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技術 密封装置及び密封装置付ハブユニット軸受

出願人 日本精工株式会社
発明者 青木梨紗
出願日 2015年9月30日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2015-193078
公開日 2017年4月6日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2017-067166
状態 特許登録済
技術分野 軸受の密封 弾性リップ型 流体シール,非接触シール,油切り ころがり軸受
主要キーワード 外向きリップ 摺接点 内向きリップ 外部空間側 回転フランジ 未舗装道路 摺接状態 外径縁
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

特にスプラッシュへの耐性を向上して、耐久性を確保した密封装置、及び密封装置付ハブユニット軸受を提供する。

解決手段

組み合わせシールリング10aは、外径側シールリング14aと内径側シールリング15aとを組み合わせて成り、3枚の外向きシールリップを備えている。更に、外径側円輪部18の内周縁に設けた、径方向内側に向かうに従い軸方向内部側に延びるグリースリップ32の先端部を、内径側円筒部22に対して摺接させると共に、内径側円輪部23aの外周縁に設けたラビリンスリップ31の先端部を、外径側円筒部17の軸方向外部側の内周面に対して近接対向して、ラビリンスシール34を形成している。

概要

背景

自動車車輪懸架装置に対して回転自在に支持する密封装置付ハブユニット軸受として、例えば、図5に示す様な構造が知られている。密封装置付ハブユニット軸受1は、静止側軌道輪である外輪2と回転側軌道輪であるハブ3とを互いに同心に配置している。そして、外輪2の内周面に設けた複列外輪軌道4と、ハブ3の外周面に設けた複列の内輪軌道5との間に、転動体である玉6を、各列に複数個ずつ転動自在に配置している。ハブ3の外周面には、車輪(不図示)を支持固定する為の回転フランジ7を設けている。本構成により、懸架装置に支持固定される外輪2の内径側に、車輪を固定したハブ3を回転自在に支持している。

外輪2の内周面とハブ3の外周面との間で、玉6を設置してグリース封入された内部空間8の両端開口は、それぞれが密封装置であるシールリング9と組み合わせシールリング10とにより、全周に亙り塞いでいる。シールリング9は、金属板製の芯金11とシール部材12とを備えている。シール部材12は、ゴムの如きエラストマー製で、複数本(図示の例では3本)のシールリップ13を有している。そして、芯金11を外輪2の軸方向一端部の内周面に締り嵌めで内嵌した状態で、各シールリップ13の先端縁をハブ3の外周面に、それぞれ全周に亙り摺接させている。

図6(特許文献1参照)に示す組み合わせシールリング10は、外径側シールリング14と内径側シールリング15とを組み合わせて成る。外径側シールリング14は、金属板製の外径側芯金16とシール部材19とを備えている。外径側芯金16は、金属板を曲げ成形する事により断面L字形で全体を円環状に構成したもので、外径円筒部17と、外径側円筒部17の軸方向端縁から径方向内側に折れ曲がった外径側円輪部18とから成る。シール部材19は、シールリップ20cを備えている。この様な外径側シールリング14は、外径側円筒部17を外輪2の軸方向他端部の内周面に締り嵌めで内嵌固定している。一方、内径側シールリング15は、金属板製の内径側芯金21とシール部材24とを備えている。内径側芯金21は、金属板を曲げ成形する事により断面L字形で全体を円環状に構成したもので、内径側円筒部22と、内径側円筒部22の軸方向端縁から径方向外側に折れ曲がった内径側円輪部23とから成る。シール部材24は、2本のシールリップ20a,20bを備えている。内径側円輪部23の軸方向側面には、エンコーダ25が固定されている。この様な内径側シールリング15は、内径側円筒部22をハブ3の軸方向他端部の外周面に締り嵌めで外嵌固定している。

外径側シールリング14と内径側シールリング15とを組み合わせた状態で、外径側シールリング14を構成するシールリップ20cの先端縁を、内径側芯金21を構成する内径側円筒部22の外周面に、全周に亙って摺接させている。これに対して、内径側シールリング15を構成するシールリップ20a,20bの先端縁を、外径側芯金16を構成する外径側円筒部17の内周面、及び外径側円輪部18の軸方向側面に、それぞれ全周に亙って摺接させている。尚、図6には、各シールリップ20a,20b,20cの自由状態での形状を示している。

