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技術 呼び線の延線システム及び架線の延線方法

出願人 株式会社シーテック
発明者 中田照俊
出願日 2015年10月7日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2015-199368
公開日 2017年4月13日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2017-073891
状態 特許登録済
技術分野 飛行船・気球・飛行機 電線ケーブルの据付
主要キーワード 補助ライン 切り離し動作 自動機構 可動フック 飛行プログラム 操縦技術 自動分離 所定張力
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月13日)のものです。
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図面 (11)

課題

呼び線延線作業の安全性の向上、確実性の向上及び経済性の向上を両立させる呼び線の延線システム及び架線延線方法とする。

解決手段

呼び線よりも相対的に細くて軽く構成され呼び線を延線する際に呼び線に接続される補助ライン10と、補助ライン10の一端の端部近傍に接続される重り20と、重り20又は重り20の近傍の補助ライン10の少なくとも一方である環状体22を支持する支持機構32が設けられており第1鉄塔と第2鉄塔の間を飛行可能なマルチプター30と、を備え、支持機構32は、遠隔操作により支持している環状体22をマルチコプター30から分離可能可動フック34(遠隔分離機構)と、補助ライン10が所定張力以上の張力で引っ張られた場合に環状体22をマルチコプター30から自動的に分離可能な固定フック36(自動分離機構)と、を有する。

概要

背景

従来、鉄塔間に送電線通信線等の架線を延線させるためには、鉄塔間に呼び線といわれる線を予め掛け渡す。そして、係る呼び線に架線を接続した状態で呼び線を一方の鉄塔から他方の鉄塔へ引張って架線を架け渡す。ここで呼び線の延線作業は、人力による地表延線が一般的であったため作業員の負担が大きかった。特に、鉄塔間の地形状況によっては、作業負担が増大する。例えば、山などの傾斜地では、足元が不安定なため転落転倒滑落の危険のおそれがある。また、山間部の中における呼び線の地表延線では、呼び線が木に引っ掛りやすく延線しにくい。また、渓谷谷における鉄塔間の延線では、地表延線が困難な場合もある。

ここで、上述のような山間部、渓谷、峡谷等における鉄塔間に呼び線を架渡す方法として、ペットボトルロケットを利用する方法がある。このペットボトルロケットの利用は、ペットボトルロケットに呼び線を接続した状態で鉄塔間を飛翔させて延線する方法である。ペットボトルロケットの利用は、鉄塔へ確実に飛翔させることが困難な場合もあり確実性の観点で改善点を有する。

そこで、ラジコンヘリコプター(例えば、特許文献1)を利用する技術開示がある。この特許文献1におけるラジコンヘリコプターを利用は、ラジコンヘリコプターに呼び線を接続した状態で鉄塔間を飛ばして延線する方法である。

概要

呼び線の延線作業の安全性の向上、確実性の向上及び経済性の向上を両立させる呼び線の延線システム及び架線の延線方法とする。呼び線よりも相対的に細くて軽く構成され呼び線を延線する際に呼び線に接続される補助ライン10と、補助ライン10の一端の端部近傍に接続される重り20と、重り20又は重り20の近傍の補助ライン10の少なくとも一方である環状体22を支持する支持機構32が設けられており第1鉄塔と第2鉄塔の間を飛行可能なマルチプター30と、を備え、支持機構32は、遠隔操作により支持している環状体22をマルチコプター30から分離可能可動フック34(遠隔分離機構)と、補助ライン10が所定張力以上の張力で引っ張られた場合に環状体22をマルチコプター30から自動的に分離可能な固定フック36(自動分離機構)と、を有する。

目的

本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、呼び線の延線作業の安全性の向上、確実性の向上及び経済性の向上を両立させる呼び線の延線システム及び架線の延線方法とすることにある

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

鉄塔間に架線を延線させるために予め前記鉄塔間に掛け渡される呼び線を延線する呼び線の延線システムであって、前記呼び線よりも相対的に細くて軽く構成され前記呼び線を延線する際に前記呼び線に接続される補助ラインと、前記補助ラインの一端の端部近傍に接続される重りと、前記重り又は前記重りの近傍の前記補助ラインの少なくとも一方である被支持部を支持する支持機構が設けられており前記鉄塔間を飛行可能なマルチプターと、を備え、前記支持機構は、遠隔操作により支持している前記被支持部を前記マルチコプターから分離可能遠隔分離機構と、前記補助ラインが所定張力以上の張力で引っ張られた場合に前記被支持部を前記マルチコプターから自動的に分離可能な自動分離機構と、を有する呼び線の延線システム。

