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課題

1回の空腹時アンモニア血濃度測定に基づき日常アンモニア曝露を評価するための方法を提供すること。

解決手段

本開示は、1回の空腹時アンモニア血中濃度測定に基づき日常のアンモニア曝露を評価するための方法を提供するものであり、この技術を利用して、窒素捕集ドラッグ投薬量を調整し、窒素捕集ドラッグを投与するべきかどうか決定し、窒素保持異常症を治療する方法を提供する。

概要

背景

高いアンモニアベルに関連する窒素保持異常症は、尿素サイクル異常症(UCD)および肝性脳障害HE)を含むものである。

UCDは、尿素サイクルに関与する酵素を含むアンモニアからの尿素の合成に必要な酵素または輸送体のいくつかの遺伝的な欠損症を伴っている。尿素サイクルを図1に示し、ここでは、特定のアンモニア捕集ドラッグが、過剰なアンモニアの除去にどのように貢献するかについても例示している。まず、図1を参照すれば、N-アセチルグルタミンシンテターゼ(NAGS)由来N-アセチルグルタミン酸が、カルバミルリン酸シンテターゼ(CPS)に結合して、CPSを活性化し、アンモニアおよび重炭酸塩をカルバミルリン酸へ転換している。次に、カルバミルリン酸がオルニチンと反応し、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)が介在する反応で、シトルリンを生成する。廃物窒素の第2の分子は、アルギニノコハク酸合成酵素(ASS)が介在する次の反応で、尿素サイクルに取り入れられ、この酵素反応では、シトルリンをアスパラギン酸縮合させてアルギニノコハク酸を形成する。アルギニノコハク酸は、アルギニノコハク酸リアーゼ(ASL)によって切断され、アルギニンおよびフマル酸を生成する。尿素サイクルの最終の反応では、アルギナーゼARG)は、アルギニンを切断してオルニチンおよび尿素を生成する。尿素に取り入れられる窒素の2つの原子のうち、一つは、フリーなアンモニア(NH4+)から生じ、もう一つは、アスパラギン酸塩から生じる。生まれながらに有意な残存尿素合成能力の無いUCD疾患の個人は、典型的には、生まれての最初の数日(新生児期)に存在している。本残存機能をもつ個人は、典型的には、その後の幼年時代、または成人期の中にも存在し、その徴候は、食餌タンパク質の増加や生理ストレス(例えば併発性疾患)によって突発する場合もある。

肝性脳障害(HE)は、神経系の徴候の領域および高アンモニア血症から生じると考えられる徴候のことを言い、肝硬変または特定の他の種類の肝臓疾患被験者に高い頻度で生じる。HEをもつ被験者は、典型的には、微妙な変化から昏睡までの範囲の精神状態を示し、これは、UCDを有する被験者と同様の特徴である。

アンモニアレベルおよび/または徴候が、タンパク質の食事限定および/または栄養補助食品によって適切に制御されていない窒素保持異常症をもつ被験者は、フェニル酪酸ナトリウム(NaPBA,米国ではBUPHENYL(登録商標)、欧州ではAMMONAPS(登録商標)として承認)または安息香酸ナトリウム等の窒素除去薬で一般に治療される。これらは、廃物窒素排出のための尿素の代替経路を体に提供するため、代替経路ドラッグとしばしば呼ばれる(Brusilow 1980年;Brusilow 1991年)。NaPBAは、フェニル酢酸(PAA)プロドラッグである。窒素保持異常症の治療のために現在開発中の別の窒素捕集ドラッグとしては、グリセリルトリ-[4-フェニル酪酸](HPN−100)があり、これは、米国特許第5,968,979号に記載されている。HPN−100、は、GT4PまたはグリセロールPBAとして一般に呼ばれており、PBAのプロドラッグおよびPAAのプレプロドラッグである。

HPN−100およびNaPBAは、同一の一般的作用機構共有し:PBAは、β酸化を介してPAAに変換され、PAAは、酵素処理グルタミン接合され、フェニルアセチルグルタミン(PAGN)を生成し、それは、尿中に排泄される。PBA、PAAおよびPAGNの構造を、以下に説明する。

NaPBAおよびHPN−100の窒素保持異常症に関する臨床的利益としては、PAGNの能力に由来して、効果的に廃物窒素排泄のための媒介体として尿素を置換しおよび/または尿素合成の必要を低減するということを挙げることができる(BRUSILOW 1980年;BRUSILOW 1991年)。各グルタミンが窒素分子2個を含むので、体は、尿中に排泄されるPAGNの全ての分子に対して廃物窒素原子を2個除去する。したがって、PAGNに変換されるPAAの各モルに対して、窒素2当量が除去される。PAGNは、優れた末端代謝物を表し、これは廃物窒素除去と化学量論的に関連し、窒素保持状態の場合における有効性指標となる。物質代謝に関してのHPN−100とNaPBAの間の違いは、HPN−100はトリグリセリドであり、膵リパーゼにより消化してPBAを放出することが必要であると考えられる点である(McGuire 2010)。

NaPBAまたはHPN−100と異なり、安息香酸が酵素の力でグリシンと結合して馬尿酸を生成する時に、安息香酸ナトリウムは作用する。尿中に排泄される馬尿酸の各分子に対して、体は、廃物窒素原子を1個除去する。

窒素保持異常症の治療が必要な被験者に対して、NaPBAまたはHPN−100等のPAAプロドラッグの有効な投薬を決定する方法が、WO09/1134460およびWO10/025303に記載されている。しかしながら、被験者の日常のアンモニアレベルは大きく変わりうる。これは、日常のアンモニアレベルの平均を、医師過大評価してしまうことにもつながり、過剰治療にもなり得る。したがって、UCDまたはHE等の窒素保持異常症を有する被験者において、アンモニアレベルに基づきPAAプロドラッグ投薬定量および調整のための改良された方法に対する必要が、従来技術にはある。

概要

1回の空腹時アンモニア血濃度測定に基づき日常のアンモニア曝露を評価するための方法を提供すること。 本開示は、1回の空腹時アンモニア血中濃度測定に基づき日常のアンモニア曝露を評価するための方法を提供するものであり、この技術を利用して、窒素捕集ドラッグの投薬量を調整し、窒素捕集ドラッグを投与するべきかどうか決定し、窒素保持異常症を治療する方法を提供する。

目的

特定の実施形態では、空腹時血液アンモニアレベルを測定し、血液アンモニアのために空腹時血液アンモニアレベルを正常の上限(ULN)と比較して、空腹時血液アンモニアレベルが血液アンモニアに対してULNの半分より大きい場合は投薬量を増加する必要があるとして、窒素保持異常症を有する被験者への窒素捕集ドラッグの投薬量を増加させるべきか否かを決定するための方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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この技術が所属する分野

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請求項1

本願明細書に記載の発明。

技術分野

0001

本出願は、2011年11月29日に出願の米国特許仮出願第61/564,668号および2011年9月30日に出願の米国特許仮出願第61/542,100号に基づく優先権の利益を主張するものであり、図面を含むこれら全ての開示は、参照によりここに包含されるものとする。

背景技術

0002

高いアンモニアベルに関連する窒素保持異常症は、尿素サイクル異常症(UCD)および肝性脳障害HE)を含むものである。

0003

UCDは、尿素サイクルに関与する酵素を含むアンモニアからの尿素の合成に必要な酵素または輸送体のいくつかの遺伝的な欠損症を伴っている。尿素サイクルを図1に示し、ここでは、特定のアンモニア捕集ドラッグが、過剰なアンモニアの除去にどのように貢献するかについても例示している。まず、図1を参照すれば、N-アセチルグルタミンシンテターゼ(NAGS)由来N-アセチルグルタミン酸が、カルバミルリン酸シンテターゼ(CPS)に結合して、CPSを活性化し、アンモニアおよび重炭酸塩をカルバミルリン酸へ転換している。次に、カルバミルリン酸がオルニチンと反応し、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)が介在する反応で、シトルリンを生成する。廃物窒素の第2の分子は、アルギニノコハク酸合成酵素(ASS)が介在する次の反応で、尿素サイクルに取り入れられ、この酵素反応では、シトルリンをアスパラギン酸縮合させてアルギニノコハク酸を形成する。アルギニノコハク酸は、アルギニノコハク酸リアーゼ(ASL)によって切断され、アルギニンおよびフマル酸を生成する。尿素サイクルの最終の反応では、アルギナーゼARG)は、アルギニンを切断してオルニチンおよび尿素を生成する。尿素に取り入れられる窒素の2つの原子のうち、一つは、フリーなアンモニア(NH4+)から生じ、もう一つは、アスパラギン酸塩から生じる。生まれながらに有意な残存尿素合成能力の無いUCD疾患の個人は、典型的には、生まれての最初の数日(新生児期)に存在している。本残存機能をもつ個人は、典型的には、その後の幼年時代、または成人期の中にも存在し、その徴候は、食餌タンパク質の増加や生理ストレス(例えば併発性疾患)によって突発する場合もある。

0004

肝性脳障害(HE)は、神経系の徴候の領域および高アンモニア血症から生じると考えられる徴候のことを言い、肝硬変または特定の他の種類の肝臓疾患被験者に高い頻度で生じる。HEをもつ被験者は、典型的には、微妙な変化から昏睡までの範囲の精神状態を示し、これは、UCDを有する被験者と同様の特徴である。

0005

アンモニアレベルおよび/または徴候が、タンパク質の食事限定および/または栄養補助食品によって適切に制御されていない窒素保持異常症をもつ被験者は、フェニル酪酸ナトリウム(NaPBA,米国ではBUPHENYL(登録商標)、欧州ではAMMONAPS(登録商標)として承認)または安息香酸ナトリウム等の窒素除去薬で一般に治療される。これらは、廃物窒素排出のための尿素の代替経路を体に提供するため、代替経路ドラッグとしばしば呼ばれる(Brusilow 1980年;Brusilow 1991年)。NaPBAは、フェニル酢酸(PAA)プロドラッグである。窒素保持異常症の治療のために現在開発中の別の窒素捕集ドラッグとしては、グリセリルトリ-[4-フェニル酪酸](HPN−100)があり、これは、米国特許第5,968,979号に記載されている。HPN−100、は、GT4PまたはグリセロールPBAとして一般に呼ばれており、PBAのプロドラッグおよびPAAのプレプロドラッグである。

