有利であり、それというのも、このガラスは減少された吸収性を示し、従って、殊に高められた透明性を可能にするからである。

0058

しかし、他の使用のために、グレーガラス又は着色ガラスも有利とされる。支持材料、殊にガラスは透明、半透明又は不透明であってもよい。"ホワイトボード(White Boards)"としての使用の例には、例えば、Schott AG, Mainzが、Opalika(登録商標)で提供する、乳白色に見えるガラスの使用が有利である。

0059

支持材料が石英ガラスである場合に、紫外線スペクトル範囲での優れた光学特性が達成され得る。支持材料として、光学ガラス、例えば、重フリントガラスランタン重フリントガラス、フリントガラス、軽フリントガラスクラウンガラス、硼珪酸クラウンガラス、バリウムクラウンガラス、重クラウンガラス又は弗素クラウンガラスを用いることもできる。

0060

次のガラス組成(質量%で):
SiO2 55〜69
Al2O3 19〜25
Li2O 3〜5
Na2O+K2Oの合計 0〜3
MgO+CaO+SrO+BaOの合計 0〜5
ZnO 0〜4
TiO2 0〜5
ZrO2 0〜3
TiO2+ZrO2+SnO2の合計 2〜6
P2O5 0〜8
F 0〜1
B2O3 0〜2
及び場合により、0〜1質量%の含量の着色酸化物、例えば、Nd2O3、Fe2O3、CoO、NiO、V2O5、Nd2O3、MnO2、TiO2、CuO、CeO2、Cr2O3、希土類酸化物、及び0〜2質量%の含量のリファイニング剤、例えば、As2O3、Sb2O3、SnO2、SO3、Cl、F、CeO2の添加剤を含む、リチウムアルミニウムシリケートガラスを支持材料として有利に使用する。

0061

更に、次のガラス組成(質量%で):
SiO2 40〜80
Al2O3 0〜6
B2O3 0〜5
Li2O+Na2O+K2Oの合計 5〜30
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの合計 5〜30
TiO2+ZrO2の合計 0〜7
P2O5 0〜2
及び場合により、0〜5質量%の含量の着色酸化物、例えば、Nd2O3、Fe2O3、CoO、NiO、V2O5、Nd2O3、MnO2、TiO2、CuO、CeO2、Cr2O3、希土類酸化物又は"黒色ガラス"については0〜15質量%の含量で、及び0〜2質量%の含量のリファイニング剤、例えば、As2O3、Sb2O3、SnO2、SO3、Cl、F、CeO2の添加剤を含む、ソーダ石灰シリケートガラスを支持材料として有利に使用する。

0062

更に、次のガラス組成(質量%で):
SiO2 60〜85
Al2O3 1〜10
B2O3 5〜20
Li2O+Na2O+K2Oの合計 2〜16
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの合計 0〜15
TiO2+ZrO2の合計 0〜5
P2O5 0〜2
及び場合により、0〜5質量%の含量の着色酸化物、例えば、Nd2O3、Fe2O3、CoO、NiO、V2O5、Nd2O3、MnO2、TiO2、CuO、CeO2、Cr2O3、希土類酸化物又は"黒色ガラス"については0〜15質量%の含量で、及び0〜2質量%の含量のリファイニング剤、例えば、As2O3、Sb2O3、SnO2、SO3、Cl、F、CeO2の添加剤を含む、硼珪酸ガラスを支持材料として有利に使用する。

0063

更に、次のガラス組成(質量%で):
SiO2 40〜75
Al2O3 10〜30
B2O3 0〜20
Li2O+Na2O+K2Oの合計 4〜30
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの合計 0〜15
TiO2+ZrO2の合計 0〜15
P2O5 0〜10
及び場合により、0〜5質量%の含量の着色酸化物、例えば、Nd2O3、Fe2O3、CoO、NiO、V2O5、Nd2O3、MnO2、TiO2、CuO、CeO2、Cr2O3、希土類酸化物又は"黒色ガラス"については0〜15質量%の含量で、及び0〜2質量%の含量のリファイニング剤、例えば、As2O3、Sb2O3、SnO2、SO3、Cl、F、CeO2の添加剤を含む、アルカリ金属アルミノシリケートガラスを支持材料として有利に使用する。

0064

更に、次のガラス組成(質量%で):
SiO2 50〜75
Al2O3 7〜25
B2O3 0〜20
Li2O+Na2O+K2Oの合計 0〜0.1
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの合計 5〜25
TiO2+ZrO2の合計 0〜10
P2O5 0〜5
及び場合により、0〜5質量%の含量の着色酸化物、例えば、Nd2O3、Fe2O3、CoO、NiO、V2O5、Nd2O3、MnO2、TiO2、CuO、CeO2、Cr2O3、希土類酸化物又は"黒色ガラス"については0〜15質量%の含量で、及び0〜2質量%の含量のリファイニング剤、例えば、As2O3、Sb2O3、SnO2、SO3、Cl、F、CeO2の添加剤を含む、アルカリ金属不含のアルミノシリケートガラスを支持材料として有利に使用する。

0065

更に、次のガラス組成(質量%で):
SiO2 50〜75
Al2O3 7〜25
B2O3 0〜20
Li2O+Na2O+K2Oの合計 0〜4
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの合計 5〜25
TiO2+ZrO2の合計 0〜10
P2O5 0〜5
及び場合により、0〜5質量%の含量の着色酸化物、例えば、Nd2O3、Fe2O3、CoO、NiO、V2O5、Nd2O3、MnO2、TiO2、CuO、CeO2、Cr2O3、希土類酸化物又は"黒色ガラス"については0〜15質量%の含量で、及び0〜2質量%の含量のリファイニング剤、例えば、As2O3、Sb2O3、SnO2、SO3、Cl、F、CeO2の添加剤を含む、低アルカリ金属アルミノシリケートガラスを支持材料として有利に使用する。

0066

小さな寸法のディスプレイガラス、殊にタッチパネル又はタッチスクリーンでの使用には、基材が、厚さ≦1mmを有する場合及び、殊に極薄基材である場合が有利である。例えば、Schott AG、Mainzが、商標D263、B270、Borofloat、Xensation Cover又はXensation cover 3Dで販売しているような薄ガラス及び極薄ガラスが特に有利である。極薄ガラスは0.02〜1.3mmの厚さを有する。0.03mm、0.05mm、0.07mm、0.1mm、0.145mm、0.175mm、0.21mm、0.3mm、0.4mm、0.55mm、0.7mm、0.9mm、1.1mm、1.2mm又は1.3mmの厚さが有利である。

0067

より大きな面、例えば、1m2よりも大きい面の、タッチパネル又はタッチスクリーンとしてのディスプレイ用のカバースクリーンの使用が意図される場合には、3〜6mmの厚さを有する支持材料を使用することが有利であり、従って、ディスプレイの機械的保護機能が一緒に請け負われる。

0068

支持材料は、単一シートでも複合シートであってもよい。複合シートは、例えば、PVB膜で結合されている、例えば、第1及び第2シートを包含する。複合シートの外向き面のうち、少なくとも1表面に、本発明による接着促進剤層が、反射防止コーティングの最上層として又は反射防止コーティングとして備えられている。例えば、全系で特に低い反射及び従って高い画像コントラストベルが達成される、ディスプレイの偏光板上へのダイレクトラミネーションの適用が特に有利である。

0069

支持材料の表面は、良好な触覚効果を満たすために、表面特性の要求に従って、研磨され得る又は表面構造化、例えば、エッチングされ得る。1実施で、反射防止層をアンチグレア層と組み合わせて使用することができる。反射防止層及びその上に塗布されるイージークリーン層は、ETC特性、AFP特性及び反射防止特性、殊にその長期耐久性を保持しながら、アンチグレア層の粗面性を得る。

