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技術 熱処理システム、熱処理方法および制御装置

出願人 東芝三菱電機産業システム株式会社
発明者 三村俊裕
出願日 2015年10月5日 (6年0ヶ月経過) 出願番号 2015-197373
公開日 2017年4月13日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2017-071803
状態 特許登録済
技術分野 ストリップ・線材の熱処理
主要キーワード カテナリ曲線 速度補正信号 Y座標 カテナリ 速度基準信号 速度基準値 熱処理システム 速度補正値
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

炉内のカテナリ量を一定に保つ熱処理システム熱処理方法および制御装置を提供する。

解決手段

実施形態に係る熱処理システムは、それぞれ速度制御装置によって駆動される第1ブライドルロール支持ロールと第2ブライドルロールとを含む加熱炉と、入側のカテナリ量である第1カテナリ量および出側のカテナリ量である第2カテナリ量にもとづいて、各速度制御装置に、対応する速度基準信号をそれぞれ供給して、前記第1ブライドルロール、前記支持ロール、および前記第2ブライドルロールの回転速度をそれぞれ設定する制御装置と、を備える。前記制御装置では、前記第1速度基準信号、前記第2速度基準信号、および前記第3速度基準信号が、この順に大きな値となるように設定される。

概要

背景

横型連続焼鈍炉において、鋼材ストリップ熱処理を行う場合に、カテナリ量が過小であるときには、ストリップにかかる張力が過大となり、ストリップが破断するおそれがある。またカテナリ量が過大であるときには、ストリップが炉の底部に接触し、ストリップの表面にキズをつけてしまうおそれがある。これら2つの問題を防ぐため、炉内のカテナリ量は一定に保たれる必要がある。

たとえば、炉の入側付近および出側付近に設置した張力検出器で張力を検出し、張力を一定に保つことによって、炉内のカテナリ量を制御する方法が知られている(特許文献1等)。しかしながら、加熱の進行によるストリップが伸びて形状が変化することにより、一定の張力に制御された場合であっても炉内では、炉の出側に向けてカテナリ量が増大する。

概要

炉内のカテナリ量を一定に保つ熱処理システム熱処理方法および制御装置を提供する。実施形態に係る熱処理システムは、それぞれ速度制御装置によって駆動される第1ブライドルロール支持ロールと第2ブライドルロールとを含む加熱炉と、入側のカテナリ量である第1カテナリ量および出側のカテナリ量である第2カテナリ量にもとづいて、各速度制御装置に、対応する速度基準信号をそれぞれ供給して、前記第1ブライドルロール、前記支持ロール、および前記第2ブライドルロールの回転速度をそれぞれ設定する制御装置と、を備える。前記制御装置では、前記第1速度基準信号、前記第2速度基準信号、および前記第3速度基準信号が、この順に大きな値となるように設定される。

目的

実施形態は、炉内のストリップのカテナリ量を適切に保つ熱処理システム、熱処理方法および制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第1速度制御装置によって駆動されてストリップ搬入する第1ブライドルロールと、前記第1ブライドルロールとともに前記ストリップを支持し第2速度制御装置によって駆動されて前記ストリップを搬送する支持ロールと、前記支持ロールとともに前記ストリップを支持し第3速度制御装置によって駆動されて前記ストリップを搬出する第2ブライドルロールと、を含む加熱炉と、前記第1ブライドルロールと前記支持ロールとの間の前記ストリップのカテナリ量である第1カテナリ量および前記支持ロールと前記第2ブライドルロールとの間の前記ストリップのカテナリ量である第2カテナリ量にもとづいて、前記第1速度制御装置、前記第2速度制御装置、および前記第3速度制御装置に、第1速度基準信号、第2速度基準信号、および第3速度基準信号をそれぞれ供給して、前記第1ブライドルロール、前記支持ロール、および前記第2ブライドルロールの回転速度をそれぞれ設定する制御装置と、を備え、前記制御装置では、前記第1速度基準信号、前記第2速度基準信号、および前記第3速度基準信号が、この順に大きな値となるように設定された熱処理システム

