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技術 乗物用シート

出願人 トヨタ紡織株式会社
発明者 赤池文敏金田浩二
出願日 2015年10月1日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2015-196005
公開日 2017年4月6日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2017-065600
状態 特許登録済
技術分野 車両用座席
主要キーワード 前後スライドレール アッパシェル モータ回転位置検出 傾斜角度調整 左右方向幅 横スライド シンサー パルス信号数
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月6日)のものです。
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図面 (17)

課題

着座部とシェル部とを備えたシートにおいて、シートの通常モードにおける大きさを小さくして、必要時に大きくできるようにすることにより、通常モードにおけるシェル部の上端部と乗物天井との隙間を比較的大きく確保する。

解決手段

着座部はシートクッション部とシートバック部12とを備える。着座部のシートクッション部に対するシートバック部12のリクライニング角度をシェル部20の位置と共に変更可能とされている。乗員Pが通常の着座姿勢を採るため、リクライニング角度を比較的小さくした通常モードに対して、乗員が安楽姿勢を採るため、リクライニング角度を比較的大きくした安楽モードでは、シェル部20のシートクッション部に対する着座乗員座高方向高さを、着座部に対して高くする側へ移動可能とする第2リクライニング機構23を備える。第2リクライニング機構23は回転中心を乗員のヒップポイントHPの後下方とされている。

概要

背景

乗員を着座姿勢に支持する着座部と、この着座部の周り後方から被うシェル部とを備えたシェルタイプシートがある(下記特許文献1参照)。このシートでは、シェル部は後方に傾けて固定配置され、着座部はシェル部の前方のスペース内で乗員の好みに応じて移動自在とされている。しかし、この構造では、着座部を前側位置にして使用する場合でもシェル部は後方に固定されているため、着座部とシェル部との間にスペースができ、このスペースは無駄なスペースとなる。この問題に対し、シェル部も着座部の位置に応じて移動可能とすることも考えられる。

概要

着座部とシェル部とを備えたシートにおいて、シートの通常モードにおける大きさを小さくして、必要時に大きくできるようにすることにより、通常モードにおけるシェル部の上端部と乗物天井との隙間を比較的大きく確保する。着座部はシートクッション部とシートバック部12とを備える。着座部のシートクッション部に対するシートバック部12のリクライニング角度をシェル部20の位置と共に変更可能とされている。乗員Pが通常の着座姿勢を採るため、リクライニング角度を比較的小さくした通常モードに対して、乗員が安楽姿勢を採るため、リクライニング角度を比較的大きくした安楽モードでは、シェル部20のシートクッション部に対する着座乗員座高方向高さを、着座部に対して高くする側へ移動可能とする第2リクライニング機構23を備える。第2リクライニング機構23は回転中心を乗員のヒップポイントHPの後下方とされている。

目的

本発明の課題は、着座部とシェル部とを備えたシートにおいて、シートの通常モードにおける大きさを小さくして、必要時に大きくできるようにすることにより、通常モードにおけるシェル部の上端部と乗物の天井との隙間を比較的大きく確保することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

乗員を着座姿勢で支持する着座部と、該着座部の周り後方から被うシェル部とを備える乗物用シートであり、前記着座部は、乗員の下部で座部を成すシートクッション部と、乗員の背部背凭れを成すシートバック部とを備え、前記着座部のシートクッション部に対するシートバック部の角度であるリクライニング角度を前記シェル部の位置と共に変更可能とされており、乗員が通常の着座姿勢を採るため、リクライニング角度を比較的小さくした通常モードに対して、乗員が安楽姿勢を採るため、リクライニング角度を比較的大きくした安楽モードでは、前記シェル部の前記シートクッション部に対する着座乗員座高方向高さを、前記着座部に対して高くする側へ移動可能とする移動機構を備える乗物用シート。

