図面 (/)
課題
アイドリングストップの実行時に車両が移動することを防止するとともに、車両が動かないようにするために必要な制動力を容易に決定すること。
解決手段
車両制御装置11の自動停止制御部14が、車両1のエンジン2の運転中、変速段が走行段であり、かつ、ブレーキペダル9が踏み込まれたことにより生じたブレーキ圧が第1の圧力以上であることを含む所定のエンジン停止条件が成立した場合に、エンジン2を一時停止させ、制動制御部17が、ブレーキペダル9が踏み込まれることにより第1のブレーキ圧以上の第2のブレーキ圧が生じ、変速段が走行段である状態でエンジン2が一時停止した場合に、車両1を制動する制動装置4を制御して、第2のブレーキ圧を維持し、エンジン2の一時停止後、走行段からニュートラルへの変速操作を受け付けた場合に、第2のブレーキ圧以上の一定圧力にブレーキ圧を維持する。
概要
背景
従来、車両のエンジンの運転中、所定のエンジン停止条件が成立した場合にエンジンを一時停止させ、所定のエンジン再始動条件が成立した場合にエンジンを再始動させるアイドリングストップ・アンド・スタート制御技術が利用されている。
例えば、特許文献1には、運転手のブレーキペダルの踏み込み量に基づいて運転手の減速または停車の意思を確認すると共に、車速センサの検出値に基づいて車両が停止状態にあることが確認できた場合に、エンジンを自動停止させ、また、ブレーキペダルの踏み込み量に基づいて運転手の発車の意思を確認できた場合に、エンジンを自動的に再始動する技術が開示されている。
さらに、特許文献1には、エンジンを自動停止させる際、オートマチックトランスミッションを自動的にニュートラル状態に切り替えてエンジンの動力を遮断すると共に、車両を停止状態に維持するための制動力が発生するようブレーキ装置を自動制御する技術が開示されている。
概要
アイドリングストップの実行時に車両が移動することを防止するとともに、車両が動かないようにするために必要な制動力を容易に決定すること。車両制御装置11の自動停止制御部14が、車両1のエンジン2の運転中、変速段が走行段であり、かつ、ブレーキペダル9が踏み込まれたことにより生じたブレーキ圧が第1の圧力以上であることを含む所定のエンジン停止条件が成立した場合に、エンジン2を一時停止させ、制動制御部17が、ブレーキペダル9が踏み込まれることにより第1のブレーキ圧以上の第2のブレーキ圧が生じ、変速段が走行段である状態でエンジン2が一時停止した場合に、車両1を制動する制動装置4を制御して、第2のブレーキ圧を維持し、エンジン2の一時停止後、走行段からニュートラルへの変速操作を受け付けた場合に、第2のブレーキ圧以上の一定圧力にブレーキ圧を維持する。
目的
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、坂道などにおけるアイドリングストップの実行時に車両が移動してしまうことを防止するとともに、車両が停止した場所で車両が動かないようにするために必要な制動力を容易に決定することができる車両制御装置、及び、車両制御方法を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
車両のエンジンの運転中、変速段が走行段であり、かつ、ブレーキペダルが踏み込まれたことにより生じたブレーキ圧が第1のブレーキ圧より大きいことを含む所定のエンジン停止条件が成立した場合に、前記エンジンを一時停止させる自動停止制御部と、前記ブレーキペダルが踏み込まれることにより第1のブレーキ圧より大きい第2のブレーキ圧が生じ、かつ、前記変速段が前記走行段である状態で前記エンジンが一時停止した場合に、前記車両を制動する制動装置を制御して、前記第2のブレーキ圧を維持し、前記エンジンの一時停止後、前記走行段からニュートラルへの変速操作を受け付けた場合に、前記第2のブレーキ圧以上の一定圧力にブレーキ圧を維持する制動制御部と、を備える車両制御装置。
請求項2
前記制動制御部は、前記エンジンの一時停止後、前記走行段からニュートラルへの変速操作を受け付けた場合に、前記制動装置を制御して、前記第2のブレーキ圧にブレーキ圧を維持する請求項1に記載の車両制御装置。
請求項3
前記制動制御部は、前記変速段がニュートラルであり、かつ、前記ブレーキペダルの踏み込みがなくなった場合に、前記一定圧力にブレーキ圧を維持する制御を終了し、前記ブレーキ圧を前記ブレーキペダルの踏み込み量に応じて変化させる請求項1または2に記載の車両制御装置。
請求項4