請求項2

前記制御装置は、目標カテナリ量と前記第1カテナリ量との偏差である第1偏差および前記第1カテナリ量と前記第2カテナリ量との偏差である第2偏差にもとづいて、第1速度補正信号を生成する第1演算器と、前記第2偏差にもとづいて、第2速度補正信号を生成する第2演算器と、前記第3速度基準信号および前記第1速度補正信号にもとづいて前記第1速度基準信号を出力する第3演算器と、前記第3速度基準信号および前記第2速度補正信号にもとづいて前記第2速度基準信号を出力する第4演算器と、を含み、前記第2速度補正信号は、前記第1速度補正信号と前記第2速度補正信号との差よりも大きい値に設定される請求項1記載の熱処理システム。

請求項3

前記第2速度補正信号は、前記第2偏差に比例し、前記第1速度補正信号と前記第2速度補正信号との差は、前記第1偏差に比例する請求項2記載の熱処理システム。

請求項4

前記第2速度補正信号と前記第2偏差との比例定数は、前記第1ブライドルロールと前記第2支持ロールとの間の距離に比例する請求項3記載の熱処理システム。

請求項5

第1ブライドルロール、支持ロール、および第2ブライドルロールによって、カテナリを形成しながらストリップを搬送し、カテナリ量検出器によって、前記第1ブライドルロールと前記支持ロールとの間で第1カテナリ量を測定し、および、前記支持ロールと前記第2ブライドルロールとの間で前記ストリップの第2カテナリ量を測定し、制御装置によって、測定された前記第1カテナリ量および前記第2カテナリ量にもとづいて、第1速度制御装置、第2速度制御装置、および第3速度制御装置にそれぞれ供給する第1速度基準信号、第2速度基準信号、および第3速度基準信号を生成し、前記第1速度基準信号、前記第2速度基準信号、および前記第3速度基準信号は、この順で大きい値に設定される熱処理方法

請求項6

第1ブライドルロール、支持ロール、および第2ブライドルロールによってカテナリを形成するストリップのカテナリ量を制御する制御装置であって、前記第1ブライドルロールと前記支持ロールとの間の前記ストリップのカテナリ量である第1カテナリ量および前記支持ロールと前記第2ブライドルロールとの間の前記ストリップのカテナリ量である第2カテナリ量にもとづいて、前記第1ブライドルロールを速度制御する第1速度制御装置、前記支持ロールを速度制御する第2速度制御装置、および前記第2ブライドルロールを速度制御する第3速度制御装置に、第1速度基準信号、第2速度基準信号、および第3速度基準信号をそれぞれ供給して、前記第1ブライドルロール、前記支持ロール、および前記第2ブライドルロールの回転速度をそれぞれ設定する制御部を備え、前記制御部では、前記第1速度基準信号、前記第2速度基準信号、および前記第3速度基準信号が、この順で大きい値となるように設定される制御装置。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、連続ライン横型連続焼鈍炉ロール間にカテナリを形成しながら鋼材ストリップ熱処理を行う熱処理システム熱処理方法および制御装置に関する。

背景技術

0002

横型連続焼鈍炉において、鋼材のストリップの熱処理を行う場合に、カテナリ量が過小であるときには、ストリップにかかる張力が過大となり、ストリップが破断するおそれがある。またカテナリ量が過大であるときには、ストリップが炉の底部に接触し、ストリップの表面にキズをつけてしまうおそれがある。これら2つの問題を防ぐため、炉内のカテナリ量は一定に保たれる必要がある。

0003

たとえば、炉の入側付近および出側付近に設置した張力検出器で張力を検出し、張力を一定に保つことによって、炉内のカテナリ量を制御する方法が知られている(特許文献1等)。しかしながら、加熱の進行によるストリップが伸びて形状が変化することにより、一定の張力に制御された場合であっても炉内では、炉の出側に向けてカテナリ量が増大する。

先行技術

0004

特開昭60−138018号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上述の課題を解決するためになされたものであり、炉内でのストリップの伸びによる形状変化を考慮に入れたカテナリ量の制御の手法を示したものである。実施形態は、炉内のストリップのカテナリ量を適切に保つ熱処理システム、熱処理方法および制御装置を提供する。