0070

更に、支持材料として、部分的鏡面又は完全鏡面も好適である。この際、長期耐久性イージークリーンコーティング又は耐指紋性コーティングの作用が特に有効になる。

0071

更に、支持材料の表面は、耐引掻性コーティング、例えば、亜硝酸珪素コーティングを有することもできる。

0072

更に、支持材料、殊に支持材料表面は、例えば、様々な使用のために、例えば、容量的作動のタッチスクリーンで有利である、電導性コーティングを有することもできる。そのようなコーティングは、特に1種以上の金属酸化物、例えば、ZnO:Al、ZnO:B、ZnO:Ga、ZnO:F、SnOx:F、SnOx:Sb及びITO(In2O3:SnO2)を有するコーティングである。しかし、伝導性コーティングとして、1種以上の金属薄層、例えば、アルミニウム、銀、金、ニッケル又はクロムを支持材料に塗布することもできる。

0073

本発明の課題は、イージークリーンコーティングでのコーティングのための基材の製法でもある。そのような方法は次の段階を包含する:
先ず、支持材料を、殊にガラス又はガラスセラミックから製造する。しかし、金属、プラスチック又はコーティング法の要求を満たす任意の材料を製造することもできる。1面以上のコーティングされるべき表面を清浄にする。液体での清浄は、ガラス基材と結び付いて広く行き渡った方法である。この際、様々な洗浄液、例えば、脱ミネラル水又は水性系、例えば、希苛性アルカリ溶液(pH>9)及び酸、清浄剤溶液又は非水性溶剤、例えば、アルコール又はケトンが使用される。

0074

本発明のもう1つの実施態様で、支持材料をコーティングの前に活性化させることができる。そのような活性化法は、酸化、コロナ放電、火炎処理、UV処理、プラズマ活性化及び/又は機械的方法、例えば、粗面化、サンドブラスト、及びプラズマ処理又は酸及び/又は苛性アルカリ溶液での活性化すべき基材表面の処理も包含する。

0075

反射防止コーティング及び接着促進剤層は、物理的又は化学的蒸着法により、火炎熱分解法により又はゾルゲル法により塗布される。この際、反射防止コーティング及び接着促進剤層の塗布法は、互いに組み合わせることもできる。例えば、反射防止コーティングは、スパッタリングにより及び接着促進剤層はゾルゲル法により塗布され得る。

0076

有利なゾルゲル法では、層形成のために溶解状態での金属有機出発物質の反応が利用される。金属有機出発物質の制御された加水分解及び縮合反応により、金属酸化物網状結合構造、即ち、その中で、反応生成物、例えば、アルコール及び水の離脱を伴って、金属原子が酸素原子によって互いに結合している構造が構成する。この際、触媒の添加によって加水分解反応は促進され得る。

0077

有利な1実施態様では、支持材料は、ゾルゲルコーティングの際に、溶液から約200mm/分〜約900mm/分、有利に約300mm/分の引抜速度で引き抜かれ、この際、大気湿度は、約4g/m3〜約12g/m3、殊に有利に約8g/m3である。

0078

ゾルゲルコーティング溶液を長時間にわたって使用すべき又は同様に貯蔵すべき場合には、溶液を1種以上の錯化剤の添加によって安定化させることが有利である。この錯化剤は、浸漬液中で可溶性でなければならず、かつ有利な方法で浸漬液の溶剤と関連しているべきである。同時に錯化特性を有する有機溶剤、例えば、メチルアセテートエチルアセテートアセチルアセトンアセト酢酸エステルエチルメチルケトンアセトン及び類似化合物が有利となる。これらの安定剤は、溶液に1〜1.5ml/lの量で添加される。

0079

反射防止コーティングが多孔性の単層反射防止層として実施される場合には、製法には、ゾルゲル法が有利である。多孔性の単層反射防止層は接着促進剤層として用いられ、又は光学的に非活性又は殆ど非活性の極めて薄い接着促進剤層で被覆されることができる。多孔性反射防止層の製造のための溶液は、珪素約0.210モル〜約0.266モル、有利に約0.238モル、アルミニウム約0.014モル〜約0.070モル、有利に約0.042モル、HNO3約0.253ミリモル〜約0.853ミリモル、有利に約0.553ミリモル、アセチルアセトン及び少なくとも1種の低鎖アルコール約5.2ミリモル〜約9.2ミリモル、有利に約7.2ミリモルを含有する。この際、アセチルアセトンは三価アルミニウムイオンを取り囲み、かつ保護シェルを形成する。硝酸の他に、他の酸、例えば、塩酸硫酸燐酸酢酸硼酸蟻酸又は蓚酸も好適である。

0080

この溶液を用いて、化学的及び機械的に安定した多孔性のアルミニウム珪素混合酸化物層が得られ、この際、混合酸化物中のアルミニウム対珪素のモル比は、約3%〜約30%、有利に約5%〜約20%、特に有利に約7%〜約12%である。

0081

この多孔性混合酸化物層は、化学的に安定していてかつ物理的に著しく耐性であるばかりでなく、支持材料上の層又は層系の劇的な透過上昇に結び付く。

0082

有利な1実施態様は、多孔性アルミニウム珪素混合酸化物層の製造のための溶液を包含し、その際、低鎖アルコールは、一般式CnH2n+1OH(この際、n=1、3、4又は5であり、有利にn=2)を有する。この溶液を用いて、極めて特に耐摩耗性である多孔性接着促進剤層が得られる。

0083

本発明により、例えば、ソーダ石灰ガラス上に塗布された、殊に多孔性ナノ粒子を有するゾルゲル層を、約400℃〜約700℃、有利に430℃〜約560℃の温度で、約30分間〜120分間、有利に60分間アニールする。耐熱ガラス、例えば、硼珪酸ガラスでは、温度を高める、従ってアニール時間を短くすることができる。硼珪酸ガラスは、900℃までの温度で短縮時間で、及び石英又は石英ガラスは1100℃より上までの温度でアニールすることができる。

0084

特に有利な方法で、多孔性アルミニウム珪素混合酸化物層は、結晶ではなく、非晶質〜最小次元である網状構造を形成する。多孔性網状構造の安定性に基づき、本発明による基材要素の機械的硬化又は安定化を達成するために、多孔性アルミニウム珪素混合酸化物層を備えた基材又はガラス基材を熱プレストレスすることが可能である。

0085

本発明の特別な1実施態様で、支持材料を、その上に存在する多孔層と共に、約600℃〜約750℃、有利に約670℃の温度で、約2分間〜6分間、有利に4分間熱硬化させ、又はガラスをプレストレスさせる。それによって、支持材料及び塗布された多孔性反射防止層の付加的な安定化が達成される。この際、熱硬化の方法パラメーターは、各々の支持材料に適応され得る及び最適化され得るべきである。

0086

反射防止コーティングが少なくとも2層からなる場合には、先ず、反射防止コーティングの、接着促進剤層以外の1層又は2層以上の他の層を支持材料上に塗布させる。これは各々好適な方法によって、例えば、CVD又はPVD、殊にスパッタリングによって、しかし有利にゾルゲル法に依っても行われ得る。

0087

引き続いて、接着促進剤層を、後のイージークリーンコーティングに好適に、コーティングすべき1面以上の表面上に塗布し、この際、接着促進剤層は混合酸化物、有利に珪素混合酸化物を包含する。

