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技術 点眼動作検出装置及びその方法

出願人 株式会社日本技術センター田淵仁志
発明者 中谷喜紀田淵仁志西村和晃長谷川彰一葛口優樹近藤和昭頼廣明
出願日 2015年10月14日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2015-202961
公開日 2017年4月20日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2017-074197
状態 特許登録済
技術分野 医療品保存・内服装置
主要キーワード データ集積装置 補助ホルダ 取り付け形状 検出順番 真下向き ガスデータ 照度管理 検証確認
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月20日)のものです。
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図面 (10)

課題

本発明は、点眼薬の用法管理を効率的かつ経済的に行うことができる点眼動作検出装置及びその方法を提供する。

解決手段

点眼薬40の点眼動作をモニタリングする点眼動作検出装置70であって、点眼薬容器50に装着され、前記点眼薬容器50の動きを検知するモーションセンサ101を有するセンサ部10と、前記モーションセンサ101から出力されるセンサ信号112を時系列に記録する記憶部250と、時系列に記録した前記センサ信号112の変化で点眼動作を検出する判断手段を有する処理端末部20と、を備える点眼動作検出装置70を特徴とする。

概要

背景

新薬の開発、医療の高度化、高齢者患者在宅治療への対応など、薬の用法を管理することへの要望は近年ますます高まっている。特に、病院通院する高齢者患者に投薬する場合、患者が自宅で薬を処方通りに使用しているかどうかを把握することは、患者を治療する医師等の医療関係者にとっては極めて重要である。
このような状況の中、高齢者の薬の飲みすぎや飲み忘れを防ぐ服薬支援装置も一般に販売されている。これらの装置は、内部に1週間分薬ケースを有し、、昼、夜、寝る前など、決められた時間に決められた量の薬を提供するようにプログラムすることが可能で、薬提供時には音声案内と表示画面による服薬告知使用者支援する。しかしながら、これらの市販の服薬支援装置は、服用薬への対応が中心であり、点眼薬への対応は困難であった。

服用薬であれば、1回あたりの服用毎に仕分けすることができ、また、その数量の変化でモニタリングすることは比較的容易であるが、点眼薬については、1回あたりの投与の量は微量であり、1回あたりの使用量で仕分けることや、その量の変化を使用の毎に捉えることは極めて困難である。実際、通常の点眼での点眼薬1滴の量は30〜50μL(マイクロリットル)程度であり、その質量は数十mg(ミリグラム)程度で、その量の変化を捉えるためには精密な計量装置が必要となる。そのため、点眼薬の用法管理については、以下のような点眼の動作や点眼された眼の状況を捉える装置や方法が開示されている。

概要

本発明は、点眼薬の用法管理を効率的かつ経済的に行うことができる点眼動作検出装置及びその方法を提供する。点眼薬40の点眼動作をモニタリングする点眼動作検出装置70であって、点眼薬容器50に装着され、前記点眼薬容器50の動きを検知するモーションセンサ101を有するセンサ部10と、前記モーションセンサ101から出力されるセンサ信号112を時系列に記録する記憶部250と、時系列に記録した前記センサ信号112の変化で点眼動作を検出する判断手段を有する処理端末部20と、を備える点眼動作検出装置70を特徴とする。

目的

これらの装置は、内部に1週間分の薬ケースを有し、朝、昼、夜、寝る前など、決められた時間に決められた量の薬を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

点眼薬(40)の点眼動作をモニタリングする点眼動作検出装置(70)であって、点眼薬容器(50)に装着され、前記点眼薬容器(50)の動きを検知するモーションセンサ(101)を有するセンサ部(10)と、前記モーションセンサ(101)から出力されるセンサ信号(112)を時系列に記録する記憶部(250)と、時系列に記録した前記センサ信号(112)の変化で点眼動作を検出する判断手段を有する処理端末部(20)と、を備える、ことを特徴とする点眼動作検出装置(70)。

請求項2

請求項1に記載の点眼動作検出装置(70)において、前記モーションセンサ(101)が、加速度センサ回転角速度(ジャイロ)センサ、及び地磁気センサのうちの少なくともいずれか1つである、ことを特徴とする点眼動作検出装置(70)。

請求項3

請求項1または2に記載の点眼動作検出装置(70)において、前記センサ部(10)が前記点眼薬容器(50)に着脱可能である、ことを特徴とする点眼動作検出装置(70)。

請求項4

請求項3に記載の点眼動作検出装置(70)において、前記点眼薬容器(50)に装着する部分に点眼薬(40)の種類に応じて個別の識別番号を設定し、時系列に記録された前記センサ信号(112)に前記識別番号を加えて前記記憶部(250)に記録する、ことを特徴とする点眼動作検出装置(70)。

請求項5

請求項4に記載の点眼動作検出装置(70)において、温度を検知する温度センサ(120)、圧力を検知する圧力センサ(122)、照度を検知する照度センサ(124)、湿度を検知する湿度センサ(126)、気圧を検知する気圧センサ(128)、ガスを検知するガスセンサ(130)、及び人の体表乾燥度を検知する保湿センサ(132)のうち少なくともいずれか1つを備える、ことを特徴とする点眼動作検出装置(70)。

請求項6

請求項1乃至5の何れかに記載の点眼動作検出装置(70)において、前記点眼薬容器(50)の蓋(62)を固定する台(64)を備えた、ことを特徴とする点眼動作検出装置(70)。

請求項7

請求項6に記載の点眼動作検出装置(70)において、前記蓋(62)の垂直方向中心軸(66)と前記蓋(62)を固定する前記台(64)の水平面が成す固定角度を垂直以外の角度とした、ことを特徴とする点眼動作検出装置(70)。

