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技術 2価カチオン低含有カラギーナン及びその製造方法

出願人 帝人ファーマ株式会社
発明者 陰野美由紀北田英之伊藤典子加藤修
出願日 2015年10月2日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-196803
公開日 2017年4月6日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-066342
状態 特許登録済
技術分野 医薬品製剤 ゼリ-、ジャム、シロップ 多糖類及びその誘導体
主要キーワード アミノカルボン酸型キレート剤 圧縮治具 紅藻類海藻 アルカリ無機塩 カロブビーンガム ラムダカラギーナン カッパカラギーナン 強アルカリ溶液
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課題

本発明は、カラギーナンを含有する医薬品製剤又は食品等において不要性塩を形成しない又は不溶性塩を減少させることを目的とする。

解決手段

本発明は、カラギーナン製造時にクエン酸カリウムを用いた脱塩工程を経ることによって得られる2価カチオン低含有カラギーナンを提供する。

概要

背景

カラギーナンは、紅藻類海藻から抽出される天然多糖類で、原料である海藻を、熱水強アルカリ溶液を用いて抽出することにより得られるカラギーナンを、さまざまな方法で精製し、製品となる。

カラギーナンはガラクトースと3,6−無水ガラクトース共重合体硫酸エステルから成り立ち、主としてカリウムナトリウムカルシウムマグネシウム及びアンモニウム塩をなしている。硫酸基と3,6−無水ガラクトースの有無及びそれらの位置の違いにより3つの種類、ラムダ(λ)カラギーナン、イオタ(ι)カラギーナン及びカッパκ)カラギーナンがある。イオタ及びカッパカラギーナンゲル化能を有するポリマーであり、中でもカッパカラギーナンはもっとも強いゲル化能を有する。
その使用範囲と目的は、食品では増粘剤として、医薬品製剤では乳化剤ゲル基剤マトリックス型徐放剤の基剤、増粘剤として、その他工業製品等、様々な用途に用いられている。

一般に、食品や医薬品製剤の添加物については、医薬品における有効成分等他の成分やその製剤との配合性が、その食品や医薬品の品質確保の上で重要である。そして、食品や医薬品製剤の添加物として使用されるカラギーナンは、上述の通り天然物由来であるため、不純物や塩を含み、それら不純物や塩の種類とその含有量も元の天然物に依存するので、それら不純物や塩の含有量の制御が重要となる。

実際に、骨粗鬆症治療薬として知られているアレンドロン酸等のビスホスホン酸類は、医薬品製剤中に、2価カチオンが、添加物等に含まれる不純物程度の低い含量で含まれていても、その2価カチオンと不溶性塩を形成することが知られている。よって、特許文献1に記載されているような、カラギーナンを使用したビスホスホン酸類のゼリー状製剤を製造するような場合に、2価カチオン低含有のカラギーナンが望まれる。

特許文献2には、2価カチオン低含有のカラギーナンとして、濾過助剤を添加する工程等を含む方法により、カルシウム含量窒素含有率を低くして、製造されるゲルの透明度を向上させる、カッパカラギーナンの開示がある。
また、カラギーナンそのものの透明度を向上させる方法としては、カラギーナンの精製工程で有機酸類(特許文献3)、ポリリン酸塩(特許文献4)を添加する方法がある。

しかし、これらはいずれもカラギーナンそのものに含まれる透明度を低下させる成分を除去することにより、カラギーナン又はカラギーナンを使用して製造されるゲルの透明度を向上させる技術であり、医薬品における有効成分等他の成分や医薬品製剤あるいは食品そのものとの配合性の観点での有用性は不明であった。
カラギーナンのゲル化を促進するためには、一般的に金属カチオン及び/又はカロブビーンガムを使用する。 特許文献1には、カラギーナン及びカロブビーンガムを使用したゼリー状製剤の製造方法が記載されている。

概要

本発明は、カラギーナンを含有する医薬品製剤又は食品等において不要性塩を形成しない又は不溶性塩を減少させることを目的とする。本発明は、カラギーナン製造時にクエン酸カリウムを用いた脱塩工程を経ることによって得られる2価カチオン低含有カラギーナンを提供する。なし

