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技術 配管部材、一酸化窒素分解装置、発電システム

出願人 三菱日立パワーシステムズ株式会社
発明者 広田守福原広嗣
出願日 2015年10月1日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-195750
公開日 2017年4月6日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-067034
状態 特許登録済
技術分野 特定物質の除去 蒸気発生用の給水の予熱と供給 蒸気機関設備 損傷、摩耗、腐食からの管の保護
主要キーワード クロムニッケル合金 タービン復水 膨張反応 揮発性物質処理 蒸気凝縮水 各給水加熱器 排水系統 装置側配管
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

火力発電所などのプラントにおいて、排水或いは復水に含まれる一酸化窒素(NO)を効果的に分解処理し、亜硝酸(HNO2)の生成を抑制することで、配管部材ボイラ等の機器腐食を防止する。

解決手段

プラントの給水系統或いは排水系統に用いられる配管部材であって、前記配管部材の内壁に、一酸化窒素の分解を促進する触媒コーティングされていることを特徴とする。

概要

背景

火力発電システムでは復水を加熱して蒸気とし、その加熱蒸気蒸気タービンを回すことで発電している。復水器からボイラに至るまでに設置されている給水加熱器やボイラには低耐食性材料炭素鋼或いは低合金鋼が用いられている。これら低耐食性材料の腐食を抑制するためには給水の水質が重要で、一般的な発電システムの給水は揮発性物質処理或いは酸素処理が適用されている。

揮発性物質処理は、給水にアンモニア(NH3)とヒドラジン(N2H4)を添加して溶存酸素濃度を7μg/l未満とする処理方法である。一方、酸素処理は、給水にアンモニアと微量の酸素(O2)を添加して溶存酸素濃度を20ppb〜200ppbとする処理方法である。したがって、どちらの水処理法においても、給水にアンモニアが添加されている。

また、火力発電システムの主蒸気温度発電効率向上の観点から上昇の一途をたどっている。現状、最高蒸気温度は620℃にとどまるが、各種耐熱材料の開発が進み、今後は耐熱材料を適用することで700℃以上に上昇する見込みである。

発電所などのプラント復水処理に関する技術として、特許文献1のような技術がある。特許文献1には、「窒素化合物含有水酸化剤存在下で触媒と接触させて窒素化合物と酸化剤とを反応させることにより窒素化合物を酸化分解処理する窒素化合物含有水の処理方法」が開示されている。

概要

火力発電所などのプラントにおいて、排水或いは復水に含まれる一酸化窒素(NO)を効果的に分解処理し、亜硝酸(HNO2)の生成を抑制することで、配管部材やボイラ等の機器の腐食を防止する。 プラントの給水系統或いは排水系統に用いられる配管部材であって、前記配管部材の内壁に、一酸化窒素の分解を促進する触媒がコーティングされていることを特徴とする。

目的

本発明の目的は、火力発電所などのプラントにおいて、排水或いは復水に含まれる一酸化窒素(NO)を効果的に分解処理し、亜硝酸(HNO2)の生成を抑制することで、配管部材やボイラ等の機器の腐食を防止することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

プラント給水系統或いは排水系統に用いられる配管部材であって、前記配管部材の内壁に、一酸化窒素の分解を促進する触媒コーティングされていることを特徴とする配管部材。

請求項2

請求項1に記載の配管部材であって、前記コーティングは、前記触媒を含むメッキ膜であることを特徴とする配管部材。

請求項3

請求項1または2に記載の配管部材であって、前記触媒は、Cr,Cu,Co,Ni,Mg,Mn,Zn,V,Ti,Al,Ru,Feの金属元素の内、少なくとも一種以上の金属元素或いはその酸化物を含むことを特徴とする配管部材。

請求項4

プラントの給水系統或いは排水系統に設けられ、流体中の一酸化窒素を分解する一酸化窒素分解装置であって、前記一酸化窒素分解装置の内部に、一酸化窒素の分解を促進する触媒が設けられていることを特徴とする一酸化窒素分解装置。

請求項5

請求項4に記載の一酸化窒素分解装置であって、前記触媒は、Cr,Cu,Co,Ni,Mg,Mn,Zn,V,Ti,Al,Ru,Feの金属元素の内、少なくとも一種以上の金属元素或いはその酸化物を含むことを特徴とする一酸化窒素分解装置。

