図面 (/)

技術 斜張橋の架設方法

出願人 大日本コンサルタント株式会社
発明者 新井伸博諏訪部宏之池田大樹徳橋亮治
出願日 2015年10月7日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-199603
公開日 2017年4月13日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-071964
状態 特許登録済
技術分野 橋または陸橋
主要キーワード 押し出し工法 ファン形 架設済み 不等長 張り出し長 応力変動 架設区間 径間長
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月13日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

側径間支間長が長くても、側径間に複数の中間橋脚を設けることなく、中央径間先行して側径間に主桁架設できる斜張橋架設方法を提供する。

解決手段

図3(A)(B)に示されるように、主橋脚5と端橋脚6との間に中間橋脚7を設けると共に中間橋脚7に仮支柱21を設け、図3(C)、(D)に示されるように、中間橋脚7から橋軸方向の両方に片持ち張り出し工法により延伸したPC桁4Aと仮支柱21との間に仮斜材22を張り、図3(E)、(F)に示されるように、仮斜材22にPC桁4Aを支持させながらPC桁4Aを側径間SSに架け渡す。

概要

背景

主塔から橋軸方向の両側に張った斜材により主桁を支持する斜張橋では、主塔が連続して2本以上建てられる場合、主塔を支持する主橋脚間の中央径間の主桁は橋軸方向の両方の主塔から張られた斜材により支持される。一方、主塔に対して橋軸方向の端側に形成される側径間の主桁は橋軸方向の一方の主塔から張られた斜材により支持される。そのため、一般的な斜張橋では、中央径間の支間長と側径間の支間長との比が2:1とされ、主塔から橋軸方向の両側に張られる斜材は概ね前後対称(側面視で左右対称)に張られる。即ち、同じ本数の斜材が前後で同じ傾斜角度をもって張られる。

一方、主塔が1本だけしか建てられない斜張橋では一般的に、主塔を挟む前後(側面視における左右)の側径間の支間長の比が1:1とされ、主塔から同じ本数の斜材が前後で同じ傾斜角度をもって張られる。これらのような等径間の支間長を有する斜張橋では、重量バランスを取りながら主橋脚から橋軸方向の両側に主桁を張り出してゆく片持ち張り出し工法により、中央径間及び側径間に主桁を架設することができる。

ところが、地形等の様々な理由により、側径間の支間長が中央径間の支間長に対して短い不等径間になる場合がある。即ち、主塔が2つ以上連続して建てられる場合に、側径間の支間長が中央径間の支間長に対して1/2以下になる場合や、主塔が1本だけしか建てられない場合に、主塔に対する橋軸方向の両側の径間長不等長さになる場合(特許文献1の図2参照)である。なお、後者の場合は、支間長が短い方を側径間とみなし、支間長が長い方を中央径間とみなすことにより、側径間の支間長が中央径間の支間長に対してバランスの良い1倍よりも短い不等径間になっていると言える。

このような不等径間を有する斜張橋では、中央径間の主桁のたわみ及び応力変動を抑制するために側径間に中間橋脚を設けることや、主塔の前後で重量バランスが取れないために側径間の主桁を先行して架設することが一般的に行われている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載の架設方法では、側径間に所要数の本設橋脚や仮設橋脚構築し、架設区間の端部に設けた製作ヤード製作した先端PC桁ブロックの先端に鋼製手延べ桁を取り付けて、先端PC桁ブロックを側径間に沿って本設橋脚及び架設橋脚上に押し出して架設する押し出し工法により、中央径間に先行して側径間に主桁を架設している。

概要

側径間の支間長が長くても、側径間に複数の中間橋脚を設けることなく、中央径間に先行して側径間に主桁を架設できる斜張橋の架設方法を提供する。(A)(B)に示されるように、主橋脚5と端橋脚6との間に中間橋脚7を設けると共に中間橋脚7に仮支柱21を設け、(C)、(D)に示されるように、中間橋脚7から橋軸方向の両方に片持ち張り出し工法により延伸したPC桁4Aと仮支柱21との間に仮斜材22を張り、(E)、(F)に示されるように、仮斜材22にPC桁4Aを支持させながらPC桁4Aを側径間SSに架け渡す。

