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技術 ゴム押出装置および方法

出願人 横浜ゴム株式会社
発明者 平井秀憲
出願日 2015年10月2日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-196412
公開日 2017年4月6日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-065210
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等の押出成形
主要キーワード 境界剥離 最大離間距離 幅方向間隔 先端下方 押出流路 接合境界 糸部材 延在長
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

簡易な構成でありながら、ゴム押出物押出方向の収縮を抑制し、収縮しない状態になるまでに要する時間を短縮するとともに、ゴム押出物の内部に残留するエアを抑制できるゴム押出装置および方法を提供する。

解決手段

押出口6の前端面の近傍からシリンダ2側に向かって少なくともダイ5の押出流路の内部まで整流体8を延在させて、整流体8の内部を経由して整流体8の前面に開口を有する貫通路10を通じて、整流体8の前面側の空間と外気とを連通させた状態にしておき、スクリュー4により前方に押し出した未加硫のゴムR1を、押出流路の内面と整流体8とのすき間に通過させて押出口6からゴム押出物Rを押し出すとともに、貫通路10を通じて糸部材Sを整流体8の前面から前方に吐出させて続けてゴム押出物Rに埋設させ、貫通路10を通じてゴム内部のエアAを外部に排出する。

概要

背景

イヤ等のゴム製品を製造する際には、ゴム押出装置によって未加硫ゴム押出す押出し工程がある。ゴム押出装置では、内設されたスクリューによって未加硫ゴムを可塑化し、先端のダイに形成された押出口から押し出すことにより、所定形状に型付けされたゴム押出物にする。このゴム押出物は、冷却後に所定長さに切断される。ゴムは粘弾性特性を有するので、押出し工程での歪をエネルギーとして内部に溜め込み、これが原因となって切断した後、主に、押出し方向収縮シュリンク)する。収縮が過大になると、予め設定された寸法との差異が大きくなり、後工程で支障が生じるという問題がある。

このような問題を解決する方法は、従来、種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、押出機の下流側に配置した振動装置によって、ゴム押出物に振動を与えてゴムの収縮速度を早くする。このようにしてゴム押出物を十分に収縮させることにより、後工程での収縮を防止している。

その他の対策として、押出機の下流側に複数の搬送コンベヤ直列に配置して、下流の搬送コンベヤ程、搬送速度を遅く設定する方法が知られている。この方法では、搬送コンベヤを乗り移る際にゴム押出物を強制的に収縮させることにより、後工程での収縮を防止している。しかしながら、これら従来の対策では、装置が大掛かりになるという問題がある。

概要

簡易な構成でありながら、ゴム押出物の押出方向の収縮を抑制し、収縮しない状態になるまでに要する時間を短縮するとともに、ゴム押出物の内部に残留するエアを抑制できるゴム押出装置および方法を提供する。押出口6の前端面の近傍からシリンダ2側に向かって少なくともダイ5の押出流路の内部まで整流体8を延在させて、整流体8の内部を経由して整流体8の前面に開口を有する貫通路10を通じて、整流体8の前面側の空間と外気とを連通させた状態にしておき、スクリュー4により前方に押し出した未加硫のゴムR1を、押出流路の内面と整流体8とのすき間に通過させて押出口6からゴム押出物Rを押し出すとともに、貫通路10を通じて糸部材Sを整流体8の前面から前方に吐出させて続けてゴム押出物Rに埋設させ、貫通路10を通じてゴム内部のエアAを外部に排出する。

目的

本発明の目的は、簡易な構成でありながら、ゴム押出物の押出方向の収縮を抑制し、収縮しない状態になるまでに要する時間を短縮するとともに、ゴム押出物の内部に残留するエアを抑制できるゴム押出装置および方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