請求項2

請求項1に記載の呼び線の延線システムであって、前記支持機構は、前記マルチコプターのローターより下方において前記被支持部を弾性支持する弾性体と、前記弾性体を付勢させた状態で保持する複数のフックと、を有し、前記複数のフックの少なくとも1つは、前記弾性体を保持する保持位置と前記弾性体の保持を解除する解除位置とを遠隔操作によって切替可能な可動フックとして前記遠隔分離機構を構成している呼び線の延線システム。

請求項3

請求項2に記載の呼び線の延線システムであって、前記複数のフックの少なくとも1つは、前記可動フックと離間した位置で前記弾性体を保持する固定フックであり、前記固定フックは、前記補助ラインの落下方向に向かって前記弾性体の付勢が増加する傾斜部を有し、前記補助ラインが前記所定張力以上の張力で引っ張られた場合に前記弾性体が前記傾斜部を通過して前記固定フックから外れて前記弾性体による前記補助ラインの弾性支持が解除される前記自動分離機構を構成している呼び線の延線システム。

請求項4

請求項1から請求項3のいずれかに記載の呼び線の延線システムであって、更に、前記補助ラインが巻取られた状態から順次繰出される繰出し機構を備え、前記繰出し機構は、前記補助ラインの繰出し抵抗が調整可能な繰出し抵抗調整機構を有し、前記繰出し抵抗は前記補助ラインの張力が前記所定張力よりも小さな抵抗となるように調整されている呼び線の延線システム。

請求項5

鉄塔間に架線を延線させる架線の延線方法であって、前記架線よりも相対的に細くて軽い呼び線と、前記呼び線よりも相対的に細くて軽い補助ラインと、前記補助ラインの一端の端部近傍に接続された重りと、前記重り又は前記重りの近傍の前記補助ラインの少なくとも一方である被支持部を支持する支持機構であって、遠隔操作により支持している前記被支持部を前記マルチコプターから分離可能な遠隔分離機構と、前記補助ラインが所定張力以上の張力で引っ張られた場合に前記被支持部を前記マルチコプターから自動的に分離可能な自動分離機構と、を有する支持機構が設けられて前記鉄塔間を飛行可能なマルチコプターと、を用い、前記被支持部を前記マルチコプターの前記支持機構に支持させる補助ライン支持工程と、前記被支持部を前記支持機構に支持した前記マルチコプターを、延線の対象である第1鉄塔から第2鉄塔に飛行させて前記補助ラインを前記第1鉄塔から前記第2鉄塔まで延線するマルチコプター飛行工程と、前記マルチコプターが前記第2鉄塔の近傍に到達した際に前記遠隔分離機構または前記自動分離機構を用いて前記被支持部を前記マルチコプターから分離する補助ライン分離工程と、前記補助ラインを前記第1鉄塔と前記第2鉄塔の間に架け渡す補助ライン架け渡し工程と、前記第1鉄塔の側の前記補助ラインを前記呼び線に接続し、前記補助ラインを前記第1鉄塔の側から前記第2鉄塔の側に引張って、前記第1鉄塔と前記第2鉄塔の間に前記呼び線を架け渡す呼び線架け渡し工程と、前記第1鉄塔の側の前記呼び線を前記架線に接続し、前記呼び線を前記第1鉄塔の側から前記第2鉄塔の側に引張って、前記第1鉄塔と前記第2鉄塔の間に前記架線を架け渡す架線架け渡し工程と、を有し、前記マルチコプター飛行工程において、前記自動分離機構によって前記被支持部が分離された場合は、前記補助ライン支持工程からやり直す、架線の延線方法。

技術分野

0001

本発明は、呼び線の延線システム及び架線延線方法に関する。

背景技術

0002

従来、鉄塔間に送電線通信線等の架線を延線させるためには、鉄塔間に呼び線といわれる線を予め掛け渡す。そして、係る呼び線に架線を接続した状態で呼び線を一方の鉄塔から他方の鉄塔へ引張って架線を架け渡す。ここで呼び線の延線作業は、人力による地表延線が一般的であったため作業員の負担が大きかった。特に、鉄塔間の地形状況によっては、作業負担が増大する。例えば、山などの傾斜地では、足元が不安定なため転落転倒滑落の危険のおそれがある。また、山間部の中における呼び線の地表延線では、呼び線が木に引っ掛りやすく延線しにくい。また、渓谷谷における鉄塔間の延線では、地表延線が困難な場合もある。

