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技術 インクジェット記録用水性インク及びインクカートリッジ

出願人 ブラザー工業株式会社
発明者 田中裕幸前田光範奥村祐生
出願日 2015年9月30日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2015-195501
公開日 2017年4月6日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-066316
状態 特許登録済
技術分野 インクジェット(インク供給、その他) インクジェット記録方法及びその記録媒体 インキ、鉛筆の芯、クレヨン
主要キーワード モノマー数 往復方向 固形分配合量 擦れ傷 限度見本 ゴム手袋 酸化鉄系無機顔料 パージ装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

光沢紙記録時の耐擦性を向上し、且つ、普通紙記録時のムラを抑制可能なインクジェット記録用水性顔料インクを提供する。

解決手段

顔料と、水溶性有機溶剤と、水とを含むインクジェット記録用水性インクであって、前記水溶性有機溶剤は、オリゴエチレングリコールモノアルキルエーテルを含み、さらに、水溶性樹脂を含み、前記水溶性樹脂は、メタクリル酸メチルメタクリル酸のみを構成成分とするポリマーブロックAと、メタクリル酸ベンジルとメタクリル酸のみを構成成分とするポリマーブロックBとを有するABA型トリブロック共重合体であって、重量平均分子量3000〜30000、酸価は90mgKOH/g〜200mgKOH/gであるABA型トリブロック共重合体の一部又はすべてを中和したものであることを特徴とする。

概要

背景

従来から、インクジェット記録に、着色剤として顔料が用いられたインクジェット記録用水性顔料インクが用いられている。前記水性顔料インクには、記録媒体上に吐出された前記顔料の一部が前記記録媒体の表面上に残り、指等でこすったときに前記記録媒体上から剥がれ落ちてしまうという耐擦性の問題があることが知られている。この問題の解決策の一つとして、特許文献1のように、水性顔料インクにポリマーを添加することにより、記録媒体における耐擦性を向上させる手法が知られている。

概要

光沢紙記録時の耐擦性を向上し、且つ、普通紙記録時のムラを抑制可能なインクジェット記録用水性顔料インクを提供する。顔料と、水溶性有機溶剤と、水とを含むインクジェット記録用水性インクであって、前記水溶性有機溶剤は、オリゴエチレングリコールモノアルキルエーテルを含み、さらに、水溶性樹脂を含み、前記水溶性樹脂は、メタクリル酸メチルメタクリル酸のみを構成成分とするポリマーブロックAと、メタクリル酸ベンジルとメタクリル酸のみを構成成分とするポリマーブロックBとを有するABA型トリブロック共重合体であって、重量平均分子量3000〜30000、酸価は90mgKOH/g〜200mgKOH/gであるABA型トリブロック共重合体の一部又はすべてを中和したものであることを特徴とする。 なし

目的

本発明は、光沢紙記録時の耐擦性を向上し、且つ、普通紙記録時のムラを抑制可能なインクジェット記録用水性顔料インクを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

顔料と、水溶性有機溶剤と、水とを含むインクジェット記録用水性インクであって、前記水溶性有機溶剤は、オリゴエチレングリコールモノアルキルエーテルを含み、さらに、水溶性樹脂を含み、前記水溶性樹脂は、メタクリル酸メチルメタクリル酸のみを構成成分とするポリマーブロックAと、メタクリル酸ベンジルとメタクリル酸のみを構成成分とするポリマーブロックBとを有するABA型トリブロック共重合体であって、重量平均分子量3000〜30000、酸価は90mgKOH/g〜200mgKOH/gであるABA型トリブロック共重合体の一部又はすべてを中和したものであることを特徴とするインクジェット記録用水性インク。

請求項2

前記オリゴエチレングリコールモノアルキルエーテルのアルキル基炭素原子数が、4である請求項1記載のインクジェット記録用水性インク。

請求項3

前記水溶性有機溶剤が、さらに、オリゴプロピレングリコールを含む請求項1又は2記載のインクジェット記録用水性インク。

請求項4

前記オリゴプロピレングリコールが、トリプロピレングリコールを含む請求項3記載のインクジェット記録用水性インク。

請求項5

前記水性インクにおいて、前記オリゴエチレングリコールモノアルキルエーテル(E)と、前記オリゴプロピレングリコール(P)との重量比が、E:P=1:4〜4:1である請求項3又は4記載のインクジェット記録用水性インク。

請求項6

インクジェット記録用水性インクを含むインクカートリッジであって、前記水性インクが、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録用水性インクであることを特徴とするインクカートリッジ。

技術分野

背景技術

0002

従来から、インクジェット記録に、着色剤として顔料が用いられたインクジェット記録用水性顔料インクが用いられている。前記水性顔料インクには、記録媒体上に吐出された前記顔料の一部が前記記録媒体の表面上に残り、指等でこすったときに前記記録媒体上から剥がれ落ちてしまうという耐擦性の問題があることが知られている。この問題の解決策の一つとして、特許文献1のように、水性顔料インクにポリマーを添加することにより、記録媒体における耐擦性を向上させる手法が知られている。