目的

本発明は、医薬品製剤等における他の成分との配合性や医薬品製剤等そのものとの配合性に優れたカラギーナン及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

カラギーナンクエン酸塩溶液と混合する工程、混合したカラギーナンとクエン酸溶液からクエン酸塩溶液を除去して2価カチオンが低減したカラギーナンを得る工程、を含む、2価カチオン低含有カラギーナンの製造方法。

請求項2

クエン酸塩クエン酸カリウム又はクエン酸ナトリウムである、請求項1に記載の2価カチオン低含有カラギーナンの製造方法。

請求項3

クエン酸溶液がpH4.0より高い、請求項1又は2に記載の2価カチオン低含有カラギーナンの製造方法。

請求項4

クエン酸塩がクエン酸カリウムであり、溶液のpHが4.0より高く、8.0未満である、請求項1に記載の2価カチオン低含有カラギーナンの製造方法。

請求項5

クエン酸塩がクエン酸ナトリウムであり、溶液のpHが4.0より高く、9.0以下である、請求項1に記載の2価カチオン低含有カラギーナンの製造方法。

請求項6

クエン酸塩を、カラギーナンに対して5重量%以上100重量%以下の量で混合する、請求項1〜5のいずれかに記載の2価カチオン低含有カラギーナンの製造方法。

請求項7

カラギーナン含有のマグネシウムイオン又はカルシウムイオンの80%以上を低減する、請求項1〜6のいずれかに記載の2価カチオン低含有カラギーナンの製造方法。

請求項8

マグネシウムイオンの含有量を600ppm以下に低減する、請求項1〜7のいずれかに記載の2価カチオン低含有カラギーナンの製造方法。

請求項9

カルシウムイオンの含有量を1000ppm以下に低減する、請求項1〜8のいずれかに記載の2価カチオン低含有カラギーナンの製造方法。

請求項10

マグネシウムイオンの含有量が120ppm以下である、カラギーナン。

請求項11

マグネシウムイオンの含有量が100ppm以下である、請求項10に記載のカラギーナン。

請求項12

カルシウムイオンの含有量が55ppm以下である、請求項10又は11に記載のカラギーナン。

請求項13

カラギーナンをクエン酸塩溶液と混合し、混合したカラギーナンとクエン酸溶液からクエン酸塩溶液を除去して得られる、2価カチオン低含有カラギーナン。

技術分野

0001

本発明は、2価カチオン低含有カラギーナン及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

カラギーナンは、紅藻類海藻から抽出される天然多糖類で、原料である海藻を、熱水強アルカリ溶液を用いて抽出することにより得られるカラギーナンを、さまざまな方法で精製し、製品となる。

0003

カラギーナンはガラクトースと3,6−無水ガラクトース共重合体硫酸エステルから成り立ち、主としてカリウムナトリウムカルシウムマグネシウム及びアンモニウム塩をなしている。硫酸基と3,6−無水ガラクトースの有無及びそれらの位置の違いにより3つの種類、ラムダ(λ)カラギーナン、イオタ(ι)カラギーナン及びカッパκ)カラギーナンがある。イオタ及びカッパカラギーナンゲル化能を有するポリマーであり、中でもカッパカラギーナンはもっとも強いゲル化能を有する。
その使用範囲と目的は、食品では増粘剤として、医薬品製剤では乳化剤ゲル基剤マトリックス型徐放剤の基剤、増粘剤として、その他工業製品等、様々な用途に用いられている。

0004

一般に、食品や医薬品製剤の添加物については、医薬品における有効成分等他の成分やその製剤との配合性が、その食品や医薬品の品質確保の上で重要である。そして、食品や医薬品製剤の添加物として使用されるカラギーナンは、上述の通り天然物由来であるため、不純物や塩を含み、それら不純物や塩の種類とその含有量も元の天然物に依存するので、それら不純物や塩の含有量の制御が重要となる。