0088

接着促進剤層は、浸漬、蒸着、噴霧、印刷、ローラー塗布、払拭法で、刷毛塗布又はロール法及び/又はドクターナイフ法又は他の好適な方法によって塗布され得る。この際、浸漬及び噴霧が有利である。

0089

有利な1実施態様で、そのような接着促進剤層は、ゾルゲル原則による浸漬コーティングにより塗布される。この方法では、接着促進剤層として、珪素混合酸化物層の製造のために、予備製造された支持材料を、加水分解可能な珪素化合物を含有する有機溶剤中に浸漬させる。接着促進剤層又は接着促進剤前駆層の塗布のための支持材料の予備製造の途中で、場合により接着促進剤層と反射防止コーティングの部分を形成する更に他の反射防止層を塗布することができる。例えば、図1に相応して、支持材料2上に反射防止層33及び32を塗布し、これは接着促進剤層31と一緒に反射防止コーティング3を支持材料2、例えばガラスシート上に形成する。図1は、例えば、基材要素11の構成を、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層の交番系として示す。層33の塗布の前に、支持材料2の表面20を洗浄過程で慎重洗浄する。この例では、反射防止層33は、屈折率1.7を有する珪素チタン混合酸化物からの中屈折率層であり、かつ反射防止層32は、屈折率2.1を有する酸化チタンからの高屈折率層である。図1の例で、接着促進剤層31は、同時に、屈折率1.4を有する反射防止コーティングの層パケット中の低屈折率最上層として作用する。

0090

ゾルゲル法による接着促進剤層の製造のために、支持材料を、実施に応じて、相応して予備製造された反射防止層と共に、相応するゾルゲル浸漬液中に浸漬させ、かつこの溶液から湿気含有大気中に均一に抜き出す。生じた珪素混合酸化物接着促進剤前駆層の層厚は、浸漬液中の珪素出発化合物の濃度及び引抜速度を介して決定される。高温炉への移送の際のより高い機械的強度を達成するために、層を塗布後に乾燥させることができる。この乾燥は、広い温度範囲で行われ得る。そのために、典型的には200℃の範囲での温度で、数分間の乾燥時間が必要とされる。より低い温度は、より長い乾燥時間となる。層の塗布の直後に、高温炉中での熱固化の方法段階移行することも可能である。この際、乾燥段階は、コーティングの機械的安定化に役立つ。

0091

塗布されたゲル状膜からの実際に酸化物系の接着促進剤層の形成は高温段階で行われ、そこでゲル状物の有機成分は燃え尽きる。この際、次いで、接着促進剤層としての最終的な珪素混合酸化物層又は混合酸化物層の生成のために、接着促進剤前駆層を、支持材料の軟化温度より低い温度で、有利に550℃よりも低い、殊に350〜500℃、特に有利に400〜500℃の基材表面温度でアニールさせる。基材ガラスの軟化温度に依って、550°より上の温度を使用することもできる。しかし、この温度は、接着強度の更なる上昇には貢献しない。

0092

有機溶液からの薄い酸化物層の製造は長年にわたり周知であり、これについては、例えば、H. Schroeder, Physics of Thin Films 5, Academic Press New York and London (1967, 87-141頁)又はUS-PS4568578も参照される。

0093

ゾルゲル層がそれから製造される無機ゾルゲル物質は、殊に、1種以上の加水分解可能な及び縮合可能な又は縮合されたシラン及び/又は特にSi、Ti、Zr、Al、Nb、Hf及び/又はGeの金属アルコキシドを包含する縮合物が有利である。ゾルゲル法では、無機加水分解及び/又は縮合を介して架橋結合される基が有利であり、例えば、次の官能基が重要である:TiR4、ZrR4、SiR4、AlR3、TiR3(OR)、TiR2(OR)2、ZrR2(OR)2、ZrR3(OR)、SiR3(OR)、SiR2(OR)2、TiR(OR)3、ZrR(OR)3、AlR2(OR)、AlR1(OR)2、Ti(OR)4、Zr(OR)4、Al(OR)3、Si(OR)4、SiR(OR)3及び/又はSi2(OR)6、及び/又はORを有する次の物質又は物質群の1官能基:アルコキシ、例えば、有利にメトキシエトキシ、n‐プロポキシ、i‐プロポキシ、ブトキシイソプロポキシエトキシ、メトキシプロポキシフェノキシアセトキシプロピオニルオキシエタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミンメタクリルオキシプロピルアクリレートメタクリレート、アセチルアセトン、エチルアセトアセテート、エトキシアセテート、メトキシアセテート、メトキシエトキシアセテート及び/又はメトキシエトキシエトキシアセテート、及び/又はRを有する次の物質又は物質群の1官能基:Cl、Br、F、メチルエチルフェニル、n‐プロピル、ブチルアリル、ビニルグリシジルプロピル、メタクリルオキシプロピル、アミノプロピル及び/又はフルオルオクチル。

0094

全てのゾルゲル反応にとって、分子分散性前駆体を、加水分解反応、縮合反応及び重合反応を介して、先ず粒子分散性又はコロイド状の系に反応させることが共通である。選択される条件により、最初に生成される"一次粒子"は更に成長し、クラスター凝集し又はむしろ直鎖を形成することができる。そうして生成した単位は、溶剤の除去によって生じる微細構造を条件とする。理想的には、物質は熱的に完全に凝縮されるが、現実では、残留多孔性がしばしば少し、一部は著しく残る。従って、例えば、ドイツ国ガラス工業のP. Loebmann, "Sol-Gel-Beschichtungen", Forbildungskurs 2003 "Oberflaechen Veredelung von Glass", Huettentechnische Vereinigungが記載しているように、生産目標での化学的条件は、ゾルゲルコーティングの特性への決定的な影響を有する。

0095

Si出発物質は、今まで最善に調査されていて、これについては、C. Briker, G. Scherer, "Sol-Gel-Science‐The Physic and Chemistry of Sol-Gel Processing (Academic Press, Boston 1990), R. Iller, The Chemistry of Silica (Willey, New York, 1979)が参照される。殆ど使用されるSi出発物質は、式Si(OR)4の珪素アルコキシドであり、これは水添加で加水分解する。酸性条件下に、有利に直鎖状結合体が生じる。塩基性条件下に、珪素アルコキシドはより高度に架橋結合した"球形の"粒子になる。ゾルゲルコーティングは、予備縮合した粒子及びクラスターを含有する。

0096

酸化珪素浸漬液の製造のために、出発化合物として、通常では、珪酸テトラエチルエステル又は珪酸メチルエステルが使用される。これを有機溶剤、例えば、エタノール加水分解水及び触媒としての酸と指定された順序で混合させ、良好に十分に混合させる。そのために、加水分解水に鉱酸、例えば、HNO3、HCl、H2SO4又は有機酸、例えば、酢酸、エトキシ酢酸、メトキシ酢酸ポリエーテルカルボン酸(例えば、エトキシエトキシ酢酸)、クエン酸パラトルオールスルホン酸乳酸メタクリル酸又はアクリル酸を添加することが有利である。

0097

特別な1実施態様で、加水分解は完全に又は部分的にアルカリ性で、例えば、NH4OH及び/又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシド及び/又はNaOHの使用下に実施される。

0098

本発明による基材の接着促進剤層の製造のために、浸漬液は次のように製造される:珪素出発化合物を有機溶剤中に溶かす。溶剤として、珪素出発化合物を溶解しかつ更に、珪素出発化合物の加水分解に必要である十分な量の水を溶解することができる全ての有機溶剤を使用することができる。好適な溶剤は、例えば、トルオール、シクロヘキサン又はアセトン、しかし殊に、C1〜C6アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールブタノールペンタノールヘキサノール又はその異性体である。通常では、低級アルコール、殊にメタノール及びエタノールが使用され、それというのも、それらは容易に取り扱うことができかつ比較的低い蒸気圧を有するからである。

