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技術 脱線状態検知装置及び脱線状態検知方法

出願人 公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者 鈴木貢葛田理仁田中隆之飯田忠史遠竹隆行
出願日 2015年10月6日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2015-198187
公開日 2017年4月13日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-071247
状態 特許登録済
技術分野 機関車
主要キーワード ピーク加速度 次ばね 二次ばね 主要構造部材 累積パルス数 貨物列車 車輪直径 スラブ板
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月13日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

簡単な構成により脱線状態を適切に検知可能な脱線状態検知装置等を提供する。

解決手段

脱線状態検知装置を、通常時にレール上面と当接する踏面11及び踏面より外径側に張り出したフランジ12を有する車輪10が固定された輪軸122,123,132,133,222,223,232,233の回転速度を検出する速度検出手段Sと、回転速度が所定以上の変化率で低下した後、回転速度が低下した状態が所定の判定期間以上継続した場合に脱線状態であると判定する脱線状態判定手段30とを備える構成とする。

概要

背景

鉄道車両において、車輪レールから脱落した状態で走行を続けると、車両及び軌道被害が拡大するため、走行中に脱線状態が生じた際に適切かつ速やかに検知し、運転士等へ通知することが要望されている。

脱線状態検知に関する従来技術として、例えば、特許文献1には、車体の加速度から特定周波数の信号を抽出した後、特定周波数帯の信号が所定時間内に所定レベルを超えた回数設定回数を超えたときに車両が脱線したと判定することが記載されている。
特許文献2には、車体の加速度から特定周波数の信号を抽出した後、特定周波数帯の信号を所定時間ごとに連続して積分し、積分された積分値所定時間前の積分値との差が所定値を超えたことに基づいて脱線を判定することが記載されている。
特許文献3には、鉄道車両の各台車に設置された加速度センサと、特定の軸箱に設置された加速度センサとを用い、軌道状態毎のピーク加速度と走行時のピーク加速度を正負でそれぞれ比較することによって、脱線を含む鉄道車両の異常を判断することが記載されている。

概要

簡単な構成により脱線状態を適切に検知可能な脱線状態検知装置等を提供する。脱線状態検知装置を、通常時にレール上面と当接する踏面11及び踏面より外径側に張り出したフランジ12を有する車輪10が固定された輪軸122,123,132,133,222,223,232,233の回転速度を検出する速度検出手段Sと、回転速度が所定以上の変化率で低下した後、回転速度が低下した状態が所定の判定期間以上継続した場合に脱線状態であると判定する脱線状態判定手段30とを備える構成とする。

目的

本発明の課題は、簡単な構成により脱線状態を適切に検知可能な脱線状態検知装置及び脱線状態検知方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

通常時にレール上面と当接する踏面及び前記踏面より外径側に張り出したフランジを有する車輪が固定された輪軸の回転速度を検出する速度検出手段と、前記回転速度が所定以上の変化率で低下した後、前記回転速度が低下した状態が所定の判定期間以上継続した場合に脱線状態であると判定する脱線状態判定手段とを備えることを特徴とする脱線状態検知装置

請求項2

前記速度検出手段は、同一列車内の複数の前記輪軸にそれぞれ設けられ、前記脱線状態判定手段は、前記回転速度が所定以上の変化率で低下した前記輪軸の前記回転速度と、それ以外の前記輪軸の前記回転速度の平均値との差が所定の閾値以上である状態が前記判定期間以上継続した場合に前記脱線状態であると判定することを特徴とする請求項1に記載の脱線状態検知装置。

請求項3

通常時にレール上面と当接する踏面及び前記踏面より外径側に張り出したフランジを有する車輪が固定された輪軸の回転速度を検出し、前記回転速度が所定以上の変化率で低下した後、前記回転速度が低下した状態が所定の判定期間以上継続した場合に脱線状態であると判定することを特徴とする脱線状態検知方法

請求項4

同一列車内の複数の前記輪軸において前記回転速度を検出し、前記回転速度が所定以上の変化率で低下した前記輪軸の前記回転速度と、それ以外の前記輪軸の前記回転速度の平均値との差が所定の閾値以上である状態が前記判定期間以上継続した場合に前記脱線状態であると判定することを特徴とする請求項3に記載の脱線状態検知方法。

技術分野

0001

本発明は、鉄道車両脱線状態検知装置及び脱線状態検知方法に関し、特に簡単な構成により脱線状態を適切に検知可能なものに関する。

背景技術

0002

鉄道車両において、車輪レールから脱落した状態で走行を続けると、車両及び軌道被害が拡大するため、走行中に脱線状態が生じた際に適切かつ速やかに検知し、運転士等へ通知することが要望されている。