0005

実際に、骨粗鬆症治療薬として知られているアレンドロン酸等のビスホスホン酸類は、医薬品製剤中に、2価カチオンが、添加物等に含まれる不純物程度の低い含量で含まれていても、その2価カチオンと不溶性塩を形成することが知られている。よって、特許文献1に記載されているような、カラギーナンを使用したビスホスホン酸類のゼリー状製剤を製造するような場合に、2価カチオン低含有のカラギーナンが望まれる。

0006

特許文献2には、2価カチオン低含有のカラギーナンとして、濾過助剤を添加する工程等を含む方法により、カルシウム含量窒素含有率を低くして、製造されるゲルの透明度を向上させる、カッパカラギーナンの開示がある。
また、カラギーナンそのものの透明度を向上させる方法としては、カラギーナンの精製工程で有機酸類(特許文献3)、ポリリン酸塩(特許文献4)を添加する方法がある。

0007

しかし、これらはいずれもカラギーナンそのものに含まれる透明度を低下させる成分を除去することにより、カラギーナン又はカラギーナンを使用して製造されるゲルの透明度を向上させる技術であり、医薬品における有効成分等他の成分や医薬品製剤あるいは食品そのものとの配合性の観点での有用性は不明であった。
カラギーナンのゲル化を促進するためには、一般的に金属カチオン及び/又はカロブビーンガムを使用する。 特許文献1には、カラギーナン及びカロブビーンガムを使用したゼリー状製剤の製造方法が記載されている。

先行技術

0008

特開2012−46506号公報
特開2009−1700号公報
特開昭62−149703号公報
特開昭62−153301号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、医薬品製剤等における他の成分との配合性や医薬品製剤等そのものとの配合性に優れたカラギーナン及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、医薬品製剤又は食品などに含まれる物質が2価カチオンと不溶性塩を形成する場合において、不溶性塩の形成を無くす又は減少させるカラギーナン及びその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究した結果、医薬品製剤等における他の成分との配合性や医薬品製剤等そのものとの配合性には2価カチオンの含有量、特にはマグネシウムイオンの含有量が重要であること、そしてその含有量として1000ppm以下であることが重要であることを見出し、さらにカラギーナン製造時に特定のキレート剤及び特定範囲のpHの溶液を用いた工程を経ることで、そのようなカラギーナンを得ることが可能となることを見出した。

0011

本発明を下記に示す。
(1)カラギーナンをクエン酸塩溶液と混合する工程、混合したカラギーナンとクエン酸溶液からクエン酸塩溶液を除去して2価カチオンが低減したカラギーナンを得る工程、を含む、2価カチオン低含有カラギーナンの製造方法。
(2)クエン酸塩クエン酸カリウム又はクエン酸ナトリウムである、(1)に記載の2価カチオン低含有カラギーナンの製造方法。
(3)クエン酸溶液がpH4.0より高い、(1)又は(2)に記載の2価カチオン低含有カラギーナンの製造方法。
(4)クエン酸塩がクエン酸カリウムであり、溶液のpHが4.0より高く、8.0未満である、(1)に記載の2価カチオン低含有カラギーナンの製造方法。
(5)クエン酸塩がクエン酸ナトリウムであり、溶液のpHが4.0より高く、9.0以下である、(1)に記載の2価カチオン低含有カラギーナンの製造方法。
(6)クエン酸塩を、カラギーナンに対して5重量%以上100重量%以下の量で混合する、(1)〜(5)のいずれかに記載の2価カチオン低含有カラギーナンの製造方法。
(7)カラギーナン含有のマグネシウムイオン又はカルシウムイオンの80%以上を低減する、(1)〜(6)のいずれかに記載の2価カチオン低含有カラギーナンの製造方法。
(8)マグネシウムイオンの含有量を600ppm以下に低減する、(1)〜(7)のいずれかに記載の2価カチオン低含有カラギーナンの製造方法。
(9)カルシウムイオンの含有量を1000ppm以下に低減する、(1)〜(8)のいずれかに記載の2価カチオン低含有カラギーナンの製造方法。
(10)マグネシウムイオンの含有量が120ppm以下である、カラギーナン。
(11)マグネシウムイオンの含有量が100ppm以下である、(10)に記載のカラギーナン。
(12)カルシウムイオンの含有量が55ppm以下である、(10)又は(11)に記載のカラギーナン。
(13)カラギーナンをクエン酸塩溶液と混合し、混合したカラギーナンとクエン酸溶液からクエン酸塩溶液を除去して得られる、2価カチオン低含有カラギーナン。