課題を解決するための手段

0006

実施形態に係る熱処理システムは、第1速度制御装置によって駆動されてストリップを搬入する第1ブライドルロールと、前記第1ブライドルロールとともに前記ストリップを支持し第2速度制御装置によって駆動されて前記ストリップを搬送する支持ロールと、前記支持ロールとともに前記ストリップを支持し第3速度制御装置によって駆動されて前記ストリップを搬出する第2ブライドルロールと、を含む加熱炉と、前記第1ブライドルロールと前記支持ロールとの間の前記ストリップのカテナリ量である第1カテナリ量および前記支持ロールと前記第2ブライドルロールとの間の前記ストリップのカテナリ量である第2カテナリ量にもとづいて、前記第1速度制御装置、前記第2速度制御装置、および前記第3速度制御装置に、第1速度基準信号、第2速度基準信号、および第3速度基準信号をそれぞれ供給して、前記第1ブライドルロール、前記支持ロール、および前記第2ブライドルロールの回転速度をそれぞれ設定する制御装置と、を備える。前記制御装置では、前記第1速度基準信号、前記第2速度基準信号、および前記第3速度基準信号が、この順に大きな値となるように設定される。

発明の効果

0007

本実施形態の熱処理システムでは、回転数が制御されたロールで両端が支持されたストリップの形成するカテナリに対して、両端のロールの回転速度を制御する第1〜第3速度基準信号を生成する制御装置を備えている。制御装置が生成する第1〜第3速度基準信号は、加熱炉の入側から出側に順に配置されるロールの回転速度を決定し、この順で大きくなるので、ストリップが出側に近づくにつれて、カテナリ量が大きくならないようにして、カテナリ量を適切に保つことができる。

図面の簡単な説明

0008

実施形態に係る熱処理システムを例示するブロック図である。
実施形態の熱処理システムの動作を説明するための概念図である。
実施形態の熱処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
比較例の熱処理システムを例示するブロック図である。

実施例

0009

以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。

0010

図1は、本実施形態に係る熱処理システムを例示するブロック図である。
図2は、本実施形態の熱処理システムの動作を説明するための概念図である。
図3は、本実施形態の熱処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
図1に示すように、熱処理システム100は、加熱炉1と、カテナリ量制御装置20と、を備える。

0011

加熱炉1は、ブライドルロール4,5と、炉内支持ロール6〜8と、炉体10と、を含む。加熱炉1は、ブライドルロール4,5および炉内支持ロール6〜8によって、鋼材のストリップ60を、支持し、管理された温度で加熱しながら、加熱炉1内を搬送する横型連続焼鈍炉である。

0012

ブライドルロール4は、加熱炉1の入側で炉体10の外部に設けられている。ブライドルロール5は、加熱炉1の出側で炉体10の外部に設けられている。ブライドルロール4,5は、回転軸をほぼ平行に配置された複数のロールを含む。ブライドルロール4,5は、回転軸のそれぞれの中心を、ストリップ60の搬送方向から鉛直方向にずらすことで、搬送方向とは異なる方向の力を生成して、ストリップ60に対して張力を発生する。ストリップ60は、ブライドルロール4によって炉体10内に搬入され、ブライドルロール5によって炉体10内から搬出される。なお、加熱炉1の入側とは、ストリップ60が搬入される側であり、加熱炉1の出側とは、ストリップ60が搬出される側をいうものとする。

0013

炉内支持ロール6〜8は、炉体10の内部に、ストリップ60の搬送方向に沿って配置されている。ここで、説明の便宜上、以下の座標を用いることとする。すなわち、Y軸は、加熱炉1が設置されている設置面に平行に設定される。設置面は、たとえば床面である。ストリップ60の上面のうち、ブライドルロール4,5および炉内支持ロール6〜8によって支持されている位置は、Y軸上にあるものとする。つまり、各ロールの径が同一の場合には、各ロールの回転軸の中心は、Y軸に沿って設けられている。Y軸は、加熱炉1の入側から出側に向かう方向を正とする。X軸は、Y軸に対して設置面に向かって鉛直方向に延びて設定される。X軸は、鉛直方向下向き、つまり設置面に向かう向きが正方向である。X軸およびY軸の原点Oは、ストリップ60の上面のうち、入側のブライドルロール4の上端に接している位置とする。

