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技術 原料ガス供給装置、原料ガス供給方法及び記憶媒体

出願人 東京エレクトロン株式会社
発明者 八木宏憲成嶋健索松山中成
出願日 2015年12月10日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2015-241520
公開日 2017年4月6日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2017-066511
状態 特許登録済
技術分野 気相成長(金属層を除く) CVD
主要キーワード バイパスフロー 各測定機器 測定出力値 供給周期 流量測定計 個体誤差 全質量流量 キャリアガス供給路
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

固体原料気化したガスを含む原料ガス成膜処理部に供給するにあたり、気化した原料供給量を安定させる技術を提供すること。

解決手段

原料容器14にキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給路12にMFC1を設け、原料ガス供給路32にMFM3を設けている。更に原料ガス供給路32に希釈ガスを供給するための希釈ガス供給路22にMFC2を設けている。そしてMFM3の測定値からのMFC1測定値と、MFC2の測定値と、の合計値を差し引いたオフセット値を求め、MFM3の測定値からMFC1の測定値及びMFC2の測定値の合計値を差し引いた値から、オフセット値を差し引き原料の流量の実測値を求めている。そして原料の流量の実測値と原料の目標値との差分に従い、MFC1の設定値を調整してキャリアガスの流量を調整し、原料ガスに含まれる原料の量を調整する。

概要

背景

半導体製造プロセスの一つである成膜処理としては、原料ガスと原料ガスを例えば酸化、窒化あるいは還元する反応ガスと交互に供給するALD(Atomic Layer Deposition)や原料ガスを気相中で分解あるいは反応ガスと反応させるCVD(Chemical Vapor Deposition)などがある。このような成膜処理に用いられる原料ガスとしては、成膜後の結晶の緻密度を高めると共に基板に取り込まれる不純物の量を極力減らすために、原料昇華させたガスを用いることがあり、例えば高誘電体膜をALDで成膜する成膜装置に用いられる。

このような成膜装置においては、固体原料液体原料を収容した原料容器を加熱し、原料を気化(昇華)させて原料の気体を得る。そして前記原料容器内キャリアガスを供給して、このキャリアガスにより原料が処理容器に供給される。このように原料ガスは、キャリアガスと気体の原料とが混合したものであり、半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)に成膜された膜の厚さや膜質などを制御するにあたっては、原料の気化量原料ガス中に含まれる原料の流量)を正確に調節する必要がある。

しかしながら原料容器内における原料の気化量は、原料の充填量により変化し、原料が固体である場合には原料容器内における原料の偏りグレインサイズの変化等によっても変化する。また原料が固体である場合には、原料が昇華(本願明細書では「気化」として取り扱う)するときに熱が奪われて原料容器内の温度が低下するが、固体原料では原料容器内において対流が起こらないため、原料容器内に温度分布の偏りが生じやすい。このため原料の気化量が不安定となりやすい。
近年では、ウエハに形成される配線パターン微細化に伴い、膜厚や膜質の安定性を図る手法が要望されている。更にALD法においては、原料ガスの供給時間は短時間であるが、この場合にも原料の供給量設定値コントロールできる手法を検討する必要がある。

特許文献1には、キャリアガスを液体原料蒸発部に対して送入すると共に、系内にバッファガスを導入するにあたり、前記系内における非蒸発ガス全質量流量を検出して、前記全質量流量が一定値になるように制御する技術が記載されている。しかしながら各流量測定計誤差は考慮されていない。
また特許文献2の原料ガス供給装置においては、マスフローメータをキャリアガスの流量により校正しているため、マスフローコントローラにてキャリアガスの流量を設定値に設定している状態において、マスフローメータの測定流量からキャリアガスの流量の設定値を差し引いた流量は、キャリアガスの流量の設定値がゼロの場合の原料の昇華量を示している。そこで原料の昇華量を求めるためにマスフローメータの測定流量からキャリアガスの流量の設定値を差し引いた値に比例計数を乗じる技術が記載されている。しかしながら本発明の課題を解決するものではない。

概要

固体原料を気化したガスを含む原料ガスを成膜処理部に供給するにあたり、気化した原料の供給量を安定させる技術を提供すること。原料容器14にキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給路12にMFC1を設け、原料ガス供給路32にMFM3を設けている。更に原料ガス供給路32に希釈ガスを供給するための希釈ガス供給路22にMFC2を設けている。そしてMFM3の測定値からのMFC1測定値と、MFC2の測定値と、の合計値を差し引いたオフセット値を求め、MFM3の測定値からMFC1の測定値及びMFC2の測定値の合計値を差し引いた値から、オフセット値を差し引き原料の流量の実測値を求めている。そして原料の流量の実測値と原料の目標値との差分に従い、MFC1の設定値を調整してキャリアガスの流量を調整し、原料ガスに含まれる原料の量を調整する。

目的

本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、固体または液体である原料を気化したガスを含む原料ガスを成膜処理部に供給するにあたり、気化した原料の供給量を安定させる技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

原料容器内固体または液体である原料気化させて、キャリアガスと共に原料ガスとして原料ガス供給路を介して基板成膜処理する成膜処理部に供給する原料ガス供給装置において、前記原料容器にキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給路と、前記キャリアガス供給路から分岐し、前記原料容器を迂回して原料ガス供給路に接続されたバイパス流路と、前記原料ガス供給路における前記バイパス流路の接続部位よりも下流側に接続され、希釈ガスを原料ガスに合流させるための希釈ガス供給路と、前記キャリアガス供給路及び前記希釈ガス供給路に夫々接続された第1のマスフローコントローラ及び第2のマスフローコントローラと、前記原料ガス供給路における希釈ガス供給路の合流部位の下流側に設けられたマスフローメータと、前記キャリアガス供給路から原料ガス供給路に至るキャリアガス流路を、前記原料容器内とバイパス流路との間で切り替え切り替え機構と、前記第1のマスフローコントローラ、第2のマスフローコントローラ及びマスフローメータの流量の各測定値を夫々m1、m2及びm3とすると、前記キャリアガス流路をバイパス流路側に切り替えた状態で、キャリアガス及び希釈ガスを流して{m3−(m1+m2)}の演算値であるオフセット値を求める第1のステップと、前記キャリアガス流路を原料容器側に切り替えた状態で、キャリアガス及び希釈ガスを流して{m3−(m1+m2)}の演算値を求め、この演算値から前記オフセット値を差し引いて原料の流量の実測値を求め、原料の流量の目標値と前記実測値との差分値を求める第2のステップと、前記差分値と、原料の流量の増減量とキャリアガスの増減量との関係と、に基づいて、原料の流量が目標値になるように第1のマスフローコントローラの設定値を調整する第3のステップと、を実行する制御部と、を備えることを特徴とする原料ガス供給装置。

請求項2

前記制御部は、前記第3のステップにて第1のマスフローコントローラの設定値を調整する際に、原料ガス及び希釈ガスの総流量が設定値になるように、第2のマスフローコントローラの設定値を調整することを特徴とする請求項1記載の原料ガス供給装置。

請求項3

前記制御部は、基板のロット先頭の基板を処理する前に、当該ロットの処理レシピから原料の流量の目標値を読み出し、第1のマスフローコントローラの設定値を、原料の流量の目標値に対応するキャリアガス流量に設定して第1のステップを実行することを特徴とする請求項1または2記載の原料ガス供給装置。

請求項4

前記成膜処理部にて行う成膜処理は、基板に対して、原料ガス及び原料ガスと反応する反応ガスを交互に供給し、原料ガスの供給と反応ガスの供給との間に置換用ガスを供給して行う成膜処理であり、前記第2のステップにおける測定値m1、m2及びm3は、原料ガスの供給、休止周期をTとすると、n(nは1以上の整数)周期における流量の積分値を周期Tで除算した値であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の原料ガス供給装置。