目的

本発明は、このような背景に鑑み、側径間の支間長が長くても、側径間に複数の中間橋脚を設けることなく、中央径間に先行して側径間に主桁を架設できる斜張橋の架設方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

主塔を支持する少なくとも1つの主橋脚と、前記主橋脚に対して橋軸方向の一端側に配置され、前記主橋脚と協働して前記主橋脚との間に側径間を形成する端橋脚と、前記主橋脚に対して前記側径間と相反する側に配置され、前記主橋脚と協働して前記主橋脚との間に前記側径間よりも支間長が長い中央径間を形成する中央側橋脚とを有する斜張橋主桁架設するための架設方法であって、前記主橋脚と前記端橋脚との間に中間橋脚を設けるステップと、前記中間橋脚に仮支柱を設けるステップと、前記中間橋脚から橋軸方向の両方に張り出すように前記主桁の一部を構築し、前記中間橋脚から橋軸方向の両方に前記主桁を延伸するステップと、前記中間橋脚から延伸された橋軸方向の両方の前記主桁と前記仮支柱との間に仮斜材張り、当該仮斜材に前記主桁を支持させるステップと、前記仮斜材に支持された前記主桁を前記中間橋脚から橋軸方向の両方に延伸し、前記側径間に架け渡すステップとを含むことを特徴とする斜張橋の架設方法。

請求項2

前記側径間に架け渡された前記主桁の端部に連結して前記主橋脚から前記中央径間側に張り出すように前記主桁の一部を構築し、前記主橋脚から前記中央径間側に前記主桁を延伸するステップと、前記主橋脚から前記中央径間側に延伸された前記主桁及び前記側径間に架け渡された前記主桁と前記主塔との間に斜材を張り、当該斜材に前記主桁を支持させるステップと、前記斜材に支持された前記主桁を前記主橋脚から前記中央径間側に延伸し、前記中央径間に架け渡すステップとを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の斜張橋の架設方法。

請求項3

前記主桁を前記側径間に架け渡した後に前記仮斜材を撤去するステップを更に含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の斜張橋の架設方法。

請求項4

前記側径間から撤去した前記仮斜材を、前記側径間に架設した前記主桁に補強材として緊張状態で取り付けるステップを更に含むことを特徴とする請求項3に記載の斜張橋の架設方法。

請求項5

前記仮斜材を撤去した後に前記仮支柱を撤去するステップを更に含むことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の斜張橋の架設方法。

請求項6

前記仮支柱を撤去した後に前記中間橋脚を撤去するステップを更に含むことを特徴とする請求項5に記載の斜張橋の架設方法。

技術分野

0001

本発明は、斜張橋主桁架設するための架設方法に関する。

背景技術

0002

主塔から橋軸方向の両側に張った斜材により主桁を支持する斜張橋では、主塔が連続して2本以上建てられる場合、主塔を支持する主橋脚間の中央径間の主桁は橋軸方向の両方の主塔から張られた斜材により支持される。一方、主塔に対して橋軸方向の端側に形成される側径間の主桁は橋軸方向の一方の主塔から張られた斜材により支持される。そのため、一般的な斜張橋では、中央径間の支間長と側径間の支間長との比が2:1とされ、主塔から橋軸方向の両側に張られる斜材は概ね前後対称(側面視で左右対称)に張られる。即ち、同じ本数の斜材が前後で同じ傾斜角度をもって張られる。

