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技術 物性で特定される皮膚外用剤

出願人 株式会社ポーラファルマ
発明者 増田孝明小林浩一
出願日 2015年9月28日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-190367
公開日 2017年4月6日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-066056
状態 特許登録済
技術分野 医薬品製剤
主要キーワード アルカリ剤水溶液 曇点温度 装置機種 チキソトロピー特性 水分添加量 ソルビタンステアリン酸エステル 物理刺激 水中油乳化物
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (1)

課題

使用感に優れた皮膚外用剤であって、油溶性の有効成分を含む場合皮膚への放出性に優れた皮膚外用剤の提供。

解決手段

アルキル変性されていてもよいカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩と、ノニオン性界面活性剤とを含有し、チキソトロピー値が4.0より大きい、皮膚外用剤。油溶性の有効成分を含むことが好ましく、更に乳化剤形であることが好ましい皮膚外用剤。ノニオン性界面活性剤のみで乳化されていることが、より好ましい皮膚外用剤。

概要

背景

皮膚外用剤において、使用性外用剤薬効そのものにも影響を与える重要な因子でありながら、使用性を好ましいものに設定すると、必要な安定性は損なわれるような、その他の必要因子と相反する要素を持つものであった。特に、肌へのなじみやすさなどの使用性は、アトピー性皮膚炎患者にとっては重要な要素となっている。

ステロイド抗炎症剤は、アトピー性皮膚炎の処置などにも使用されているが、このような製剤化を行った場合に課題となるのは、製剤成分との相溶性である。このため、ベンジルアルコールの様な芳香族基を有するアルコールが相溶性を向上させる成分として使用し、乳化した形で用いることが常法となっていた。(例えば、特許文献1、特許文献2を参照。)このような形態においては、粘度の維持が安定性の向上につながるため、カルボキシビニルポリマー乃至はアルキル変性カルボキシビニルポリマーなどの増粘剤が用いられることが多かった。

このような製剤はチキソトロピー特性を有することが知られていた。チキソトロピー特性とは、粘度が時間経過とともに変化する性質のことを言う。具体的には、剪断応力を受け続けると粘度が次第に低下し液状になり、また静止すると粘度が次第に上昇し最終的に固体状になる性質のことを言う。したがって、チキソトロピー性のある皮膚外用剤は、肌へ塗布する過程では肌へ広げやすく滑らかであるが、塗布の終了後に肌上に形成される被膜はたれにくい性質を有する。

このように、チキソトロピー特性を有する皮膚外用剤は知られていたが、この特性が、肌へのなじみやすさや、有効成分の皮膚への放出性に影響を与えることは知られていなかった。

概要

使用感に優れた皮膚外用剤であって、油溶性の有効成分を含む場合皮膚への放出性に優れた皮膚外用剤の提供。アルキル変性されていてもよいカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩と、ノニオン性界面活性剤とを含有し、チキソトロピー値が4.0より大きい、皮膚外用剤。油溶性の有効成分を含むことが好ましく、更に乳化剤形であることが好ましい皮膚外用剤。ノニオン性界面活性剤のみで乳化されていることが、より好ましい皮膚外用剤。なし

目的

本発明が解決しようとする課題は、使用性に優れた皮膚外用剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

アルキル変性されていてもよいカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩と、ノニオン性界面活性剤とを含有し、チキソトロピー値が4.0より大きいことを特徴とする、皮膚外用剤

請求項2

油溶性の有効成分を含むことを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用組成物

請求項3

乳化剤形であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。

請求項4

ノニオン性界面活性剤のみで乳化されていることを特徴とする、請求項3に記載の皮膚外用剤。

請求項5

ノニオン性界面活性剤の曇点より高い温度で、水中油乳化物を調製し、ノニオン性界面活性剤の曇点以下の温度まで冷却した後、アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーを加え、しかる後に該アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーをアルカリ剤中和し、製造されたものであることを特徴とする、請求項4に記載の皮膚外用剤。