筒状のシリンダと、このシリンダ内に配置されるスクリューと、このシリンダの先端に設置されるヘッドと、このヘッドの先端部に配置され押出口を有するダイとを備えたゴム押出装置において、前記押出口の前端面の近傍から前記シリンダ側に向かって少なくとも前記ダイの押出流路の内部まで延在する整流体と、この整流体の内部を経由してこの整流体の前面に開口を有する貫通路と、この貫通路を通過する糸部材とを備え、前記貫通路を通じて前記整流体の前面側の空間と外気とを連通させた状態にして、前記押出流路の内面と前記整流体とのすき間に、前記スクリューにより押し出されたゴムを通過させて前記押出口から前記ゴム押出物押し出すとともに、前記貫通路を通じて前記糸部材を前記整流体の前面から前方に吐出させ続けて前記ゴム押出物に埋設した状態にする構成にしたことを特徴とするゴム押出装置。

請求項2

前記整流体の前記押出口の前端面からの前記シリンダ側に向かう延在長さが10mm以上である請求項1に記載のゴム押出装置。

請求項3

前記整流体が板状である請求項1または2に記載のゴム押出装置。

請求項4

前記整流体の先端の位置が、前記押出口の前端面から前方に10mm〜後方に10mmの範囲にある請求項1〜3のいずれかに記載のゴム押出装置。

請求項5

前記糸部材が破断強力100N以下で、撚り構造である請求項1〜4のいずれかに記載のゴム押出装置。

請求項6

筒状のシリンダ内にゴム材料投入し、このシリンダに内設されたスクリューにより、前記ゴム材料を前方に押し出しつつ混合および混練した未加硫のゴムを、前記シリンダの先端に設置されたヘッドの先端部に配置されたダイの押出口からゴム押出物として押し出すゴム押出方法において、前記押出口の前端面の近傍から前記シリンダ側に向かって少なくとも前記ダイの押出流路の内部まで整流体を延在させて、この整流体の内部を経由してこの整流体の前面に開口を有する貫通路を形成して、この貫通路を通じて前記整流体の前面側の空間と外気とを連通させた状態にしておき、前記スクリューにより前方に押し出した未加硫のゴムを、前記押出流路の内面と前記整流体とのすき間に通過させて前記押出口から前記ゴム押出物を押し出すとともに、前記貫通路を通じて糸部材を前記整流体の前面から前方に吐出させて続けて前記ゴム押出物に埋設させることを特徴とするゴム押出方法。

請求項7

前記整流体の前記押出口の前端面からの前記シリンダ側に向かう延在長さを10mm以上にした請求項6に記載のゴム押出方法。

請求項8

前記整流体を板状にした請求項6または7に記載のゴム押出方法。

請求項9

前記整流体の先端の位置を、前記押出口の前端面から前方に10mm〜後方に10mmの範囲にした請求項6〜8のいずれかに記載のゴム押出方法。

請求項10

前記糸部材として、破断強力100N以下で、撚り構造を用いる請求項6〜9のいずれかに記載のゴム押出方法。

技術分野

0001

本発明は、ゴム押出装置および方法に関し、さらに詳しくは、簡易な構成でありながら、ゴム押出物押出方向の収縮を抑制し、収縮しない状態になるまでに要する時間を短縮するとともに、ゴム押出物の内部に残留するエアを抑制できるゴム押出装置および方法に関するものである。

背景技術

0002

イヤ等のゴム製品を製造する際には、ゴム押出装置によって未加硫ゴム押出す押出し工程がある。ゴム押出装置では、内設されたスクリューによって未加硫ゴムを可塑化し、先端のダイに形成された押出口から押し出すことにより、所定形状に型付けされたゴム押出物にする。このゴム押出物は、冷却後に所定長さに切断される。ゴムは粘弾性特性を有するので、押出し工程での歪をエネルギーとして内部に溜め込み、これが原因となって切断した後、主に、押出し方向に収縮(シュリンク)する。収縮が過大になると、予め設定された寸法との差異が大きくなり、後工程で支障が生じるという問題がある。