0003

ここで、上述のような山間部、渓谷、峡谷等における鉄塔間に呼び線を架渡す方法として、ペットボトルロケットを利用する方法がある。このペットボトルロケットの利用は、ペットボトルロケットに呼び線を接続した状態で鉄塔間を飛翔させて延線する方法である。ペットボトルロケットの利用は、鉄塔へ確実に飛翔させることが困難な場合もあり確実性の観点で改善点を有する。

0004

そこで、ラジコンヘリコプター(例えば、特許文献1)を利用する技術開示がある。この特許文献1におけるラジコンヘリコプターを利用は、ラジコンヘリコプターに呼び線を接続した状態で鉄塔間を飛ばして延線する方法である。

先行技術

0005

特開平7−143628号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、ラジコンヘリコプターの利用は、地形状況、気象状況等によって高度な操縦技術を要する場面も少なくない。また、鉄塔間の木などに呼び線が引っかかった際に、機体の落下の懸念があるため更なる改善点を有する。

0007

本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、呼び線の延線作業の安全性の向上、確実性の向上及び経済性の向上を両立させる呼び線の延線システム及び架線の延線方法とすることにある。

0008

上記課題を解決するために、本発明の呼び線の延線システムは次の手段をとる。先ず、第1の発明は、鉄塔間に架線を延線させるために予め前記鉄塔間に掛け渡される呼び線を延線する呼び線の延線システムであって、前記呼び線よりも相対的に細くて軽く構成され前記呼び線を延線する際に前記呼び線に接続される補助ラインと、前記補助ラインの一端の端部近傍に接続される重りと、前記重り又は前記重りの近傍の前記補助ラインの少なくとも一方である被支持部を支持する支持機構が設けられており前記鉄塔間を飛行可能なマルチプターと、を備え、前記支持機構は、遠隔操作により支持している前記被支持部を前記マルチコプターから分離可能遠隔分離機構と、前記補助ラインが所定張力以上の張力で引っ張られた場合に前記被支持部を前記マルチコプターから自動的に分離可能な自動分離機構と、を有する。

0009

この第1の発明によれば、マルチコプターが補助ラインを延線する構成である。補助ラインは、呼び線を延線する際に呼び線に接続されるものであり、係る呼び線よりも相対的に細くて軽く構成されている。そのため、マルチコプターは、呼び線より軽い補助ラインを延線するため、直接呼び線を延線するラジコンヘリコプターより出力の小さい機体とすることができるため、延線作業の経済性の向上を図ることができる。また、マルチコプターの使用により、山間部、渓谷、峡谷等における鉄塔間であっても飛行可能であるため、人力による地表延線に比して時間短縮が図れ、延線作業の経済性、安全性の向上を図ることができる。また、マルチコプターは、3つ以上のローターを備えることからラジコンヘリコプターに比して飛行が安定し、延線作業の確実性の向上が図り得る。また、マルチコプターには、重り又は重りの近傍の補助ラインの少なくとも一方である被支持部を支持する支持機構が設けられている。係る支持機構は、遠隔操作により支持している被支持部をマルチコプターから分離可能な遠隔分離機構と、補助ラインが所定張力以上の張力で引っ張られた場合に被支持部をマルチコプターから自動的に分離可能な自動分離機構を有する。遠隔分離機構は、鉄塔間のより近い位置で被支持部を分離することができるので、延線作業の効率化と作業負担の軽減を図ることができる。また、自動分離機構は、補助ラインが所定張力以上の張力で引っ張られた場合に被支持部をマルチコプターから自動的に分離可能とするため、機体の墜落を防ぎ信頼性の向上を図り得る。

0010

次に、第2の発明は、第1の発明の呼び線の延線システムであって、前記支持機構は、前記マルチコプターのローターより下方において前記被支持部を弾性支持する弾性体と、
前記弾性体を付勢させた状態で保持する複数のフックと、を有し、前記複数のフックの少なくとも1つは、前記弾性体を保持する保持位置と前記弾性体の保持を解除する解除位置とを遠隔操作によって切替可能な可動フックとして前記遠隔分離機構を構成している。

0011

この第2の発明によれば、支持機構は、弾性体と、複数のフックを有する構成である。また、複数のフックの少なくとも1つは、弾性体を保持する保持位置と弾性体の保持を解除する解除位置とを遠隔操作によって切替可能な可動フックとして遠隔分離機構を構成している。そのため、複雑な構成を有することなく、被支持部を支持すると共に可動フックにかかる張力を半減させることでより確実な遠隔分離機構を有する支持機構とすることができる。