請求項6

請求項4または5に記載の一酸化窒素分解装置であって、前記一酸化窒素分解装置の内部は、ハニカム構造であり、前記ハニカム構造の表面に前記触媒が設けられていることを特徴とする一酸化窒素分解装置。

請求項7

請求項4または5に記載の一酸化窒素分解装置であって、前記一酸化窒素分解装置の幅は、当該一酸化窒素分解装置の上流側の配管の幅よりも太いことを特徴とする一酸化窒素分解装置。

請求項8

請求項4または5に記載の一酸化窒素分解装置であって、前記一酸化窒素分解装置の内部にスチールウール状のメッシュが設けられ、前記メッシュに前記触媒が設けられていることを特徴とする一酸化窒素分解装置。

請求項9

蒸気タービンを用いて発電する発電システムであって、前記発電システムの給水系統或いは排水系統に、一酸化窒素の分解を促進する一酸化窒素分解装置が設けられていることを特徴とする発電システム。

請求項10

請求項9に記載の発電システムであって、前記一酸化窒素分解装置の内部に、一酸化窒素の分解を促進する触媒が設けられていることを特徴とする発電システム。

請求項11

請求項10に記載の発電システムであって、前記触媒は、Cr,Cu,Co,Ni,Mg,Mn,Zn,V,Ti,Al,Ru,Feの金属元素の内、少なくとも一種以上の金属元素或いはその酸化物を含むことを特徴とする発電システム。

請求項12

請求項10または11に記載の発電システムであって、前記一酸化窒素分解装置の内部は、ハニカム構造であり、前記ハニカム構造の表面に前記触媒が設けられていることを特徴とする発電システム。

請求項13

請求項10または11に記載の発電システムであって、前記一酸化窒素分解装置の幅は、当該一酸化窒素分解装置の上流側の配管の幅よりも太いことを特徴とする発電システム。

請求項14

請求項10または11に記載の発電システムであって、前記一酸化窒素分解装置の内部にスチールウール状のメッシュが設けられ、前記メッシュに前記触媒が設けられていることを特徴とする発電システム。

技術分野

0001

本発明は、火力発電所などのプラント排水処理および復水処理係り、特に、排水や復水中に含まれる亜硝酸による腐食防止に適用して有効な技術に関する。

背景技術

0002

火力発電システムでは復水を加熱して蒸気とし、その加熱蒸気蒸気タービンを回すことで発電している。復水器からボイラに至るまでに設置されている給水加熱器やボイラには低耐食性材料炭素鋼或いは低合金鋼が用いられている。これら低耐食性材料の腐食を抑制するためには給水の水質が重要で、一般的な発電システムの給水は揮発性物質処理或いは酸素処理が適用されている。

0003

揮発性物質処理は、給水にアンモニア(NH3)とヒドラジン(N2H4)を添加して溶存酸素濃度を7μg/l未満とする処理方法である。一方、酸素処理は、給水にアンモニアと微量の酸素(O2)を添加して溶存酸素濃度を20ppb〜200ppbとする処理方法である。したがって、どちらの水処理法においても、給水にアンモニアが添加されている。

0004

また、火力発電システムの主蒸気温度発電効率向上の観点から上昇の一途をたどっている。現状、最高蒸気温度は620℃にとどまるが、各種耐熱材料の開発が進み、今後は耐熱材料を適用することで700℃以上に上昇する見込みである。

0005

発電所などのプラントの復水処理に関する技術として、特許文献1のような技術がある。特許文献1には、「窒素化合物含有水酸化剤存在下で触媒と接触させて窒素化合物と酸化剤とを反応させることにより窒素化合物を酸化分解処理する窒素化合物含有水の処理方法」が開示されている。

先行技術

0006

特開2003−117568号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、アンモニアは高温に曝されると、金属或いは金属酸化物を触媒として酸化或いは分解が生ずる。上述したように、火力発電プラントでは給水中にアンモニアを添加しており、加熱器或いは再熱器において600℃を上回る高温に曝される。そのような高温においてアンモニアは酸素或いは金属酸化物と反応して一酸化窒素(NO)を(1)式にしたがって生ずる。

