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技術 非アルコール性脂肪肝治療用組成物、非アルコール性脂肪肝の治療剤の候補物質のスクリーニング方法及びDNAチップ

出願人 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明者 小堀真珠子杉浦実小川一紀太田嗣人
出願日 2017年2月6日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2017-019946
公開日 2017年4月20日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2017-074077
状態 特許登録済
技術分野 微生物・酵素関連装置 酵素、微生物を含む測定、試験 突然変異または遺伝子工学
主要キーワード クルクミン類 単純性 非アルコール性脂肪肝 非アルコール性脂肪肝炎 脂肪肝炎 高コレステロール食 測定結果 相対値
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月20日)のものです。
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図面 (3)

課題

非アルコール性脂肪肝治療するための治療用組成物、非アルコール性脂肪肝の治療剤候補物質スクリーニング方法、及び該スクリーニング方法において用いられるDNAチップを提供すること。

解決手段

本発明は、β−クリプトキサンチンを含む、非アルコール性脂肪肝治療用組成物を提供する。また、本発明は、少なくとも1つの候補物質と、培養肝細胞とを接触させる接触工程と、上記接触工程の後に、β−クリプトキサンチンの投与により発現が抑制される遺伝子の発現を検出する検出工程と、β−クリプトキサンチンの投与により発現が抑制される遺伝子の発現を抑制した候補物質を選択する選択工程と、を含む非アルコール性脂肪肝の治療剤の候補物質のスクリーニング方法を提供する。

概要

背景

日本における肝疾患罹患者急増している。罹患者が増加している肝疾患のうち、特に、食生活の欧米化に伴う、脂肪及びコレステロールの摂取量の増加を原因とする非アルコール性脂肪肝の増加が指摘されている。現在では、成人の4人に1人は非アルコール性脂肪肝に罹患しているものと推計されている。

非アルコール性脂肪肝は、肝臓に脂肪が蓄積した状態である単純性脂肪肝、ならびに、肝臓に脂肪が蓄積した脂肪肝の状態からさらに炎症及び線維化が生じた非アルコール性脂肪肝炎に大別される。非アルコール性脂肪肝炎は、さらに肝硬変肝癌へと進行し得るうえ、メタボリックシンドローム高頻度合併し得るので問題視されている。

非アルコール性脂肪肝炎の予防及び治療に有効な化合物として、ビタミンE非特許文献1)、ピルビン酸(特許文献1)クルクミン類(特許文献2)等が報告されている。

概要

非アルコール性脂肪肝を治療するための治療用組成物、非アルコール性脂肪肝の治療剤候補物質スクリーニング方法、及び該スクリーニング方法において用いられるDNAチップを提供すること。本発明は、β−クリプトキサンチンを含む、非アルコール性脂肪肝治療用組成物を提供する。また、本発明は、少なくとも1つの候補物質と、培養肝細胞とを接触させる接触工程と、上記接触工程の後に、β−クリプトキサンチンの投与により発現が抑制される遺伝子の発現を検出する検出工程と、β−クリプトキサンチンの投与により発現が抑制される遺伝子の発現を抑制した候補物質を選択する選択工程と、を含む非アルコール性脂肪肝の治療剤の候補物質のスクリーニング方法を提供する。

目的

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、非アルコール性脂肪肝を治療するための治療用組成物、非アルコール性脂肪肝の治療剤の候補物質のスクリーニング方法、及び該スクリーニング方法において用いられるDNAチップの提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

少なくとも1つの候補物質と、培養肝細胞とを接触させる接触工程と、前記接触工程の後に、β−クリプトキサンチン投与により発現が抑制される遺伝子の発現を検出する検出工程と、β−クリプトキサンチンの投与により発現が抑制される遺伝子の発現を抑制した候補物質を選択する選択工程と、を含む非アルコール性脂肪肝治療剤の候補物質のスクリーニング方法

請求項2

前記β−クリプトキサンチンの投与により発現が抑制される遺伝子がC1QB、CD52、CD68、CD74、COL1A1、CYBA、CD64、HLADQA1、HLA−DQA2、HLA−DQB1、HLA−DQB2、HLA−DRB1、HLA−DRB5、LYZのうちのいずれか1つ以上である請求項1に記載のスクリーニング方法。