0099

珪素出発化合物として、殊に珪酸C1〜C4アルキルエステル、即ち、珪酸メチルエステル、珪酸エチルエステル、珪酸プロピルエステル又は珪酸ブチルエステルが使用される。珪酸メチルエステルが有利である。

0100

有機溶剤中の珪素出発化合物の濃度は、通常では、約0.05〜1モル/リットルである。この溶液に、珪素出発化合物の加水分解の目的で、水、有利に蒸留水0.05〜12質量%及び酸性触媒0.01〜7質量%を添加する。そのために、有機酸、例えば、酢酸、エトキシ酢酸、メトキシ酢酸、ポリエーテルカルボン酸(例えば、エトキシエトキシ酢酸)、クエン酸、パラトルオールスルホン酸、乳酸、メタクリル酸又はアクリル酸又は鉱酸、例えば、HNO3、HCl又はH2SO4を添加することが有利である。

0101

溶液のpH値は、約pH0.5〜pH3であるべきである。溶液が十分に酸性でない(pH>3)場合には、重縮合体/クラスターが大きくなるという危険がある。溶液が酸性であり過ぎると、溶液がゲル化するという危険がある。

0102

もう1つの実施態様では、溶液を2段階で製造することができる。第1段階は前記のように経過する。そこで、この溶液を放置する(熟成させる)。熟成時間は、熟成溶液を更なる溶剤で希釈しかつ溶液のpH値を強酸性範囲へ移動させることによって熟成を停止させることによって達成される。pH範囲1.5〜2.5への移動が有利である。強酸性範囲へのpH値の移動は、無機酸の添加によって、殊に塩酸、硝酸、硫酸、燐酸又は同様に有機酸。例えば、蓚酸又は類似酸の添加によって有利に行われる。強酸を、有機溶剤中に、殊にその中に珪素出発化合物も溶解している溶剤中に添加させることが有利である。この際、1段階での出発溶液の希釈及び停止が行われるような量の溶剤中に、殊に再びアルコール性溶液中に酸を添加させることも可能である。

0103

特別な1実施態様で、加水分解を全部又は部分的にアルカリ性で、例えば、NH4OH及び/又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシド及び/又はNaOHの使用下に実施する。

0104

ゾルゲルコーティングは、様々な構造を有し得る予備縮合粒子及びクラスターを含有する。実際には、この構造を散乱光実験で検証することができる。方法パラメーター、例えば、温度、配量率、撹拌速度によって、しかし特にpH値によってこの構造をゾルに製造することができる。20nm以下、有利に4nm以下、及び特に有利に1〜2nmの範囲の直径を有する小さい酸化珪素重縮合体/クラスターによって、伝統的に、酸化珪素層よりも密に充填されている浸漬層を製造することができることが示された。このことは既に化学的安定性の改善に繋がる。

0105

化学的安定性及び接着促進剤層としての機能のもう1つの改善は、溶液中で均一に分配しかつ後の層中で同様に分配していて、かつ混合酸化物を生成させる少量の混合剤を溶液に混ぜることによって達成される。混合剤として、錫、アルミニウム、燐、硼素、セリウム、ジルコニウム、チタン、セシウム、バリウム、ストロンチウム、ニオブ又はマグネシウムの加水分解可能な又は解離性の、場合により結晶水含有の無機塩、例えば、SnCl4、SnCl2、AlCl3、Al(NO3)3、Mg(NO3)2、MgCl2、MgSO4、TiCl4、ZrCl4、CeCl3、Ce(NO3)3及び類似塩が好適である。これらの無機塩は、含水形でも、結晶水を有しても使用され得る。これらはその低価格で一般に有利である。

0106

もう1つの本発明による実施態様で、混合剤として、1種以上の、錫、アルミニウム、燐、硼素、セリウム、ジルコニウム、チタン、セシウム、バリウム、ストロンチウム、ニオブ又はマグネシウム、有利にチタン、ジルコニウム、アルミニウム又はニオブの金属アルコキシドを使用することができる。更に、燐酸エステル、例えば、燐酸メチル又はエチルエステル、燐ハロゲニド、例えば、クロリド及びブロミド硼酸エステル、例えば、エチルエステル、メチルエステル、ブチルエステル又はプロピルエステル、無水硼酸、BBr3、BCl3、マグネシウムメチラート又はマグネシウムエチラート及び類似物が好適である。これらの1種以上の混合剤は、例えば、SiO'として計算される溶液の珪素含量に対して、酸化物として計算される約0.5〜20質量%の濃度で添加される。混合剤は、各々互いに任意の組み合わせで使用され得る。

0107

浸漬液を長期にわたり使用すべき又は同様に貯蔵すべき場合には、溶液を1種以上の錯化剤の添加により安定化させることが有利であり得る。この錯化剤は、浸漬液中で可溶性でなければならず、かつ有利に浸漬液の溶剤と関連しているべきである。

0108

錯化剤として、例えば、エチルアセトアセテート、2,4‐ペンタンジオン(アセチルアセトン)、3,5‐ヘプタンジオン、4,6‐ノナンジオン又は3‐メチル‐2,4‐ペンタンジオン、2‐メチルアセチルアセトン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、1,3‐プロパンジオール、1,5‐ペンタンジオール、カルボン酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、エトキシ酢酸、メトキシ酢酸、ポリエーテルカルボン酸(例えば、エトキシエトキシ酢酸)、クエン酸、乳酸、メタクリル酸、アクリル酸を使用することができる。この際、錯化剤対半金属酸化物前駆体及び/又は金属酸化物前駆体のモル比は、0.1〜5である。

0109

実施例:
成層の製造は、次のように行われた:洗浄過程で慎重に清浄した10×20cm寸法のフロートガラスシートを、各浸漬液中に漬けた。次いで、シートを6mm/秒の速度で再び引き出し、この際、環境大気含水率は4g/m3〜12g/m3、有利に8g/m3であった。引き続いて、溶剤を90〜100℃で蒸発させ、その後に層を450℃の温度で20分間アニールした。そうして製造した層の層厚は、約90nmであった。

0110

例溶液の製造:
1.浸漬液
エタノール125mlを前もって装入する。それに、珪酸メチルエステル45ml、蒸留水48ml及び氷酢酸6mlを撹拌下に加える。水及び酢酸の添加後に、溶液を4時間(h)撹拌し、この際、温度は40℃を超えてはならない。場合により、溶液を冷却すべきである。引き続いて、反応溶液をエタノール675mlで希釈し、かつHCl1mlを加える。次いで、この溶液に、エタノール95ml及びアセチルアセトン5ml中に溶かしたSnCl4x6H2O10gを加える。

0111

2.浸漬液
エタノール125mlを前もって装入する。それに、珪酸メチルエステル45ml、蒸留水48ml及び37%のHCl1.7gを撹拌下に加える。水及び塩酸の添加後に、溶液を10分間撹拌し、この際、温度は40℃を超えてはならない。場合により、溶液を冷却すべきである。引き続いて、反応溶液をエタノール675mlで希釈する。次いで、この溶液に、エタノール95ml及びアセチルアセトン5ml中に溶かしたSnCl4x6H2O10gを加える。