0008

[数1]
4NH3+5O2→4NO+6H2O・・・(1)
そして、生成した一酸化窒素は蒸気温度の低下によって水と共存し、水中で(2)式により亜硝酸(HNO2)となる。蒸気温度が低下して水となるのは、低圧タービン或いは給水加熱器においてである。

0009

[数2]
2H2O+2NO→2H++2NO2-+H2・・・(2)
その低圧タービン或いは給水加熱器において(3)式に従いアンモニアに変化すると、亜硝酸のアンモニアへの化学変化カソード反応であるため、金属のアノード反応金属溶解)を加速する。

0010

[数3]
NO2-+5H2O+3Fe→NH3+7OH-+3Fe2+・・・(3)
また、一酸化窒素は蒸気温度が高くなるほど生成されるため、今後、蒸気温度が700℃以上に上昇することを考えると、低圧タービンや給水加熱器の腐食もより加速される。

0011

ステンレス鋼では局部腐食である孔食応力腐食割れに関しては、亜硝酸が水中に存在する金属の腐食電位を上昇させるため発生し易い。炭素鋼及び低合金鋼においても同様に全面腐食や孔食の発生が加速される。このように、蒸気凝縮水中に亜硝酸が存在するとプラントの腐食が加速され、プラントの信頼性低下や寿命を短縮させる作用が生じる問題がある。そのため、蒸気凝縮中の亜硝酸濃度を極力低くする必要がある。

0012

特許文献1においては、水中の硝酸性および亜硝酸性窒素にアンモニアを添加して亜硝酸の分解を進めている。反応分子の触媒表面における化学反応を考えると、化学反応は触媒表面への移動速度が影響する。分子の移動速度は水中より密度が小さい気相中の方が非常に速く移動する。したがって、特許文献1の液相反応の技術を上記のような蒸気凝縮水中(気相)での反応に適用しても十分な効果を得るのは困難である。

0013

そこで、本発明の目的は、火力発電所などのプラントにおいて、排水或いは復水に含まれる一酸化窒素(NO)を効果的に分解処理し、亜硝酸(HNO2)の生成を抑制することで、配管部材やボイラ等の機器の腐食を防止することにある。

課題を解決するための手段

0014

上記課題を解決するために、本発明は、プラントの給水系統或いは排水系統に用いられる配管部材であって、前記配管部材の内壁に、一酸化窒素の分解を促進する触媒がコーティングされていることを特徴とする。

0015

また、本発明は、プラントの給水系統或いは排水系統に設けられ、流体中の一酸化窒素を分解する一酸化窒素分解装置であって、前記一酸化窒素分解装置の内部に、一酸化窒素の分解を促進する触媒が設けられていることを特徴とする。

0016

また、本発明は、蒸気タービンを用いて発電する発電システムであって、前記発電システムの給水系統或いは排水系統に、一酸化窒素の分解を促進する一酸化窒素分解装置が設けられていることを特徴とする。

発明の効果

0017

本発明によれば、火力発電所などのプラントにおいて、配管部材やボイラ、低圧タービン或いは給水加熱器等の機器の亜硝酸(HNO2)による腐食を抑制することができる。

0018

ステンレス鋼においては、孔食やすき間腐食の発生を抑制でき、応力腐食割れを抑制できる。

0019

また、炭素鋼や低合金鋼においては、全面腐食や孔食およびすき間腐食を抑制することができる。

0020

さらに、亜硝酸による腐食を回避するために、従来ステンレス鋼の適用が必要だった或いは、今後必要とされた機器についても本発明を適用することで、炭素鋼や低合金鋼の適用が可能となりプラント製造コストを低減することができる。

0021

また、給水加熱器から亜硝酸がボイラの給水へ持ち込まれなくすることで、給水の水質悪化を防ぐことができ、亜硝酸によるボイラの腐食も抑制できる。

0022

また、低圧タービンから亜硝酸が復水へ持ち込まれなくすることで、復水脱塩装置負荷を低く抑えることで、再生頻度の低減や樹脂劣化を防ぐことができる。

0023

上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。

図面の簡単な説明

0024

本発明の一実施形態に係る火力発電システムの系統図である。
蒸気温度と亜硝酸濃度の関係を示すグラフである。
亜硝酸濃度と腐食速度の関係を示すグラフである。
亜硝酸濃度と孔食成長速度の関係を示すグラフである。
本発明の一実施形態に係る配管部材を示す図である。
本発明の一実施形態に係る一酸化窒素分解装置を示す図である。
本発明の一実施形態に係る一酸化窒素分解装置を示す図である。
本発明の一実施形態に係る一酸化窒素分解装置を示す図である。