0006

HPN−100およびNaPBAは、同一の一般的作用機構共有し:PBAは、β酸化を介してPAAに変換され、PAAは、酵素処理グルタミン接合され、フェニルアセチルグルタミン(PAGN)を生成し、それは、尿中に排泄される。PBA、PAAおよびPAGNの構造を、以下に説明する。

0007

0008

NaPBAおよびHPN−100の窒素保持異常症に関する臨床的利益としては、PAGNの能力に由来して、効果的に廃物窒素排泄のための媒介体として尿素を置換しおよび/または尿素合成の必要を低減するということを挙げることができる(BRUSILOW 1980年;BRUSILOW 1991年)。各グルタミンが窒素分子2個を含むので、体は、尿中に排泄されるPAGNの全ての分子に対して廃物窒素原子を2個除去する。したがって、PAGNに変換されるPAAの各モルに対して、窒素2当量が除去される。PAGNは、優れた末端代謝物を表し、これは廃物窒素除去と化学量論的に関連し、窒素保持状態の場合における有効性指標となる。物質代謝に関してのHPN−100とNaPBAの間の違いは、HPN−100はトリグリセリドであり、膵リパーゼにより消化してPBAを放出することが必要であると考えられる点である(McGuire 2010)。

0009

NaPBAまたはHPN−100と異なり、安息香酸が酵素の力でグリシンと結合して馬尿酸を生成する時に、安息香酸ナトリウムは作用する。尿中に排泄される馬尿酸の各分子に対して、体は、廃物窒素原子を1個除去する。

0010

窒素保持異常症の治療が必要な被験者に対して、NaPBAまたはHPN−100等のPAAプロドラッグの有効な投薬を決定する方法が、WO09/1134460およびWO10/025303に記載されている。しかしながら、被験者の日常のアンモニアレベルは大きく変わりうる。これは、日常のアンモニアレベルの平均を、医師過大評価してしまうことにもつながり、過剰治療にもなり得る。したがって、UCDまたはHE等の窒素保持異常症を有する被験者において、アンモニアレベルに基づきPAAプロドラッグ投薬定量および調整のための改良された方法に対する必要が、従来技術にはある。

発明が解決しようとする課題

0011

特定の実施形態では、空腹時血液アンモニアレベルを測定し、血液アンモニアのために空腹時血液アンモニアレベルを正常の上限(ULN)と比較して、空腹時血液アンモニアレベルが血液アンモニアに対してULNの半分より大きい場合は投薬量を増加する必要があるとして、窒素保持異常症を有する被験者への窒素捕集ドラッグの投薬量を増加させるべきか否かを決定するための方法を提供するものである。特定の実施形態では、窒素保持異常症は、UCDまたはHEである。特定の実施形態では、窒素捕集ドラッグは、HPN−100、PBA、NaPBA、安息香酸ナトリウム、またはこれらのあらゆる組合せ(すなわち、HPN−100、PBA、NaPBAのうちの2以上のあらゆる組合せ)である。特定の実施形態では、ULNは概ね35μmol/Lまたは59μg/mLである。特定の実施形態では、本方法は、必要があれば、窒素捕集ドラッグの投薬量を増加して投与する付加的なステップおよび、窒素捕集ドラッグを投与することにより、被験者中に正常な一日平均アンモニアレベルを生成する付加的なステップを含む。特定の実施形態では、本方法は、窒素捕集ドラッグの投薬量を増やして投与する決定がなされ、かつ、窒素捕集ドラッグがPAAプロドラッグである場合に、尿のPAGN排泄を測定することと、PAAプロドラッグを60〜75%の尿中PAGNに平均転換に基づき、PAAプロドラッグの有効投与量を決定することとをさらに含む。

0012

特定の実施形態では、空腹時血液アンモニアレベルを測定し空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアのULNと比較することにより、空腹時血液アンモニアレベルが、血液アンモニアのULNの半分より大きい場合は、窒素捕集ドラッグを投与する必要があるとして、窒素保持異常症を有する被験者に窒素捕集ドラッグを投与するべきか否かを決定するための方法を、ここに提供する。特定の実施形態では、窒素保持異常症は、UCDまたはHEである。特定の実施形態では、窒素捕集ドラッグは、HPN−100、PBA、NaPBA、安息香酸ナトリウム、またはこれらのあらゆる組合せ(すなわち、HPN−100、PBA、NaPBAのうちの2以上のあらゆる組合せ)である。特定の実施形態では、ULNは概ね35μmol/Lまたは59μg/mLである。特定の実施形態では、本方法は、必要があれば、窒素捕集ドラッグを投与する付加的なステップおよび、窒素捕集ドラッグを投与することにより、被験者中に正常な一日平均アンモニアレベルを生成する付加的なステップを含む。特定の実施形態では、窒素捕集ドラッグの投薬量を増やして投与する決定がなされ、かつ、窒素捕集ドラッグがPAAプロドラッグである場合に、本方法は、ターゲット窒素排出量に基づきターゲット尿中PAGN出力を決定して、有効な初期量を計算することにより、PAAプロドラッグの有効な初期量を決定するステップを有することにより、PAAプロドラッグを60〜75%の尿中PAGNに平均転換に基づき、ターゲット尿中PAGN排出を達成する。特定の実施形態では、本方法は、計算された有効な初期量を投与するステップを含む。

0013

特定の実施形態では、以前に窒素捕集ドラッグを投与された被験者における窒素保持異常症を治療するための方法を提供するものであり、本方法は、空腹時血液アンモニアレベルを測定することと、空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアレベルのULNと比較し、空腹時血液アンモニアレベルが血液アンモニアのULNの上限の半分より大きい場合は投薬量を増加して窒素捕集ドラッグを投与することを含む。特定の実施形態では、窒素捕集ドラッグの投薬量を増加して投与することで、被験者の正常な一日の平均アンモニアレベルを生成する。特定の実施形態では、窒素保持異常症は、UCDまたはHEである。特定の実施形態では、窒素捕集ドラッグは、HPN−100、PBA、NaPBA、安息香酸ナトリウム、またはこれらのあらゆる組合せ(すなわち、HPN−100、PBA、NaPBAのうちの2以上のあらゆる組合せ)である。特定の実施形態では、ULNは概ね35μmol/Lまたは59μg/mLである。窒素捕集ドラッグがPAAプロドラッグである特定の実施形態において、本方法は、尿のPAGN排泄を測定する付加的なステップおよびPAAプロドラッグの60〜75%の尿中PAGNへの平均転換に基づき、PAAプロドラッグの有効投与量を決定する付加的なステップを含む。特定の実施形態では、本方法は、計算された有効投与量を投与するステップを含む。

図面の簡単な説明

0014

尿素サイクルを示す図であり、特定の窒素捕集ドラッグが過剰のアンモニアの除去をどのように援助するかを示す図である。
空腹時アンモニアと平均アンモニアUCD患者との間の関係を示す図である。
(A)成人および(B)小児のUCD患者における24時間にわたる静脈血アンモニアの値を示す図である。

0015

本発明の以下の説明は、本発明の各実施形態を単に例示する目的とするのみである。このように、検討される具体的な変更は、本発明の範囲で限定するものと解釈されるべきではない。各種同等物への差し替え、変更および変形は、本発明の範囲から逸脱することなく行われることが、当業者にとって明らかであるとともに、この実施形態と同等の形態も、ここに含まれることになることが理解されよう。

0016

窒素保持異常症の被験者において、窒素捕集ドラッグによる治療の所望の効果を、血液アンモニアレベルのコントロールとする。血液アンモニアレベルのコントロールは、一般に、アンモニア値正常範囲内であり高アンモニア血症の危機が回避されるものであり、100μmol/Lを超えるまたは178μg/mLを超える過渡アンモニア値として従来技術でしばしば定義され、臨床徴候およびアンモニア過剰血症の徴候を伴う。窒素捕集ドラッグの投薬は、通常、アンモニアの臨床における評価および測定に基づく。しかしながら、個々のアンモニア値は、一日の中で数倍のレベルで変化し、直近の食事およびドラッグの投薬に関連して、採血のタイミングの影響を受けるという事実により、治療効果の評価およびアンモニアレベルの解読混乱する(例えば、Lee 2010年;Lichter−Konecki 2011年;Diaz 2011年を参照)。

0017

外来患者訪問中ランダムなアンモニア値が得られるが、これは、被験者の状態の信頼性が高い計測値および薬効を提供することはできない。例えば、食事を食べた後にとる血液サンプルに治療の基礎をおくことは、一日平均アンモニアレベルを過大評価し、過剰治療という結果を招くこともある。逆に、薬剤投与後にとる血液サンプルに治療の基礎をおくことは、一日平均アンモニアレベルを過小評価し、過少治療という結果を招くこともある。ULNまたはその近辺での空腹時アンモニアレベルは、一日間のアンモニア負担(平均値および/または取り得る最大の値)が非常に高くなりうるという事実を理解することなく、満足なコントロールの指標として理解されるだろう。したがって、ULNまたはその近辺での空腹時レベルでは、すでに窒素捕集ドラッグを受容している被験者に対しては、実際に過少治療を反映しまたは現在窒素捕集ドラッグをまだ処方されていない被験者には、治療の必要性があることを反映するだろう。長期間にわたり設定を管理した多数の採血を行うことによって、日常のアンモニアレベルのより正確な状態を得られることができた。これは、臨床試験現在行われていることではあるが、臨床上非実用的である。

0018

以下に説明するように、空腹時アンモニアレベルと日常のアンモニア曝露との間の関係が、窒素保持異常症の被験者で評価された。空腹時アンモニアは、アンモニア曲線の下の24時間の面積として評価される日常のアンモニア曝露、日常の平均値、または日常最大濃度と強く相関した点と、ULNの半分を超えないターゲット空腹時値が、24時間にわたるアンモニア値の臨床上有用かつ実用的な予測因子である点とが見出された。このように、ここでは、窒素保持異常症の被験者において空腹時アンモニアレベルに基づいてアンモニア曝露を評価する臨床上実用的な方法を提供するものであり、また、得られた情報を用いて、窒素捕集ドラッグの投薬量を調整し、窒素捕集ドラッグを投与するべきか否かを決定し、窒素保持異常症を治療し、日常のアンモニア負担を予測する方法を提供するものである。空腹時アンモニアレベルを用いてアンモニア曝露を予測することにより、以前に開発された方法に対して顕著な利点を提供し、それは、必要な採血の数を少なくし、一日のうち矛盾するアンモニアレベルと関連する混乱状態を排除することである。

