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技術 乗物用シート

出願人 トヨタ紡織株式会社
発明者 赤池文敏金田浩二
出願日 2015年10月1日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2015-196004
公開日 2017年4月6日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2017-065599
状態 特許登録済
技術分野 車両用座席
主要キーワード 前後スライドレール バケットタイプ アッパシェル モータ回転位置検出 傾斜角度調整 インナーシート 移動禁止 左右方向幅
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

バケットタイプシートシェルタイプシート等のように着座乗員の側部を被うカバーを備えたシートにおいて、カバーを必要に応じていつでも除去可能とすることにより、側部が被われていることで着座乗員に与える閉塞感圧迫感を抑制する。

解決手段

乗員を着座姿勢で支持する着座部10と、着座乗員の側部を含む着座部10の周り後方から被うシェル部20とを備える。着座部10の乗物内での位置を任意の位置に移動可能とする第1移動装置と、シェル部20を着座部10に対して任意に相対移動可能とし、少なくともシェル部20の側部が着座乗員の側部を被う位置及び被わない位置に移動可能とする第2移動装置とを備える。

概要

背景

スポーツタイプ車両用シートとして着座乗員サポート性を良好としたバケットタイプシートがある(下記特許文献1参照)。また、着座乗員の側方視界を一部遮断することによりパーソナル感を醸成可能としたシェルタイプのシートがある(下記特許文献2参照)。

概要

バケットタイプシート、シェルタイプシート等のように着座乗員の側部を被うカバーを備えたシートにおいて、カバーを必要に応じていつでも除去可能とすることにより、側部が被われていることで着座乗員に与える閉塞感圧迫感を抑制する。乗員を着座姿勢で支持する着座部10と、着座乗員の側部を含む着座部10の周り後方から被うシェル部20とを備える。着座部10の乗物内での位置を任意の位置に移動可能とする第1移動装置と、シェル部20を着座部10に対して任意に相対移動可能とし、少なくともシェル部20の側部が着座乗員の側部を被う位置及び被わない位置に移動可能とする第2移動装置とを備える。

目的

本発明の課題は、バケットタイプシート、シェルタイプシート等のように着座乗員の側部を被うカバーを備えたシートにおいて、カバーを必要に応じていつでも除去可能とすることにより、側部が被われていることで着座乗員に与える閉塞感や圧迫感を抑制することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

乗員を着座姿勢で支持する着座部と、着座乗員の側部を含む前記着座部の周り後方から被うシェル部とを備える乗物用シートであり、前記着座部の乗物内での位置を任意の位置に移動可能とする第1移動装置と、前記シェル部を前記着座部に対して任意に相対移動可能とし、少なくとも前記シェル部の側部が着座乗員の側部を被う位置及び被わない位置に移動可能とする第2移動装置とを備える乗物用シート。

請求項2

請求項1において、前記着座部は、乗員の下部で座部を成すシートクッション部と、乗員の背部背凭れを成すシートバック部とを備え、前記第1移動装置は、前記着座部のシートバック部のシートクッション部に対する角度を変更可能とする第1リクライニング機構であり、前記第2移動装置は、前記シェル部の前記シートバック部及びシートクッション部に対する角度を変更可能とする第2リクライニング機構である乗物用シート。

請求項3

請求項1又は2において、前記着座部に対する前記シェル部の移動による両者間の相対離間距離を所定量に規制する離間規制手段を備える乗物用シート。

請求項4

請求項3において、前記離間規制手段は、前記第1移動装置による前記着座部の移動位置を検出する第1検出手段と、前記第2移動装置による前記シェル部の移動位置を検出する第2検出手段と、前記第2検出手段により検出される前記シェル部の移動位置が、前記第1検出手段により検出される前記着座部の移動位置に対して離間する方向に所定量以上移動したことが検出されたとき、前記第2移動装置による前記シェル部の移動を停止する移動禁止手段とを備える乗物用シート。