請求項5

前記制御部は、基板のロットの先頭の基板を処理する前に、当該ロットの処理レシピから原料ガスの供給、休止の周期Tを読み出し、前記第1のステップにおける測定値m1、m2及びm3は、n周期における流量の積分値を周期Tで除算した値であることを特徴とする請求項4に記載の原料ガス供給装置。

請求項6

前記第3のステップにて用いられる前記差分値は、これから成膜処理を行う基板に対して、同一ロットにおける1枚前の基板の処理のときの原料の流量の実測値と、原料の目標値との差分値であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の原料ガス供給装置。

請求項7

前記第3のステップにて用いられる前記差分値は、ロットの先頭の基板の処理の前に行うダミー処理のときの原料の流量の実測値と、原料の目標値との差分値であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の原料ガス供給装置。

請求項8

前記制御部は、前記第1のステップの前に、基板のロットの処理レシピから、第1のマスフローコントローラの設定値と、第2のマスフローコントローラの設定値と、成膜処理部の圧力と、成膜処理部へのガスの供給、休止の周期と、の各パラメータを読み出すステップと、前記キャリアガス流路をバイパス流路側に切り替えた状態で、キャリアガス及び希釈ガスを流すとことと、成膜処理部へのガスの供給、休止の切り替えの回数と、が規定されたレシピフォーマットに、前記読み出した各パラメータを書き込み、算出用レシピを作成するステップと、を実行し、前記第1のステップは、前記算出用レシピに従って、キャリアガス及び希釈ガスを流してオフセット値を求めることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の原料ガス供給装置。

請求項9

原料容器内の固体または液体である原料を気化させて、キャリアガスと共に原料ガスとして原料ガス供給路を介して基板を成膜処理する成膜処理部に供給する原料ガス供給方法において、前記原料容器にキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給路と、前記キャリアガス供給路から分岐し、前記原料容器を迂回して原料ガス供給路に接続されたバイパス流路と、前記原料ガス供給路における前記バイパス流路の接続部位よりも下流側に接続され、希釈ガスを原料ガスに合流させるための希釈ガス供給路と、前記キャリアガス供給路及び前記希釈ガス供給路に夫々接続された第1のマスフローコントローラ及び第2のマスフローコントローラと、前記原料ガス供給路における希釈ガス供給路の合流部位の下流側に設けられたマスフローメータと、前記キャリアガス供給路から原料ガス供給路に至るキャリアガス流路を、前記原料容器内とバイパス流路との間で切り替える切り替え機構と、を備えた原料ガス供給装置を用い、前記第1のマスフローコントローラ、第2のマスフローコントローラ及びマスフローメータの流量の各測定値を夫々m1、m2及びm3とすると、前記キャリアガス流路をバイパス流路側に切り替えた状態で、キャリアガス及び希釈ガスを流して{m3−(m1+m2)}の演算値であるオフセット値を求める工程と、前記キャリアガス流路を原料容器側に切り替えた状態で、キャリアガス及び希釈ガスを流して{m3−(m1+m2)}の演算値を求め、この演算値から前記オフセット値を差し引いて原料の流量の実測値を求め、原料の流量の目標値と前記実測値との差分値を求める工程と、前記差分値と、原料の流量の増減量とキャリアガスの増減量との関係と、に基づいて、原料の流量が目標値になるように第1のマスフローコントローラの設定値を調整する工程と、を含むことを特徴とする原料ガス供給方法。

請求項10

前記成膜処理部にて行う成膜処理は、基板に対して、原料ガス及び原料ガスと反応する反応ガスを交互に供給し、原料ガスの供給と反応ガスの供給との間に置換用のガスを供給して行う成膜処理であり、前記キャリアガス流路を原料容器側に切り替えた状態で、キャリアガス及び希釈ガスを流して{m3−(m1+m2)}の演算値を求める工程における測定値m1、m2及びm3は、原料ガスの供給、休止の周期をTとすると、n(nは1以上の整数)周期における流量の積分値を周期Tで除算した値であることを特徴とする請求項9に記載の原料ガス供給方法。

請求項11

前記キャリアガス流路をバイパス流路側に切り替えた状態で、キャリアガス及び希釈ガスを流して{m3−(m1+m2)}の演算値であるオフセット値を求める工程における測定値m1、m2及びm3は、n周期における流量の積分値を周期Tで除算した値であることを特徴とする請求項10に記載の原料ガス供給方法。

請求項12

前記オフセット値を求める工程の前に、基板のロットの処理レシピから、第1のマスフローコントローラの設定値と、第2のマスフローコントローラの設定値と、成膜処理部の圧力と、成膜処理部へのガスの供給、休止の周期と、の各パラメータを読み出す工程と、前記キャリアガス流路をバイパス流路側に切り替えた状態で、キャリアガス及び希釈ガスを流すことと、成膜処理部へのガスの供給、休止の切り替え回数と、が規定されたレシピフォーマットに前記読み出した各パラメータを書き込み、算出用レシピを作成する工程と、を含み、前記オフセット値を求める工程は、前記算出用レシピに従って、キャリアガス及び希釈ガスを流してオフセット値を求めることを特徴とする請求項9ないし11のいずれか一項に記載の原料ガス供給方法。

請求項13

原料容器内の固体または液体である原料を気化させて、キャリアガスと共に原料ガスとして原料ガス供給路を介して基板を成膜処理する成膜処理部に供給する原料ガス供給装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、請求項9ないし12のいずれか一項に記載の原料ガス供給方法を実行するようにステップ群が組まれていることを特徴とする記憶媒体。

技術分野

0001

本発明は、気化させた原料キャリアガスと共に成膜処理部に供給する技術に関する。

背景技術

0002

半導体製造プロセスの一つである成膜処理としては、原料ガスと原料ガスを例えば酸化、窒化あるいは還元する反応ガスと交互に供給するALD(Atomic Layer Deposition)や原料ガスを気相中で分解あるいは反応ガスと反応させるCVD(Chemical Vapor Deposition)などがある。このような成膜処理に用いられる原料ガスとしては、成膜後の結晶の緻密度を高めると共に基板に取り込まれる不純物の量を極力減らすために、原料を昇華させたガスを用いることがあり、例えば高誘電体膜をALDで成膜する成膜装置に用いられる。

0003

このような成膜装置においては、固体原料液体原料を収容した原料容器を加熱し、原料を気化(昇華)させて原料の気体を得る。そして前記原料容器内にキャリアガスを供給して、このキャリアガスにより原料が処理容器に供給される。このように原料ガスは、キャリアガスと気体の原料とが混合したものであり、半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)に成膜された膜の厚さや膜質などを制御するにあたっては、原料の気化量原料ガス中に含まれる原料の流量)を正確に調節する必要がある。

0004

しかしながら原料容器内における原料の気化量は、原料の充填量により変化し、原料が固体である場合には原料容器内における原料の偏りグレインサイズの変化等によっても変化する。また原料が固体である場合には、原料が昇華(本願明細書では「気化」として取り扱う)するときに熱が奪われて原料容器内の温度が低下するが、固体原料では原料容器内において対流が起こらないため、原料容器内に温度分布の偏りが生じやすい。このため原料の気化量が不安定となりやすい。
近年では、ウエハに形成される配線パターン微細化に伴い、膜厚や膜質の安定性を図る手法が要望されている。更にALD法においては、原料ガスの供給時間は短時間であるが、この場合にも原料の供給量設定値コントロールできる手法を検討する必要がある。

