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技術 ゴム組成物及び空気入りタイヤ

出願人 TOYOTIRE株式会社
発明者 込谷祐樹
出願日 2015年9月28日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2015-190192
公開日 2017年4月6日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-066202
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 タイヤ一般 ポリウレタン,ポリ尿素
主要キーワード 樹脂コーティング膜 自己修復能 プロ練り 自己修復 ノンプロ練り ポリエチレングリコール残基 配合薬品類 屈曲亀裂試験
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

耐久性を向上することができるゴム組成物を提供する。

解決手段

ゴム成分100質量部に対し、ポリイソシアネート化合物ポリエーテルポリオールとが反応してなるイソシアネート基を有するポリウレタンと、紫外線感応基を有する多糖とが、前記イソシアネート基と前記多糖の活性水素基との反応により結合した、ポリウレタン誘導体1〜100質量部を、含有するゴム組成物である。また、該ゴム組成物を用いて作製された空気入りタイヤである。

概要

背景

空気入りタイヤなどのゴム製品においては、繰り返し変形に対する耐久性耐屈曲疲労性)が求められる。従来、加硫ゴムの耐屈曲疲労性を向上するために、ゴム組成物に配合するゴム成分として耐屈曲疲労性に優れる天然ゴムを用いたり、屈曲による亀裂の発生及び成長を抑制する老化防止剤を配合したりことが行われている。しかしながら、分子レベルで発生した損傷を修復する成分を配合することで、加硫ゴムの耐屈曲疲労性を向上することは行われていなかった。

ところで、非特許文献1には、自己修復能を有するポリウレタン誘導体が開示されている。このポリウレタン誘導体は、紫外線感応基としてオキセタン環を導入したキトサン(CHI)を、ヘキサメチレンジイソシアネート三量体(TDI)及びポリエチレングリコール(PEG)と反応させることにより得られたものであり、TDIとPEGとが反応してなるイソシアネート基を有するポリウレタンと、オキセタン環を持つCHIとが、ウレア結合を介して結合した構造を持つ。ポリウレタン誘導体で形成された塗膜にひっかき傷を付けた後に、紫外線を照射すると、ウレア結合が切断されるとともに、オキセタン環が開環してポリウレタンとの間で新たな結合が形成されることにより、ひっかき傷が修復される。このように、非特許文献1には、紫外線を照射することにより受傷部における傷を修復することができるポリウレタン誘導体については開示されているものの、例えば自動車塗装のような樹脂コーティング膜への適用について開示したものであり、ゴム組成物に配合することによる耐屈曲疲労性の向上効果については開示されていない。

なお、ポリマーの自己修復能に関する技術としては、特許文献1に、熱によりリサイクル可能な熱硬化性樹脂超分子ハイブリッド複合体が開示されているが、熱により修復するものであり、紫外線照射による自己修復能については開示されていない。

概要

耐久性を向上することができるゴム組成物を提供する。ゴム成分100質量部に対し、ポリイソシアネート化合物ポリエーテルポリオールとが反応してなるイソシアネート基を有するポリウレタンと、紫外線感応基を有する多糖とが、前記イソシアネート基と前記多糖の活性水素基との反応により結合した、ポリウレタン誘導体1〜100質量部を、含有するゴム組成物である。また、該ゴム組成物を用いて作製された空気入りタイヤである。なし

目的

本発明は、以上の点に鑑み、耐久性を向上することができるゴム組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

ゴム成分100質量部に対し、ポリイソシアネート化合物ポリエーテルポリオールとが反応してなるイソシアネート基を有するポリウレタンと、紫外線感応基を有する多糖とが、前記イソシアネート基と前記多糖の活性水素基との反応により結合した、ポリウレタン誘導体1〜100質量部を、含有するゴム組成物

請求項2

前記ポリウレタン誘導体が、三官能イソシアネート化合物ポリエチレングリコールとが反応してなるイソシアネート基を有するポリウレタンと、アミノ糖構成糖として含みかつ紫外線感応基としてのオキセタン環及び/又はオキシラン環を有する多糖とが、前記イソシアネート基と前記多糖のアミノ基との反応によるウレア結合を介して結合したものである、請求項1記載のゴム組成物。