請求項6

アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩と、ノニオン性界面活性剤とを含有する乳化剤形の皮膚外用剤の評価方法であって、32℃の恒温条件下、コーンプレート粘度計見かけ粘度計測し、チキソトロピー値を算出し、該チキソトロピー値が4.0より大きい場合、使用性に優れる皮膚外用剤であると判別することを特徴とする、乳化剤形の皮膚外用剤の評価方法。

請求項7

油溶性の有効成分と、アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩と、ノニオン性界面活性剤とを含有する乳化剤形の皮膚外用剤の評価方法であって、32℃の恒温条件下、コーンプレート型粘度計で見かけ粘度を計測し、チキソトロピー値を算出し、該チキソトロピー値が4.0より大きい場合、使用性及び有効成分の皮膚への放出性の少なくとも一方に優れる皮膚外用剤であると判別することを特徴とする、乳化剤形の皮膚外用剤の評価方法。

技術分野

0001

本発明は、皮膚外用剤に関し、更に詳細には、チキソトロピー値で特定される、皮膚外用剤に関する。

背景技術

0002

皮膚外用剤において、使用性外用剤薬効そのものにも影響を与える重要な因子でありながら、使用性を好ましいものに設定すると、必要な安定性は損なわれるような、その他の必要因子と相反する要素を持つものであった。特に、肌へのなじみやすさなどの使用性は、アトピー性皮膚炎患者にとっては重要な要素となっている。

0003

ステロイド抗炎症剤は、アトピー性皮膚炎の処置などにも使用されているが、このような製剤化を行った場合に課題となるのは、製剤成分との相溶性である。このため、ベンジルアルコールの様な芳香族基を有するアルコールが相溶性を向上させる成分として使用し、乳化した形で用いることが常法となっていた。(例えば、特許文献1、特許文献2を参照。)このような形態においては、粘度の維持が安定性の向上につながるため、カルボキシビニルポリマー乃至はアルキル変性カルボキシビニルポリマーなどの増粘剤が用いられることが多かった。

0004

このような製剤はチキソトロピー特性を有することが知られていた。チキソトロピー特性とは、粘度が時間経過とともに変化する性質のことを言う。具体的には、剪断応力を受け続けると粘度が次第に低下し液状になり、また静止すると粘度が次第に上昇し最終的に固体状になる性質のことを言う。したがって、チキソトロピー性のある皮膚外用剤は、肌へ塗布する過程では肌へ広げやすく滑らかであるが、塗布の終了後に肌上に形成される被膜はたれにくい性質を有する。

0005

このように、チキソトロピー特性を有する皮膚外用剤は知られていたが、この特性が、肌へのなじみやすさや、有効成分の皮膚への放出性に影響を与えることは知られていなかった。

先行技術

0006

特開2009−114081号公報
特表2007−500235号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明が解決しようとする課題は、使用性に優れた皮膚外用剤を提供することにもある。また、油溶性の有効成分を含む場合には、その皮膚への放出性に優れた皮膚外用剤を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決する本発明は、アルキル変性されていてもよいカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩と、ノニオン性界面活性剤とを含有し、チキソトロピー値が4.0より大きいことを特徴とする皮膚外用剤である。
本発明の皮膚外用剤は、使用性に優れている。使用性としては、肌へのなじみやすさが好ましく挙げられる。

0009

本発明の皮膚外用剤は、油溶性の有効成分を含む形態とすることが好ましい。
チキソトロピー値が4.0より大きいことを特徴とする本発明の皮膚外用剤は、油溶性の有効成分の皮膚への放出性に優れる。

0010

本発明の皮膚外用剤は乳化剤形とすることが好ましい。
乳化剤形とすることによって、チキソトロピー特性を良好に維持することができ、上記効果を安定的に維持することができる。

0011

本発明の皮膚外用剤を乳化剤形とする場合には、ノニオン性界面活性剤のみで乳化されていることが好ましい。
ノニオン性界面活性剤のみで乳化した乳化剤形の皮膚外用剤は、肌への刺激が少なく、敏感な肌に対しても使用することができる。