請求項8

請求項1乃至7の何れかに記載の点眼動作検出装置(70)を用いた点眼動作検出方法であって、点眼薬容器(50)の動きを検知してモーションセンサ(101)からセンサ信号(112)を時系列に出力するステップと、時系列に出力された前記センサ信号(112)を記憶部(250)に記録するステップと、前記記憶部(250)に記録された前記センサ信号(112)の時系列変化の形状によって点眼動作を検出するステップと、を備える、ことを特徴とする点眼動作検出方法。

請求項9

請求項1乃至7の何れかに記載の点眼動作検出装置(70)と、前記点眼動作検出装置(70)から出力されたデータを管理する集中管理部(30)とを備え、前記集中管理部(30)は、前記点眼動作検出装置(70)で検出した点眼動作の回数と、点眼薬の減少量および治療効果に関係する検査数値との関係を統計処理する集中管理プログラム(310)と、前記点眼動作検出装置(70)から出力されたデータを記録するデータ集積部(301)と、を備える、ことを特徴とする点眼管理システム(80)。

請求項10

請求項9に記載の点眼管理システム(80)において、前記集中管理部(30)は、前記点眼薬容器(50)に装着する部分に設定した前記識別番号と前記点眼薬(40)の種類とを紐付けする照合手段(312)と、前記点眼動作検出装置(70)で検出された前記点眼薬(40)の種類に応じて点眼治療関係者に点眼動作の状況や治療方法の情報を受発信する手段(302)と、を備える、ことを特徴とする点眼管理システム(80)。

技術分野

0001

本発明は、点眼薬の用法管理を効率的かつ経済的に行うことができる点眼動作検出装置及びその方法に関する。

背景技術

0002

新薬の開発、医療の高度化、高齢者患者在宅治療への対応など、薬の用法を管理することへの要望は近年ますます高まっている。特に、病院通院する高齢者患者に投薬する場合、患者が自宅で薬を処方通りに使用しているかどうかを把握することは、患者を治療する医師等の医療関係者にとっては極めて重要である。
このような状況の中、高齢者の薬の飲みすぎや飲み忘れを防ぐ服薬支援装置も一般に販売されている。これらの装置は、内部に1週間分薬ケースを有し、、昼、夜、寝る前など、決められた時間に決められた量の薬を提供するようにプログラムすることが可能で、薬提供時には音声案内と表示画面による服薬告知使用者支援する。しかしながら、これらの市販の服薬支援装置は、服用薬への対応が中心であり、点眼薬への対応は困難であった。

0003

服用薬であれば、1回あたりの服用毎に仕分けすることができ、また、その数量の変化でモニタリングすることは比較的容易であるが、点眼薬については、1回あたりの投与の量は微量であり、1回あたりの使用量で仕分けることや、その量の変化を使用の毎に捉えることは極めて困難である。実際、通常の点眼での点眼薬1滴の量は30〜50μL(マイクロリットル)程度であり、その質量は数十mg(ミリグラム)程度で、その量の変化を捉えるためには精密な計量装置が必要となる。そのため、点眼薬の用法管理については、以下のような点眼の動作や点眼された眼の状況を捉える装置や方法が開示されている。

先行技術

0004

特表2013−531548号公報
国際公開WO2009/148345号公報

発明が解決しようとする課題

0005

例えば、特許文献1の特表2013−531548号公報では、点眼薬の滴下メカニカル機構で行うインジェクタ装置を用い、この装置の動作で点眼薬の使用を捉える方法が開示されている。しかし、微量の点眼薬を滴下させるインジェクタ装置をコンパクトに実現するには、微細で精密な機械機構エレクトロニクス装置が必要となり、高価で、寸法や重量の面からも扱い難いことが欠点となる。
また、特許文献2の国際公開WO2009/148345号公報では、点眼薬容器に当たる薬液投与容器に加わる圧力をピエゾ圧電素子などの圧力センサで検出することで、薬液投与の開始つまり点眼薬の使用開始時点を捉える方法が開示されている。薬液投与容器に加わる圧力を検知するためには、検出するセンサと薬液投与容器とを密着させる必要がある。通常、点眼薬は点眼薬容器と共に治験され、承認される。そのため、特許文献2に開示された内容では、個々の製薬企業から様々な形状の点眼薬容器で供給される点眼薬の種類に応じて、そのつど機器を設計および製作しなければならない。また、機器の構造を薬液投与容器と点眼薬容器とを密着させる構造とするため、機器をコンパクトに実現することも困難となる。

0006

しかしながら、現実の点眼薬の用法管理では、誤りのない点眼開始時点及び終了時点の検出までは必要でない場合も多くあり、一定期間の治療効果の記録観察を目的とするものであれば、点眼を直接捉えているものではなく、点眼実施を推定することができれば十分である場合も多くある。

0007

それゆえ、本発明の主たる課題は、簡便で経済的な点眼動作検出装置を提供すると共に、精密な装置を用いて高精度で点眼薬の用法管理を行うシステムよりも、安価で簡易な装置を用いることにより、現実的に必要とされるレベルの点眼薬の用法管理を行うことができる点眼管理システムを提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明における第1の発明は、点眼薬40の点眼動作をモニタリングする点眼動作検出装置70であって、点眼薬容器50に装着され、前記点眼薬容器50の動きを検知するモーションセンサ101を有するセンサ部10と、前記モーションセンサ101から出力されるセンサ信号112を時系列に記録する記憶部250と、時系列に記録した前記センサ信号112の変化で点眼動作を検出する判断手段を有する処理端末部20と、を備える点眼動作検出装置70である。この発明では、点眼薬40を滴下する場合、点眼薬容器50に本発明の点眼動作検出装置70のセンサ部10を装着することで、一連の点眼薬容器50の動作をモーションセンサ101が検知し、センサ信号112として出力し、これを記憶部250に時系列に記録する。その後、時系列に記録されたセンサ信号112を処理端末部20にて解析することで、点眼薬容器50の一連の動作が点眼動作であるかどうかを検知することができる。