0025

以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。なお、各図面において同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。

0026

図1は火力発電システムの系統図を示す。給水は先ず溶存酸素を殆ど含まないタービン復水復水脱塩器1に通水することで不純物を含まない純水にする。

0027

次に、揮発性物質処理では復水脱塩器1からの給水に薬品注入系統(薬液注入点42)から、pH調整剤であるアンモニア(NH3)およびヒドラジン(N2H4)を添加し、pHを8.0〜10に調整し、ヒドラジン濃度を10ppb以上に調整する。酸素処理では復水脱塩器1からの給水に薬品注入系統(薬液注入点42)から、pH調整剤であるアンモニア(NH3)および酸素(O2)を添加し、pHを8.0〜10に調整し、酸素濃度を20ppb〜150ppbに調整する。

0028

そして、給水は低圧給水加熱器2、脱気器3、高圧給水加熱器4で加熱され、ボイラ5へ送られて400℃以上の超臨界水となる。その後、給水は加熱器6でさらに最高で600℃まで加熱されて高圧タービン8に入り、高圧タービン8から出た蒸気は、再び再熱器7で最高で620℃まで加熱され中圧タービン9、さらに低圧タービン10へと送られ発電機12で発電した後、最終的にタービン復水に戻る。

0029

低圧給水加熱器2、脱気器3、高圧給水加熱器4は、給水を蒸気タービンの抽気によって加熱する。低圧給水加熱器2は低圧タービン10、脱気器3は中圧タービン9、高圧給水加熱器4は高圧タービン8それぞれから蒸気を抽気して給水を加熱する。

0030

ここで、低圧給水加熱器2に入る蒸気中の一酸化窒素(NO)を分解するために、低圧タービン10の抽気から低圧給水加熱器2に入るまでの配管40に一酸化窒素分解装置100を設置し、低圧給水加熱器2に入る一酸化窒素(NO)を分解する。

0031

同様に、中圧タービン9の抽気から脱気器3に入るまでの配管38に一酸化窒素分解装置101を設置し、脱気器3に入る一酸化窒素(NO)を分解する。

0032

同様に、高圧タービン8の抽気から高圧給水加熱器4に入るまでの配管37に一酸化窒素分解装置102を設置し、高圧給水加熱器4に入る一酸化窒素(NO)を分解する。

0033

同様に、中圧タービン9からから低圧タービン10に入るまでの配管39に一酸化窒素分解装置103を設置し、低圧タービン10に入る一酸化窒素(NO)を分解する。

0034

低圧タービン10や低圧給水加熱器2、高圧給水加熱器4の亜硝酸(HNO2)による腐食を抑制するには、それらに入る以前に(4)式に従って気相中で一酸化窒素(NO)とアンモニア(NH3)を反応させて窒素(N2)と水(H2O)にすれば、凝縮水で亜硝酸(HNO2)に変化する一酸化窒素(NO)を分解することができる。

0035

[数4]
6NO(g)+4NH3(g)⇔5N2+6H2O(g)・・・(4)
一酸化窒素(NO)の分解反応を進めるには、膨張反応のため極力圧力が低い方が進みやすい。また、蒸気が凝縮する部位が低圧タービン10や低圧給水加熱器2や高圧給水加熱器4等の給水加熱器であることから、最も低圧になる低圧タービン10や給水加熱器に入る手前で一酸化窒素(NO)の分解反応を実施するのが効果的である。

0036

したがって、低圧タービン10では中圧タービン9から低圧タービン10への配管39の間に、また、給水加熱器においては各タービンから各給水加熱器の配管の間に一酸化窒素の分解反応を進める新しい機能を持たせれば非常に効果的である。