0003

脱線状態検知に関する従来技術として、例えば、特許文献1には、車体の加速度から特定周波数の信号を抽出した後、特定周波数帯の信号が所定時間内に所定レベルを超えた回数設定回数を超えたときに車両が脱線したと判定することが記載されている。
特許文献2には、車体の加速度から特定周波数の信号を抽出した後、特定周波数帯の信号を所定時間ごとに連続して積分し、積分された積分値所定時間前の積分値との差が所定値を超えたことに基づいて脱線を判定することが記載されている。
特許文献3には、鉄道車両の各台車に設置された加速度センサと、特定の軸箱に設置された加速度センサとを用い、軌道状態毎のピーク加速度と走行時のピーク加速度を正負でそれぞれ比較することによって、脱線を含む鉄道車両の異常を判断することが記載されている。

先行技術

0004

特開2002−211396号公報
特開2002−211400号公報
特開2012− 58208号公報

発明が解決しようとする課題

0005

脱線時に車輪が枕木の上を走行する際の衝撃的な振動や、台車姿勢の異常に基づいて脱線状態を検知する従来技術においては、専ら脱線検知のために加速度センサ等の振動検出手段や、ジャイロ等の台車姿勢検出手段を設ける必要があり、部品点数が増加して構造が複雑化し、コストも高くなる。また、他部品との関係でセンサ等の設置スペースの確保が困難な場合もあり得る。
また、バラスト道床及び枕木を有するバラスト軌道では、脱線状態で走行した際の振動が顕著となるため脱線検知が比較的容易であるが、平滑な軌道スラブ上にレールを敷設するスラブ軌道などに比較的穏やかに接地した場合には、脱線状態で走行しても顕著な振動が発生しない場合があり、加速度に基づいた脱線状態の判定が成立せず、脱線状態のまま走行を継続してしまうことが懸念される。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、簡単な構成により脱線状態を適切に検知可能な脱線状態検知装置及び脱線状態検知方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

上述した課題を解決するため、本発明の脱線状態検知装置は、通常時にレール上面と当接する踏面及び前記踏面より外径側に張り出したフランジを有する車輪が固定された輪軸の回転速度を検出する速度検出手段と、前記回転速度が所定以上の変化率で低下した後、前記回転速度が低下した状態が所定の判定期間以上継続した場合に脱線状態であると判定する脱線状態判定手段とを備えることを特徴とする。
これによれば、脱線により車輪が踏面ではなくフランジの外周縁部を接地させた状態で回転する際の有効径の増加に伴う回転速度の低下に基づいて、著大な加速度や台車姿勢の異常等を伴わない脱線であっても適切に検知することができる。
また、車輪(輪軸)の回転速度は、一般的な鉄道車両において、走行速度や滑走等を検知する目的で通常モニタされているものであることから、既存の鉄道車両に新規なセンサ等を追加することなく容易に適用することが可能であり、装置の構成を簡素化することができる。

0007

本発明において、前記速度検出手段は、同一列車内の複数の前記輪軸にそれぞれ設けられ、前記脱線状態判定手段は、前記回転速度が所定以上の変化率で低下した前記輪軸の前記回転速度と、それ以外の前記輪軸の前記回転速度の平均値との差が所定の閾値以上である状態が前記判定期間以上継続した場合に前記脱線状態であると判定する構成とすることができる。
これによれば、検知精度を向上して上述した効果をより確実に得ることができる。

0008

また、本発明の脱線状態検知方法は、通常時にレール上面と当接する踏面及び前記踏面より外径側に張り出したフランジを有する車輪が固定された輪軸の回転速度を検出し、前記回転速度が所定以上の変化率で低下した後、前記回転速度が低下した状態が所定の判定期間以上継続した場合に脱線状態であると判定することを特徴とする。
本発明において、同一列車内の複数の前記輪軸において前記回転速度を検出し、前記回転速度が所定以上の変化率で低下した前記輪軸の前記回転速度と、それ以外の前記輪軸の前記回転速度の平均値との差が所定の閾値以上である状態が前記判定期間以上継続した場合に前記脱線状態であると判定する構成とすることができる。

発明の効果

0009

以上のように、本発明によれば、簡単な構成により脱線状態を適切に検知可能な脱線状態検知装置及び脱線状態検知方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0010

本発明を適用した脱線状態検知装置の実施形態を有する鉄道車両編成を模式的に示す図である。
実施形態の鉄道車両における車輪を直径方向から見た図である。
実施形態の脱線状態検知装置における動作を示すフローチャートである。