0009

上記発明において、前記モーションセンサ101が、加速度センサ回転角速度(ジャイロ)センサ、及び地磁気センサのうちの少なくともいずれか1つであるのが好ましい。

0010

また、上記各発明において、前記センサ部10が前記点眼薬容器50に着脱可能であるのが好ましい。この場合、センサ部10を直接、接着剤等で点眼薬容器50に固着することが可能であり、また、センサ部10と点眼薬容器50を接続するアダプタを作成することも可能である。さらに、後述するようにセンサ部10を含んだ点眼補助ホルダ60を作成して、その点眼補助ホルダ60の中に点眼薬容器50を収容し使用してもよい。そうすることで、点眼薬容器50の形状に依存することなく、どのような形状の点眼薬容器50にも装着することができる。

0011

なお、前記センサ部10を前記点眼薬容器50に着脱可能とした場合、前記点眼薬容器50に装着する部分に点眼薬40の種類に応じて個別の識別番号を設定し、時系列に記録された前記センサ信号112に前記識別番号を加えて前記記憶部250に記録するのが好ましい。各点眼薬の種類に応じて個別の識別番号を設定し、時系列に記録されたセンサ信号112に加えることで、点眼薬40の種類によって固有に必要とされる動作、例えば点眼前に点眼薬40の成分を均一にするため点眼薬容器50をよく振る必要がある場合など、を検出することができ、点眼薬40が処方通りに使用されているかの用法管理をより詳細に行うことができる。

0012

また、上記の各発明において、温度を検知する温度センサ120、圧力を検知する圧力センサ122、照度を検知する照度センサ124、湿度を検知する湿度センサ126、気圧を検知する気圧センサ128、ガスを検知するガスセンサ130、及び人の体表乾燥度を検知する保湿センサ132のうち少なくともいずれか1つを備えることが好ましい。この場合、温度を検知する温度センサ120を備えることで、点眼薬40の保存温度を検出することができ、点眼薬40の種類によって固有に必要とされる保存温度管理、例えば冷所保存が行われているかなどに対応することができる。また、圧力を検知する圧力センサ122を点眼動作で点眼薬容器50に圧力が加わる部分に備えることで、点眼動作に固有な圧力発生を検出することができ、これにより、点眼動作の開始を検出することができる。さらに圧力を検知することで、点眼薬容器50に破損が生じていないかなど、容器の異常を検出することもできる。また、照度を検知する照度センサ124を備えることで、点眼薬40の保存照度を検出することができ、点眼薬40の種類によって固有に必要とされる保存照度管理、例えば暗所保存が行われているかなどに対応することができる。さらに、照度センサ124として可視光センサ紫外線センサ赤外線センサなどの照度センサを単独又は組み合わせて使用することができる。照度センサ124として、紫外線センサを使用した場合は、暗所保存の管理だけでなく、点眼薬40によっては、紫外線を避けて保存されているかどうかの管理を行うこともできる。また、照度センサ124として赤外線センサを使用した場合は、点眼薬容器使用者が発する赤外線を検知して、使用者の動きを検出することができる。また、湿度を検知する湿度センサ126を備えることで、点眼薬40の保存湿度を検出することができ、点眼薬40の種類によって固有に必要とされる保存湿度管理、例えば湿度の低い場所に保存されているかなどに対応することができる。また、気圧を検知する気圧センサ128を備えることで、点眼薬40の保存気圧を検出することができ、点眼薬40の種類によって固有に必要とされる保存気圧管理が行われているかなどに対応することができる。また、二酸化炭素CO2や酸素O2などのガスを検知するガスセンサ130を備えることで、点眼薬40の保存環境ガス状態を検出することができる。さらに、点眼薬容器50の使用者が発するCO2を検知して、使用者の動きを検出することができる。さらに、人の体表乾燥度を検知する保湿センサ132を備えることで、点眼薬容器50の使用者の体表乾燥度を検知し、使用者が点眼薬容器50を持って動かしたかどうかを検出することができる。これらにより、点眼薬40が処方通りに保存され、点眼されているかの用法管理をより詳細に行うことができる。

0013

さらに、上記の各発明において、前記点眼薬容器50の蓋62を固定する台64を備えるのが好ましい。点眼薬容器50の蓋62を台64に固定する構成とすることにより、点眼動作の前後には、必ず点眼薬容器50を回転させるという動作が加わることになり、これを検知したモーションセンサ101の出力信号を時系列に記録したデータと、蓋62がない場合の点眼動作のみから得られるモーションセンサ101の出力信号を時系列に記録したデータとを組み合わせることで、回転を伴わない、点眼に類似した動作と比較して、これを排除することができ、点眼動作の検知精度を向上することができる。

0014

前記点眼薬容器50の蓋62を固定する台64を備えた場合には、前記蓋62の垂直方向中心軸66と前記蓋62を固定する前記台64の水平面が成す固定角度を垂直以外の角度とするのが好ましい。このように、点眼薬容器50の蓋62の垂直方向の中心軸66と固定する台64の水平面が成す角度が90度以外とすることで、点眼薬容器50の回転動作によるモーションセンサ101の出力信号が回転動作に固有の時系列変化を示し、蓋62がない場合の点眼動作から得られるモーションセンサ101の出力信号を時系列に記録したデータと組み合わせることで、回転を伴わない、点眼に類似した動作と比較して、これを排除することができ、点眼動作の検知精度をさらに向上することができる。

0015

本発明における第2の発明は、上記第1の発明の点眼動作検出装置70を用いた点眼動作検出方法であって、点眼薬容器50の動きを検知してモーションセンサ101からセンサ信号112を時系列に出力するステップと、時系列に出力された前記センサ信号112を記憶部250に記録するステップと、前記記憶部250に記録された前記センサ信号112の時系列変化の形状によって点眼動作を検出するステップと、を備えることを特徴とする。この発明では、一連の点眼薬容器50の動作をモーションセンサ101が検知し、センサ信号112として出力し、これを記憶部250に時系列に記録する。その後、時系列に記録されたセンサ信号112を解析することで、点眼薬容器50の一連の動作が点眼動作であるかどうかを検知することができる。本発明によれば、精密な点眼動作検出装置を必要とせず、経済的で簡便な点眼動作検出方法を提供することができる。