0003

このような問題を解決する方法は、従来、種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、押出機の下流側に配置した振動装置によって、ゴム押出物に振動を与えてゴムの収縮速度を早くする。このようにしてゴム押出物を十分に収縮させることにより、後工程での収縮を防止している。

0004

その他の対策として、押出機の下流側に複数の搬送コンベヤ直列に配置して、下流の搬送コンベヤ程、搬送速度を遅く設定する方法が知られている。この方法では、搬送コンベヤを乗り移る際にゴム押出物を強制的に収縮させることにより、後工程での収縮を防止している。しかしながら、これら従来の対策では、装置が大掛かりになるという問題がある。

先行技術

0005

特開平8−244090号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、簡易な構成でありながら、ゴム押出物の押出方向の収縮を抑制し、収縮しない状態になるまでに要する時間を短縮するとともに、ゴム押出物の内部に残留するエアを抑制できるゴム押出装置および方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するため本発明のゴム押出装置は、筒状のシリンダと、このシリンダ内に配置されるスクリューと、このシリンダの先端に設置されるヘッドと、このヘッドの先端部に配置され押出口を有するダイとを備えたゴム押出装置において、前記押出口の前端面の近傍から前記シリンダ側に向かって少なくとも前記ダイの押出流路の内部まで延在する整流体と、この整流体の内部を経由してこの整流体の前面に開口を有する貫通路と、この貫通路を通過する糸部材とを備え、前記貫通路を通じて前記整流体の前面側の空間と外気とを連通させた状態にして、前記押出流路の内面と前記整流体とのすき間に、前記スクリューにより押し出されたゴムを通過させて前記押出口から前記ゴム押出物を押し出すとともに、前記貫通路を通じて前記糸部材を前記整流体の前面から前方に吐出させ続けて前記ゴム押出物に埋設した状態にする構成にしたことを特徴とする。

0008

本発明のゴム押出方法は、筒状のシリンダ内にゴム材料投入し、このシリンダに内設されたスクリューにより、前記ゴム材料を前方に押し出しつつ混合および混練した未加硫のゴムを、前記シリンダの先端に設置されたヘッドの先端部に配置されたダイの押出口からゴム押出物として押し出すゴム押出方法において、前記押出口の前端面の近傍から前記シリンダ側に向かって少なくとも前記ダイの押出流路の内部まで整流体を延在させて、この整流体の内部を経由してこの整流体の前面に開口を有する貫通路を形成して、この貫通路を通じて前記整流体の前面側の空間と外気とを連通させた状態にしておき、前記スクリューにより前方に押し出した未加硫のゴムを、前記押出流路の内面と前記整流体とのすき間に通過させて前記押出口から前記ゴム押出物を押し出すとともに、前記貫通路を通じて糸部材を前記整流体の前面から前方に吐出させて続けて前記ゴム押出物に埋設させることを特徴とする。

発明の効果

0009

本発明によれば、前記押出流路の内面と前記整流体とのすき間に、前記スクリューにより押し出されたゴムを通過させることにより、このゴムは押出流路の内面および整流体の表面と接触しつつ押出口から押し出されることになる。このゴムの押出流路の内面および整流体の表面と接触する部分には、押出方向と直交する方向の歪が残留する。これら部分は、押出口から押し出された際に、この歪に起因して押出方向に伸び挙動を示すので、結果的にゴム押出物の収縮を抑えることができる。しかも、整流体を押出口の前端面から突出させているので、ゴム押出物のゴムには押出方向と直交する方向の歪を最大限に残留させることができ、これに伴って、ゴム押出物の収縮を抑える効果が増大する。即ち、大掛かりな構造を必要とすることなく、整流体を設けた簡易な構成でありながら、押出し直後からゴム押出物の押出方向の収縮を抑制できる。これにより、ゴム押出物が収縮しない状態になるまでに要する時間を短縮することが可能になる。