実施例

0011

以下、本発明を適用した鉄道車両の脱線状態検知装置、及び、脱線状態検知方法の実施形態について説明する。
図1は、実施形態の脱線状態検知装置を有する鉄道車両編成を模式的に示す図である。
鉄道車両編成1は、一例として、進行方向前方側から順に、車両100、200を有する旅客用の電車列車であるが、これに限らず、気動車や、機関車により牽引される客車列車、貨物列車等であってもよい。
なお、車両200の後方にさらに車両を増結してもよい。

0012

車両100は、車体110、1位台車120、2位台車130等を有して構成されている。
車体110は、床面部を構成する台枠、側面部を構成する側構妻面部を構成する妻構屋根部を構成する屋根構等を有する六面体状に形成され、乗客等を収容する車室が内部に設けられている。

0013

1位台車120、2位台車130は、車体110の下部にボギー角付与可能に取り付けられた2軸ボギー台車であって、進行方向前方側から順次配置されている。
1位台車120は、台車枠121、1位輪軸122、2位輪軸123等を有して構成されている。

0014

台車枠121は、1位台車120の主要構造部材である。
台車枠121は、例えば、左右方向(枕木方向)に離間して配置され前後方向に沿って延在する一対の側梁を、枕木方向に沿って延在する横梁端梁で連結することによって、上方から見た平面形が実質的に矩形となる枠状に構成されている。
台車枠121は、図示しない牽引装置及び二次ばね系を介して車体100の下面に取り付けられている。
牽引装置は、車体100と1位台車120との間で、駆動力制動力等の前後力を伝達するものである。
二次ばね系は、例えば、空気ばねであるばね及び枕ばねの内部に設けられた減衰要素等を有する。

0015

1位輪軸122、2位輪軸123は、左右一対の車輪10(図2参照)を、車軸の両端部に固定して構成されている。
1位輪軸122、2位輪軸123は、両端部に形成されたジャーナル部を、軸受潤滑装置等を有する図示しない軸箱によって回転可能に支持されている。
軸箱は、図示しない軸箱指示装置によって、台車枠121に対して上下方向及び輪軸をステアする方向に相対変位可能に支持されている。
軸箱支持装置には、軸ばね及び軸ダンパ等を有する1次ばね系が設けられている。

0016

2位台車130は、1位台車120の台車枠121、1位輪軸122、2位輪軸123と実質的に同様に構成された台車枠131、1位輪軸132、2位輪軸133等を有して構成されている。

0017

車両200は、車両100の進行方向後方側における次位に連結されている。
車両200は、車両100の車体110、1位台車120、2位台車130と実質的に同様に構成された車体210、1位台車220、2位台車230等を有して構成されている。
1位台車220は、台車枠221、1位輪軸222、2位輪軸223等を有して構成されている。
2位台車230は、台車枠231、1位輪軸232、2位輪軸233等を有して構成されている。

0018

上述した全ての輪軸には、回転速度センサSがそれぞれ設けられている。
回転速度センサSは、対応する輪軸の回転速度に比例する周波数パルス信号を出力し、後述する運転台20に伝達する。
回転速度センサSは、輪軸1回転あたり複数(例えば72波)のパルス信号を出力するよう構成されている。

0019

先頭車両である車両100は、さらに、運転台20、脱線状態判定手段30等を備えている。
運転台20は、運転席に設けられ、運転士が各種運転操作を行う操作卓として構成されている。
運転台20は、車両の加減速運転操作を行なうマスコンブレーキや、各種計器インジケータ等を備えて構成されている。

0020

脱線状態判定手段30は、運転台20を介して各輪軸の回転速度センサSの出力(パルス信号)を取得し、脱線状態の有無を判定するものである。
脱線状態判定手段30は、例えば、CPU等の情報処理手段、RAMやROM等の記憶手段、入出力インターフェイス、及び、これらを接続するバス等を有して構成されている。

0021

次に、本実施形態における脱線状態検知の原理(本発明を適用した脱線状態検知方法)について説明する。
本実施形態においては、車輪の踏面部の直径と、フランジ先端部の直径との差に起因して、脱線した車輪(輪軸)の回転速度が非脱線状態にある他の輪軸に対して相対的に低下することに基づいて、脱線状態の検知を行なっている。
図2は、実施形態の鉄道車両における車輪を直径方向から見た図である。
車輪10は、踏面11、フランジ12等を有する。
踏面11は、通常走行時(非脱線時)に図示しないレール頭部の上面と当接する面部である。
フランジ12は、踏面11の枕木方向内側の端部から外径側に張り出して形成された部分である。