0005

特許文献1には、キャリアガスを液体原料蒸発部に対して送入すると共に、系内にバッファガスを導入するにあたり、前記系内における非蒸発ガス全質量流量を検出して、前記全質量流量が一定値になるように制御する技術が記載されている。しかしながら各流量測定計誤差は考慮されていない。
また特許文献2の原料ガス供給装置においては、マスフローメータをキャリアガスの流量により校正しているため、マスフローコントローラにてキャリアガスの流量を設定値に設定している状態において、マスフローメータの測定流量からキャリアガスの流量の設定値を差し引いた流量は、キャリアガスの流量の設定値がゼロの場合の原料の昇華量を示している。そこで原料の昇華量を求めるためにマスフローメータの測定流量からキャリアガスの流量の設定値を差し引いた値に比例計数を乗じる技術が記載されている。しかしながら本発明の課題を解決するものではない。

先行技術

0006

特開平5−305228号公報
特開2014−145115号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、固体または液体である原料を気化したガスを含む原料ガスを成膜処理部に供給するにあたり、気化した原料の供給量を安定させる技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明の原料ガス供給装置は、原料容器内の固体または液体である原料を気化させて、キャリアガスと共に原料ガスとして原料ガス供給路を介して基板を成膜処理する成膜処理部に供給する原料ガス供給装置において、
前記原料容器にキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給路と、
前記キャリアガス供給路から分岐し、前記原料容器を迂回して原料ガス供給路に接続されたバイパス流路と、
前記原料ガス供給路における前記バイパス流路の接続部位よりも下流側に接続され、希釈ガスを原料ガスに合流させるための希釈ガス供給路と、
前記キャリアガス供給路及び前記希釈ガス供給路に夫々接続された第1のマスフローコントローラ及び第2のマスフローコントローラと、
前記原料ガス供給路における希釈ガス供給路の合流部位の下流側に設けられたマスフローメータと、
前記キャリアガス供給路から原料ガス供給路に至るキャリアガス流路を、前記原料容器内とバイパス流路との間で切り替え切り替え機構と、
前記第1のマスフローコントローラ、第2のマスフローコントローラ及びマスフローメータの流量の各測定値を夫々m1、m2及びm3とすると、
前記キャリアガス流路をバイパス流路側に切り替えた状態で、キャリアガス及び希釈ガスを流して{m3−(m1+m2)}の演算値であるオフセット値を求める第1のステップと、前記キャリアガス流路を原料容器側に切り替えた状態で、キャリアガス及び希釈ガスを流して{m3−(m1+m2)}の演算値を求め、この演算値から前記オフセット値を差し引いて原料の流量の実測値を求め、原料の流量の目標値と前記実測値との差分値を求める第2のステップと、前記差分値と、原料の流量の増減量とキャリアガスの増減量との関係と、に基づいて、原料の流量が目標値になるように第1のマスフローコントローラの設定値を調整する第3のステップと、を実行する制御部と、を備えることを特徴とする。

0009

本発明の原料ガス供給方法は、原料容器内の固体または液体である原料を気化させて、キャリアガスと共に原料ガスとして原料ガス供給路を介して基板を成膜処理する成膜処理部に供給する原料ガス供給方法において、
前記原料容器にキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給路と、前記キャリアガス供給路から分岐し、前記原料容器を迂回して原料ガス供給路に接続されたバイパス流路と、前記原料ガス供給路における前記バイパス流路の接続部位よりも下流側に接続され、希釈ガスを原料ガスに合流させるための希釈ガス供給路と、前記キャリアガス供給路及び前記希釈ガス供給路に夫々接続された第1のマスフローコントローラ及び第2のマスフローコントローラと、前記原料ガス供給路における希釈ガス供給路の合流部位の下流側に設けられたマスフローメータと、前記キャリアガス供給路から原料ガス供給路に至るキャリアガス流路を、前記原料容器内とバイパス流路との間で切り替える切り替え機構と、を備えた原料ガス供給装置を用い、
前記第1のマスフローコントローラ、第2のマスフローコントローラ及びマスフローメータの流量の各測定値を夫々m1、m2及びm3とすると、前記キャリアガス流路をバイパス流路側に切り替えた状態で、キャリアガス及び希釈ガスを流して{m3−(m1+m2)}の演算値であるオフセット値を求める工程と、
前記キャリアガス流路を原料容器側に切り替えた状態で、キャリアガス及び希釈ガスを流して{m3−(m1+m2)}の演算値を求め、この演算値から前記オフセット値を差し引いて原料の流量の実測値を求め、原料の流量の目標値と前記実測値との差分値を求める工程と、
前記差分値と、原料の流量の増減量とキャリアガスの増減量との関係と、に基づいて、原料の流量が目標値になるように第1のマスフローコントローラの設定値を調整する工程と、を含むことを特徴とする。

0010

本発明の記憶媒体は、原料容器内の固体または液体である原料を気化させて、キャリアガスと共に原料ガスとして原料ガス供給路を介して基板を成膜処理する成膜処理部に供給する原料ガス供給装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、上述の原料ガス供給方法を実行するようにステップ群が組まれていることを特徴とする記憶媒体。

発明の効果

0011

本発明は、原料容器内の固体または液体である原料を気化させて、キャリアガスと共に原料ガスとして原料ガス供給路を介して成膜処理部に供給するにあたり、キャリアガス供給路及び原料ガス供給路に夫々第1のマスフローコントローラ及びマスフローメータを設けている。更に原料ガス供給路に希釈ガスを供給するための希釈ガス供給路に第2のマスフローコントローラを設けている。そしてマスフローメータの測定値から第1のマスフローコントローラの測定値と、第2のマスフローコントローラの測定値と、の合計値を差し引いたオフセット値を求める。更に成膜処理部に原料ガスを供給するときに、マスフローメータの測定値から第1のマスフローコントローラの測定値と、第2のマスフローコントローラの測定値と、の合計値を差し引いた値から、オフセット値を差し引き原料の流量の実測値を求めている。そして原料の流量の実測値と原料の流量の目標値との差分に従い、第1のマスフローコントローラの設定値を調整してキャリアガスの流量を調整し、原料ガスに含まれる原料の量を調整している。従って各測定機器個体誤差キャンセルされるので、原料の流量の実測値を高精度に得ることができ、成膜処理部に供給する原料ガスの濃度(原料の流量)が安定する。

図面の簡単な説明

0012

本発明の原料ガス供給装置を適用した成膜装置を示す全体構成図である。
原料ガス供給部に設けられている制御部の構成図である。
原料ガス供給部における原料の供給量の調整工程を示すチャート図である。
MFMの測定値と第1のMFCの設定値および第2のMFCの設定値の合計値との差分を示す特性図である。
バルブ開閉及び原料ガス供給部から供給される原料の流量の時間変化を示すタイムチャートである。
MFMにて測定される測定値の例を示す特性図である。
キャリアガスの流量の増減量と、原料の量の増減量とを示す特性図である。
各ウエハの成膜処理における原料の流量の実測値を示す説明図である。
本発明の実施の形態の他の例における原料ガス供給部に設けられている制御部の構成図である。
処理レシピを示す説明図である。
レシピ算出用フォーマットを示す説明図である。
算出用レシピを示す説明図である。
キャリアガス流量とオフセット値との関係を示す特性図である。
キャリアガス流量及び希釈ガス流量合計流量とオフセット値との関係を示す特性図である。

実施例

0013

本発明の原料ガス供給装置を成膜装置に適用した構成例について説明する。図1に示すように成膜装置は、基板であるウエハ100に対してALD法による成膜処理を行なうための成膜処理部40を備え、この成膜処理部40に原料ガスを供給するため原料ガス供給装置で構成された原料ガス供給部10を備えている。なお明細書中においては、キャリアガスと、キャリアガスと共に流れる(昇華した)原料と、を併せたガスを原料ガスとする。

0014

原料ガス供給部10は、原料のWCl6を収容した原料容器14を備えている。原料容器14は、常温では固体のWCl6を収容した容器であり、抵抗発熱体を備えたジャケット状の加熱部13により覆われている。この原料容器14は、図示しない温度検出部にて検出した原料容器14内の気相部の温度に基づいて、図示しない給電部から供給される給電量増減することにより、原料容器14内の温度を調節できるように構成されている。加熱部13の設定温度は、固体原料が昇華し、且つWCl6が分解しない範囲の温度、例えば160℃に設定される。