請求項3

前記非アルコール性脂肪肝が非アルコール性脂肪肝炎である請求項2に記載のスクリーニング方法。

請求項4

C1QB、CD52、CD68、CD74、COL1A1、CYBA、CD64、HLA−DQA1、HLA−DQA2、HLA−DQB1、HLA−DQB2、HLA−DRB1、HLA−DRB5、LYZのうちのいずれか2つ以上のDNAを検出可能なオリゴヌクレオチドプローブを備えるDNAチップ

請求項5

列番号1〜30記載の配列又はその相補配列を有するオリゴヌクレオチドプローブを2種以上備えるDNAチップ。

技術分野

0001

本発明は、非アルコール性脂肪肝治療用組成物、非アルコール性脂肪肝の治療剤候補物質スクリーニング方法及びDNAチップに関する。

背景技術

0002

日本における肝疾患罹患者急増している。罹患者が増加している肝疾患のうち、特に、食生活の欧米化に伴う、脂肪及びコレステロールの摂取量の増加を原因とする非アルコール性脂肪肝の増加が指摘されている。現在では、成人の4人に1人は非アルコール性脂肪肝に罹患しているものと推計されている。

0003

非アルコール性脂肪肝は、肝臓に脂肪が蓄積した状態である単純性脂肪肝、ならびに、肝臓に脂肪が蓄積した脂肪肝の状態からさらに炎症及び線維化が生じた非アルコール性脂肪肝炎に大別される。非アルコール性脂肪肝炎は、さらに肝硬変肝癌へと進行し得るうえ、メタボリックシンドローム高頻度合併し得るので問題視されている。

0004

非アルコール性脂肪肝炎の予防及び治療に有効な化合物として、ビタミンE非特許文献1)、ピルビン酸(特許文献1)クルクミン類(特許文献2)等が報告されている。

0005

特許公開2011−236160号公報
特許公開2007−320864号公報

先行技術

0006

N.Engl.J.Med,2010:362:1675−1685

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、非アルコール性脂肪肝について確立された治療方法は未だ存在せず、非アルコール性脂肪肝の症状を治療できる医薬品の開発が求められている。

0008

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、非アルコール性脂肪肝を治療するための治療用組成物、非アルコール性脂肪肝の治療剤の候補物質のスクリーニング方法、及び該スクリーニング方法において用いられるDNAチップの提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、β−クリプトキサンチン組成物によれば上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は下記のものを提供する。

0010

(1) β−クリプトキサンチンを含む、非アルコール性脂肪肝治療用組成物。

0011

(2) 上記非アルコール性脂肪肝が非アルコール性脂肪肝炎である(1)に記載の治療用組成物。

0012

(3) 少なくとも1つの候補物質と、培養肝細胞とを接触させる接触工程と、
上記接触工程の後に、β−クリプトキサンチンの投与により発現が抑制される遺伝子の発現を検出する検出工程と、
β−クリプトキサンチンの投与により発現が抑制される遺伝子の発現を抑制した候補物質を選択する選択工程と、を含む非アルコール性脂肪肝の治療剤の候補物質のスクリーニング方法。

0013

(4) 上記β−クリプトキサンチンの投与により発現が抑制される遺伝子がC1QB、CD52、CD68、CD74、COL1A1、CYBA、CD64、HLADQA1、HLA−DQA2、HLA−DQB1、HLA−DQB2、HLA−DRB1、HLA−DRB5、LYZのうちのいずれか1つ以上である(3)に記載のスクリーニング方法。

0014

(5) 上記非アルコール性脂肪肝が非アルコール性脂肪肝炎である(4)に記載のスクリーニング方法。

0015

(6) C1QB、CD52、CD68、CD74、COL1A1、CYBA、CD64、HLA−DQA1、HLA−DQA2、HLA−DQB1、HLA−DQB2、HLA−DRB1、HLA−DRB5、LYZのうちのいずれか2つ以上のDNAを検出可能なオリゴヌクレオチドプローブを備えるDNAチップ。