発明の効果

0012

本発明により、2価カチオン、特にマグネシウムイオンの含有量が極めて低いカラギーナンを得ることができる。
また、医薬品製剤に含まれる物質が2価カチオンと不溶性塩を形成する場合において、本発明の2価カチオン低含有のカラギーナンを使用することで、不溶性塩の形成の無い又は減少した医薬品製剤を得ることが可能である。
さらに、医薬品製剤の製造工程において、本発明の2価カチオン低含有カラギーナンに加え、カロブビーンガムを併用することにより、不溶性塩の形成の無い又は減少したゼリー状製剤を提供することができる。

0013

以下に、本発明を詳細に説明する。
従来技術としての一般的なカラギーナンの製造方法は、大きく、原料をアルカリ処理してカラギーナン成分を抽出する工程と、カラギーナンの抽出液からアルコール沈殿法ゲルプレス法によりカラギーナンを得る工程に分かれる。
前者の工程は、カラギーナンの原料である紅藻類、例えばツノマタ属、スギノリ属、キリンサイ属等の海藻を水洗いし、これをアルカリ無機塩水溶液又は熱水で煮熱してカラギーナン成分の抽出を行う工程である。この工程に用いられるアルカリ無機塩としては、水酸化カリウム水酸化ナトリウム等を挙げることができ、その濃度は5〜15質量%程度が好ましいとされる。

0014

後者の工程は、上記カラギーナンの抽出液を濾過濃縮沈殿(又はゲル化)、脱水、乾燥し、カラギーナンを得る工程である。抽出液を沈殿(又はゲル化)、脱水する方法としては、アルコールを添加してカラギーナン成分を沈殿させ、回収後に脱水する方法(アルコール沈殿法)と、塩化カリウムを添加してゲル化させ、そのゲルを圧縮することで脱水する方法(ゲルプレス法)がある。
上記工程によって得られたカラギーナンを、本発明の2価カチオン低減工程によって、金属カチオンに対するキレート能を有する塩(キレート剤)を含有するアルコール溶液を用いて洗浄することにより2価カチオン(マグネシウムイオン及びカルシウムイオン)を除去し、2価カチオン低含有カラギーナンを得る。

0015

本発明の2価カチオン低減工程で用いられるキレート剤としては、2価カチオンと錯体又は塩を形成するものであれば特に限定されない。キレート剤としては、アミノカルボン酸型キレート剤ヒドロキシカルボン酸型キレート剤、エーテルカルボン酸型キレート剤、有機ホスホン酸型キレート剤、又はジチオカルバミン酸型キレート剤等を用いることができる。これらのキレート剤の中でも、ヒドロキシカルボン酸型キレート剤が好ましく、中でもクエン酸塩を用いることが特に好ましい。

0016

本発明の2価カチオン低減工程で用いられるクエン酸塩としては、例えば、クエン酸ナトリウム、又はクエン酸カリウム等が挙げられる。特に、本発明においてはクエン酸カリウムが好ましく、高い2価カチオン低減効果を達成し、かつ高いゼリー強度のゼリー状製剤を得ることができる。カラギーナンはカリウムイオンによってゲル化が促進されるため、クエン酸ナトリウムを使用して脱塩し、後から塩化カリウムを添加してカリウムイオン濃度を高めることによっても、クエン酸カリウムを用いた場合と同程度の高いゼリー強度が得られると予想される。しかしながら、意外にも、クエン酸ナトリウムを使用した場合は、後から塩化カリウムを添加してもクエン酸カリウムと同程度の高いゼリー強度は得られないことが分かり、クエン酸カリウムを用いた場合に最も高いゼリー強度が達成された。カラギーナンを用いたゼリー状製剤は、製造工程において加熱を受けた時間によってゼリー強度が低下する傾向があり、より高いゼリー強度のゼリー状製剤を得ることが求められる。よって、本発明においては、クエン酸カリウムを用いることが好ましい。