0015

原料容器14内における固体原料の上方側の気相部には、キャリアガス供給路12の下流端部と、原料ガス供給路32の上流端部と、が挿入されている。キャリアガス供給路12の上流端には、キャリアガス、例えばN2ガスの供給源であるキャリアガス供給源11が設けられ、キャリアガス供給路12には、上流側から第1のマスフローコントローラ(MFC)1、バルブV3、バルブV2がこの順序で介設されている。

0016

一方、原料ガス供給路32には、上流側からバルブV4、バルブV5、流量測定部であるマスフローメータ(MFM)3及びバルブV1が設けられている。図中8は原料ガス供給路32から供給されるガスの圧力を測定するための圧力計である。原料ガス供給路32の下流端付近は、後述の反応ガスや置換ガスも流れることから、ガス供給路45として表示している。また原料ガス供給路32におけるMFM3の上流側には、希釈ガスを供給する希釈ガス供給路22の下流側端部が合流している。希釈ガス供給路22の上流側端部には、希釈ガス、例えばN2ガスの供給源である希釈ガス供給源21が設けられている。希釈ガス供給路22には、上流側から第2のマスフローコントローラ(MFC)2と、バルブV6と、が介設されている。キャリアガス供給路12におけるバルブV2とバルブV3との間と、原料ガス供給路32におけるバルブV4とバルブV5との間は、バルブV7を備えたバイパス流路7にて接続されている。バルブV2、V4及びV7は、切り替え機構に相当する。

0017

続いて成膜処理部40について説明する。成膜処理部40は、例えば真空容器41内に、ウエハ100を水平保持すると共に、不図示のヒータを備えた載置台42と、原料ガス等を真空容器41内に導入するガス導入部43と、を備えている。ガス導入部43には、ガス供給路45が接続され、原料ガス供給部10から供給されるガスが、ガス導入部を介して、真空容器41内に供給されるように構成されている。更に真空容器41には、排気管46を介して、真空排気部44が接続されている。排気管46には、成膜処理部40内の圧力を調整する圧力調整部94を構成する圧力調整バルブ47と、バルブ48とが設けられている。
またガス供給路45には、原料ガスと反応する反応ガスを供給する反応ガス供給管50及び置換ガスを供給する置換ガス供給管56が合流されている。反応ガス供給管50の他端側は、反応ガス例えば水素(H2)ガスの供給源52に接続されたH2ガス供給管54と、不活性ガス例えば窒素(N2)ガスの供給源53に接続された不活性ガス供給管51とに分岐されている。また置換ガス供給管56の他端側は置換ガス、例えばN2ガスの供給源55に接続されている。図中のV50、V51、V54及びV56は、夫々反応ガス供給管50、不活性ガス供給管51、H2ガス供給管54及び置換ガス供給管56に設けられたバルブである。

0018

後述するように、成膜処理部40にて行なわれるW(タングステン)膜の成膜では、WCl6を含む原料ガスと、反応ガスであるH2ガスとが交互に繰り返して供給されると共に、これら原料ガス及び反応ガスの供給の間には、真空容器41内の雰囲気置換するために置換ガスが供給される。このように原料ガスは、成膜処理部40に供給期間休止期間を交互に繰り返して断続的に供給され、この原料ガスの供給制御はバルブV1をオンオフ制御することにより実行される。このバルブV1は、後述する制御部9により開閉制御されるように構成されおり、「オン」とは、バルブV1を開いた状態、「オフ」とはバルブV1を閉じた状態である。

0019

原料ガス供給部10には、制御部9が設けられている。図2に示すように制御部9は、CPU91、プログラム格納部92及びウエハ100対して行われる成膜処理の処理レシピが記憶されるメモリ93を備えている。なお図中90はバスである。また制御部9は、各バルブ群V1〜V7、MFC1、MFC2、MFM3、及び成膜処理部40に接続された圧力調整部94に接続されている。また制御部9は上位コンピュータ99に接続されている。上位コンピュータ99からは、例えば成膜装置に搬入されるウエハ100のロットの成膜処理のレシピが送られて、メモリ93に記憶される。

0020

処理レシピは、各ロットごとに設定されたウエハ100の成膜処理の手順が処理条件と共に作成された情報である。処理条件としては、プロセス圧力、ALD法における成膜処理部40に供給されるガスの供給、休止のタイミング及び原料ガスの流量などが挙げられる。ALD法について簡単に説明すると、まず原料ガスであるWCl6ガスを例えば1秒間供給してバルブV1を閉じ、ウエハ100表面にWCl6を吸着させる。次いで置換ガス(N2ガス)を真空容器41に供給して、真空容器41内を置換する。続いて反応ガス(H2ガス)希釈ガス(N2ガス)と共に真空容器41に供給すると加水分解及び脱塩化反応によりW(タングステン)膜の原子膜がウエハ100の表面に形成される。この後、置換ガスを真空容器41に供給して、真空容器41を置換する。こうして真空容器41内に、WCl6を含む原料ガス→置換ガス→反応ガス→置換ガスを供給するサイクルを複数回繰り返すことにより、W膜の成膜を行う。
ALD法は、原料ガス、置換ガス、反応ガス、置換ガスをこの順番で供給するサイクルを複数回実行するものであることから、このサイクルを規定したレシピにより、オン信号オフ信号のタイミングが決定される。例えば原料ガスの給断はバルブV1により行われるためバルブV1のオン信号からオフ信号までの期間が原料ガスの供給時間であり、バルブV1のオフ信号からオン信号までの期間が、原料ガスの休止期間である。このようにMFC1、MFC2及びMFM3において原料の流量の測定値を求めるにあたって、ALD法を行う場合、原料ガスが間欠的に供給され、その供給時間が短いので、流量測定値立ち上がって安定する前に立ち下がり、このため不安定になるおそれがある。このためMFC1、MFC2、MFM3の各測定値は、この例では後で詳述するようにバルブV1のオン、オフの1周期分の流量の測定値の積分値を1周期の時間で除算した値を測定出力値指示値)として用いている(評価している)。

0021

更にメモリ93には、例えば原料容器14の加熱温度である例えば160℃におけるキャリアガスの流量の増減量と、キャリアガスと共に原料ガス供給路32に流れ込む気化した原料の流量の増減量と、の関係を示す情報、例えば関係式が記憶される。この関係式は、例えば次の(1)式のように一次式近似される。
気化した原料の流量の増減量=k(定数)×キャリアガスの流量の増減量・・(1)

0022

プログラム格納部92に格納されているプログラムには、原料ガス供給部10の動作を実行するためのステップ群が組まれている。なおプログラムという用語は、プロセスレシピなどのソフトウエアも含む意味として使用している。ステップ群の中には、MFC1、MFC2及びMFM3の各流量の測定出力を供給時間の間積分し、その積分値を供給期間の流量値として取り扱って演算するステップが含まれる。なお積分の演算処理については、時定数回路を用いたハード構成を用いてもよい。プログラムは、例えばハードディスクコンパクトディスクマグネットオプティカルディスクメモリーカード等の記憶媒体に格納され、コンピュータインストールされる。

0023

本発明の実施の形態に係る成膜装置の作用について図3に示すフローチャートを用いて説明する。ここでは1ロットには、2枚以上のウエハ100、例えば25枚のウエハ100が含まれるものとする。まず成膜装置の電源を入れた後、例えば先頭のロット(成膜装置の電源を投入した後の最初のロット)のウエハ100が収められたキャリアキャリアステージに運び込まれる。この場合ステップS1、ステップS2を介してステップS4に進み、先頭のロットの処理レシピの条件にてオフセット値が取得される。