先行技術

0003

特開2006−273892号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、耐擦性を向上させるために水性顔料インクにポリマーを添加しすぎると、前記水性顔料インク中の水分が蒸発したときに、前記ポリマーによって前記水性顔料インクの粘度が上昇し、メンテナンス性に影響を及ぼすおそれがある。また、近年、インクジェット記録用水性インクを用いたインクジェット記録には、更なる高画質化高速化が求められている。それに伴い、インクジェット記録用水性顔料インクには、光沢紙記録時の耐擦性の更なる向上が求められている。また、インクジェット記録用水性顔料インクには、普通紙記録時のムラの抑制も求められている。

0005

そこで、本発明は、光沢紙記録時の耐擦性を向上し、且つ、普通紙記録時のムラを抑制可能なインクジェット記録用水性顔料インクを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

前記目的を達成するために、本発明のインクジェット記録用水性インクは、
顔料と、水溶性有機溶剤と、水とを含むインクジェット記録用水性インクであって、
前記水溶性有機溶剤は、オリゴエチレングリコールモノアルキルエーテルを含み、
さらに、水溶性樹脂を含み、
前記水溶性樹脂は、メタクリル酸メチルメタクリル酸のみを構成成分とするポリマーブロックAと、メタクリル酸ベンジルとメタクリル酸のみを構成成分とするポリマーブロックBとを有するABA型トリブロック共重合体であって、重量平均分子量3000〜30000、酸価は90mgKOH/g〜200mgKOH/gであるABA型トリブロック共重合体の一部又はすべてを中和したものであることを特徴とする。

発明の効果

0007

本発明のインクジェット記録用水性インクは、顔料と、オリゴエチレングリコールモノアルキルエーテルと、前記水溶性樹脂とを含むことで、光沢紙記録時の耐擦性を向上し、且つ、普通紙記録時のムラを抑制可能である。

図面の簡単な説明

0008

図1は、本発明における光沢紙記録時の耐擦性向上の推定メカニズムの一例を説明する概念図である。
図2は、本発明における顔料とABA型トリブロック共重合体との相互作用の一例を説明する概念図である。
図3は、本発明のインクジェット記録装置の一例の構成を示す概略斜視図である。

0009

本発明において、「光沢紙」とは、例えば、記録面に、シリカ粒子又はアルミナ粒子等を用いて形成した少なくとも一層以上の塗工層を有する記録用紙のことをいう。前記光沢紙としては、例えば、ブラザー工業(株)製の写真光沢紙BP61G、BP71G及びBP71GA4;富士フイルム(株)製のインクジェットペーパー画彩写真仕上げPro;コダック(株)製の最高級光沢紙PWRA4−20;等があげられる。

0010

本発明において、「普通紙」とは、例えば、ノートレポート用紙等に用いられている上質紙や、コーティングがなされていないコピー用紙等、記録面に特殊な加工や塗布処理がなされていない記録用紙のことをいう。前記普通紙としては、例えば、Hammermill社製の「Laser Print」、M−real社製の「DATCOPY紙」、XEROX社製の「Xerox4200」、富士ゼロックスオフィスサプライ(株)製の「4200DPPAPER」等があげられる。

0011

本発明のインクジェット記録用水性インク(以下、「水性インク」又は「インク」と言うことがある。)について説明する。本発明のインクジェット記録用水性インクは、顔料と、水溶性有機溶剤と、水と、水溶性樹脂とを含む。

0012

前記顔料は、特に限定されず、例えば、カーボンブラック無機顔料及び有機顔料等があげられる。前記カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラックランプブラックアセチレンブラックチャンネルブラック等があげられる。前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン酸化鉄系無機顔料及びカーボンブラック系無機顔料等をあげることができる。前記有機顔料としては、例えば、アゾレーキ不溶性アゾ顔料縮合アゾ顔料キレートアゾ顔料等のアゾ顔料;フタロシアニン顔料ペリレン及びペリノン顔料アントラキノン顔料、キナクリドン顔料ジオキサジン顔料チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料キノフタロン顔料等の多環式顔料塩基性染料レーキ顔料酸性染料型レーキ顔料等の染料レーキ顔料;ニトロ顔料;ニトロソ顔料;アニリンブラック昼光蛍光顔料;等があげられる。また、その他の顔料であっても水相に分散可能なものであれば使用できる。これらの顔料の具体例としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、6及び7;C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、15、16、17、55、73、74、75、78、83、93、94、95、97、98、114、128、129、138、150、151、154、180、185及び194;C.I.ピグメントオレンジ31及び43;C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、12、15、16、48、48:1、53:1、57、57:1、112、122、123、139、144、146、149、150、166、168、175、176、177、178、184、185、190、202、221、222、224及び238;C.I.ピグメントバイオレット19及び196;C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、22及び60;C.I.ピグメントグリーン7及び36;及びこれらの顔料の固溶体等もあげられる。本発明の水性インクは、顔料を分散剤で水に分散させたものであってもよい。前記分散剤としては、例えば、一般的な高分子分散剤顔料分散用樹脂)等を用いてよい。