上述した様な組み合わせシールリング10は、小形低トルクでありながら、3枚の外向きのシールリップ(シールリップの先端部が外部空間側に向いた状態で形成)により高い密封性耐久性とを備えている。しかしながら、泥水等がかかる厳しい条件で使用される密封装置付ハブユニット軸受1の耐久性を確保する為には、組み合わせシールリング10の更なる密封性能の向上が求められている。近年の自動車が使用される地域の広がりに伴い、未舗装道路で使用される車両が増加してきており、特に、回転する車輪が泥水(雨水)等を跳ね上げスプラッシュへの耐性が、密封装置に対して求められている。

概要

特にスプラッシュへの耐性を向上して、耐久性を確保した密封装置、及び密封装置付ハブユニット軸受を提供する。組み合わせシールリング10aは、外径側シールリング14aと内径側シールリング15aとを組み合わせて成り、3枚の外向きシールリップを備えている。更に、外径側円輪部18の内周縁に設けた、径方向内側に向かうに従い軸方向内部側に延びるグリースリップ32の先端部を、内径側円筒部22に対して摺接させると共に、内径側円輪部23aの外周縁に設けたラビリンスリップ31の先端部を、外径側円筒部17の軸方向外部側の内周面に対して近接対向して、ラビリンスシール34を形成している。

目的

本発明は、上述の様な事情に鑑みて、ハブユニット軸受の内部空間の端部開口を塞ぐ、密封装置である組み合わせシールリングの密封性能に関して、特にスプラッシュへの耐性を向上して、耐久性を確保した密封装置、及び密封装置付ハブユニット軸受を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

外径側シールリング内径側シールリングとを組み合わせて成り、前記外径側シールリングは、外径側芯金シールリップとを備え、全体を円環状に構成された前記外径側芯金は、外径円筒部と、前記外径側円筒部の軸方向端縁から径方向内側に延びる外径側円輪部とから成り、前記内径側シールリングは、内径側芯金とシールリップとを備え、全体を円環状に構成された前記内径側芯金は、内径側円筒部と、前記内径側円筒部の軸方向端縁から径方向外側に延びる外径側円輪部とから成り、前記外径側シールリングのシールリップが、前記内径側円筒部に摺接しており、前記内径側シールリングのシールリップが、前記外径側円筒部及び前記外径側円輪部に摺接している密封装置であって、前記外径側円輪部の内周縁にグリースリップを設け、前記グリースリップの先端部は、径方向内側に向かうに従い軸方向内部側に延びた状態で、前記内径側円筒部に対して全周に亙って摺接しており、前記内径側円輪部の外周縁ラビリンスリップを設け、前記ラビリンスリップの先端部は、前記外径側円筒部の軸方向外部側の内周面に対して全周に亙って近接対向して、ラビリンスシールを形成している事を特徴とする密封装置。

請求項2

前記内径側円輪部の外径寄り部分に、軸方向内部側に凹んだ芯金凹部を設け、前記芯金凹部に前記ラビリンスシールの根元部を固定している、請求項1に記載した密封装置。

請求項3

内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面内輪軌道を有するハブと、前記外輪軌道と前記内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、前記転動体を設置した内部空間の端部開口を塞ぐ組み合わせシールリングとを備え、前記組み合わせシールリングが、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した密封装置である密封装置付ハブユニット軸受

技術分野

0001

本発明は、自動車車輪懸架装置に対して回転自在に支持する軸受ユニットのうち、転動体を設置した内部空間の端部開口を塞ぐ密封装置、及びこの密封装置を装着した密封装置付ハブユニット軸受に関する。

背景技術

0002

自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する密封装置付ハブユニット軸受として、例えば、図5に示す様な構造が知られている。密封装置付ハブユニット軸受1は、静止側軌道輪である外輪2と回転側軌道輪であるハブ3とを互いに同心に配置している。そして、外輪2の内周面に設けた複列外輪軌道4と、ハブ3の外周面に設けた複列の内輪軌道5との間に、転動体である玉6を、各列に複数個ずつ転動自在に配置している。ハブ3の外周面には、車輪(不図示)を支持固定する為の回転フランジ7を設けている。本構成により、懸架装置に支持固定される外輪2の内径側に、車輪を固定したハブ3を回転自在に支持している。