車両のエンジンの運転中、変速段が走行段であり、かつ、ブレーキペダルが踏み込まれたことにより生じたブレーキ圧が第1のブレーキ圧力より大きいことを含む所定のエンジン停止条件が成立した場合に、前記エンジンを一時停止させる自動停止制御ステップと、前記ブレーキペダルが踏み込まれることにより第1のブレーキ圧より大きい第2のブレーキ圧が生じ、かつ、前記変速段が前記走行段である状態で前記エンジンが一時停止した場合に、前記車両を制動する制動装置を制御して、前記第2のブレーキ圧を維持し、前記エンジンの一時停止後、前記走行段からニュートラルへの変速操作を受け付けた場合に、前記第2のブレーキ圧以上の一定圧力にブレーキ圧を維持する制動制御ステップと、を含む車両制御方法。
技術分野
背景技術
0002
従来、車両のエンジンの運転中、所定のエンジン停止条件が成立した場合にエンジンを一時停止させ、所定のエンジン再始動条件が成立した場合にエンジンを再始動させるアイドリングストップ・アンド・スタート制御技術が利用されている。
0003
例えば、特許文献1には、運転手のブレーキペダルの踏み込み量に基づいて運転手の減速または停車の意思を確認すると共に、車速センサの検出値に基づいて車両が停止状態にあることが確認できた場合に、エンジンを自動停止させ、また、ブレーキペダルの踏み込み量に基づいて運転手の発車の意思を確認できた場合に、エンジンを自動的に再始動する技術が開示されている。
0004
さらに、特許文献1には、エンジンを自動停止させる際、オートマチックトランスミッションを自動的にニュートラル状態に切り替えてエンジンの動力を遮断すると共に、車両を停止状態に維持するための制動力が発生するようブレーキ装置を自動制御する技術が開示されている。
先行技術
0005
特開2013−129378号公報
発明が解決しようとする課題
0006
しかしながら、上述した特許文献1の技術を用いて、車両を停止状態に維持するための制動力が発生するようブレーキ装置を自動制御する場合、最低限どの程度の制動力を発生させれば車両を停止状態に維持できるかを予め予測することは難しい。
0007
また、車両が停止状態にあるか否かを検出し、車両が停止状態にない場合に制動力をさらに強めることも考えられるが、この方法では車両の移動をある程度許容することになり、坂道などにおいて車両のずり下がりが生じる。
0008
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、坂道などにおけるアイドリングストップの実行時に車両が移動してしまうことを防止するとともに、車両が停止した場所で車両が動かないようにするために必要な制動力を容易に決定することができる車両制御装置、及び、車両制御方法を提供することである。
課題を解決するための手段
0009
上記の課題を解決するため、本発明の車両制御装置は、車両のエンジンの運転中、変速段が走行段であり、かつ、ブレーキペダルが踏み込まれたことにより生じたブレーキ圧が第1のブレーキ圧より大きいことを含む所定のエンジン停止条件が成立した場合に、エンジンを一時停止させる自動停止制御部と、ブレーキペダルが踏み込まれることにより第1のブレーキ圧より大きい第2のブレーキ圧が生じ、かつ、変速段が走行段である状態でエンジンが一時停止した場合に、車両を制動する制動装置を制御して、第2のブレーキ圧を維持し、エンジンの一時停止後、走行段からニュートラルへの変速操作を受け付けた場合に、第2のブレーキ圧以上の一定圧力にブレーキ圧を維持する制動制御部と、を備える。
0010
本発明の車両制御方法は、車両のエンジンの運転中、変速段が走行段であり、かつ、ブレーキペダルが踏み込まれたことにより生じたブレーキ圧が第1のブレーキ圧力より大きいことを含む所定のエンジン停止条件が成立した場合に、エンジンを一時停止させる自動停止制御ステップと、ブレーキペダルが踏み込まれることにより第1のブレーキ圧より大きい第2のブレーキ圧が生じ、かつ、変速段が走行段である状態でエンジンが一時停止した場合に、車両を制動する制動装置を制御して、第2のブレーキ圧を維持し、エンジンの一時停止後、走行段からニュートラルへの変速操作を受け付けた場合に、第2のブレーキ圧以上の一定圧力にブレーキ圧を維持する制動制御ステップと、を含む。
発明の効果
0011
本発明によれば、坂道などにおけるアイドリングストップの実行時に車両が移動してしまうことを防止できるとともに、車両が停止した場所で車両が動かないようにするために必要な制動力を容易に決定することができる。
図面の簡単な説明
実施例
0014
