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技術 切削インサート及び刃先交換式切削工具

出願人 株式会社タンガロイ
発明者 雲井春樹
出願日 2017年1月31日 (3年10ヶ月経過) 出願番号 2017-015456
公開日 2017年4月13日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-071056
状態 特許登録済
技術分野 フライス加工
主要キーワード 八角形形状 略線状 拘束面 突き出し長 回回転対称 略多角形 切りくず 回転切削工具
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月13日)のものです。
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図面 (17)

課題

切削工具着脱自在に取り付けられる切削インサートにおいて、切れ刃伸長刃部強度の向上とを好適に可能にする。

解決手段

切削インサート1は、体部7と、この体部から突き出る突出部6とを備える。切れ刃9は、突出部6に形成され、コーナ切れ刃9aと主切れ刃9bとを備える。コーナ切れ刃側の突出部6の基端部はコーナ切れ刃から離れた突出部の基端部よりも厚い。コーナ切れ刃側の突出部6の突き出し量は、コーナ切れ刃から離れた突出部の突き出し量よりも小さい。

概要

背景

従来、種々のタイプの回転切削工具が提案されている。特許文献1は、2種類の切削インサートを用いるフライスを開示し、このフライスは精密な表面仕上げに向けられている。第1切削インサートは、上面視にてほぼ八角形形状を有し、上面と周側面との交差部に8つの切れ刃を備える。周側面は上方部分と下方部分とに段部により分けられる。上面はすくい面となり、側面の上方部分は逃げ面を区画形成し、下方部分はインサート中心軸に平行である。この第1切削インサートは、逃げ面が正の逃げ角を有するように構成されていて、ポジ形状である。各切れ刃は、コーナ間にそれらコーナから離れて形成され、インサートの中心軸に直交する平面上に延在し、第1切削インサートを下方からみたときに下方部分にほぼ平行である。第2切削インサートも第1切削インサートと同様の基本形状を有している。しかし、第2切削インサートは4つの切れ刃を備え、各切れ刃は、主切れ刃に加えてワイパ刃を備え、インサートの中心軸に直交する単一平面上に延びるように形成されている。これら第1及び第2切削インサートはカッター本体のポケット部にそれぞれ取り付けられて一緒に用いられる。

概要

切削工具着脱自在に取り付けられる切削インサートにおいて、切れ刃の伸長刃部強度の向上とを好適に可能にする。切削インサート1は、体部7と、この体部から突き出る突出部6とを備える。切れ刃9は、突出部6に形成され、コーナ切れ刃9aと主切れ刃9bとを備える。コーナ切れ刃側の突出部6の基端部はコーナ切れ刃から離れた突出部の基端部よりも厚い。コーナ切れ刃側の突出部6の突き出し量は、コーナ切れ刃から離れた突出部の突き出し量よりも小さい。

目的

本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、切削工具に着脱自在に取り付けられる切削インサートにおいて、切れ刃の伸長と刃部強度の向上とを好適に可能にすることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

2つの対向する端面(2、3)であって、少なくとも1つのコーナ(2c)を有する第1端面(2)を含む、2つの端面(2、3)と、該2つの端面間に延在する周側面(4)と、前記第1端面と前記周側面との交差部に形成された切れ刃(9)とを備えた切削インサート(1)であって、該切削インサート(1)は、体部(7)と、該体部からインサート厚さ方向に直交する方向において少なくとも外方に突出する突出部(6)とを備え、前記第1端面(2)は前記体部の表面(2b)と前記突出部の突出部端面(2a)とを含み、前記周側面(4)は前記突出部の突出部側面(4a)を含み、前記切れ刃(9)は、前記突出部端面(2a)と前記突出部側面(4a)との交差部に沿って延在し、該切れ刃(9)は、前記コーナに設けられたコーナ切れ刃(9a)と、該コーナ切れ刃(9a)に接続する主切れ刃(9b)とを備え、前記突出部(6)は、第1領域部(R1)と第2領域部(R2)とを含み、該第1領域部(R1)の少なくとも一部は前記主切れ刃(9b)の該コーナ切れ刃側の第1部分(91)に沿って延在し、該第2領域部(R2)は該主切れ刃の第2部分(92)であって該第1部分よりも該コーナ切れ刃から離間した位置にある第2部分に沿って延在し、前記第1領域部(R1)における前記突出部の基端部が前記第2領域部(R2)における前記突出部の基端部よりも厚いように、前記突出部(6)は形成され、前記第1領域部(R1)における前記突出部の突き出し量が前記第2領域部(R2)の前記突出部の突き出し量よりも小さいように、前記突出部(6)は形成されている、切削インサート(1)。

請求項2

前記第1領域部(R1)は、前記主切れ刃(9b)の前記第1部分に連続する前記コーナ切れ刃(9a)の内側にまで延在する、請求項1に記載の切削インサート(1)。

請求項3

前記突出部(6)は、前記主切れ刃(9b)に沿って前記コーナ切れ刃(9a)に近づくにしたがい該突出部の厚さが増し、かつ、前記主切れ刃(9b)に沿って前記コーナ切れ刃(9a)に近づくにしたがい該突出部の突き出し量が減るように、形成されている、請求項1または2に記載の切削インサート(1)。

請求項4

インサート厚さ方向に直交すると共に前記周側面(4)を通過する平面を中間面(M)として定義するとき、前記主切れ刃(9b)は、前記コーナ切れ刃(9a)から離れるにしたがって、前記中間面(M)に近づくように延在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の切削インサート(1)。

請求項5

前記突出部(6)は、前記体部(7)の周りに環状に延在し、前記第1端面(2)と前記周側面(4)との交差部には、各々が前記切れ刃である複数の切れ刃(9)が形成され、該複数の切れ刃(9)は、前記インサート厚さ方向に延びる軸線(5A)に関して回転対称に配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の切削インサート(1)。