0019

更に、ここで開示されるように、アンモニア制御と神経認知の結果との間の関係を、UCD患者について評価した。UCD患者は、しばしば全体的に低いIQを示し、目標設定計画進行度監視および目的問題解決が困難であることにより、実行機能が不十分であることが明らかにされたことを、過去の調査では示してきた。ここで述べるように、GPBによるアンモニア制御により、小児科患者における実行機能に対して、顕著な改善をもたらされることが見いだされた。これらの結果に基づき、一つ以上の窒素捕集ドラッグを投与することにより、UCDの小児被験者における実行機能を改良する方法がここに提供される。

0020

更に、ここで開示されるように、高いPAAレベルと神経の有害事象AE)との間の関係を分析した。NaPBAおよび/またはPAAナトリウムのヒトへの投与についての報告が30以上あり、その多くで、特に静脈内に投与した場合に、AEが記載されている。癌患者へのPAAのIV投与が、疲労、眩暈味覚不全頭痛傾眠、意識朦朧、ペダル浮腫吐き気おう吐および発疹を含んだAEを生じていたことが、以前に示されていた(Thibault 1994年;Thibault 1995年)。これらのAEは、499〜1285μg/mLのPAAレベルに相関する。NaPBAは、20年以上にわたってUCD治療のために用いられ、PAAに関連すると伝えられているAEは、アンモニア過剰血症と関連するAEと同様であるものの、PAAレベルとUCD患者の神経学上のAEとの間の関係については、ほとんど何も、以前に知られていなかった。ここで示されるように、PAAレベルを大きくしても、UCDの被験者における神経のAEが増加することとの相関はとれなかった。しかしながら、PAAレベルは、健康者における神経のAEの増加に対応していた。これらの結果に基づき、PAAレベルを計ることにより、被験者にAEを予測または診断する方法が、ここに提供される。一つ以上の窒素捕集ドラッグを投与することにより、高いPAAレベルの被験者におけるAEを治療するおよび/または防止する方法が、ここで更に提供される。

0021

血液アンモニアに対する具体的なターゲット値が、ここで提供されるが、この際、窒素捕集ドラッグの有効投与量に基づいて行ってもよい。特定の実施形態では、窒素捕集ドラッグの有効投与量は、初期投与量、次の/維持投与量、改良された投与量、または他の因子協力して決定される投与量のいずれであってもよい。特定の実施形態では、有効投与量は、初期投与量と同じまたは異なっていてもよい。別の実施形態では、有効投与量は、初期投与量より高くても低くてもよい。特定の実施形態では、窒素捕集ドラッグの投与量または処方計画を調整して、平均日常アンモニアレベルおよび/または被験者が一日のうち経験しうる最高アンモニア値を予測したターゲットアンモニアレベルを実現する方法が提供される。

0022

ここで方法を用い、被験者の空腹時血液アンモニアレベルは、日常アンモニア負担、平均日常アンモニアレベルおよび/または最高日常アンモニア値の予測因子として用いられてもよい、窒素保持異常症による被験者は、窒素捕集ドラッグの最適投与量を受容しているかどうかにつき、予測された日常アンモニア曝露に基づき決定されてもよい。窒素捕集ドラッグの治療効力を最適化することによって、被験者が所望の窒素捕集効果を経験するように、窒素捕集ドラッグの治療の投与量は調整される。特に、被験者が正常一日平均アンモニアレベルを経験できるように、投与量は調整される。特定の実施形態では、窒素捕集ドラッグの有効投与量は、投与量を調整する(例えば増加する)ことによって決定され、被験者の空腹時血液アンモニアレベルを、血液アンモニアに対してULNの半分以下に実現する。

0023

被験者の空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアのULNと比較することを備えた、窒素保持異常症の被験者に対して窒素捕集ドラッグの投与量を増加する必要があるか否かを決定する方法が、ここに特定の実施形態において提供される。空腹時血液アンモニアレベルが、ULNの半分より大きな値を有する場合は、窒素捕集ドラッグの投与量を増加させる必要がある。特定の実施形態では、この方法は、必要なら窒素捕集ドラッグの投与量を増加させるステップを更に備え、これらの実施形態の特定の形態では、この方法は、投与量を増やして投与することを更に含む。これらの実施形態の特定の形態では、投与量を増加させて投与すれば、被験者の一日平均アンモニアレベルが正常になる。

0024

特定の実施形態では、窒素保持異常症の被験者に対して、窒素捕集ドラッグの投与量を増やす必要があるか否かを決定する方法をここに提供し、この方法は、被験者の空腹時血液アンモニアレベルを計測することと、空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアのULNと比較することとを有している。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分より大きい値を有する場合、窒素捕集ドラッグの投与量を増加する必要がある。特定の実施形態では、本方法は、必要ならば窒素捕集ドラッグの投与量を増加させることを更に含み、これらの実施形態の特定の形態では、本方法は、投与量を増やして投与することを更に含む。これらの実施形態の特定の形態では、投与量を増加させて投与すれば、被験者の一日平均アンモニアレベルが正常になる。

0025

特定の実施形態では、窒素保持異常症の被験者に対する窒素捕集ドラッグの投与量を調整する方法をここに提供し、この方法は、被験者の空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアのULNと比較する備えることを有している。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分より大きい値を有する場合は、窒素捕集ドラッグの投与量を増加させ、投与量がULNの半分以下である場合は、窒素捕集ドラッグの投与量を増加させない。特定の実施形態では、この方法は、投与量を増やして投与することを更に含む。これらの実施形態の特定の形態では、投与量を増加させて投与すれば、被験者の一日平均アンモニアレベルが正常になる。

0026

特定の実施形態では、窒素保持異常症の被験者に対して窒素捕集ドラッグの投与量を調整する方法をここに提供するものであり、この方法は、被験者に対して空腹時血液アンモニアレベルを計ることと、空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアのULNと比較することとを有している。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分より大きい値を有するならば、窒素捕集ドラッグの投与量は増やされ、投与量は、ULNの半分以下であれば、窒素捕集ドラッグの投与量は増やされない。特定の実施形態では、本方法は、投与量を増加させて投与することを更に含む。これらの実施形態の特定の形態では、投与量を増加させて投与すれば、被験者の一日平均アンモニアレベルが正常になる。

0027

特定の実施形態では、窒素保持異常症の被験者に対して窒素捕集ドラッグの投与量を調整する方法をここに提供するものであり、この方法は、被験者に対して空腹時血液アンモニアレベルを計ることと、および空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアのULNと比較することとを備える。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分より大きい値を有するならば、窒素捕集ドラッグの投与量を増やし、投与量がULNの半分より小さければ、窒素捕集ドラッグの投与量を減らしてもよい。特定の実施形態では、本方法は、調整された投与量を投与することを更に含む。これらの実施形態の特定の形態では、投与量の投与を調整すれば、被験者の一日平均アンモニアレベルが正常になる。

0028

特定の実施形態では、窒素保持異常症の被験者に対して、窒素捕集ドラッグの投与量を調整する方法をここに提供するものであり、この方法は、窒素捕集ドラッグの初期投与量を投与することと、空腹時血液アンモニアレベルを測定することと、空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアのULNと比較することとを備える。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分より大きい値を有するならば、窒素捕集ドラッグの次の維持量が、初期投与量より大きくなるよう調整される。特定の実施形態では、本方法は、維持投与量を増やして投与することを更に備え、これらの実施形態の特定の形態では、維持量を増やして投与することにより、被験者の一日平均アンモニアレベルが正常になる。

0029

特定の実施形態では、窒素保持異常症の被験者に対して、窒素捕集ドラッグの投与量を調整して、血液アンモニアのULNの半分以下である空腹時血液アンモニアレベルを実現する方法をここに提供するものであり、この方法は、被験者に対して、空腹時血液アンモニアレベル測定することと、空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアのULNと比較することとを有している。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分より大きい値を有するならば、被験者は、窒素捕集ドラッグの投与量を増やして投与される。定常状態に到達するドラッグに十分な時間(例えば、48時間、48〜72時間、72時間〜1週間、1週間〜2週間、2週間超)以後、空腹時血液アンモニアレベルは再び測定され、血液アンモニアのULNと比較される。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分より大きい値を有するならば、窒素捕集ドラッグの投与量は増やされる。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分以下になるまで、このプロセスは繰り返される。

0030

特定の実施形態では、窒素保持異常症の被験者が、多かれ少なかれ、窒素捕集ドラッグの投与量調整を必要としそうかどうかを評価するための方法を、ここに提供するものであり、この方法は、被験者に対して、空腹時血液アンモニアレベル測定することと、空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアのULNと比較することとを含み、空腹時血液アンモニアレベルがULNの値の半分より大きいと、被験者は投与量調整を必要と考えられ、空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分値以下であれば、被験者は、投与量調整が必要ではないと考えられる。

0031

特定の実施形態では、窒素保持異常症の被験者に窒素捕集ドラッグを投与するべきか否かを決定する方法をここに提供するものであり、この方法は、被験者に対する空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアのULNと比較することを備える。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分より大きい値を有するならば、窒素捕集ドラッグを被験者に投与する必要がある。特定の実施形態では、これらの方法は、窒素捕集ドラッグを投与することを更に含む。特定の実施形態では、被験者は決定の前にあらゆる窒素捕集ドラッグを投与してはいけない。別の実施形態では、被験者は以前に評価されている薬剤以外の窒素捕集ドラッグを投与されてもよい。これらの実施形態では、ここに提供される方法は、被験者に新規の窒素捕集ドラッグを投与するべきかどうか決定するために用いることができる。

0032

特定の実施形態では、窒素保持異常症の被験者に窒素捕集ドラッグを投与するべきか否かを決定する方法をここに提供するものであり、この方法は、被験者に対する空腹時血液アンモニアレベルを測定することと、空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアのULNと比較することとを有し、空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分より大きい値を有するならば、窒素捕集ドラッグを被験者に投与する必要がある。特定の実施形態では、これらの方法は、窒素捕集ドラッグを投与することを更に含む。特定の実施形態では、被験者は決定の前にあらゆる窒素捕集ドラッグを投与されてはならない。別の実施形態では、被験者は以前に評価されている薬剤以外の窒素捕集ドラッグを投与されてもよい。これらの実施形態では、ここに提供される方法は、被験者に新規の窒素捕集ドラッグを投与するべきかどうか決定するために用いることができる。