0003

一方、主塔が1本だけしか建てられない斜張橋では一般的に、主塔を挟む前後(側面視における左右)の側径間の支間長の比が1:1とされ、主塔から同じ本数の斜材が前後で同じ傾斜角度をもって張られる。これらのような等径間の支間長を有する斜張橋では、重量バランスを取りながら主橋脚から橋軸方向の両側に主桁を張り出してゆく片持ち張り出し工法により、中央径間及び側径間に主桁を架設することができる。

0004

ところが、地形等の様々な理由により、側径間の支間長が中央径間の支間長に対して短い不等径間になる場合がある。即ち、主塔が2つ以上連続して建てられる場合に、側径間の支間長が中央径間の支間長に対して1/2以下になる場合や、主塔が1本だけしか建てられない場合に、主塔に対する橋軸方向の両側の径間長不等長さになる場合(特許文献1の図2参照)である。なお、後者の場合は、支間長が短い方を側径間とみなし、支間長が長い方を中央径間とみなすことにより、側径間の支間長が中央径間の支間長に対してバランスの良い1倍よりも短い不等径間になっていると言える。

0005

このような不等径間を有する斜張橋では、中央径間の主桁のたわみ及び応力変動を抑制するために側径間に中間橋脚を設けることや、主塔の前後で重量バランスが取れないために側径間の主桁を先行して架設することが一般的に行われている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載の架設方法では、側径間に所要数の本設橋脚や仮設橋脚構築し、架設区間の端部に設けた製作ヤード製作した先端PC桁ブロックの先端に鋼製手延べ桁を取り付けて、先端PC桁ブロックを側径間に沿って本設橋脚及び架設橋脚上に押し出して架設する押し出し工法により、中央径間に先行して側径間に主桁を架設している。

先行技術

0006

特公平7−21165号公報
特許第3104771号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献2の架設方法では、側径間の支間長が長い場合に所要の数の本設橋脚や仮設橋脚を所望の位置に構築できないことがあり、このような場合には、先端PC桁ブロックの先端に手延べ桁が取り付けられていても、押し出し工法により側径間に主桁を架設できない場合がある。所要の数の本設橋脚や仮設橋脚の代わりに支保工を設置することも考えられるが、この場合も同様に、地形等の理由により支保工を設置できない場合がある。

0008

本発明は、このような背景に鑑み、側径間の支間長が長くても、側径間に複数の中間橋脚を設けることなく、中央径間に先行して側径間に主桁を架設できる斜張橋の架設方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0009

このような課題を解決するために、本発明は、主塔(2)を支持する少なくとも1つの主橋脚(5)と、前記主橋脚に対して橋軸方向の一端側に配置され、前記主橋脚と協働して前記主橋脚との間に側径間(SS)を形成する端橋脚(6)と、前記主橋脚に対して前記側径間と相反する側に配置され、前記主橋脚と協働して前記主橋脚との間に前記側径間よりも支間長が長い中央径間(CS)を形成する中央側橋脚(5)とを有する斜張橋(1)に主桁(4)を架設するための架設方法であって、前記主橋脚と前記端橋脚との間に中間橋脚(7)を設けるステップ図3(A))と、前記中間橋脚に仮支柱(21)を設けるステップ(図3(B))と、前記中間橋脚から橋軸方向の両方に張り出すように前記主桁の一部(8)を構築し、前記中間橋脚から橋軸方向の両方に前記主桁(4A)を延伸するステップ(図3(C))と、前記中間橋脚から橋軸方向に延伸された両方の前記主桁(4A)と前記仮支柱との間に仮斜材(22)を張り、当該仮斜材に前記主桁(4A)を支持させるステップ(図3(D))と、前記仮斜材により支持された前記主桁(4A)を前記中間橋脚から橋軸方向の両方に延伸し、前記側径間に架け渡すステップ(図3(E)、(F))とを含む構成とする。