0112

3.浸漬液
エタノール125ml中に、珪酸テトラエチルエステル60.5ml、蒸留水30ml及び1N硝酸11.5gを撹拌下に加える。水及び硝酸の添加後に、溶液を10分間撹拌し、この際、温度は40℃を超えてはならない。場合により、溶液を冷却すべきである。引き続いて、溶液をエタノール675mlで希釈する。24時間後に、この溶液に、エタノール95ml及びアセチルアセトン5ml中に溶かしたAl(NO3)3x9H2O10.9gを加える。

0113

4.浸漬液
エタノール125ml中に、珪酸テトラエチルエステル60.5ml、蒸留水30ml及び1N硝酸11.5gを撹拌下に加える。水及び硝酸の添加後に、溶液を10分間撹拌し、この際、温度は40℃を超えてはならない。場合により、溶液を冷却すべきである。引き続いて、溶液をエタノール675mlで希釈する。この溶液に、エタノール95ml及びエチルアセテート4g中に溶かしたテトラブチルオルトチタネート9.9gを加える。

0114

もう1つの有利な実施態様で、珪素混合酸化物からの溶液を支持基材上に塗布し、かつ熱プレストレス過程で熱固化させる。ゾルゲル層の熱固化は、その場で、続いて500℃より上の基材表面温度で、基材の熱プレストレスにより行われる。これは極めて経費的に有利な製造を含み、それというのも、接着促進剤層のプレストレス及び熱固化が1つの過程で行われるからである。この際、炉の温度は、温度時間曲線に依って、約650℃である。温度処理に続いて、ショック冷却が行われる。

0115

前記の溶液を用いて、接着促進剤層としての化学的及び機械的に安定した混合酸化物層が得られ、この際、アルミニウム珪素混合酸化物層の生成のための混合の場合には、混合酸化物中のアルミニウム対珪素のモル比は、約3%〜約30%、有利に約5%〜約20%、特に有利に約7%〜約12%である。

0116

本発明のもう1つの実施態様で、付加的に、接着促進剤層に、外層を粒子状又は多孔性の層として、殊に、火炎熱分解コーティング法、熱コーティング法、コールドスプレー法又はスパッタリング法により塗布し、この際、外層は、有利に酸化珪素から成る。この際、外層は珪素混合酸化物から成ってもよい。混合剤として、例えば、少なくとも1種の元素アルミニウム、錫、マグネシウム、燐、セリウム、ジルコニウム、チタン、セシウム、バリウム、ストロンチウム、ニオブ、亜鉛、硼素の酸化物又は弗化マグネシウムが好適である。

0117

例えば、図2は、そのような基材要素12の構成を示す。ここで、外層6は高屈折率層及び低屈折率層の交番系上に配置されている。支持材料2上に、高屈折率反射防止層44を塗布し、その上に低屈折率層43、その上に高屈折率層42及びその上に低屈折率接着促進剤層41を塗布し、これらの層は一緒に反射防止コーティング4を支持材料2、例えば、ガラスシート上に形成する。層44の塗布の前に、支持材料2の表面20を洗浄過程で慎重に清浄にする。この例では、反射防止層44及び42は、屈折率2.0を有する酸化チタンからの高屈折率層であり、かつ反射防止層43は、屈折率1.46を有する酸化珪素からの低屈折率層である。接着促進剤層41は、同時に、屈折率1.4を有する反射防止コーティングでの低屈折率最上層として作用する。接着促進剤層41上に、火炎熱分解により、粒子状の外層6を塗布する。層の十分な開放気孔率に基づき、イージークリーン層の塗布で、基材要素12の使用の際に、イージークリーンコーティング及び接着促進剤層の分子の間の相互作用が行われ、これはイージークリーンコーティングのより高い長期耐久性を保証する。

0118

図3は、例えば、反射防止コーティング5を有する基材要素13を示し、この際、これは1層だけから成る。反射防止コーティング5は、同時に、屈折率1.35を有する接着促進剤層である。ガラスは屈折率1.81(参照波長588nmで)を有する光学的使用のための重フリントガラスである。

0119

本発明の課題は、同様に、イージークリーンコーティングでの、殊に弗素有機化合物でのコーティングのための本発明による基材要素の使用である。この際、基材要素は、殊にガラス又はガラスセラミックからの支持プレート及び1層又は少なくとも2層から成る反射防止コーティングを包含し、この際、1層又は少なくとも2層の最上層は接着促進剤層であり、これは、混合酸化物、有利に珪素混合酸化物、特に有利に少なくとも1種の元素アルミニウム、錫、マグネシウム、燐、セリウム、ジルコニウム、チタン、セシウム、バリウム、ストロンチウム、ニオブ、亜鉛、硼素の酸化物又は弗化マグネシウムと混合した酸化珪素を包含する接着促進剤層を包含し、この際、少なくとも1種の元素アルミニウムの酸化物が含有されていることが有利である。

0120

イージークリーンコーティングでのコーティングのための本発明による基材要素の使用の1実施態様で、接着促進剤層上に外層が配置されている。この外層は、殊に酸化珪素からの粒子状又は多孔性の層であり、この際、酸化珪素は珪素混合酸化物であってもよい。

0121

そのような本発明による基材は、イージークリーンコーティングでのコーティングのために使用される。殊に、このイージークリーンコーティングは、耐指紋コーティング又は非粘着コーティングであってよい。非粘着コーティングの場合には、層は極めて平滑であり、従って、機械的表面保護が達成される。通常、次に説明される層は、イージークリーン、非粘着、耐指紋、アンチグレア又は平滑表面の範囲からの多数の特性を有する。この際、各製品は1つの領域でより良好に適し、従って、本発明による基材要素と連携したイージークリーンコーティングの適切な種類の選択に依って、特別な長期耐久性の最適化されたイージークリーン特性を有する製品が達成され得る。

0122

イージークリーンコーティングは、市場で多様に得られる。殊に、例えば、DE19848591が記載しているような弗素有機化合物である。公知のイージークリーンコーティングは、ペルフルオルポリエーテルをベースとする製品、Solvay Solexis社からの商標"Fluorolink(登録商標)PFPE"、例えば、"Fluorolink(登録商標)S10"又は同様に、Daikin IndutriesLTD社から"Optool(商標)DSX"又は"Optool(商標)AES4-E"、FirmaETCproducts GmbHから"Hymocer(登録商標)EKG6000N"又はフルオルシランをベースとする製品、CytonixLLC社からの商標"FSD"、例えば、"FSD 2500"又は"FSD 4500"又は3M DeutschlandGmbH社からEasy Clean Coating "ECC"製品、例えば"ECC 3000"又は"ECC 4000"である。この際、液状で塗布される層が重要である。例えば、物理的蒸着によって塗布されるナノ層系としての耐指紋コーティングは、例えば、Cotec GmbH社から商標"DURALON Ultra Tec"として提供される。

0123

本発明を継続して、製品で塗布された基材は、それが本発明による基材要素上に塗布される場合、良好な特性、殊に長期耐久性を有する。次の例はこれを明らかにする。試験基材をコーティングの塗布後に、特性付けのために次の試験をする:
1.DIN EN 1096-2:2001-05 による中性塩噴霧検査(NSS試験)
特に挑戦的な試験として、コーティングされたガラス試料恒温で21日間中性の塩水雰囲気曝す、中性塩噴霧試験を実証した。塩水噴霧は、コーティングに負荷作用をする。試料が垂直で15±5°の角度を成すように、ガラス試料を試料ホルダー中に置く。(25±2)℃で(50±5)g/lの濃度が達成されるように、純NaClを脱イオン水中に溶かして中性塩溶液を製造する。塩噴霧を発生させるために、塩溶液を好適なノズルを介して噴霧させる。検査室内操作温度は、35±2℃であるべきである。疎水性の安定性を特徴付けるために、試験前及び試験時間168時間後、336時間後及び504時間後に、各々水に対する接触角を測定する。60°を下まわる接触角の下落で実験を中止し、それというのも、このことは疎水性の損失と関連するからである。