0010

一方、整流体を通過したゴムは整流体によって一時的に分割された状態になり、分割されたゴムどうしが接合した接合境界にはエアが残留し易くなる。そこで本発明では、前記貫通路を通じて前記整流体の前面側の空間と外気とを連通させた状態にしておくことで、前記貫通路を通じてゴム内部のエアを外部に排出させることができる。しかも、糸部材をこの貫通路に通過させて前記整流体の前面から前方に吐出させて続けるので、この貫通路はゴムによって塞がることがなく、安定してエアを外部に排出できる。

0011

さらに、ゴム押出物の内部にエアが残留していても、ゴム押出物に埋設されている糸部材を通じてエアをゴム押出物の外部に排出させることができる。そのため、押出流路に整流体を設置していない従来のゴム押出装置によって押し出したゴム押出物に比しても残留するエアを抑制できる。

0012

ここで、例えば、前記整流体の前記押出口の前端面からの前記シリンダ側に向かう延在長さが10mm以上である仕様にする。この仕様によれば、整流体の表面に接触するゴムの部分に対して、押出方向と直交する方向の歪を十分に与えることができる。そのため、ゴム押出物の押出方向の収縮を抑制するには有利になる。

0013

前記整流体は例えば板状にする。板状の整流体にすることで通過するゴムに対する抵抗が過大になることを防止できるので、ゴムを円滑に押出し易くなる。

0014

前記整流体の先端の位置は、例えば、前記押出口の前端面から前方に10mm〜後方に10mmの範囲にする。整流体の先端の位置が押出口の前端面から前方に10mm超であると、ゴム押出物にエアが残留し易くなる。一方、この位置が前記押出口の前端面から後方に10mm超であると、ゴム押出物の押出方向の収縮を抑制する効果が小さくなる。

0015

前記糸部材としては例えば、破断強力100N以下で、撚り構造を採用する。糸部材の破断強力が100N超であると、ゴム押出物を加硫したゴム製品において、糸部材による影響を無視し難くなる。また、撚り構造の糸部材を用いると、糸部材と通じてゴム押出物の内部のエアを外部に排出し易くなる。

図面の簡単な説明

0016

本発明のゴム押出装置を平面視で例示する説明図である。
図1のダイを正面視で例示する説明図である。
図1ヘッド周辺を側面断面視で例示する説明図である。
本発明のゴム押出装置に設けられている整流体によって、ゴム押出物の押出方向の収縮が抑制される効果を側面断面視で例示する説明図である。
ゴム押出物を押し出すとともに、糸部材をゴム押出物に埋設している状態を側面断面視で例示する説明図である。
本発明のゴム押出装置の別の実施形態のヘッド周辺を側面断面視で例示する説明図である。
本発明のゴム押出装置のさらに別の実施形態のダイを正面視で例示する説明図である。
図7のヘッド周辺を側面断面視で例示する説明図である。
従来のゴム押出装置によって押し出した直後のゴム押出物の状態を側面断面視で例示する説明図である。

0017

以下、本発明のゴム押出装置および方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。

0018

図1図3に例示する本発明のゴム押出装置1は、筒状のシリンダ2と、シリンダ2の内部に配置されるスクリュー4と、シリンダ2の先端に設置されるヘッド3とを備えている。ヘッド3の先端にはダイ5が取り付けられている。ダイ5には押出口6が形成されていている。このゴム押出装置1はさらに、整流体8と、糸供給リール11から供給される糸部材Sとを備えている。図1ではゴム押出物Rを仮想線二点鎖線)で示している。この整流体8は平板状であるが、板状の他、円柱状は円錐状、角錐状など様々な形状を採用することができる。

0019

整流体8の先端8aは押出口6の前端面の近傍に位置していて、整流体8の後端8bはシリンダ2側に向かって少なくともダイ5の押出流路7の内部の位置にある。即ち、整流体8は、押出口6の前端面の近傍からシリンダ2側に向かって少なくともダイ5の押出流路7の内部まで延在している。