0013

前記顔料は、自己分散型顔料であってもよい。前記自己分散型顔料は、例えば、顔料粒子に、カルボニル基ヒドロキシル基カルボン酸基スルホン酸基リン酸基等の親水性基及びそれらの塩の少なくとも一種が、直接又は他の基を介して化学結合により導入されていることによって、分散剤を使用しなくても水に分散可能なものである。前記自己分散型顔料は、例えば、特開平8−3498号公報、特表2000−513396号公報、特表2008−524400号公報、特表2009−515007号公報、特表2011−515535号公報等に記載の方法によって顔料が処理されたものを用いることができる。前記自己分散型顔料の原料としては、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。また、前記処理を行うのに適した顔料としては、例えば、三菱化学(株)製の「MA8」及び「MA100」等のカーボンブラック等があげられる。前記自己分散型顔料は、例えば、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、キャボットコーポレーション社製の「CAB−O−JET(登録商標)200」、「CAB−O−JET(登録商標)250C」、「CAB−O−JET(登録商標)260M」、「CAB−O−JET(登録商標)270Y」、「CAB−O−JET(登録商標)300」、「CAB−O−JET(登録商標)400」、「CAB−O−JET(登録商標)450C」、「CAB−O−JET(登録商標)465M」及び「CAB−O−JET(登録商標)470Y」;オリエント化学工業(株)製の「BONJET(登録商標)BLACKCW−2」及び「BONJET(登録商標)BLACK CW−3」;東洋インキ製造(株)製の「LIOJET(登録商標)WD BLACK 002C」等があげられる。

0014

前記水性インク全量における前記顔料の固形分配合量顔料固形分量)は、特に限定されず、例えば、所望の光学濃度又は彩度等により、適宜決定できる。前記顔料固形分量は、例えば、0.1重量%〜20重量%、1重量%〜15重量%、2重量%〜10重量%である。

0015

前記水性インクは、前記顔料以外の着色剤を含んでもよい。前記顔料以外の着色剤としては、例えば、染料等があげられる。

0016

前記水溶性有機溶剤は、オリゴエチレングリコールモノアルキルエーテル(以下、「EO系エーテル」と言う。)を含む。前記水性インクは、表面張力が低く、浸透性の高い前記EO系エーテルを含むことにより、普通紙記録時のムラが抑制される。

0017

前記EO系エーテルとしては、例えば、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル(BDG)、ジエチレングリコール−n−ヘキシルエーテルトリエチレングリコールメチルエーテル(MTG)、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコール−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコール−n−ブチルエーテル(BTG)等があげられ、これらの中でも、アルキル基炭素原子数が4であるBDG及びBTGが好ましい。また、前記EO系エーテルにおけるエチレングリコール重合度は、特に制限されないが、前記EO系エーテルを前記水性インクに添加した際の粘度上昇を抑える観点から、例えば、2〜4である。

0018

前記水性インク全量における前記EO系エーテルの配合量は、例えば、0.2重量%〜30重量%、0.5重量%〜20重量%、1重量%〜15重量%である。

0019

前記水は、イオン交換水又は純水であることが好ましい。前記水性インク全量おける前記水の配合量は、例えば、他の成分の残部としてもよい。

0020

前記水溶性樹脂は、メタクリル酸メチルとメタクリル酸のみを構成成分とするポリマーブロックAと、メタクリル酸ベンジルとメタクリル酸のみを構成成分とするポリマーブロックBとを有するABA型トリブロック共重合体であって、重量平均分子量3000〜30000、酸価は90mgKOH/g〜200mgKOH/gであるABA型トリブロック共重合体の一部又はすべてを中和したものである。

0021

前記水性インクは、前記EO系エーテル及び前記水溶性樹脂を含むことにより、光沢紙記録時の耐擦性に優れる。前記耐擦性向上のメカニズムは、例えば、つぎのように推定される。耐擦性向上を目的に、水性インクに、メタクリル酸又はアクリル酸と、疎水性モノマーとの共重合体を添加することは、一般的に行われている。しかしながら、前記共重合体において、前記疎水性モノマーの比率が高くなりすぎると、水溶性が低下し、造膜性能が下がり見かけ上の耐擦性は低下するという問題がある。これに対し、前記水性インクに、疎水性モノマーであるメタクリル酸ベンジルと同程度の疎水性を有し、前記水溶性樹脂と高い親和性を示す前記EO系エーテルを添加することで、前記水溶性樹脂を溶解し、造膜性をあげることができる。また、前記EO系エーテルの分子は、前記水溶性樹脂の分子と比べて小さく、前記水溶性樹脂の隙間に効率的に入り込む。その上で、前記EO系エーテルの分子中で疎水性の高いアルキル基が前記水溶性樹脂と相互作用して溶解することによって、効率的に造膜性能を向上させることができ、結果として、耐擦性が向上する。

0022

また、耐擦性は、水性インクに添加された樹脂が分子スケールで密に絡み合い、且つ、前記樹脂自体が充分な強度を有し、強固な膜を形成することで、獲得されると考えられる。ここで、前記樹脂の両端は、前記樹脂の中央部より相対的に前記絡み合いに寄与していると考えられる。そのため、より前記絡み合いに寄与する前記樹脂の両端には、水中で柔軟に広がりやすい親水性ブロックを配置し、相対的に前記絡み合いに寄与しない前記樹脂の中央部には、疎水性ブロックを配して、分子全体を平均したときの強度を高めることが好ましいと考えられる。この点から、ホモポリマーではなく、前記水溶性樹脂を用いることにより、より効果的に耐擦性を向上可能と考えられる。