0012

次に、第3の発明は、第2の発明の呼び線の延線システムであって、前記複数のフックの少なくとも1つは、前記可動フックと離間した位置で前記弾性体を保持する固定フックであり、前記固定フックは、前記補助ラインの落下方向に向かって前記弾性体の付勢が増加する傾斜部を有し、前記補助ラインが前記所定張力以上の張力で引っ張られた場合に前記弾性体が前記傾斜部を通過して前記固定フックから外れて前記弾性体による前記補助ラインの弾性支持が解除される前記自動分離機構を構成している。

0013

この第3の発明によれば、フックの少なくとも1つは、可動フックと離間した位置で弾性体を保持する固定フックである。ここで、固定フックは、補助ラインの落下方向に向かって弾性体の付勢が増加する傾斜部を有し、補助ラインが所定張力以上の張力で引っ張られた場合に弾性体が傾斜部を通過して固定フックから外れて弾性体による補助ラインの弾性支持が解除される自動分離機構を構成している。これにより、複雑な構成を有することなく、支持機構に確実に分離可能な自動機構を有することができる。

0014

次に、第4の発明は、第1の発明から第3の発明の呼び線の延線システムであって、更に、前記補助ラインが巻取られた状態から順次繰出される繰出し機構を備え、前記繰出し機構は、前記補助ラインの繰出し抵抗が調整可能な繰出し抵抗調整機構を有し、前記繰出し抵抗は前記補助ラインの張力が前記所定張力よりも小さな抵抗となるように調整されている。

0015

この第4の発明によれば、補助ラインが巻取られた状態から順次繰出される繰出し機構を備えている。この繰出し機構は、補助ラインの繰出し抵抗が調整可能な繰出し抵抗調整機構を有し、繰出し抵抗は補助ラインの張力が所定張力よりも小さな抵抗となるように調整されている。そのため、マルチコプターと繰出し機構との間の補助ラインは、適度な張りを持たせた状態とすることができる。すなわち、マルチコプターが補助ラインを延線する際に、弛みの発生を抑制することができるため、山間部の木などの障害物への引っ掛りを抑制し得る。

0016

次に、第5の発明は、架線の延線方法であり次の手段をとる。鉄塔間に架線を延線させる架線の延線方法であって、前記架線よりも相対的に細くて軽い呼び線と、前記呼び線よりも相対的に細くて軽い補助ラインと、前記補助ラインの一端の端部近傍に接続された重りと、前記重り又は前記重りの近傍の前記補助ラインの少なくとも一方である被支持部を支持する支持機構であって、遠隔操作により支持している前記被支持部を前記マルチコプターから分離可能な遠隔分離機構と、前記補助ラインが所定張力以上の張力で引っ張られた場合に前記被支持部を前記マルチコプターから自動的に分離可能な自動分離機構と、を有する支持機構が設けられて前記鉄塔間を飛行可能なマルチコプターと、を用い、前記被支持部を前記マルチコプターの前記支持機構に支持させる補助ライン支持工程と、前記被支持部を前記支持機構に支持した前記マルチコプターを、延線の対象である第1鉄塔から第2鉄塔に飛行させて前記補助ラインを前記第1鉄塔から前記第2鉄塔まで延線するマルチコプター飛行工程と、前記マルチコプターが前記第2鉄塔の近傍に到達した際に前記遠隔分離機構または前記自動分離機構を用いて前記被支持部を前記マルチコプターから分離する補助ライン分離工程と、前記補助ラインを前記第1鉄塔と前記第2鉄塔の間に架け渡す補助ライン架け渡し工程と、前記第1鉄塔の側の前記補助ラインを前記呼び線に接続し、前記補助ラインを前記第1鉄塔の側から前記第2鉄塔の側に引張って、前記第1鉄塔と前記第2鉄塔の間に前記呼び線を架け渡す呼び線架け渡し工程と、前記第1鉄塔の側の前記呼び線を前記架線に接続し、前記呼び線を前記第1鉄塔の側から前記第2鉄塔の側に引張って、前記第1鉄塔と前記第2鉄塔の間に前記架線を架け渡す架線架け渡し工程と、を有し、前記マルチコプター飛行工程において、前記自動分離機構によって前記被支持部が分離された場合は、前記補助ライン支持工程からやり直す。