請求項3

ゴム成分100質量部に対し、下記一般式(1)で表される構造を含む、ポリウレタンと多糖が結合したポリウレタン誘導体1〜100質量部を、含有するゴム組成物。(式中、Qは、三官能イソシアネート化合物のイソシアネート基を除いた部分であり、Aは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、Gは、酸素原子又は−NH−であり、R1及びR2は、それぞれ多糖を構成する構成糖の残基であって同一でも異なってもよく、Xは、紫外線感応基であり、pは、1以上の整数である。)

請求項4

ゴム成分100質量部に対し、下記一般式(2)で表される構造を含む、ポリウレタンと多糖が結合したポリウレタン誘導体1〜100質量部を、含有するゴム組成物。(式中、Qは、下記式(3)又は式(4)で表され、ここで、R4は、2価の脂肪族炭化水素基脂環族炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、R3は、水素原子アセチル基、又は−CONH−であり、pは、1以上の整数である。)

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いて作製された空気入りタイヤ

請求項6

ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオールと紫外線感応基を有する多糖とを反応させて得られた、ポリウレタンに多糖が結合してなりかつ紫外線感応基を有するポリウレタン誘導体を、ゴム成分100質量部に対して1〜100質量部添加し混合する、ゴム組成物の製造方法。

請求項7

請求項6記載の製造方法により得られたゴム組成物を、加硫温度130〜170℃にて加硫成型する、加硫ゴムの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ゴム組成物及びその製造方法、並びに、該ゴム組成物を用いた加硫ゴムの製造方法、及び空気入りタイヤに関するものである。

背景技術

0002

空気入りタイヤなどのゴム製品においては、繰り返し変形に対する耐久性耐屈曲疲労性)が求められる。従来、加硫ゴムの耐屈曲疲労性を向上するために、ゴム組成物に配合するゴム成分として耐屈曲疲労性に優れる天然ゴムを用いたり、屈曲による亀裂の発生及び成長を抑制する老化防止剤を配合したりことが行われている。しかしながら、分子レベルで発生した損傷を修復する成分を配合することで、加硫ゴムの耐屈曲疲労性を向上することは行われていなかった。

0003

ところで、非特許文献1には、自己修復能を有するポリウレタン誘導体が開示されている。このポリウレタン誘導体は、紫外線感応基としてオキセタン環を導入したキトサン(CHI)を、ヘキサメチレンジイソシアネート三量体(TDI)及びポリエチレングリコール(PEG)と反応させることにより得られたものであり、TDIとPEGとが反応してなるイソシアネート基を有するポリウレタンと、オキセタン環を持つCHIとが、ウレア結合を介して結合した構造を持つ。ポリウレタン誘導体で形成された塗膜にひっかき傷を付けた後に、紫外線を照射すると、ウレア結合が切断されるとともに、オキセタン環が開環してポリウレタンとの間で新たな結合が形成されることにより、ひっかき傷が修復される。このように、非特許文献1には、紫外線を照射することにより受傷部における傷を修復することができるポリウレタン誘導体については開示されているものの、例えば自動車塗装のような樹脂コーティング膜への適用について開示したものであり、ゴム組成物に配合することによる耐屈曲疲労性の向上効果については開示されていない。

0004

なお、ポリマーの自己修復能に関する技術としては、特許文献1に、熱によりリサイクル可能な熱硬化性樹脂超分子ハイブリッド複合体が開示されているが、熱により修復するものであり、紫外線照射による自己修復能については開示されていない。

0005

特表2014−513192号公報

先行技術

0006

Biswajit Ghosh, et al., “Self-Repairing Oxetane-Substituted Chitosan Polyurethane Networks”, Science, vol.323, pp1458-1460, 及びそのSupporting Online Material, pp1-16, 2009年3月13日

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、以上の点に鑑み、耐久性を向上することができるゴム組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

第1の実施形態に係るゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対し、ポリイソシアネート化合物ポリエーテルポリオールとが反応してなるイソシアネート基を有するポリウレタンと、紫外線感応基を有する多糖とが、前記イソシアネート基と前記多糖の活性水素基との反応により結合した、ポリウレタン誘導体1〜100質量部を、含有するものである。