0003

外輪2の内周面とハブ3の外周面との間で、玉6を設置してグリース封入された内部空間8の両端開口は、それぞれが密封装置であるシールリング9と組み合わせシールリング10とにより、全周に亙り塞いでいる。シールリング9は、金属板製の芯金11とシール部材12とを備えている。シール部材12は、ゴムの如きエラストマー製で、複数本(図示の例では3本)のシールリップ13を有している。そして、芯金11を外輪2の軸方向一端部の内周面に締り嵌めで内嵌した状態で、各シールリップ13の先端縁をハブ3の外周面に、それぞれ全周に亙り摺接させている。

0004

図6(特許文献1参照)に示す組み合わせシールリング10は、外径側シールリング14と内径側シールリング15とを組み合わせて成る。外径側シールリング14は、金属板製の外径側芯金16とシール部材19とを備えている。外径側芯金16は、金属板を曲げ成形する事により断面L字形で全体を円環状に構成したもので、外径円筒部17と、外径側円筒部17の軸方向端縁から径方向内側に折れ曲がった外径側円輪部18とから成る。シール部材19は、シールリップ20cを備えている。この様な外径側シールリング14は、外径側円筒部17を外輪2の軸方向他端部の内周面に締り嵌めで内嵌固定している。一方、内径側シールリング15は、金属板製の内径側芯金21とシール部材24とを備えている。内径側芯金21は、金属板を曲げ成形する事により断面L字形で全体を円環状に構成したもので、内径側円筒部22と、内径側円筒部22の軸方向端縁から径方向外側に折れ曲がった内径側円輪部23とから成る。シール部材24は、2本のシールリップ20a,20bを備えている。内径側円輪部23の軸方向側面には、エンコーダ25が固定されている。この様な内径側シールリング15は、内径側円筒部22をハブ3の軸方向他端部の外周面に締り嵌めで外嵌固定している。

0005

外径側シールリング14と内径側シールリング15とを組み合わせた状態で、外径側シールリング14を構成するシールリップ20cの先端縁を、内径側芯金21を構成する内径側円筒部22の外周面に、全周に亙って摺接させている。これに対して、内径側シールリング15を構成するシールリップ20a,20bの先端縁を、外径側芯金16を構成する外径側円筒部17の内周面、及び外径側円輪部18の軸方向側面に、それぞれ全周に亙って摺接させている。尚、図6には、各シールリップ20a,20b,20cの自由状態での形状を示している。

0006

上述した様な組み合わせシールリング10は、小形低トルクでありながら、3枚の外向きのシールリップ(シールリップの先端部が外部空間側に向いた状態で形成)により高い密封性耐久性とを備えている。しかしながら、泥水等がかかる厳しい条件で使用される密封装置付ハブユニット軸受1の耐久性を確保する為には、組み合わせシールリング10の更なる密封性能の向上が求められている。近年の自動車が使用される地域の広がりに伴い、未舗装道路で使用される車両が増加してきており、特に、回転する車輪が泥水(雨水)等を跳ね上げスプラッシュへの耐性が、密封装置に対して求められている。

先行技術

0007

特開2007−292092号公報
特開昭59−164457号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、上述の様な事情に鑑みて、ハブユニット軸受の内部空間の端部開口を塞ぐ、密封装置である組み合わせシールリングの密封性能に関して、特にスプラッシュへの耐性を向上して、耐久性を確保した密封装置、及び密封装置付ハブユニット軸受を提供する事を課題とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明の密封装置は、外径側シールリングと内径側シールリングとを組み合わせて成り、前記外径側シールリングは、外径側芯金とシールリップとを備え、全体を円環状に構成された前記外径側芯金は、外径側円筒部と、前記外径側円筒部の軸方向端縁から径方向内側に延びる外径側円輪部とから成り、前記内径側シールリングは、内径側芯金とシールリップとを備え、全体を円環状に構成された前記内径側芯金は、内径側円筒部と、前記内径側円筒部の軸方向端縁から径方向外側に延びる外径側円輪部とから成り、
前記外径側シールリングのシールリップが、前記内径側円筒部に摺接しており、前記内径側シールリングのシールリップが、前記外径側円筒部及び前記外径側円輪部に摺接している。

0010

特に、本発明の密封装置に於いては、前記外径側円輪部の内周縁にグリースリップを設け、前記グリースリップの先端部は、径方向内側に向かうに従い軸方向内部側に延びた状態で、前記内径側円筒部に対して全周に亙って摺接しており、前記内径側円輪部の外周縁ラビリンスリップを設け、前記ラビリンスリップの先端部は、前記外径側円筒部の軸方向外部側の内周面に対して全周に亙って近接対向して、ラビリンスシールを形成している。
更に、前記内径側円輪部の外径寄り部分に、軸方向内部側に凹んだ芯金凹部を設け、前記芯金凹部に前記ラビリンスシールの根元部を固定している。
更に、密封装置付ハブユニット軸受は、内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有するハブと、前記外輪軌道と前記内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、前記転動体を設置した内部空間の端部開口を塞ぐ組み合わせシールリングとを備えており、前記組み合わせシールリングが、前記密封装置である。