0012

本発明の皮膚外用剤は、ノニオン性界面活性剤の曇点より高い温度で、水中油乳化物を調製し、ノニオン性界面活性剤の曇点以下の温度まで冷却した後、アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーを加え、しかる後に該アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーをアルカリ剤中和し、製造されたものであることが好ましい。
このような製法で製造された本発明の皮膚外用剤は、同一処方で他の製造方法によって製造された皮膚外用剤と比較して、上記効果に優れる。

0013

本発明は、アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩と、ノニオン性界面活性剤とを含有する乳化剤形の皮膚外用剤の評価方法であって、32℃の恒温条件下、コーンプレート粘度計見かけ粘度計測し、チキソトロピー値を算出し、該チキソトロピー値が4.0より大きい場合、使用性に優れる皮膚外用剤であると判別することを特徴とする、乳化剤形の皮膚外用剤の評価方法にも関する。
本発明の評価方法によれば、容易に使用性及び有効成分の皮膚への放出性の少なくとも一方を評価することができる。

0014

また、本発明は、油溶性の有効成分と、アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩と、ノニオン性界面活性剤とを含有する乳化剤形の皮膚外用剤の評価方法であって、32℃の恒温条件下、コーンプレート型粘度計で見かけ粘度を計測し、チキソトロピー値を算出し、該チキソトロピー値が4.0より大きい場合、使用性及び有効成分の皮膚への放出性の少なくとも一方に優れる皮膚外用剤であると判別することを特徴とする、乳化剤形の皮膚外用剤の評価方法にも関する。
本発明の評価方法によれば、容易に使用性及び有効成分の皮膚への放出性の少なくとも一方を評価することができる。

発明の効果

0015

本発明の皮膚外用剤は、使用性に優れている。使用性としては、好ましくは肌へのなじみやすさが挙げられる。また、油溶性の有効成分を含む場合には、本発明の皮膚外用剤は該有効成分の皮膚への放出性に優れる。

図面の簡単な説明

0016

12、16、20及び24時間後における油溶性の有効成分の薬剤放出量を示す図である。

0017

チキソトロピーとは、粘度が時間経過とともに変化する性質のことを言う。具体的には、剪断応力を受け続けると粘度が次第に低下し液状になり、また静止すると粘度が次第に上昇し最終的に固体状になる性質のことを言う。したがって、チキソトロピー性のある皮膚外用剤は、肌へ塗布する過程(剪断力を受けている状態)では肌へ広げやすく滑らかであるが、塗布の終了後に肌上に形成される被膜(剪断力を受けていない状態)はたれにくい性質を有する。チキソトロピー性の指標としては、以下の式で表されるチキソトロピー値を用いることができる。一般的にチキソトロピー値は、回転速度を1:10に変化させて、その粘度の比で示すことができる。

0018

0019

チキソトロピー値の算出において、見かけ粘度の測定は、32℃の恒温条件下、コーンプレート型粘度計で計測することができる。一般に、皮膚の表面温度は32℃前後であるため、前記温度でチキソトロピー値を測定することが好ましい。

0020

本発明の皮膚外用剤において、チキソトロピー値は、4.0より大きく、好ましくは4.5以上であり、より好ましくは4.5〜6.5である。
本発明の皮膚外用剤は前記範囲のチキソトロピー値を有するため、塗り広げやすくたれにくいという特徴を有する。そして、驚くべきことに前記範囲のチキソトロピー値を有する本発明の皮膚外用剤は、皮膚へのなじみやすさといった使用性に優れている。
また、前記範囲のチキソトロピー値を有する本発明の皮膚外用剤は油溶性の有効成分の皮膚への放出性に優れている。

0021

皮膚外用剤のチキソトロピー値は、増粘剤の含有量を調整することによって任意に調節することができる。すなわち、増粘剤の含有量を増減することによってチキソトロピー値を変化させることができる。
また、皮膚外用剤を乳化剤形とする場合には、乳化粒子径を小さくすることによってチキソトロピー値を変化させることができる。乳化粒子径は油相水相撹拌し乳化を行う際の応力を調整することによって任意に調節することができる。