請求項6

前記切削インサート(1)は、前記第1端面(2)に対向する側から前記切削インサートをみたとき、略八角形の形状を有する、請求項5に記載の切削インサート(1)。

請求項7

前記2つの端面のうちの第2端面(3)に対向する側から前記切削インサートをみたとき、前記体部(7)は略八角形の形状を有し、前記第1端面(2)の前記形状は、前記体部(7)の前記形状に対して、前記軸線周りにおいて所定量ずらされた関係を有する、請求項6に記載の切削インサート(1)。

請求項8

工具ボデー(21)を備え、該工具ボデー(21)に設けられたインサート座(22)に切削インサートが着脱自在に装着される、刃先交換式切削工具(20)において、前記切削インサートは請求項1から7のいずれか一項に記載の切削インサート(1)である、刃先交換式切削工具(20)。

技術分野

0001

本発明は、切削インサートと、それを着脱自在に装着可能な刃先交換式切削工具と、に関する。

背景技術

0002

従来、種々のタイプの回転切削工具が提案されている。特許文献1は、2種類の切削インサートを用いるフライスを開示し、このフライスは精密な表面仕上げに向けられている。第1切削インサートは、上面視にてほぼ八角形形状を有し、上面と周側面との交差部に8つの切れ刃を備える。周側面は上方部分と下方部分とに段部により分けられる。上面はすくい面となり、側面の上方部分は逃げ面を区画形成し、下方部分はインサート中心軸に平行である。この第1切削インサートは、逃げ面が正の逃げ角を有するように構成されていて、ポジ形状である。各切れ刃は、コーナ間にそれらコーナから離れて形成され、インサートの中心軸に直交する平面上に延在し、第1切削インサートを下方からみたときに下方部分にほぼ平行である。第2切削インサートも第1切削インサートと同様の基本形状を有している。しかし、第2切削インサートは4つの切れ刃を備え、各切れ刃は、主切れ刃に加えてワイパ刃を備え、インサートの中心軸に直交する単一平面上に延びるように形成されている。これら第1及び第2切削インサートはカッター本体のポケット部にそれぞれ取り付けられて一緒に用いられる。

先行技術

0003

特開平11−262810号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、近年、高能率加工に対する要求が高まっている。加工効率を上げるためには、例えば、1回の切削関与する切れ刃の長さを長くし、単位時間当たりの切削量を増やすことが有効である。しかし、切れ刃を長くすることは、概して、切削インサートの大型化をもたらすので、工具ボデーにおけるその切削インサートの取付スペースが大きくなり、工具ボデーの設計の自由度が低下する傾向にある。

0005

一方、切れ刃を長くすることは、被削材に対する切削インサートの接触範囲の増加をもたらす。それ故、加工効率を上げるためには、切れ刃周囲の部分の強度(以下、刃部強度)のさらなる向上が期待される。

0006

これに対して、特許文献1に記載の2つの切削インサートは、問題を有する。例えば、上記第1及び第2切削インサートでは、特許文献1の記載によれば、下方部分の高さつまり厚さは、切削インサートの厚さに対して大きすぎないように形成され、これにより強度が低すぎないようにしている。このように、特許文献1では、単に上方部分全体の厚さを増すことにより強度低下を防ごうとしていて、切削インサートの大型化をもたらすであろう。

0007

本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、切削工具に着脱自在に取り付けられる切削インサートにおいて、切れ刃の伸長と刃部強度の向上とを好適に可能にすることを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の第1態様によれば、
2つの対向する端面であって、少なくとも1つのコーナを有する第1端面を含む、2つの端面と、
該2つの端面間に延在する周側面と、
前記第1端面と前記周側面との交差部に形成された切れ刃と
を備えた切削インサートであって、
該切削インサートは、体部と、該体部からインサート厚さ方向に直交する方向において少なくとも外方に突出する突出部とを備え、
前記第1端面は前記体部の表面と前記突出部の突出部端面とを含み、
前記周側面は前記突出部の突出部側面を含み、
前記切れ刃は、前記突出部端面と前記突出部側面との交差部に沿って延在し、
該切れ刃は、前記コーナに設けられたコーナ切れ刃と、該コーナ切れ刃に接続する主切れ刃とを備え、
前記突出部は、第1領域部と第2領域部とを含み、該第1領域部の少なくとも一部は前記主切れ刃の該コーナ切れ刃側の第1部分に沿って延在し、該第2領域部は該主切れ刃の第2部分であって該第1部分よりも該コーナ切れ刃から離間した位置にある第2部分に沿って延在し、
前記第1領域部における前記突出部の基端部が前記第2領域部における前記突出部の基端部よりも厚いように、前記突出部は形成され、
前記第1領域部における前記突出部の突き出し量が前記第2領域部の前記突出部の突き出し量よりも小さいように、前記突出部は形成されている、
切削インサート
が提供される。

0009

かかる構成を有する一態様の切削インサートによれば、切れ刃は体部から突き出る突出部に形成されるので、体部の大きさに比して、切れ刃の長さを長くすることができる。さらに、一態様の切削インサートによれば、第1領域部における突出部の基端部が第2領域部における突出部の基端部よりも厚いように、突出部は形成される。なおさらに、一態様の切削インサートによれば、第1領域部における突出部の突き出し量が第2領域部の突出部の突き出し量よりも小さいように、突出部は形成される。したがって、一般的に、主切れ刃のうちのコーナ切れ刃寄りの部分及び/又はコーナ切れ刃には相対的に大きな力が加わるところ、それらの内側の強度向上を図ることができる。よって、本発明の一態様によれば、切れ刃の伸長と刃部強度の向上とを好適に成し遂げることができる。