0033

特定の実施形態では、被験者における窒素保持異常症を治療するために血液アンモニアレベルに基づき窒素捕集ドラッグの投与量を選択するための方法をここに提供するものであり、この方法は、投与量を選択して、空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアのULNの半分以下とすることを含む。特定の実施形態では、更に、治療食内因性廃物窒素排泄能力またはこれらのあらゆる組合せに基づき、有効投与量を選択する。特定の実施形態では、この方法は、選択された投与量を投与することを更に含む。

0034

特定の実施形態では、以前に窒素捕集ドラッグを投与された窒素保持異常症の被験者を治療する方法をここに提供するものであり、この方法は、被験者に対して、空腹時血液アンモニアレベル測定することと、および空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアのULNと比較することを備える。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分より大きい値を有するならば、被験者は、投与量を増やして窒素捕集ドラッグを投与される。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分以下である値を有するならば、被験者は、窒素捕集ドラッグの同一投与量または低減された投与量を投与される。特定の実施形態では、投与量を増やして投与すれば、被験者の一日平均アンモニアレベルが正常になる。

0035

特定の実施形態では、以前に窒素捕集ドラッグの初期投与量を投与された窒素保持異常症の被験者を治療する方法をここに提供するものであり、この方法は、被験者に対して、空腹時血液アンモニアレベルを測定することと、および空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアのULNと比較することを備える。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分より大きい値を有するならば、被験者は、窒素捕集ドラッグの初期投与量より大きい維持量を投与される。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分以下である値を有するならば、被験者は、初期投与量または低減投与量を投与される。特定の実施形態では、維持量を増やして投与すれば、被験者の一日平均アンモニアレベルが正常になる。

0036

特定の実施形態では、窒素保持異常症の被験者を治療する方法がここに提供され、この方法は、窒素捕集ドラッグを投与することと、次いで、薬剤投与の後の任意の時点で、被験者に対して空腹時血液アンモニアレベルを測定することと、空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアのULNと比較することとを含む。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分より大きい値を有するならば、被験者は投与量を増やして窒素捕集ドラッグを投与される。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分以下である値を有するならば、被験者は、ドラッグの当初の量または低い投与量を投与される。

0037

特定の実施形態では、窒素保持異常症の被験者を治療する方法がここに提供され、この方法は、窒素捕集ドラッグの第1の投与量を投与することと、被験者に対して、空腹時血液アンモニアレベルを測定することと、空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアのULNと比較することとを備える。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分より大きい値を有するならば、第1の投与量より大きい窒素捕集ドラッグの第2の投与量を被験者に投与する。空腹時アンモニア血中濃度を被験者に対して再び測定し、血液アンモニアのULNと比較する。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分より大きい値を有するならば、第2の投与量より大きい窒素捕集ドラッグの第3の投与量を被験者に投与する。
このプロセスは、被験者がULNの半分以下の値の空腹時血液アンモニアレベルを示すまで、繰り返される。

0038

特定の実施形態では、以前に窒素捕集ドラッグを投与されていた窒素保持異常症の被験者に対する窒素捕集ドラッグ投与の有効性をモニターする方法をここに提供するものであり、この方法は、被験者に対して、空腹時血液アンモニアレベル測定することと、空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアのULNと比較することとを備える。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分より大きい値を有するならば、窒素捕集ドラッグの以前に投与された投与量は、窒素保持異常症の治療に不適合とみなされる。空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分以下である値を有するならば、以前に投与された投与量は窒素保持異常症の治療に適切とみなされる。以前に投与された投与量が窒素保持異常症を治療するために不適合であるとみなされる特定の実施形態では、ここで提供される方法は、投与量を増やして窒素捕集ドラッグを投与することを更に含む。

0039

特定の実施形態では、窒素保持異常症を有する被験者に対して、窒素捕集ドラッグを用いた治療をモニターするための方法をここに提供するものであり、この方法は、被験者からの空腹時血液アンモニアレベル測定することと、空腹時血液アンモニアレベルを血液アンモニアのULNと比較することとを備え、空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分より大きいと、被験者は窒素捕集ドラッグの投与量調整が必要であると考えられ、空腹時血液アンモニアレベルがULNの半分以下だと、被験者は投与量の調整が必要でないと考えられる。

0040

ここで用いられる窒素保持異常症とは、高い血液窒素/アンモニアレベルと関連するあらゆる条件のことをいう。特定の実施形態では、窒素保持異常症は、UCDであってもよい。別の実施形態では、窒素保持異常症は、HEであってもよい。

0041

ここで用いられる窒素捕集ドラッグとは、血液窒素および/またはアンモニアレベルを減らすあらゆるドラッグのことをいう。特定の実施形態では、窒素捕集ドラッグは、PAGNの形での窒素を除去してもよく、これらの実施形態の特定の形態では、窒素捕集ドラッグは、PAAを含むかまたはPAAに代謝する経口的に投与可能なドラッグであってもよい。例えば、窒素捕集ドラッグは、PBAやHPN−100等のPAAプロドラッグ、NaPBA等のPBAの薬学上容認可能な塩、または薬学上容認可能なエステル、酸またはPAAプロドラッグの誘導体であってもよい。別の実施形態では、窒素捕集ドラッグは、馬尿酸を介して窒素を除去してもよい。これらの実施形態の特定の形態では、窒素捕集ドラッグは、安息香酸、安息香酸ナトリウム等の安息香酸の薬学上容認可能な塩、または薬学上容認可能なエステル、酸または安息香酸の誘導体であってもよい。

0042

窒素捕集ドラッグの投与量を増やすこととは、一投与当たりのドラッグの量を増やすこと(例えば投与量3mLから投与量6mLへ増やす)、ドラッグの投与数を増やすこと(例えば投与を一日1回から、一日2回または一日3回に増やす)、またはこれらのあらゆる組合せをいうことができる。

0043

以前に窒素捕集ドラッグを投与された被験者に対して、定常状態に到達するに十分な任意の継続時間で、ドラッグを投与することができる。例えば、被験者は、2〜7日、1週〜2週、2週〜4週、4週〜8週、8週〜16週または16週より長い期間、ドラッグを投与することができる。

0044

ここに開示される方法の特定の実施形態では、空腹時血液アンモニアレベルを得るための絶食期間は、夜通しである。特定の実施形態では、絶食期間は、4時間以上、5時間以上、6時間以上、7時間以上、8時間以上、9時間以上、10時間以上、11時間以上または12時間以上であり、特定の実施形態で、絶食期間は4〜8時間、6〜8時間または8〜12時間である。絶食期間中、被験者はあらゆる食品を摂取しないことが好ましい。特定の実施形態では、被験者はまた、絶食期間中、特定の食料品以外の物質を摂取することを慎んでもよい。たとえば、特定の実施形態では、被験者は、絶食期間中、あらゆる補助成分および/または窒素捕集ドラッグを摂取しない。これらの実施形態の特定の形態では、しかしながら、被験者は、絶食期間中に、窒素捕集ドラッグ以外の一つ以上のドラッグを摂取してもよい。特定の実施形態では、被験者は、絶食期間中、あらゆる高カロリー液体を摂取しない。これらの実施形態の特定の形態では、被験者は、絶食期間中、水以外のあらゆる液体を摂取しない。別の実施形態では、被験者は、低カロリー飲料、例えばコーヒーまたは希釈液を少量摂取してもよい。

0045

ここに開示される方法の特定の実施形態では、空腹時血液アンモニアレベルおよび/またはULN血液アンモニアの測定に用いられる血液サンプルは、静脈血サンプルである。特定の実施形態では、血液サンプルは血漿サンプルである。血漿サンプルを得るため、従来技術で知られるあらゆる方法を用いてもよい。例えば、被験者からの血液を、ヘパリンまたはエチレンジアミン四酢酸EDTA)を含む管に引き入れてもよい。特定の実施形態では、サンプルを上に配置して遠心分離し、収集後15分以内に血漿を得て、2〜8℃(36〜46F)で保存し、収集後3時間以内に分析する。別の実施形態では、血漿サンプルを急速冷凍し、-18℃以下(0°F以下)で保存し、その後分析する。例えば、サンプルを凍結後、0〜12時間、12〜24時間、24〜48時間、48〜96時間、またはサンプルが安定性を示す何らかの時間枠で、分析を行ってもよい。特定の実施形態では、血液サンプルは実験室または病院セッティングでとられる。特定の実施形態では、単一空腹時血液サンプルは、空腹時血液アンモニアレベルを測定するために用いられる。しかしながら、他の実施形態では、複数の空腹時血液サンプルを得てもよい。特定の実施形態では、被験者の血液アンモニアレベルは、一日を通してモニターされてもよい。更に、特定の実施形態では、ここで開示される方法は、空腹時血液アンモニアレベルの測定の前または後に、被験者から一つ以上の血液サンプルを得る付加的なステップを備える。

0046

特定の実施形態では、血液サンプルは収集の直後に分析される。別の実施形態では、血液サンプルは収集と分析との間の所定の期間、保存される。これらの実施形態の中に、サンプルは1時間未満、1時間〜6時間、1時間〜12時間、1時間〜24時間、または1時間〜48時間保存されてもよい。これらの実施形態の特定の形態では、血液サンプルは0〜15℃の温度、例えば2〜8℃等で保存される。別の実施形態では、血液サンプルは0℃未満または-18℃未満で保存される。

0047

空腹時血液サンプル中のアンモニアレベルの測定は、従来技術で知られている技術を用いて遂行される。例えば、アンモニアレベルは、比色反応または酵素反応を用いて測定されてもよい。特定の実施形態では、比色反応には、アンモニア指標としてのブロムフェノールブルーの使用が関与してもよい。これらの実施形態では、アンモニアをブロムフェノールブルーと反応させて、ブルー染料を生成してもよい。特定の実施形態で、酵素反応には、2-オキソグルタレートのNH4+およびNADPHとの還元アミノ化に対しての触媒作用を及ぼしてグルタメートおよびNADP+を生成するグルタミン酸デヒドロゲナーゼを関与させてもよい。生成されるNADP+の生成は、血液サンプル中に存在するアンモニアの量に正比例している。したがって、アンモニアの濃度は、吸光度の減少に基づき測定される。