0024

ここでオフセット値について説明する。図4は、原料ガス供給部10を用い、キャリアガス供給源11及び希釈ガス供給源21から夫々キャリアガス及び希釈ガスを供給し、MFM3を通過させた後、成膜処理部40にガスを供給したときのMFM3の測定値m3から、MFC1の測定値m1とMFC2の測定値m2との合計値を差し引いた値を示す。時刻t0からt100までは、キャリアガスを原料容器14を通過させずにバイパス流路7を介して、原料ガス供給路32に供給したときの(m3−(m1+m2))の値を示す。時刻t0からt100の間は、MFM3を通過するガスは、キャリアガス供給路12から供給されるキャリアガスと、希釈ガス供給路22から供給される希釈ガスとを合わせたガスになる。しかしながらMFM3の測定値m3と、MFC1の測定値m1と、MFC2の測定値m2と、の合計値(m1+m2)と、差分は、図4に示すように0にならず誤差が生じる。この誤差分の値がオフセット値に相当する。この誤差分は、MFM3と、MFC1及びMFC2との各機器の個体誤差により生じる。

0025

続いてオフセット値を取得する工程について説明する。オフセット値を求める作業は、MFC1及びMFC2の設定値を、処理レシピに書き込まれている、原料ガスの流量の目標値に応じて、決められたキャリアガスの流量値及び希釈ガスの流量値に設定して行われる。更に処理レシピにおける成膜処理部40に供給される原料ガスの供給、休止の周期におけるバルブV1の開閉のスケジュールと同じスケジュールにてバルブV1の開閉を行うように設定され、オフセット値を取得する工程における圧力は、処理レシピにより決められた圧力に設定されて作業が行われる。

0026

このMFC1の設定値は、例えば原料容器14に固体原料が最大まで補充された状態において、目標値の流量の原料を供給することができるキャリアガスの流量に基づいて決定され、原料の流量の増減量とキャリアガスの流量の増減量との関係は、例えばメモリ93に記憶されている。また圧力調整部94により、成膜処理部40の圧力が処理レシピにおける設定圧力に設定される。また成膜処理部40の温度調整には時間がかかることに加え気化した原料が低温の部位に付着し固化する可能性がある。従って成膜処理部40の温度は、例えば予め成膜処理における温度である170℃に設定されている。
希釈ガスの流量の設定については、原料の流量が小さいため、例えば希釈ガスにより希釈された原料ガスの総流量をキャリアガス及び希釈ガスの合計流量として決めている場合には、総流量からキャリアガスの流量設定値を差し引いた値として決められる。また原料の流量も総流量に含める場合には、原料の供給量の目標値は、例えば単位時間当たりの重量として取り扱われることから、プロセス圧力と原料の供給量の目標値とに基づいて、総流量と原料を供給するためのキャリアガスの流量を求める。従って、総流量から原料の供給量と、キャリアガスの流量と、の合計値を差し引いた値が希釈ガスの流量の設定値となる。

0027

次いでバルブV3、V5、V6、V7を開き、時刻t0以降にて、処理レシピにおけるバルブV1の開閉のタイミングと同じ周期でバルブV1の開閉を行う。ここでは、例えば時刻t0から時刻t100までの間にバルブV1を1秒間開き、1秒間閉じる動作を100回くり返す。なお真空容器41内は、既に真空排気されている。これにより、キャリアガス供給源11から、キャリアガスがMFC1の設定値に対応する流量でキャリアガス供給路12、バイパス流路7の順に流れて、原料ガス供給路32を流れる(バイパスフロー)。その後原料ガス供給路32において、希釈ガス供給路22から供給される希釈ガスと混合されてMFM3を流れ、こうしてキャリアガスと希釈ガスとの混合ガスが成膜処理部40に間欠的に流れ込む。

0028

そしてt0〜t100におけるMFC1、MFC2及びMFM3の各々における流量の測定値を求める。図5(a)は、原料ガスの給断を行うバルブV1の状態を示しており、オンの時間帯が原料ガスの供給期間に相当し、オフの時間帯が原料ガスの休止期間に相当する。図5(b)は、時刻t0〜t100の間において、MFM3にて計測される原料ガスの流量の測定出力(指示値)の推移を示す。このようにバルブV1を開いている時間が短いため、MFM3にて計測される原料ガスの流量の測定出力はバルブV1のオン指令の後、急激に立ち上がり、バルブV1のオフ指令の後直ぐに立ち下がるパターンとなる。なお図5(a)における供給期間と休止期間との比率は便宜上のものである。

0029

そのためMFM3、MFC1及びMFC2の各流量測定出力を制御部9により各々原料ガスの供給、休止の1周期の間積分し、その積分値を1周期の時間Tで割った値を流量の測定値とする。ここでは、図5(a)に示すバルブV1のオン指令に基づいて、例えば時刻t0にガスの流量の積分動作を開始し、次のバルブV1のオン指令が出力される時刻t1に当該積分動作が終了する。このt0からt1までを1周期とする。

0030

そしてMFC1、MFC2及びMFM3の各々においてt0からt1までの流量を積分した積分値を1周期の時間T、即ち時刻t0からt1までの時間(t1−t0)で割った値(積分値/(t1−t0))を夫々時刻t0からt1におけるMFC1の測定値m1、MFC2の測定値m2及びMFMの測定値m3とする。
このようにt0からt1、t1からt2…の各周期において、m1、m2及びm3の各値を求め、図6に示すように各周期における(m3−(m1+m2))の値を求める。そして例えばt0から100周期分の(m3−(m1+m2))の値の平均値をオフセット値とする。

0031

図3に戻ってステップS4にてオフセット値を取得した後、当該オフセット値が許容範囲内である場合には、ステップS5にて「YES」となり、ステップS6に進む。続いて成膜処理部40にウエハ100を搬入し、1枚目のウエハ100の処理を開始し、原料の流量の実測値mを取得する。オフセット値は、MFM3と、MFC1及びMFC2と、の誤差であるため、あまりにも大きな値の場合には、MFM3と、MFC1及びMFC2と、の測定誤差以外の要因による誤差であると考えられる。そのため予めMFM3と、MFC1及びMFC2と、の個体誤差と見做せる許容範囲について定めておく。

0032

ステップS6においては、予め原料容器14の加熱部13をオンにして、原料容器14を例えば160℃に加熱し、固体原料を昇華させて、原料容器14内の原料の濃度を飽和濃度に近い濃度まで高める。そして成膜処理部40にウエハ100を搬入し、後述の原料の流量の実測値mを取得する。即ち処理レシピに書き込まれているキャリアガスの流量値及び希釈ガスの流量値に設定し、さらに成膜処理部40の圧力を処理レシピにより決められた圧力に設定して、時刻taにおいて、バルブV7を閉じバルブV2及びV4を開く。これによりキャリアガス供給路12から原料容器14にMFC1により設定された流量でキャリアガスが供給され、原料容器14内において気化した原料がキャリアガスと共に原料ガス供給路32に流れる。更に希釈ガス供給路22から原料ガス供給路32に流れ込む希釈ガスが合流する。そして時刻taから処理レシピにおけるバルブV1の開閉の周期で、バルブV1の開閉を行う。ここではバルブV1を1秒間開き、1秒間閉じる動作をくり返す。これにより希釈ガスと混合された原料ガスが成膜処理部40に送られる(オートフロー)。従ってキャリアガスの流量値及び希釈ガスの流量値、成膜処理部40の圧力、バルブV1の開閉の周期をオフセット値を取得する工程と同じ設定値として、キャリアガスを原料容器14に供給して、原料ガスを成膜処理部40に供給することになる。
これにより図5(c)に示すように原料ガスは、バルブV1のオン指令の後、急激に立ち上がり、時刻t0からt100までにおける測定値より大きな値まで上昇し、バルブV1のオフ指令の後直ぐに立ち下がるパターンとなる。