0020

本発明において押出口6の近傍とは、例えば、押出口6の前端面から前方に10mm〜後方に10mmの範囲である。この実施形態では、整流体8の先端8aは、押出口6の前端面から突出長さaだけ前方に突出した位置にあり、突出長さaは10mm以下が好ましい。

0021

整流体8の押出口6の前端面からのシリンダ2側に向かう延在長さbは10mm以上にすることが好ましい。この整流体8は、整流体8から下方に延びる接続部9を介してダイ5に固定されていて、ダイ5およびヘッド3に形成された押出流路7に跨って延在している。整流体8は、ダイ5に形成された押出流路7のみに延在させることもできるが、ダイ5およびヘッド3に形成された押出流路7の内部に設置するとよい。延在長さbの上限値は例えば100mm程度であるが、これに限定されずに200mm程度にすることもできる。

0022

この実施形態では、1枚の平板状の整流体8が板厚方向を押出口6の厚さ方向に向けて配置されて、押出口6の幅方向中央部に配置されている。押出流路7と整流体8との幅方向のすき間w、wは10mm以上である。左右のすき間w、wは異ならせることもできるが同じにするとよい。押出流路7と整流体8との厚さ方向のすき間t1、t2はそれぞれ0.5mm以上である。上下のすき間t1、t2は異ならせることもできるが同じにするとよい。

0023

整流体8には、その内部を経由してその前面に開口を有する貫通路10が形成されている。この実施形態では、貫通路10の一端開口は整流体8の前面に位置していて、他端開口はダイ5の下面に位置している。貫通路10は整流体8、接続部9およびダイ5を貫通していて、貫通路10を通じて整流体8の前面側の空間と外気とが連通した状態になっている。

0024

貫通路10の他端開口の位置は、これに限定されず、貫通路10を通じて整流体8の前面側の空間と外気とを連通した状態できればよい。例えば、貫通路10の他端開口を、ダイ5の前面、側面やヘッド3に設けることもできる。

0025

糸部材Sは糸供給リール11に巻き取られている。糸供給リール11から繰り出された糸部材Sは、途中を支持ローラ11aに支持されて貫通路10の他端開口に挿入される。貫通路10の他端開口に挿入された糸部材Sは、貫通路10を通過して、整流体8の前面の一端開口から吐出される。

0026

支持ローラ11aは糸部材Sに適度なテンションを付与する機能とともに、貫通路10の他端開口に糸部材aが円滑に挿入させる位置決め機能を有する。糸供給リール11および支持ローラ11aは例えば、円滑にフリー回転できる構成にする。

0027

貫通路10の内径は、糸部材Sが円滑に通過可能な大きさに設定されるが、糸部材Sの外径に対して過大でなない。例えば、貫通路10の内径は、糸部材Sの外径よりも0.5mm〜3mm程度大きく設定される。

0028

糸部材Sは例えば、破断強力を100N以下にする。糸部材Sには、様々な材質を用いることができるが、例えば、ナイロンポリエステルレーヨン等の合成繊維や綿等の天然繊維を用いる。糸部材Sは撚り構造であることが好ましい。

0029

次に、糸部材Sが埋設された状態のゴム押出物Rを製造する本発明のゴム押出方法の手順を説明する。生産ラインでこのゴム押出装置1によってゴム押出物Rを押し出す際には、所定量のゴム材料(未加硫ゴムおよび配合剤)をシリンダ2内に投入する。ゴム材料は回転するスクリュー4により混合、混練される。混合および混練されて製造された未加硫のゴムR1は、ある程度柔らかくなって(可塑化されて)押出口6から押出口6の断面形状に型付けされて、未加硫のゴム押出物Rとしてシート状に押し出される。例えば、所定形状に形成されたタイヤトレッドゴムなどのゴム押出物Rが、本発明より製造される。