0023

図1は、前記顔料分散用樹脂を用いた樹脂分散型顔料インクについて、光沢紙記録時の耐擦性向上の推定メカニズムの一例を説明する概念図である。図1(A)に示すように、顔料分散用樹脂22で被覆された顔料粒子21を含む水性インクを光沢紙Pに吐出すると、顔料分散用樹脂22で被覆された顔料粒子21は、光沢紙Pの表面に留まる。そして、このとき、本発明における前記EO系エーテル及び前記水溶性樹脂が共存しなければ、光沢紙P上に堆積した顔料分散用樹脂22で被覆された顔料粒子21は、充分な強度を有する膜を形成できず、軽く擦られただけで容易に剥離してしまう。一方、図1(B)に示すように、本発明におけるEO系エーテル24及び水溶性樹脂23が共存する場合には、EO系エーテル24及び水溶性樹脂23が顔料分散用樹脂22で被覆された顔料粒子21の間に入り込む。そして、図1(C)に示すように、水溶性樹脂23と溶解した顔料分散用樹脂22とで膜を形成し、顔料粒子21を強固につなぎあわせる。その結果、光沢紙記録時の耐擦性が向上すると推定される。なお、自己分散型顔料インクにおいても、前記顔料分散用樹脂が存在しないこと以外、同様のメカニズムで光沢紙記録時の耐擦性が向上すると推定される。また、図1は、概念図であり、顔料粒子と、水溶性樹脂との大きさの比率や、水溶性樹脂におけるモノマー数等は、実際とは異なり、図2において同様である。

0024

図2は、本発明における樹脂分散型顔料と水溶性樹脂との相互作用の一例を説明する図である。図2(A)に示すように、疎水性のポリマーブロックBが、2つの親水性のポリマーブロックAに挟まれた構成を有する水溶性樹脂23では、図2(B)に示すAB型ジブロック共重合体31と比較して、顔料粒子21を被覆する顔料分散用樹脂22との相互作用が大きく、顔料粒子21をつなぎとめる作用が大きいと考えられる。なお、自己分散型顔料インクにおいても、顔料分散用樹脂22が、顔料に導入された親水性基に代わること以外、同様のメカニズムで顔料粒子21をつなぎとめる作用が大きいと考えられるが、樹脂分散型顔料同士の方が、顔料分散用樹脂同士の絡み合いの作用もあるので、より強固であると考えられる。

0025

前述のメカニズムは、全て推定に過ぎず、本発明はこれらに限定されない。

0026

前記ABA型トリブロック共重合体の重量平均分子量は、3000〜30000であり、例えば、6500〜30000である。前記ABA型トリブロック共重合体は、1つのポリマーブロックBが、2つのポリマーブロックAに挟まれた構成を有すればよく、各ポリマーブロックの重量平均分子量の比率は、特に限定されず、例えば、A:B:A=1:1:1であってもよいし、任意の比率であってもよい。前記重量平均分子量は、例えば、JISK0124に準じて、測定可能である。

0027

前記ABA型トリブロック共重合体の酸価は、90mgKOH/g〜200mgKOH/gであり、例えば、100mgKOH/g〜200mgKOH/gである。前記酸価は、例えば、JISK0070に準じて、測定可能である。

0028

前記水溶性樹脂は、例えば、市販品を用いてもよいし、自家調製してもよい。前記水溶性樹脂は、例えば、段階的重合法で調製可能である。前記段階的重合法としては、例えば、米国特許第4,508,880号に記載されているような陰イオン又はグループ移動重合法があげられる。前記グループ移動重合法では、開始剤は、非官能性のものであっても、酸グループを含有しても、アミノグループを含有してもよい。また、前記水溶性樹脂は、例えば、まず、一方の第1のポリマーブロックAを重合させ、次いでポリマーブロックBを重合させ、次いで他方の第2のポリマーブロックAを重合させる陰イオン重合法又はグループ移動重合法によっても調製できる。前記水溶性樹脂の調製方法の具体例は、例えば、後述の実施例において説明するとおりである。ただし、これらの調製方法は例示に過ぎず、前記水溶性樹脂は、いかなる方法で調製されてもよい。

0029

前記水性インク全量における前記水溶性樹脂の配合量は、例えば、0.1重量%〜10重量%、0.25重量%〜5重量%、0.5重量%〜2.5重量%である。

0030

前記水溶性有機溶剤は、さらに、オリゴプロピレングリコール(以下、「PO系ジオール」と言う。)を含むことが好ましい。前記EO系エーテル程疎水性が高くなく、且つ、分子中の複数の水酸基由来する高い保水効果を持つ前記PO系ジオールを併用すれば、前記水性インクの水分蒸発時における再分散性を維持したまま、光沢紙記録時の耐擦性をより高めることができる。前記PO系ジオールにおけるプロピレングリコールの重合度は、光沢紙記録時の耐擦性向上及び水への溶解性の観点から、例えば、2〜4である。

0031

前記PO系ジオールとしては、例えば、ジプロピレングリコール(DPG)、トリプロピレングリコールTPG)等があげられ、これらの中でも、TPGが好ましい。

0032

前記水性インク全量における前記PO系ジオールの配合量は、例えば、0.2重量%〜30重量%、0.5重量%〜20重量%、1重量%〜15重量%である。

0033

前記水性インクにおいて、前記EO系エーテル(E)と、前記PO系ジオール(P)との重量比は、例えば、E:P=20:1〜1:20、10:1〜1:10、1:4〜4:1である。