0033

そして1枚目のウエハ100の処理において、時刻t0からt100までと同様にMFC1、MFC2及びMFM3の各々においてtaからta+1までの流量を積分した積分値を1周期の時間T、即ち時刻taからta+1までの時間(ta+1−ta)で割った値(積分値/(ta+1−ta))を算出し、夫々時刻taからta+1におけるMFC1の測定値m1、MFC2の測定値m2及びMFMの測定値m3とする。さらにガスの供給周期の1周期ごとにMFM3の測定値m3からMFC1の測定値m1とMFC2の測定値m2との合計値を差し引き、各周期の(m3−(m1+m2))の値を求める。時刻ta以降における各周期の(m3−(m1+m2))の値は、図4に示すように希釈ガスにより希釈され、成膜処理部40に供給される原料ガスの総流量からキャリアガスの流量と、希釈ガスの流量の合計値を差し引いた値、即ち原料の流量になるはずである。

0034

しかしながら前述のように、MFM3の測定値と、MFC1の測定値m1とMFC2の測定値m2との合計値との間に、MFM3と、MFC1及びMFC2との機器間の測定出力の差により生じる誤差が含まれている。この誤差分に相当する値が上述したオフセット値であるため、図4及び図5(c)中に示す時刻ta以降における原料ガス供給の各周期の(m3−(m1+m2))の値の平均値を求め、時刻t0からt100におけるオフセット値を差し引くことにより、成膜処理部40に供給される原料の流量の実測値mが求まる。実測値mは、下記の(2)式により原料(mg/分)の値に変換される。
原料(mg/分)=原料の流量(sccm)×0.2(Conversion Factor)/22400×原料の分子量(WCl6:396.6)×1000・・・(2)

0035

次いでステップS7にて、N=2に設定し、ステップS8に進む。そしてステップS8において、原料の流量の実測値mが設定範囲内にある場合には、「YES」となり、ステップS9に進む。ステップS9においては、2(N=2)枚目のウエハ100に1枚目のウエハ100と同様の処理を行い、原料の流量の実測値mを取得する。

0036

一方ステップS8において、N−1枚目、この場合には1枚目のウエハ100における原料の流量の実測値mがコントロール範囲(設定範囲)内から外れている場合には、「NO」となり、ステップS21に進む。次いで原料の流量の実測値mがエラーと判定される値(異常値)ではない場合には、ステップS22に進む。

0037

続いてステップS22においてキャリアガスの流量を調整して、原料の流量を調整する。前述のようにキャリアガスの流量の増減量a1とキャリアガスと共に流れる原料の流量の増減量Δmとは、図7に示すように原料の流量の増減量y、キャリアガスの流量の増減量xとすると、傾きkの一次式y=k(x)で近似される。そして現在のMFC1の測定値m1に対して原料の流量の実測値mの原料が流れている。原料の流量の実測値mと原料の流量の目標値との差分値分を原料の増減量Δmとすればよいため、Δm=k×a1となり、a1を求めることができる。そしてこのa1を現在のMFC1の測定値に加算する。MFC1は設定値の流量が測定値になるように調整するため、MFC1の現在の設定値にa1を加算することにより、MFC1の測定値を(m1+a1)とすることができる。またMFC1の測定値にa1を加算することにより、成膜処理部40に供給される希釈ガスで希釈された原料ガスの総流量が増加してしまい、圧力が変動してしまう。そのため、MFC2の現在の測定値m2からa1を差し引いた(m2−a1)が測定値となるように、MFC2の現在の設定値からa1を差し引いた値に変更する。その後、ステップS9に進み、N枚目のウエハ100の処理を行い原料の流量の実測値mを取得する。

0038

次いでステップS10に進み、2枚目のウエハ100は、最終ウエハ100でないので「NO」となり、ステップS11にて、N=3に設定してステップS8に戻る。そしてステップS8にて、N−1枚目のウエハ100、ここでは2枚目のウエハ100の成膜処理における原料の流量の実測値mが設定範囲内であるかが判断され、原料の流量の実測値mが設定範囲内にある場合には、ステップS9に進み、2枚目のウエハ100の処理におけるキャリアガスの流量の設定値を用いて3枚目のウエハ100の処理を行い、原料の流量の実測値mを取得する。2枚目のウエハ100における原料の流量の実測値mが設定範囲内にない場合には、ステップS21、S22にてキャリアガスの流量の調整が行われ、3枚目のウエハ100の処理が行われる。このようにステップS8からステップS11の工程を繰りかえし、ロットの全ウエハ100に対して順次の処理が行われる。

0039

図8は、上述のように各ウエハ100における原料の流量の実測値mの一例を示す。例えば、ステップS9において4枚目のウエハ100の成膜処理のときの原料の流量の実測値mの値が設定範囲から外れた値である場合には、ステップS10を介してステップS11に進み、nを5に書き換えた後、ステップS8に進む。4枚目のウエハ100の成膜処理のときの原料の流量の実測値mは、設定範囲外の値であるため、ステップS21に進む。次いで図8に示すように原料の流量の実測値mがエラーと判定される値(異常値)ではない場合には、ステップS22に進み、キャリアガスの流量を調整して、原料の流量を調整する。
このように各ウエハ100の処理を行い、最後のウエハ100、ここでは25枚目のウエハ100においては、ステップS10において「YES」となり終了する。

0040

続いて後続のロットについて説明する。続くロットがキャリアステージに搬入されると、ステップS1を介してステップS2に進む。現在のロットは先頭のロットではないためステップS2において「NO」となり、ステップS3に進む。そしてステップS3において現在のロットのウエハ100に対する処理レシピが先のロット(1つ前のロット)における処理レシピと異なるかが判定される。具体的には、例えば処理レシピにおける原料の流量(原料の流量の目標値)、成膜処理部40の設定圧力及び成膜処理における原料ガスの供給、休止の周期の3つの項目が同一か否かが判定され、少なくとも一つの項目が異なる場合には、「YES」となり、ステップS4に進む。そしてステップS4において、現在のロット(後続のロット)のウエハ100に対する処理レシピに基づいて、原料の流量の目標値、成膜処理部40の設定圧力及び成膜処理における原料ガスの供給、休止の周期が設定される。そして、先のロットと同様にオフセット値が取得され、ステップS5に進みオフセット値が許容範囲内にある場合には、ステップS6に進み、続くステップS6以降の工程を行う。

0041

また後続のロットにおける処理レシピが先のロットの(1つ前のロット)における処理レシピ、具体的には、例えば処理レシピにおける原料の流量(原料の流量の目標値)、成膜処理部40の設定圧力及び成膜処理における原料ガスの供給、休止の周期の3つの項目が同一である場合には、ステップS3にて「NO」となり、ステップS6に進み、先のロットで用いたオフセット値を用いて、続くステップS6以降の工程を行う。

0042

さらにロットの処理レシピに合わせてオフセット値を取得したときに、オフセット値が許容範囲内から外れてしまった場合には、ステップS5にて「NO」となり、ステップS30に進みアラームを鳴らした後、終了となる。この場合にはMFM3と、MFC1及びMFC2と、の個体誤差以外の要因による誤差が生じている可能性があるためメンテナンスを行う。

0043

またステップS8において、n枚目のウエハ100における原料の流量の実測値mが、設定範囲内からも外れ、エラーと判定される値(異常値)である場合には、ステップS8からステップS21に進み、ステップS21にて「YES」となる。そのためステップS30に進み、アラームを鳴らした後、終了となり、例えば原料ガス供給部10のメンテナンスを行う。