請求項2

請求項1において、前記移動機構は、前記着座部のシートバック部のリクライニング角度を変更可能とする第1リクライニング機構と、前記シェル部の前記シートバック部及びシートクッション部に対するリクライニング角度を変更可能とする第2リクライニング機構とを備え、前記第1リクライニング機構における前記シートバック部の回転中心は、前記第2リクライニング機構における前記シェル部の回転中心より着座乗員のヒップポイントに近い位置に設けられている乗物用シート。

請求項3

請求項2において、前記第2リクライニング機構における前記シェル部の回転中心は、前記第1リクライニング機構における前記シートバック部の回転中心より後下方位置に設けられている乗物用シート。

請求項4

請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記シェル部は、安楽モードにおいて、着座乗員の頭部側方の少なくとも一部を被う側部を備える乗物用シート。

請求項5

請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記シェル部は、着座乗員の座高方向高さに関して、下方は上方に比べて着座乗員の左右方向幅を大きくされている乗物用シート。

請求項6

請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記着座部のシートバック部は、着座乗員の座高方向高さに関して、下方は上方に比べて着座乗員の左右方向幅を漸次大きくされており、前記シェル部は、着座乗員に面する部位に乗員が当接した際の触感を軟らかくするための弾性体を備え、該弾性体は、前記シートバック部の外形に対応させて切欠部を形成されており、前記着座部のシートバック部とシェル部とが前後方向に重なる位置にあるとき、前記シートバック部は、前記切欠部に嵌り込んで、前記シートバック部の乗員側面と前記弾性体の乗員側面とが一つの連続する面に沿って形成されている乗物用シート。

技術分野

0001

本発明は、自動車飛行機電車等の乗物に搭載される乗員着座用シートに関する。

背景技術

0002

乗員を着座姿勢に支持する着座部と、この着座部の周り後方から被うシェル部とを備えたシェルタイプシートがある(下記特許文献1参照)。このシートでは、シェル部は後方に傾けて固定配置され、着座部はシェル部の前方のスペース内で乗員の好みに応じて移動自在とされている。しかし、この構造では、着座部を前側位置にして使用する場合でもシェル部は後方に固定されているため、着座部とシェル部との間にスペースができ、このスペースは無駄なスペースとなる。この問題に対し、シェル部も着座部の位置に応じて移動可能とすることも考えられる。

先行技術

0003

特開2015−20527号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、その場合、乗員が通常の着座姿勢を採るため、着座部及びシェル部のリクライニング角度を比較的小さくして通常モードとすると、シートの設置フロア面からの高さが高くなって、シェル部の上端部と乗物の天井との隙間が小さくなる問題が生じる。その結果、周りの乗員の視界が狭くなり、乗員に圧迫感を与える。

0005

このような問題に鑑み本発明の課題は、着座部とシェル部とを備えたシートにおいて、シートの通常モードにおける大きさを小さくして、必要時に大きくできるようにすることにより、通常モードにおけるシェル部の上端部と乗物の天井との隙間を比較的大きく確保することにある。

課題を解決するための手段

0006

第1発明は、乗員を着座姿勢で支持する着座部と、該着座部の周りを後方から被うシェル部とを備える乗物用シートであり、前記着座部は、乗員の下部で座部を成すシートクッション部と、乗員の背部背凭れを成すシートバック部とを備え、前記着座部のシートクッション部に対するシートバック部の角度であるリクライニング角度を前記シェル部の位置と共に変更可能とされており、乗員が通常の着座姿勢を採るため、リクライニング角度を比較的小さくした通常モードに対して、乗員が安楽姿勢を採るため、リクライニング角度を比較的大きくした安楽モードでは、前記シェル部の前記シートクッション部に対する着座乗員座高方向高さを、前記着座部に対して高くする側へ移動可能とする移動機構を備える。