0048

ここで開示される方法の特定の実施形態では、血液アンモニアに対してULNの半分以下の空腹時血液アンモニアレベルを示す被験者は、その平均日常アンモニアレベルが正常一日平均アンモニアレベル内に収まるという平均的な予測を、信頼区間内に有している。特定の実施形態では、正常日常アンモニア値になる平均見込みは、80%〜90%である。特定の実施形態では、血液アンモニアレベルは特定の範囲内に収まるという信頼が95%と予測することが可能である。特定の実施形態では、アンモニアが65%〜93%の間にある空腹時血液に基づき、正常値となると予測できる確率が95%の信頼で予測することができる。特定の実施形態では、アンモニアが少なくとも70%である空腹時血液に基づき、正常値となると予測できる確率が80%の信頼で予測することができる。特定の実施形態では、真となる確率が65%〜93%となる95%の信頼で空腹時血液アンモニアに基づきアンモニア値が正常となると予測する平均見込みは、約84%である。

0049

ここで開示される方法の特定の実施形態では、血液アンモニアに対してULNの半分以下の空腹時血液アンモニアレベルを示す被験者は、最大日常血液アンモニアレベルは、血液アンモニアのULNの1.5倍を超えない平均見込みを信頼区間内に有する。これらの実施形態の特定の形態では、平均見込みは、約70%〜80%である。特定の実施形態では、信頼区間は95%の信頼区間である。特定の実施形態では、平均見込みは約75%で、真となる確率が58%〜86%の間にある信頼が95%である。

0050

ここに開示される方法の特定の実施形態では、血液アンモニアに対してULNの半分以下の空腹時血液アンモニアレベルを示す被験者は、最大日常血液アンモニアレベルが100μmol/L未満である信頼区間内になる平均見込みを有する。これらの実施形態の特定の形態では、平均見込みは、90%〜98%である。特定の実施形態では、信頼区間は95%である。特定の実施形態で、平均見込みは約93%であり、真となる確率が77%〜100%の間にある信頼が95%である。

0051

最大のアンモニア値とは、血液アンモニアの繰返し測定を行い、長期間にわたりこの最大値を検出することができるという条件で、被験者が次の食事を消費した後に検出できるアンモニアの最大量のことをいう。24時間にわたって繰り返し採血を行う慎重な臨床試験に基づき、夕方早く〜夕方半ば(朝食はほぼ午前8時と仮定して、午後4〜8時:例えば、Lee 2010年;Lichter−Konecki 2011年を参照)の3回目主食事の後に、最大血液アンモニアの観測が見られた。

0052

血液アンモニアのULNは、典型的には、アッセイ方法試薬の種類、用いられる標準基準サンプル、測定の実行に用いられる装置のスペックおよび検量等様々な因子によって影響されうる正常値の範囲内の最もハイレベルのものを表す。ここに開示される方法の特定の実施形態では、血液アンモニアのULNは、各個の被験者ごとに決定される。
他の実施形態では、血液アンモニアのULNは、被験者の範囲(すなわちUCDの被験者またはUCDの特定の亜型の被験者、HEの被験者、健康者の被験者、その他)全体にわたって得られる測定に基づいてもよい。特定の実施形態では、血液アンモニアのULNは、例えば被験者の特定の部分集合全体にわたる平均ULN等、従来技術に開示される標準基準値を表してもよい。別の実施形態では、血液アンモニアのULNは、特定の臨床検査室等の採血および/または血液評価を実行する特定の団体によって開発された標準測定を表してもよい。特定の実施形態では、ULNは、空腹時血液アンモニアレベルを測定する同一団体によって利用される標準基準値である。これらの実施形態では、窒素保持異常症の被験者における一日平均アンモニアの解釈は、アンモニアが測定された実験室での正常値の基準範囲との比較によりなされるべきであることが、当業者は理解されよう。さらに、アンモニア測定の単位が、ラボとラボの間で違うこともあり(例えばμg/mLだったりμmoI/Lだったり)、測定が実行された実験室でのULNと比較において被験者のアンモニアレベルを解釈することの重要性が強調される。特定の実施形態では、血液アンモニアのULNは26〜64μmol/Lの範囲内にあってもよい。これらの実施形態の特定の形態では、血液アンモニアのULNが、32〜38μmol/Lまたは34〜36μmol/Lの範囲内にあってもよく、またこれらの実施形態の別の特定の形態では、血液アンモニアのULNは、35μmol/Lである。特定の実施形態では、血液アンモニアのULNが50〜65μg/mLの範囲内にあってもよい。これらの実施形態の特定の形態では、血液アンモニアのULNが55〜63μg/mLまたは57〜61μg/mLの範囲内であってもよく、これらの実施形態の特定の形態では、血液アンモニアのULNは59μg/mLである。

0053

特定の実施形態では、連続的採血をアンモニア測定に実行する場合は、一日平均アンモニアが、個人が一日のうち経験するアンモニアの平均量である。慎重な臨床の研究では、食品およびドラッグ摂取量に応じた採血のタイミングに応じて、アンモニアは、一日のうち数倍で変動することがわかっている。これらの変動のため、食品およびドラッグ摂取量のタイミングに応じた個々のまたは連続的採血のタイミングは、コントロールされなければならない。サンプリングが十分頻繁に行われない限り、変動しているアンモニア値のピークおよびトラフを捕らえるのに連続的サンプリングは十分ではない。したがって、数個の測定の単純な平均を得ても、被験者が一日のうち経験できる全体のアンモニア負担に関しては、不適合の情報またはまぎらわしい情報しか提供しない。

0054

24時間にわたって適切なおよびよく間隔をあけられたサンプルから得た24時間アンモニアの曲線(アンモニアAUC0−24hr)の下の面積として評価する、被験者の一日平均アンモニアをよりよく評価する方法が、ここで提供される。このアンモニアAUC0−24hrは、サンプリングの全体の実際の期間中に、更に正規化されることができ、すなわち、アンモニアAUC0−24hrは、サンプリング期間(例えば24時間)によって分割される。例えば、24時間にわたって得られる8〜11のアンモニア値に基づき1440μmolhr/LのAUCを、台形ルールを用いて計算する場合は、平均日常アンモニア値または時間正規化AUC0−24hrは、1440μmolhr/mL24時間のサンプリング時間で除した値、すなわち60μmol/Lに等しい。アンモニア分析を実行した実験室での正常基準範囲が10〜35μmol/Lであるならば、この被験者の平均日常アンモニア値は、35μmol/LのULNの約1.71倍である。同様に、24時間にわたり間隔をあけた複数のサンプルに基づきアンモニアAUC0−24hrが840μmolhr/Lに等しいと決定され、同一実験室で分析し、サンプリング期間が24時間であった場合、時間正規化AUC0−24hrは、35μmol/Lである。これは、ULN範囲内の平均アンモニアまたは日常アンモニア負担に対応する。最後に、UCD等の窒素保持異常症の被験者は、血中濃度が100μmol/Lを超える高アンモニア血症危機を経験することがあり、回復不能または回復困難を防止して回復を可能にするための治療介入を必要とするアンモニア過剰血症の臨床症状として臨床上しばしば定義される。

0055

空腹時血液アンモニアを測定して、被験者が24時間にわたって100μmol/Lを超えるアンモニア値(Cmax)を経験する見込みを最小にするよう、窒素捕集ドラッグ投与量を調整する方法が、ここに提供される。100μmol/Lという数字は、多くの実験室でのULNの約2〜3倍に対応することがわかっている。かつては、UCD等の窒素保持異常症の被験者が、分析を実行した実験室の正常基準範囲内またはこれよりわずかに高い血液アンモニアレベルを有する場合、ドラッグ投与量の食事および最終の投与に対して採血のタイミングに関係なく、被験者は、臨床的に良好にコントロールにされているとみなされてきた。しかしながら、ULN〜ULNの1.5倍の空腹時血液アンモニアレベル(例えば35〜52μmol/L)を有するUCDの被験者は、平均見込みは45%だけであり(21%〜70%の信頼区間で95%)、この患者の一日平均アンモニアは、正常範囲内にあり;平均見込みが35%だけであり(13%〜60%の信頼区間で95%)、この患者の一日のうち最大のアンモニアレベルがULNの1.5倍未満(例えば、52μmol/L)であり;25%の平均見込みであり、この患者の最大の日常アンモニアレベルは、一日のうち100μmol/Lを超えることが示された。したがって、UCD被験者の空腹時血液アンモニアを測定した後、窒素捕集ドラッグの投与量を漸次増やしてもよく、空腹時アンモニア値まで漸次低減されるこの患者のタンパク質摂取量は、アンモニア分析を実行したローカルラボのULNの半分以下である。

0056

ここで開示される方法の特定の実施形態では、アンモニアレベル以外の一つ以上の因子を考慮して、窒素捕集ドラッグ投与量を評価してもよい。例えば、窒素捕集ドラッグを投与するべきかどうか決定すること、窒素捕集ドラッグの投与量を調整すること、または窒素保持異常症を治療することにおいて、血液アンモニア測定を尿のPAGN測定と組み合わせてもよい。米国特許公報第2010/0008859号は、尿中PAGNレベルは、血漿PAA、PBAまたはPAGNレベルに比べてより密接に、PBAプロドラッグの投与量に相関することを開示し、更に、PBAプロドラッグは、60〜75%の平均効率で尿のPAGNに変換されることを開示する。したがって、ここに開示される方法の特定の実施形態では、尿のPAGNレベルを測定する付加的なステップを備える。これらの実施形態の特定の形態では、窒素捕集ドラッグの有効投与量の計算は、PAAプロドラッグの平均60〜75%が尿中PAGNへ転換されることに一部基づきなされる。例えば、特定の実施形態では、ここで開示される、被験者に窒素捕集ドラッグを投与するべきかどうか決定する方法は、尿中PAGNを測定し、PAAプロドラッグを60〜75%の尿中PAGNに平均転換することに基づき、有効初期量を計算する付加的なステップを備える。同様に、特定の実施形態では、ここで開示される、窒素捕集ドラッグの投与量を調整する方法は、尿中PAGNを測定し、PAAプロドラッグを60〜75%の尿中PAGNに平均転換することに基づき有効投与量を計算する付加的なステップを備える。これらの実施形態の特定の形態では、有効投与量は、ターゲット窒素排出量に基づき計算される。特定の実施形態では、尿中PAGNは、尿中クレアチニンの濃度と尿中PAGNの濃度との比率として決定されてもよい。特定の実施形態では、尿中PAGNは、窒素捕集ドラッグの投与量を投与するべきかまたは増やすべきか決定する際に考慮すべき因子であり、すなわち、尿中PAGNは、アンモニアレベルとともに評価され、ドラッグの投与量を投与するべきかまたは増やすべきか決定する。別の実施形態では、窒素捕集ドラッグの投与量を投与するべきかまたは増やすべきか決定するため、アンモニアレベルが単独で用いられ、尿中PAGNは、単に初期または調整された投与量を計算するために用いられる。