0030

この際に、スクリュー4により前方に押し出されたゴムR1が、押出流路7と整流体8の間のすき間を通過して押出口6から押し出される。即ち、スクリュー4によってシリンダ2側から押し出されたゴムR1は、押出流路7の内面および整流体8の表面と接触しつつ押出口6から板状のゴム押出物Rとして押し出される。次いで、ゴム押出物Rは後工程に搬送される。

0031

ここで、整流体8を備えていない図9に例示する従来のゴム押出装置では、ゴム押出物Rは、押出流路7の内面に接触しつつ押出口6から押出される。この際に、押出流路7の内面と接触する部分には、押出方向と直交する方向の歪が残留する。本発明の発明者は、従来のゴム押出装置による多数のゴム押出物Rの形状を観察、分析することにより、図9に例示するように、この歪が残留した部分は、押し出された際に、この歪に起因して先端方向(押出方向)に伸びる挙動を示すことを知得した。

0032

そのため、ゴム押出物Rの先端部は、外周部分が相対的に先端方向(押出方向)に突出し、断面中央部が相対的に後方に窪んだ形状になる。即ち、ゴム押出物Rを押出す直前に押出方向と直交する方向に歪を残留させると、押出後にその部分が押出方向に伸び、これに伴って、収縮しようとする断面中央部の収縮を抑制する。本発明はこの原理を利用している。

0033

本発明のゴム押出装置1では図4に例示するように、押出流路7の内面および整流体8の表面と接触する部分には、押出方向と直交する方向の歪が残留する。この歪が残留した部分が、押し出された際に、この歪に起因して押出方向に伸びる挙動を示すので、従来に比して、押出方向に伸びる部分が増大する。その結果、収縮しようとする断面中央部の収縮が抑制されて、全体として、ゴム押出物Rの収縮が抑制されることになる。

0034

しかも、本発明では、整流体8を押出口6の前端面から前方に突出させているので、ゴム押出物Rのゴムには押出方向と直交する方向の歪を最大限に残留させることができる。これに伴って、ゴム押出物Rの収縮を抑える効果を最大限に増大させることができる。

0035

それ故、本発明のゴム押出装置1によれば、大掛かりな構造を必要とすることなく、整流体8を設けた簡易な構成でありながら、押出し直後からゴム押出物Rの押出方向の収縮を抑制することが可能になる。これにより、ゴム押出物Rが収縮しない状態になるまでに要する時間を短縮することが可能になる。

0036

整流体8の押出口6の前端面から前方への突出長さaが10mm程度であれば、整流体8によって一時的に分割されたゴムR1は、押し出された流れのなかで、分割された後ですぐに分割面どうしが自然に接合して一体化する。即ち、整流体8によって分割された未加硫ゴムのスウェル(広がろうとする性質)によって、ゴム押出物Rの分割面どうしが自動的に接合する。それ故、ゴム押出物Rはそのまま製造ラインの次工程に送って使用することができる。

0037

一方で、整流体8の前端部ではゴムR1の流速が相対的に遅くなるため、整流体8の前面にはエアA溜まりが発生することになる。これに伴って、整流体8によって一時的に分割されたゴムR1が接合する接合境界にはエアAが残留し易くなる。ゴム押出物Rの内部にエアAが残留していると、加硫したゴム製品に膨れ境界剥離が発生したり、加硫時間が長くなる等の不具合が生じる。

0038

本発明では、この問題を解決するために貫通路10を通じて整流体8の前面側の空間と外気とを連通させた状態にしている。そして、図5に例示するように、押出口6からゴム押出物Rを押し出すとともに、貫通路10を通じて糸部材Sを整流体8の前面から前方に吐出させて続けてゴム押出物Rに埋設させている。整流体8の前面から前方に吐出させた糸部材Sは、整流体8によって一時的に分割されたゴムR1が接合する際に、その接合境界に挟まれるため、ゴム押出物Rとともに前方に押し出されることになる。