0016

本発明における第3の発明は、上記第1の発明の点眼動作検出装置70と、前記点眼動作検出装置70から出力されたデータを管理する集中管理部30とを備え、前記集中管理部30は、前記点眼動作検出装置70で検出した点眼動作の回数と、点眼薬の減少量および治療効果に関係する検査数値との関係を統計処理する集中管理プログラム310と、前記点眼動作検出装置70から出力されたデータを記録するデータ集積部301と、を備えることを特徴とする点眼管理システム80である。この発明では、本発明の点眼動作検出装置70によって検出された点眼動作の回数データと、実際に使用した点眼薬40の減少量データ及び実際の治療効果を示す検査数値データとを関連付けて統計処理する集中管理プログラム310を備えた点眼管理システム80によって、点眼1回毎の正確な点眼薬滴下量の管理をしなくとも、一定期間(例えば1週間)、点眼動作回数を管理することによって、一定期間後の点眼薬による治療効果を確認することができる。また、本発明の点眼動作検出装置70から出力されたデータを集中管理部30のデータ集積部301に記録できるため、大量のデータを保存することができ、システム全体として精密な点眼動作検出装置を必要とせず、経済的で簡便な点眼薬40の用法管理を行うシステムを提供することができる。

0017

上記の点眼管理システム80において、前記集中管理部30は、前記点眼薬容器50に装着する部分に設定した前記識別番号と前記点眼薬40の種類とを紐付けする照合手段312と、前記点眼動作検出装置70で検出された前記点眼薬40の種類に応じて点眼治療の関係者に点眼動作の状況や治療方法の情報を受発信する手段302と、を備えるのが好ましい。この場合、各点眼薬の種類に応じて個別の識別番号を設定し、時系列に記録されたセンサ信号112に加えることで、点眼薬40の種類によって固有に必要とされる動作と、点眼動作の回数データとを検出し、これらを実際に使用した点眼薬40の減少量データ及び実際の治療効果を示す検査数値データを関連付けて統計処理する集中管理プログラム310を備える点眼管理システム80によって、点眼1回毎の正確な点眼薬滴下量の管理をしなくとも、一定期間(例えば1週間)、点眼動作回数を管理することによって、一定期間後の点眼薬による治療効果を確認することができる。また、本発明の点眼動作検出装置70から出力されたデータを集中管理部30のデータ集積部301に記録できるため、大量のデータを保存することができるとともに、これらのデータを医療関係者と受発信する手段を備えることで、システム全体として精密な点眼動作検出装置や高度な情報処理システムを必要とせず、経済的で簡便な点眼薬の用法管理を行うシステムを提供することができる。

0018

上述した本発明の作用をまとめると、次のようになる。
本発明の点眼動作検出装置70は、点眼薬40の容器の動きを細かな時間間隔で連続して検知できるモーションセンサ101でその検出した信号を時系列に記録することで、一定の時間範囲の点眼薬容器50の動きを変化形状(プロファイル)として捉えることができる装置を用いるものである。

0019

この装置をつけた点眼薬容器50での点眼動作と治療効果の実施検討の結果、点眼薬使用者(患者)の点眼動作として容器の動きを一定の時間範囲の変化形状として捉えたデータは、一般に普及している点眼の方法の一定の時間範囲の変化形状と同様であると判別することができることが判った。ここにいう一般に普及している点眼の方法とは、個々の使用者(患者)の個別の点眼動作の習熟の程度や癖などと考えることができる変化形状の違い、例えば動作の早さなど、の相違はあるが、容器の蓋を外した後、一旦、滴下口が上に向くよう容器を向けて、眼の位置に合わせるように容器を移動し、滴下口が下を向くよう容器を傾け、点眼し、再び滴下口が上を向くように戻すという一連の動作のことである。

0020

さらに、時系列的に記録された変化形状のデータから、点眼したと判別できる回数の累積と点眼薬の減少量との関係には相関があり、さらには、治療効果とも相関があることが確認できた。この確認結果から、点眼動作による点眼薬容器の動きの変化形状での判別から点眼薬の使用の状況を観察記録することが有効であることが判明した。

0021

さらに検討を加えたところ、点眼薬の用法上、例えば、点眼前に、点眼薬の成分を均一にするため点眼薬容器50をよく振る必要がある場合には、この容器を振る動作の検出も可能であることが判明した。

0022

また、先に記載したとおり、個々の使用者(患者)の個別の点眼動作の習熟の程度や癖などと考えることができる変化形状の違いも記録することが可能なことから、この相違と治療効果との関係について検討を加えることで、将来的には、個々の使用者(患者)への医療的指導活用することも考えられる。

0023

点眼薬容器50の動きを変化形状として捉えることで点眼薬使用のモニタリングが可能であることから、実施に必要な機能に限定して装置を実現した結果、装置の点眼薬容器50に付帯させる必要がある部分には点眼動作の検出に対して機械的な機構は不要で、電気的な信号検出とその信号を情報として処理するエレクトロニクス機構のみで実現でき、軽量で小型にすることが可能となる。このため、個々の製薬業者から供給される多様な形状や大きさの点眼薬容器に個別に対応が可能な取り付け形状の容器に収納して実現することが可能となり、医療機関や使用者(患者)の利便性や衛生上の利点も向上する。