0124

2.DIN EN 1096-2:2001-05による凝縮水耐性の試験(KK試験)
コーティングされたガラス試料を、21日間恒温で、水蒸気飽和された大気に曝す。試料上に連続する凝縮層が形成し、かつ凝縮過程はコーティングに応力を与える。試料が垂直で15±5°の角度を成すように、ガラス試料を試料ホルダーに置く。試験室の中央に、熱電対を備えた温度測定プローブがある。試験室は室温(23±3)℃を有する。槽底部を、5よりも大きいpH値の脱イオン水で満たす。試験室は、温度測定プローブを介して調整され、この際、40±1.5℃の温度を有するべきである。試料上に凝縮水が形成しなければならない。試験は、中断なく、所定の21日間に渡って、又は最初の損失が認められ得るまで実施される。試験前及び試験時間168時間後、336時間後及び504時間後に、疎水性の耐性を特徴づけるために、水に対する接触角を測定する。

0125

3.接触角測定
接触角測定は、様々な液体との接触角及び表面エネルギーの測定を可能にする機器PCA100を用いて行われた。

0126

測定範囲は、10〜150°の接触角及び1*10−2〜2*103mN/mの表面エネルギーに及ぶ。表面の状態(清浄度、表面の均一性)に応じて、接触角を1°に正確に決定する。表面エネルギーの精度は、どの程度正確に、個々の接触角がOwens-Wendt-Kaelbleにより計算される回帰直線上にあるか、かつ回帰値として示されるかに従う。

0127

ポータブル機器が使用され、測定のために大きなシート上に載せられ得るので、どんな大きさの試料も測定することができる。試料は少なくとも、試料の縁と衝突することなく、小滴を載せ得るほどの大きさでなければならない。プログラムは様々な小滴法で組まれ得る。この際、通常、Sessil Drop法(静滴)が使用され、"ellipse fitting"(Ellipsen法)で評価される。

0128

測定の前に、試料表面をエタノールで清浄する。次いで、試料を位置につけ、測定液滴下し、かつ接触角を測定する。表面エネルギー(極性及び分散性成分)を、Owens-Wendt-Kaelbleにより適合される回帰直線から調べる。

0129

長期耐久性の測定値を得るために、接触角測定を、長期的なNSS試験により実施する。

0130

ここで示される測定結果のために、測定液として、脱イオン水を使用した。測定結果の許容誤差は±4°である。

0131

4.指紋試験
指紋試験は、基材表面上への指紋の再現可能な塗布のために及び洗浄性の評価のために用いられる。

0132

この試験は、相応する試料表面上での指紋の強度を示す。スタンプを用いて、調整された再現可能な指紋を、指紋感受性の評価のために基材表面上に施す。溶剤耐性物質製のスタンププレートでのスタンプは、3.5×3.9cm2の底面積を有し、かつ約1.2mmの溝間隔及び約0.5mmの溝の深さを有する同心円状のリング構造を有する。各々次の3種の試験媒体スタンプ面上に施す:
指紋媒体として、DIN ISO 105-E04によるアルカリ性の人造汗50g、パラフィン油2g、レシチン(Fluidlecithin Super、Brennnessel Muenchen社)1.5g及びゲル化剤(PNC400, Brennnessel Muenchen社)0.3gから製造される、BMW Pruefvorschrift 506による手汗溶液を使用した。

0133

試験媒体の塗布のために、フェルトをペトリシャーレ中で、媒体で浸し、重量1kgのスタンプを、浸したフェルト上で圧する。引き続いて、スタンプを3kgでスタンプ押しすべき基材面上に圧する。基材表面は、試験前に、無塵芥無脂肪でかつ乾燥していなければならない。引き続き、単一リングの形の印像としてのスタンプ像は滲んでいてはならない。少なくとも3個の指紋をスタンプ押しする。評価の前に、指紋を約12時間乾燥させる。指紋の評価では、どれくらい多くの指紋媒体が試料表面上に残留しているか、及びどれくらい平面的に拡散し得るかを確認すべきである。そのために、カメラ測定場中でスプリットリング照明を有する冷光照明KL 1500LCD(Schott社)で照明し、撮影し、かつ画像評価ソフトウエアNI Visionでの画像評価を介して分析する。画像評価を可能にするために、指紋を排他的に光沢無しで記録する。指紋によって散乱された光、散乱光の強度値を調べ、平均値及び散乱幅を計算する。散乱幅は0.065以下であるべきである。

0134

製造模範例試料1(本発明による基材):
10×20cm寸法の支持材料としての慎重に清浄した硼珪酸フロートガラスシートを、図1に相応する層構成を有する反射防止コーティングでコーティングした。反射防止コーティングは3つの単層から成り、かつ次の構造を有する:支持材料+層M+層T+層S、この際、層Sは接着促進剤層である。単層は、各々別々の浸漬工程で塗布される。Tで表示された層は二酸化チタンTiO2を含有し、Sで表示された外層は珪素混合酸化物を含有し、M層は各々S混合溶液及びT混合溶液から引き抜かれる。層M及びTの浸漬液は、各々28℃に調候された室内で空気湿度4〜12g/m3、有利に5〜6g/m3で支持材料上に塗布され、この際、引抜速度は単層M及びTについて7及び4mm/秒である。各ゲル層引抜については、空気中でのアニール操作が行われる。アニール温度及びアニール時間は、Mゲル層の製造後180℃/20分間、及びTゲル層の製造後440℃/30分間である。T層の場合には、浸漬液(リットル当たり)は、次のように組成する:
チタン‐n‐ブチラート68ml、エタノール(無水)918ml、アセチルアセトン5ml及びエチルブチリルアセテート9ml。中屈折率を有するM層の製造のためのコーティング液は、S溶液及びT層液の混合によって製造される。これは、酸化珪素含量5.5g/l及び酸化チタン2.8g/lを有する浸漬液から引き抜かれ、相応するM浸漬液の酸化物含量は11.0g/l又は8.5g/lである。

0135

コーティング法は、選択的に、例えば、高真空中での物理的蒸着法及びイオン補助及びプラズマ補助に関するその更なる発展及びカソードスパッタリングである。

0136

接着促進剤層及び反射防止コーティングの最上層としてのS層のための浸漬液の製造のために、エタノール125ml中に、撹拌下に、珪酸テトラエチルエステル60.5ml、蒸留水30ml及び1N硝酸11.5gを添加する。水及び硝酸の添加後に、溶液を10分間撹拌し、この際、温度は40℃を超えてはならない。場合により、溶液を冷却すべきである。引き続いて、溶液をエタノール675mlで希釈する。この溶液に24時間後に、エタノール95ml及びアセチルアセトン5ml中に溶かしたAl(NO3)3 x9H2O10.9gを添加する。

0137

予備製造したM層及びT層を有する支持材料を浸漬液中に浸漬させた。シートを6mm/秒の速度で再び引き抜き、この際、環境大気の湿気含量は、5g/m3〜12g/m3、有利に8g/m3であった。引き続いて、溶剤を90〜100℃で蒸発させ、その後に層を450℃の温度で20分間アニールさせた。そうして製造した層の層厚は約90nmであった。

0138

製造模範例試料2‐比較試料
比較のために、慣用の酸化珪素コーティングを、ゾルゲル浸漬法により、反射防止コーティングの最上層として公知技術水準により引用すべきである。