0016

(7) 配列番号1〜30記載の配列又はその相補配列を有するオリゴヌクレオチドプローブを2種以上備えるDNAチップ。

発明の効果

0017

本発明によれば、非アルコール性脂肪肝を治療するための治療用組成物、非アルコール性脂肪肝の治療剤の候補物質のスクリーニング方法、及び該スクリーニング方法において用いられるDNAチップが提供される。

図面の簡単な説明

0018

β−クリプトキサンチンによる非アルコール性脂肪肝炎の治療効果を示す、マウス肝臓組織染色結果を示す図である。
β−クリプトキサンチンによるマウス脂肪肝炎の治療効果を示す、DNAチップを用いた評価結果を示す図である。

0019

以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。

0020

<非アルコール性脂肪肝を治療するための治療用組成物>
本発明の治療用組成物は、β−クリプトキサンチンを含む。β−クリプトキサンチンは、ウンシュウミカン等の柑橘類等に多く含まれるカロテノイドであり、プロビタミンAとしての特性を備えており、抗酸化性抗癌作用歯周病の予防及び改善等の作用を有することが知られている(例えば、Biol,Pharm.Bull,1995:18(2):227、特許公開2007−246448号公報等を参照)。

0021

また、β−クリプトキサンチンの血中濃度と、肝障害マーカーの1つである血中γ−GTP濃度との間に負の相関があることが報告されている(Journal of Epidemiology,Vol.15,No.5 September 2005)。また、喫煙者における血中β−クリプトキサンチンが酸化ストレスに対する保護効果を有し、メタボリックシンドロームの発症を抑制し得ることが報告されている(British Journal of Nutrition(2008),100,1297−1306)。

0022

しかし、本発明者らの検討による結果、β−クリプトキサンチンは、特定の遺伝子の発現を制御することにより、非アルコール性脂肪肝の治療効果をも有することが実証された。このような治療効果は、β−クリプトキサンチンの血中濃度と、特定の肝障害マーカー及び酸化ストレスとの関連を示唆しているに過ぎない従来の知見からは予測しがたいことである。

0023

なお、本発明において「非アルコール性脂肪肝」とは、単純性脂肪肝又は非アルコール性脂肪肝炎を指す。また、本発明において「治療」とは、非アルコール性脂肪肝の完治や根治だけではなく、非アルコール性脂肪肝の症状の軽減をも指す。

0024

本発明の治療用組成物の形態は特に限定されない。本発明の治療用組成物は、公知の製剤化技術によって所望の剤形液剤カプセル剤顆粒剤エキス剤錠剤等)に調製できる。

0025

本発明の治療用組成物の使用量は特に限定されず、得ようとする治療効果に応じて適宜調整できる。例えば、β−クリプトキサンチンの血中濃度が、1時間〜数日間(例えば、1〜14日間)にわたって、0.2μg/mL〜2.0μg/mLとなるように、単回又は複数回投与してもよい。また、本発明の治療用組成物は経口投与静脈内投与腹腔内投与等の投与方法で使用できる。また、本発明の治療用組成物の投与対象は、哺乳類(ヒト、マウス、ラットイヌネコブタウマ等)、鳥類爬虫類両生類魚類等であってもよい。

0026

本発明の治療用組成物は、脂肪の蓄積を抑制できるだけではなく、線維化や炎症をも抑制できるため、非アルコール性脂肪肝のうち、非アルコール性脂肪肝炎を好ましく治療できる。

0027

非アルコール性脂肪肝の治療効果は、非アルコール性脂肪肝や、該脂肪肝から生じる炎症、線維化において特徴的に発現する遺伝子(後述する)の発現の有無、その発現量、ALTGPT)及びASTGOT)等の測定結果を確認することで判断できる。また、肝臓組織の染色により、脂肪の蓄積量や、線維化及び/又は炎症の有無を確認することでも判断できる。炎症の有無は、組織中のクッパー細胞及び/又は星細胞等の活性化の有無を確認することで判断できる。