0034

前記水性インクは、さらに、前記EO系エーテル及び前記PO系ジオール以外の水溶性有機溶剤を含んでもよい。前記水溶性有機溶剤としては、例えば、インクジェットヘッドノズル先端部における水性インクの乾燥を防止する湿潤剤及び記録媒体上での乾燥速度を調整する浸透剤があげられる。

0035

前記湿潤剤は、特に限定されず、例えば、メチルアルコールエチルアルコールn−プロピルアルコールイソプロピルアルコールn−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の低級アルコールジメチルホルムアミドジメチルアセトアミド等のアミドアセトン等のケトンジアセトンアルコール等のケトアルコールテトラヒドロフランジオキサン等のエーテル;前記PO系ジオール以外のポリアルキレングリコール等のポリエーテル;前記PO系ジオール以外のアルキレングリコールグリセリントリメチロールプロパントリメチロールエタン等の多価アルコール2−ピロリドンN−メチル−2−ピロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等があげられる。前記PO系ジオール以外のポリアルキレングリコールは、例えば、ポリエチレングリコール等があげられる。前記PO系ジオール以外のアルキレングリコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコールヘキシレングリコール等があげられる。これらの湿潤剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。これらの中で、前記PO系ジオール以外のアルキレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが好ましい。

0036

前記水性インク全量における前記湿潤剤の配合量は、例えば、0重量%〜95重量%、5重量%〜80重量%、5重量%〜50重量%である。

0037

前記浸透剤は、例えば、前記EO系エーテル以外のグリコールエーテルがあげられる。前記EO系エーテル以外のグリコールエーテルは、例えば、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−プロピルエーテル及びトリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル等があげられる。前記浸透剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。

0038

前記水性インク全量における前記浸透剤の配合量は、例えば、0重量%〜20重量%、0重量%〜15重量%、1重量%〜4重量%である。

0039

前記水性インクは、必要に応じて、さらに、従来公知の添加剤を含んでもよい。前記添加剤としては、例えば、界面活性剤pH調整剤粘度調整剤表面張力調整剤防黴剤等があげられる。前記粘度調整剤は、例えば、ポリビニルアルコールセルロース、水溶性樹脂等があげられる。

0040

前記水性インクは、例えば、顔料、前記EO系エーテル、前記水溶性樹脂及び水と、必要に応じて他の添加成分とを、従来公知の方法で均一に混合し、フィルタ等で不溶解物を除去することにより調製できる。

0041

つぎに、本発明のインクカートリッジは、インクジェット記録用水性インクを含むインクカートリッジであって、前記水性インクが、本発明のインクジェット記録用水性インクであることを特徴とする。前記インクカートリッジの本体としては、例えば、従来公知のものを使用できる。

0042

つぎに、本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法について説明する。

0043

本発明のインクジェット記録装置は、インク収容部及びインク吐出手段を含み、前記インク収容部に収容されたインクを前記インク吐出手段によって吐出するインクジェット記録装置であって、前記インク収容部に、本発明のインクジェット記録用水性インクが収容されていることを特徴とする。

0044

本発明のインクジェット記録方法は、記録媒体に水性インクをインクジェット方式により吐出して記録するインクジェット記録方法であって、前記水性インクとして、本発明のインクジェット記録用水性インクを用いることを特徴とする。

0045

本発明のインクジェット記録方法は、例えば、本発明のインクジェット記録装置を用いて実施可能である。前記記録は、印字印画印刷等を含む。

0046

図3に、本発明のインクジェット記録装置の一例の構成を示す。図示のとおり、このインクジェット記録装置1は、4つのインクカートリッジ2と、インク吐出手段(インクジェットヘッド)3と、ヘッドユニット4と、キャリッジ5と、駆動ユニット6と、プラテンローラ7と、パージ装置8とを主要な構成要素として含む。

0047

4つのインクカートリッジ2は、イエローマゼンタシアン及びブラックの4色の水性インクを、それぞれ1色ずつ含む。前記4色の水性インクのうちの少なくとも一つが、本発明のインクジェット記録用水性インクである。ヘッドユニット4に設置されたインクジェットヘッド3は、記録媒体(例えば、光沢紙、普通紙等の記録用紙)Pに記録を行う。キャリッジ5には、4つのインクカートリッジ2及びヘッドユニット4が搭載される。駆動ユニット6は、キャリッジ5を直線方向に往復移動させる。駆動ユニット6としては、例えば、従来公知のものを使用できる(例えば、特開2008−246821号公報参照)。プラテンローラ7は、キャリッジ5の往復方向に延び、インクジェットヘッド3と対向して配置されている。

0048

パージ装置8は、インクジェットヘッド3の内部に溜まる気泡等を含んだ不良インクを吸引する。パージ装置8としては、例えば、従来公知のものを使用できる(例えば、特開2008−246821号公報参照)。

0049

パージ装置8のプラテンローラ7側には、パージ装置8に隣接してワイパ部材20が配設されている。ワイパ部材20は、へら状に形成されており、キャリッジ5の移動に伴って、インクジェットヘッド3のノズル形成面を拭うものである。図3において、キャップ18は、水性インクの乾燥を防止するため、記録が終了するとリセット位置に戻されるインクジェットヘッド3の複数のノズルを覆うものである。