0007

第1発明において、移動機構は、着座部及びシェル部のリクライニング角度を調整する際の回転中心を互いにずらすことによりシェル部の着座部に対する移動を実現することができる。また、リンク機構により上記移動を実現することもできる。更に、シェル部は、着座部のシートクッション部とシートバック部の両方を被う構造としてもよいし、シートバック部のみを被う構造としてもよい。また、シェル部の形状、構造、大きさは各種のものを採用することができる。

0008

第1発明によれば、安楽モードでは、シェル部は、移動機構により移動されて、シートクッション部に対して乗員の座高方向高さを高くされる。そのため、シェル部は、乗員の頭部を被う位置とすることが可能とされる。一方、通常モードでは、シェル部は、移動機構により移動されない。そのため、シェル部のシートクッション部に対する高さは、低い位置とされ、乗物の天井との隙間を比較的大きく確保することができる。

0009

第2発明は、上記第1発明において、前記移動機構は、前記着座部のシートバック部のリクライニング角度を変更可能とする第1リクライニング機構と、前記シェル部の前記シートバック部及びシートクッション部に対するリクライニング角度を変更可能とする第2リクライニング機構とを備え、前記第1リクライニング機構における前記シートバック部の回転中心は、前記第2リクライニング機構における前記シェル部の回転中心より着座乗員のヒップポイントに近い位置に設けられている。

0010

第2発明によれば、着座部のシートバック部とシェル部は、第1及び第2リクライニング機構によりリクライニング角度を調整可能とされる。そのとき、第1リクライニング機構における回転中心は、乗員のヒップポイントに近い位置とされている。そのため、着座部のシートバック部のリクライニング角度を調整されたとき、乗員の背中とシートバック部の着座面との相対位置のずれは小さくされる。従って、乗員の背中とシートバック部の着座面との相対位置のずれに伴う乗員の不快感を抑制することができる。

0011

第3発明は、上記第2発明において、前記第2リクライニング機構における前記シェル部の回転中心は、前記第1リクライニング機構における前記シートバック部の回転中心より後下方位置に設けられている。

0012

第3発明によれば、シェル部の回転中心は、第1リクライニング機構におけるシートバック部の回転中心より後下方とされている。そのため、着座部及びシェル部を通常モードとしている場合に比べて安楽モードとした場合は、シェル部は、着座部及び乗員に対してずれ上がり、乗員の頭部を被う位置とすることが可能とされる。即ち、第3発明によれば、第2リクライニング機構による回転中心位置選定をするのみでシェル部の高さを移動することができる。

0013

第4発明は、上記第1ないし第3発明のいずれかにおいて、前記シェル部は、安楽モードにおいて、着座乗員の頭部側方の少なくとも一部を被う側部を備える。

0014

第4発明において、側部は着座乗員の頭部の左右の側方を被う構成とすることができる。また、側部は着座乗員の頭部の左右のいずれか一方側のみを被う構成とすることができる。更に、側部は着座乗員の頭部側方の全体を被う構成とすることができる。また、側部は着座乗員の頭部側方の一部のみを被う構成とすることができる。

0015

第4発明によれば、乗員の頭部の側方は、安楽モードにおいて、シェル部の側部によって被われる。そのため、安楽モードにおいて、乗員は少なくとも部分的に外界から遮断されてパーソナル感を高めることができる。

0016

第5発明は、上記第1ないし第4発明のいずれかにおいて、前記シェル部は、着座乗員の座高方向高さに関して、下方は上方に比べて着座乗員の左右方向幅を大きくされている。

0017

第5発明によれば、安楽モードとされると、通常モードの場合と比べて、乗員に対してシェル部の高さは高くされ、そのとき、シェル部は、幅広とされた下方が上方に移動することになる。そのため、安楽モードにおいて、乗員はシェル部の幅広とされた位置に置かれることになり、乗員はゆったりいだ姿勢を採ることができる。