0014

上述したように、ブライドルロール4,5および炉内支持ロール6〜8は、それぞれの回転軸の中心がY軸に沿って配置されている。各ロールの配置位置は、各ロールが電動機によって駆動される回転軸の中心で規定される。各ロールの配置位置のY座標は、次のとおりとする。入側のブライドルロール4はY0(原点O)、炉内支持ロール6はY1、炉内支持ロール7はY2、炉内支持ロール8はY3、出側のブライドルロール5はY4に配置されている。Y0〜Y4は、等間隔であってもよく、必ずしも等間隔でなくともよい。

0015

ブライドルロール4によって、加熱炉1に搬入され、ブライドルロール5によって、加熱炉1から搬出されるストリップ60は、加熱炉1内でブライドルロール4,5および炉内支持ロール6〜8によって両端を支持されたカテナリ61〜64を形成する。ここで、カテナリとは、両側をロールによって支持されたストリップ60が、自重によってX軸の正方向にカテナリ曲線状に垂れ下がった部分をいうものとする。また、X=0の位置から各カテナリの頂点(ストリップ60の上面側)までの長さをカテナリ量と呼ぶこととする。カテナリ61は、ブライドルロール4と炉内支持ロール6との間に形成されている。カテナリ62は、炉内支持ロール6と炉内支持ロール7との間に形成されている。カテナリ63は、炉内支持ロール7と炉内支持ロール8との間に形成されている。カテナリ64は、炉内支持ロール8とブライドルロール5との間に形成されている。ここで、カテナリ61のカテナリ量をX1とし、カテナリ64のカテナリ量をX2とする。X1を入側のカテナリ量と呼び、X2を出側のカテナリ量と呼ぶことがある。一般的には、出側のカテナリ量X2は、入側のカテナリ量X1よりも大きい。

0016

加熱炉1の入側および出側には、カテナリ量検出器2,3がそれぞれ設けられている。カテナリ量検出器2は、加熱炉1内でもっとも入側に近いカテナリ61のカテナリ量X1を計測する。カテナリ量検出器3は、加熱炉1内でもっとも出側に近いカテナリ64のカテナリ量X2を計測する。カテナリ量検出器2,3は、たとえば、レーザ距離計である。レーザ距離計の場合には、カテナリの谷点に向けて送出するレーザ光反射されてくるレーザ光の波長および位相とを比較することによって、カテナリの頂点までの距離を正確に計測する。

0017

入側のブライドルロール4は、速度制御装置(Automatic Speed Regulator、以下、ASRという。)41によって速度制御された電動機51によって駆動される。炉内支持ロール6は、ASR42によって速度制御された電動機52によって駆動される。炉内支持ロール7は、ASR43によって速度制御された電動機53によって駆動される。炉内支持ロール8は、ASR44によって速度制御された電動機54によって駆動される。出側のブライドルロール5は、ASR45によって速度制御された電動機55によって駆動される。ASR41〜ASR45は、たとえばインバータ装置である。ASR41〜ASR45は、供給された速度基準信号にもとづいて、電動機51〜55の速度制御をそれぞれ行う。各ロールは、速度基準信号の大きさに比例した回転速度で回転する。

0018

ASR41〜45に対する速度基準信号は、カテナリ量制御装置(制御部)20によって生成される。カテナリ量制御装置20は、カテナリ量基設定器(XREF設定器)21と、ライン速度基準設定器(VREF設定器)28と、加減算器22,23と、速度補正演算器24〜27と、加算器31〜34とを含む。カテナリ量検出器2,3の検出値X1,X2は、加減算器22,23に入力されている。加算器31〜34の出力は、ASR41〜44にそれぞれ入力されている。ライン速度基準設定器28の出力は、ASR45に入力されている。

0019

カテナリ量基準設定器21は、各ロール間のカテナリ61〜64のカテナリ量の目標値としてカテナリ量基準値XREFがあらかじめ設定されている。カテナリ量基準設定器21は、加減算器23にカテナリ量基準値XREFを供給する。加減算器23には、カテナリ量基準値XREFと、加熱炉1の入側のカテナリ量検出器2から出力されたカテナリ量X1が入力されている。加減算器23は、(XREF−X1)を出力して、速度補正演算器24に供給する。