0010

ここで、側径間とは、橋軸方向の一方のみに設けられた主塔から張られる斜材によって主桁が支持される径間を意味する。また、中央径間とは、側径間に対して橋軸方向に隣接する側径間よりも支間長が長い径間を意味し、主桁が橋軸方向の両方に設けられた主塔から張られる斜材によって支持される径間と、主桁が橋軸方向の一方のみに設けられた主塔から張られる斜材によって支持される径間とを含む。従って、中央径間の主桁が橋軸方向の両方に設けられた主塔から張られる斜材によって支持される場合には、中央側橋脚も主塔を支持する主橋脚である。一方、中央径間の主桁が橋軸方向の一方のみに設けられた主塔から張られる斜材によって支持される場合には、中央側橋脚は主橋脚に対して橋軸方向の他端側に配置される端橋脚である。なお、端橋脚は、斜張橋の端部に設けられることを意図しており、橋脚に限られず、橋台であってもよい。

0011

この構成によれば、側径間の支間長が長くても、側径間に1つの中間橋脚を設けるだけで、中間橋脚から橋軸方向の両方に張り出す主桁を仮支柱及び仮斜材により支持しながら構築し、中央径間に先行して側径間に主桁を架設することができる。

0012

また、上記の発明において、前記側径間に架け渡された前記主桁(4A)の端部に連結して前記主橋脚から前記中央径間側に張り出すように前記主桁の一部(9)を構築し、前記主橋脚から前記中央径間側に前記主桁(4B)を延伸するステップ(図4(H))と、前記主橋脚から前記中央径間側に延伸された前記主桁(4B)及び前記側径間に架け渡された前記主桁(4A)と前記主塔(2)との間に斜材(3)を張り、当該斜材に前記主桁(4A、4B)を支持させるステップ(図4(I))と、前記斜材により支持された前記主桁(4B)を前記主橋脚から前記中央径間側に延伸し、前記中央径間に架け渡すステップ(図4(J)、図5(K))とを含む構成とする。

0013

この構成によれば、中央径間側に張り出した主桁を斜材に支持させながら、主桁を中央径間に架け渡すことができる。

0014

また、上記の発明において、前記主桁(4A)を前記側径間に架け渡した後に前記仮斜材(22)を撤去するステップ(図4(G)、図5(L))を更に含む構成とするとよい。

0015

この構成によれば、構造計算上不要な仮斜材を撤去することで斜張橋の景観を良好にすることができる。

0016

また、上記の発明において、撤去した前記仮斜材(22)を、前記側径間に架設した前記主桁(4A)に補強材(15)として緊張状態で取り付けるステップ(図5(M))を更に含む構成とするとよい。

0017

この構成によれば、補強材を仮斜材として利用するため、側径間に主桁を架設するために必要な資材を削減することができる。

0018

また、上記の発明において、前記仮斜材(22)を撤去した後に前記仮支柱(21)を撤去するステップ(図5(N))を更に含む構成とするとよい。

0019

この構成によれば、不要な仮支柱を撤去することで斜張橋の景観を更に良好にすることができる。

0020

また、上記の発明において、前記仮支柱(21)を撤去した後に前記中間橋脚(7)を撤去するステップ(図6(O))を更に含む構成とするとよい。

0021

この構成によれば、側径間に中間橋脚が不要な場合に中間橋脚を撤去することで斜張橋の景観を更に良好にすることができる。

発明の効果

0022

このように本発明によれば、側径間の支間長が長くても、側径間に複数の中間橋脚を設けることなく、中央径間に先行して側径間に主桁を架設できる斜張橋の架設方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0023

実施形態に係る斜張橋の取付状態を示す斜視図
図1中のII−II断面図
図1に示す斜張橋の構築手順の説明図
図1に示す斜張橋の構築手順の説明図
図1に示す斜張橋の構築手順の説明図
他の実施形態に係る斜張橋の構築手順の説明図