請求項5

請求項3又は4において、前記シェル部の側部で着座乗員の頭部に対応する部位の側端部は、前記離間規制手段により前記シェル部の移動が規制されていないとき、前記着座部において乗員の背部で背凭れを成すシートバック部の側端部より前方に位置することを可能とされ、前記離間規制手段により前記シェル部の移動が規制されたとき、前記着座部のシートバック部の側端部より後方に位置する乗物用シート。

請求項6

請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記着座部において乗員の背部で背凭れを成すシートバック部の乗員着座面は、着座乗員の背中を背面及び側方から包み込む形状で、乗員着座側が窪んだ湾曲面で構成されており、前記シェル部が前記着座部と前後方向で重なって一体化した状態において、前記シェル部の前記シートバック部に対応する側部は、前記シートバック部の湾曲面に沿って形成された一つの湾曲面を側方に延長した湾曲面に沿って形成されている乗物用シート。

請求項7

請求項1ないし6のいずれかにおいて、前記着座部と前記シェル部とは別体で構成されている乗物用シート。

技術分野

0001

本発明は、自動車飛行機電車等の乗物に搭載される乗員着座用シートに関する。

背景技術

0002

スポーツタイプ車両用シートとして着座乗員サポート性を良好としたバケットタイプシートがある(下記特許文献1参照)。また、着座乗員の側方視界を一部遮断することによりパーソナル感を醸成可能としたシェルタイプのシートがある(下記特許文献2参照)。

先行技術

0003

実開平5−76860号公報
特開2015−20527号公報

発明が解決しようとする課題

0004

バケットタイプシート及びシェルタイプシートは、共に着座乗員の側部を被うことによりサポート性を良好とし、パーソナル感を醸成可能としている。しかし、置かれた状況により、また乗員の好みにより側部が被われていることが閉塞感圧迫感を乗員に与えることがある。

0005

上記特許文献1に開示のバケットタイプシートは、着座乗員を支持するインナーシートと、インナーシートの外側を被うバケットシート本体とを備える。そして、乗員がインナーシートに対して乗り降りする際は、バケットシート本体がインナーシートに対して後方に移動して乗降性を良くしている。

0006

特許文献1の技術によれば、乗降時にバケットシート本体を後方に移動したときは、乗員の側部を被うカバーはなくなり、乗員の閉塞感や圧迫感を無くすことができる。しかし、乗降時に閉塞感や圧迫感が無くなっても意味はなく、特許文献1の技術では、乗車状態の必要時にいつでも乗員側部のカバーを無くすことはできない。

0007

このような問題に鑑み本発明の課題は、バケットタイプシート、シェルタイプシート等のように着座乗員の側部を被うカバーを備えたシートにおいて、カバーを必要に応じていつでも除去可能とすることにより、側部が被われていることで着座乗員に与える閉塞感や圧迫感を抑制することにある。

課題を解決するための手段

0008

第1発明は、乗員を着座姿勢で支持する着座部と、着座乗員の側部を含む前記着座部の周りを後方から被うシェル部とを備える乗物用シートであり、前記着座部の乗物内での位置を任意の位置に移動可能とする第1移動装置と、前記シェル部を前記着座部に対して任意に相対移動可能とし、少なくとも前記シェル部の側部が着座乗員の側部を被う位置及び被わない位置に移動可能とする第2移動装置とを備える。

0009

第1発明において、乗物用シートとしては、バケットタイプシート、シェルタイプシート等を含む。また、第1移動装置による着座部の移動は、乗員の着座位置を調整するための前後位置、左右位置、高さ位置、傾斜角度等の各種移動を含む。

0010

第1発明によれば、第1移動装置によって着座部の位置を好みや状況に応じて適宜移動することができる。そして、シェル部の位置は、第2移動装置によって着座部に対して好みや状況に応じて適宜移動することができる。従って、周りの景色を楽しんだり、隣席の乗員と会話をしたりしたいとき、若しくは側部が被われていることで閉塞感や圧迫感を感じるときは、シェル部の側部によって乗員の側部を被わないようにすることができる。その結果、乗員に開放感を感じさせることができる。また、休息したいときは、シェル部の側部によって乗員の側部を被うようにして、乗員のパーソナル感を醸成することができる。更に、シェル部の側部によって乗員の側部を被う程度を調整することにより、乗員の感じる開放感やパーソナル感を適宜の状態に調整することができる。しかも、このような調整を着座部の位置に係わらず行うことができる。