0020

加減算器22には、入側のカテナリ量検出器2から出力されたカテナリ量X1と、出側のカテナリ量検出器3から出力されたカテナリ量X2とが入力されている。加減算器22は、(X1−X2)を4つの速度補正演算器24〜27にそれぞれ供給している。

0021

ライン速度基準設定器28は、ライン速度基準値VREFを出力する。ライン速度基準値VREFは、加熱炉1内のストリップ60の搬送速度の基準値であり、あらかじめ設定されている。ライン速度基準設定器28は、ライン速度基準値VREFを、4つの加算器31〜34にそれぞれ供給する。また、ライン速度基準設定器28は、ライン速度基準値VREFを、出側のブライドルロール5を駆動するASR45に供給する。

0022

加算器31は、ライン速度基準値VREFと、速度補正演算器24から出力される速度補正値ΔV0とを入力し、これらを加算してASR41に供給する。加算器32は、ライン速度基準信号VREFと、速度補正演算器25から出力される速度補正値ΔV1とを入力し、これらを加算してASR42に供給する。加算器33は、ライン速度基準信号VREFと、速度補正演算器26から出力される速度補正値ΔV2とを入力し、これらを加算してASR43に供給する。加算器34は、ライン速度基準信号VREFと、速度補正演算器27から出力される速度補正値ΔV3とを入力し、これらを加算してASR44に供給する。

0023

本実施形態の熱処理システム100の動作について説明する。
両端を電動機で駆動されるロールによって支持されたストリップでは、巻取り側のロールの回転速度および払出し側のロールの回転速度の差によって、ストリップの張力が制御される。ストリップがロール間でカテナリを形成している状態において、巻取り側のロールの回転速度を払出し側のロールの回転速度よりも大きく設定し、回転速度の差を制御することによって、ストリップの張力を制御することができる。巻取り側のロールの回転速度と払出し側のロールの回転速度との間の速度差を大きくしたときには、ストリップの張力が大きくなり、カテナリ量は小さくなる。巻取り側のロールの回転速度と払出し側のロールの回転速度との間の速度差を小さくしたときには、ストリップの張力が小さくなり、カテナリ量は大きくなる。つまり、カテナリを形成するストリップの両端のロールの回転速度差を制御することによって、ロールで両端を支持されているストリップのカテナリ量を制御することができる。

0024

図2では、加熱炉のロールの配置および各ロールの回転速度を模式的に示しており、説明の便宜上、上述の座標軸XYに加えて、ロールの回転速度vを表す仮想的なv軸を用いる。v軸のX軸およびY軸に対する方向は任意である。v軸は、各ロールの回転速度を表す速度ベクトルに関連する量を一次元で表す座標軸である。v軸上では、各ロールの回転速度の大きさおよび回転の方向が表される。v軸上で、矢印の大きさは、回転速度の大きさを表している。v軸の正負の方向は、回転方向を示しており、紙面に沿って上向きを正方向の回転を表すこととすると、紙面に沿って下向きの場合では、ロールは、逆方向の回転をしていることを示す。つまり、正方向の回転に、逆方向の回転を加算した場合で、正方向の回転速度が逆方向の回転速度よりも大きいときには、回転速度は、正方向の回転速度と逆方向の回転速度との差に等しく、回転の方向は正方向となる。なお、ASR41〜45は、速度基準信号を入力し、速度基準信号に比例した回転速度になるように電動機51〜55を駆動する。したがって、各ロールの回転速度vは、速度基準信号Vに比例する。つまり、各ロールの回転速度vについての関係は、そのまま速度基準信号Vについての関係に置き換えることができる。

0025

各ロールは、Y軸に沿って、Y0,Y1,Y2,Y3,Y4の位置に配置されている。Y座標上、Y0<Y1<Y2<Y3<Y4である。Y0は、Y軸の原点Oである。原点Oに設けられたブライドルロール4は、回転速度v0で回転している。Y1に設けられた炉内支持ロール6は、回転速度v1で回転している。Y2に設けられた炉内支持ロール7は、回転速度v2で回転している。Y3に設けられた炉内支持ロール8は、回転速度v3で回転している。Y4に設けられたブライドルロール5は、回転速度vrefで回転している。