0022

また、本発明の皮膚外用剤は、以下の物性を備えていることも好ましい。
32℃の恒温条件下、コーンプレート型粘度計を用いて、剪断速度(D)に対する剪断応力(S)の関係式;√S=a√D+b(a、bは係数)から算出される、残留粘度(傾きaの二乗)は200mPa・s以下、より好ましくは190mPa・s以下であり、更に好ましくは、加えて、100mPa・s以上であり、120mPa・s以上であって、且つ、キャッソン(Casson)降伏値切片bの二乗)は40000mPa以上であり、より好ましくは、42000mPa以上であり、加えて、60000mPa以下であり、より好ましくは50000mPa以下である。
また、本発明の皮膚外用剤は、剪断速度の平方根が、1〜15の変域において、良好な直線性を示すことが好ましい。すなわち、キャッソン(Casson)プロットにおいて、剪断速度の平方根が1〜15の変域での相関係数の二乗の値が0.98以上であることが好ましい。

0023

上述のような物性を備える場合、本発明の皮膚外用剤は、使用時においては、使用開始時から、使用終了時までの、延展性などの使用感の変化は極めて少ないという特徴を有する。これにより、敏感な皮膚に対しても与える物理刺激が低い皮膚外用剤となると推察される。

0024

また、本発明の皮膚外用剤のコーンプレート型粘度計で測定した場合の25℃における粘度は、好ましくは600mPa・s以上、より好ましくは8000mPa・s以上であり、更に好ましくは1000mPa・s以上、特に好ましくは1200mPa・s以上であり、加えて、好ましくは4000mPa・s以下であり、より好ましくは3000mPa・s以下であり、更に好ましくは2500mPa・s以下である。
このような粘度である本発明の皮膚外用剤は、閉塞性に優れた塗布膜を肌上に形成することができる。

0025

本発明の皮膚外用剤は乳化剤形とすることが好ましい。乳化剤形とする場合の本発明の皮膚外用剤は以下のようにして調製することができる。すなわち、構造を担うカルボキシビニルポリマー等の増粘性を有するポリマーを、乳化構造が固定した、乳化組成物に含有させ、中和して、架橋構造を形成せしめ、しっかりとした架橋構造を構築させる。具体的には、次に示すような手順で調製することができる。

0026

ノニオン性界面活性剤の曇点より高い温度で、水中油乳化物を調製し、ノニオン性界面活性剤の曇点以下の温度まで冷却した後、カルボキシビニルポリマーを加え、しかる後に該カルボキシビニルポリマーをアルカリ剤で中和する。

0027

ノニオン性界面活性剤の曇点より高い温度としては、複数のノニオン性界面活性剤が存在する場合は、これらの曇点温度のうち最も高い曇点温度を採用することが好ましく、大凡75〜90℃の温度が適用される。また、ノニオン性界面活性剤の曇点以下の温度としては、複数のノニオン性界面活性剤が存在する場合は、これらの曇点温度のうち最も低い曇点温度を採用することが好ましく、大凡25〜35℃であることが好ましい。

0028

カルボキシビニルポリマーは流動性を示す、最低限度に近い水分添加量で溶解し加えることが好ましく、具体的には5〜65質量%の水に溶解せしめて加えるのが好ましい。かかる水の量は、皮膚外用剤全体に対しては、35〜60質量%であることが望ましい。また、その後加えるアルカリ剤も分散を阻害しない程度に水で希釈して加えるのが好ましく、具体的には、1〜5質量%の水で希釈して加えることが好ましい。残余の水は、水中油乳化物を調製する水相として加えることが好ましい。以下、調製の手順を工程に分けて説明する。

0029

<工程1>
あらかじめ、カルボキシビニルポリマーを少量の水で溶解させ、カルボキシビニルポリマー液を調製する。同様にアルカリ剤水溶液を調製する。この2種の液をそれぞれ添加すべきノニオン性界面活性剤の曇点以下の温度に調整しておく。

0030

<工程2>
残余の水と、水性成分、例えば、多価アルコール水溶性添加物を合わせ、乳化温度である曇点より高い温度に調整しておく。同時に、ノニオン性界面活性剤を含む油性成分を合わせ、乳化温度である曇点より高い温度に調整しておく。