0017

カリウムイオンはカラギーナンのゲル化を促進するため、クエン酸カリウムを用いた場合、2価カチオン低減工程での洗浄中にゲル化が生じ、配管がつまる等の製造上の問題を生じる可能性があるが、pHを中性付近に調整することでゲル化を防ぎ、この問題を回避することができた。

0018

本発明の2価カチオン低減工程で用いられるクエン酸塩の量は、使用するクエン酸塩の種類によるが、クエン酸塩として、カラギーナンに対して5重量%以上、100重量%以下が好ましい。クエン酸塩の下限としては、さらに、7重量%以上、10重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、25重量%以上の順で、より好ましい。

0019

本発明の2価カチオン低減工程で用いられるクエン酸塩溶液の液性は、その種類によるが、クエン酸塩によるキレート効果を考慮すると、強い塩基性であることが好ましいと考えられる。しかし、意外にも、強い塩基性でない場合に高い2価カチオン低減効果が得られた。また、pHが4.0以下の場合は、2価カチオン低減工程での洗浄中において、液の流動性が低下し、設備における配管のつまりが生じるおそれがあるため、pHが4.0より高いことが好ましい。クエン酸塩溶液の液性は、下限については、pHが4.0より高いことが好ましく、pHが5.0より高いことがより好ましい。上限については、クエン酸ナトリウムを用いる場合は、pHが8.6以下であることが好ましく、クエン酸カリウムを用いる場合は、pHが8.0未満であることが好ましい。さらにクエン酸カリウムは、より好ましくはpHが7.7未満であること、さらにpHが7.5未満であることがより好ましい。

0020

本発明の2価カチオン低減工程で使用する溶剤としては、アルコールと水の混液が好ましく、アルコールとしては2−プロパノールが好ましく、その濃度は、20重量%以上、80重量%以下が好ましく、40重量%〜60重量%であることがより好ましく、50重量%であることがさらに好ましい。

0021

本発明におけるカラギーナンは、ラムダカラギーナンイオタカラギーナン、又は、カッパカラギーナンである。このうち、カッパカラギーナンが好ましい。本発明のカラギーナンは、食品用又は医薬品用に使われる。本発明におけるカラギーナンは、2価カチオンをほとんど含まないため、2価カチオンと不溶性塩を形成する物質を含有する医薬品製剤や食品に使用すると、当該不溶性塩を含まない又は低減された、あるいは当該不溶性塩が医薬品製剤や食品の保存中に成長又は析出せず、製造面や品質面の制御性に優れた医薬品製剤や食品を製造することができる。

0022

本発明における医薬品製剤の製法を、2価カチオンと不溶性塩を形成する物質としてビスホスホン酸類を含有するゼリー状製剤を例に説明する。
まず、水等の溶媒にビスホスホン酸類、pH調節剤等を攪拌しながら加え、溶解させる。これにカラギーナン等を加え、加温して溶解させる。これを冷却してビスホスホン酸類を含有するゼリー状製剤を得る。

0023

特に、ビスホスホン酸類含有ゼリー状製剤を製造する際に、本発明におけるカラギーナンを使用することで、ビスホスホン酸類の不溶性塩が無い又は少ない、あるいは当該不溶性塩が医薬品製剤の保存中に成長又は析出しないため、製造面や品質面の制御性に優れたゼリー状製剤を製造することができる。本発明におけるビスホスホン酸類としては、アレンドロン酸、エチドロン酸パミドロン酸インカロン酸、リセドロン酸ミノドロン酸ゾレドロン酸、それらの塩、及びそれらの水和物等が挙げられる。中でも、アレンドロン酸ナトリウム水和物のゼリー状製剤製造時に使用することが好ましい。

0024

本発明の2価カチオン低減工程は、マグネシウムイオン、カルシウムイオンの2価カチオンの低減に適し、特にマグネシウムイオンの低減に適している。
マグネシウムイオン又はカルシウムイオンは、本発明における2価カチオン低減工程での洗浄によって、洗浄前のカラギーナンに対して、好ましくは80%以上低減される。さらに好ましくは85%以上、さらにより好ましくは90%以上低減される。