0139

10×20cm寸法の支持材料としての慎重に清浄した硼珪酸フロートガラスシートを、図1に相応する層構成を有する反射防止コーティングでコーティングした。反射防止コーティングは3つの単層から成り、かつ次の構造を有する:支持材料+層M+層T+層S、この際、層Sは接着促進剤層である。単層は、各々別々の浸漬工程で塗布される。Tで表示される層は二酸化チタンを含有し、Sで表示される外層は二酸化珪素を含有し、M層は各々S混合溶液及びT混合溶液から引き抜かれる。層M及びTの浸漬液は、各々28℃に調候された室内で、空気湿度4〜12g/m3、有利に5〜6g/m3で支持材料上に塗布され、この際、引抜速度は単層M及びTについて7及び4mm/秒である。各ゲル層の引抜については、空気中でのアニール操作が行われる。アニール温度及びアニール時間は、Mゲル層の製造後180℃/20分間、及びTゲル層の製造後440℃/30分間である。T層の場合には、浸漬液(リットル当たり)は、次のように組成する:チタン‐n‐ブチラート68ml、エタノール(無水)918ml、アセチルアセトン5ml及びエチルブチリルアセテート9ml。中屈折率を有するM層の製造のためのコーティング液は、S溶液及びT層液の混合によって製造される。これは、酸化珪素含量5.5g/l及び酸化チタン含量2.8g/lを有する浸漬液から引き抜かれ、相応するM浸漬液の酸化物含量は11.0g/l又は8.5g/lである。

0140

接着促進剤層及び反射防止コーティングの最上層としてのS層のための浸漬液の製造のために、エタノール125mlを前もって装入する。これに、撹拌下に、珪酸メチルエステル45ml、蒸留水40ml及び氷酢酸5mlを添加する。水及び酢酸の添加後に、溶液を4時間撹拌し、この際、温度は40℃を超えてはならない。場合により、溶液を冷却すべきである。引き続いて、反応溶液をエタノール790mlで希釈し、HCl1mlを加える。予備製造したM層及びT層を有する支持材料を浸漬液中に浸漬させ、その後に、6mm/秒の速度で再び引き抜き、この際、環境大気の湿気含量は、5g/m3〜10g/m3、有利に8g/m3であった。引き続いて、溶剤を90〜100℃で蒸発させ、その後に層を450℃の温度で20分間アニールさせた。そうして製造した層の層厚は約90nmであった。

0141

そうして製造した基材を、各々次のイージークリーンコーティングでコーティングした。この際、模範例1の本発明による基材は表示試料1‐1〜1‐5を有し、比較基材は表示試料2‐1〜2‐5を有する。

0142

試料1‐0、2‐0:
比較試料各々イージークリーンコーティングなし
試料1‐1、2‐1:
Daikin IndustriesLTD社の"Optool(商標)AES4-E"、末端位シラン基を有するペルフルオルエーテル
試料1‐2、2‐2:
Solvay Solexis社の"Fluorolink(登録商標)S10"、2個の末端位のシラン基を有するペルフルオルエーテル
試料1‐3、2‐3:
イージークリーンコーティングでのコーティングのための本発明による基材要素の試験のために、同様に、表示"F5"の独自のコーティング組成物を使用し、この際、前駆体として、Evonik社製のDynasylan(登録商標)F8261を使用した。濃縮物の製造のために、前駆体Dynasylan(登録商標)F8261 5g、エタノール10g、H2O2.5g及びHCl0.24gを混合させ、2分間撹拌した。濃縮物3.5gにエタノール500mlを加えてコーティング組成物F5を得た。

0143

試料1‐4及び2‐4:
FirmaETCproducts GmbHの"Hymocer(登録商標)EKG6000N"、純粋の無機酸化珪素成分を有するペルフルオルアルキルシラン
試料1‐5、2‐5:
Cotec GmbH, Frankenstrasse 19, 0-63791 Karlsteinの"Duralon Ultra Tec"
このコーティングの場合には、真空法で基材ガラスが処理される。各々の接着促進剤層でコーティングされた基材ガラスを低圧容器中に入れ、これを引き続き低真空にする。"Duralon Ultra Tec"を錠剤(直径14mm、高さ5mm)の形に結合させて、低圧容器中にある蒸発器に加える。この蒸発器から、次いで100℃〜400℃の温度でコーティング物質は錠剤の充填物から蒸発され、基材の接着促進剤層の表面上に蒸着する。時間プロフィール及び温度プロフィールは、Firma Cotec GmbHによって、物質"Duralon Ultra Tec"の錠剤の蒸発のために指定されたように調整される。基材は、過程中に、300K〜370Kの範囲にあるやや高められた温度に達する。

0144

試験結果
試料を、中性塩噴霧試験(NSS試験)及び一定条件試験(KK試験)の前、その経過中及びその後に調べた。試料について、NSS試験の前及びその経過中に、水接触角及び指紋特性を調べ、かつKK試験の前及びその経過中に、水接触角を測定した。結果を表1〜5に挙げる。

0145

0146

表1:中性塩噴霧試験後の結果(NSS試験)
表示:試料1‐X接着促進剤層有り、試料2‐X公知技術水準による酸化珪素層有り

0147

表2:時間の関数としての中性塩噴霧試験(NSS試験)の前及び経過中での水接触角測定。
表示:試料1‐X接着促進剤層有り、試料2‐X公知技術水準による酸化珪素層有り

0148

表3:一定条件試験(KK試験)での凝縮水耐性の試験後の結果
表示:試料1‐X接着促進剤層有り、試料2‐X公知技術水準による酸化珪素層有り

0149

表4:時間の関数としての一定条件試験(KK試験)での凝縮水耐性の試験の前及び経過中の水接触角測定
表示:試料1‐X接着促進剤層有り、試料2‐X公知技術水準による酸化珪素層有り

0150

表5:中性塩噴霧試験(NSS試験)の前及びそれによる3週間負荷後の媒体7手汗液BMWでの指紋試験後の結果。

0151

表示:試料1‐X接着促進剤層有り、試料2‐X公知技術水準による酸化珪素層有り
イージークリーンコーティング用の下地としての本発明による接着促進剤層を有する試料は、504時間の試験後も、僅かに変色しただけで、認識可能な攻撃は示さない(i.O.=満足)。それに対して、イージークリーンコーティング用の下地としての公知技術水準によるゾルゲル酸化珪素コーティングは、168時間の試験後に既に、強い変色を伴う強い攻撃(n.i.O.=不満足)を示す。NSS試験及びKK試験でのETC層の耐性は、本発明による基材上の塗布によって、可視可能な攻撃はなく、21日間よりも長く高められた。

0152

多くの場合に、様々なイージークリーンコーティングのためのベースとしての基材上の本発明による接着促進剤層は、その長期耐久性の著しい改善を与える。それに比較して、多くの場合に、接着促進剤層のない基材上のイージークリーンコーティングは、NSS試験及びKK試験の168時間後に既に疎水性の損失を示す。高い接触角の維持のために、実際に関連するイージークリーン特性のために、この角度は80°よりも多くなければならない。このことは、負荷試験後の特性の維持を調べるための良好なインジケーターとして認められた。NSS試験は、広く周知された試験として、このようなコーティングの基準試験の1つである。これは、例えば、指紋での接触により生じる負荷を反映する。指汗の塩含分は、層破損の典型的な影響である。長期耐久性は決定的な特性として見なされる。全体的に、より長い安定性を有するより低い耐指紋性が、不足的な長期耐久性を有する極めて良好な耐指紋性よりも良好に等級付けされる。NSS試験は、例えば、タッチパネル及びタッチスクリーンの実際のタッチ使用及びアウトドア使用に関する著しい関連性を有する。