0018

第6発明は、上記第1ないし第5発明のいずれかにおいて、前記着座部のシートバック部は、着座乗員の座高方向高さに関して、下方は上方に比べて着座乗員の左右方向幅を漸次大きくされており、前記シェル部は、着座乗員に面する部位に乗員が当接した際の触感を軟らかくするための弾性体を備え、該弾性体は、前記シートバック部の外形に対応させて切欠部を形成されており、前記着座部のシートバック部とシェル部とが前後方向に重なる位置にあるとき、前記シートバック部は、前記切欠部に嵌り込んで、前記シートバック部の乗員側面と前記弾性体の乗員側面とが一つの連続する面に沿って形成されている。

0019

第6発明によれば、安楽モードとされると、通常モードの場合と比べて、着座部のシートバック部に対してシェル部の高さは高くされ、そのとき、着座部のシートバック部とシェル部とが前後方向に重なる位置にあれば、シェル部の切欠部内でシートバック部が相対的に下方に移動する。しかも、シートバック部の乗員側面とシェル部の弾性体の乗員側面とが一つの連続する面に沿って形成されているため、シートバック部の外形線とシェル部の切欠部の内側縁部との間に隙間が生じる状態でも、乗員はシートバック部の乗員側面と弾性体の乗員側面とによって支持される。従って、シートバック部に対するシェル部の移動はスムースに行われ、しかも乗員の座り心地も良好に維持される。

図面の簡単な説明

0020

本発明の一実施形態の斜視図であり、着座部に対してシェル部を離間させず一体化した状態を示す。
図1と同様の斜視図であり、着座部に対してシェル部を離間させず一体化したまま、着座部のシートバック部を後傾した状態を示す。
図1と同様の斜視図であり、着座部に対してシェル部を離間させた状態を示す。
上記実施形態の正面図である。
上記実施形態の側面図であり、着座姿勢を通常モードとした状態を示す。
上記実施形態の側面図であり、着座姿勢を安楽モードとした状態を示す。
上記実施形態の平面図であり、着座部に対してシェル部を離間させず一体化した状態を示す。
図7と同様の平面図であり、着座部に対してシェル部を離間させた状態を示す。
上記実施形態の動作説明図であり、着座部のシートバック部の傾斜角度調整動作を示す。
図9のX−X線断面矢視図である。
上記実施形態の動作説明図であり、着座部に対してシェル部を離間させた状態と離間させず一体化した状態との間のシェル部の位置変化を平面視で示す。
上記実施形態の電気回路図である。
上記実施形態における着座部及びシェル部の骨格構造を示す側面図である。
図13と同様の骨格構造を示す斜視図である。
アッパシェルにおける弾性体の変形例を示す図7に対応する図である。
図15と同様の図であり、着座部に対してシェル部を離間させた状態を示す。

実施例

0021

図1〜3は、本発明の一実施形態としての乗物用シートの外観を示す。このシートは、着座乗員にパーソナル感を醸成するシェルタイプシートであり、着座部10の両側がシェル部20により被われている。ここでは、互いに別体で構成された着座部10とシェル部20によりシートが構成されている。なお、以下の説明では、このシートに着座した乗員から見た方向を基準に各方向を記述する。

0022

乗員を着座姿勢で支持する着座部10は、シートクッション部11とシートバック部12とから成る。シートクッション部11は乗員の下部で座部を成し、シートバック部12は乗員の背部で背凭れを成す。後述のように、シートバック部12はシートクッション部11の後方で第1リクライニング機構によりシートクッション部11に対する後傾角度を調整可能とされている。また、シートクッション部11、シートバック部12は、一般的な車両用シートと同様に、骨格部材であるフレームに、弾性材であるウレタンパッドを重ね、表皮材であるシートカバーを被せて構成されている。なお、シートクッション部11は前後スライドレール横スライドレールによって、シートを設置するフロア上で前後及び横方向に移動自在に構成されてもよい。