実施例

0024

以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る斜張橋1の架設方法について詳細に説明する。

0025

まず、図1及び図2を参照して斜張橋1の構造について説明する。図1に示されるように、斜張橋1は、前後2つの主塔2を有しており、前後の主塔2との間に張られた斜材3により主桁4(4A、4B)が支持される1つの中央径間CSと、中央径間CSの橋軸方向の前後両側であって斜張橋1の前後両端部に形成される2つの側径間SSとを有している。中央径間CSの支間長L1は、前後の側径間SSの支間長L2、L3よりも大きく、左右の側径間SSの支間長L2、L3は同一とされている(L2=L3)。斜張橋1は、中央径間CSの支間長L1と側径間SSの支間長L2、L3との比(L1/L2、L1/L3)が2よりも大きくされた不等径間斜張橋である。

0026

主塔2は、斜張橋1の橋軸方向の中間部に設けられた主橋脚5により支持されている。主塔2は、1本柱形、独立2本柱形、H形、A形、逆Y形等、どのような形状であってもよい。斜張橋1の橋軸方向の両端部には端橋脚6が設けられている。端橋脚6は橋台として構成されてもよい。また、側径間SSのそれぞれの中間部、即ち端橋脚6と主橋脚5との間には、中間橋脚7が設けられている。中間橋脚7が設けられる位置は、端橋脚6と主橋脚5との中央であってよく、中央から一方に寄った位置であってもよい。主桁4は、前後両端の端橋脚6の間に、端橋脚6、中間橋脚7、主橋脚5に連続して架け渡され、斜材3を介して主塔2により支持される。

0027

斜材3はケーブルにより構成されている。斜材3は、1つの主塔2に対して前後(側面視における左右)に同じ段数かつ同じ本数をもって設けられる。斜材3の配置(側面視における配置)は、ハープ形式ファン形式、ラジアル形式、スター形式等、どのような形式であってもよい。また、斜材3の配置(橋軸方向視における配置)は、単列形式、複列形式、A型形式のいずれであってもよい。本実施形態では、2列×5段の計10本の斜材3がファン形式に主塔2の前後それぞれに配置されている。主塔2の前後で互いに対応する斜材3は同じ高さで主塔2に定着されている。上記の通り、中央径間CSの支間長L1が側径間SSの支間長L2、L3の2倍よりも長いため、中央径間CSに張られる斜材3は、側径間SSに張られる対応する斜材3に比べ、鉛直線に対する傾斜角度が大きく、長さが長くなっている。

0028

主塔2に対して中央径間CS側の主桁4の張り出し長さ(中央径間CSの支間長L1の1/2)が側径間SS側の主桁4の張り出し長さ(側径間SSの支間長L2、L3)よりも長いと、主塔2の前後における主桁4の重量バランスが崩れる。そのため、側径間SSの主桁4はプレストレストコンクリート製(PC)とされ、中央径間CSの主桁4は鋼製とされている。また、側径間SSの主桁4が浮き上がらないように、端橋脚6及び中間橋脚7と主桁4との間には図示しない浮き上がり防止策が施され、端橋脚6及び中間橋脚7がアンカーとして機能するようになっている。以下、側径間SSの主桁4をPC桁4Aと称し、中央径間CSの主桁4を鋼桁4Bと称する。

0029

PC桁4Aは、プレキャスト(PCa)コンクリートにより構成されてもよく、現場打ちコンクリートにより構成されてもよい。本実施形態では、PC桁4Aは、橋軸方向に分割された複数のPCaコンクリート桁ブロック8(図3参照)により構成されている。複数のPCaコンクリート桁ブロック8が連続配置され、プレストレスの導入によって繋ぎ合わされることによりPC桁4Aが構成される。鋼桁4Bは、橋軸方向に分割された複数の鋼製桁ブロック9(図4参照)を繋ぎ合わせることにより形成される。図示省略するが、鋼桁4Bは鋼床版箱桁とされている。