0011

第2発明は、上記第1発明において、前記着座部は、乗員の下部で座部を成すシートクッション部と、乗員の背部背凭れを成すシートバック部とを備え、前記第1移動装置は、前記着座部のシートバック部のシートクッション部に対する角度を変更可能とする第1リクライニング機構であり、前記第2移動装置は、前記シェル部の前記シートバック部及びシートクッション部に対する角度を変更可能とする第2リクライニング機構である。

0012

第2発明によれば、第1リクライニング機構を作動することによりシートバック部の角度を調整して、乗員の着座姿勢を通常着座姿勢の通常モードや安楽姿勢の安楽モードに変更することができる。そして、第2リクライニング機構を作動することによりシェル部の角度を調整して、シェル部の側部によって乗員の側部を被うか被わないかを任意に選択することができる。

0013

第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記着座部に対する前記シェル部の移動による両者間の相対離間距離を所定量に規制する離間規制手段を備える。

0014

第3発明において、離間規制手段は各種の構成を採用することができる。例えば、着座部及びシェル部を移動する第1移動装置及び第2移動装置が動力源を使用するものである場合、離間規制手段は、その動力源の供給を遮断することによりシェル部の移動を規制することができる。また、着座部及びシェル部を移動する第1移動装置及び第2移動装置が動力源を使用するものであるか否かに係わらず、離間規制手段は、着座部に対するシェル部の移動を機械的に規制する構成を採用することができる。但し、その場合、シェル部の移動が規制された状態で動力源の供給が継続されても問題が生じないものである必要がある。

0015

第3発明によれば、離間規制手段は、着座部に対するシェル部の相対離間距離を所定量に規制し、シェル部は着座部から所定量以上離間しないようにすることができる。このように着座部とシェル部とは互いに離間可能としながらも所定量以上離間しないため、衝突安全等のためにシートとして必要な強度を、着座部とシェル部とを合わせた強度で確保することができる。

0016

第4発明は、上記第3発明において、前記離間規制手段は、前記第1移動装置による前記着座部の移動位置を検出する第1検出手段と、前記第2移動装置による前記シェル部の移動位置を検出する第2検出手段と、前記第2検出手段により検出される前記シェル部の移動位置が、前記第1検出手段により検出される前記着座部の移動位置に対して離間する方向に所定量以上移動したことが検出されたとき、前記第2移動装置による前記シェル部の移動を停止する移動禁止手段とを備える。

0017

第4発明によれば、第1移動装置による着座部の移動位置と第2移動装置によるシェル部の移動位置をそれぞれ検出して、着座部に対するシェル部の相対離間距離が所定量以上に達したとき、第2移動装置によるシェル部の移動を停止する。そのため、無駄なエネルギを使うことなく、また無理な力をシェル部に加えることなく、シェル部の移動を停止することができる。これに対して、第2移動装置によるシェル部の移動機能を停止することなく、シェル部の移動をストッパにより機械的に停止する構成の場合は、シェル部の移動機能が働き続けていることから無駄なエネルギを使うことになり、また無理な力をシェル部に加えることになる。

0018

第5発明は、上記第3又は第4発明において、前記シェル部の側部で着座乗員の頭部に対応する部位の側端部は、前記離間規制手段により前記シェル部の移動が規制されていないとき、前記着座部において乗員の背部で背凭れを成すシートバック部の側端部より前方に位置することを可能とされ、前記離間規制手段により前記シェル部の移動が規制されたとき、前記着座部のシートバック部の側端部より後方に位置する。

0019

第5発明によれば、離間規制手段によりシェル部の移動が規制されても、シェル部の側部は、着座乗員の頭部の側部を被わない位置まで移動することができる。即ち、シェル部の側部が着座乗員の頭部の側部を被う位置で移動を規制されてしまうことは防止できる。