0025

本発明における2価カチオンのカラギーナン中の含有量は、それぞれの2価カチオンを1000ppm以下にすることが好ましく、さらに600ppm、さらに150ppm以下にすることが好ましい。マグネシウムイオンの場合は、さらに120ppm以下、100ppm以下、50ppm以下にすることが好ましい。カルシウムイオンの場合はさらに100ppm以下、60ppm以下にすることが好ましい。

0026

また、ゼリー状製剤のゼリー強度は、直径1cmの円柱状のゼリー状製剤を、圧縮速度0.5mm/秒でφ10mmの圧縮治具を用いて、直径方向破断させた場合の強度として、0.5N以上が好ましく、0.9N以上がより好ましい。上限としては10N以下が好ましく、6N以下がより好ましい。本発明におけるカラギーナンを使用して製造したゼリー状製剤は、この数値を満たす。
さらに、本発明は、製剤や食品の製造において、本発明のカラギーナンに加え、カロブビーンガムを併用することが好ましい。

0027

本発明を以下の実施例によって具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。

0028

[参考例1]カッパカラギーナンの製造
2価カチオン低含有カッパカラギーナンを以下の手順に従って製造した。
紅藻類の原藻(Eucheuma属、東アジア産)の乾燥品(1000g)を水洗いし、9000gの蒸留水和光純薬)と混ぜ、煮熱してカッパカラギーナンを抽出した。抽出液を濾過、濃縮し、塩化カリウム(100g)を添加してゲル化させ、そのゲルを圧縮することで脱水した後、乾燥し、カッパカラギーナン(640g)を得た。

0029

[実施例1]2価カチオン低含有カッパカラギーナンの製造(2価カチオン低減工程)
以下の手順に従って、クエン酸塩溶液を調整し、それを用いて参考例1で得られたカッパカラギーナンを洗浄することによって、2価カチオン低含有カッパカラギーナンを製造した。なお、製造設備の配管のつまりの原因となり得る、溶液の流動性の低下の発生について観察した。
50重量%2−プロパノール水溶液(1900g)に、クエン酸1水和物(70g)、クエン酸3カリウム(25g)又はクエン酸3ナトリウム(25g)を加え、混合後、クエン酸を用いて、最終的なpHが4.0、7.3、8.0、又は8.6になるように調整した。pH調整後、得られたカッパカラギーナン(100g)を投入し、さらに1時間撹拌した。脱水後、60重量% 2−プロパノール水溶液でクエン酸塩を洗い流した。得られたカラギーナンを乾燥して、2価カチオン低含有カッパカラギーナン(70g)を得た。

0030

[実施例2]ビスホスホン酸類(アレンドロン酸ナトリウム水和物)ゼリー状製剤の製造
実施例1で得られた2価カチオン低含有カッパカラギーナンを用いて、以下の手順に従って、ビスホスホン酸類ゼリー状製剤を製造した。
精製水(61mL)にアレンドロン酸ナトリウム水和物(2.3g)、グリセリン(15g)、クエン酸ナトリウム(0.5g)を攪拌しながら加え、60℃に加温して溶解させた。これに実施例1で得られた2価カチオン低含有カッパカラギーナン(0.3g)、イオタカラギーナン(0.4g)、カロブビーンガム(0.3g)、ポリアクリル酸ナトリウム(0.003g)、D−ソルビトール(20g)、パラオキシ安息香酸メチル(0.03g)、パラオキシ安息香酸プロピル(0.02g)を加え、80℃に加温して溶解させた後、冷却し、アレンドロン酸ゼリー状製剤を得た。

0031

試験例1]2価カチオン含有量の測定
実施例1で製造した2価カチオン低含有カッパカラギーナンについて、灰化処理を行い、原子吸光分析又はICP発光分析にてカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの含有量を測定した。
原子吸光分析は、試料濃硫酸を添加して灰化し、希硝酸に溶解して分子吸光光度法(AA法)によりカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの定量分析を行った。
測定装置:AA Z−5000(日立製作所製)
ICP発光分析は、試料に硝酸を添加し加熱しながら完全に溶解させ、過塩素酸を加えさらに加熱分解し、ICP発光分析装置にてカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの定量分析を行った。
測定装置:Optoma2000DV(パーキンエルマー社製)