0010

一実施例において、第1領域部は、主切れ刃の第1部分に連続するコーナ切れ刃の内側にまで延在する。例えば、突出部は、主切れ刃に沿ってコーナ切れ刃に近づくにしたがい突出部の厚さが増し、かつ、主切れ刃に沿ってコーナ切れ刃に近づくにしたがい突出部の突き出し量が減るように、形成されていてもよい。好ましくは、コーナ切れ刃および主切れ刃の第1部分の少なくとも一方の刃先強度を、主切れ刃の第2部分の刃先強度よりも高めるように、突出部は設計される。主切れ刃の第1部分は、主切れ刃を三等分したときに最もコーナ切れ刃側に位置する部分であるとよい。この場合、第2部分は、主切れ刃を三等分したときに最もコーナ切れ刃側に位置する部分以外であり得、残りの2つの部分のいずれかまたは両方を含んでもよい。

0011

切れ刃はコーナ切れ刃に接続する副切れ刃をさらに備えてよい。この場合、突出部は、副切れ刃のコーナ切れ刃側の部分の内側の第3領域部と、副切れ刃の該コーナ切れ刃から離れた部分の内側の第4領域部とを含む。この第3領域部は第1領域部から離れてもよいが連続してよい。第3領域部における突出部の基端部は第4領域部における突出部の基端部よりも厚いあるいは略同じ厚さを有するとよい。また、一実施例では、第3領域部における突出部の突き出し量が第4領域部の突出部の突き出し量よりも大きいが、第4領域部の突出部の突き出し量よりも小さくてもよい。これらのうちの一方又は両方を成し遂げるように、突出部は形成されることができる。

0012

ここで、インサート厚さ方向に直交すると共に周側面を通過する平面を中間面として定義する。主切れ刃は、コーナ切れ刃から離れるにしたがって、前記中間面に近づくように、延在するとよい。

0013

第1端面と周側面との交差部には、各々が上述の切れ刃である複数の切れ刃が形成されることができる。この場合、突出部は、体部の周りに環状に延在するとよい。あるいは、又はこれに加えて、複数の切れ刃は、インサート厚さ方向に延びる軸線に関して回転対称に配置されているとよい。切削インサートは、第1端面に対向する側から切削インサートをみたとき、略八角形の形状を有してもよい。この場合、2つの端面のうちの第2端面に対向する側から切削インサートをみたとき、体部は略八角形の形状を有するとよい。第1端面のそのような略八角形形状は、体部の略八角形形状に対して、軸線周りにおいて所定量ずらされた関係を有するとよい。

0014

本発明の第2態様によれば、工具ボデーを備え、該工具ボデーに設けられたインサート座に切削インサートが着脱自在に装着される、刃先交換式切削工具が提供される。この切削インサートは上述の第1態様の切削インサートであるとよい。本発明の第2態様の切削工具は、フライスやエンドミルなどの、回転切削工具であるとよい。

0015

本発明のこれらの、また他の目的、利点および特徴は、図面とともに本発明の一実施形態を開示する、以下の本発明の詳細な説明から明確になる。

図面の簡単な説明

0016

図1は、本発明の一実施形態に係る切削インサートの斜視図である。
図2は、図1の切削インサートの平面図である。
図3は、図1の切削インサートの正面図である。
図4は、図1の切削インサートの下面図である。
図5は、図2の切削インサートのVA−VA線、VB−VB線及びVC−VC線に沿った各断面を並べて配置した図である。
図6は、図1の切削インサートの上面側突出部と体部との関係を説明するための図である。
図7は、図5の3つの断面のそれぞれの一部を並べた図である。
図8は、本発明の一実施形態に係る、図1に示されている切削インサートを装着した刃先交換式回転切削工具の斜視図である。
図9は、図8の切削工具の正面図である。
図10は、図8の切削工具の底面図である。
図11は、図8の切削工具の平面図である。
図12は、図8の切削工具の工具ボデーの斜視図である。
図13は、図12の工具ボデーの正面図である。
図14は、図12の工具ボデーの底面図である。
図15Aは、図11のXV−XV線に沿った切削工具の一部の断面図である。
図15Bは、図15Aから切削インサートを取り除いた状態の工具ボデーの図である。

実施例

0017

以下、本発明の一実施形態に係る切削インサート及び切削工具について、図面を参照しながら詳細に説明する。

0018

本実施形態の切削インサート1は、2つの対向する端面2、3と、それらの間に延在する周側面4とを備える。以下では、図1において表されている2つの端面のうちの一方の端面2を上面と称し、もう一方の端面3を下面と称する。さらに、以下の説明では、上下面2、3の位置関係に基づいて、「上」、「下」という語を用いる。しかし、これらは本発明の理解を容易にするべく、便宜上、用いられるに過ぎず、本発明を限定することを意図しないことが理解されるべきである。

0019

図2に示されているように、上面2に対向する側から切削インサート1をみたとき、つまり上面視にて、上面2は、略八角形形状を有する。下面3も、図4に示されているように、上面2と同様に、下面3に対向する側から切削インサート1をみたとき、つまり下面視にて、略八角形形状を有している。したがって、切削インサート1の上面2及び下面3の各々は、8つのコーナを有する。

0020

切削インサート1では、上面2及び下面3の略中央に開口するように、上面2及び下面3を略直角に貫通する取付穴5が形成されている。この取付穴5の軸線5Aは、切削インサート1の中心軸に一致する。本実施形態の切削インサート1は、その中心軸を中心として回転対称であるように構成されていて、具体的には8回回転対称をもつ。