0009

第2の実施形態に係るゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対し、下記一般式(1)で表される構造を含む、ポリウレタンと多糖が結合したポリウレタン誘導体1〜100質量部を、含有するものである。

0010

式中、Qは、三官能イソシアネート化合物のイソシアネート基を除いた部分であり、Aは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、Gは、酸素原子又は−NH−であり、R1及びR2は、それぞれ多糖を構成する構成糖の残基であって同一でも異なってもよく、Xは、紫外線感応基であり、pは、1以上の整数である。

0011

第3の実施形態に係る空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて作製されたものである。

0012

第4の実施形態に係るゴム組成物の製造方法は、ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオールと紫外線感応基を有する多糖とを反応させて得られた、ポリウレタンに多糖が結合してなりかつ紫外線感応基を有するポリウレタン誘導体を、ゴム成分100質量部に対して1〜100質量部添加し混合するものである。

0013

第5の実施形態に係る加硫ゴムの製造方法は、該製造方法により得られたゴム組成物を、加硫温度130〜170℃にて加硫成型するものである。

発明の効果

0014

本実施形態によれば、ゴム組成物に、自己修復能を持つ上記ポリウレタン誘導体を配合したことにより、加硫ゴムの耐屈曲疲労性を高めて、耐久性を向上することができる。

0015

以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。

0016

本実施形態に係るゴム組成物は、ゴム成分と、ポリウレタン誘導体とを含有するものである。

0017

ゴム成分としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(例えば、臭素化ブチルゴム塩素化ブチルゴム)などが挙げられ、これらはいずれか1種単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。ゴム成分として、好ましくはジエン系ゴムを用いることであり、より好ましくは、天然ゴム、ブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムよりなる群から選択される少なくとも一種のジエン系ゴムを用いることである。

0018

ポリウレタン誘導体としては、ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオールとが反応してなるイソシアネート基を有するポリウレタンと、紫外線感応基を有する多糖とが、該イソシアネート基と多糖の活性水素基との反応により結合したものを用いることができる。

0019

ポリイソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート(即ち、1,4−ジイソシアナトブタン)、ペンタメチレンジイソシアネート(即ち、1,5−ジイソシアナトペンタン)、ヘキサメチレンジイソシアネート(即ち、1,6−ジイソシアナトヘキサン)(HDI)、1,6−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルヘキサン、リジンジイソシアネート(即ち、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸メチル)等の脂肪族ジイソシアネートイソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート水添ジフェニルメタンジイソシアネートシクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネートフェニレンジイソシアネートトリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、並びに、これらジイソシアネートの二量体及び三量体などが挙げられる。これらはいずれか1種単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ポリウレタンに、多糖との結合部位となる分岐構造を導入できる点で、三官能イソシアネート化合物を用いることが好ましい。三官能イソシアネート化合物は、分子内にイソシアネート基(−NCO)を3個有する化合物であり、例えば、上述した各ジイソシアネートを三量化してなる三量体が挙げられる。

0020

ポリエーテルポリオールとしては、両末端水酸基を持つポリオキシアルキレン、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの、炭素数2〜4のアルキレンオキシド単独重合体又は共重合体が挙げられる。

0021

多糖としては、例えば、キトサン、セルロースアミロースアミロペクチングリコーゲンアガロースなどが挙げられる。これらはいずれか1種単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、アミノ糖を構成糖として含む多糖が好ましく、特に好ましくはキトサンを用いることである。

0022

紫外線感応基としては、例えば、オキセタン環、オキシラン環などの環状エーテル基を含む一価の基が挙げられ、これらはいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。より詳細には、例として、下記式(5)及び/又は式(6)で表される基が、紫外線感応基の好ましい例として挙げられる。

0023

式中、Z1及びZ2は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜6(好ましくは1〜3)のアルキル基を示す。

0024

上記ポリウレタンと多糖との結合は、ポリウレタンのイソシアネート基と多糖の活性水素基との反応により形成されるものであり、活性水素基が水酸基のときにはウレタン結合であり、アミノ基のときにはウレア結合である。従って、ポリウレタンと多糖は、ウレタン結合及び/又はウレア結合を介して結合される。