0039

整流体8の前端部に溜まっているエアAは、ダイ5での内圧によって整流体8の前面から貫通路10に入り込む。そして、糸部材Sが通過している貫通路10を通じてエアAがゴム内部から外部(外気)に排出されるため、ゴム押出物Rの内部に残留するエアAを抑制することができる。

0040

しかも、糸部材Sが貫通路10を通過して整流体8の前面から前方に吐出し続けるので、貫通路10はゴムR1によって塞がることがない。そのため、貫通路10を通じて安定してエアAを外部へ排出させることができる。

0041

さらに、ゴム押出物Rの押出方向に延在して埋設された糸部材Sは、ゴム押出物Rの押出方向端面に露出する。そのため、ゴム押出物Rの内部にエアAが残留していても、ゴム押出物Rに埋設されている糸部材Sを通じてエアAをゴム押出物Rの外部に排出させることができる。これにより、押出流路に整流体8を設置していない図9に例示した従来の押出装置によって押し出したゴム押出物Rに比しても、ゴム押出物Rの内部に残留するエアAを抑制することが可能になる。尚、撚り構造の糸部材Sを採用すると、エアAを取り込み易くなるため、ゴム押出物Rの内部に残留するエアAを外部に排出するには有利になる。

0042

整流体8の延在長さbを10mm以上にすると、整流体8の表面に接触するゴムの部分に対して、押出方向と直交する方向の歪を十分に与えることができる。そのため、ゴム押出物Rの押出方向の収縮を抑制するには有利になる。適切な延在長さbは例えば、10mm〜50mmである。

0043

整流体8を板状にすることで通過するゴムR1に対する抵抗が過大になることを防止できるので、ゴムR1を円滑に押出し易くなる。平板状の整流体8は、相対的に面積が大きい平面が押出流路7の相対的に面積が大きい内面に対向するように、押出流路7の延設方向に沿った向きに延在させる。例えば、断面四角形状の押出流路7の場合は断面四角形状の整流体8を使用し、断面円形状の押出流路7の場合は断面円形状の整流体8を使用して、押出流路7と整流体8の断面形状どうしは同じ形状(相似形状)にする。

0044

また、押出流路7の断面積に対して整流体8の断面積が過大になると、ゴムに対する抵抗が過大になり、ゴム温度が高くなり過ぎる、或いは、整流体8に過大な外力が作用する等の問題が生じる。そのため、押出流路7の断面積に対する整流体8の断面積が占める割合は40%以下が好ましく、より好ましくは5%〜30%、さらに好ましくは5%〜20%にする。

0045

本発明より押し出されたゴム押出物Rには、糸部材Sが埋設されたままになるが、糸部材Sの外径や剛性が過大でなければ、ゴム押出物Rを加硫したゴム製品において、糸部材Sによる影響を無視することができる。加硫したゴム製品における糸部材Sによる影響を無視するには、糸部材Sの破断強力を100N以下にするとよい。

0046

この実施形態では、1つの整流体8に1本の貫通路10を設けているが、1つの整流体8に複数本の貫通路10を設けることもできる。そして、それぞれの貫通路10を通じて整流体8の前面から糸部材Sを吐出させ続けてゴム押出物Rに埋設した状態にする構成にする。

0047

また、複数の整流体8を設けて、それぞれの整流体8の前面に開口を有する貫通路10から糸部材Sを吐出させ続けてゴム押出物Rに埋設する構成にすることもできる。この場合、押出流路7の断面視で、整流体8の表面と押出流路7の内面との最大離間距離、隣り合う整流体8どうしの最大離間距離が100mm以下になるように配置にすることが好ましい。具体的には、押出口6が幅寸法300mm、高さ寸法50mmの長方形状の場合、押出流路7には例えば幅寸法10mm、高さ寸法5mmの3つの整流体8を幅方向に配置し、互いの幅方向間隔、最も右側の整流体8と押出口6の右内面、最も左側の整流体8と押出口6の左内面がそれぞれ等間隔になるようにすることが好ましい。