0021

切削インサート1は、上面側の上側部分1aが、下面側の下側部分1bに比べて、インサート厚さ方向に直交する方向において概ね突き出て広がるように、形作られている。この上側部分1aにおける突き出た部分6を以後、突出部と称する。この突出部6が突き出る本体部7を体部と以下称する。

0022

突出部6は、上面2と周側面4との交差部分に沿って延在するように形成されている。この突出部6は、切削インサート1の全周にわたって形成されていて、つまり切削インサート1では環状に延在する。このような本実施形態の切削インサート1における突出部6を除いた部分を、切削インサート1の上記体部7と定義することができる。すなわち、本実施形態の切削インサート1は、切削インサート1の体部7に、そこから突き出る突出部6が設けられた外形形状を有するものであるとみなすことができる。なお、体部7と突出部6との境界は、インサート厚さ方向つまり軸線5Aに平行に延びるように定められる面によって定められるとよい。

0023

体部7は、図4の下面視にて略八角形形状を有している。したがって、体部7は、略八角形の断面形状を有している。上面2の略八角形形状(すなわち、突出部6の略八角形形状)と体部7の略八角形形状とは同じ中心軸(これは取付穴5の軸線5Aに相当)を有しているが、上面2の八角形形状が体部7の八角形形状よりも大きい。

0024

突出部6は、突出部端面である突出部上面2aと、突出部上面2aに接続した突出部側面4aとから基本的に構成されている。この突出部上面2aは、上面2に含まれる。すなわち、上面2は、体部7の表面である体部上面2bと、突出部上面2aとを含む。なお、体部7は、その表面として、上記下面3を含む。

0025

突出部側面4aは、第1突出部側面41と、第1突出部側面41から軸線5Aに対して傾いて延在する第2突出部側面(突出部傾斜面)42とから実質的に構成されている。第1突出部側面41は、切削インサート1の上面視である図2において、最外周側に位置し、略線状に示されているが、実質的に現れない。したがって、切削インサート1では、第1突出部側面41は軸線5Aに実質的に平行に延在する。しかし、第1突出部側面41は軸線5Aに対して所定角で傾いて、上面2と鋭角をなしてもよい。第2突出部側面42は、体部7に接続する面として形成されている。第2突出部側面42の軸線5Aに対する傾斜角は、第1突出部側面41の軸線5Aに対する傾斜角よりも大きい。

0026

一方、体部7の側面である体部側面4bは、上面2側から順に並ぶ、第1体部側面(主側面)43と、第2体部側面(副側面)44とから実質的に構成されている。前述した突出部6の第2突出部側面42は、体部7の第1体部側面43と接続している。本実施形態において、突出部6の第1突出部側面41と同様に、体部7の第1体部側面43は、軸線5Aと略平行となるように形成されている。そして、突出部6の第2突出部側面42は、それら第1突出部側面41と第1体部側面43とを接続するように形成されている。そのため、第2突出部側面42は切削インサート1の上面2側から下面3側に向けて進むにつれ軸線5Aに近接するように傾斜している。また、体部7の第2体部側面44は、第1体部側面43に接続しているが、前述した突出部6の第2突出部側面42と同様に、切削インサート1の上面2側から下面3側に向けて進むにつれて軸線5Aに近接するように傾斜している。そして、第2体部側面44は、最終的に、切削インサート1の下面3と接続する。したがって、周側面4において、突出部6の第1突出部側面41が最も切削インサートの外方に位置しており、次に突出部6の第2突出部側面42が外方に位置しており、次に体部7の第1体部側面43が位置し、最後に体部7の第2体部側面44が最も内方に位置している。また、本実施形態において、体部7の第1体部側面43及び第2体部側面44は各々所定の大きさ及び形状を有する平面であり、第2体部側面44の方が第1体部側面43よりも小さい。

0027

切削インサート1において、上面2の一部がすくい面8として機能するように、突出部6に切れ刃9が形成されている。切れ刃9は、突出部上面2aと第1突出部側面41との交差稜線部(交差部)に形成されている。つまり、切れ刃9は、上面2と周側面4との交差部に形成されている。

0028

上で述べたように、図2において切削インサート1の上面2は略八角形形状を有し、8つのコーナを有する。1つの切れ刃9は、上面2の1つのコーナに関して形成されている。したがって、切削インサート1では、8つの切れ刃9が形成されている。なお、8つの切れ刃9は、軸線5Aつまり中心軸に関して8回回転対称に配置形成されている。以下では、任意の1つの切れ刃9に関して説明する。

0029

切れ刃9は、コーナ切れ刃9aと、主切れ刃9bと、副切れ刃9cとを備える。コーナ切れ刃9aは、上面2の1つのコーナ2cに沿って設けられていて、切削インサート1の上面視の図2において湾曲した形状を有している。主切れ刃9bはコーナ切れ刃9aの一端に接続し、副切れ刃9cはコーナ切れ刃9aの他端に接続する。主切れ刃9b及び副切れ刃9cは、それぞれ、切削インサート1の上面視において略直線状に形成されている。主切れ刃9bは、副切れ刃9cよりも長い。本実施形態では、主切れ刃9bの長さは約5mmであり、副切れ刃9cの長さは1.2mmであるが、これに限定されることはない。

0030

ここで、図3に示されているように、インサート厚さ方向に延びる軸線5Aに直交すると共に周側面4を通過する平面を、中間面Mとして定義する。中間面Mは、上面2と下面3との間の略中央を通るとよい。本実施形態の切削インサート1においては、切削インサート1の側面視である図3において、切れ刃9のうちの副切れ刃9cを除く部分と中間面Mとの距離が概ね位置によって変化している。なお、切削インサート1では、下面3は軸線5Aに略直交するように延在するので、以下の説明では中間面Mを下面3に置き換えることができる。