図1に示すように、車両1は、エンジン2、エンジン2にクラッチを介して接続される変速機3、車両1に制動力を付与する制動装置4、車両1を制動するための運転手による踏み込み操作を受け付けるブレーキペダル9、ブレーキペダル9の踏み込み量に応じた空気圧を伝達するブレーキバルブ10、エンジン2や変速機3、制動装置4を制御する車両制御装置11と、を備える。
0016
変速機3は、ドライブ(D)などの走行段や、ニュートラル(N)、パーキング(P)など、複数の選択可能な変速段を有し、クラッチ(図示せず)を介してエンジン2と接続され、エンジン2の動力を車輪(図示せず)に伝達する。なお、以下の説明では、走行段がドライブであるものとして説明するが、本発明はその他の走行段の場合でも適用され得る。
0017
制動装置4は、車両1を減速、または、停止させる装置である。以下では、制動装置4は、空気圧式のものとして説明を行うが、他の方式のものであってもよい。制動装置4は、制動部5、HSAバルブ6、リレーバルブ7、圧力センサ8を備える。
0018
制動部5は、ブレーキペダル9の踏み込みに起因して生じたブレーキ圧の大きさに応じて制動力を発揮し、車両1の車輪の回転を制動するサービスブレーキである。
0021
圧力センサ8は、HSAバルブ6とリレーバルブ7との間のブレーキ配管内のブレーキ圧を検出する。このブレーキ圧は、エンジン停止条件が成立したか否かを判定する場合などに参照される。なお、圧力センサ8は、ブレーキ圧として制動部5とリレーバルブ7との間のブレーキ配管内のブレーキ圧を検出することとしてもよい。
0022
ブレーキペダル9は、制動部5を作動させるために運転手により踏み込まれる。そして、運転手によりブレーキペダル9が踏み込まれると、ブレーキペダル9の踏み込みに起因して生じたブレーキ圧の大きさに応じて制動部5により制動力が発揮される。
0023
ブレーキバルブ10は、エアタンク内のエアをブレーキペダル9の踏み込み量に応じて放出する。このエアの放出に起因して生じるブレーキ圧力が、HSAバルブ6を介してリレーバルブ7に伝達される。
0024
車両制御装置11は、エンジン制御部12、ISS(Idling Stop and
Start)制御部13、変速制御部16、制動制御部17を備える。これらの各制御部は、共通のバスに接続され、そのバスを通じて相互に通信可能に構成される。
0026
ISS制御部13は、アイドリングストップ・アンド・スタート制御を行う。ISS制御部13は、自動停止制御部14、及び、再始動制御部15を備える。
0028
なお、エンジン一時停止条件には、例えば、車両1の車速がゼロ、かつ、ブレーキペダル9の踏み込みにより生じたブレーキ圧が所定の圧力より大きいことなどの条件が含まれる。
0029
再始動制御部15は、エンジン2の一時停止中に、所定のエンジン再始動条件が成立した場合にエンジン2を再始動させる。
0030
エンジン再始動条件には、例えば、エンジン2が一時停止中の状態において、ブレーキペダル9の踏み込みがないか、あるいは、ブレーキペダル9の踏み込みにより生じたブレーキ圧が所定の圧力よりも小さい、ニュートラルからドライブへの変速操作がなされたなどの条件が含まれる。
0031
変速制御部16は、現時点の変速段などの情報の取得や、変速機3に対する変速段の変更制御などを行う。ここで、変速段は、運転手によるシフトレバーの操作、あるいは、車速等に応じた自動変速制御に基づき決定される。
0032
制動制御部17は、制動装置4を制御して、車両1を制動する制御などを行う。特に、制動制御部17は、変速段がドライブである状態でエンジン2が一時停止した場合に、H
SAバルブ6を制御して、ブレーキペダル9が踏み込まれることにより生じたブレーキ圧を維持し、さらにエンジン2の一時停止後、運転手によるドライブからニュートラルへの変速操作を受け付けた場合に、ブレーキ圧の維持を継続する。
0033
ここで、上記ブレーキ圧の維持制御の利点について説明する。例えば、変速段がドライブの状態においてエンジン2が一時停止状態となる条件(アイドリングストップが実行される条件)の1つに、ブレーキ圧がaより大きいという条件が含まれているものとする。
0034
また、一時停止状態にあるエンジン2が再始動する条件(アイドリングストップから復帰する条件)の1つに、ブレーキ圧がb未満(b<a)という条件が含まれているものとする。
0035
ここで、変速段がドライブであり、かつ、運転手がブレーキペダル9を踏み込んだ結果ブレーキバルブ10とHSAバルブ6との間のブレーキ配管におけるブレーキ圧がc(c>a)となり、エンジン2が一時停止状態となった場合について考える。