0037

一酸化窒素の分解反応を進めるには、それらの配管自体に一酸化窒素を低減させる触媒効果の高い材料を適用或いは、表面にそれら触媒効果のあるものを処理することで実施可能となる。触媒効果の高い物質としては、クロム(Cr),銅(Cu),コバルト(Co),ニッケル(Ni),マグネシウム(Mg),マンガン(Mn),亜鉛(Zn),バナジウム(V),チタン(Ti),アルミニウム(Al),ルテニウム(Ru),鉄(Fe)等の金属元素或いはそれらの金属酸化物がある。また、反応効率を高めるには表面積を多くする方法や流速を遅くして反応し易くすることが考えられる。

0038

図2は再熱器7を模擬したクロムニッケル合金管にアンモニアを含む蒸気を流した時の亜硝酸濃度と蒸気温度の関係を示す。蒸気温度が高くなるほどアンモニアが酸化されて亜硝酸を生じることがわかる。したがって、実プラントにおいても主蒸気再熱蒸気において亜硝酸が生成していると考えられる。

0039

図3は炭素鋼の亜硝酸濃度と腐食速度の関係を示す。炭素鋼は酸素濃度が低い環境では殆ど腐食しない。しかし、水中に亜硝酸が僅かに存在すると腐食が加速されることがわかる。したがって、低圧給水加熱器2や高圧給水加熱器4等の給水加熱器の伝熱管は炭素鋼であり凝縮水に亜硝酸が存在すると腐食すると考えられる。

0040

図4は12Cr鋼のすき間腐食試験による孔食成長速度に及ぼす亜硝酸の影響を示す。試験は12Cr鋼2枚を重ねた状態で浸漬した際に生じたすき間内における孔食の深さを調べたものである。亜硝酸0ppmにおいて殆ど腐食しないのに対して、亜硝酸が1ppm存在すると隙間内の孔食成長速度は1mm/8000hと加速される。したがって、低圧タービン動翼材の12Cr鋼においてもすき間腐食が加速されると考えられる。

0041

以上説明したように、本実施例によれば、火力発電所などのプラントにおいて、排水或いは復水に含まれる一酸化窒素(NO)を効果的に分解処理し、亜硝酸(HNO2)の生成を抑制することで、配管部材やボイラ等の機器の腐食を防止することができる。

0042

ステンレス鋼においては、孔食やすき間腐食の発生を抑制でき、応力腐食割れを抑制できる。また、炭素鋼や低合金鋼においては、全面腐食や孔食およびすき間腐食を抑制することができる。

0043

さらに、亜硝酸による腐食を回避するために、従来ステンレス鋼の適用が必要だった或いは、今後必要とされた機器についても本発明を適用することで、炭素鋼や低合金鋼の適用が可能となりプラント製造コストを低減することができる。

0044

また、給水加熱器から亜硝酸がボイラの給水へ持ち込まれなくすることで、給水の水質悪化を防ぐことができ、亜硝酸によるボイラの腐食も抑制できる。また、低圧タービンから亜硝酸が復水へ持ち込まれなくすることで、復水脱塩装置の負荷を低く抑えることで、再生頻度の低減や樹脂の劣化を防ぐことができる。

0045

図5を用いて、実施例2における配管部材について説明する。図5鋼管200の内面にクロム(Cr)メッキ201を施したものである。実施例1で説明したように、火力発電所などのプラントにおいては、排水或いは復水に亜硝酸(HNO2)が含まれる場合、配管部材やボイラ等の機器が腐食し易くなる。そこで、図1に示した火力発電システムの配管30〜41に、図5の配管部材を用いることで、内面に施されたクロム(Cr)メッキ201により排水或いは復水中の一酸化窒素(NO)が効果的に分解処理され、亜硝酸の生成を抑制することができる。

0046

これにより、火力発電所などのプラントにおいて、排水或いは復水に含まれる一酸化窒素(NO)を効果的に分解処理し、亜硝酸の生成を抑制することで、配管部材やボイラ等の機器の腐食を防止することができる。

0047

なお、実施例1で説明したように、鋼管200の内面に施されるクロム(Cr)メッキ201は、一酸化窒素(NO)の分解時に触媒として機能する。触媒効果の高い物質として、クロム(Cr)以外に、銅(Cu),コバルト(Co),ニッケル(Ni),マグネシウム(Mg),マンガン(Mn),亜鉛(Zn),バナジウム(V),チタン(Ti),アルミニウム(Al),ルテニウム(Ru),鉄(Fe)があり、これらを用いても良い。