0048

図6に例示するゴム押出装置1の実施形態は、先の実施形態に対して整流体8の先端8aの位置のみが異なる。この整流体8の先端8aは、押出口6の前端面から引っ込み長さcだけ後方に引っ込んだ位置にあり、引っ込み長さcは10mm以下が好ましい。

0049

この実施形態では、先の実施形態よりもゴム押出物Rの押出方向の収縮を抑制する効果が小さくなる。一方で、整流体8によって分割された未加硫ゴムのスウェルだけで、一時的に分割されたゴム押出物Rの分割面どうしを自動的に接合させ易くなる。

0050

図7図8のゴム押出装置1の実施形態は、図1図3に例示した実施形態に対して、整流体8の仕様のみが異なる。この実施形態では、平板状の1枚の整流体8がその板厚方向を押出口6の幅方向に向けて、押出口6の幅方向中央部に配置されている。整流体8の先端下方の隅に切欠部8cが形成されている。

0051

整流体8の上端部が押出流路7の内面に固定され、整流体8の下端部が押出流路7の内面に固定されて、ダイ5およびヘッド3に形成された押出流路7に跨って延在している。押出流路7と整流体8との厚さ方向のすき間tは0.5mm以上である。即ち、整流体8に切欠部8cが形成されることにより、厚さ方向のすき間tが設けられている。このすき間tは、整流体8の上側に切欠部8cを形成して上側に設けることもできる。或いは、整流体8の上側および下側に一対の切欠部8cを形成して上側および下側にすき間tを設けることもできる。

0052

切欠部8cは、押出口6の前端面から後方に引っ込み長さdだけ引っ込んだ位置にする。整流体8の前端を通過した直後にゴム押出物Rを確実に一体化させるには、引っ込み長さdを1mm以上に設定するとよい。

0053

図1図3に例示したゴム押出装置と同様のゴム押出装置を用いてゴム押出物を押し出した。この際に、整流体の前面に開口する貫通路の有無を異ならせて押し出しを行なった。整流体は、平板状であり、押出口の前端面よりも前方に2mm突出した位置からシリンダ側に12mm延在させ、押出したゴムを押出流路の内面と整流体とのすき間に通過させてゴム押出物を押出口から押し出した。押出流路の断面積に対して、整流体の断面積が占める割合は10%程度であった。

0054

整流体に貫通路を設けたゴム押出装置(実施例)では、内径1.5mmの貫通路を通じて糸部材を整流体の前面から前方に吐出させ続けてゴム押出物に埋設した。糸部材には、外径1mmの撚り構造の綿を使用した。整流体に貫通路を設けた場合(実施例)と設けない場合(比較例)、比較例から整流体を外した従来のゴム押出装置にした場合の3種類のゴム押出物のサンプルについて、押出直後と十分に押出方向の収縮が収まった時とを比較して、押出方向の収縮率を測定した。その結果、実施例および比較例は、従来例に比して、押出方向の収縮率が40%程度低減したことが確認できた。

実施例

0055

また、実施例、比較例、従来例のゴム押出物のサンプルを加硫してブローポイントを確認した。その結果、従来例のブローポイントを基準の1.0(指数)とした場合、比較例は1.1、実施例は0.9であった。この指数の数値は小さい程、加硫に要する時間が短いことを示し、残留していたエアが少ないことを意味する。したがって、実施例は従来例に比して、ゴム押出物に内部に残留するエアが少ないことが分かる。

0056

1ゴム押出装置
2シリンダ
3ヘッド
4スクリュー
5 ダイ
6押出口
7押出流路
8整流体
8a 先端
8b後端
8c切欠部
9 接続部
10貫通路
11 糸供給リール
11a支持ローラ
A エア
Rゴム押出物
R1 ゴム
S 糸部材

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