発明の効果

0011

上述の様に構成する本発明の密封装置によれば、外径側シールリングと内径側シールリングとの間に存在する、組み合わせシールリングの密封空間への、泥水等の異物侵入を効果的に防止できる。即ち、本発明の密封装置である組み合わせシールリングの場合、ラビリンスシールを、外径側シールリングと内径側シールリングとの間に存在する密封空間の外部空間側に設けている為、ラビリンスシールを通過して、外部空間から密封空間迄入り込む異物(スプラッシュ)の量を、僅少に抑えられる。弾性材製のラビリンスリップによりラビリンス隙間の幅を狭くできる為、ラビリンスシールを通過する異物の量を僅少に抑えられる。この結果、本発明の密封装置は長期間に亙り良好な密封性能を得られ、この密封装置を装着した、密封装置付きハブユニット軸受の耐久性を確保できる。

図面の簡単な説明

0012

第1実施形態を示す、組み合わせシールリングの断面図(自由状態)。
内径側シールリングの製造方法を説明する金型の断面図。
図1を、シールリップが芯金に摺接した状態を示す断面図。
第2実施形態を示す、組み合わせシールリングの断面図。
従来構造の1例を示す、密封装置付ハブユニット軸受の断面図。
従来構造の1例を示す、組み合わせシールリングの断面図。

実施例

0013

[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態を示している。本実施形態を含めて本発明の密封装置である組み合わせシールリング10a、及び密封装置付ハブユニット軸受の特徴は、ラビリンスリップ31及びグリースリップ32を設ける事により、組み合わせシールリング10aのシール性能を長期間に亙って良好に保ち、密封装置付ハブユニット軸受の耐久性を向上する構造にある。その他の部分の構成及び作用に就いては、前述の図5,6に示した組み合わせシールリング10及び密封装置付ハブユニット軸受1と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
尚、本実施形態の組み合わせシールリング10aは、図1〜4の左側(外径側円輪部18の側)を内部空間8と隣接させた状態で密封装置付ハブユニット軸受に装着される。従って、本明細書及び請求項に於いては、軸方向に関して、図1〜4の左側を内部側と言う。反対に、異物が存在する外部空間側となる図1〜4の右側(内径側円輪部23aの側)を、外部側と言う。

0014

本実施形態の組み合わせシールリング10aは、1対のシールリングである、外径側シールリング14aと内径側シールリング15aとを組み合わせて、断面矩形で全体を円環状に構成している。外径側シールリング14aは、外径側芯金16とシール部材19aとを備えている。外径側芯金16は、軟鋼板等の金属板を折り曲げる事により、断面L字形で全体を円環状に形成しており、円筒形状である外径側円筒部17と、外径側円筒部の軸方向内部側の端縁図1の左側の縁)から径方向内側に延びる外径側円輪部18とから成る。シール材19aは、ゴムの如き弾性材製で、外径側円輪部18に対して全周に亙って加硫成形されており、外径側円輪部18の内周縁にシールリップ20cとグリースリップ32とを有し、外径側円輪部18の外周縁にシール凸条33を有している。グリースリップ32は、各シールリップ20a,20b,20cのうちで最も内部空間8寄りに位置するシールリップ20cよりも、さらに軸方向内部側(内部空間8側)に位置している。

0015

内径側シールリング15aは、内径側芯金21aとシール部材24aとを備えている。内径側芯金21aは、軟鋼板等の金属板を折り曲げる事により、断面L字形で全体を円環状に形成しており、円筒形状である内径側円筒部22と、内径側円筒部の軸方向外部側の端縁(図1の右側の縁)から径方向外側に延びる内径側円輪部23aとから成る。内径側円輪部23aの外径寄り部分には、軸方向内部側に凹ませた、円輪状の芯金凹部30を形成している。シール材24aは、ゴムの如き弾性材製で、芯金凹部30に対して全周に亙って加硫成形されており、芯金凹部30の軸方向内部側面にシールリップ20bを有し、芯金凹部30の外周縁にシールリップ20a及びラビリンスリップ31を有している。ラビリンスリップ31は、各シールリップ20a,20b,20cのうちで最も外部空間寄りに位置するシールリップ20aよりも、さらに軸方向外部側(外部空間側)に位置している。