0024

また、電気信号として検出が可能なその他のセンサ、例えば、温度、圧力、照度、湿度、気圧、ガス、及び保湿などのセンサで大きさや重さに対する影響が軽微なものであれば追加することが可能であり、より確かな点眼動作の検出、その他用法上の動作の検出、点眼薬の保管状況の検出、なども可能となる。

発明の効果

0025

本発明によれば、精密な点眼動作検出装置を必要とせず、経済的で簡便な点眼動作検出装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0026

本発明における一実施形態の点眼動作検出装置の構成を示す概念図である。
本発明における一実施形態の点眼補助ホルダの概略図である。
本発明における一実施形態のシステムの構成を示す概念図である。
本発明における一実施形態のモーションセンサ検出データの出力の一例である。
本発明における一実施形態のモーションセンサ検出データの出力をグラフ化したものである。
本発明における一実施形態の点眼動作を示す図である。
本発明における一実施形態の点眼薬容器の蓋と固定台を示す図である。
本発明における一実施形態の点眼薬容器を固定台から取り出して点眼する際のモーションセンサ検出データの出力をグラフ化したものである。
本発明における一実施形態の点眼薬容器の蓋と固定台の角度を変えた場合の形態を示す図である。

0027

本発明の一実施形態を、図1〜5を用いて、点眼薬容器の動き検出から点眼薬の使用状況を観察および記録する例を用いて説明する。
なお、各符号において、各部位を上位概念で示す場合にはアルファベット枝番をつけずアラビア数字のみで示し、各部位を区別する必要がある場合(すなわち下位概念で示す場合)にはアルファベット小文字の枝番をアラビア数字に付して区別する。

0028

以下に点眼動作検出装置70及び点眼管理システム80の構成を説明する。
図1は、観察および記録する点眼薬容器の動きデータの流れで模式化した概念図で、この図でシステムの構成を説明する。
本実施例1では、センサ部10は、モーションセンサ101、データ処理部102、通信部104、データ処理部102の制御にて動作するデータ記憶部103と、これらの動作部電源を供給する電源部105で構成されている。センサ部10には温度センサ120、圧力センサ122、照度センサ124、湿度センサ126、気圧センサ128、ガスセンサ130、保湿センサ132を配置してもよい。

0029

センサ部10は、メカニカルな機構部分が無く、電気部品のみで構成されるため小型化して腕時計本体部の大きさほどの容器に収容可能に構成でき、点眼薬容器50に着脱可能に設置することができる。例えば、センサ部10の収容容器と点眼薬容器50とを接着剤等で直接に固着することができる。また、センサ部10の収容容器と点眼薬容器50の間を着脱可能に接続するアダプタ等を介して固着してもよい。もしくは、例えば、図2に例示するように、点眼薬容器50を収容できる点眼補助ホルダ60として点眼薬容器50に取り付けることも可能で、この場合、センサ部10は、点眼補助ホルダ60のベース60b内に収容される。

0030

本実施例1では、点眼動作に伴う点眼薬容器50の動きを検出するモーションセンサ101として、X、Y、Zの3軸方向の加速度を検出する3軸加速度センサを用いた場合について説明するが、加速度センサだけでなく、回転角速度(ジャイロ)センサ、地磁気センサの何れか、もしくは、それらを組み合わせて用いてもよい。また本実施例1では、データ記憶部103としてデータ処理部102となるマイクロプロセッサに内蔵されるFIFOバッファメモリを用いる場合について説明するが、大容量のRAM(ランダムアクセスメモリー)やフラッシュメモリーを用いてもよい。また、電源部105は、小型の亜鉛電極電池を用いた場合について説明しているが、太陽電池等の交換を必要としない電源がより好ましい。

0031

また本実施例1では、データ処理部102となるマイクロプロセッサに個別のマイクロプロセッサとして識別することができる製品番号が書き換え不可メモリとして記録されている場合について説明しているが、センサ部10にある他の部分の識別可能な番号を用いるか、または、識別するための部分を追加してもよい。データ処理部102は、モーションセンサ101の出力データを周期的に取得し通信部104に出力する。通信部104はデータ処理部102から受け取ったデータを処理端末部20に送信する。

0032

処理端末部20は、センサデータ受信部201、データ処理部202、ROM203、RAM204、不揮発性メモリ205、データ送信部206と、これらの動作部に電源を供給する電源部207で構成されている。RAM204と不揮発性メモリ205は記憶部250を構成している。この処理端末部20は、専用機として実現しても良いが、パーソナルコンピュータタブレット端末携帯電話スマートフォン携帯用ゲームなどの、処理端末部20の各構成要素201〜207及び記憶部250の機能を含む小型電子機器に目的の動作を実現するプログラムまたはアプリケーションを動作させることで実現してもよい。図3は、処理端末部20を専用機として実現した場合の構成を概念化して示した例であり、スマートフォン等の携帯端末72やインターネットを介した医療機関78とのデータのやりとりを示している。

0033

センサデータ受信部201は、センサ部10から送信されたデータを受信し、データ処理部202に送る。ROM203は、以下に述べる各種プログラムや判別用のデータ等を記憶している。(1)データ処理部202がセンサ部10から送られてきたデータを時系列的にRAM204に一時記憶したり、データ送信部206に送ったりなどの制御処理を行うプログラム、(2)データ処理部202がRAM204に時系列的に記憶されたデータ変化計算処理し、特徴的なデータを判別処理するプログラム、(3)前記特徴的なデータの判別処理の結果を点眼薬40の使用者や、集中管理部30で点眼薬40の使用状況をモニタする医師などの観察者出力処理するプログラム等、(4)判別したい特徴的なデータ判別条件等。