0025

好ましい一実施形態に係るポリウレタン誘導体は、三官能イソシアネート化合物とポリエチレングリコールとが反応してなるイソシアネート基を有するポリウレタンと、アミノ糖を構成糖として含みかつ紫外線感応基としてのオキセタン環及び/又はオキシラン環を有する多糖とが、該イソシアネート基と多糖のアミノ基との反応によるウレア結合を介して結合したものである。ここで、三官能イソシアネート化合物としては、上記各ジイソシアネートの三量体が挙げられ、特に好ましくはヘキサメチレンジイソシアネートの三量体である。また、アミノ糖を構成糖とする多糖としては、キトサンが好ましい。

0026

上記ポリウレタン誘導体としては、下記一般式(1)で表される構造を含む、ポリウレタンと多糖が結合したポリウレタン誘導体を用いることができる。

0027

式(1)中、Qは、三官能イソシアネート化合物のイソシアネート基を除いた部分を示し、三官能イソシアネート化合物の具体例については上述した通りである。Aは、ポリエーテルポリオール中のオキシアルキレン基を構成する、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、例えば、エチレン基プロピレン基イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基など直鎖でも分岐状でもよく、これらはいずれか1種でも、2種以上の組み合わせでもよい。pは、オキシアルキレン基の繰り返し数であって1以上の整数を示し、2〜100でもよく、2〜50でもよく、3〜20でもよい。なお、ポリエーテルポリオールの分子量は通常分布を持つため、ポリウレタン1分子中ではpもそれに応じた分布を持ってもよい。

0028

式(1)中のR1及びR2は、それぞれ多糖を構成する構成糖(単糖)の残基であり、同一でも異なってもよい。構成糖としては、例えば、グルコースガラクトースマンノースなどのアルドヘキソースグルコサミンガラクトサミンなどのアミノ糖などが挙げられる。ここで、構成糖の残基とは、グリコキシド結合(エーテル結合)を介して接続される構成糖分子の当該グリコキシド結合部分を除く部分であり、置換基を有してもよく、またウレア結合又はウレタン結合を介してポリウレタンに結合される部位を含んでもよい。例えば、R1は、置換基としてXで示される紫外線感応基を有してもよい。R2は、ウレア結合又はウレタン結合を介してポリウレタンに結合される部位を有してもよい。

0029

式(1)中のGは、酸素原子又は−NH−であり、構成糖R1がアミノ糖の場合はイミノ基(−NH−)であり、ウレア結合を形成する。また、構成糖R1がアミノ糖でない場合は酸素原子(−O−)であり、ウレタン結合を形成する。Gは、構成糖R1が六炭糖の場合、六員環の2位の水酸基又はアミノ基に相当することが好ましい(R2がポリウレタンに対する結合部位を有する場合も同じ)。

0030

式(1)中のXは、紫外線感応基を示し、具体例は上述した通りである。Xは、構成糖R2が六炭糖の場合、六員環の5位の炭素に結合した6位の−CH2OHに導入されること(即ち、−CH2O−X)が好ましい(R1が紫外線感応基Xを有する場合も同じ)。

0031

上記式(1)で表される構造は、ポリウレタンの一部と多糖の一部を−NH−CO−G−で表される架橋部位を介して結合した部分の構造であり、式(1)において架橋部位よりも上側に示した部分がポリウレタンの繰り返し単位を示しており、架橋部位よりも下側に示した部分が多糖の繰り返し単位を示している。

0032

ポリウレタン誘導体は、実質的に全ての繰り返し単位が式(1)で表される構造からなるものでもよい。但し、ポリウレタン誘導体には、三官能イソシアネート化合物の3つのイソシアネート基の全てにポリエーテルポリオールが結合した構造が繰り返し単位として含まれてもよい。

0033

多糖の上記繰り返し単位については、架橋部位を介してポリウレタンに結合された構成糖R1と紫外線感応基Xを有する構成糖R2とが連結されていればよい。多糖は、全て上記繰り返し単位で構成されてもよく、また、該繰り返し単位とともに他の繰り返し単位を含んでもよい。構成糖R2が、ウレア結合又はウレタン結合を介して、上記ポリウレタンの他の部位、又は他のポリウレタン分子に結合されてもよい。なお、R1とR2が同じ場合、−R1−O−が多糖の繰り返し単位となる。