0031

<工程3>
ノニオン性界面活性剤の曇点より高い温度に調整した水相に、同様に曇点より高い温度に調整した油相を攪拌下徐々に加え、水中油乳化物を調製し、これを攪拌、冷却し、曇点以下まで冷却する。曇点以下の温度になったら、攪拌下徐々にカルボキシビニルポリマー液を添加する。添加後、一様になるまで攪拌し、しかる後に、アルカリ剤水溶液を徐々に加えることで皮膚外用剤を得ることができる。
ここで、アルカリ剤水溶液の添加は、本発明の皮膚外用剤のpHが、好ましくは4〜8となるように行うことができる。また、本発明の組成物のpHの下限値は、好ましくは4.3、さらに好ましくは、4.5である。また、本発明の組成物のpHの上限値は、好ましくは、6.5、さらに好ましくは6である。

0032

かくして得られた皮膚外用剤は、カルボキシビニルポリマーの増粘架橋構造が、ノニオン性界面活性剤の曇点による界面活性作用の低下の影響を受けにくいため、粘度の温度勾配の少ない組成物となる。また、少量の増粘剤で高温でも安定な系となる。また、塗布して皮膜を形成させた場合、閉塞性が高く、TEWLを抑制する作用に優れる皮膜となる。

0033

本発明の皮膚外用剤においては、次のような成分を必須成分又は好ましい成分として含有する。

0034

皮膚外用剤は、アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーを含有する。アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーとしては、通常のカルボキシビニルポリマーに加え、「ペムレンTR−1」、「ペムレンTR−2」或いは「カーボポール1382」(何れも、ルーブリゾール・アドバンスドマテリアル社製)等の長鎖アルキル基を導入したアルキル変性カルボキシビニルポリマーも使用できる。前記長鎖アルキル基としては、炭素数10〜30のものが好ましい。該カルボキシビニルポリマーは、中和されて増粘剤として働き、乳化系を安定化するとともに、皮膚外用剤が塗布された後に形成する皮膜を強化する作用を有する。このような効果を奏するためには、カルボキシビニルポリマーは、好ましくは0.3〜1.2質量%、更に好ましくは0.5〜1.0質量%含有される。また、前記カルボキシビニルポリマーは、20℃、中性領域における0.2%水溶液の粘度が、1500〜50000mPa・sのカルボキシビニルポリマーを用いることが好ましい。

0035

前記カルボキシビニルポリマーを増粘させるために、前記皮膚外用剤においては、カルボキシビニルポリマーを中和すべきアルカリ剤を含有することが好ましい。前記アルカリ剤としては有機アミンが好ましく、例えば、トリエタノールアミントリエチルアミンモノエタノールアミンジイソプロパノールアミンなどが好適に例示できる。中でも、ジイソプロパノールアミンが特に好ましい。かかる有機アミンは、前記皮膚外用剤中に、好ましくは0.01〜1.5質量%、さらに好ましくは0.01〜1.0質量%、より好ましくは0.01〜0.8質量%、特に好ましくは0.05〜0.6質量%含有される。有機アミンの含有量を上記範囲とすることにより、皮膚外用剤のpHを4.5〜6に調整することができる。また、上述した製造方法において、pHの範囲を好ましい範囲に調整するために、有機アミン等の中和剤の量と種類を調整することができる。

0036

本発明の皮膚外用剤はノニオン性界面活性剤を含有することが好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸モノグリセリドオレイン酸モノグリセリドなどのモノグリセリド類ソルビタンステアリン酸エステルソルビタンオレイン酸エステルなどのソルビタン脂肪酸エステル類、POEステアリン酸エステル、POEオレイン酸エステル等のエステル系ノニオン性界面活性剤類、POE硬化されていても良いヒマシ油類、POEソルビタンオレイン酸エステル、POEソルビタンステアリン酸エステルなどのPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEオレイルエーテル、POEセチルエーテルなどのエーテル系ノニオン性界面活性剤類等が好適に例示でき、親水性ノニオン性界面活性剤としては、POE硬化ヒマシ油類及び/又はエーテル系ノニオン性界面活性剤類が好ましく例示でき、これらを両方含有する形態が特に好ましい。また、親油性界面活性剤としては、脂肪酸モノグリセリドが好ましく例示できる。本発明においては、界面活性剤は実質的にノニオン性界面活性剤のみを用いることが好ましい。これは、曇点が明確に推定できるためである。前記界面活性剤の含有量は、総量で好ましくは3〜7質量%、さらに好ましくは3〜5質量%である。