0020

第6発明は、上記第1ないし第5発明のいずれかにおいて、前記着座部において乗員の背部で背凭れを成すシートバック部の乗員着座面は、着座乗員の背中を背面及び側方から包み込む形状で、乗員着座側が窪んだ湾曲面で構成されており、前記シェル部が前記着座部と前後方向で重なって一体化した状態において、前記シェル部の前記シートバック部に対応する側部は、前記シートバック部の湾曲面に沿って形成された一つの湾曲面を側方に延長した湾曲面に沿って形成されている。

0021

第6発明によれば、シェル部が着座部から離間している状態において、着座部のシートバック部は、乗員着座面が湾曲面で構成されているため、単独で乗員の背中を安定して支持することができる。しかも、シェル部が着座部と前後方向で重なって一体化した状態においては、シートバック部の湾曲面がシェル部の側部の湾曲面と一つの湾曲面に沿って形成されて、乗員の背中を受け入れる面が拡張される。そのため、シェル部の側部を着座部の側部に位置させて、パーソナル感を醸成するモードとしたとき、乗員の周りに広いスペースを確保して、乗員はいだ姿勢を採ることができる。なお、シェル部が着座部から離間している量を、少ない状態から多い状態までの間で適宜調整した場合、シェル部の側部の着座部側と着座部のシェル部側とは前後方向に離間しているが、乗員の体が着座部とシェル部の側端部との間に跨って支持される状況はあり得る。その場合、乗員の体が支持される領域の広さは適宜確保しながら、ある程度の開放感は感じることができるという、好みに応じた調整をすることができる。

0022

第7発明は、上記第1ないし第6発明のいずれかにおいて、前記着座部と前記シェル部とは別体で構成されている。

0023

第7発明によれば、着座部とシェル部とは個別に製作して組合せれば良いので、容易に製造することができる。

図面の簡単な説明

0024

本発明の一実施形態の斜視図であり、着座部に対してシェル部を離間させず一体化した状態を示す。
図1と同様の斜視図であり、着座部に対してシェル部を離間させず一体化したまま、着座部のシートバック部を後傾した状態を示す。
図1と同様の斜視図であり、着座部に対してシェル部を離間させた状態を示す。
上記実施形態の正面図である。
上記実施形態の側面図であり、着座姿勢を通常モードとした状態を示す。
上記実施形態の側面図であり、着座姿勢を安楽モードとした状態を示す。
上記実施形態の平面図であり、着座部に対してシェル部を離間させず一体化した状態を示す。
図7と同様の平面図であり、着座部に対してシェル部を離間させた状態を示す。
上記実施形態の動作説明図であり、着座部のシートバック部の傾斜角度調整動作を示す。
図9のX−X線断面矢視図である。
上記実施形態の動作説明図であり、着座部に対してシェル部を離間させた状態と離間させず一体化した状態との間のシェル部の位置変化を平面視で示す。
上記実施形態の電気回路図である。
上記実施形態における着座部及びシェル部の骨格構造を示す側面図である。
図13と同様の骨格構造を示す斜視図である。
アッパシェルにおける弾性体の変形例を示す図7に対応する図である。
図15と同様の図であり、着座部に対してシェル部を離間させた状態を示す。

実施例

0025

図1〜3は、本発明の一実施形態としての乗物用シートの外観を示す。このシートは、着座乗員にパーソナル感を醸成するシェルタイプシートであり、着座部10の両側がシェル部20により被われている。ここでは、互いに別体で構成された着座部10とシェル部20によりシートが構成されている。なお、以下の説明では、このシートに着座した乗員から見た方向を基準に各方向を記述する。

0026

乗員を着座姿勢で支持する着座部10は、シートクッション部11とシートバック部12とから成る。シートクッション部11は乗員の下部で座部を成し、シートバック部12は乗員の背部で背凭れを成す。後述のように、シートバック部12はシートクッション部11の後方で第1リクライニング機構によりシートクッション部11に対する後傾角度を調整可能とされている。また、シートクッション部11、シートバック部12は、一般的な車両用シートと同様に、骨格部材であるフレームに、弾性材であるウレタンパッドを重ね、表皮材であるシートカバーを被せて構成されている。なお、シートクッション部11は前後スライドレール横スライドレールによって、シートを設置するフロア上で前後及び横方向に移動自在に構成されてもよい。