0034

式(1)で表されるポリウレタン誘導体の好ましい一例としては、下記一般式(2)で表される構造を含むものが挙げられる。すなわち、上記式(1)の構造は、より好ましくは下記式(2)で表される。この式(2)で表される構造を含むポリウレタン誘導体は、ポリイソシアネート化合物として、上記ジイソシアネートの三量体を用い、ポリエーテルポリオールとしてポリエチレングリコールを用い、紫外線感応基を有する多糖としてオキセタン環が導入されたキトサンを用いて、合成したものである。

0035

式(2)中、pは、上記式(1)のpと同じであり、1以上の整数を示す。Qは、下記式(3)又は式(4)で表される。ジイソシアネートの三量体には、イソシアヌレート構造を持つものとイミノオキサジアジンジオン構造を持つものがあり、式(3)がイミノオキサジアジンジオン構造に由来するものであり、式(4)がイソシアヌレート構造に由来するものである。これらは、ポリウレタンの1分子中に混在してもよい。

0036

式(3)及び式(4)において、R4は、2価の脂肪族炭化水素基脂環族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を示し、より好ましくは、炭素数3〜18の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の2価の脂環族炭化水素基、炭素数6〜18の2価の芳香族炭化水素基である。2価の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状または分岐状のアルキレン基が好ましい。2価の脂環族炭化水素基としては、シクロアルカンを含む2価の飽和炭化水素基が好ましい。2価の芳香族炭化水素基とは、単環式又は多環式芳香族環を含む2価の炭化水素基である。具体的には、上述した各ジイソシアネートのイソシアネート基を除いた部分が挙げられる。

0037

式(2)中のR3は、水素原子、アセチル基、又は−CONH−である。水素原子の場合、構成糖はグルコサミンであり、アセチル基の場合、構成糖はN−アセチルグルコサミンである。キトサンは、N−アセチルグルコサミンを構成糖とするキチン脱アセチル化したものであり、一部に脱アセチル化されていないものが含まれてもよい。−CONH−の場合、構成糖の六員環に結合された−NH−とともにウレア結合を構成し、ポリウレタンに対する結合部位、即ち架橋部位となり、式(3)又は式(4)で表される基に連結された構造を持つ。好ましくは、R3は−CONH−である。

0038

式(2)で表される構造は、ポリウレタンの一部とキトサンの一部が架橋部位としてのウレア結合を介して結合した部分の構造であり、式(2)において架橋部位よりも上側に示した部分がポリウレタンの繰り返し単位を示しており、架橋部位よりも下側に示した部分がキトサンの繰り返し単位を示している。ポリウレタン誘導体は、実質的に全ての繰り返し単位が式(2)で表される構造からなるものでもよい。但し、式(1)の場合と同様、三官能イソシアネート化合物の3つのイソシアネート基の全てにポリエーテルポリオールが結合した構造が含まれてもよく、また、キトサンの繰り返し単位として、オキセタン環が導入されていない構成糖や、ポリウレタンと架橋されていない構成糖が含まれてもよい。

0039

上記ポリウレタン誘導体の合成方法は、非特許文献1に記載されており、その方法を用いることができる。まず、多糖に紫外線感応基を導入する。導入は、例えば、多糖に含まれる第1級水酸基に対して選択的に反応する条件下で、紫外線感応基を有する化合物を反応させればよい。これにより、構成糖の−CH2OHに紫外線感応基が導入される。次いで、ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオールと紫外線感応基を有する多糖とを反応させる。より詳細には、紫外線感応基を導入した多糖を有機溶媒中に分散させた状態で、ポリイソシアネート化合物及びポリエーテルポリオールと撹拌混合することにより、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基とポリエーテルポリオールの水酸基とが反応してポリウレタンが形成されるとともに、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基と多糖の活性水素基(水酸基又はアミノ基)とが反応してポリウレタンと多糖とが結合する。