0030

図2に示されるように、PC桁4Aは、3つの箱形断面部が連続する多重箱桁とされている。PC桁4Aは、上床版11、下床版12、及び上床版11と下床版12とを連結する4つのウェブ13とを有しており、3つの内部空間14を形成している。複数のPCaコンクリート桁ブロック8を繋ぎ合わせるための図示しないPCケーブルは、上床版11の内部に配置される。一方、下床版12の内部には、PC桁4Aの曲げ耐力補強するための補強材15が橋軸方向に沿って設けられる。図2では、補強材15の定着端部が示されているため、補強材15は下床版12の上方に配置されている。補強材15は、PCケーブルであり、PC桁4Aの架設後にポストテンション方式緊張されることによって下床版12にプレストレスを導入する。

0031

PC桁4Aの左右の端部には、斜材3を定着させるための斜材定着突起16が側方に突出するように一体に形成されている。左右方向中央側の2つのウェブ13の外側面には、後述する仮斜材22を定着させるための仮斜材定着突起17が端部の内部空間14に突出するように一体に形成されている。つまり、幅方向において互いに異なる位置に斜材定着突起16及び仮斜材定着突起17が設けられており、斜材3と仮斜材22とが干渉しないようになっている。また、下床版12の上面には橋軸方向の適宜な位置に、補強材15を定着させるための補強材定着突起18が、中央側の2つのウェブ13の両側面に沿って上方に突出するように一体形成されている。

0032

次に、このような構成を有する斜張橋1の構築方向について、図3図5を参照しながら説明する。なお、これらの図には、斜張橋1の左半分のみが示されている。

0033

図3(A)に示されるように、所定の位置に主橋脚5及び端橋脚6を構築すると共に、中間橋脚7を主橋脚5と端橋脚6との間の所定の位置に構築する。次に、図3(B)に示されるように、中間橋脚7に支持されるように仮支柱21を構築する。仮支柱21は、側径間SSのPC桁4Aを架設するために用いられるものである。仮支柱21の構築後図3(C)に示されるように、中間橋脚7から橋軸方向の両方に張り出すようにPCaコンクリート桁ブロック8を中間橋脚7上に設置し、中間橋脚7から橋軸方向の両方にPC桁4Aを延伸する。設置するPCaコンクリート桁ブロック8の数は、単数に限られるものではなく、ブロック長に応じて複数のPCaコンクリート桁ブロック8を連結してもよい。その後、図3(D)に示されるように、中間橋脚7から延伸された橋軸方向の両方のPC桁4Aと仮支柱21との間に下から1段目の仮斜材22を張り、仮斜材22にPC桁4Aの張り出し部分荷重を支持させる。仮斜材22にはケーブルが用いられる。

0034

仮斜材22にPC桁4Aを支持させた状態で、図3(E)に示されるように、設置済みのPC桁4Aの橋軸方向の両端に単数又は複数のPCaコンクリート桁ブロック8を連結し、PC桁4Aを中間橋脚7から橋軸方向の両方に更に張り出すように延伸すると共に、PC桁4Aの延伸された部分と仮支柱21との間に次の段の仮斜材22を張る。この作業を繰り返すことにより、図3(F)に示されるように、側径間SS、即ち端橋脚6と主橋脚5との間にPC桁4Aを架け渡す。本実施形態では、4段の仮斜材22を設け、これらの仮斜材22にPC桁4Aの張り出し部分の荷重を支持させることで、端橋脚6及び主橋脚5までPC桁4Aを延伸させている。

0035

図3(A)に示される主橋脚5の構築後、図3(B)〜(F)のPC桁4Aの延伸作業並行して、或いは側径間SSにPC桁4Aを架け渡した後に、図4(G)に示されるように、主橋脚5の上に主塔2を構築する。なお、側径間SSにPC桁4Aを架け渡した後には、PC桁4Aが中間橋脚7だけでなく端橋脚6及び主橋脚5によっても支持されるため、仮斜材22に支持させるべき荷重は小さくなる。そのため、不要な仮斜材22は適宜撤去してもよい。本実施形態では、側径間SSにPC桁4Aを架け渡した後に一番上の4段目の仮斜材22を撤去している。