0057

窒素捕集ドラッグの有効投与量を決定する際に、他の様々な因子を考慮してもよいことは、当業者は認識するだろう。例えば、治療食(例えばタンパク質摂取量)や、内因性廃物窒素能力(例えば尿素合成能力)等の因子を考慮してもよい。

0058

ここに開示される方法を遂行するためのキットが、特定の実施形態でここに提供される。特定の実施形態では、窒素保持異常症による被験者に対して、窒素捕集ドラッグの投与量を投与するべきか調整するべきかどうか決定するためのキットが提供される。ここで開示されるキットは、サンプル中の血液アンモニアレベルを測定するため、一つ以上の窒素捕集ドラッグおよび/または一つ以上の試薬(例えばブロムフェノールブルー)または酵素(例えばグルタミン酸デヒドロゲナーゼ)を含んでもよい。キットは、さらに他の色素結合剤サーファクタントバッファ、安定剤、および/または血液サンプルを得るために必要な化学薬品およびサンプル中のアンモニアレベルを測定するために必要な化学薬品を含んでもよい。特定の実施形態では、ここで提供されるキットは、有形的表現媒体中に指示命令を備える。

0059

ここに記載される各種実施形態は組み合わせられることができることを、当業者は認識する。

0060

次の実施例は、ここに主張された発明をよりよく例示するために提供され、本発明の範囲を制限することとして解釈されるべきではない。具体的な材料を説明する限度での例示の目的だけのためにあり、本発明を制限する目的はない。当業者は、発明能力の訓練なしでかつ本発明の範囲から出発することなく等価の手段または反応物を開発することができるものである。本発明の範囲の中で、多くの変形例を、ここに記載される手順で作ることができることが理解されよう。これら変形例は本発明の範囲内で含まれることが、発明者の意図である。

0061

実施例1:UCD患者の空腹時アンモニアからの薬力学的アンモニア値の予測性の分析

0062

この実施例は、UCDのためにPAAプロドラッグを受容する患者における空腹時アンモニアと日常アンモニアの薬力学的(PD)プロファイルとの間の関係を例示するものである。アンモニア値は、UCD患者において、24時間の過程中、数倍のレベルで変化する。図3aおよび図3bに示されるように、静脈のアンモニアは、NaPBAまたはグリセロールフェニル酪酸(GPB)のいずれかの投与の後一週後の24時間測定された。このグラフは、24時間にわたる平均+/−SDとして、アンモニア値を表し、時間ゼロは、投薬および朝食の直前(すなわち絶食状態)に対応する。日常アンモニアレベル中のこの多様性を考慮し、UCD患者が最適に投薬されるかどうか決定することに対して、一回の測定だけでは、あまり有益ではない。UCD患者がその日一日および平均24時間経験する潜在的なアンモニア最高値および空腹時レベル等の単一測定からの平均24時間のアンモニアを予測する能力は、窒素捕集ドラッグ投薬ガイドラインおよび患者管理に対して、重要な実験的な関連性を有する。

0063

65人のUCD患者におけるNaPBA対HPN−100による定常状態治療中に、24時間のサンプリングによって評価されるアンモニアコントロールを比較している2つのフェーズ2の研究および1つのフェーズ3の研究からのデータを、分析に用いた。2つのフェーズ2の研究は、プロトコルUP 1204−003およびHPN−100−005を含む (Lee 2010年;Lichter−Konecki 2011年)。フェーズ3の研究は、HPN−100−006からのプロトコルを含む(Diaz 2011年)。

0064

異なる正常範囲で異なる病院実験室から得られるアンモニア値を、9〜35μmol/Lの標準実験室範囲に正規化した。患者人口は、年齢、UCD亜型およびドラッグの投与量の広い範囲を含み、これを表1にまとめた。

0065

0066

調査の分析:

0067

定常状態アンモニアに対して、以下のいくつかのPDパラメータ:AUC0−24hr、時間-正規化AUC、LogAUC、24時間にわたる最大のアンモニア値(Cmax)および平均アンモニアを探索した。定常状態アンモニアおよび空腹時アンモニアによる全三つの研究からの65人の被験者からのデータを用いた。所与の研究ドラッグに対してPKサンプリングが行われなかった被験者に対して、データの補完は行われなかった例外を除いて、欠損データは、プロトコルの中に特定される手順および統計解析計画に従って補完された。

0068

0時間(最初の日常投薬前)および投薬24時間後(次の日の最初の日常投薬前)の両方のサンプル収集回が、空腹時アンモニアの代表として評価された。時間点の選択による形状または関係の質の差は観測されなかった。

0069

空腹時アンモニアと薬物動態プロファイルとの間の関係が、HPN−100およびNaPBAに対して、別々に評価され、関係の強さまたは大きさに明白な差はなかった。したがって、両方のHPN−100およびNaPBA治療からの全てデータが用いられ、空腹時アンモニアに関する結論は、HPN−100およびNaPBAに両方に適用される。

0070

(1)空腹時アンモニアおよびAUC0−24hrと、(2)空腹時アンモニアおよび最大観測アンモニア(Cmax)との関係を、全患者集団に対して、視覚的に調査した。また、次の共変量:年齢、体重、性および食餌タンパク摂取量、の効果が観測された。空腹時アンモニアとAUC0−24hrとの間でポジティブおよび強い関係が観測され、空腹時アンモニアを増やすことで、AUC0−24hrおよび最大観測アンモニアが高くなるという関連が観測された(図2)。

0071

GEEモデリングによるAUC0−24hrの予測:

0072

このモデリングの目的は、被験者の空腹時アンモニアに基づき一日平均または最高実現されたアンモニアを予測することであった。異なる実験室で正常範囲も異なることを考慮し、全てアンモニア値を9〜35μmol/Lの基準範囲に正規化し、予測は固定値ではなくULNに参照づけた。

0073

一般化推定方程式(GEE)を用いて、各種アンモニアPD性質に対する空腹時アンモニアの予測能力モデル化した。GEE方法論を用い、反復計測が相関すると仮定して、カテゴリーデータの反復計測を分析した(Liang 1986年)。このモデルは、相関の大きさの知識を必要とせずに、相関構造との仮定の規格を可能にする。

0074

24時間のアンモニアプロファイルは、次のように様々な終点およびカットポイントを用いて、命令されたカテゴリーに分割された。
1)AUC[0−1.0*ULN(>1.0*ULN)];
2)AUC[0−1.5*ULN(>1.5*ULN)];
3)Cmax[0−1.0*ULN(>1.0*ULN)];
4)Cmax[0−1.5*ULN(>1.5*ULN)];および
5)Cmax[0−100]μmol/L。

0075

空腹時アンモニアの三つのレベルを、入力として別々のモデルとして考慮した:
1)[0−0.5*ULN];
2)[>0.5*ULN−<1.0ULN];および
3)[>1.0*ULN−1.5*ULN]。

0076

統計学分析ソフトウェアSAS)のProc Genmodを用い、一般化された線形モデルを、ロジットリンク機能とフィットさせた。投薬前の空腹時アンモニアは、モデル中唯一予測変数であった。交換可能な相関行列を有するGEEを用いて、データの反復的な性質(被験者当たり研究期間が2つ)をモデル化した。空腹時アンモニアに対するULNは、35μmol/Lと設定した。24時間にわたるAUCに対するULNは、840(35のμmol/L*24時間)、すなわち、参加している研究現場の正規化ULNである35μmol/L以下の一日平均アンモニアに対応するAUCであり、24時間の曲線の下の面積をサンプリング時間24時間で除して得られる。Davison, A.C. & Hinkley, D.V., Bootstrap Methodsand their Application, Cambridge University Press, London (1997), pp.358−362に概説される方法に従い、GEEモデルは、1,000回、ブートストラップ再サンプリングされた。これらのモデルの結果は、下の表2に示される。

0077

0078

上の表2から、表1の中に記載されるUCD患者集団中、ULNの半分以下の空腹時アンモニアを与えた時、範囲[0−840]のAUCを有することが真である確率は平均で84%、少なくとも67%、高くて93%であるということにつき、我々は、95%、確信することができると結論することができる。

0079

上の表2の第1列目によれば、9〜35μmol/Lの正常基準範囲(すなわち[0−0.5ULN]の範囲の空腹時アンモニア)の実験室で測定された空腹時アンモニア17μmol/LのUCD患者は、正常範囲の時間正規化AUC0−24hrを有する可能性が(67%〜93%の95%信頼区間)84%であり[AUC0−24hrが0−840または一日平均アンモニア]が35μmol/L]、1.5ULN未満のCmaxを有する可能性が76%(61%〜86%の95%信頼区間)、そして、100μmol/L以上のアンモニアを有しない可能性が93%(78%〜100%の95%の信頼区間)であることが示唆される。したがって、この患者は、最適にコントロールされており、一日中、アンモニアが高くなることはないだろう。

0080

この実施例は、空腹時アンモニアは、日常アンモニア曝露に強く相関し、日常平均または最大の日常濃度として評価されることを示し、ローカルラボの正常値の上レベルの半分を超えないターゲット空腹時値は、臨床上有用であると考えられ、同様に、24時間にわたるアンモニア値の実用的な予測因子としても有用であると考えられることを示している。さらに、0〜0.5ULNの範囲の空腹時アンモニアを有する被験者が、正常範囲のAUC0−24hrを有する可能性は84%である(0〜840または35μmol/Lの一日平均アンモニア)ことを、この実施例は示している。