0050

本例のインクジェット記録装置1においては、4つのインクカートリッジ2は、ヘッドユニット4と共に、1つのキャリッジ5に搭載されている。ただし、本発明は、これに限定されない。インクジェット記録装置1において、4つのインクカートリッジ2の各カートリッジは、ヘッドユニット4とは別のキャリッジに搭載されていてもよい。また、4つのインクカートリッジ2の各カートリッジは、キャリッジ5には搭載されず、インクジェット記録装置1内に配置、固定されていてもよい。これらの態様においては、例えば、4つのインクカートリッジ2の各カートリッジと、キャリッジ5に搭載されたヘッドユニット4とが、チューブ等により連結され、4つのインクカートリッジ2の各カートリッジからヘッドユニット4に前記水性インクが供給される。

0051

このインクジェット記録装置1を用いたインクジェット記録は、例えば、つぎのようにして実施される。まず、記録用紙Pが、インクジェット記録装置1の側方又は下方に設けられた給紙カセット(図示せず)から給紙される。記録用紙Pは、インクジェットヘッド3と、プラテンローラ7との間に導入される。導入された記録用紙Pに、インクジェットヘッド3から吐出される水性インクにより所定の記録がされる。記録後の記録用紙Pは、インクジェット記録装置1から排紙される。本発明によれば、光沢紙記録時には、耐擦性に優れた記録物を、普通紙記録時には、ムラの抑制された記録物を得ることが可能である。図3においては、記録用紙Pの給紙機構及び排紙機構の図示を省略している。

0052

図3に示す装置では、シリアル型インクジェットヘッドを採用するが、本発明は、これに限定されない。前記インクジェット記録装置は、ライン型インクジェットヘッドを採用する装置であってもよい。

0053

つぎに、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は、下記の実施例及び比較例により限定及び制限されない。

0054

〔水溶性樹脂の調製〕
水溶性樹脂は、リビングラジカル重合法により合成した。窒素雰囲気下にあるジエチレングリコールジメチルエーテルに、2−アイオド−2−シアプロパンアゾビスイソブチロニトリル、アイオドスクシンイミド、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸を加えて昇温し、重合反応を進行・完了させた。続いて、メタクリル酸ベンジル及びメタクリル酸の混合物を添加して重合を行った後、同様にメタクリル酸メチル及びメタクリル酸の混合物を添加し重合を行うことで、ABA型トリブロック共重合体を得た。また、ジエチレングリコールジメチルエーテルを減圧留去し、純水と水酸化カリウムを添加することで重量平均分子量10000、酸価130mgKOH/gの表1〜5に示す水溶性樹脂1の水溶液を得た。また、重合温度重合溶媒、開始剤、モノマー組成ラジカル発生剤触媒中和剤及び重合時間を適宜変更した以外は同様にして、表3に示す水溶性樹脂2〜5の水溶液を得た。
水溶性樹脂1〜5のモノマー重量比メタクリル酸メチル/メタクリル酸//メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸//メタクリル酸メチル/メタクリル酸は次の通りとした。2本斜線ブロック間の分離を示し、1本斜線はランダムコポリマーを示している。
水溶性樹脂1
0.25/0.09//0.31/0.03//0.25/0.09
水溶性樹脂2
0.26/0.07//0.32/0.01//0.26/0.07
水溶性樹脂3
0.26/0.12//0.27/0.07//0.21/0.12
水溶性樹脂4
0.25/0.09//0.31/0.03//0.25/0.09
水溶性樹脂5
0.25/0.09//0.31/0.03//0.25/0.09

0055

ランダム共重合体の調製〕
ランダム共重合体は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸ベンジルを全て最初に一斉投入した以外は、前記水溶性樹脂と同様のリビングラジカル重合法により合成した。また、ジエチレングリコールジメチルエーテルを減圧留去し、純水と水酸化カリウムを添加することで、重量平均分子量10000、酸価130mgKOH/gの表3に示すランダム共重合体の水溶液を得た。
ランダム共重合体のモノマー重量比メタクリル酸メチル/メタクリル酸/メタクリル酸ベンジルは次の通りとした。1本斜線はランダムコポリマーを示している。
ランダム共重合体
0.49/0.17/0.31

0056

顔料(C.I.ピグメントレッド122)20重量%、スチレンアクリル酸共重合体水酸化ナトリウム中和物7重量%(酸価175、分子量10000)に、純水を加え全体を100重量%とし、撹拌混合して混合物を得た。この混合物を、0.3mm径ジルコニアビーズ充填した湿式サンドミルに入れ、6時間分散処理を行った。その後、ジルコニアビーズをセパレータにより取り除き、孔径3.0μmセルロースアセテートフィルターでろ過することにより、顔料分散液1を得た。なお、スチレン−アクリル酸共重合体は、一般に顔料の分散剤として用いられる水溶性のポリマーである。また、顔料種、成分割合分散処理時間を適宜変更した以外は同様にして、表5に示す顔料分散液2を得た。