0036

主橋脚5の構築後、図4(H)に示されるように、主橋脚5から中央径間CS側に張り出すように鋼製桁ブロック9をPC桁4Aの端部に連結し、主橋脚5から中央径間CS側に鋼桁4Bを延伸する。連結する鋼製桁ブロック9の数は、単数に限られるものではなく、ブロック長に応じて複数であってもよい。その後、図4(I)に示されるように、主橋脚5から中央径間CS側に延伸された鋼桁4B及び側径間SSに架設済みのPC桁4Aと主塔2との間に下から1段目の斜材3を張り、斜材3に鋼桁4Bの張り出し部分の荷重を支持させる。

0037

斜材3に鋼桁4Bを支持させた状態で、図4(J)に示されるように、設置済みの鋼桁4Bの橋軸方向の一端に鋼製桁ブロック9を連結し、鋼桁4Bを主橋脚5から中央径間CS側に更に張り出すように延伸すると共に、鋼桁4Bの延伸された部分及び架設済みのPC桁4Aと主塔2との間に次の段の斜材3を張る。この作業を繰り返すことにより、図5(J)に示されるように、中央径間CS、即ち主橋脚5と図示されない右側の主橋脚5との間に鋼桁4Bを架け渡す。

0038

なお、本実施形態に係る斜張橋1のように、図示された左側の主橋脚5に対して側径間SSと相反する側に配置されて中央径間CSを形成する中央側橋脚が右側の主塔2(図1)を支持する主橋脚5である場合には、左側の主橋脚5から中央径間CS側(右方)に鋼桁4Bを延伸させる作業(図4(H)〜(J))と並行して、右側の主橋脚5から中央径間CS側(左方)に鋼桁4Bを延伸させる作業を行う。そして、左右の主橋脚5、5から延伸される鋼桁4B同士を中央径間CSの中央で連結することにより、鋼桁4Bを中央径間CSに架け渡す。

0039

一方、図4に示された主橋脚5に対して側径間SSと相反する側に配置されて中央径間CSを形成する中央側橋脚が右側の端橋脚6である他の実施形態では、図4(J)に示される主橋脚5から中央径間CS側(右方)に鋼桁4Bを延伸させる作業を繰り返すことにより、主橋脚5から延伸される鋼桁4Bを右側の端橋脚6に直接架け渡す。

0040

中央径間CSに鋼桁4Bを架け渡した後、図5(L)に示されるように、全ての仮斜材22を撤去する。PC桁4Aは本設の斜材3によって支持されており、仮斜材22により支持される必要がなくなったためである。

0041

その後、図5(M)に示されるように、PC桁4Aに補強材15を設置する。具体的には、PC桁4Aの内部又は外部の所定の位置(本実施形態では下床版12の内部)に補強材15を橋軸方向に沿って配置し、補強材15の一端を補強材定着突起18(図2)に定着させた後に、補強材15の他端を補強材定着突起18に設けたジャッキにより緊張して補強材定着突起18に定着させる。これにより、PC桁4Aにプレストレスが導入され、PC桁4Aが補強される。

0042

この際、図4(G)又は図5(L)に示される作業で撤去した仮斜材22を補強材15に利用する。図4(G)における作業で撤去した仮斜材22のみを補強材15に利用する場合には、図5(M)に示される補強材15の設置作業は、中央径間CSに鋼桁4Bを架設する作業(図4(H)〜図5(K))よりも前に行ってもよく、当該作業と並行して行ってもよい。