0027

着座部10の後方から側部に回り込む領域は、シェル部20によって被われている。具体的には、シェル部20は、アッパシェル21とアンダーシェル31とから成る。アッパシェル21は、シートクッション部11及びシートバック部12を含む着座部10の後方に配置され、アンダーシェル31は、着座部10の両側部に配置されている。アンダーシェル31は、シートクッション部11に固定されている。また、アッパシェル21は、後述のように、シートクッション部11に対して第2リクライニング機構を介して固定され、シートクッション部11に対する後傾角度を調整可能とされている。

0028

アッパシェル21及びアンダーシェル31は、それぞれ樹脂一体成形にて形成され、樹脂成形品の内部には骨格部材としてのフレームがインサート成形シンサート材として組み込まれている。また、アッパシェル21及びアンダーシェル31を成す樹脂成形品の着座乗員に面する側には、弾性体22が設けられ、弾性体22は弾性材としてのウレタンパッドと、その表面を被う表皮材とから成る。

0029

なお、アッパシェル21及びアンダーシェル31を含むシェル部20の形状、構造は、シートのデザイン思想によって各種のものが採用可能である。この実施形態のシートは、パーソナル感を醸成するシェルタイプシートであり、シェル部20を着座乗員にパーソナル感を醸成できる形状、構造としている。シートをスポーツシートとしたい場合は、シェル部20をバケットシートのような形状、構造とすることができる。

0030

上記のようにシートバック部12とアッパシェル21は、個別にシートクッション部11に対して後傾角度を調整可能とされている。そのため、図1及び図2に示すように、シートバック部12とアッパシェル21とを前後方向に重なって一体化した状態で、シートクッション部11に対するシートバック部12及びアッパシェル21の後傾角度を調整可能とされている(図5、6参照)。この状態では、図7のように、着座乗員Pの両側部がアッパシェル21の両側部21aにより被われるため、乗員Pにはパーソナル感が醸成される。

0031

また、図3、8に示すように、アッパシェル21をシートバック部12から離間させることができる。この状態では、着座乗員Pの上半身の両側部がアッパシェル21の両側部21aにより被われないため、若しくは被われる量が少なくなるため、乗員Pは閉塞感や圧迫感のない開放感を感じることができる。

0032

図7のように、シートバック部12の乗員P着座面は、着座乗員Pの背中を背面及び側方から包み込む形状で、乗員P着座側が窪んだ湾曲面12bで構成されている。また、シェル部20が着座部10と前後方向で重なって一体化した状態において、アッパシェル21の弾性体22の乗員P側は、シートバック部12の湾曲面12bに連続して、その湾曲面12bを側方に延長する湾曲面22aで構成されている。

0033

そのため、図8のように、シェル部20が着座部10から離間した状態において、乗員Pの背中は、シートバック部12の湾曲面12bにより安定して支持される。また、図7のように、シェル部20が着座部10と前後方向で重なって一体化した状態において、シートバック部12の湾曲面12bは、アッパシェル21の弾性体22の湾曲面22aとつながって、乗員Pの背中を受け入れる面が拡張される(図4参照)。従って、乗員Pは、その周りに広いスペースを確保されて、寛いだ姿勢を採ることができる。

0034

図9のように、シートバック部12は、第1リクライニング機構(本発明の第1移動機構に相当)13によりシートクッション部11に対する後傾角度を調整可能とされている。また、アッパシェル21は、第2リクライニング機構(本発明の第2移動機構に相当)23によりシートクッション部11に対する後傾角度を調整可能とされている。第2リクライニング機構23は、その回転中心が着座乗員PのヒップポイントHPに対して後方下部に離間して配置されている。換言すると、第2リクライニング機構23の回転中心は、ヒップポイントHPを交点とする水平軸及び垂直軸による平面座標における第4象限に位置する。また、第1リクライニング機構13は、その回転中心が第2リクライニング機構23の回転中心より着座乗員PのヒップポイントHPに近い位置に配置されている。第2リクライニング機構23は、本発明の移動機構に相当する。