0044

上述の実施形態では、キャリアガスを原料容器14に供給して、気化した原料をキャリアガスと共に原料容器14から流出させ、更に希釈ガスで希釈した後、成膜処理部40に供給するにあたり、原料の流量の実測値と目標値との差分に応じてキャリアガスの流量を調整している。そして、気化した原料、キャリアガス及び希釈ガスの各流量の合計の測定値からキャリアガス及び希釈ガスの各流量の測定値の合計を差し引いた差分値に対して、更に各測定機器の個体間の誤差に基づくオフセット値を差し引いて、原料の流量の実測値として取り扱っている。従って各測定機器の個体間の誤差分が相殺され、原料の量の正確な実測値を求めることができ、実測値に基づいてキャリアガスの供給量を調整するためウエハ100毎の原料の供給量が安定する。
さらにALD法を実施するにあたり、各測定機器において原料ガスの供給、休止の1周期における測定出力の積分値を流量測定値として取り扱っているため、短時間でのガスの流量の立ち上がり、立ち下りに起因する測定の不安定性を避けることができる。このためガス流量の測定値を安定して求めることができ、この結果ウエハ100毎の原料ガスの供給量が安定する。

0045

さらにステップS6からステップS10に示す原料の流量の実測値の測定においては、ロットのウエハ100の処理の前に、原料の流量の実測値mの測定を行うようにしてもよい。例えば当該ロットにおける処理レシピと同様の設定条件とした後、真空容器41にウエハ100を搬入せずに仮に原料ガスを供給して行うダミー処理により、原料の流量の実測値mの測定を行うようにしてもよい。これにより一枚目のウエハ100の処理における原料ガスの流量の精度を高めることができる。
また例えば成膜装置においてロットの処理を行う前や真空容器41内のクリーニング処理の後に、真空容器41に成膜ガスを供給し内面析出させ、真空容器41のコンディションの状態を整えるプリコートが行われるが、このプリコート処理において、原料の流量の実測値mの測定を行うようにしてもよい。
さらに流量の測定値m1、m2及びm3を算出するにあたって、MFM3、MFC1及びMFC2の各流量測定出力を制御部9により各々原料ガスの供給、休止の周期のn(2以上)周期の間積分し、その積分値をn周期の時間nTで割った値を流量の測定値m1、m2及びm3としてもよい。

0046

またプリコートの条件を揃えるために、真空容器41に供給する原料ガスの流量の精度が高いことが好ましい。そのため、プリコート処理の前にダミー処理を行い、原料の流量の実測値mを測定し、プリコートにおける原料ガスの流量の精度を高めるようにしてもよい。例えば図3中のステップS6と同様にダミー処理により、原料の流量の実測値mの取得を行う。そして原料の流量の実測値mが設定範囲内であるか(ステップS8)を判断し、原料の流量の実測値mが設定範囲内でない場合にキャリアガスの流量を調整した後、プリコート処理を行ってもよい。

0047

また原料の流量の実測値mを、例えば原料の供給、休止の1周期の積分値により取得し、1枚のウエハ100の成膜処理を行っている最中にリアルタイムで原料の供給量を調整するようにしてもよい。例えばある時刻における原料の供給、休止の周期T1において取得した原料の流量の実測値mと、原料の流量の目標値との差分値と、によりPID演算処理を行い、偏差量を取り出す。そして偏差量に基づいて、周期T1の後続の原料の供給、休止の周期における原料の供給量を調整してもよい。
本発明はCVD法により成膜処理を行う成膜装置に用いてもよい。CVD法においては原料ガスを成膜処理部40に連続的に供給すると共に、反応ガスを連続的に供給してウエハ100に成膜を行う。CVD法においては、原料ガスの流量が安定した状態におけるMFM3、MFC1及びMFC2の各流量測定出力を夫々MFM3、MFC1及びMFC2の測定値m1、m2及びm3としてもよい。
またCVD法においては、1枚のウエハ100の処理における原料の供給期間において、例えば0.1秒間隔で原料の流量の実測値mを測定し、ある時刻における原料の流量の実測値mが設定範囲から外れた場合に、直ちに原料の流量の実測値mが設定範囲内になるように調整してもよい。
このようにリアルタイムで原料の流量を調整することで1枚目のウエハ100及びダミー処理による原料の流量の実測値mの取得を行う必要がない。

0048

さらにまた原料容器14に収容する原料は固体原料に限らず液体原料であってもよい。
またステップS22においてキャリアガスの流量を調整するにあたって、キャリアガスの流量値と、原料の流量値と、を対応させた関数、例えば一次式を用い、原料の流量値の実測値と目標値とに夫々対応するキャリアガスの流量値を前記関数から求め、両者のキャリアガスの流量値の差分に基づいてキャリアガスの流量を調整してもよい。
また本発明は、MFM3の下流側で、バルブV1の上流側に原料ガスを一時貯留するためのタンクが設けられていてもよい。この場合には、タンクに貯留した原料ガスを一気に成膜処理部40に供給することができ、単位時間当たりの成膜処理部に供給する原料の流量を多くすることができる。従ってバルブV1を開いている時間を短くすることができ、ウエハ100の処理時間を短くすることができる利点がある。

0049

また例えばウエハ100をALD法により処理するにあたって、互いに膜質の異なる複数の膜を連続して成膜するために、原料の流量及び原料ガスの供給時間(1サイクルにおける原料のガスの供給時間)の少なくとも一方が互いに異なる複数のALDを行う場合がある。一例として、ウエハ100に対して行う成膜処理が第1のALDとこれに続く第2のALDとからなり、第1のALDと第2のALDとの間で、原料の流量及び原料ガスの供給時間が異なるものとする。例えば原料の給断を100サイクル行い成膜処理を行うとして、第1のALDの50サイクルにおける原料の流量及び原料ガスの供給時間と、第2のALDの50サイクルにおける原料の流量及び原料ガスの供給時間と、が異なる処理レシピを用いる場合がある。その場合には、図3に示すステップS4のオフセット値を取得する工程において、第1のALDにおけるオフセット値と、第2のALDにおけるオフセット値とを取得する。

0050

そして図3に示すステップS6において、原料容器14から供給された原料の流量の実測値mを取得するときに、第1のALDによる成膜処理においては、第1のALDのオフセット値を用いて、原料の流量の実測値mを求める。次いで第2のALDによる成膜処理においては、第2のALDのオフセット値を用いて、原料の流量の実測値mを取得する。
そして各々のmについて図3中ステップS8、ステップS21及びステップS22を行うようにすればよい。

0051

また図3に示すステップS4にて、オフセット値を取得するにあたって、処理レシピから、オフセット値に影響の大きいプロセスパラメータを拾い出した算出用パラメータを組み込んだレシピを用いてもよい。
例えば図9に示すように、制御部9のメモリ93に算出用レシピ93aを記憶する領域を設けると共に、算出用レシピ93aを作成するためのひな形となる算出用レシピフォーマット93bを記憶する。またプログラム格納部92に図3に示したフローチャートに示す原料ガス供給部10の動作を実行するための処理プログラム92aと共に、算出用レシピ93aを作成するためのレシピ作成プログラム92bを格納する。

0052

続いて算出用レシピフォーマット93bについて説明するが、まず処理レシピについて説明する。処理レシピは、ロット毎にそのロットのウエハ100に対して行うプロセスに関する手順を規定したものであり、図10は、実際の処理レシピの一例を端折って模式的に示したものである。図10に示す処理レシピは、実行順を示す「ステップ番号」、各ステップの「実行時間」、「バルブV1のオンオフ」、当該ステップを終了後に実行するステップ番号を示す「繰り返し先ステップ」及び「繰り返し回数」バルブV2、V4及びV7の操作によるバイパスフローとオートフローとの切り替えを示す「フローモード」、キャリアガス流量(sccm)を示す「キャリアN2」、希釈ガス流量(sccm)を示す「オフセットN2」、成膜処理部40の「圧力」(Torr)を含んでいる。「バイパスフロー」とは、キャリアガスを原料容器14を迂回させ、バイパス流路7を介して、原料ガス供給路32に供給し、キャリアガスと希釈ガスとの混合ガスを成膜処理部40に供給する供給方法である。また「オートフロー」とは、キャリアガスを原料容器14に供給して、気化した原料を含むキャリアガスを原料ガス供給路32に供給し、原料ガスを成膜処理部40に供給する供給方法である。なお図10に示す処理レシピは、ウエハ100の成膜処理の処理レシピにおける原料ガスの供給に関わるレシピの部分を示しており、反応ガス及び置換ガスの給断に関する部分は省略している。