0028

<スクリーニング方法>
本発明者は、非アルコール性脂肪肝(高脂肪食高コレステロール食の摂取によって生じた脂肪肝及び脂肪肝炎等)、及び、本発明の治療用組成物によって非アルコール性脂肪肝が治療された後の肝臓等における遺伝子発現プロファイルを、DNAマイクロアレイを用いて解析した。その結果、非アルコール性脂肪肝において特徴的に発現する遺伝子を特定した(表1参照)。従って、候補物質による、該遺伝子の発現の有無や発現量を検討し、所望の効果を奏する候補物質を選択することにより、本発明の治療用組成物と同様に非アルコール性脂肪肝を治療できる治療剤の候補物質をスクリーニングできる。

0029

具体的には、本発明のスクリーニング方法は、少なくとも1つの候補物質と、培養肝細胞とを接触させる接触工程と、上記接触工程の後に、β−クリプトキサンチンの投与により発現が抑制される遺伝子の発現を検出する検出工程と、β−クリプトキサンチンの投与により発現が抑制される遺伝子の発現を抑制した候補物質を選択する選択工程と、を含む。なお、本発明において、「遺伝子」とは、DNA又はmRNAを指すが、DNAの発現は、PCRサザンブロッティング等によって直接的に検出することができる。また、mRNAの発現は、逆転写PCRやノーザンブロッティング等によって直接的に検出することができる。また、ウエスタンブロッティング等によって、DNAやmRNAの発現に伴って合成されるタンパク質を検出することで、DNAやmRNAの発現を間接的に検出することもできる。また、本発明において遺伝子の発現が「抑制される」とは、β−クリプトキサンチンの投与の有無以外は同一の条件下で遺伝子の発現を比較した場合に、β−クリプトキサンチンを投与した場合における遺伝子の発現量が、β−クリプトキサンチンを投与しない場合における遺伝子の発現量よりも低いことを指す。

0030

接触工程において使用される培養肝細胞は、肝由来細胞であれば特に限定されないが、マウス初代肝細胞、正常ヒト肝細胞、HepG2肝細胞、H4IIE肝細胞等が挙げられる。

0031

検出工程における、β−クリプトキサンチンの投与により発現が抑制される遺伝子の発現の有無や発現量は、DNAマイクロアレイ、リアルタイムPCR、ウエスタンブロッティング、免疫組織染色法等公知の方法で特定できる。「β−クリプトキサンチンの投与により発現が抑制される遺伝子」とは、β−クリプトキサンチンと接触した肝細胞内において発現が抑制される遺伝子を指す。具体的に、「β−クリプトキサンチンの投与により発現が抑制される遺伝子」としては、表1に記載されたヒトDNAが挙げられる。表1に記載されたヒトDNAのうち、C1QB、CD52、CD68、CD74、COL1A1、CYBA、CD64、HLA−DQA1、HLA−DQA2、HLA−DQB1、HLA−DQB2、HLA−DRB1、HLA−DRB5、LYZのうちのいずれか1つ以上は、非アルコール性脂肪肝において特徴的に誘導される遺伝子であり、該遺伝子の発現を抑制する候補物質を探索することにより、本発明の治療用組成物と同様の効果を奏する治療剤の候補物質を効率的にスクリーニングできる点で好ましい。

0032

0033

また、本発明の治療用組成物と同様に非アルコール性脂肪肝を治療できる候補物質のスクリーニングにおいては、C1QB、CD52、CD68、CD74、COL1A1、CYBA、CD64、HLA−DQA1、HLA−DQA2、HLA−DQB1、HLA−DQB2、HLA−DRB1、HLA−DRB5、LYZのうちのいずれか2つ以上の遺伝子を検出可能なオリゴヌクレオチドプローブを備えるDNAチップを使用できる。また、本発明の治療用組成物と同様に非アルコール性脂肪肝を治療できる候補物質のスクリーニングにおいては、配列番号1〜30記載の配列又はその相補配列を有するオリゴヌクレオチドプローブを2種以上備えるDNAチップを使用できる。さらに、C1QB、CD52、CD68、CD74、COL1A1、CYBA、CD64、HLA−DQA1、HLA−DQA2、HLA−DQB1、HLA−DQB2、HLA−DRB1、HLA−DRB5、LYZのうちのいずれか2つ以上の遺伝子や、配列番号1〜30記載の配列又はその相補配列に対応するタンパク質を検出可能なプロテインチップも使用できる。