0037

本発明の皮膚外用剤には、前記成分以外に、通常外用剤に用いられる任意の成分を含有することが出来る。かかる任意の成分としては、例えば、スクワランワセリンなどの炭化水素類ホホバ油セチルイソオクタネート、ミリスチルイソプロピルなどのようなエステル油剤オリーブ油中鎖脂肪酸トリグリセリドの様なトリグリセリド、1,3−ブタンジオールプロピレングリコールグリセリンポリエチレングリコールの様な多価アルコール、アルキル変性されていても良い、キサンタンガムなどの増粘剤、ステアリン酸、ミリスチル酸、ミリスチン酸ラウリン酸等の脂肪酸乃至はそれらの塩、セトステアリルアルコールベヘニルアルコールイソステアリルアルコールオレイルアルコールなどの高級アルコール等が好適に例示できる。これらの内、脂肪酸はカルボキシビニルポリマーの架橋構造を損なう場合があるので、実質的に含有しない形態が好ましい。また、剤形としては、外相が水相である乳化形態が好ましく、かかる剤形を総称して水中油乳化剤形という。分散滴は油滴であっても、乳化物であってもかまわない。

0038

本発明の皮膚外用剤は、有効成分を含有することができる。該有効成分としては、アトピー性皮膚炎で使用されるものが好ましく、例えば、ヒドロコルチゾンプレドニゾロンデキサメタゾンベクロメタゾンベタメタゾン等のステロイド類インドメタシンスプロフェン等の非ステロイド系抗炎症剤ナルフラフィン等の抗掻痒剤ヘパリン類似物質尿素のような保湿剤ビタミンA類ビタミンB類ビタミンC類などのビタミン類等が好適に例示できる。これらの含有量は、それぞれの有効量により異なるが、大凡、0.0001〜10質量%が好ましい。

0039

上で列挙した成分は油溶性であり、このような有効成分を含む形態とすることが好ましい。本発明の皮膚外用剤は、油溶性の有効成分の皮膚への放出性に優れる。

0040

ここで、アルカリ剤水溶液の添加は、本発明の組成物のpHが、好ましくは4〜8となるように行うことができる。また、本発明の組成物のpHの下限値は、好ましくは4.3、さらに好ましくは、4.5である。また、本発明の組成物のpHの上限値は、好ましくは、6.5、さらに好ましくは6である。

0041

本発明の評価方法は、調製した乳化剤形の皮膚外用剤が、前記の本発明の乳化剤形の皮膚外用剤の使用性を備えているか否かを判別、評価するものである。具体的には、32℃の恒温条件下、コーンプレート型粘度計で見かけ粘度を計測し、チキソトロピー値を算出し、該チキソトロピー値が4.0より大きい場合、使用性及び油溶性の有効成分の皮膚への放出性の少なくとも一方に優れる乳化剤形の皮膚外用剤であると判別することを特徴とする。
使用性は皮膚へのなじみやすさが挙げられる。

0042

また、本発明の評価方法により油溶性の有効成分を含む皮膚外用剤を評価するときには、上述の方法で算出したチキソトロピー値が4.0より大きい場合、使用性及び有効成分の皮膚への放出性の少なくとも一方に優れる皮膚外用剤であると判断する。

0043

以下に、実施例を挙げて、更に詳細に本発明について説明を加える。

0044

<製造例>
表1に示す処方に従って、上述した製造方法により、実施例1〜4の皮膚外用剤を調製した。すなわち、(イ)、(ロ)、(ハ)及び(ニ)の成分を量し、これらの内、(ハ)と(ニ)は室温で撹拌混合溶解し、(イ)と(ロ)は75℃で撹拌混合溶解し、各々の溶解温度で保持した。攪拌下(ロ)に(イ)を徐々に加え乳化し、攪拌冷却し、30℃まで冷却したところで、攪拌下(ハ)を徐々に加えて、一様に混合したところで、更に、(ニ)を徐々に加えて中和し、本発明の皮膚外用剤を得た。実施例1〜4の皮膚外用剤のpHも表1に示す。尚、表中の各処方成分は、組成物全量に対する重量%で表示している。