0026

ブライドルロール4の回転速度v0は、ブライドルロール5の回転速度vrefに、速度補正値Δv0を加算することによって求められる。炉内支持ロール6の回転速度v1は、ブライドルロール5の回転速度vrefに、速度補正値Δv1を加算することによって求められる。炉内支持ロール7の回転速度v2は、ブライドルロール5の回転速度vrefに、速度補正値Δv2を加算することによって求められる。炉内支持ロール8の回転速度v3は、ブライドルロール5の回転速度vrefに、速度補正値Δv3を加算することによって求められる。

0027

速度補正値Δv0〜Δv3は、負の値を有する。回転速度v0〜vrefは、速度補正信号について、|Δvo|>|Δv1|>|Δv2|>|Δv3|とすることによって、vo<v1<v2<v3<vrefの関係となるように設定されている。このような関係を適切に設定することによって、各ロール間でカテナリ61〜64を適切に形成することができる。なお、回転速度vrefは、ライン速度基準設定器18によって設定されるライン速度基準値VREFによって設定される回転速度である。

0028

上述したように、ロール間に支持されるカテナリのカテナリ量は、各ロールの回転速度差に応じて決定される。具体的に、炉内支持ロール8とブライドルロール5との間に形成されるカテナリ64のカテナリ量X2は、炉内支持ロール8の回転速度v3と、ブライドルロール5の回転速度vrefとの差であるΔv3によって決定される。炉内支持ロール7と炉内支持ロール8との間に形成されるカテナリ63のカテナリ量Xaは、炉内支持ロール7の回転速度v2と炉内支持ロール8の回転速度v3との差である(Δv2−Δv3)によって決定される。炉内支持ロール6と炉内支持ロール7との間に形成されるカテナリ62のカテナリ量Xbは、炉内支持ロール6の回転速度v1と炉内支持ロール7の回転速度v2との差である(Δv1−Δv2)によって決定される。ブライドルロール4と炉内支持ロール6との間に形成されるカテナリ61のカテナリ量X1は、ブライドルロール4の回転速度v0と炉内支持ロール6の回転速度v1との差である(Δv0−Δv1)によって決定される。これらの速度差を適切に設定することによって、炉内の各カテナリ61〜64のカテナリ量を同一または適切な大きさにすることができる。

0029

熱処理システム100では、出側のカテナリ64のカテナリ量X2が、入側のカテナリ61のカテナリ量X1に近づくように、ASR41〜45および電動機51〜55の速度制御を行う。また、熱処理システム100では、入側のカテナリ61のカテナリ量X1が、カテナリ量基準設定器21から供給されるカテナリ量基準信号XREFに近づくように、ASR41および電動機51の速度制御を行う。

0030

そこで、ロール間の各速度差Δv3,(Δv2−Δv3),(Δv1−Δv2)が、(X1−X2)にそれぞれ比例するように設定することによって、加熱によるストリップの伸びを考慮しない場合には、各カテナリ62〜64のカテナリ量をほぼ等しく制御することができる。また、加熱炉1のもっとも入側に近い側のカテナリ62については、(Δv0−Δv1)が(XREF−X1)に比例するように設定することによって、カテナリ量X1をカテナリ量基準値XREFにほぼ等しくなるように制御することができる。すなわち、以下の関係が成立する。

0031

Δv3=(Δv2−Δv3)=(Δv1−Δv2)=C1・(X1−X2) (1)
Δv0−Δv)=ε・(XREF−X1) (2)
C1およびεは、正の定数である。

0032

ここで、ストリップ60は、加熱炉1の出側に移動するにつれて、加熱され、加熱によってストリップ60が伸びた結果、ロール間のカテナリ量が増大する。ストリップ60は、加熱炉1内をほぼ一定の搬送速度で移動するので、カテナリ量の増大は、加熱炉1の入側からの距離にほぼ比例する。そこで、式(1)の関係を、加熱炉1の入側からの距離に応じて、異なる比例定数を設定する。比例定数α1,β1,γ1を、α1>β1>γ1(>0)となるように設定し、式(1)の関係にあてはめて、以下を得ることができる。