0081

実施例2:UCD患者の空腹時血液アンモニアレベルに基づくHPN−100投与量の選択および調整

0082

患者Aは、成人のUCD患者で、アミノ酸補助成分および食餌蛋白質制限だけで管理されている。患者Aは、空腹時採血の前約8時間は、補助成分も食品も摂取しない。静脈の採血を実行し、空腹時血液アンモニアレベルは52μmol/Lであると測定される。この空腹時血液アンモニアレベルは採血を行っている研究室での血液アンモニアのULN、すなわち35μmol/Lと比較される。平均アンモニアレベルへの空腹時アンモニアレベルの相関に基づき、ULNの約1.5倍である患者Aの空腹時血液アンモニアレベルは、平均アンモニアが一日中正常範囲内にある可能性が45%だけであると決定される。したがって、血液アンモニアのULNへの空腹時血液アンモニアレベルの割合は、患者Aが、窒素捕集ドラッグによる治療から利益を得ていることを示すものである。

0083

医師は、患者AをHPN−100で治療することを選択する。初期投薬量が、体表面積に基づき決定され、あるいは、HPN−100ドラッグ標識化に従って指導される。患者A体表面積は、1.4m2であり、したがって、初期投与量は、1日当たり9mLまたは3mL TIDであると決定され、これは、HPN−100ラベル当たり最大可能な投薬量の約60%である。患者Aは、少なくとも7日間、HPN-100を9mL/日投与して治療し、付加的な採血のために戻す。この時点での空腹時血液アンモニアレベルは、33μmol/Lであり、これはULNをわずかに下回り、正常値の0.5〜1.0倍の範囲である。患者Aの血液アンモニアレベルは、各食事にHPN−100を3mLの投与量で投与した後、一日を通してモニターされる。患者Aの最大アンモニアは、夕食後に95のμmol/Lに到達し、一日平均アンモニアが66μmol/Lであることが観察されており、これは、正常範囲の上限のほぼ2倍である。したがって、HPN−100の患者A投与量は、約1/3増加して全体で12mL、または4mL TIDである。患者Aは、少なくとも7日間のHPN-100の後に戻す。患者Aの空腹時アンモニアレベルは15μmol/Lであり、それはULN範囲の半分未満である。患者Aは、満足なアンモニアコントロールに到達したということができる。

0084

患者Aが処方された治療食に固執した場合は、最大の日常アンモニアは、約52μmol/Lを超えないと予想され、すなわち95%の信頼による75%の平均見込みでULNの約1.5倍である。平均アンモニアレベルは、84%を超える見込みおよび95%の信頼で、日中の平均アンモニアレベルは正常範囲内に保たれると予想される。さらに、患者Aの最大の日常アンモニアが日中100μmol/Lに到達するとは、ほぼ考えられない。

0085

実施例3:UCD患者への空腹時血液アンモニアレベルに基づくHPN−100投与量の調整

0086

患者Bは、11UCD患者であり、1日当たりブフェニル(登録商標)24錠、アミノ酸補助食品および食餌蛋白質摂取量の制限を受けている。患者Bは、空腹時朝採血の前約6時間、ブフェニル(登録商標)、補助成分または食品を消費しない。静脈採血が実行され、および、空腹時血液アンモニアレベルは、40μmol/Lであると測定された。この空腹時血液アンモニアレベルは、採血を実行した研究室の血液アンモニアのULN、すなわち35μmol/Lと比較した。空腹時アンモニアレベルの平均アンモニアレベルとの相関に基づき、ULNの1〜1.5倍に収まる患者Bの空腹時血液アンモニアレベルは、日中に平均アンモニアを有する可能性が55%であり、これは正常範囲より大きく、また、日中の患者のアンモニアが52μmol/Lよりも高くなる、またはULNの1.5倍になる可能性が65%であることがわかった。

0087

患者および患者の母との議論に基づき、医師は、患者Bが薬物投与に従っていなかったと疑い、HPN−100に変えることに決めた。初期投与量は、患者Bが服用していたブフェニル(登録商標)の量に基づき決定され、患者Bは、1日当たり10.5mLのHPN−100をとる必要があることが決定された。患者Bは少なくとも7日間、一日当たり3回、3.5mLのHPN−100で治療され、その後付加的な採血のために戻った。この時点での患者の空腹時血液アンモニアレベルは、17μmol/Lであり、これはULNを下回り、正常値の0〜0.5倍に収まった。患者Bは、満足なアンモニアコントロールに到達したことがわかった。

0088

患者Bが処方された治療食に固執すれば、最大の日常アンモニアは、約50μmol/Lより高くならないと予想され、これはULNの1.5回未満である。この患者の一日のうちの平均アンモニアレベルが正常範囲内に収まる見込みが、平均84%を超えると予想される。さらに、患者Bの一日のうちの最大の日常アンモニアが100μmol/Lを超える可能性は、非常に低い(7%)。

0089

実施例4:UCD患者の空腹時血液アンモニアレベルに基づく安息香酸ナトリウム投与量の選択および調整

0090

患者Cは、成人のUCD患者であり、PBAへのアレルギーを有し、したがって、アミノ酸補助成分および食餌蛋白質制限だけで管理している。患者Cは、慢性の頭痛および頻繁な吐き気を訴えている。患者Cは、空腹時朝採血の前約8時間、補助成分も食品も摂取しない。静脈採血を実行し、空腹時血液アンモニアレベルは77μmol/Lであることがわかった。この空腹時血液アンモニアレベルは、採血を実行した研究室の血液アンモニアのULN、すなわち35μmol/Lと比較した。空腹時アンモニアレベルの平均アンモニアレベルとの相関に基づき、患者Cの空腹時血液アンモニアレベルがULNの約2倍であるということは、アンモニアレベルが一日のうち100μmol/Lよりも高くなる見込みが高いことを示しているということがわかる。したがって、ULNへの空腹時血液アンモニアレベルの血液アンモニアに対する割合は、患者Cは、窒素捕集ドラッグの治療から利益を得ていることを示すものである。

0091

患者がPBAに対してアレルギーを有しているので、医師は、1日当たり15gの安息香酸ナトリウムで患者Cを治療することに決める。患者Cは、少なくとも7日間、15g/日の安息香酸ナトリウムで治療され、その後付加的な採血のために戻る。この時点での空腹時血液アンモニアレベルは35μmol/Lであり、これはULNに等しい。安息香酸ナトリウムの患者C投与量は、約30%増やされ、1日当たり18グラムとした。少なくとも治療7日目以降、患者Cの空腹時アンモニアレベルは15μmol/Lであり、それはULNの半分未満である。患者Cは、満足なアンモニアコントロールに到達したことがわかった。

0092

患者Cが彼の処方された治療食および薬物投与を忠実に守るならば、彼の最大の日常アンモニアは、約52μmol/Lを超えないと予想され、それは、ULNの約1.5倍である。一日の平均アンモニアレベルは、80%を超える見込みで正常範囲内に収まると予想される。さらに、患者Cの最大の日常アンモニアが一日のうち100μmol/Lに到達するとはほぼ考えられない。

0093

実施例5:神経認知の結果のアンモニアコントロールの効果の評価

0094

UCD患者は、多分に知的に劣っており、神経認知の機能が損なわれているという欠点があることが示されている(Kirvitsky 2009年)。これらの神経心理学的欠陥は、慢性的に高いアンモニアにおいて散見される急性アンモニア過剰血症の反復エピソードに帰される。神経心理学的機能および/または脳イメージングにおける異常は、正常なIQを示しおよび/または臨床的に正常とされるマイルドな異常症のUCD患者にも検出されている(Gropman 2008年a;Gropman 2008年b)。したがって、正常境界内に一日平均アンモニアを維持することで長期アンモニア負担を低減することにより、認知が改善すると仮定した。

0095

空腹時アンモニアをULNの半分またはその近辺に維持してアンモニア負担を低減することと、小児科のUCD患者の神経心理学的結果との関係を、臨床試験で調査した。年齢6〜17歳の11人の小児科の患者を登録し、アンモニアのコントロールに、NaPBAとHPN−100との短期切換え比較を行った。これらの患者に対して、拘束状態で24時間連続的サンプル収集がなされ、24時間経過時の最終のサンプルでは空腹時とみなされ研究員監視下にあった。HPN−100による治療の終わりに、24時間経過点での平均空腹時アンモニアは、15.5μmol/LまたはULNの半分未満であり、良好な臨床的コントロールを示していた。これらの11人の患者は、別の15人の小児科患者と共に、2つの長期間研究に登録され、12月間のHPN−100を投与され、毎月の空腹時アンモニアが収集された。登録の時点でおよび研究の終わりの時点で、全ての患者は、以下を含む神経心理学的転帰の評価を受けた:日々の実行機能を評価するBRIEF(Behavior Rating Inventory of Executive Function:実行機能の挙動評価リスト);内面(例えば気分/不安)および具体的行動を評価するCBCL(Child Behavior Checklist:子供行動チェックリスト);知的能力を評価するWASI(Wechsler Abbreviated Scale of Intelligence:ウェクスラー成人知能検査)。

0096

HPN−100による12ヵ月の治療中、小児科のUCD患者は、急性のアンモニア過剰血症のエピソードを経験する頻度が、12ヵ月前の登録時に比べて少なくなり(登録前はエピソードが9件に対して、研究中のエピソードは5件)、ピークアンモニアが登録前は233μmol/L平均であったのが、研究中は166μmol/Lに下がった。空腹時アンモニアは、コントロール下にあり、月平均は、ULNの半分またはその近辺、17〜22μmol/Lの範囲にあった。毎月の研究受診前に患者は空腹のままでいるよう指示されていたが、一部のアンモニアサンプルを空腹で無い状態でとった結果、月平均アンモニアはULNの半分よりもわずかに高かった。

0097

小児科の患者において、WASIおよびCBCL評点は、ベースラインと比較して安定していた。ベースラインでのBRIEFサブスケールの大部分は、65またはその近辺にあり、境界線および/または臨床上顕著な機能不全合致した。12か月の神経心理学的試験を完了した22人の小児科の被験者の中で、全てBRIEFドメインは、改善され(T評点が低い)、研究終了時点の平均(SD)を行動調節指数(Behavioral Regulation Index)のベースラインと比較し、53.7(9.79)対60.4(14.03)(p<0.05)であり、メタ認知指数(Metacognition Index)は57.5(9.84)対67.5(13.72)(p<0.001)、世界的行動スケール(Global Executive Scale)は56.5(9.71)対66.2(14.02)(p<0.001)であった。

0098

小児科のUCD患者のこの群における実行機能の中に顕著な改善は、長期間アンモニアコントロールの重要性を示すとともに、空腹時アンモニアのターゲットレベルが実現されたことを示している。