0016

外径側シールリング14aと内径側シールリング15aとを組み合わせた状態では、外径側シールリング14aを構成するシールリップ20c及びグリースリップ32の先端部が、内径側芯金21aを構成する内径側円筒部22の外周面に、全周に亙って摺接する。一方、内径側シールリング15aを構成するシールリップ20a,20bの先端部が、外径側芯金16を構成する外径側円筒部17の内周面及び外径側円輪部18の軸方向内部側面に、それぞれ全周に亙って摺接する。更に、ラビリンスリップ31の先端部が、外径側円筒部17の軸方向外部側の端部内周面に対して径方向に近接対向して、軸方向のラビリンスシール34を形成している。尚、図1は、各シールリップ20a,20b,20c及びグリースリップ32の自由状態での形状を示している。

0017

組み合わせシールリング10aは、前述した図5に示した密封装置付ハブユニット1の開口部を塞ぐ密封装置として、内部空間8の端部開口(図5の右側の開口部)に装着される。具体的には、外輪2の軸方向端部の内周面に外径側シールリング14aを構成する外径側円筒部17を内嵌固定し、ハブ3の軸方向端部の外周面に内径側シールリング15aを構成する内径側円筒部22を外嵌固定している。更に、外径側円輪部18の外周部に設けられたシール凸部33は、外径側円筒部17の外周面よりも径方向外側に突出しており、外輪2の内周面に、全周に亙って弾性変形した状態で当接する。これにより、外輪2と外径側円筒部17との嵌合面(金属嵌合)から、泥水等の異物が内部空間8に侵入する事を防止している。

0018

図2は、内径側シールリング15aを製造する工程に於いて、内径側芯金21aにシール部材24aを加硫成形する金型を示している。シール部材24aを加硫成形する成形金型は、上型40と下型41とを組み合わせる事により構成されており、内径側芯金21aをキャビティ42内にセットした状態で、シールリップ20a,20b及びラビリンスリップ31を内径側芯金21aに加硫接着している。
加硫成形が完了した内径側シールリング15aを成形金型から取り出す場合、上型40のうちで、シールリップ20aとラビリンスリップ31との間にある部分は、ラビリンスリップ31を変形させて引き抜く必要がある(所謂無理抜き)。従って、シール部材24aを強固に芯金凹部30に接着固定する為、シールリップ20aとラビリンスリップ31の間の最小径部分と、内径側円輪部23a(芯金凹部30)の外径との厚さT24を、ラビリンスリップ31の基端部の厚さT31以上としている(T24≧T31)。更に、無理抜き時にラビリンスリップ31が変形容易とする為に、ラビリンスリップ31の軸方向外部側面で、基端部よりも若干小径となる位置に、軸方向内部側に凹んだシール凹部35を設けている。

0019

又、内径側円輪部23a(芯金凹部30)の外径縁は、金属板をプレス加工により成形する際のブランキング時のせん断面及び破断面であり、加硫接着剤の載りが悪く、成形ゴム材を接着固定できない。本実施形態では、内径側円輪部23aの外径側を軸方向内部側に凹ませた芯金凹部30を設け、この芯金凹部30の軸方向両側面にラビリンスリップ31の根元部分を強固に接着固定しているため、前述したラビリンスリップ31の無理抜きを容易にしている。
尚、内径側円輪部23aの内径側部分と、外径側円筒部17の軸方向外部側の端面と、ラビリンスリップ31の軸方向外部側面とは、同一面上に位置している。本構成により、組み合わせシールリング10aを密封装置付ハブユニット軸受に装着する際、内径側芯金21aと外径側芯金16とを同時に押して、1度の圧入工程により組み合わせシールリング10aを位置決め可能としている。