0033

Δv3=α1・(X1−X2) (3)
Δv2−Δv3=β1・(X1−X2) (4)
Δv1−Δv2=γ1・(X1−X2) (5)

0034

式(2)〜式(5)については、回転速度v,Δvは、ASRに対する速度基準信号V,ΔVに置き換えることができるので、以下の関係を得ることができる。

0035

ΔV3=α・(X1−X2) (6)
ΔV2=ΔV3+β・(X1−X2) (7)
ΔV1=ΔV2+γ・(X1−X2) (8)
ΔV0=ΔV1+ε・(XREF−X1) (9)
ここで、α=k1・α1,β=k1・β1,γ=k1・γ1であり、k1は正の実数である。

0036

このように、各ロール間の回転速度の差を、入側と出側のカテナリ量の差に比例するように設定し、その比例定数を入側からの距離に応じて適切に設定することによって、炉内のカテナリのカテナリ量を同一または適切な大きさに設定することができる。

0037

比例定数α,β,γについて、最初のカテナリ61のカテナリ量X1の検出位置からの距離に比例するように設定してもよい。始点を座標Y0,Y1の中間位置とし、カテナリ61の位置Ys1とする。なお、このカテナリ61の位置には、入側のカテナリ量検出器2が配置されている。カテナリ62の位置Ys2は、座標Y1,Y2の中間位置である。カテナリ63の位置Ys3は、座標Y2,Y3の中間位置である。カテナリ64の位置Ys4は、座標Y3,Y4の中間位置である。

0038

カテナリ64の始点からの距離は、(Ys4−Ys1)で表され、これを「a」とおく。カテナリ63の始点からの距離は、(Ys3−Ys1)で表され、これを「b」とおく。また、カテナリ62の始点からの距離は、(Ys2−Ys1)で表され、これを「c」とおく。上述のように、出側に近いカテナリほど加熱時間が長いので、ストリップ60の伸びが大きくなり得るので、比例定数α、βおよびγの値をカテナリ間の距離に比例して設定する。具体的には、次のように設定することができる。

0039

α=k・a
β=k・b
γ=k・c
ここで、kは、正の実数である。

0040

このように、比例定数α、βおよびγの値を設定することによって、α>β>γとすることができ、かつ、加熱によるカテナリ量の増大分を見込んで比例定数を距離に比例する値に設定することができる。そのため、加熱炉1内を進行するストリップが形成する各カテナリのカテナリ量は、ほぼ目標値に等しく制御される。なお、上述では、始点とカテナリとの間の距離を各カテナリの谷点の間の距離として設定したが、カテナリの開始点の間、たとえば、Y0とY1との間の距離として設定しても同じ結果が得られる。

0041

本実施形態の熱処理システム100の動作について、フローチャートを用いて、説明する。
図3に示すように、熱処理システム100では、ステップS1において、カテナリ量検出器2,3によって、入側のカテナリ61のカテナリ量X1および出側のカテナリ64のカテナリ量X2を計測する。

0042

ステップS2において、カテナリ量制御装置20によって、カテナリ量基準値XREFとカテナリ61のカテナリ量X1との偏差を計算し、カテナリ61のカテナリ量X1とカテナリ64のカテナリ量X2との偏差を計算する。