0023

着座部10の後方から側部に回り込む領域は、シェル部20によって被われている。具体的には、シェル部20は、アッパシェル21とアンダーシェル31とから成る。アッパシェル21は、シートクッション部11及びシートバック部12を含む着座部10の後方に配置され、アンダーシェル31は、着座部10の両側部に配置されている。アンダーシェル31は、シートクッション部11に固定されている。また、アッパシェル21は、後述のように、シートクッション部11に対して第2リクライニング機構を介して固定され、シートクッション部11に対する後傾角度を調整可能とされている。

0024

アッパシェル21及びアンダーシェル31は、それぞれ樹脂一体成形にて形成され、樹脂成形品の内部には骨格部材としてのフレームがインサート成形シンサート材として組み込まれている。また、アッパシェル21及びアンダーシェル31を成す樹脂成形品の着座乗員に面する側には、弾性体22が設けられ、弾性体22は弾性材としてのウレタンパッドと、その表面を被う表皮材とから成る。

0025

なお、アッパシェル21及びアンダーシェル31を含むシェル部20の形状、構造は、シートのデザイン思想によって各種のものが採用可能である。この実施形態のシートは、パーソナル感を醸成するシェルタイプシートであり、シェル部20を着座乗員にパーソナル感を醸成できる形状、構造としている。シートをスポーツシートとしたい場合は、シェル部20をバケットシートのような形状、構造とすることができる。

0026

上記のようにシートバック部12とアッパシェル21は、個別にシートクッション部11に対して後傾角度を調整可能とされている。そのため、図1及び図2に示すように、シートバック部12とアッパシェル21とが前後方向に重なっって一体化した状態で、シートクッション部11に対するシートバック部12及びアッパシェル21の後傾角度を調整可能とされている(図5、6参照)。この状態では、図7のように、着座乗員Pの両側部がアッパシェル21の両側部21aにより被われるため、乗員Pにはパーソナル感が醸成される。

0027

また、図3、8に示すように、アッパシェル21をシートバック部12から離間させることができる。この状態では、着座乗員Pの上半身の両側部がアッパシェル21の両側部21aにより被われないため、若しくは被われる量が少なくなるため、乗員Pは閉塞感や圧迫感のない開放感感じることができる。

0028

図7のように、シートバック部12の乗員P着座面は、着座乗員Pの背中を背面及び側方から包み込む形状で、乗員P着座側が窪んだ湾曲面12bで構成されている。また、シェル部20が着座部10と前後方向で重なって一体化した状態において、アッパシェル21の弾性体22の乗員P側は、シートバック部12の湾曲面12bに連続して、その湾曲面12bを側方に延長する湾曲面22aで構成されている。

0029

そのため、図8のように、シェル部20が着座部10から離間した状態において、乗員Pの背中は、シートバック部12の湾曲面12bにより安定して支持される。また、図7のように、シェル部20が着座部10と前後方向で重なって一体化した状態において、シートバック部12の湾曲面12bは、アッパシェル21の弾性体22の湾曲面22aとつながって、乗員Pの背中を受け入れる面が拡張される(図4参照)。従って、乗員Pは、その周りに広いスペースを確保されて、寛いだ姿勢を採ることができる。

0030

図9のように、シートバック部12は、第1リクライニング機構13によりシートクッション部11に対する後傾角度を調整可能とされている。また、アッパシェル21は、第2リクライニング機構23によりシートクッション部11に対する後傾角度を調整可能とされている。第2リクライニング機構23は、その回転中心が着座乗員PのヒップポイントHPに対して後方下部に離間して配置されている。換言すると、第2リクライニング機構23の回転中心は、ヒップポイントHPを交点とする水平軸及び垂直軸による平面座標における第4象限に位置する。また、第1リクライニング機構13は、その回転中心が第2リクライニング機構23の回転中心より着座乗員PのヒップポイントHPに近い位置に配置されている。第2リクライニング機構23は、本発明の移動機構に相当する。