0153

本発明による接着促進剤層上へのイージークリーンコーティングの塗布後に、中性塩噴霧試験で3回よりもっと長く負荷させた後のイージークリーンコーティングに対する水接触角は、中性塩噴霧試験で相応により短い負荷における接着促進剤層を塗布されていない同じイージークリーンコーティングの場合よりも高い。10%までの長時間NSS試験での水接触角の減少で、イージークリーン層は未だ実際には攻撃されてはなく、50°よりも少ない水接触角の減少では、イージークリーン層はもはや存在しない又は強く損傷を受けて存在するだけであり、かつその作用は失われていることが推測される。即ち、全ての様々なイージークリーンコーティングでの表2における測定結果は、7日間後に既にイージークリーン又は耐指紋性の極めて広範な損失〜完全な損失を示し、これに対して、本発明による接着促進剤層上での同じコーティングは、21日間後も、その有効性を一部では完全な高さで保持したままである。

0154

結果から、全ての検査した弗素有機化合物について、接着促進剤層を有する本発明による基材要素は安定性の明らかな延長を引き起こすことが判明する。

0155

それにも拘らず、様々なイージークリーン系の間で差異を当然認め得るが、それというのも、接着促進剤層の他に、イージークリーン層の基本耐性も、安定性への影響を有するからである。しかし、各々の弗素有機化合物に依らず、殊にイージークリーンコーティングの長期作用を明らかに改善する一貫した効果を認めることができる。その効果は、イージークリーンコーティングが接着促進剤層と相互作用をすることによって生じる。

0156

耐指紋試験結果は、イージークリーンコーティングのためのベースとしての本発明による基材要素の利点を確証する。表5は、中性塩噴霧試験(NSS試験)での17日間に渡る負荷の前及びその後の、接着促進剤層を有する及び接着促進剤層の無い試料について、塗布された標準指紋の散乱光の強度の分析を示す。結果は、ETCコーティングの種類により、コーティング直後に既に耐指紋特性の改善を示す。しかし結果は、特にNSS試験での長時間負荷後のAFP特性の著しい改善を示し、即ち、ETCコーティングのAFP作用は、コーティングのための本発明による基材要素の使用下に、接着促進剤層なしの慣用の基材についてよりも著しく長時間安定性である。

0157

イージークリーンコーティングでコーティングされた本発明による基材要素は、付加的な保護機能を有する又は破壊性又はコントラスト低減性反射の回避のためのカバーとして使用される。この際、本発明による基材要素の支持材料として、慣用のカバー及び保護装備の全ての基礎材料が用いられ、かつ接着促進剤層及びイージークリーンコーティングを有する反射防止層を備えることができる。

0158

更に、イージークリーンコーティングでコーティングされた本発明による基材要素は、タッチ機能を有する基材として破壊性又はコントラスト低減性反射の回避のために使用される。支持材料として、タッチ機能が備えられている全ての好適な材料、例えば、金属、プラスチック、ガラス又は複合材料がこれに該当する。この際、殊に、タッチスクリーン機能を有するディスプレイが高いステータスを有する。この際、殊に、摩耗及び指汗、例えば、塩及び脂肪の形での化学的攻撃に対する長時間耐性が強調され得る。

0159

使用は、例えば、モニター又はディスプレイフロントスクリーンのディスプレイスクリーンであり、これらは、各々、エアギャップを有するフロントスクリーンとして、又は場合により積層された偏光板を有するディスプレイスクリーンに直結されたフロントスクリーンとして使用される。

0160

ETCコーティングでコーティングされた本発明による基材要素の特に有利な1使用は、複合要素中の基材としての使用であり、その場合、複合要素内での中間空域との1面以上の界面での反射が光学的に適合した接合によって回避される。タッチスクリーンとして、ディスプレイと"光学的接着(optical bonding)"で積層している、即ち全面的に相互に結合している(これは、通例、光学的に中性である接着剤により起きる)フロントスクリーンとしてのこの使用では、光学的特性の付加的な改善が行われる。2つのガラス/空気転移の省略によって、エアギャップを有する溶液に比べて、反射は強く低減される。仮に各表面が4%の反射を有する場合には、フロントスクリーンとして本発明による基材の無いフロントスクリーン及びエアギャップを有するディスプレイでの反射は12%であり、かつコーティングされた本発明による基材要素の使用では、長期イージークリーン特性及び長期耐指紋性の他に、反射を8%に低減することができる。しかし、比較して、フロントスクリーンとして、ディスプレイ上に接着コーティングされた本発明による基材要素は、同時の長期耐久性のイージークリーン及び耐指紋性で、反射を4%から殆ど0%まで低減することができる。

0161

イージークリーンコーティングでコーティングされた本発明による基材要素は、全種類のディスプレイアプリケーション、例えば、シングルタッチデュアルタッチ又はマルチタッチディスプレイ、3Dディスプレイ又はフレキシブルディスプレイとして、タッチスクリーン機能を有するディスプレイアプリケーションに用いることができる。

0162

イージークリーンコーティングでコーティングされた本発明による基材要素は、殊に、タッチ機能として、有利に抵抗方式容量方式光学方式赤外線又は表面弾性波方式により作用されるタッチ技術で実施されている、全ての種類の対話型入力要素のための基材として使用される。特に、光入力結合(Lichteinkopplung)で作動する系、例えば、赤外線又は光学的に作動するタッチ技術は、接触面上の汚れ及び付着物の存在に敏感に反応し、それというのも、付着物に基づき付加的な反射が生じ得るからである。この際、イージークリーンコーティングでコーティングされた本発明による基材要素の使用が有利である。

0163

同時に長期耐久性のETC特性又はAFP特性を有する破壊性又はコントラスト低減性反射の回避のための他の使用は、内部建築範囲及び外部建築範囲におけるスクリーン、例えば、ディスプレイウインドー、画像、陳列ケース、カウンター、冷凍ユニットのガラス板又は清浄するには接近が困難なガラス板である。建築範囲において、良好な接着、引掻き強度及び長期耐久性の他に、ETC層のUV耐性も重要である。

0164

他の使用は、例えば、オーブンフロントスクリーン、装飾ガラス要素、殊に汚れの危険の比較的高い露出範囲で、例えば、台所浴室又は実験室、又は同様に太陽光モジュールのカバーである。

0165

イージークリーンコーティングでコーティングされた本発明による基材は、部分的に同様にエッチングされた支持材料表面で、耐指紋性、耐落書き性又は耐グレア性を有する利用表面として使用される。

0166

ガラスの背面上に印刷を有する又は鏡面コーティングを有する特殊装飾要素は、イージークリーンコーティングによって特に有利である。例えば、オーブンフロントスクリーンとして又は他の台所用品で使用されるこれらの要素は、使用時に指紋又は脂肪物質と繰返し接触する。これらの場合には、表面は極めて急速に見苦しくかつ非衛生になる。この際、イージークリーンコーティングは、既に良好な視覚的な抑制結果をもたらし、かつより容易に清浄し得る。そのような使用における本発明による基材によって、作用の寿命が明らかに上昇されかつ対象の使用価値が高められ得る。

実施例

0167

本発明は前記の特徴の組み合わせに限定されることなく、むしろ当業者は本発明の全特徴を、それが合理的である限り、任意に組み合わせることが理解される。

0168

2支持材料、 3、4、5反射防止コーティング、 6外層、 11、12、13基材要素、 20 表面、 31、41 最上層、 32、33、42、43、44 反射防止コーティングの層

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