0040

ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオールと多糖とを反応させる際の、これら三者の割合は、特に限定されない。例えば、二官能のポリエーテルポリオール1モルに対する、多糖を構成する構成糖のモル数は0.01〜0.5モルでもよく、0.05〜0.4モルでもよい。ポリイソシアネート化合物に対するポリエーテルポリオール及び多糖の使用量は、イソシアネート基/活性水素基の当量比が1以下になるように設定すればよい。一実施形態として、多糖としてキトサンを用いる場合、キトサンのアミノ基とポリエーテルポリオールの水酸基の全てがポリイソシアネート化合物のイソシアネート基と過不足なく反応するように設定してもよい。この場合、キトサンのアミノ基は実質的に全てウレア結合を介してポリウレタンと結合され、上記式(2)におけるR3は−CONH−で表される。

0041

このようにして得られたポリウレタン誘導体は、ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオールからなるポリウレタンと、紫外線感応基が導入された多糖とが、ウレタン結合及び/又はウレア結合を含む架橋部位を介して結合された、網目状の構造(ネットワーク構造)を持つ。

0042

該ポリウレタン誘導体は、イソシアネート基を有するポリウレタンと、紫外線感応基を有する多糖とが、ウレア結合及び/又はウレタン結合を介して結合された構造を有するので、紫外線照射による自己修復能を有する。詳細には、例として、上記式(2)において、Qが上記式(3)で表され(但し、R4はヘキサメチレン基)、R3が−CONH−であるウレタン誘導体の場合、非特許文献1に記載されているように、次のような自己修復反応が生じる(下記式中、PEGはポリエチレングリコール残基を示し、m+lは1以上の整数、nは1以上の整数をそれぞれ示す)。

0043

紫外線が照射されるとオキセタン環が開環し、これが周囲の官能基と結合して新たな結合が形成されることにより、損傷が修復される。例えば、ポリウレタンと多糖との間のウレア結合が切断された場合、(7-1)に示すように、切断されたウレア結合のカルボニル基と開環したオキセタン環との間でウレタン結合が形成されることで、ポリウレタンと多糖との間の結合が修復される。また、(7-3)に示すように、ウレア結合の切断部と、多糖のエーテル結合の切断部と、開環したオキセタン環とにより、ポリウレタンと多糖との間をつなぐウレタン結合と、多糖の構成糖間をつなぐエーテル結合が形成されて、これらの間での結合が修復される。また、(7-2)に示すように、多糖のエーテル結合の切断部と開環したオキセタン環とにより、多糖の構成糖間をつなぐエーテル結合が形成されて、多糖の切断が修復される。

0044

このような自己修復能を持つポリウレタン誘導体の配合量は、耐屈曲疲労性の向上効果を高める観点より、上記ゴム成分100質量部に対して1〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜90質量部であり、10〜80質量部でもよく、20〜70質量部でもよい。

0045

本実施形態に係るゴム組成物には、ゴム成分及びポリウレタン誘導体に加え、通常のゴム工業で使用されているカーボンブラックシリカなどの補強性充填剤オイル亜鉛華ステアリン酸ワックス、老化防止剤(アミンケトン系、芳香族第2アミン系、フェノール系、イミダゾール系等)、加硫剤加硫促進剤グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系等)などの配合薬品類を通常の範囲内で適宜配合することができる。

0046

補強性充填剤としてのカーボンブラック及び/又はシリカの配合量は、特に限定されず、例えば、上記ゴム成分100質量部に対して、10〜150質量部でもよく、20〜100質量部でもよく、30〜80質量部でもよい。補強性充填剤としては、好ましくは、カーボンブラック単独、又はカーボンブラックとシリカとの併用である。

0047

加硫剤としては、粉末硫黄沈降硫黄コロイド硫黄不溶性硫黄高分散性硫黄などの硫黄が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量は上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。また、加硫促進剤の配合量としては、ゴム成分100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。

0048

本実施形態に係るゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーニーダーロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。すなわち、ゴム組成物は、通常、ノンプロ練り工程で、ゴム成分に対し、加硫剤及び加硫促進剤を除く添加剤添加混合し、次いで、得られた混合物に、プロ練り工程で、加硫剤及び加硫促進剤を添加混合して調製される。ポリウレタン誘導体は、ノンプロ練り工程で添加してもよく、プロ練り工程で添加してもよい。