0031

まず、切れ刃9は、副切れ刃9cにおいて最も中間面Mから離れるように延在する。ここでは、副切れ刃9cは、軸線5Aに直交するように定義される平面、例えば中間面Mに対して略平行に延在する。したがって、副切れ刃9cの任意の箇所で、中間面Mとの間の距離は実質的に変化しない。しかし、副切れ刃9cの一部又は全部は、コーナ切れ刃から離れるにつれて中間面Mに近づくように傾斜してもよい。

0032

副切れ刃9cに接続しているコーナ切れ刃9aを通って主切れ刃9b側に進むにつれて、切れ刃9は、漸次、中間面Mに近づく。切削インサート1では、コーナ切れ刃9a自体も、副切れ刃9cから離れるにしたがい、中間面Mに近づくように傾斜する。しかし、コーナ切れ刃9aの一部又は全部は中間面Mに略平行であってもよい。

0033

図3に示すように、主切れ刃9bは、コーナ切れ刃9aから離れるにしたがい、中間面Mに近づくように傾斜する。したがって、主切れ刃9bは、隣の別の切れ刃9の副切れ刃9c側の端部9eで、最も中間面Mに近づく。切削インサート1では、上面2の2つのコーナ2cの間で、1つの切れ刃9の主切れ刃9bは隣の切れ刃9の副切れ刃9cと接続するので、上面2の隣り合う2つのコーナ2cの中間に、切れ刃9の主切れ刃9b側端部9eが位置する。なお、このような主切れ刃9の中間面Mに対する傾斜は、主切れ刃9の一部のみに適用されてもよい。

0034

切れ刃9に関して、上記のごとく、上面2の部分はすくい面8として機能する。すくい面として機能することが特に意図される上面2の部分は、切れ刃9に隣接する突出部上面2aの部分を含み、ここでは体部上面2bの一部も含む。すくい面8として機能することが意図される上面2の部分は、概ね切れ刃9から離間するにつれて下面3側(中間面M側)に向けて傾斜するように延在し、体部上面2bの残りの部分につながる。この体部上面2bの残りの部分は、ここでは、軸線5Aに対して略直角な平坦な面となっているが、他の形状を有してもよい。なお、この残りの部分は、すくい面として機能してもよい。

0035

切れ刃9に関して、周側面4の一部は逃げ面10として機能する。上面2が略八角形形状を有することに対応するように、上面2は8つの辺部2sを有する。2つの隣り合う辺部2sのうちの一方の辺部2sの途中からもう一方の辺部2sの途中に沿って延在する、突出部側面4aの部分及びこれにつながる体部側面4bの部分が、1つの切れ刃9に関して主に逃げ面として機能するように形成されている。したがって、1つの切れ刃9に関して、第1突出部側面41の一部と、第2突出部側面42の一部と、第1体部側面43の一部と、第2体部側面44の一部とが、逃げ面10として機能することができるが、これらのうちの少なくとも第1突出部側面が逃げ面として機能するとよい。

0036

逃げ面10として機能する部分を除く、体部7の第1体部側面43の他の部分は、後述するように、工具ボデー21のインサート座22の側壁面24a、24bと接触する拘束面としても機能することができるように形成されている。また、下面3は、工具ボデー21のインサート座22の底壁面23と接触する着座面12として機能することができるように形成されている。なお、各側面41、42、43、44は、平面より構成されていてもよいし、曲面より構成されていてもよい。

0037

さて、突出部6に関してさらに説明する。切削インサート1では、突出部6は、第1領域部R1と第2領域部R2とを含み、これらは互いの相対的位置を示すように図2に模式的に示される。したがって、図2の各領域部R1、R2は、それらの範囲を示すことを特に意図しない。第1領域部R1と第2領域部R2とはそれぞれ、上面と周側面との交差部から体部まで延在する。第1領域部R1は、主切れ刃9bのコーナ切れ刃9a側の第1部分91とコーナ切れ刃9aとに沿って延在する。第2領域部は、主切れ刃9bのコーナ切れ刃9aから離れた第2部分92(上記端部9eを含み得る)に沿って延在する。主切れ刃9bの第1部分91は第2部分92と異なり、第2部分92に重ならず、コーナ切れ刃9aに連続する。そして、第1領域部R1における突出部6の基端部6bの厚さが第2領域部R2における突出部6の基端部の厚さよりも大きいように、突出部6は形成されている。以下に、より詳細に説明する。

0038

図5(A)は図2のVA−VA線に沿った切削インサート1の断面を示し、図5(B)は図2のVB−VB線に沿った切削インサート1の断面を示し、図5(C)は図2のVC−VC線に沿った切削インサート1の断面を示す。図5では、これら断面の下面3が同一面B(軸線5Aに直交)上に並ぶように、これら3つの断面が並べて配置されている。図5(A)から図5(C)の各断面図は、図2の上面視において、切れ刃9の主切れ刃9bに直角な面(軸線5Aに平行)での図である。図5(A)はコーナ切れ刃9aに近い主切れ刃9bの第1位置での断面(以下、第1断面)を表し、図5(B)は第1位置よりもコーナ切れ刃9aから離れた主切れ刃9bの第2位置での断面(以下、第2断面)を表し、図5(C)は第2位置よりもコーナ切れ刃9aからさらに離れた主切れ刃9bの第3位置での断面(以下、第3断面)を表す。