0017

この第5の発明によれば、鉄塔間に架線を延線させる架線の延線方法において、呼び線の延線作業の安全性の向上、確実性の向上及び経済性の向上を両立させることができる。また、上記延線方法は、補助ラインが樹木等に引っ掛った場合、自動分離機構によって自動的に切り離されることにより、マルチコプターの損傷を回避することができる。これにより、迅速に再延線が可能となるため、不要な後期延長リスクが低減され、経済性が向上する。また、遠隔分離機構がトラブル等によって動作不能になった場合でも第2鉄塔に補助ラインを引っ掛ければ自動分離機構によって補助ラインを切り離すことができる。この自動分離機構による切り離しによれば、補助ライン架け渡し工程を簡略化することができる。即ち、直接第2鉄塔の上に補助ラインを架けることで、一端、地上に落下させた場合に比べて、鉄塔間の樹木の枝などに補助ラインが引っ掛ることを抑制し得るため、補助ラインの架け渡しが容易となる。また、上記架線の延線方法は、複数マルチコプターを用いることもできる。これにより、距離の長い鉄塔間であっても、複数のマルチコプターによって補助ラインを延線することができる。かかる場合、一方のマルチコプターの遠隔分離機構による切り離し動作の際に発生する補助ラインの落下衝撃を他方のマルチコプターが受けても、自動分離機構により他方のマルチコプターの墜落を防ぐことができる。このため、一方のマルチコプターの遠隔分離機構の動作を行った際に、他方のマルチコプターの遠隔分離機構または自動分離機構の作動をすることで、補助ラインを延線することができる。これにより、マルチコプター1機では、補助ラインの垂れ下がりによって延線が困難な距離の鉄塔間であっても補助ラインを架け渡すことができる。

発明の効果

0018

本発明は上記各発明の手段をとることにより、呼び線の延線作業の安全性の向上、確実性の向上及び経済性の向上を両立させる呼び線の延線システム及び架線の延線方法とすることができる。

図面の簡単な説明

0019

実施形態に係る呼び線の延線システムの概略を示した模式図である。
実施形態に係るマルチコプターの支持機構の概略を示した模式図である。
実施形態に係るマルチコプターの支持機構における遠隔分離の概略を示した模式図である。
実施形態に係るマルチコプターの支持機構における自動分離の概略を示した模式図であり、(A)は、補助ラインが所定張力以上の張力で引っ張られて弾性体が傾斜部を通過した状態を示した図であり、(B)は、弾性体が固定フックから外れた状態を示した図である。
実施形態に係る繰出し機構の概略を示した模式図である。
実施形態に係る呼び線の延線システムによるマルチコプター飛行工程の概略を示した模式図である。
実施形態に係る呼び線の延線システムによる補助ライン分離工程の概略を示した模式図である。
実施形態に係る呼び線の延線システムによる補助ライン架け渡し工程の概略を示した模式図である。
実施形態に係る呼び線の延線システムによる呼び線架け渡し工程の概略を示した模式図である。
実施形態に係る呼び線の延線システムによる架線架け渡し工程の概略を示した模式図である。

実施例

0020

以下に、本発明を実施するための実施形態について、図1図10を用いて説明する。

0021

図1、10に示すように、第1鉄塔T1と第2鉄塔T2の間には、送電線、通信線等の架線1が延線される。第1鉄塔T1と第2鉄塔T2の間に架線1を延線させるために予め第1鉄塔T1と第2鉄塔T2の間には、呼び線2が掛け渡される。呼び線2は、天然繊維合成繊維などからなる繊維ロープまたはワイヤーであり、架線1を引張る張力に耐える強度を有する。本実施形態の呼び線2は、直径9mmが例示される。そして、係る呼び線2に架線1を接続した状態で呼び線2を一方の第1鉄塔T1から他方の第2鉄塔T2へ引張って架線1を架け渡す。本実施形態は、係る呼び線2を延線する呼び線2の延線システムである。ここで、本実施形態では、山間部、峡谷における第1鉄塔T1と第2鉄塔T2の間の架線1の延線について例示して説明する。

0022

呼び線の延線システムは、図1、2に示すように補助ライン10と、重り20と、マルチコプター30と、繰出し機構50とを有している。

0023

<補助ライン10>
補助ライン10は、図1、2に示すように呼び線2(図10参照)を延線する際に呼び線2に接続される線状の部材である。補助ライン10は、呼び線2よりも相対的に細くて軽く構成される。これは、マルチコプター30が補助ライン10を運ぶ際に、重量が増大することを防ぐためである。補助ライン10は、呼び線2と接続して引張るときの張力に耐える強度を必要とする。補助ライン10は、呼び線2との関係、マルチコプター30の飛行能力によって、直径、重量が設定される。本実施形態における補助ライン10は、合成樹脂製であり、直径0.8mm、0.4g/mの線が例示される。