0035

この結果、着座部10のシートバック部12の後傾角度を調整したとき、乗員Pの上半身の回動中心であるヒップポイントHPとシートバック部12の回動中心が互いに近接しているため、乗員Pの背中の位置の変化とシートバック部12の着座面の位置の変化との相対的なずれが少なくなる。そのため、シートバック部12の後傾角度を大きくしたとき、上記相対的なずれによって乗員Pの着衣が背中でずれ上がる不快感を抑制することができる。

0036

一方、シートバック部12と同時にアッパシェル21の後傾角度を調整したとき、乗員Pの上半身の回動中心であるヒップポイントHPとアッパシェル21の回動中心が互いに離間しているため、乗員Pの上半身の位置の変化とアッパシェル21の位置の変化との相対的なずれが大きくなる。即ち、シートクッション部11に対するアッパシェル21の乗員Pの座高方向高さを高くすることができる。そのため、アッパシェル21の後傾角度を大きくしたとき、上記相対的なずれによって、図9実線で示す通常モードでは乗員Pの座高よりも低い位置にあったアッパシェル21が、図9仮想線で示す安楽モードでは、乗員Pの座高と等しい位置まで相対的に上昇する。従って、安楽モードでは乗員Pにパーソナル感を醸成させつつ、通常モードでは、図5のように、アッパシェル21の上端と乗物の天井Lとの間に所定の距離lを確保することができる。

0037

なお、乗員Pに対するシートバック部12の位置は、両者の回転中心が互いに近接しているため、シートバック部12の後傾角度の変化に係わらず、略一定に保たれる。その結果、図9の実線で示す通常モードでは、アッパシェル21の上端位置とシートバック部12の上端位置とは乗員Pの座高方向高さで略同じとされているのに対し、図9の仮想線で示す安楽モードでは、アッパシェル21の上端位置がシートバック部12の上端位置よりも乗員Pの座高方向高さで高くされている。

0038

図4、5のように、シートバック部12及びアッパシェル21が通常モードの位置にあるときは、シートバック部12は、アッパシェル21の弾性体22に形成された切欠部22bに嵌め込まれている。即ち、アッパシェル21の弾性体22には、シートバック部12の外形に対応させて切欠部22bが形成されている。

0039

図6のように、シートバック部12及びアッパシェル21が安楽モードとされると、シートバック部12に対してアッパシェル21が相対的に上方に移動する。そのため、図4のように、シートバック部12とアッパシェル21の境界部は、上方より下方が漸次幅広に形成されている。そして、安楽モードでは、シートバック部12とアッパシェル21の相対移動に伴い、その境界部に隙間が形成されることになる。

0040

図4のように、アッパシェル21は、下方が上方に比べて左右方向幅を大きくされている。そのため、安楽モードで、シートバック部12に対してアッパシェル21が相対的に上方に移動されると、乗員Pはアッパシェル21の幅広の領域に位置することになる。従って、乗員Pはゆったり寛いだ姿勢を採ることができる。

0041

図10のように、第1リクライニング機構13は、駆動側リクライナ13aと従動側リクライナ13bとが、連結ロッド13cにより連結されて構成されている。そのため、駆動側リクライナ13aが第1モータにより駆動されることにより、連結ロッド13cを介して従動側リクライナ13bも連動して駆動される。駆動側リクライナ13aと従動側リクライナ13bは、シートクッション部11の後部両側部とシートバック部12の下部両側部との間を回動自在に結合している。

0042

第2リクライニング機構23は第1リクライニング機構13と同一構成とされている。即ち、第2リクライニング機構23は、駆動側リクライナ23aと従動側リクライナ23bとが、連結ロッド23cにより連結されて構成されている。駆動側リクライナ23aと従動側リクライナ23bは、シートクッション部11の後部両側部とアッパシェル21の下部両側部との間を回動自在に結合している。