0022

一例として、日本の一般的な在来線では、踏面部における車輪直径D=860mm,フランジの踏面からの高さ(フランジ高さ)hF=30mmである。
通常走行時には、車輪10は、踏面11がレール上面に当接した状態で転動している。
このときの車輪10の角速度を、ω1とする。
一方、脱線状態にある場合には、車輪10は、フランジ12の外周縁部が枕木や道床などに当接した状態で転動することになる。
このときの車輪10の角速度を、ω2とする。

0023

この場合、それぞれの車輪の速度V1,V2は、以下の式1、式2によって表される。

V1=D/2・ω1=0.43ω1 ・・・(式1)
V2=(D+2hF)/2・ω2=0.46ω2 ・・・(式2)

ここで、同一列車内の全ての車輪(輪軸)のレール長手方向に沿った走行速度は実質的に等しいと考えられるため、V1とV2とは等しく、ω1とω2との関係は、以下の式3のように表される。

ω1=(0.46/0.43)ω2≒1.08ω2 ・・・(式3)

0024

以上のことから、踏面11で走行する車輪10の角速度は、フランジ12で走行する車輪の角速度に比べ、約8%速いことがわかる。
回転速度センサSが、1回転あたり72波のパルスを発生するものの場合に、この角速度差に対応する波数を求めると、式4のようになる。

72(1.08−1)≒5.76 ・・・(式4)

このことから、フランジ12で走行する車輪10では、踏面11で走行する車輪10が1回転して72パルス出力される際に、発生するパルス数が5パルス程度少ないことになる。
これより、非脱線状態にある輪軸1回転あたりのパルス数が他の輪軸に対して5パルス程度少ない状態が所定時間以上継続した輪軸を脱線状態にあるとして検知を行う。
以下、より詳細に説明する。

0025

図3は、実施形態の脱線状態検知装置における動作を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:各輪軸回転速度モニタ>
脱線状態判定手段30は、各輪軸に設けられた回転速度センサSが出力するパルス信号を、運転台20を介して取得し、全ての輪軸について回転速度のモニタリングを行う。
モニタリングが開始されると、ステップS02に進む。

0026

<ステップS02:減速輪軸を検出>
脱線状態判定手段30は、パルス信号の間隔(周期)に基づいて算出される回転角速度が、予め設定された所定以上の単位時間あたり変化率で、予め設定された所定の減速量以上減速した輪軸がないか判別する。
上記に該当する輪軸(急激に回転速度が低下した輪軸)が存在した場合には、ステップS03に進み、その他の場合には一連の処理を終了(リターン)し、ステップS01以降の処理を繰り返す。

0027

<ステップS03:脱線疑い輪軸判定成立
脱線状態判定手段30は、ステップS02において、所定以上の変化率で所定の減速量以上減速したと判別された輪軸に脱線の疑いがあるものと判定し、この輪軸を脱線疑い輪軸と認定する。
その後、ステップS04に進む。
なお、このような脱線疑い輪軸は、複数設定される場合(複数の輪軸で同時に脱線が発生したと疑われる場合)もあり得る。
この場合、以下の処理は脱線疑い輪軸ごとにそれぞれ行われることになる。

0028

<ステップS04:脱線疑い輪軸の減速状態継続判断>
脱線状態判定手段30は、脱線疑い輪軸の回転角速度が、他の全ての輪軸(非脱線状態にあると推定される輪軸)の回転角速度の平均に対して、所定の閾値(例えば5%)以上低い状態(以下「減速状態」と称する)が継続しているか否かを判別する。
脱線疑い輪軸の減速状態が継続している場合にはステップS05に進み、他の場合にはステップS06に進む。

0029

<ステップS05:減速状態継続期間タイマカウントアップ
脱線状態判定手段30は、脱線疑い輪軸の減速状態の継続期間を測るタイマである減速状態継続期間タイマのタイマ値を、カウントアップ(インクリメント)する。
その後、ステップS07に進む。

0030

<ステップS06:減速状態継続期間タイマリセット
脱線状態判定手段30は、減速状態継続期間タイマのタイマ値をリセットし、一連の処理を終了(リターン)する。

0031

<ステップS07:減速状態継続期間判断>
脱線状態判定手段30は、減速状態継続期間タイマのタイマ値が、予め設定された判定閾値以上であるか否かを判別する。
判定閾値は、電気的なノイズ、一時的な滑走や空転などによる影響(誤検出)を排除することを考慮して設定されている。
判定閾値は、一例として、脱線疑い輪軸以外の所定の輪軸が3回転(72×3=216パルスを出力)する期間と実質的に等しくなるように設定することができる。
減速状態継続期間が判定閾値以上である場合はステップS08に進み、その他の場合はステップS04に戻り、以降の処理を繰り返す。