0043

ステップS3において、カテナリ量制御装置20によって、式(6)〜式(9)を用いて各ASR41〜44に対する速度補正値ΔV0〜ΔV3を計算する。

0044

ステップS4において、ライン速度基準値VREFと、各速度補正値ΔV0〜ΔV3とを加算して、各ASR41〜44に対する速度基準値V0〜V3を計算する。

0045

ステップS5において、速度基準値V0〜V3およびライン速度基準値VREFを、各ASR41〜45に供給する。

0046

このようにして、本実施形態の熱処理システム100では、炉内のカテナリ61〜64のカテナリ量の大きさを同一または適切に設定することができる。

0047

本実施形態の熱処理システム100の作用および効果について、比較例の熱処理システム200と比較しつつ説明する。
図4は、比較例の熱処理システム200を例示するブロック図である。
図4に示すように、比較例の熱処理システム200は、カテナリ量検出器102と、加熱炉101と、制御装置120と、を備えている。加熱炉101は、ブライドルロール104,105と、炉内支持ロール106〜108と、を有している。制御装置120は、カテナリ量検出器102から出力されるカテナリ量X1’を入力して、加熱炉1の入側および出側に設けられたブライドルロール104,105の回転速度を制御して、ブライドルロール104,105の間を搬送されるストリップ60の張力を制御することによってロール間のカテナリ量を制御する。炉内支持ロール106〜108は、フリーロールであり、回転速度等はなんら制御されない。つまり、この比較例の熱処理システム200では、ブライドルロール104,105の回転速度制御を行っているものの、加熱炉1内を進行するストリップ60のロール間の回転速度の差の制御を行っていない。

0048

比較例の熱処理システム200では、炉内支持ロール間の速度制御を行っていないので、炉内支持ロール106〜108は、ブライドルロール104,105によって設定された速度で搬送されるストリップ60の搬送速度によって受動的に回転速度が決定される。そのため、炉内支持ロール間のストリップ60の張力は必ずしも適切に制御されず、したがって、炉内支持ロール間のカテナリ量も制御されない。ストリップ60は、加熱炉101内を進行する間に加熱され、炉内を進行するにしたがい、カテナリを形成しているストリップ60が自重により鉛直方向に延びることによって、カテナリ量は増大する。つまり、加熱炉101内で複数のカテナリを形成するような場合には、加熱炉101の入側から遠ざかるほど、カテナリ量は大きくなる。甚だしい場合には、カテナリ量が大きくなったカテナリは、加熱炉101の底部に接触し、ストリップ60の表面に傷が付いたり、破損を生じたりすることがあり得る。また、カテナリ量が著しく小さくなったカテナリの場合には、ストリップ60が破断等の損傷を生じる場合がある。

0049

本実施形態の熱処理システム100では、カテナリ量制御装置20によって、ストリップ60を支持する炉内支持ロール6〜8は、加熱炉1の入側から出側にわたって次第に回転速度が大きくなるように駆動される。これら炉内支持ロール6〜8の回転速度を適切に設定することによって、炉内のカテナリのカテナリ量の大きさを適切に設定することができる。

0050

また、本実施形態の熱処理システム100では、カテナリ量制御装置20によって、ロール間の回転速度の差は、加熱炉1の入側からの距離に応じて次第に大きくなるように設定される。ロール間の回転速度差を適切に設定することによって、加熱炉1の入側から出側にわたってカテナリ量をほぼ同一にすることができる。

0051

さらに、カテナリ量制御装置20によって、ロール間の回転速度の差を、加熱炉1の入側からの距離に比例して増大させることによって、加熱によるストリップ60の伸びを考慮したカテナリ量の制御を行うことができる。

0052

カテナリ量制御装置20は、カテナリ量基準値XREFを出力し、入側のカテナリのカテナリ量X1を、カテナリ基準値XREFに近づけるように制御することができるので、加熱炉1内すべてのカテナリ量を目標値にほぼ等しく設定することができる。したがって、加熱炉1内にわたってストリップ60の張力を適切に設定することができ、ストリップ60の破断や加熱炉1底部への接触によるストリップ60の表面の損傷を防止することができる。

0053

なお、上述した実施形態では、加熱炉1には、3つの炉内支持ロール6〜8を含むものとしたが、炉内支持ロールの数は、これに限定されない。炉内支持ロールは、1つまたは2つでもよく、4つ以上であってももちろん構わない。

0054

以上説明した実施形態によれば、加熱炉内のカテナリ量を一定に保つ熱処理システム、熱処理方法および制御装置を実現することができる。

0055

以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。

0056

1加熱炉、2,3カテナリ量検出器、4,5ブライドルロール、6〜8 炉内支持ロール、10炉体、20 カテナリ量制御装置(制御部)、21 カテナリ量基準設定器(XREF設定器)、22,23加減算器、24〜27速度補正演算器、28ライン速度基準設定器(VREF設定器)、31〜34加算器、41〜45速度制御装置(ASR)、51〜55電動機、60ストリップ、61〜64 カテナリ、100 熱処理システム

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