0024

<重り20>
重り20は、第2鉄塔T2の近傍において補助ライン10をマルチコプター30から分離する際に、第2鉄塔T2の直下近傍に落下させるために構成される。重り20は、補助ライン10の一端の端部近傍に接続されている。重り20の近傍の補助ライン10には、後述するマルチコプター30の支持機構32に支持される環状体22(被支持部)が構成される。環状体22に後述する弾性体40が挿通される。なお、補助ライン10の環状体22は、被支持部の一例でありこれに限定されない。被支持部は、重り20又は重り20の近傍の補助ライン10の少なくとも一方であればよい。例えば、重り20に孔部を設けて弾性体40を挿通する態様であってもよい。

0025

<マルチコプター30>
マルチコプター30は、図1、2に示すように、3つ以上のローターを有する回転翼機である。ローターと、テールローターからなる通常のラジコンヘリコプターに比べ、安定した飛行が可能である。本実施形態では、作業者操縦装置を用いて無線により遠隔操作で飛行させる態様を示す。なお、マルチコプター30は、センサーにより姿勢制御されることで自律飛行可能な態様であってもよい。たとえば、全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)を備え、予め設定された飛行プログラムに基づいて第1鉄塔T1と第2鉄塔T2の間を飛行する態様であってもよい。また、機体にモニターを搭載し、操縦アシストする態様であってもよい。マルチコプター30には、環状体22(被支持部)を支持する支持機構32を有している。

0026

<支持機構32>
支持機構32は、重り20又は重り20の近傍の補助ライン10の少なくとも一方である被支持部としての環状体22を支持する機構である。支持機構32は、弾性体40と、弾性体40を付勢させた状態で保持する複数のフック34、36を有する。

0027

弾性体40は、マルチコプター30のローターより下方において環状体22(被支持部)を弾性支持するものである。本実施形態における弾性体40は、後述する可動フック34(遠隔分離機構)と、固定フック36(自動分離機構)の間で架け渡されることで弾性付勢される環状のゴムを例示する。弾性体40としてのゴムは、天然ゴム合成ゴムなどを適用できる。また、弾性体40は、ゴム以外に軟質の合成樹脂や、引張りコイルばねなどを用いてもよい。

0028

複数のフック34、36の少なくとも1つは、図2、3に示すように、弾性体40を保持する保持位置34Aと弾性体40の保持を解除する解除位置34Bとを遠隔操作によって切替可能な可動フック34(遠隔分離機構)を構成している。すなわち可動フック34は、遠隔操作により支持している環状体22(被支持部)をマルチコプター30から分離可能な機構である。ここで、可動フック34は、サーボモータ等の駆動機構によって回動することで保持位置34Aと解除位置34Bに移動可能に構成される。

0029

複数のフック34、36の少なくとも1つは、図2図4(A)、図4(B)に示すように、可動フック34と離間した位置で弾性体40を保持する固定フック36である。固定フック36は、補助ライン10の落下方向に向かって弾性体40の付勢が増加する傾斜部38を有している。これにより、固定フック36は、補助ライン10が所定張力以上の張力で引っ張られた場合に弾性体40が傾斜部38を通過して固定フック36から外れて弾性体40による補助ライン10の弾性支持が解除される自動分離機構として構成される。すなわち、固定フック36(自動分離機構)は、補助ライン10が所定張力以上の張力で引っ張られた場合に環状体22をマルチコプター30から自動的に分離可能な機構である。

0030

<繰出し機構50>
繰出し機構50は、図1、5に示すように、補助ライン10が巻取られた状態から順次繰出される機構である。繰出し機構50は、補助ライン10が巻かれたリール部54を有している。係るリール部54は回転可能に支持されており、かかるリール部54が回転することで補助ライン10が繰出される。また、繰出し機構50は、補助ライン10が繰出される繰出し抵抗が調整可能な繰出し抵抗調整機構52を有する。繰出し抵抗調整機構52は、マルチコプター30による補助ライン10の延線中に必要以上に弛むことを抑制する機構である。これは、補助ライン10が弛むことで山間部の木などの障害物への引っ掛りを抑制するためである。