0045

0046

処方成分は実施例の皮膚外用剤と変わらず、製造方法のみを変えて比較例1〜4の皮膚外用剤を製造した。すなわち、表2に示す(イ)、(ロ)、(ハ)を秤量し、これらの内、(イ)と(ロ)は75℃で撹拌混合溶解し(ハ)は室温で撹拌混合溶解し、各々の溶解温度で保持した。攪拌下(ロ)に(イ)を徐々に加え乳化し、一様になったところで、撹拌冷却し、30℃まで冷却したところで、更に、(ハ)を徐々に加えて中和し、比較例の皮膚外用剤を得た。比較例1〜4のpHを表2に示す。尚、表中の各処方成分は、組成物全量に対する重量%で表示している。

0047

0048

試験例1>チキソトロピー値の測定
実施例及び比較例の皮膚外用剤をコーンプレート型粘度計(装置機種名:RE−80R、製造会社名:東機産業、条件:ローター:3°×R14、測定温度:32℃、回転数:10及び100rpm、測定時間:3分)を用いて、見かけ粘度を求め、関係式;(10rpmの見かけ粘度)/(100rpmの見かけ粘度)からチキソトロピー値(TI値)を算出した。結果を表3に示す。

0049

0050

<試験例2>使用性の評価
実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3、そして、実施例4と比較例4の皮膚外用剤を一過性の刺激を感じ易いパネラーに使用してもらいその使用性を比較評価してもらった。その結果、何れの組み合わせであっても比較例よりも実施例の皮膚外用剤の方が、皮膚になじみやすいとの評価を得た。
この結果は、チキソトロピー値が4.0より大きな皮膚外用剤は、皮膚へのなじみやすさに優れていることを示している。

0051

<試験例3>放出性試験
実施例3と比較例3の皮膚外用剤をドナーとして以下の条件でフランツ型拡散セル(製造会社名:Hanson Research)を用いて実験を行い、実験開始から12時間、16時間、20時間、24時間の時点におけるレセプター液溶出されたクロベタゾン酪酸エステルの量をHPLCにより測定した。実験は実施例3については3回、比較例3については2回行い、外用医薬組成物からレセプター液に放出された単位面積当たりのクロベタゾン酪酸エステルの量を算出し、その平均値を計算した。結果を図1に示す。

・皮膚外用剤の投与量:約100mg
・膜:ポリビニリデンフロライド膜(製造会社名:日本ミリポア、厚さ:125μm、孔径:0.45μm)
・温度:32℃
・レセプター液:1%ポリソルベート80水溶液
スターラー回転数:500rpm

0052

図1に示すようにチキソトロピー値が6.0である実施例3の皮膚外用剤は、チキソトロピー値が3.4である比較例3の皮膚外用剤に比して、クロベタゾン酪酸エステルがレセプター液へ溶出される速度も量も大きい。
この結果は、油溶性の有効成分を含有する皮膚外用剤のチキソトロピー値を向上させることによって、水中油型の乳化剤形における油相からの該有効成分の皮膚への放出性を向上させることができることを示している。

0053

また、図1に示すように実施例3の皮膚外用剤は、実験開始から24時間を経過した時点においてもなおクロベタゾン酪酸エステルの放出速度の低下がほとんど認められない。この結果は、本発明の皮膚外用剤を肌に塗布した場合、長時間に渡って油溶性の有効成分の皮膚への放出が続くことを示唆している。そのため、本発明の皮膚外用剤は、油溶性の有効成分を含有する形態とした場合に治療効果に優れるものと考えられる。

実施例

0054

試験例1〜3の結果は、チキソトロピー値が4.0より大きな皮膚外用剤は、使用性に優れているとともに、油溶性の有効成分を含有する場合には、その放出性に優れていることを示している。

0055

本発明は、医薬品の調製に応用できる。

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