0039

ここで、突出部6の基端部の厚さ(突出部厚さ)は、突出部6の体部7側の根元部の厚さを表すと定義する。なお、突出部6の基端部と反対側の先端部には、切れ刃9が位置する。突出部厚さは、インサート厚さ方向の厚さであり、軸線5Aに平行な方向の厚さとして定められる。特に、切削インサート1では、体部7の第1体部側面43の上面2側縁部は、軸線5Aに直交する単一平面S1上に概ね沿って延在するので、突出部厚さL1は、この平面S1から上面2までのインサート厚さ方向(軸線5Aに平行な方向)の長さである。ただし、第1体部側面43の上面側縁部(つまり第2突出部側面42の下面側縁部)は、同一平面上に必ずしも延在しなくてもよく、湾曲してもよい。図5では、第1から第3断面の比較を容易にするために、平面S1に平行な2つの平面S2、S3が表されている。平面S2は第2断面における突出部6の基端部6bの上面2との交差部C1を通る。平面S3は第2断面における主切れ刃9bを通る。

0040

図5の(第1領域部R1に含まれる)第1断面における突出部厚さL1aは、第2断面における突出部厚さL1b及び第3断面における突出部厚さL1cの両方よりも長い(L1a>L1b、L1a>L1c)。第2断面における突出部厚さL1bは、第3断面における突出部厚さL1cよりも長い(L1b>L1c)。このように、切削インサート1では、主切れ刃9bに沿ってコーナ切れ刃9aに近づくにしたがい、それらの内側の突出部厚さが増大する傾向にある。この突出部厚さの変化を可能にするように、すくい面8に相当する部分、特に、突出部6から体部7への上面側接続部が形成されている。

0041

切削インサート1では、この主切れ刃に沿ってコーナ切れ刃に近づくにつれてその内側の突出部厚さが増大する傾向は、主切れ刃9bの全体に亘って成り立つ。したがって、突出部厚さは、主切れ刃9bの端部9eの内側において最も薄い。本実施形態の切削インサート1の場合、この主切れ刃端部9bでの突出部厚さは、約1.5mmであるが、これに限定されることはない。

0042

突出部厚さは、第1から第3断面における各突出部断面に示されるように、主切れ刃9bにおいて、コーナ切れ刃9aに近接するにしたがって漸次厚くなる。すなわち、主切れ刃9bと副切れ刃9cとの接続領域から主切れ刃9b側をコーナ切れ刃9aに向かって進むにつれて、突出部6は、その基端部が厚くなっていくように形成されている。したがって、コーナ切れ刃9aの内側領域においては、突出部の基端部は最も厚い。本実施形態の場合、このコーナ切れ刃9aの内側の突出部6の厚さは、約1.9mmであるが、これに限定されることはない。

0043

切削インサート1では、コーナ切れ刃9aの内側において突出部厚さが最も厚い。しかし、突出部厚さが最も厚い部分は、主切れ刃9bの内側領域に位置してもよい。特に、突出部厚さが最も厚い部分は、主切れ刃9bのうちのコーナ切れ刃9a側部分の内側に位置するとよい。このように、第1領域部R1に突出部厚さが最も厚い部分があるとよい。好ましくは、上記第1領域部は、主切れ刃9bを三等分したときに、その3つの部分のうちの最もコーナ切れ刃側に位置する部分(上記第1部分91に相当)とコーナ切れ刃9aとの内側領域であり得る。第1領域部R1に沿う切れ刃9の部分は、切削加工時、最も大きな力がかかり得る部位であり得る。なお、図5(A)の第1断面の部分は第1領域部R1に含まれることができ、図5(B)の第2断面の部分および図5(C)の第3断面の部分はそれぞれ、第2領域部R2に含まれてよい。

0044

副切れ刃9bの内側に関しても、同様に、突出部厚さは変化してもよい。例えば、突出部6は、副切れ刃9cのコーナ切れ刃9a側の部分の内側の第3領域部と、副切れ刃9cのコーナ切れ刃9aから離れた部分の内側の第4領域部を有することができる。この場合、第3領域部における突出部6の基端部6bの厚さが第4領域部における突出部6の基端部の厚さよりも大きいように、突出部6は形成されることができる。

0045

なお、第1領域部は、コーナ切れ刃9aの副切れ刃側端部から主切れ刃9bの所定位置までの範囲の内側の領域と定められることができ、その一部の領域であってもよい。一方、第2領域部は、主切れ刃9bのその所定位置から主切れ刃9bの端部(コーナ切れ刃9aとは反対側に位置する端部)までの範囲の内側の領域と定められることができ、その一部の領域であってもよい。したがって、第1領域部は、第2領域部に隣接する又は連続すること、あるいは、離れていることはあっても、重ならない。

0046

さらに、突出部6の突き出し量について説明する。突出部6は、上で述べたように、1つの切れ刃9に関して、コーナ切れ刃9a側の第1領域部R1と、隣の切れ刃9の副切れ刃9c側の第2領域部R2とを有する。そして、第1領域部R1における突出部6の突き出し量は第2領域部R2における突き出し量よりも小さいように、突出部6は形成されている。ただし、突出部の突き出し量は、軸線5Aに直交する方向に平行な方向において定められるとよい。以下に、より詳細に説明する。

0047

切削インサート1では、上面2は、上面2の略八角形の形状が体部7の略八角形の形状に対してねじれた関係を有するように形作られている。換言すると、上面2の形状は、体部の形状に対して、軸線5A周りにおいて所定量ずらされた関係を有する。具体的には、図6の切削インサート1の下面視に示されているように、上面2の八角形形状の一辺延長線pと、その上面2の八角形形状の一辺に最も近接した位置にある体部7の八角形形状の一辺(面)の延長線qとのなす角度αが所定角となるような、特にここでは2°となるようなねじれの関係を切削インサート1は有している。このため、体部7からの突出部6の突き出し量は、上面2のコーナ切れ刃9aから若干主切れ刃9b側に進んだ断面位置において最も小さくなっている。突出部6の突き出し量は、図2の上面視で切れ刃9に直角な断面において定められるとよい。より具体的には、切削インサート1では、その突出部の突き出し量はコーナ切れ刃9aから主切れ刃9b側に0.2mmの位置の断面において最も短くなっている。この最も小さい突き出し量は、切削インサート1では0.65mmであるが、これに限定されることはない。この突き出し量の最も小さい部分は、上記第1領域部R1に位置する。