0031

この結果、着座部10のシートバック部12の後傾角度を調整したとき、乗員Pの上半身の回動中心であるヒップポイントHPとシートバック部12の回動中心が互いに近接しているため、乗員Pの背中の位置の変化とシートバック部12の着座面の位置の変化との相対的なずれが少なくなる。そのため、シートバック部12の後傾角度を大きくしたとき、上記相対的なずれによって乗員Pの着衣が背中でずれ上がる不快感を抑制することができる。

0032

一方、シートバック部12と同時にアッパシェル21の後傾角度を調整したとき、乗員Pの上半身の回動中心であるヒップポイントHPとアッパシェル21の回動中心が互いに離間しているため、乗員Pの上半身の位置の変化とアッパシェル21の位置の変化との相対的なずれが大きくなる。即ち、シートクッション部11に対するアッパシェル21の乗員Pの座高方向高さを高くすることができる。そのため、アッパシェル21の後傾角度を大きくしたとき、上記相対的なずれによって、図9実線で示す通常モードでは乗員Pの座高よりも低い位置にあったアッパシェル21が、図9仮想線で示す安楽モードでは、乗員Pの座高と等しい位置まで相対的に上昇する。従って、安楽モードでは乗員Pにパーソナル感を醸成させつつ、通常モードでは、図5のように、アッパシェル21の上端と乗物の天井Lとの間に所定の距離lを確保することができる。

0033

なお、乗員Pに対するシートバック部12の位置は、両者の回転中心が互いに近接しているため、シートバック部12の後傾角度の変化に係わらず、略一定に保たれる。その結果、図9の実線で示す通常モードでは、アッパシェル21の上端位置とシートバック部12の上端位置とは乗員Pの座高方向高さで略同じとされているのに対し、図9の仮想線で示す安楽モードでは、アッパシェル21の上端位置がシートバック部12の上端位置よりも乗員Pの座高方向高さで高くされている。

0034

図4、5のように、シートバック部12及びアッパシェル21が通常モードの位置にあるときは、シートバック部12は、アッパシェル21の弾性体22に形成された切欠部22bに嵌め込まれている。即ち、アッパシェル21の弾性体22には、シートバック部12の外形に対応させて切欠部22bが形成されている。

0035

図6のように、シートバック部12及びアッパシェル21が安楽モードとされると、シートバック部12に対してアッパシェル21が相対的に上方に移動する。そのため、図4のように、シートバック部12とアッパシェル21の境界部は、上方より下方が漸次幅広に形成されている。そして、安楽モードでは、シートバック部12とアッパシェル21の相対移動に伴い、その境界部に隙間が形成されることになる。

0036

図4のように、アッパシェル21は、下方が上方に比べて左右方向幅を大きくされている。そのため、安楽モードで、シートバック部12に対してアッパシェル21が相対的に上方に移動されると、乗員Pはアッパシェル21の幅広の領域に位置することになる。従って、乗員Pはゆったり寛いだ姿勢を採ることができる。

0037

図10のように、第1リクライニング機構13は、駆動側リクライナ13aと従動側リクライナ13bとが、連結ロッド13cにより連結されて構成されている。そのため、駆動側リクライナ13aが第1モータにより駆動されることにより、連結ロッド13cを介して従動側リクライナ13bも連動して駆動される。駆動側リクライナ13aと従動側リクライナ13bは、シートクッション部11の後部両側部とシートバック部12の下部両側部との間を回動自在に結合している。

0038

第2リクライニング機構23は第1リクライニング機構13と同一構成とされている。即ち、第2リクライニング機構23は、駆動側リクライナ23aと従動側リクライナ23bとが、連結ロッド23cにより連結されて構成されている。駆動側リクライナ23aと従動側リクライナ23bは、シートクッション部11の後部両側部とアッパシェル21の下部両側部との間を回動自在に結合している。

0039

図12のように、第1モータ41は、第1リクライニング機構13の駆動側リクライナ13aを回転駆動するように構成されており、任意にオンオフ操作されるスイッチ43を介して電源に接続されている。第1モータ41は、パルス発生器48により所定角度回転毎にパルス信号を発生するように構成されており、そのパルス信号を受けて、第1モータ回転位置検出回路45は、パルス信号数に基づいて第1モータ41の回転位置を検出するように構成されている。