0032

<ステップS08:脱線状態判定成立>
脱線状態判定手段30は、脱線疑い輪軸が実際に脱線しているものとして、脱線状態判定を成立させる。
脱線状態判定が成立した場合には、脱線状態判定手段30は、例えば、運転台20に設けられたインジケータランプ点灯や、警報音の出力等によって、脱線状態を検知した旨、及び、脱線状態が検知された輪軸を運転士に報知する。
その後、一連の処理を終了する。
脱線状態を知った運転士が直ちに列車を停車させることによって、脱線による車両、軌道の被害拡大を防止することができる。

0033

表1は、第1号車(車両100)の1位台車120における1位輪軸122が3回転(パルス数はそれぞれ72)する際に、他の輪軸の回転速度センサSで出力されるパルス数の一例を示す表である。





表1に示す例においては、第2号車(車両200)の1位台車220における1位輪軸222が脱線疑い輪軸である。
この1位輪軸222の回転速度センサSのパルス数は、他の全ての輪軸の平均パルス数に対して約5パルス少ない状態が、1回転目から3回転目まで継続しており、フランジ12で走行している脱線状態にあることがわかる。

0034

以上説明した実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、脱線により車輪10が踏面11ではなくフランジ12の外周縁部を接地させた状態で回転する際の有効径の増加に伴う回転速度の低下に基づいて、例えば軟着地による脱線や、脱線後スラブ板のような箇所を走行する場合のように、著大な加速度や台車姿勢の異常等を伴わず、既存の脱線状態検知装置では検出が困難な脱線であっても、適切に検知することができる。
また、編成長の長い列車の中間車などで発生する脱線のように、乗務員が異常に気付き難く検知が遅れることが多い脱線形態であっても、早期に検知し運転士等に通報して緊急停止を促すことが可能となる。
さらに、脱線疑い輪軸の減速状態が所定期間以上継続している場合にのみ脱線状態を判定することによって、電気的ノイズや一時的な空転、滑走などに起因する誤検出を防止することができる。
(2)車輪(輪軸)の回転速度は、一般的な鉄道車両において、速度や滑走状態を検知するために通常モニタされているものであることから、既存の鉄道車両に、例えば加速度計やジャイロ等の新規なセンサを脱線検知専用に追加することなく容易に適用することが可能であり、装置の構成を簡素化することができる。

0035

(他の実施形態)
なお、本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。
(1)脱線状態検知装置、鉄道車両、及び、その編成の構成は、上述した実施形態に限らず適宜変更することができる。
(2)実施形態においては、一例として、列車中の全ての車輪の径が実質的に等しい場合について説明したが、例えば車両の仕様の違いや、車輪の摩耗状態研磨状態などによって車輪間で径差が存在する場合、あるいは、センサ仕様に応じて車輪1回転あたり出力されるパルス数が異なる場合であっても、適宜補正を行うことによって本発明を適用することが可能である。
(3)実施形態においては、非脱線状態にある車輪が3回転する間にわたって脱線疑い輪軸の減速状態が継続した場合に脱線判定を成立させているが、これに限らず、減速状態が所定の時間や、走行距離累積パルス数にわたって継続した場合に脱線判定を成立させてもよい。
また、脱線判定を成立させる判定期間を、列車の走行速度に応じて変化させるようにしてもよい。例えば、輪軸が短時間に回転する高速走行時には判定期間を短く設定してもよい。
(4)実施形態においては、所定以上の変化率で所定量以上の減速が生じた輪軸を脱線疑い輪軸としているが、脱線疑い輪軸の検出はこれに限らず、例えば他の輪軸の回転速度に対して相対的に回転速度が低下した輪軸を脱線疑い輪軸としてもよい。

0036

1鉄道車両編成10車輪
11踏面12フランジ
20運転台30脱線状態判定手段
100 車両 110 車体
120 1位台車121台車枠
122 1位輪軸123 2位輪軸
130 2位台車 131 台車枠
132 1位輪軸 133 2位輪軸
200 車両 210 車体
220 1位台車 221 台車枠
222 1位輪軸 223 2位輪軸
230 2位台車 231 台車枠
232 1位輪軸 233 2位輪軸
S 回転速度センサ

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