0043

また、全ての仮斜材22を撤去した後には、図5(N)に示されるように、仮支柱21を撤去する。図5(M)に示される補強材15の取付作業と、図5(N)に示される仮支柱21の撤去作業とは、どちらが先に行われてもよく、並行して行われてもよい。以上の作業を行うことにより、実施形態に係る斜張橋1が構築される。

0044

以上のような手順で構築される本実施形態の斜張橋1では、図3(A)(B)に示されるように、主橋脚5と端橋脚6との間に中間橋脚7を設けると共に中間橋脚7に仮支柱21を設け、図3(C)、(D)に示されるように、中間橋脚7から橋軸方向の両方に片持ち張り出し工法により延伸したPC桁4Aと仮支柱21との間に仮斜材22を張り、図3(E)、(F)に示されるように、仮斜材22にPC桁4Aを支持させながらPC桁4Aを側径間SSに架け渡すことにより、側径間SSの支間長L2、L3が長くても中央径間CSに先行して側径間SSにPC桁4Aを架設することが可能である。

0045

側径間SSにPC桁4Aを架設した後は、図4(H)、(I)に示されるように、主橋脚5から中央径間CS側に片持ち張り出し工法により延伸した鋼桁4B及び架設済みのPC桁4Aと主塔2との間に斜材3を張り、図4(J)、図5(K)に示されるように、斜材3に鋼桁4Bを支持させながら鋼桁4Bを中央径間CSに架け渡すことができる。

0046

また、PC桁4Aを側径間SSに架け渡した後に、図5(L)に示されるように、構造計算上不要な仮斜材22を撤去することにより、斜張橋1の景観が良好になる。

0047

本実施形態では、図5(L)で撤去した仮斜材22を、図5(M)に示されるように、側径間SSに架設したPC桁4Aに補強材15として緊張状態で取り付けている。このように補強材15を仮斜材22として利用するため、側径間SSにPC桁4Aを架設するために必要な資材が削減される。

0048

また、本実施形態では、図5(L)で仮斜材22を撤去した後に、図5(N)に示されるように、仮支柱21を撤去することにより、斜張橋1の景観が更に良好になる。

0049

なお、本実施形態では、図1に示されるように中間橋脚7が本設として用いられるため、図3図5に示された手順で斜張橋1の構築が完了するが、本発明に係る斜張橋1の架設方法は、中間橋脚7が本設として用いられない場合にも適用可能である。この場合には、中間橋脚7を仮設として設け、図5(N)において仮支柱21を撤去した後に、図6(O)に示されるように、中間橋脚7の少なくとも上部を撤去する。これにより、側径間SSに中間橋脚7が不要な場合に中間橋脚7を撤去することで斜張橋1の景観を更に良好にすることができる。

0050

以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、図1に示されるように2本の主塔2が設けられ、斜張橋1が1つの中央径間CSと両端の側径間SSとを有しているが、1本の主塔2が設けられ、斜張橋1が1つの側径間SSとこれよりも長い1つの中央径間CSを有する形態や、3本以上の主塔2が設けられ、斜張橋1が2つ以上の中央径間CSと両端の側径間SSとを有する形態であってもよい。また、上記実施形態では、側径間SSに架設される主桁4がPC桁4Aとされ、中央径間CSに架設される主桁4が鋼桁4Bとされているが、共にPC桁4Aとされる形態や、共に鋼桁4Bとされる形態であってもよい。また、上記実施形態では、補強材15が下床版12の内部に配置される内ケーブル方式で設けられているが、外ケーブル方式で設けられてもよい。この他、主桁4の断面形状や、各部材の具体的構成、配置、数量、素材など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。また、上記実施形態に示した各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。

0051

1斜張橋
2主塔
3斜材
4主桁
4APC桁
4B鋼桁
5 主橋脚(中央側橋脚)
6 端橋脚
7 中間橋脚
15補強材
21仮支柱
22 仮斜材
CS中央径間
SS側径間
L1 中央径間CSの支間長
L2、L3 前後の側径間SSの支間長

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