0034

記憶部250を構成するRAM204は、データ処理部202の作業や、センサ部10から送られ、時系列的に記憶されたデータから特徴的なデータを抽出するのに必要なデータを一時的に記憶している。記憶部250を構成する不揮発性メモリ205は、センサ部10から送られてきたデータやデータ処理部202の処理により生成されたデータを長期保管する目的で利用される。データ処理部202は、ROM203に記憶されているプログラムに従って、上述したROM203の機能に記載した処理を行う。データ送信部206は、ROM203に記憶されているプログラムに従ってデータ処理部202で処理されたデータや、記憶部250を構成するRAM204および不揮発性メモリ205に時系列的に記憶されているデータを、医師などの観察者が利用できるように、データ集積装置サーバ)などに送信する。このデータ送信の方式としては、主に、電話回線、インターネット、携帯電話などの、公共通信回線を用いる。

0035

集中管理部30は、データ集積部301、情報受発信手段302、医療情報サーバ303、集中管理プログラム310、照合手段312を含んで構成されている。ここでは、データ集積部301は、処理端末部20から送られた点眼薬容器50の動きや点眼動作の判別結果などセンサ部10を源とするデータを専用に扱う専用サーバとして設ける場合の構成を例としている。別の例としては、医療情報サーバ303の中にデータ集積部301の機能を一体として設けてもよい。

0036

データ集積部301には、処理端末部20から送られた点眼薬容器50の動きや点眼動作の判別結果が時系列にかつセンサ部10ごとに付与された識別番号と共に記録される。また、これらのデータは、センサ部10の識別番号により、医療情報サーバ303に記録されている患者のカルテ情報投薬情報との紐付けもできるような記憶形式フォーマット)となるよう設定されている。また、データ集積部301は、点眼動作の判別を処理端末部20のデータ処理部202に代わって行うよう、もしくは、記録されたより多くのデータを基に、処理端末部20のデータ処理部202の判別の精度を検証し修正するよう設定することもできる。また、個々の点眼薬容器50の状況に応じ、観察者や点眼薬40の使用者に必要な情報を自動的に発信するよう設定することもできる。情報受発信手段302は、データ集積部301に記録されている点眼薬容器50の動きに関する情報の確認や、点眼薬容器50の動きから点眼動作を検出することの有効性を高めるための情報入力、例えば、点眼薬40の使用者から回収した点眼薬容器50の点眼薬40の使用量の入力処理を行う。この情報受発信手段302は、専用機として実現しても良いが、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、携帯電話、スマートフォン、携帯用ゲームなどの、小型電子機器に目的の動作を実現するプログラムまたはアプリケーションを動作させることで実現してもよい。

0037

以下に時系列データからの点眼動作判定について説明する。
図4は、点眼薬容器50のモーションセンサ101の検出データの出力の一例を示す図である。ここではセンサ部10のモーションセンサ101として3軸の加速度センサを用いている場合を例にして、処理端末部20のデータ処理部202に図4に示す例のデータが届き形成されるまでを説明する。点眼薬容器50の動きを検出したモーションセンサ101となる3軸の加速度センサからX軸、Y軸、Z軸となる3方向の加速度値が出力するアナログ信号が、アナログデジタル変換回路によりデジタル信号に変換される。このアナログ変換回路は、加速度センサと一体となってデジタル出力センサとなる場合とデータ処理部102となるマイクロコンピュータ回路と一体となる場合があり、どちらの構成でもよい。

0038

データ処理部102では、点眼薬容器50の動き検出の目的に応じて設定されるデータの検出頻度や検出データの種類に対応し、それらデータを処理端末部20に送るための必要な処理を行う。処理端末部20に送るための必要な処理の例としては、点眼薬容器50を識別するための番号の付与、データの検出順番を明確にするためのシリアル番号または時間データの付与、データの暗号化、処理端末部20への送信を効率的に行うためデータ記憶部103へ一時保管蓄積し、複数データをまとめて通信部104にデータを送る処理などがある。ここでは、人の動作である点眼動作の動き検出という目的から、80ミリ秒に1回の頻度(12.5Hz)で加速度を検出している場合で、その検出データをモーションセンサ101から受信後直ちに点眼薬容器50を識別する目的でセンサ部10に個別に割り当てる識別番号と検出順番を識別するためのシリアル番号を追加し順次通信部104に送り出しているとする。そのデータは通信部104から処理端末部20のセンサデータ受信部201を介しデータ処理部202に送られる。

0039

データ処理部202では、点眼薬容器50の動き検出の目的に応じて設定されるセンサ部10から送られるデータ形式に応じたデータの仕分けや時系列化の処理を行い、図4で例示したデータ形式にデータを整理する処理を行う。ここでは、センサ部10から80ミリ秒に1回の頻度で検出された加速度データが順次直ちに送信されているため、処理端末部20で受信した時間を検出時間として、送信されてきたX軸、Y軸、Z軸3方向1組のデータと、センサ部10に個別に割り当てる識別番号に実際の時間(カレンダー時計時間)を付与し、順次RAM204に記録すると共にデータ送信部206に送られる。このデータが図4の点眼薬容器の動き検出データの出力例となる。図4の出力例のデータ形式では、X軸、Y軸、Z軸3方向1組の加速度データに加え、その検出時間が1組のデータとなり時系列の一連のデータとなっている。

0040

図5は、実際に片目に点眼をした際の点眼薬容器50の動きを検出した図4のデータ形式の時系列データをグラフ化したものである。点眼薬容器50の蓋側が上方向、底側が下方向として、この方向に加速度センサのZ軸方向を下側がプラス方向となるように、また、点眼薬容器50に向かって手前と奥の方向(前後方向)に合わせて加速度センサのX軸方向を奥側がプラス方向となるように加速度センサが点眼薬容器50に付けられている場合の例である。この場合、点眼薬容器50に向かって左右方向がY軸の方向で、右側がプラス側となる。この例の加速度センサでは、地球の重力による重力加速度が1Gとして検出されるセンサのため、点眼薬容器50の蓋側、つまり、点眼口の側が上を向いている場合、Z軸の値は1Gとなり、Z軸に対し、水平方向となるX軸およびY軸は0Gとなっている。