0048

さらに、上面2の八角形形状と体部7の八角形形状との関係から明らかなように、前述した突き出し量が最も小さい部分から主切れ刃9b上を端部9e側に向かうにつれて、突出部の突き出し量は漸次大きくなる。主切れ刃9bの端部9eにおいて、主切れ刃9bに沿った領域での突き出し長さが最も大きい。切削インサート1では、この主切れ刃9bの端部9eでの突き出し量は、0.80mmであるが、これに限定されることはない。したがって、突出部6の体部7からの突き出し量は、主切れ刃9bと副切れ刃9cとの接続領域にある端部9eから主切れ刃9b上をコーナ切れ刃9a側に向かって進むにつれて漸次減少し、コーナ切れ刃9aの手前において最も小さい。

0049

ここで、具体的に、図7を参照する。図7は、図5(A)の第1断面、図5(B)の第2断面、図5(C)の第3断面の各々の主切れ刃側の一部のみを配置した図である。図7(A)から図7(C)は図5(A)から図5(C)にそれぞれ対応する。図7では、これらの第1から第3断面は、それぞれの第2突出部側面42の下面側端部42eを面S4(軸線5Aに平行)上に揃えて配置されている。面S4は突出部6と体部7との境界面に相当する。これらの第1から第3断面における突出部の突き出し量の比較を容易にするように、図7では、さらに、面S4に平行な面S5が示され、面S5は図7(B)の第2断面の主切れ刃9bを通っている。

0050

図7から明らかなように、第1断面における突出部6の突き出し量(面S4から主切れ刃9bまでの長さ)L2aは、第2断面における突出部6の突き出し量L2b及び第3断面における突出部6の突き出し量L2cの両方よりも短い(L2a<L2b、L2a<L2c)。また、第2断面における突出部6の突き出し量L2bは、第3断面における突出部6の突き出し量L2cよりも短い(L2b<L2c)。これは、上述のごとく、上面2が体部7に対してねじれた関係を有するように、切削インサート1が構成されていることに対応する。

0051

突出部6の突き出し量が最も小さい部分は、主切れ刃9bの内側領域、特に主切れ刃9bのうちのコーナ切れ刃9a側部分の内側領域に位置するとよい。突出部6の突き出し量が最も小さい部分は、上記第1領域部R1の任意の箇所に定められることができる。

0052

一方、上面2が体部7に対してねじれた関係を有するので、切削インサート1では、副切れ刃9c側ではコーナ切れ刃9aに近づくにしたがい、概して、突出部6の突き出し量が大きくなる傾向にある。しかし、主切れ刃9b側と同様に、副切れ刃9c側においても、突出部の突き出し量は、概ねコーナ切れ刃9a側ほど小さくなる傾向を有してもよい。

0053

本発明の切削インサート1の全体または少なくとも切れ刃9部分は、超硬合金サーメットセラミック、又はダイヤモンドあるいは立方晶窒化硼素を含有する超高圧焼結体といった硬質材料、又はコーティングされたそれらの硬質材料から形成されるとよい。

0054

上記実施形態の切削インサート1を着脱自在に装着した刃先交換式回転切削工具20について、図8図15Bを参照しながら説明する。なお、切削工具20は、ここではフライスである。

0055

切削工具20は、工具ボデー21を備える。工具ボデー21では、その先端側から後端側に延びる回転軸21Aが定められる。切削工具20は、回転軸21A周りに、回転方向前方側に、回転可能に構成されている。

0056

工具ボデー21は、回転軸21Aに沿って延びる取付穴を有し、中空円盤状をした全体形状を有している。工具ボデー21の先端側21aには、複数のインサート座22が形成されている。ここでは、8つのインサート座22が形成されているが、インサート座の数は1つであっても複数であってもよい。各インサート座22は、回転軸21A周りの回転方向K前方に開くと共に、先端側及び外周側に開くように形成されている。

0057

インサート座22は、切削インサート1の下面3が当接可能な底壁面23と、それぞれが周側面4の一部と当接可能な第1及び第2側壁面24a、24bとを備える。

0058

インサート座22の底壁面23は、基本的に切削インサート1の下面3と同様の形状を有していて、下面3に対応する大きさを有する。底壁面23は、回転方向Kの前方を向く。底壁面13の略中央には、切削インサート1を固定するための固定ねじを挿入するためのねじ穴25が形成されている。

0059

インサート座22の側壁面24a、24bは、切削インサート1の周側面4のうち第1体部側面43と接触するように定められていて、底壁面23と一定の角度で(ここでは略90°で)交差するように形成されている。

0060

さらに、各々のインサート座22の工具回転方向前方側には、切削によって生じた切りくずを排出するための切りくずポケット26が設けられている。

0061

このインサート座22に、固定ねじ27が取付穴5を通してねじ穴25にねじ込まれることで、切削インサート1は取り付けられる。このとき、作用切れ刃9uが工具外周側かつ先端側に位置付けられる。作用切れ刃9uのうちの副切れ刃9cが回転軸21Aに直交するように定められる平面(図15A仮想線)に実質的に沿って延在するように、作用切れ刃9uは配置される(図9及び図15A参照)。切削工具20では、作用切れ刃9uのうち、主切れ刃9bは被削材に切り込むことが特に意図され、副切れ刃9cは被削材の加工面をさらうことが特に意図される。

0062

以下、上述の切削インサート1及び切削工具20に関する、作用及び効果について説明する。

0063

上記したように8つの切削インサート1が取り付けられた切削工具20は、回転軸21A周りに、回転方向Kにおいて回転される。そして、被削材(不図示)に対して、切削工具20が動かされることで、フライス加工が行われる。