0057

[実施例1−1〜1−3及び比較例1−1]
実施例1−1〜1−3は、前記EO系エーテルを変更した例である。インク組成(表1)における、顔料分散液1を除く成分を、均一に混合しインク溶媒を得た。つぎに、顔料分散液1に、前記水溶性樹脂の水溶液及び前記インク溶媒を加え、均一に混合した。その後、得られた混合物を、東洋濾紙(株)製のセルロースアセテートタイプメンブレンフィルタ(孔径3.00μm)でろ過することで、実施例1−1〜1−3及び比較例1−1のインクジェット記録用水性インクを得た。

0058

実施例及び比較例の水性インクについて、(a)光沢紙記録時の耐擦性評価、(b)普通紙記録時のムラ評価及び(c)再分散性評価を、下記方法により実施した。

0059

(a)光沢紙記録時の耐擦性評価
ブラザー工業(株)製のインクジェットプリンタ搭載デジタル複合機MFC−J4510Nを使用して、実施例1−1〜1−3及び比較例1−1の水性インクを用いて光沢紙(ブラザー工業(株)製の専用紙写真光沢紙BP71GA4)上に解像度1200dpi×2400dpiで単色パッチを含む画像を記録し評価サンプルを作製した。前記評価サンプルを、所定時間毎に8×103Paの定荷重をかけたゴム手袋にて擦った。擦り部周辺のインク擦れを、下記評価基準に従って目視評価した。なお、下記評価基準において、「汚れ」は、非記録部にまで水性インクが引き伸ばされることによって生じる色移りを意味し、「擦れ」は、記録部に生じる擦れ傷を意味する。

0060

光沢紙記録時の耐擦性評価評価基準
AA:評価サンプル作製後1分後に擦ると、擦り部周辺に汚れ・擦れは生じなかった。
A :評価サンプル作製後2分後に擦ると、擦り部周辺に汚れ・擦れは生じなかった。
A−:評価サンプル作製後3分後に擦ると、擦り部周辺に汚れ・擦れは生じなかった。
B :評価サンプル作製後3分後に擦ると、擦り部周辺に汚れ・擦れが生じた。

0061

(b)普通紙記録時のムラ評価
前記インクジェットプリンタ搭載デジタル複合機MFC−J4510Nを使用して、実施例1−1〜1−3及び比較例1−1の水性インクを用いて普通紙(ブラザー工業(株)製の専用A4上質普通紙BP60PA)上に解像度600dpi×300dpiで単色パッチを含む画像を記録した。事前に作製したムラの度合いが異なる3種類(良い方から順にAA、A及びB)の限度見本のどれに最も近いかを目視により判定し、各普通紙におけるムラを評価した。

0062

(c)再分散性評価
スライドガラスに、実施例1−1〜1−3及び比較例1−1の水性インク12μLを滴下した。ついで、前記スライドガラスを、80℃の環境下に一晩静置することで、前記水性インクを蒸発乾固させた。つぎに、前記蒸発乾固後の固形物上にスポイトで水3滴を滴下した。このようにして作製した評価サンプルを肉眼で観察し、下記評価基準に従って再分散性を目視評価した。

0063

再分散性評価評価基準
A :均一に分散しており、溶け残った塊が見られない。
A−:ほぼ均一に分散しているが、一部溶け残った塊が見られる。
B :まったく分散していない。

0064

実施例1−1〜1−3及び比較例1−1の水性インクのインク組成及び評価結果を、表1に示す。

0065

0066

表1に示すとおり、実施例1−1〜1−3では、光沢紙記録時の耐擦性、普通紙記録時のムラ及び再分散性の全ての評価結果が良好であった。特に、前記EO系エーテルとしてアルキル基の炭素原子数が4のBTG又はBDGを用いた実施例1−1及び1−3では、普通紙記録時のムラの評価結果が極めて優れていた。一方、前記EO系エーテルを用いなかった比較例1−1では、光沢紙記録時の耐擦性及び普通紙記録時のムラの評価結果が悪かった。

0067

[実施例2−1〜2−3及び比較例2−1]
実施例2−1及び2−2は、さらに、前記PO系ジオールを用いた例である。インク組成(表2)における、顔料分散液1を除く成分を、均一に混合しインク溶媒を得た。つぎに、顔料分散液1に、前記水溶性樹脂の水溶液及び前記インク溶媒を加え、均一に混合した。その後、得られた混合物を、東洋濾紙(株)製のセルロースアセテートタイプメンブレンフィルタ(孔径3.00μm)でろ過することで、実施例2−1〜2−3及び比較例2−1のインクジェット記録用水性インクを得た。

0068

実施例2−1〜2−3及び比較例2−1の水性インクについて、光沢紙記録時の耐擦性評価、普通紙記録時のムラ評価及び再分散性評価を、実施例1−1〜1−3及び比較例1−1と同様にして実施した。

0069

実施例2−1〜2−3及び比較例2−1の水性インクのインク組成及び評価結果を、表2に示す。なお、表2には、実施例1−1のインク組成及び評価結果も、あわせて示している。