0041

図5グラフは、経過時間最初の点眼動作開始時から経過時間最後の点眼動作終了時に当たる。一般的な点眼動作では、点眼動作開始後、先ずは、点眼薬容器50の点眼口側が手前に来るよう容器を傾け、最終的には点眼口がほぼ下を向くように点眼薬容器50を動かすため、Z軸については、1Gから0Gを超えてマイナス側の値となり、X軸については、マイナス側となる手前が重力方向となる下側に傾くため、0Gの値から一旦−1G付近の値まで下がり点眼口が下向きになるまで傾くと0G付近まで戻り、Y軸については、軸方向に対して容器が回っているため、重力加速度の値としては、ほぼ0Gのまま、の各変化として表れ、図5のグラフも同様の形状を示している。また、一般的な点眼動作では、点眼終了後、点眼薬容器50の点眼口が上を向く点眼開始と同じ向きになるよう点眼容器を動かすため、先に示した点眼動作開始から点眼までの動作と逆の変化がZ軸、X軸、Y軸に表れ、図5のグラフも同様の形状を示している。

0042

図5のグラフでの説明の通り、図4の出力例のデータ形式は、点眼動作を判別することを可能とする点眼薬容器50の特徴的な動きの時系列データの組となっていることが解かる。この図4の出力例のデータ形式を用い、簡便な方法としては、Z軸の値がプラスからマイナス、マイナスからプラスへの変化の検出から点眼動作が判別される。この判別を行うところとしては、図4の出力例のデータ形式を作成するデータ処理部202が考えられる。また、図4の出力例のデータ形式を、データ送信部206を通して、医師などの観察者が利用するための、データ集積部(サーバ)301に送り、観察者が利用するコンピュータなどで判別することも考えられる。

0043

上述の例は、モーションセンサ101に3軸の加速度センサを用いた場合であるが、3軸の回転角速度(ジャイロ)センサや、3軸の地磁気センサを用いても同様の結果を得ることができる。3軸の回転角速度センサでは、上述の加速度センサ同様に点眼薬容器50の動きをX、Y、Zの3軸方向についての回転角速度の変化として検知し、点眼薬容器50の一定の時間範囲の動きを変化形状(プロファイル)として捉えることができる。また、3軸の地磁気センサでは、上述の加速度センサ同様に点眼薬容器50の動きをX、Y、Zの3軸方向についての地磁気の変化として検知し、点眼薬容器50の一定の時間範囲の動きを変化形状(プロファイル)として捉えることができる。また、加速度センサ、回転角速度センサ、及び地磁気センサを組み合わせてモーションセンサ101を構成することで、点眼薬容器50の動きをさらに高精度に検出することができる。

0044

以下に医療効果の確認について説明する。
点眼薬容器50の動きの時系列データの解析から点眼動作を検出する方法は間接的な点眼動作の検出であるため、医療効果の観察記録として用いるためには医学的な効果の検証確認が必要となるが、図1で説明したシステム構成で、この検証確認も可能であることを説明する。

0045

図1のシステム構成の説明で点眼動作の検出判定は、データ処理部202または医師などの観察者が利用するためのデータ集積部(サーバ)301を介し観察者が利用するコンピュータなどで行うが、この検出データは、点眼を実施した時間と共に記録することができる。そのため、一定期間ではその期間の点眼回数としてデータを扱うことができる。一方、医師などの観察者は、患者など点眼薬40の使用者から点眼薬容器50を回収し、点眼薬容器50に残る点眼薬40の残量を計測することで、その点眼薬容器50を使用者に渡していた期間の点眼薬40の使用量が判る。また、合せて、使用者を診察することで、例えば眼圧など検査データも得られる。これら、点眼薬40の使用量と診察による検査データとを図1のシステム構成で観察者が使用するコンピュータなどで点眼回数のデータと紐付けて管理すれば、同様のデータの蓄積により統計的に、点眼の回数と点眼薬40の使用量との間の相関関係を得ることが可能となる。

0046

また、診察による検査データとの間の統計的な相関関係も得ることが可能となる。点眼薬40の使用量は点眼と直接結びつけることができるデータであり、また、診察による検査データとの間の相関も含めることで治療効果との関係についても統計的に検討が可能となる。以上のことから、点眼薬容器50の動きから点眼動作を検出する手法が、治療効果の観察記録の方法として有効であることを医学的に検証することが可能であり、また、この医学的な検証により点眼薬容器50の動きから点眼動作を検出する方法が、直接的な点眼の検出方法の代わりとなることが示される。

0047

以下に識別番号による点眼薬40の区別について説明する。
センサ部10のデータ処理部102となるマイクロプロセッサには、個々のマイクロプロセッサを識別するための製品番号が記録されており、モーションセンサ101の出力データにこの製品番号を加えて通信部104に出力している。そして、処理端末部20のデータ処理部202で作成される図4の出力例のデータ形式には、この番号も含まれる。センサ部10を取り付けた点眼薬容器50もしくは点眼補助ホルダ60を特定の点眼薬専用とする。または、処理端末部20またはデータ集積部(サーバ)301などで登録管理することで、点眼動作を観察および記録する点眼薬40を特定することができる。

0048

このことにより、特定の点眼薬40で決められている用法に応じた点眼動作の観察および記録が可能となる。例えば、点眼動作の前に、点眼薬容器50を振り、点眼薬内の成分を混ぜることが用法となっている点眼薬40であれば、点眼動作前に、点眼薬容器50を振る動作を検出することで、用法のあった点眼を行っているか観察することが可能となる。また、2種以上の点眼薬を使用している場合、各点眼薬の使用の順番や点眼の時間の間隔などの用法についても同様に用法にあった点眼を行っているか観察することが可能となる。