0020

図3は、各シールリング14a,15aを組み合わせた状態に於いて、各シールリップ20a,20b,20c及びグリースリップ32が変形した(摺接面に接触した)状態を示している。シールリップ20aは、スプラッシュの水圧によりシールリップ20aの緊迫力が高まる断面U字状のシールリップ形態であり、単純にラビリンスリップを設けてしまうとシールリップ20aに水圧が掛からないままに摺接点に泥水が到達する状態となる為、逆に耐泥水性能が低下してしまう場合がある。本実施形態では、シールリップ20aには水圧が掛からない事を前提として、ラビリンスシール34を通過する泥水の量を抑制すると共に、ラビリンスシール34を通過した泥水がシールリップ20aの摺接点に到達するのを防止している。具体的には、ラビリンスシール34の径方向隙間L34を、シールリップ20aの先端部の厚さT20a以下(L34≦T20a)としており、好ましくはシールリップ20aの先端部の厚さの1/2以下(L34≦(T20a/2))とする。更に、ラビリンスリップ31の先端部の軸方向内部側面と、摺接状態ルールリップ20aの摺接点との軸方向距離L1を、十分に確保している(例えは、L1≧(L34×5))。

0021

又、各シールリップ20a,20b,20cは、その先端部を外部空間側に向けた状態で摺接面を移動する外向きリップである為、内部空間8に封入されたグリースは、外部空間に漏洩し易い。本実施形態では、内径側円筒部22に摺接するグリースリップ32が、基端部を外径側円輪部18の内径部に有して、先端部を径方向内側に向かうに従い軸方向内部側に延ばす内向きリップである。本構成により、グリースの漏洩を防止して、密封装置付ハブユニット軸受の耐久性を維持している。

0022

上述の様に構成する、本実施形態の組み合わせシールリング10a、及び組み合わせシールリング10aを組み込んだ密封装置付ハブユニット軸受によれば、外径側シールリング14aと内径側シールリング15aとの間に存在する、密封空間26への、泥水等の異物の侵入を効果的に防止できる。即ち、泥水等の異物が存在する外部空間と、最も外部空間側に設けられたシールリップ20aとの間に、ラビリンスシール34を設ける事により、スプラッシュがシールリップ20aの摺接点まで到達するのを防止している。この為、ラビリンスシール34を通過して、密封空間26から内部空間8迄入り込む異物の量を僅少に抑えられる。

0023

更に、ラビリンスシール34は、弾性材製のラビリンスリップ31の先端部を相手面に近接対向させており、仮に相手面と軽く擦れ合っても、自身及び相手面に著しい損傷を与える事はない。従って、ラビリンス隙間L34の幅を狭くして、ラビリンスシール34を通過する異物の量を僅少に抑え、長期間に亙り良好なシール性能を得られる。

0024

[第2実施形態]
図4は、本発明の第2実施形態を示している。本実施形態の組み合わせシールリング10bの場合、内径側シールリング15bを構成する芯金凹部30aを、径方向外側に向かうに従い軸方向内部側に傾斜して延びる傾斜面とし、この芯金凹部30aに、ラビリンスリップ31aの根元部を加硫接着している。
又、ラビリンスリップ31aの先端面を、外径側円筒部17の軸方向外部側の端部内周面に形成した面取りと近接対向する傾斜面として、傾斜したラビリンス隙間L34aを有するラビリンスシール34aを形成している。本構成により、ラビリンスシール34aを通過した泥水等の異物が、シールリップ20aの摺接点に到達するのを効果的に防止している。
その他の構成及び作用効果は、前述した第1実施形態と同様である。

0025

本発明は、軸受ユニットの内部空間の端部開口を塞ぐ密封装置として、好適に実施できる。又、本発明の密封装置を装着した、密封装置付ハブユニット軸受は、自動車の車輪を懸架装置に対して支持する為の車輪支持用軸受ユニットとして実施する事が、その作用・効果を十分に得る面から好ましい。
尚、上述した第1及び第2実施形態の各個別の構成は、相互に置き換え利用可能である。

0026

1密封装置付ハブユニット軸受
2外輪
3 ハブ
4外輪軌道
5内輪軌道
6 玉
7回転フランジ
8 内部空間
9シールリング
10、10a、10b組み合わせシールリング
11芯金
12シール部材
13シールリップ
14、14a外径側シールリング
15、15a、15b内径側シールリング
16外径側芯金
17外径側円筒部
18 外径側円輪部
19、19a シール部材
20a、20b、20c シールリップ
21,21a,21b内径側芯金
22 内径側円筒部
23,23a,23b 内径側円輪部
24,24a,24bシール材
25エンコーダ
26密封空間
30,30a 芯金凹部
31,31aラビリンスリップ
32グリースリップ
33シール凸条
34,34aラビリンスシール
35シール凹部
40上型
41下型
42 キャビティ

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