0043

図12のように、第1モータ41は、第1リクライニング機構13の駆動側リクライナ13aを回転駆動するように構成されており、任意にオンオフ操作されるスイッチ43を介して電源に接続されている。第1モータ41は、パルス発生器48により所定角度回転毎にパルス信号を発生するように構成されており、そのパルス信号を受けて、第1モータ回転位置検出回路(本発明の第1検出手段に相当)45は、パルス信号数に基づいて第1モータ41の回転位置を検出するように構成されている。

0044

一方、第2モータ42は、第2リクライニング機構23の駆動側リクライナ23aを回転駆動するように構成されており、任意にオンオフ操作されるスイッチ44を介して電源に接続されている。第2モータ42は、第1モータ41と同様に構成されており、第2モータ回転位置検出回路(本発明の第2検出手段に相当)46も、第1モータ回転位置検出回路45と同様の構成で、パルス発生器49からのパルス信号数に基づいて第2モータ42の回転位置を検出するように構成されている。

0045

第1モータ回転位置検出回路45及び第2モータ回転位置検出回路46の検出出力作動禁止回路(本発明の離間規制手段及び移動禁止手段に相当)47に供給されている。作動禁止回路47は、第1モータ回転位置検出回路45により検出される第1モータ41の回転位置に対して、第2モータ回転位置検出回路46により検出される第2モータ42の回転位置が所定量以上離間すると、第2モータ42の通電回路を遮断して第2モータ42の作動を停止する。第1モータ41の回転位置はシートバック部12の後傾角度に相当し、第2モータ42の回転位置はアッパシェル21の後傾角度に相当する。従って、作動禁止回路47は、シートバック部12に対するアッパシェル21の相対離間距離を所定量に規制し、アッパシェル21がシートバック部12から所定量以上離間しないようにしている。

0046

このようにアッパシェル21はシートバック部12から所定量以上離間しない構成とされているため、衝突安全等のためにシートとして必要な強度を、シートバック部12とアッパシェル21との合わせた強度で確保することができる。

0047

図13、14は、着座部10及びアッパシェル21の骨格構造を示す。シートクッション部11のクッションフレーム11aは、一般的な車両用シートと同様にスライドレール11c上に支持されて構成されている。クッションフレーム11aの左右両外側には、前上がりで傾斜したブラケット11bが固定されている(図13、14では、左側のみが示されている)。ブラケット11bには、その傾斜に沿って前上側に第1リクライニング機構13のリクライナ(図13、14では従動側リクライナ13bが図示されている)が固定され、後下側に第2リクライニング機構23のリクライナ(図13、14では従動側リクライナ23bが図示されている)が固定されている。

0048

着座部10のシートバック部12及びアッパシェル21の骨格部材であるバックフレーム12c、24は、互いに相似形で、大略逆U字形パイプによって構成されている。バックフレーム12c、24は、バックフレーム12cをバックフレーム24に対して内側で、且つやや後方の位置関係で嵌り合うように配置されている。バックフレーム12c、24は、それぞれ各リクライナ(駆動側リクライナ13a、23a、従動側リクライナ13b、23b)、及びブラケット12d、25を介してブラケット11bに対して後傾角度調整可能に固定されている。また、ブラケット12d、25の後部にはロアパネル12e、26が固定され、左右両側に配置された各ブラケット12d、25同士を結合している。

0049

図13、14の状態は、着座部10とアッパシェル21が前後方向で重なって一体化した状態、つまり通常モードとされた状態を示している。この状態において、シートバック部12側の骨格部材であるバックフレーム12c、ブラケット12dと、アッパシェル21側の骨格部材であるバックフレーム24、ブラケット25とは、互いに干渉しないように配置されている。そして、この状態から各リクライナ(駆動側リクライナ13a、23a、従動側リクライナ13b、23b)の操作によりバックフレーム12cとバックフレーム24とを共に後傾させることができる。また、バックフレーム12cよりもバックフレーム24の後傾角度を大きくするように操作することができる。