0034

本発明のDNAチップやプロテインチップは公知の製造方法によって、基板にオリゴヌクレオチドプローブやタンパク質を配置することで得られ、該DNAチップ又はプロテインチップによって、候補物質の非アルコール性脂肪肝に対する治療効果を簡便に検討することができる。

0035

以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0036

<実施例1:β−クリプトキサンチンによる非アルコール性脂肪肝炎の治療効果−1>
(1)高脂肪高コレステロール食によって脂肪肝炎を誘導したマウス(図1中「CL」)、(2)高脂肪高コレステロール食によって脂肪肝炎を誘導した後に、β−クリプトキサンチンを摂取させたマウス(図1中「CL+CX」)のそれぞれの肝臓組織の染色を行った。なお、(2)のマウスには、β−クリプトキサンチン量が0.003質量%である試料を84日間にわたって摂食させた。

0037

なお、本試験において行った染色は下記の通りである。
(A)Hematoxylin Eosin染色(図1中「H&E」):該染色により、細胞核細胞質等が染色される。脂肪は染色されず、白い部分として残る。
(B)Azan染色(図1中「Azan」):該染色により、線維化された部分が染色される。
(C)Sirius Red染色(図1中「Sirius Red」):該染色により、線維化された部分が染色される。
(D)αSMA染色(図1中「αSMA」):該染色により、活性化された星細胞を染色する。星細胞の活性化は、肝臓中に炎症反応が生じさせ、コラーゲン過剰産生をもたらして肝臓中に沈着させる。
(E)F4/80染色(図1中「F4/80」):該染色により、活性化されたクッパー細胞を染色する。クッパー細胞の活性化は、肝臓中に炎症反応が生じていることを示す。

0038

図1に示される通り、β−クリプトキサンチンは、肝臓の脂肪化を抑制した(A)。また、β−クリプトキサンチンは、線維化を抑制した(B、C)。また、β−クリプトキサンチンは、炎症を抑制した(D、E)。

0039

<実施例2:β−クリプトキサンチンによる非アルコール性脂肪肝炎の治療効果−2>
(1)正常肝を有するマウス(図2中「コントロール」)、(2)高脂肪高コレステロール食によって脂肪肝炎を誘導したマウス(図2中「脂肪肝炎」)、(3)高脂肪高コレステロール食によって脂肪肝炎を誘導した後に、β−クリプトキサンチンを摂取させたマウス(図2中「脂肪肝炎+β−クリプトキサンチン」)のそれぞれの肝臓組織中の遺伝子発現を、DNAチップを用いて検討した。なお、(3)のマウスには、β−クリプトキサンチン量が0.003質量%である試料を84日間にわたって摂食させた。

0040

各遺伝子の発言量を蛍光強度相対値として示した結果を図2に示す。なお、本試験で用いたDNAチップによって検出した遺伝子は図2横軸に示される。

0041

なお、図2中のマウス遺伝子記号について、「Ccl6」、「H2−aa」、「H2−ab1」、「H2−eb1」、「Lyz2」は、それぞれ、表1中のヒト遺伝子記号「CCL15又はCCL23」、「HLA−DQA1又はHLA−DQA2」、「HLA−DQB1又はHLA−DQB2」、「HLA−DRB1又はHLA−DRB5」、「LYZ」に対応する。

実施例

0042

図2に示される通り、脂肪肝炎において特徴的に誘導される遺伝子の発現が、β−クリプトキサンチンの摂取によって低減されていた。脂肪肝炎において特徴的に誘導される遺伝子のうち、特に、C1qb、Cd52、Cd68、Cd74、Col1a1、Cyba、Cd64、H2−aa(HLA−DQA1又はHLA−DQA2)、H2−ab1(HLA−DQB1又はHLA−DQB2)、H2−eb1(HLA−DRB1又はHLA−DRB5)、Lyz2(LYZ)の発現が、β−クリプトキサンチンの摂取によって低減されていた。

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