0099

実施例6:PAAレベルの高さとUCD患者および健康者の神経AEとの相関

0100

PAAの高い血漿レベルは、頭痛、吐き気、傾眠、その他を含むことアンモニア過剰血症に関連する徴候に倣った徴候を引き起こすことがある。この徴候が共通かつ非特異的であるため、この徴候を示し、かつPAAプロドラッグ受容する窒素保持異常症の被験者において、正常値の上限の半分未満のアンモニアレベルが見られれば、医者に血漿PAAレベルを検査することを促すものである。

0101

高いPAAレベルと神経AEとの間の関係は、次の三種類の集団で評価された:(1)厳密なQTc研究用の、GPB4〜12mLのTIDを投薬される130人の健康な成人;(2)54人の成人および11人の小児科(年齢6〜17歳)のUCD患者で、3つのプロトコルの一つに登録され、短期(2-4週)のNaPBA対GPBの切替え比較に関与している;(3)2つのほとんど同一の12ヵ月のGPB治療プロトコルに登録される77人の患者。集団1および2では、ロジットリンク機能および投与量およびPAAレベルの効果について、正確な非母数マン-ホイットニー試験および一般化推定方程式(GEE)を用い、MEDDRAによって定義される神経のAEに対して、最大のPAA(すなわちCmax)レベルを分析した。また、PAAレベルとThiebaultによって報告されたAEの催起との間の関係を集団3で調べた。

0102

GPBにおいてもNaPBAにおいても、統計学的に顕著な関係は、神経AEとPAAレベルとの間で観測されなかった。組み合わせた2つのドラッグに対するPAAレベルの増加分である各20μg/mLで生じている神経学上のAEのオッズ比は、0.95であり、1に非常に近い。したがって、これらの研究の中に用いられる範囲において、HPN−100またはNaPBAが投薬されるUCD患者間で、PAA(最高で244μg/mLの範囲)のレベルの上昇は、神経AEの増加には関連しなかった。同様に、集団3では、PAAレベルは経時的に増加せず、神経AEとの明らかな関連は示さず、神経AEは経時的に頻度が増えなかった。最高PAAレベル(410μg/mL)をもつ小児科の患者は、採血のタイミングの近くで神経AEの報告が無かった。

0103

UCD被験者と異なり、神経系AEを報告した健康な成人の志願者は、そうでない人より統計学的に非常に高いPAAのCmaxレベルを有していた。健康な成体におけるこの分析は、高い投与量群はサンプルの大きさが小さいと同様に、常にAEの催起の時点でのPAAレベルが入手可能でないという事実によって妥協して処理されるものの、1.75(p=0.006)というオッズ比は、PAAのレベルを上昇させると、健康な成体でも神経系AEを経験する確率が上昇すると関連することを示唆するものである。一般に健康な成体によって報告されるAEは、投薬から36時間内に開始し、調査を継続した成人の中での多くが、投薬の継続で軽快した。

0104

継続された投薬で一般に解決した神経AEの催起と、PAAレベルとの間の顕著な関係が、健常ボランティアに検出された。健康な成人と異なり、投与量およびPAAレベルの同様の範囲では、UCD患者では、PAAのCmaxと神経AEとの間の相関は無かった。
これらの発見は、集団の中で代謝の差(例えばUCD患者は、健康体と比較して高いグルタミンレベルを示す)および/または継続された投薬による代謝の適応を反映していると考えられる。

0105

NaPBAおよびGPBの3つの切替え研究に参加した53人の成人および11人の小児(年齢6〜17歳)のUCD患者から、2981点([PBA]、[PAA]、[PAGN]、および尿PAGN[UPAGN])のデータポイントに基づいて、NONMEMバージョン7.2)を用いた短期の切替えハイペリオン研究に参加した65人のUCD患者に対して、集団PKモデル構築を実行した。m2当たりPBAのグラムとして表される中央値GPB投与量は、それぞれ、小児被験者は8.85、および成人被験者に対して7.01であった。診断プロットおよび統計的比較を用いて、候補の中からモデルを選択し、図式解法および共変量モデリングによって共変量を評価した。最終のpopPKモデルおよびパラメータ推定を用い、NaPBAおよびGPB投与量の範囲で、〜1000人の仮想患者モンテカルロシミュレーションを実行し、全身代謝物曝露およびUPAGN排出量を予測した。

0106

最もよくデータにフィットする最終のモデルは、(a)全身循環に到達する前のPAGNへのPBAの部分的な転換、(b)PAGNへのPAAの可飽和転換(Km約161μg/mL)、および(c)GPB対NaPBAとして輸送された際に約60%遅いPBA吸収によって特徴づけられた。体表面積(BSA)は、顕著な共変量であり、このため、代謝物浄化値は、BSAに対して比例していた。PBAの全身循環前の部分的な物質代謝は、成人は、GPB(43%対14%)を服用する小児科の患者よりも高く、NaPBA(23%対43%)に対しては逆が真であった。シミュレーションされたGPB投薬に基づき予測された中央値PAA曝露は、PBAで、約13%〜22%はNaPBAの13g/m2と等価であり成人でNaPBAより低く(Cmax = 82 vs. 106 μg/mL; AUC0−24 = 649 vs. 829 μg.h/m)、年齢6〜17歳の小児科被験者では約13%NaPBAよりも高く(Cmax = 154 vs. 138 μg/mL; AUC0−24 = 1286 vs. 1154 μg.h/mL);予測された上側95パーセンタイルPAA曝露は、500μg/mLよりも低く、NaPBA対GPBで成人被験者に対して25%〜40%低く、小児科の被験者に対しても同様であった。NaPBAの約5g/m2と等価のPBAでの投薬シミュレーションによれば、両方のドラッグおよび小児科患者および成人患者に対して、同様かつ可変でないPAA曝露が生じた。GPBまたはNaPBAとして経口的に投与されたか否かに関係なく、UPAGNとしてのPBAの回復も、非常に類似していた。

0107

PopPKモデリングおよび投薬シミュレーションに基づくこれらの発見が示唆するところによれば、NaPBAまたはHPN−100を含むPAAプロドラッグで治療される大部分の患者が毒性に関連すると報告されているレベルよりも低いPAAレベルを有しており、また、PAAレベルおよび神経のAEの間の関係が、集団ベースで見いだされなかったのであるが、頭痛または吐き気等の徴候を示している個々の患者は、アンモニア過剰血症または高PAAレベルを患っている可能性があり、空腹時アンモニアレベルが正常値の上限の半分以下である場合は、医者に血漿PAAレベルを検査することを促すものである。

0108

上述の通り、前述のことは単に本発明の各種実施形態を例示する目的とするのみである。上で検討される具体的な変形は、本発明の範囲の限界として解釈されるものではない。各種同等物、変形および変更は、本発明の範囲から逸脱すること可能であることは、当業者にとって明らかであり、これと等価の実施形態がここで含まれることが理解されよう。ここに引用される全ての参考文献は、参照事項として本願に本願されるものである。

0109

参考文献
1. Brusilow Science 207:659 (1980)
2. Brusilow Pediatr Res 29:147 (1991)
3. Diaz Mol Genet Metab 102:276 (2011)
4. Gropman Mol Genet Metab 94:52 (2008a)
5. Gropman Mol Genet Metab 95:21 (2008b)
6. Lee Mol Genet Metab 100:221 (2010)
7. Liang Biometrika 73:13 (1986)
8. Lichter−Konecki Mol Genet Metab 103:323 (2011)
9. McGuire Hepatology 51:2077 (2010)
10. Thibault Cancer Res 54:1690 (1994)
11. Thibault Cancer 75:2932 (1995)

実施例

0110

1.窒素捕集ドラッグを現在服用している被験者に対して、窒素捕集ドラッグの投薬を増加させるべきか否かを決定するための方法であって、
a)被験者の空腹時血液アンモニアレベルを測定することと、
b)空腹時血液アンモニアレベルを正常の血液アンモニアレベルの上限と比較し、空腹時血液アンモニアレベルが正常の血液アンモニアレベルの上限の半分より大きい場合は投薬を増加する必要があるとして、窒素捕集ドラッグの投薬を増加させるべきかどうか決定することとを含む方法。
2.窒素保持異常症を有する被験者に窒素捕集ドラッグを投与するべきかどうか決定するための方法であって、
a)被験者の空腹時血液アンモニアレベルを測定することと、
b)空腹時血液アンモニアレベルを正常の血液アンモニアレベルの上限と比較し、空腹時血液アンモニアレベルが正常の血液アンモニアレベルの上限の半分より大きい場合は窒素捕集ドラッグを被験者に投与する必要があるとして、被験者に窒素捕集ドラッグを投与するべきかどうか決定することとを含む方法。
3. 以前に窒素捕集ドラッグを投与されていた、窒素保持異常症を有する被験者を治療する方法であって、
a)被験者の空腹時血液アンモニアレベルを測定することと、
b)空腹時血液アンモニアレベルを正常の血液アンモニアレベルの上限と比較し、空腹時血液アンモニアレベルが正常の血液アンモニアレベルの上限の半分より大きい場合は投薬量を増加して窒素捕集ドラッグを投与することとを含む方法。
4. c)必要があれば、窒素捕集ドラッグの投薬量を増加して投与することをさらに含む請求項1に記載の方法。
5. 窒素保持異常症は、尿素サイクル異常症と、肝性脳症とからなる群より選択される請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
6. 窒素捕集ドラッグは、PAAプロドラッグである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
7. PAAプロドラッグは、グリセリルトリ−[4−フェニル酪酸](HPN−100)、フェニル酪酸(PBA)、ナトリウムPBA(NaPBA)、および、HPN−100、PBAおよびNaPBAのうちの2以上の組合せから成る群より選択される請求項6に記載の方法。
8. 窒素捕集ドラッグは、安息香酸ナトリウムである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
9. 窒素捕集ドラッグの投薬量を増加して投与することにより、被験者中に正常な一日平均アンモニアレベルを生成する請求項3または4に記載の方法。
10. ステップ(b)の前に、被験者のための血液アンモニアレベルの正常の上限を決定するステップをさらに有する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
11. 正常血液アンモニアレベルの上限は、35μmol/Lである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
12. c)尿のPAGN排泄を測定することと、
e)PAAプロドラッグを60〜75%の尿中PAGNに平均転換することに基づき、PAAプロドラッグの有効投与量を決定することとをさらに含む請求項6に記載の方法。

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