0049

このようにして得られたゴム組成物は、タイヤ用、防振ゴム用、コンベアベルト用などの各種ゴム製品に用いることができる。好ましくは、タイヤに用いることであり、乗用車用トラックバス重荷重用など各種用途、サイズの空気入りタイヤのトレッドゴムサイドウォールゴムリムストリップゴムなどタイヤの各部位に適用することができる。ゴム組成物は、常法に従い、例えば、押出加工によって所定の形状に成形され、他の部品と組み合わせてグリーンタイヤ未加硫タイヤ)を作製した後、グリーンタイヤを加硫成型することにより、空気入りタイヤを製造することができる。好ましくは、トレッド用配合、又はサイドウォール用配合として用いることが特に好ましい。

0050

該ゴム組成物を加硫成型して加硫ゴムを製造する場合、加硫温度は130〜170℃であることが好ましい。加硫温度を170℃以下に設定することにより、ウレタン結合が切れて材料としての強度が低下することを抑制することができる。

0051

本実施形態によれば、上記の紫外線照射により自己修復可能なポリウレタン誘導体を、ゴム組成物に配合したことにより、分子レベルで発生した損傷を修復することができるので、加硫ゴムの耐屈曲疲労性を改善することができ、加硫ゴムの耐久性を向上することができる。該ポリウレタン誘導体は、紫外線の照射により自己修復可能であることから、太陽光で自己修復可能である。そのため、例えばタイヤであれば、通常の車両走行時にも該自己修復能を発揮して、耐久性の向上効果を発揮することができ、有利である。

0052

以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0053

バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、まず、ノンプロ練り工程で、ゴム成分(NR及びBR)に対し、ポリウレタン誘導体、硫黄及び加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し混練し(排出温度=160℃)、次いで、得られた混練物に、プロ練り工程で、ポリウレタン誘導体と硫黄と加硫促進剤を添加し混練して(排出温度=90℃)、ゴム組成物を調製した。表1中の各成分の詳細は以下の通りである。

0054

・NR:天然ゴム、RSS#3
・BR:ブタジエンゴム、ランクセス社製「Buna CB22」
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シースト7HM(N234)」
パラフィンオイル:JX日鉱日石エネルギー(株)製「プロセスP200」
・ステアリン酸:日本油脂(株)製「ステアリン酸」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1号」
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・加硫促進剤:住友化学(株)製「ソクシノールCZ」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「粉末硫黄」

0055

・ポリウレタン誘導体:非特許文献1(特に、そのSupporting Online Materialの1頁)に記載の方法により作製した上記式(2)に記載のポリウレタン誘導体(式中、Qは式(3)で表され(但し、R4はヘキサメチレン基)、R3は−CONH−で表される)。すなわち、キトサン(CHI)と3−(クロロメチル)−3−メチルオキセタンとを水酸化ナトリウム水溶液中で反応させて、CHIの−CH2OHにオキセタン環を導入した後、得られたオキセタン環導入キトサン(OXE−CHI)をDMSOに分散させ、これをヘキサメチレンジイソシアネートの三量体(HDI)とポリエチレングリコール(PEG)とともに撹拌混合して反応させることにより、ポリウレタン誘導体を得た。ここで、HDI/PEG/OXE−CHI=1:1.4:0.57×10-4(モル比)とした。

0056

得られたゴム組成物について、150℃で30分間加硫した所定形状の試験片を用いて、耐屈曲疲労性を評価した。評価方法は以下の通りである。

0057

・耐屈曲疲労性:JIS K6260(デマチャ屈曲亀裂試験)に準拠し、屈曲亀裂成長試験を行った。試験は、温度23℃で紫外線照射(120W)しながら行い、亀裂成長が2mmになるまでの回数を求めた。比較例1の値を100とした指数で示す。数値が大きいほど耐屈曲疲労性に優れることを意味する。

0058

結果は表1に示す通りである。コントロールである比較例1に対し、ポリウレタン誘導体を配合した実施例1〜3では、耐屈曲疲労性が顕著に改善されていた。

実施例

0059

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