0040

一方、第2モータ42は、第2リクライニング機構23の駆動側リクライナ23aを回転駆動するように構成されており、任意にオンオフ操作されるスイッチ44を介して電源に接続されている。第2モータ42は、第1モータ41と同様に構成されており、第2モータ回転位置検出回路46も、第1モータ回転位置検出回路45と同様の構成で、パルス発生器49からのパルス信号数に基づいて第2モータ42の回転位置を検出するように構成されている。

0041

第1モータ回転位置検出回路45及び第2モータ回転位置検出回路46の検出出力作動禁止回路47に供給されている。作動禁止回路47は、第1モータ回転位置検出回路45により検出される第1モータ41の回転位置に対して、第2モータ回転位置検出回路46により検出される第2モータ42の回転位置が所定量以上離間すると、第2モータ42の通電回路を遮断して第2モータ42の作動を停止する。第1モータ41の回転位置はシートバック部12の後傾角度に相当し、第2モータ42の回転位置はアッパシェル21の後傾角度に相当する。従って、作動禁止回路47は、シートバック部12に対するアッパシェル21の相対離間距離を所定量に規制し、アッパシェル21がシートバック部12から所定量以上離間しないようにしている。

0042

このようにアッパシェル21はシートバック部12から所定量以上離間しない構成とされているため、衝突安全等のためにシートとして必要な強度を、シートバック部12とアッパシェル21との合わせた強度で確保することができる。

0043

図13、14は、着座部10及びアッパシェル21の骨格構造を示す。シートクッション部11のクッションフレーム11aは、一般的な車両用シートと同様にスライドレール11c上に支持されて構成されている。クッションフレーム11aの左右両外側には、前上がりで傾斜したブラケット11bが固定されている(図13、14では、左側のみが示されている)。ブラケット11bには、その傾斜に沿って前上側に第1リクライニング機構13のリクライナ(図13、14では従動側リクライナ13bが図示されている)が固定され、後下側に第2リクライニング機構23のリクライナ(図13、14では従動側リクライナ23bが図示されている)が固定されている。

0044

着座部10のシートバック部12及びアッパシェル21の骨格部材であるバックフレーム12c、24は、互いに相似形で、大略逆U字形パイプによって構成されている。バックフレーム12c、24は、バックフレーム12cをバックフレーム24に対して内側で、且つやや後方の位置関係で嵌り合うように配置されている。バックフレーム12c、24は、それぞれ各リクライナ(駆動側リクライナ13a、23a、従動側リクライナ13b、23b)、及びブラケット12d、25を介してブラケット11bに対して後傾角度調整可能に固定されている。また、ブラケット12d、25の後部にはロアパネル12e、26が固定され、左右両側に配置された各ブラケット12d、25同士を結合している。

0045

図13、14の状態は、着座部10とアッパシェル21が前後方向で重なって一体化した状態、つまり通常モードとされた状態を示している。この状態において、シートバック部12側の骨格部材であるバックフレーム12c、ブラケット12dと、アッパシェル21側の骨格部材であるバックフレーム24、ブラケット25とは、互いに干渉しないように配置されている。そして、この状態から各リクライナ(駆動側リクライナ13a、23a、従動側リクライナ13b、23b)の操作によりバックフレーム12cとバックフレーム24とを共に後傾させることができる。また、バックフレーム12cよりもバックフレーム24の後傾角度を大きくするように操作することができる。

0046

図11は、シートバック部12に対してアッパシェル21を離間させた状態と、離間させず一体化した状態との間のシートバック部12及びアッパシェル21の位置変化を平面視で示している。図11において実線は、シートバック部12に対してアッパシェル21を離間させず一体化した状態であり、シートバック部12の着座面は、アッパシェル21の弾性体22の前側面と一つの曲面に沿って形成されて、乗員Pは、その一つの曲面に沿って拡がった着座面でゆとりを持って支持される。しかも、乗員Pの両側部はアッパシェル21の両側部21aで被われ、パーソナル感が醸成される。