0053

図10に示す処理レシピに沿って動作を説明すると、ウエハ100を真空容器41に搬入した後、50秒間待機し、ステップ2にて成膜処理部40の圧力80Torrに調整する。次いでキャリア流量を300sccm、希釈ガス流量を1100sccmに設定してバルブV1を0.4秒開き、0.3秒閉じる動作を40回繰り返す。続いて成膜処理部40の圧力を40Torrに調整した後、キャリア流量を700sccm、希釈ガス流量を600sccmに設定してバルブV1を0.4秒開き、0.3秒閉じる動作を30回繰り返す。その後成膜処理部40への原料の供給を停止し、所定の真空圧まで真空容器41内を引き切る。従って処理レシピは、ウエハ100にステップ3、4に示す第1のALDと、ステップ6、7に示す第2のALDとの2通りのALDを行う処理レシピである。

0054

次いで算出用レシピフォーマット93bについて説明すると、図11に示すように算出用レシピフォーマット93bは、処理レシピと同様に「ステップ番号」、「実行時間」、「バルブV1のオンオフ」、「繰り返し先ステップ」、繰り返し回数」、「フローモード」、キャリアガス流量(sccm)を示す「キャリアN2」、希釈ガス流量(sccm)を示す「オフセットN2」、成膜処理部40の「圧力」(Torr)を含んでいる。算出用レシピフォーマット93bは、オフセット値の取得に影響のある部分をブランクとしており、オフセット値の取得に影響のないパラメータについては処理レシピと共通化されている。例えば算出用レシピフォーマット93bは、ステップ3、4及びステップ6、7における「実行時間」、ステップ3〜7における「キャリアN2」、及び「オフセットN2」ステップ2〜8における「圧力」の項目がブランクとなっており、処理レシピごとに書き込めるように構成されている。またステップ1〜9における「フローモード」がバイパスフローになっていることと、ステップ4及びステップ7の繰り返し回数が10回になっている。

0055

算出用レシピ92aは、原料を実際に供給する必要がないため、フローモードが処理レシピと異なることに加えて、バルブV1の開閉の繰り返し数が処理レシピと異なる。処理レシピにおいては、バルブV1の開閉を例えば100回繰り返し成膜処理を行うが、バルブV1開閉の繰り返し数の違いは、オフセット値に影響を与えない。従って、バルブV1の開閉の繰り返し数を少なく設定してオフセット値の取得時間を短くするようにしている。また図10図12のレシピには含まれていないが、例えば原料ガス供給路32に残るわずかな原料ガスが成膜処理部40に供給されるおそれがあることから、反応ガスの供給は行わない。

0056

レシピ作成プログラム92bについて説明する。図3に示すステップS4に進むと、まず上位コンピュータ99から図10に示す現在のロットに対応した処理レシピが制御部のメモリ93に送られる。そしてレシピ作成プログラム92bは、処理レシピから算出用レシピフォーマット93bのブランク部分に対応する項目、即ちステップ3〜7における「キャリアN2」、及び「オフセットN2」、ステップ2〜8における成膜処理部40の「圧力」、ステップ3、4及びステップ6、7の「実行時間」の値を読み出す。更に読み出された値を各々図11に示す算出用レシピフォーマット93bの対応するブランクに書き込む。これにより図12に示すような算出用レシピ93aが作成され、メモリ93に記憶する。

0057

そしてレシピ作成プログラム92bにより作成された算出用レシピ93aを用いてオフセット値が取得される。後述の検証試験に示すようにオフセット値は、キャリアガス及び希釈ガスの流量に影響を受け、また成膜処理部40の温度によっても影響を受ける。さらにオフセット値は、キャリアガスの流量が同じであっても、成膜処理部40の圧力や、バルブV1の開閉の周期に影響を受ける。なおオフセット値の取得のときには、既に成膜処理部40の温度は、成膜処理の温度に設定されているので、温度については考慮していない。
従って処理レシピごとに、処理レシピのバルブV1の開閉の時間、キャリアガス及び希釈ガスの流量及び成膜処理部40の設定圧力の設定値が書き込まれた算出用レシピ92aを設定することにより、処理レシピごとに正確なオフセット値を求めることができる。このため、原料の流量の測定値からオフセット値を差し引いた原料の流量の実測値の精度が高くなる。そして上述のように算出用レシピ92aを用いているので、データ処理の負担が小さい。

0058

また同一の処理レシピで連続して各ロットのウエハ100に成膜処理が行われている場合、ウエハ100の処理に伴い、原料容器14の原料の残量が減少する。そして図3に示すステップS21、S22において、キャリアガス及び希釈ガスの流量を調整したときに、キャリアガスと、希釈ガスと、の温度差などにより原料ガスの温度が変化し、徐々にオフセット値がずれる可能性がある。そのため、例えばウエハ100の処理枚数一定枚数に達したときや、原料ガスの供給時間が一定時間に達したときに、オフセット値を変更するようにしてもよい。例えば処理中のロットが終了した後、後続のロットの処理において、図3中のステップS2の後にウエハ100の処理枚数が一定枚数に達した場合に、「Yes」となりステップS4に進み、ウエハ100の処理枚数が一定枚数に達していない場合に「No」となり、ステップS3に進むステップを設ければよい。このように構成することで、同じ処理レシピを連続して行っているときに処理枚数が多くなったり、処理時間が長くなり、MFM3、MFC1、MFC2の個々の装置の誤差が大きくなった場合にもオフセット値が修正され、原料の流量の実測値mを精度よく求めることができる。またロットの処理中に、一旦ロットの処理を中断し、オフセット値の取得を行うようにしてもよい。
また例えば成膜処理部40の圧力に対するオフセット値の影響の少ないときには、原料ガス供給路32から成膜処理部40を迂回する迂回路を介して、ガスを排気して、オフセット値を取得してもよい。

0059

[検証試験]
処理レシピと、オフセット値との関係を調べるために以下の試験を行った。本発明の実施の形態に示した成膜装置を用い、成膜処理部40の圧力及び温度、原料ガスの供給及び休止の周期、キャリアガス及び希釈ガスの流量の異なる処理レシピを用いて、各々オフセット値を取得した。
図13は、希釈ガスの流量を0に設定した処理レシピを用いて、オフセット値の取得を行った例において、キャリアガスの流量とオフセット値との関係を示す特性図である。また図14は、キャリアガス及び希釈ガスを供給する処理レシピを用いてオフセット値の取得を行った例において、キャリアガスの流量及び希釈ガスの流量の合計流量とオフセット値との関係を示す特性図である。図13図14においては、成膜処理部40の温度により凡例を変えて示している。
この結果によれば、図13図14に示すようにキャリアガス及び希釈ガスの流量を増加させることにより、オフセット値が増加する傾向にあることが分かる。しかしながらキャリアガス及び希釈ガスの流量を一定とした場合においても成膜処理部40の温度や圧力、バルブV1の開閉の周期などの処理レシピの設定値により、オフセット値にばらつきがあることが分かる。従って既述のように処理パラメータが変更されるときには、その処理パラメータを用いてオフセット値を取得することが有利であると言える。

0060

1MFM
2、3 MFC
7バイパス流路
9 制御部
12キャリアガス供給路
14原料容器
22希釈ガス供給路
32ガス供給路
40真空処理
44真空排気部
47圧力調整バルブ
48バルブ
100ウエハ
V1〜V7 バルブ

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