0031

繰出し抵抗調整機構52は、リール部54の回転に摩擦力を及ぼして、係る摩擦抵抗によってリール部54の回転を抑制する仕組みである。繰出し抵抗調整機構52は、リール部54を回転支持する軸部55と、この軸部55に螺合されるナット56と、リール部54とナット56によって狭持される繊維体58を有する。繰出し抵抗調整機構52は、ナット56を螺合することで繊維体58とリール部54の摩擦力を増減して摩擦抵抗を発生させる。繰出し抵抗調整機構52による繰出し抵抗は、補助ライン10が引張られて弾性体40が固定フック36から外れて補助ライン10の弾性支持が解除される張力よりも小さな抵抗となるように調整されている。これは、繰出し機構50によってマルチコプター30と補助ライン10との分離がされるのを防ぐためである。なお、リール部54の回転に摩擦力を及ぼす構成であれば、上記構成に限定されない。例えば、繊維体58は、樹脂や、ゴム等であってもよい。

0032

上述の呼び線の延線システムを用いて第1鉄塔T1と第2鉄塔T2の間に架線1を延線させる架線の延線方法について説明する。

0033

<補助ライン10支持工程:図1、2>
補助ライン10の一端が接続され補助ライン10の環状体22をマルチコプター30の支持機構32に支持させる。具来的には、環状体22に弾性体40を挿通した状態で可動フック34と、固定フック36の間に架け渡す。

0034

<マルチコプター30飛行工程:図6
環状体22を支持機構32に支持した状態でマルチコプター30を、延線の対象である第1鉄塔T1から第2鉄塔T2に飛行させる。マルチコプター30は、補助ライン10の一端を第1鉄塔T1から第2鉄塔T2まで運ぶ。

0035

<補助ライン10分離工程:図2、3、7>
マルチコプター30が第2鉄塔T2の近傍に到達した際に、可動フック34(遠隔分離機構)を遠隔操作で保持位置34Aから解除位置34Bへ移動させる。補助ライン10は、弾性体40に弾性支持された状態が解除されて重り20と共に下方に落下する。また、可動フック34(遠隔分離機構)がトラブル等によって動作不能になった場合でも第2鉄塔T2に補助ライン10を引っ掛ければ固定フック36によって補助ライン10を切り離すことができる。

0036

<補助ライン10架け渡し工程:図8
補助ライン10を第1鉄塔T1と第2鉄塔T2の間で架け渡す。

0037

<呼び線2架け渡し工程:図9
第1鉄塔T1の側の補助ライン10を呼び線2に接続し、補助ライン10を第1鉄塔T1の側から第2鉄塔T2の側に引張って、第1鉄塔T1と第2鉄塔T2の間に呼び線2を架け渡す。

0038

<架線1架け渡し工程:図10
第1鉄塔T1の側の呼び線2を架線1に接続し、呼び線2を第1鉄塔T1の側から第2鉄塔T2の側に引張って、第1鉄塔T1と第2鉄塔T2の間に架線1を架け渡す。

0039

なお、マルチコプター30飛行工程において、固定フック36(自動分離機構)によって環状体22が分離された場合は、補助ライン10支持工程からやり直す。これにより、補助ライン10が山間部の木などの障害物への引っ掛り等でマルチコプター30が墜落するのを防止することができる。

0040

このように、実施形態に係る呼び線の延線システムによれば、マルチコプター30は、補助ライン10を延線する構成である。補助ライン10は、呼び線2を延線する際に呼び線2に接続されるものであり、係る呼び線2よりも相対的に細くて軽く構成されている。そのため、マルチコプター30は、呼び線2より軽い補助ライン10を延線するため、直接呼び線2を延線するラジコンヘリコプターより出力の小さい機体とすることができるため、延線作業の経済性の向上を図ることができる。また、マルチコプター30の使用により、山間部、渓谷、峡谷等における第1鉄塔T1と第2鉄塔T2の間であっても飛行可能であるため、人力による地表延線に比して時間短縮が図れ、延線作業の経済性、安全性の向上を図ることができる。また、マルチコプター30は、3つ以上のローターを備えることからラジコンヘリコプターに比して飛行が安定し、延線作業の確実性の向上が図り得る。また、マルチコプター30には、重り20又は重り20の近傍の補助ライン10の少なくとも一方である環状体22(被支持部)を支持する支持機構32が設けられている。また、支持機構32は、遠隔操作により支持している環状体22をマルチコプター30から分離可能な可動フック34(遠隔分離機構)と、補助ライン10が所定張力以上の張力で引っ張られた場合に環状体22をマルチコプター30から自動的に分離可能な固定フック36(自動分離機構)を有する。可動フック34(遠隔分離機構)は、第2鉄塔T2のより近い位置で環状体22を分離することができるので、延線作業の効率化と作業負担の軽減を図ることができる。また、固定フック36(自動分離機構)は、補助ライン10が所定張力以上の張力で引っ張られた場合に環状体22をマルチコプター30から自動的に分離可能とするため、機体の墜落を防ぎ信頼性の向上を図り得る。