0049

また、低温での保管が用法となっている点眼薬40であれば、センサ部10に温度を検出することができる温度センサ120を加え、データ処理部102でこの温度のデータも加えて処理することで、図4の出力例のデータ形式には温度のデータも追加され、用法にあった点眼薬40の保管がされているか観察することが可能となる。さらに、暗所や紫外線がない場所での保管が用法となっている点眼薬40であれば、センサ部10に照度を検出することができる照度センサ124、特に可視光センサ及び紫外線センサなど、を加え、データ処理部102でこの照度のデータも加えて処理することで、図4の出力例のデータ形式には照度、紫外線のデータも追加され、用法にあった点眼薬40の保管がされているか観察することが可能となる。また、保管湿度を観察する必要がある点眼薬40であれば、センサ部10に湿度を検出することができる湿度センサ126を加え、データ処理部102でこの気圧のデータも加えて処理することで、図4の出力例のデータ形式には湿度のデータも追加され、点眼薬40が保管されている場所の湿度の状況を観察することが可能となる。また、保管気圧を観察する必要がある点眼薬40であれば、センサ部10に気圧を検出することができる気圧センサ128を加え、データ処理部102でこの気圧のデータも加えて処理することで、図4の出力例のデータ形式には気圧のデータも追加され、点眼薬40が保管されている場所の気圧の状況を観察することが可能となる。さらに、点眼薬40が保管されている場所の二酸化炭素CO2や酸素O2などのガスの状況を観察する必要があれば、センサ部10にガスを検出することができるガスセンサ130を加え、データ処理部102でこのガスのデータも加えて処理することで、図4の出力例のデータ形式にはガスのデータも追加され、点眼薬40が保管されている場所のガスの状況を観察することが可能となる。

0050

以下に点眼動作検出の精度向上のための方法を説明する。
図5のグラフの形状で点眼動作の検出が可能であることを説明したが、誤った検出をする類似の動作が点眼薬容器50に加えられる場合も考えられる。このことによる誤った検出を低減する方法としては、例えば図7に例示するような点眼薬容器50の蓋62の部分を固定する台64を使用する方法がある。この台64を用いた場合、点眼動作前にセンサ部10が付いた点眼薬容器50を回して台64から外す必要があり、この動作も点眼薬容器50の動きとして検出することが可能である。この動きと図5のグラフで例示する点眼動作と合わせて判定することで、誤った検出を低減することが可能である。

0051

図8は、図7に示す点眼薬容器50の蓋62を固定する台64に点眼薬容器50が設置されている状態から点眼薬容器50を回し、蓋62を外すと共に点眼薬容器50を台64から外し、点眼を行い、再び点眼薬容器50を台64に戻すと共に点眼薬容器50を回し、蓋62をする一連の動作をした際の点眼薬容器50の動きを検出した時系列データをグラフ化したものの一例である。点眼動作の前後に点眼薬容器50を回転させたことを示す特徴的な変化の形状が記録されており、この形状と点眼動作の形状との組み合わせで判定することで、誤った検出を低減することが可能となることがわかる。

0052

この例の点眼薬容器50が回転することで生じる特徴的な変化の形状は、図9で示すように点眼薬容器50を台64に固定された蓋62に取り付ける角度により変化の大きさが変わることが検討の結果から判明している。点眼薬容器50を台64の水平面に対して垂直(点眼口が真下向き)に取り付けた場合は、この特徴的な変化の形状が現れず、この点眼薬容器50の回転の動きを検出することは困難であったが、垂直以外の角度であれば変化の形状が現れるので、点眼薬容器50の台64として取り外しなど使用者の使い勝手も考慮して、点眼薬容器50の回転及び台64からの取り外し検出が可能な変化の大きさが表れる角度を決めればよい。

実施例

0053

また、別の方法としては、センサ部10に圧力を検出することができる圧力センサ122を加え、点眼薬容器50の点眼動作で圧力が加わる部分にこのセンサを付けることで、この圧力データの変化の形状と図5のグラフで例示する点眼動作と合わせて判定することで、誤った検出を低減することが可能である。また、センサ部10に照度センサ124として赤外線センサを使用した場合は、点眼薬容器50使用者が発する赤外線を検知して、使用者の動きを検出することができる。この赤外線データの変化の形状と図5のグラフで例示する点眼動作と合わせて判定することで、誤った検出を低減することが可能である。また、センサ部10にガスセンサ130として二酸化炭酸CO2を検知できるガスセンサ130を使用した場合は、点眼薬容器50使用者が発するCO2を検知して、使用者の動きを検出することができる。このガスデータの変化の形状と図5のグラフで例示する点眼動作と合わせて判定することで、誤った検出を低減することが可能である。さらに、センサ部10に人の体表乾燥度を検知できる保湿センサ132を使用した場合は、点眼薬容器50の使用者が発する体表乾燥度の変化を検知して、使用者の動きを検出することができる。この体表乾燥度データの変化の形状と図5のグラフで例示する点眼動作と合わせて判定することで、誤った検出を低減することが可能である。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。

0054

10:センサ部、20:処理端末部、30:集中管理部、40:点眼薬、50:点眼薬容器、60:点眼補助ホルダ、60a:キャップ、60b:ベース、60c:底蓋、62:蓋、64:台、66:中心軸、70:点眼動作検出装置、72:携帯端末、74:電源コンセント、76:インターネット接続口、78:医療機関、80:点眼管理システム、101:モーションセンサ、102:データ処理部、103:データ記憶部、104:通信部、105:電源部、112:センサ信号、120:温度センサ、122:圧力センサ、124:照度センサ、126:湿度センサ、128:気圧センサ、130:ガスセンサ、132:保湿センサ、201:センサデータ受信部、202:データ処理部、203:ROM、204:RAM、205:不揮発性メモリ、206:データ送信部、207:電源部、250:記憶部、301:データ集積部、302:情報受発信手段、303:医療情報サーバ、310:集中管理プログラム、312:照合手段。

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