0070

0071

表2に示すとおり、さらに、前記PO系ジオールであるDPG又はTPGを用いた実施例2−1及び2−2では、普通紙記録時のムラ評価及び再分散性評価の結果は、実施例1−1と同等であり、光沢紙記録時の耐擦性評価の結果は、実施例1−1を上回っていた。特に、前記PO系ジオールとしてTPGを用いた実施例2−2では、光沢紙記録時の耐擦性評価の結果が極めて優れていた。一方、前記PO系ジオールに代えて、ポリエチレングリコールを用いた実施例2−3では、全ての評価結果が実施例1−1と同等であった。また、前記PO系ジオールを用いたものの、前記EO系エーテルを用いなかった比較例2−1では、普通紙記録時のムラの評価結果が悪かった。

0072

[実施例3−1〜3−4、比較例3−1及び3−2]
実施例3−1〜3−4は、さらに、前記PO系ジオールを用いたのに加え、前記水溶性樹脂を変更した例である。水性インク組成(表3)における、顔料分散液1を除く成分を、均一に混合しインク溶媒を得た。つぎに、顔料分散液1に、前記水溶性樹脂の水溶液及び前記インク溶媒を加え、均一に混合した。その後、得られた混合物を、東洋濾紙(株)製のセルロースアセテートタイプメンブレンフィルタ(孔径3.00μm)でろ過することで、実施例3−1〜3−4、比較例3−1及び3−2のインクジェット記録用水性インクを得た。

0073

実施例3−1〜3−4、比較例3−1及び3−2の水性インクについて、光沢紙記録時の耐擦性評価、普通紙記録時のムラ評価及び再分散性評価を、実施例1−1〜1−3及び比較例1−1と同様にして実施した。

0074

実施例3−1〜3−4、比較例3−1及び3−2の水性インクの水性インク組成及び評価結果を、表3に示す。なお、表3には、実施例2−2の水性インク組成及び評価結果も、あわせて示している。

0075

0076

表3に示すとおり、実施例3−1〜3−4では、全ての評価結果が実施例2−2と同等であった。一方、前記水溶性樹脂に代えて、前記ランダム共重合体1又はポリアクリル酸を用いた比較例3−1及び3−2では、光沢紙記録時の耐擦性の評価結果が悪かった。

0077

[実施例4−1〜4−6]
実施例4−1〜4−6は、さらに、前記PO系ジオールを用いたのに加え、前記重量比E:Pを変更した例である。インク組成(表4)における、顔料分散液1を除く成分を、均一に混合しインク溶媒を得た。つぎに、顔料分散液1に、前記水溶性樹脂の水溶液及び前記インク溶媒を加え、均一に混合した。その後、得られた混合物を、東洋濾紙(株)製のセルロースアセテートタイプメンブレンフィルタ(孔径3.00μm)でろ過することで、実施例4−1〜4−6のインクジェット記録用水性インクを得た。

0078

実施例4−1〜4−6の水性インクについて、光沢紙記録時の耐擦性評価、普通紙記録時のムラ評価及び再分散性評価を、実施例1−1〜1−3及び比較例1−1と同様にして実施した。

0079

実施例4−1〜4−6の水性インクのインク組成及び評価結果を、表4に示す。なお、表4には、実施例2−2の水性インク組成及び評価結果も、あわせて示している。

0080

0081

表4に示すとおり、実施例2−2及び4−1〜4−6では、光沢紙記録時の耐擦性、普通紙記録時のムラ及び再分散性の全ての評価結果が良好であった。特に、前記重量比E:Pが1:4〜4:1である実施例2−2、4−3及び4−4では、光沢紙記録時の耐擦性、普通紙記録時のムラ及び再分散性の全ての評価結果が極めて優れていた。

0082

[実施例5−1〜5−3]
実施例5−1〜5−3は、さらに、前記PO系ジオールを用いたのに加え、顔料及び前記水溶性樹脂の配合量を変更した例である。インク組成(表5)における、顔料分散液又は自己分散型顔料を除く成分を、均一に混合しインク溶媒を得た。つぎに、顔料分散液又は水に分散させた自己分散型顔料に、前記水溶性樹脂の水溶液及び前記インク溶媒を加え、均一に混合した。その後、得られた混合物を、東洋濾紙(株)製のセルロースアセテートタイプメンブレンフィルタ(孔径3.00μm)でろ過することで、実施例5−1〜5−3のインクジェット記録用水性インクを得た。

0083

実施例5−1〜5−3の水性インクについて、光沢紙記録時の耐擦性評価、普通紙記録時のムラ評価及び再分散性評価を、実施例1−1〜1−3及び比較例1−1と同様にして実施した。

0084

実施例5−1〜5−3の水性インクのインク組成及び評価結果を、表5に示す。なお、表5には、実施例2−2の水性インク組成及び評価結果も、あわせて示している。

0085

実施例

0086

表5に示すとおり、実施例5−1〜5−3では、全ての評価結果が実施例2−2と同等であった。

0087

以上のように、本発明の水性インクは、光沢紙記録時の耐擦性を向上し、且つ、普通紙記録時のムラを抑制可能なものである。本発明の水性インクの用途は、特に限定されず、各種のインクジェット記録に広く適用可能である。

0088

1インクジェット記録装置
2インクカートリッジ
3インク吐出手段(インクジェットヘッド)
4ヘッドユニット
5キャリッジ
6駆動ユニット
7プラテンローラ
8パージ装置
21顔料粒子
22顔料分散用樹脂
23水溶性樹脂
24 EO系エーテル
31AB型ジブロック共重合体

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