0041

また、支持機構32は、弾性体40と、複数のフックを有する構成である。また、複数のフックの少なくとも1つは、弾性体40を保持する保持位置と弾性体40の保持を解除する解除位置とを遠隔操作によって切替可能な可動フック34(遠隔分離機構)を構成している。そのため、複雑な構成を有することなく、環状体22を支持すると共に可動フック34にかかる張力を半減させることでより確実な遠隔分離機構を有する支持機構32とすることができる。

0042

また、フックの少なくとも1つは、可動フックと離間した位置で弾性体40を保持する固定フック36である。ここで、固定フック36は、補助ライン10の落下方向に向かって弾性体40の付勢が増加する傾斜部38を有し、補助ライン10が所定張力以上の張力で引っ張られた場合に弾性体40が傾斜部38を通過して固定フック36から外れて弾性体40による補助ライン10の弾性支持が解除される固定フック36(自動分離機構)を構成している。これにより、複雑な構成を有することなく、支持機構32に確実に分離可能な自動機構を有することができる。

0043

また、補助ライン10が巻取られた状態から順次繰出される繰出し機構50を備えている。この繰出し機構50は、補助ライン10の繰出し抵抗が調整可能な繰出し抵抗調整機構を有し、繰出し抵抗は補助ライン10の張力が所定張力よりも小さな抵抗となるように調整されている。そのため、マルチコプター30と繰出し機構50との間の補助ライン10は、適度な張りを持たせた状態とすることができる。すなわち、マルチコプター30が補助ライン10を延線する際に、弛みの発生を抑制することができるため、山間部の木などの障害物への引っ掛りを抑制し得る。

0044

また、第1鉄塔T1と第2鉄塔T2の間に架線を延線させる架線の延線方法において、呼び線2の延線作業の安全性の向上、確実性の向上及び経済性の向上を両立させることができる。また、上記延線方法は、補助ライン10が樹木等に引っ掛った場合、固定フック36(自動分離機構)によって自動的に切り離されることにより、マルチコプター30の損傷を回避することができる。これにより、迅速に再延線が可能となるため、不要な後期延長リスクが低減され、経済性が向上する。また、可動フック34(遠隔分離機構)がトラブル等によって動作不能になった場合でも第2鉄塔T2に補助ライン10を引っ掛ければ固定フック36によって補助ライン10を切り離すことができる。この固定フック36による切り離しによれば、補助ライン10架け渡し工程を簡略化することができる。即ち、直接第2鉄塔T2の塔上に補助ライン10を架けることで、一端、地上に落下させた場合に比べて、鉄塔間の樹木の枝などに補助ライン10が引っ掛ることを抑制し得るため、補助ライン10の架け渡しが容易となる。また、上記架線の延線方法は、複数マルチコプター30を用いることもできる。これにより、距離の長い鉄塔間であっても、複数のマルチコプター30によって補助ライン10を延線することができる。かかる場合、一方のマルチコプターの可動フック34による切り離し動作の際に発生する補助ライン10の落下衝撃を他方のマルチコプター30が受けても、固定フック36により他方のマルチコプター30の墜落を防ぐことができる。このため、一方のマルチコプター30の可動フック34の動作を行った際に、他方のマルチコプターの可動フック34または固定フック36の作動をすることで、補助ライン10を延線することができる。これにより、マルチコプター30が1機では、補助ライン10の垂れ下がりによって延線が困難な距離の鉄塔間であっても補助ライン10を架け渡すことができる。なお、マルチコプター30は複数であるため、2機以上でもよい。

0045

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の呼び線の延線システム及び架線の延線方法は、本実施の形態に限定されず、その他各種の形態で実施することができる。

0046

1架線
2呼び線
10補助ライン
20重り
22環状体(被支持部)
30マルチコプター
32支持機構
34可動フック(遠隔分離機構)
34A 保持位置
34B解除位置
36固定フック(自動分離機構)
38 傾斜部
40弾性体
50繰出し機構
52繰出し抵抗調整機構
54 リール部
56ナット
58繊維体
T1 第1鉄塔
T2 第2鉄塔

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