0048

図6を用いて、実施例3における一酸化窒素分解装置について説明する。図6ハニカム構造の一酸化窒素分解装置202の概要を示す。図1に示した火力発電システムの一酸化窒素分解装置100〜103に、図6の一酸化窒素分解装置を用いることで、一酸化窒素分解装置202の内部に設けられたハニカム構造に施されたクロム(Cr)メッキ203により排水或いは復水中の一酸化窒素(NO)が効果的に分解処理され、亜硝酸(HNO2)の生成を抑制することができる。

0049

一酸化窒素分解装置202は、プラント側配管204のフランジ206に装置側配管205のフランジ206を取り付けて接続する。一酸化窒素分解装置202の流路面積はプラント側配管204の流路面積よりも大きいことにより蒸気流速が低くなることで一酸化窒素の分解を進みやすくしている。また、内部構造をハニカム構造とすることで蒸気と触媒が接するが面積が増加し、分解反応が進みやすくなる。

0050

これにより、火力発電所などのプラントにおいて、排水或いは復水に含まれる一酸化窒素(NO)を効果的に分解処理し、亜硝酸の生成を抑制することで、配管部材やボイラ等の機器の腐食を防止することができる。

0051

なお、本実施例においても、クロム(Cr)以外に、銅(Cu),コバルト(Co),ニッケル(Ni),マグネシウム(Mg),マンガン(Mn),亜鉛(Zn),バナジウム(V),チタン(Ti),アルミニウム(Al),ルテニウム(Ru),鉄(Fe)があり、これらを用いても良い。

0052

図7を用いて、実施例4における一酸化窒素分解装置について説明する。図7は内壁にクロム(Cr)メッキ208を施した一酸化窒素分解装置207の概要を示す。実施例3と同様に、図1に示した火力発電システムの一酸化窒素分解装置100〜103に、図7の一酸化窒素分解装置を用いることで、一酸化窒素分解装置202の内部に設けられたハニカム構造に施されたクロム(Cr)メッキ203により排水或いは復水中の一酸化窒素(NO)が効果的に分解処理され、亜硝酸(HNO2)の生成を抑制することができる。

0053

図7の一酸化窒素分解装置207は、C−C’断面における幅がプラント側配管204の幅(直径)よりも広いため、一酸化窒素分解装置207の内部で蒸気の流れに淀みが生じ、蒸気流速が低くなることで一酸化窒素の分解が進みやすくなる。

0054

図8を用いて、実施例5における一酸化窒素分解装置について説明する。図8は内部にスチールウール状のメッシュが設けられ、そのメッシュにクロム(Cr)メッキ210を施した一酸化窒素分解装置209の概要を示す。実施例3と同様に、図1に示した火力発電システムの一酸化窒素分解装置100〜103に、図8の一酸化窒素分解装置を用いることで、一酸化窒素分解装置209の内部に設けられたメッシュに施されたクロム(Cr)メッキ210により排水或いは復水中の一酸化窒素(NO)が効果的に分解処理され、亜硝酸(HNO2)の生成を抑制することができる。

0055

また、図8の一酸化窒素分解装置209は、D−D’断面における幅がプラント側配管204の幅(直径)よりも広いため、図7と同様に一酸化窒素分解装置209の内部で蒸気の流れに淀みが生じ、蒸気流速が低くなることで一酸化窒素の分解が進みやすくなる。

0056

なお、各実施例において示した触媒は、各金属元素或いは酸化物単体で用いても良く、各金属元素或いは酸化物を組合せて用いても良い。

実施例

0057

なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。

0058

1…復水脱塩器、2…低圧給水加熱器、3…脱気器、4…高圧給水加熱器、5…ボイラ、6…加熱器、7…再熱器、8…高圧タービン、9…中圧タービン、10…低圧タービン、11…復水器、12…発電機、30〜41…配管、42…薬液注入点、100,101,102,103,202,207,209…一酸化窒素分解装置、200…鋼管、201,203,208,210…クロム(Cr)メッキ、204…プラント側配管、205…装置側配管、206…フランジ。

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