0036
この場合、HSAバルブ6が作動し、リレーバルブ7とHSAバルブ6との間のブレーキ配管におけるブレーキ圧がcに維持される。その結果、cのブレーキ圧に応じた大きさ圧力が制動部5にかかることになる。
0037
その後、運転手がブレーキペダル9の踏み込み量を少なくし、ブレーキバルブ10とHSAバルブ6との間のブレーキ配管におけるブレーキ圧がd(c>d>b)になったものとする。この状態では、リレーバルブ7とHSAバルブ6との間のブレーキ配管におけるブレーキ圧はcに維持されたままであり、エンジン2も停止している。
0038
しかしその後、運転手が変速段をドライブからニュートラルに変更した場合、HSAバルブ6によるブレーキ圧の維持が解除されることとすると、リレーバルブ7とHSAバルブ6との間のブレーキ配管におけるブレーキ圧がcからdに減少することになり、坂道では車両1が動いてしまう可能性がある。
0039
そのため、本発明では、運転手が変速段をドライブからニュートラルに変更した場合でもHSAバルブ6によるブレーキ圧の維持を解除せず、cのブレーキ圧を維持するようにする。これにより、坂道で車両1が動いてしまうことを防止できる。
0040
また、ここで維持されるブレーキ圧cは、運転手がブレーキペダル9を踏み込んでエンジン2が一時停止状態となった際のブレーキ圧である。このブレーキ圧cは、車両1が停止した場所で車両1が動かないようにするために必要なブレーキ圧として運転手により設定されたものであり、このブレーキ圧cに対応する制動力が車両1の移動を防止するために必要な制動力といえる。
0041
本発明では、この運転手により設定されたブレーキ圧cを利用することにより、複雑な演算を必要とすることなく、アイドリングストップの実行時に車両1の移動を防止するために必要な制動力を容易に決定することができる。
0042
制動制御部17の説明に戻ると、制動制御部17はさらに、変速段がニュートラルであり、かつ、ブレーキペダル9の踏み込みがない場合に、上述したブレーキ圧を維持する制御を終了し、ブレーキ圧をブレーキペダル9の踏み込み量に応じて変化させる。
0043
これにより、運転手はブレーキペダル9から足を離すだけで、ブレーキ圧を維持する制御を容易に解除することができ、利便性を高めることができる。
0044
なお、運転手がブレーキペダル9から足を離す場合、車両1に制動力が働いていない状態となり、坂道では車両1が動くこととなるが、運転手が変速段をニュートラルにし、ブレーキペダル9から足を離したということは車両1が動くことを運転手が許容していると考えられるため、このような状態は運転者の意図と整合するものといえる。
0045
次に、本発明の一実施形態に係る車両制御処理の処理手順の一例について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る車両制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
0046
まず、自動停止制御部14は、圧力センサ8により検出された第2のブレーキ圧が閾値となる第1のブレーキ圧より大きいというエンジン停止条件の一つが成立し、かつ、その他のエンジン停止条件が成立したか否かを判定する(ステップS11)。
0047
第2のブレーキ圧が第1のブレーキ圧より大きくなく、または、他のエンジン停止条件が成立していない場合(ステップS11においてNOの場合)、ステップS11の処理が再度実行される。
0048
第2のブレーキ圧が第1のブレーキ圧より大きく、かつ、他のエンジン停止条件が成立した場合(ステップS11においてYESの場合)、自動停止制御部14は、エンジン制御部12に対しエンジン2の停止命令を出力し、エンジン制御部12にエンジン2を停止させるアイドリングストップを実行するとともに、制動制御部17は、HSAバルブ6を作動させ、第2のブレーキ圧を維持する(ステップS12)。
0049
つぎに、制動制御部17は、運転手によりドライブ(D)からニュートラル(N)への変速操作がなされたか否かを判定する(ステップS13)。
0050
ドライブからニュートラルへの変速操作がなされていない場合(ステップS13においてNOの場合)、ステップS13の処理が再度実行される。
0051
ドライブからニュートラルへの変速操作がなされた場合(ステップS13においてYESの場合)、制動制御部17は、第2のブレーキ圧の維持を継続する(ステップS14)。