0050

図11は、シートバック部12に対してアッパシェル21を離間させた状態と、離間させず一体化した状態との間のシートバック部12及びアッパシェル21の位置変化を平面視で示している。図11において実線は、シートバック部12に対してアッパシェル21を離間させず一体化した状態であり、シートバック部12の着座面は、アッパシェル21の弾性体22の前側面と一つの曲面に沿って形成されて、乗員Pは、その一つの曲面に沿って拡がった着座面でゆとりを持って支持される。しかも、乗員Pの両側部はアッパシェル21の両側部21aで被われ、パーソナル感が醸成される。

0051

一方、図11において仮想線は、シートバック部12に対してアッパシェル21を離間させた状態であり、太い線による仮想線の位置は、アッパシェル21の両側部21aの両側端部21bは、シートバック部12の両側端部12aと同等、若しくはそれより後方に位置している。この位置が作動禁止回路47によって第2モータ42の作動が停止される位置であり、アッパシェル21はシートバック部12に対して、これ以上離間されない。この状態では、着座乗員Pの上半身の両側部がアッパシェル21の両側部21aにより被われないため、乗員Pは閉塞感や圧迫感のない開放感を感じることができる。また、シートバック部12とアッパシェル21の連係関係を維持してシート強度を確保することができる。

0052

細い線による仮想線の位置は、シートバック部12に対するアッパシェル21の離間距離を中間レベルにした場合を示す。この位置では、乗員Pは実線で示す位置の場合のように一つの曲面に沿って拡がった着座面により支持されることはない。しかし、アッパシェル21の弾性体22の湾曲面22aとシートバック部12の湾曲面12bとは前後方向に離間しているが、乗員Pの体がシートバック部12とアッパシェル21の弾性体22の湾曲面22aとの間に跨って支持される。その結果、上記離間距離の調整により、乗員Pの体が支持される領域の広さは適宜確保しながら、ある程度の開放感は感じることができるという、好みに応じた調整をすることができる。

0053

図15、16は、アッパシェル21の弾性体22の変形例を示す。この変形例では、上記実施形態に対し、弾性体22の着座面側の形状を変形している。具体的には、弾性体22の左右方向における中央部に着座面側に突出する突起部22dを形成し、その突起部22dの左右方向の外側(図15では右側)に窪みを形成している。この窪みにより着座面側に凹型の外側湾曲部22eが形成されている。また、突起部22dの左右方向の内側には着座面側に凹型の内側湾曲部22cが形成されている。

0054

この変形例によれば、図15のように、シートバック部12に対してアッパシェル21を離間させず一体化した状態では、シートバック部12の着座面は、仮想線で示すように、アッパシェル21の弾性体22の内側湾曲部22cと一つの曲面に沿って形成されて、乗員Pは、その一つの曲面に沿って拡がった着座面でゆとりを持って支持される。

0055

一方、図16のように、シートバック部12に対してアッパシェル21を、僅かに離間させて、突起部22dの着座面側がシートバック部12の着座面と一つの湾曲面(仮想線で示す)に沿った状態では、乗員Pの体は、その一つの湾曲面に沿った突起部22dの着座面側とシートバック部12の着座面とによって支持され、図15の場合に比べて体の大きい乗員Pに対して拡がった着座面でゆとりを持って支持することができる。

0056

以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。

0057

10着座部
11シートクッション部
11aクッションフレーム
11bブラケット
11cスライドレール
12シートバック部
12a側端部
12b湾曲部
12cバックフレーム
12d ブラケット
12eロアパネル
13 第1リクライニング機構(第1移動装置)
13a駆動側リクライナ
13b従動側リクライナ
13c連結ロッド
20シェル部
21アッパシェル
21a 側部
21b 側端部
22弾性体
22a 湾曲面
22b切欠部
22c 内側湾曲部
22d突起部
22e 外側湾曲部
23 第2リクライニング機構(第2移動装置)
23a 駆動側リクライナ
23b 従動側リクライナ
23c 連結ロッド
24 バックフレーム
25 ブラケット
26 ロアパネル
31アンダーシェル
41 第1モータ
42 第2モータ
43、44 スイッチ
45 第1モータ回転位置検出回路(第1検出手段)
46 第2モータ回転位置検出回路(第2検出手段)
47作動禁止回路(離間規制手段、移動禁止手段)
48、49 パルス発生器

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