0032

[試験例2]ゼリー状製剤のゼリー強度の測定
実施例2で製造したゼリー状製剤(直径1cmの円柱状のもの)について、圧縮速度0.5mm/秒でφ10mmの圧縮治具を用いて、直径方向に破断させた時の強度(ゼリー強度)を室温で測定した。
測定装置:EZ−test EZ−s(島津製作所製)
試験例1〜試験例2までの各条件での2価カチオン含有量及びゼリー強度を表1に示す。

0033

0034

分子分母:洗浄後の2価カチオン含有量(ppm)/洗浄前の2価カチオン含有量(ppm)
1)洗浄前より洗浄後のほうがマグネシウムイオンの含有量が増えているため、低減率は算出せず。

0035

表1に示すように、クエン酸塩としてクエン酸カリウム又はクエン酸ナトリウムを用い、クエン酸塩の種類に応じて、溶液の液性を適切なpHに調整することにより、2価カチオン低減工程における洗浄中において、設備の配管のつまりの原因となり得る流動性の低下を生じることなく、2価カチオン濃度を低減させたカラギーナンを得ることができた。

0036

溶液の液性は、pHが4.0である場合、流動性の低下が生じたことから、pHが4.0より高いことが好ましい。また、クエン酸塩として、クエン酸カリウムを用いた場合、pHが8.0、8.6では、2価カチオンの低減率が低下したため、溶液の液性は、pHが8.0未満であることが好ましい。クエン酸ナトリウムを用いた場合は、pHが8.0,8.6の場合にも2価カチオンの低減率が高く、流動性の低下も無く、好ましい結果であった。
クエン酸塩の種類は、クエン酸ナトリウムを用いた場合よりも、クエン酸カリウムを用いた場合により高いゼリー強度が達成されたことから、より高いゼリー強度が求められる場合は、クエン酸カリウムを用いることが好ましい。

0037

[実施例3]塩化カリウムを後から添加することによるカリウムイオンを多く含む2価カチオン低含有カッパカラギーナンの製造、及びそれを用いたビスホスホン酸類ゼリー状製剤の製造
40重量%2−プロパノール(1900g)にクエン酸3ナトリウム(80g)を加え、混合後pHが8.6になるようクエン酸を加えて調整した。pH調整後、参考例1で得られたカッパカラギーナン(100g)を投入し、さらに1時間撹拌した。脱水後、60重量%2−プロパノール溶液でクエン酸塩を洗い流した。得られたカッパカラギーナンを乾燥後、乾燥したカッパカラギーナンの重量の3%の量の塩化カリウムを添加、両者を均一になるまで混合した。カリウムイオンを多く含む2価カチオン低含有カッパカラギーナン(82g)を得た。
得られたカリウムイオンを多く含む2価カチオン低含有カッパカラギーナンを用い、実施例2に示す方法で製造したゼリー状製剤についてゼリー強度を測定した。結果を表2に示す。

0038

0039

表2に示すように、クエン酸ナトリウムを使用した場合に、後から塩化カリウムを添加してカリウムイオン濃度を高めても、塩化カリウムを後から添加していない場合と比べてゼリー強度は、ほぼ変わらないことが分かった。このことより、脱塩する際のクエン酸塩においては、クエン酸カリウムを使用したときのほうが、高いゼリー強度となることが分かる。

実施例

0040

以上の結果から、カラギーナンの製造時に、クエン酸塩を用いた2価カチオン低減工程を行うことにより、カラギーナンの2価カチオン含有量を大きく低減させることができることが分かった。実施例においてはカッパカラギーナンを使用しているが、それ以外のカラギーナンでも同様に2価カチオン含有量を低減することができる。

0041

本発明における2価カチオン低含有カラギーナンは、医薬品製剤又は食品に使用することができ、使用によって、医薬品製剤又は食品中の不溶性塩を無くす、又は減少させることが可能である。

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