0052
その後、制動制御部17は、圧力センサ8の検出値に基づいて、運転手によるブレーキペダル9の踏み込みがあるか否かを判定する(ステップS15)。なお、この判定は、ブレーキペダル9の踏み込みを検出するスイッチ等の出力に基づいて行われてもよい。
0053
運転手によるブレーキペダル9の踏み込みがある場合(ステップS15においてYESの場合)、ステップS15の処理が再度実行される。
0054
運転手によるブレーキペダル9の踏み込みがない場合(ステップS15においてNOの場合)、制動制御部17は、第2のブレーキ圧の維持を解除し(ステップS16)、車両1を制動力が働いていない状態とする。その後、この車両制御処理を終了する。
0055
なお、上記実施形態では、エンジン2の一時停止後、ドライブからニュートラルへの変速操作を受け付けた場合に、第2のブレーキ圧の維持を継続することとしたが、それまで維持していた第2のブレーキ圧より所定の値だけ大きい一定圧力にブレーキ圧を維持することとしてもよい。この場合、例えば、エアタンクからエアを供給することにより、それまで維持していたブレーキ圧よりもブレーキ圧が高くなるよう調整すればよい。
0056
この場合も、車両1が停止した場所で車両1が動かないようにするために運転手がブレーキペダル9を踏み込むことにより生じた第2のブレーキ圧を下限として、それより所定の値だけ大きな一定圧力を維持すべき圧力として決定するため、複雑な演算を必要とすることなく、アイドリングストップの実行時に車両1が動かないようにするために必要な制動力を容易に決定することができる。
0057
以上説明したように、本実施形態によれば、車両制御装置11の自動停止制御部14が、車両1のエンジン2の運転中、変速段が走行段であり、かつ、ブレーキペダル9が踏み込まれたことにより生じたブレーキ圧が第1のブレーキ圧力より大きいことを含む所定のエンジン停止条件が成立した場合に、エンジン2を一時停止させ、制動制御部17が、ブレーキペダル9が踏み込まれることにより第1のブレーキ圧より大きい第2のブレーキ圧が生じ、かつ、変速段が走行段である状態でエンジン2が一時停止した場合に、車両1を制動する制動装置4を制御して、第2のブレーキ圧を維持し、エンジン2の一時停止後、走行段からニュートラルへの変速操作を受け付けた場合に、第2のブレーキ圧以上の一定圧力にブレーキ圧を維持する。これにより、坂道などにおけるアイドリングストップの実行時に車両が移動してしまうことを防止できるとともに、車両が停止した場所で車両が動かないようにするために必要な制動力を容易に決定することができる。
0058
また、本実施形態によれば、制動制御部17は、エンジン2の一時停止後、走行段からニュートラルへの変速操作を受け付けた場合に、制動装置4を制御して、第2のブレーキ圧にブレーキ圧を維持する。この場合も、坂道などにおけるアイドリングストップの実行時に車両が移動してしまうことを防止できるとともに、車両が停止した場所で車両が動かないようにするために必要な制動力を容易に決定することができる。
0059
また、本実施形態によれば、制動制御部17は、変速段がニュートラルであり、かつ、ブレーキペダル9の踏み込みがなくなった場合に、一定圧力にブレーキ圧を維持する制御を終了し、ブレーキ圧をブレーキペダル9の踏み込み量に応じて変化させる。これにより、運転手はブレーキペダル9から足を離すだけで、ブレーキ圧を維持する制御を容易に解除することができ、利便性を高めることができる。
0060
この場合、車両1に制動力が働いていない状態となり、坂道では車両1が動くこととなるが、運転手が変速段をニュートラルにし、ブレーキペダル9から足を離したということは運転手が車両1が動くことを許容していると考えられるため、このような状況は運転者の意図と整合するものといえる。
0061
本発明は、変速段が走行段である場合のアイドリングストップにおいてブレーキ圧の維持を行う車両制御装置、及び、車両制御方法に利用することができる。
0062
1 車両
2エンジン
3変速機
4制動装置
5制動部
6HSAバルブ
7リレーバルブ
8圧力センサ
9ブレーキペダル
10ブレーキバルブ
11車両制御装置
12エンジン制御部
13 ISS制御部
14自動停止制御部
15再始動制御部
16変速制御部
17制動制御部
技術視点だけで見ていませんか?
この技術の活用可能性がある分野
分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成