0047

一方、図11において仮想線は、シートバック部12に対してアッパシェル21を離間させた状態であり、太い線による仮想線の位置は、アッパシェル21の両側部21aの両側端部21bは、シートバック部12の両側端部12aと同等、若しくはそれより後方に位置している。この位置が作動禁止回路47によって第2モータ42の作動が停止される位置であり、アッパシェル21はシートバック部12に対して、これ以上離間されない。この状態では、着座乗員Pの上半身の両側部がアッパシェル21の両側部21aにより被われないため、乗員Pは閉塞感や圧迫感のない開放感を感じることができる。また、シートバック部12とアッパシェル21の連係関係を維持してシート強度を確保することができる。

0048

細い線による仮想線の位置は、シートバック部12に対するアッパシェル21の離間距離を中間レベルにした場合を示す。この位置では、乗員Pは実線で示す位置の場合のように一つの曲面に沿って拡がった着座面により支持されることはない。しかし、アッパシェル21の弾性体22の湾曲面22aとシートバック部12の湾曲面12bとは前後方向に離間しているが、乗員Pの体がシートバック部12とアッパシェル21の弾性体22の湾曲面22aとの間に跨って支持される。その結果、上記離間距離の調整により、乗員Pの体が支持される領域の広さは適宜確保しながら、ある程度の開放感は感じることができるという、好みに応じた調整をすることができる。

0049

図15、16は、アッパシェル21の弾性体22の変形例を示す。この変形例では、上記実施形態に対し、弾性体22の着座面側の形状を変形している。具体的には、弾性体22の左右方向における中央部に着座面側に突出する突起部22dを形成し、その突起部22dの左右方向の外側(図15では右側)に窪みを形成している。この窪みにより着座面側に凹型の外側湾曲部22eが形成されている。また、突起部22dの左右方向の内側には着座面側に凹型の内側湾曲部22cが形成されている。

0050

この変形例によれば、図15のように、シートバック部12に対してアッパシェル21を離間させず一体化した状態では、シートバック部12の着座面は、仮想線で示すように、アッパシェル21の弾性体22の内側湾曲部22cと一つの曲面に沿って形成されて、乗員Pは、その一つの曲面に沿って拡がった着座面でゆとりを持って支持される。

0051

一方、図16のように、シートバック部12に対してアッパシェル21を、僅かに離間させて、突起部22dの着座面側がシートバック部12の着座面と一つの湾曲面(仮想線で示す)に沿った状態では、乗員Pの体は、その一つの湾曲面に沿った突起部22dの着座面側とシートバック部12の着座面とによって支持され、図15の場合に比べて体の大きい乗員Pに対して拡がった着座面でゆとりを持って支持することができる。

0052

以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。

0053

10着座部
11シートクッション部
11aクッションフレーム
11bブラケット
11cスライドレール
12シートバック部
12a側端部
12b湾曲部
12cバックフレーム
12d ブラケット
12eロアパネル
13 第1リクライニング機構
13a駆動側リクライナ
13b従動側リクライナ
13c連結ロッド
20シェル部
21アッパシェル
21a 側部
21b 側端部
22弾性体
22a 湾曲面
22b切欠部
22c 内側湾曲部
22d突起部
22e 外側湾曲部
23 第2リクライニング機構(移動機構)
23a 駆動側リクライナ
23b 従動側リクライナ
23c 連結ロッド
24 バックフレーム
25 ブラケット
26 ロアパネル
31アンダーシェル
41 第1モータ
42 第2モータ
43、44 スイッチ
45 第1モータ回転位置検出回路
46 第2モータ回転位置検出回路
47作動禁止回路
48、49 パルス発生器

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