0064

本実施形態の切削インサート1では、体部7から突出する突出部6に切れ刃が形成される。したがって、体部7に単に切れ刃を形成する場合に比べて、切れ刃9の長さを長くすることができる。特に、これにより、主切れ刃9bの伸長が実現される。一方で、着座面となる下面3は拡張されないので、切削インサート全体としては小型化を可能である。よって、インサート座22は切れ刃9の長さに比して小さく設計されることが可能である(例えば図15A及び図15B参照)。

0065

また、切削インサート1では、第1領域部R1における突出部6の基端部6bが第2領域部R2における突出部6の基端部よりも厚いように、突出部6は形成されている。つまり、主切れ刃9bが設けられている突出部6の部分の厚さが、この主切れ刃9bが接続しているコーナ切れ刃9a側に向かうにしたがって増す。さらに、この突出部厚さL1が最大になる箇所は、主切れ刃を三等分したときのコーナ切れ刃側の第1部分及びコーナ切れ刃の内側領域(第1領域部R1)に関する。したがって、突出部6の基端部における断面形状の断面二次モーメントを好適に大きく向上させることができる。このように、切削インサート1では、突出部6の基端部における断面形状の断面二次モーメントを全体的に向上させるために、特には、切削力を集中的に加える主切れ刃9bからコーナ切れ刃9aにわたる刃部部分の剛性を高めるために、その内側領域の厚さを主として大きくしている。

0066

特に、切削インサート1では、突出部厚さが最大になる箇所は、コーナ切れ刃9aの内側に位置する。したがって、特に、効果的に、突出部6の基端部における断面形状の断面二次モーメントを大きくすることができる。

0067

さらに、切削インサート1では、第1領域部R1における突出部6の突き出し量が第2領域部R2における突出部6の突き出し量よりも小さいように、突出部6は形成されている。そして、突出部6の体部7からの突き出し量は、主切れ刃9bが接続しているコーナ切れ刃9aに向かうにしたがって概して減少する。さらに、最も突き出し量が少ない部分は、主切れ刃を三等分したときのコーナ切れ刃側の部分及びコーナ切れ刃の内側領域(第1領域部R1)に関係する。これによって、コーナ切れ刃9a側に向けて突出部6全体の剛性を大きく向上させることができる。

0068

本実施形態の切削インサート1においては、それらの相乗効果によって、切削抵抗による負荷が大きい主切れ刃9bのコーナ切れ刃9a側と、コーナ切れ刃9aと、に対応する突出部6の部分の強度が大幅に上昇する。そのため、切れ刃が形成されている突出部6の破損を顕著に抑制することができる。特には、加工食いつき時における突出部6の突発的な破損を防止することができる。

0069

また、切れ刃9には、副切れ刃9cからコーナ切れ刃9aを通って主切れ刃9bに向かうにつれて、切れ刃9が漸次中間面Mに近接し、主切れ刃9bの端部9eにおいて最も中間面Mに近づくように傾斜がつけられている。これによって、切削インサート1を工具ボデー21に装着したときの軸方向すくい角、いわゆる真の軸方向すくい角を増大させることができ、切削抵抗を低減させることができる。したがって、突出部6にかかる負荷が軽減されるので、突出部6の破損を抑制する効果をさらに増大させることが可能である。

0070

また、本実施形態の切削インサート1においては、上面2の形状を体部7の形状に対して2°ねじれた角度に配置することによって、突出部6の突き出し量を変化させた。しかし、突き出し量の調整方法はこれに限定されることはない。すなわち、上面2と体部7とがねじれの位置にならないように配置された状態において、突出部6の突き出し量の大きさを調整する構成を採用することも可能である。しかしながら、前述のように上面2の形状を体部7の形状に対してねじれた角度に配置することには、独自の有利な効果が存在する。前述のように突出部6を体部7に対してねじれたように配置することによって、突出部6の第2突出部側面42と体部7の第1体部側面43との交差部の曲率半径が主切れ刃9b側からコーナ切れ刃9a側に向けて漸次大きくなる。突出部6と体部7との交差部の曲率半径が大きくなることによって、その交差部への応力集中が緩和されるという効果がある。すなわち、切削抵抗が大きいコーナ切れ刃9a側に行くにしたがってそれらの交差部への応力集中が緩和されるように交差部の曲率半径が変化しているので、突出部6の破損をさらに効果的に防止する効果が生じる。

0071

また、本実施形態の切削インサート1の上面2は、略八角形形状をしているが、これに限定されることない。上面2及び体部7はそれぞれ他の略多角形形状(略n角形形状)を有してもよい。この場合、切削インサートは、中心軸周りに、略n回回転対称であるとよい。このような切削インサートでも、本発明の上記効果を同様に得ることができる。また、本実施形態の切削インサート1は、上面2のみに切れ刃9が形成されているが、上面2及び下面3の両方に切れ刃9が形成すれてもよい。この場合、下面3側においても、突出部6が形成される。さらに、本発明の構成は、正面フライスに限定されず、エンドミルや他の切削技術分野(例えば旋削)に適用することも可能である。

0072

さらに、上記切削インサート1では、突出部は体部の周囲に連続して形成されたが、突出部は体部に不連続に形成されてもよい。この場合、切れ刃ごとに、独立した突出部が形成されるとよい。切れ刃ごとの突出部は、上記突出部6と同様に、形成されることができる。

0073

以上、本発明の代表的な実施形態について説明した。しかし、本発明は、添付した請求の範囲において定義した本発明の範囲およびその均等物から逸脱することなく種々の変化および改変が可能なことは、当業者には理解されよう。

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