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技術 プロピレン系樹脂付着繊維束

出願人 ダイセルポリマー株式会社
発明者 片山昌広
出願日 2015年9月30日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-193032
公開日 2017年4月6日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2017-065058
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等の押出成形 プラスチック等の成形材料の処理、取扱一般
主要キーワード 繊維束径 炭素繊維濃度 付着繊維 樹脂成形法 切断直後 冷却工程後 無水マレイン酸換算 含浸繊維束
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

炭素繊維濃度繊維束径を相互に関連づけることで、炭素長繊維束プロピレン系樹脂との結合力が高められたプロピレン系樹脂付着繊維束の提供。

解決手段

炭素繊維束にプロピレン系樹脂が付着されて一体化されたものが切断されているプロピレン系樹脂付着炭素繊維束であって、前記プロピレン系樹脂が、プロピレンホモポリマーおよびプロピレンコポリマーから選ばれるベースポリマーと、酸基含有プロピレン系樹脂および/またはアミノ基含有プロピレン系樹脂を含むものであり、前記炭素繊維束が表面にサイジング剤が付着されたものであり、外径が2.8〜4.2mm、炭素繊維濃度が5〜25質量%、長さが4〜50mmである、プロピレン系樹脂付着炭素繊維束。

概要

背景

特許文献1〜3には、プロピレン樹脂炭素長繊維束を使用した炭素長繊維強化樹脂ペレットを含む発明が記載されている。

特許文献1は、エポキシ基を有するエポキシサイジング剤表面処理された炭素繊維と、マレイン酸変性ポリプロピレンなどからなる炭素長繊維強化樹脂ペレットから得られる成形品の発明である。
サイジング剤のエポキシ基とマレイン酸加熱反応により、機械的強度の良い成形品が得られることが記載されている(段落番号0016)。
実施例(表1、表2)では、炭素繊維濃度は30%と40%の例が記載されている。

特許文献2の発明は、エポキシ基を有するエポキシサイジング剤で表面処理された炭素繊維と、マレイン酸変性ポリプロピレンなどを使用した炭素長繊維強化樹脂ペレットの製造方法であり、炭素長繊維強化樹脂ペレットを製造した後、特定の加熱処理条件加熱処理するものである。
前記特定条件の加熱処理をすることで、機械的物性が良い成形品が得られることが記載されている(段落番号0007,0025)。

特許文献3は、酸基含有ポリオレフィン系樹脂(A)を、酸基と反応し得る官能基を有するサイジング剤(s)で表面処理された炭素繊維に含浸した炭素長繊維強化樹脂ペレットから射出成形される成形品であって、射出成形時の射出成形機シリンダー温度が250〜300℃である炭素長繊維強化樹脂成形品の発明である。
射出成形時の射出成形機シリンダー温度を250〜300℃の範囲にすることで、成形品の機械的物性が向上されることが記載されている(段落番号0025)。
表1の実施例では、例えば、実施例1(炭素繊維濃度40質量%)と実施例8(炭素繊維濃度20質量%)のように、他の条件が同じであれば、炭素繊維濃度が高い方の機械的強度が大きくなっている。

概要

炭素繊維濃度と繊維束径を相互に関連づけることで、炭素長繊維束とプロピレン系樹脂との結合力が高められたプロピレン系樹脂付着繊維束の提供。炭素繊維束にプロピレン系樹脂が付着されて一体化されたものが切断されているプロピレン系樹脂付着炭素繊維束であって、前記プロピレン系樹脂が、プロピレンホモポリマーおよびプロピレンコポリマーから選ばれるベースポリマーと、酸基含有プロピレン系樹脂および/またはアミノ基含有プロピレン系樹脂を含むものであり、前記炭素繊維束が表面にサイジング剤が付着されたものであり、外径が2.8〜4.2mm、炭素繊維濃度が5〜25質量%、長さが4〜50mmである、プロピレン系樹脂付着炭素繊維束。なし

目的

本発明は、炭素繊維濃度と繊維束径を相互に関連づけることで、炭素長繊維束とプロピレン系樹脂との結合力が高められたプロピレン系樹脂付着繊維束、その製造方法、前記繊維束から得られる成形品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

炭素繊維束プロピレン系樹脂が付着されて一体化されたものが切断されているプロピレン系樹脂付着炭素繊維束であって、前記プロピレン系樹脂が、プロピレンホモポリマーおよびプロピレンコポリマーから選ばれるベースポリマーと、酸基含有プロピレン系樹脂および/またはアミノ基含有プロピレン系樹脂を含むものであり、前記炭素繊維束が表面にサイジング剤が付着されたものであり、外径が2.8〜4.2mm、炭素繊維濃度が5〜25質量%、長さが4〜50mmである、プロピレン系樹脂付着炭素繊維束。

請求項2

炭素繊維束にプロピレン系樹脂が付着されて一体化されたものが切断されているプロピレン系樹脂付着炭素繊維束であって、前記プロピレン系樹脂が、プロピレンホモポリマーおよびプロピレンコポリマーから選ばれるベースポリマーと、酸基含有プロピレン系樹脂および/またはアミノ基含有プロピレン系樹脂を含むものであり、前記炭素繊維束が表面にサイジング剤が付着されたものであり、前記プロピレン系樹脂付着炭素繊維束が、(a)炭素繊維20000〜28000本のとき、外径が3.3〜4.2mm、炭素繊維濃度が10〜25質量%、長さが4〜50mm、(b)炭素繊維5000本〜16000本のとき、外径が2.8mm以上、3.3mm未満、炭素繊維濃度が5〜20質量%、長さが4〜50mm。

請求項3

酸基含有プロピレン系樹脂が、マレイン酸または無水マレイン酸変性されたプロピレンホモポリマーまたはプロピレンコポリマーであり、サイジング剤がエポキシ基を含有するものである、請求項1または2記載のプロピレン系樹脂付着炭素繊維束。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂付着炭素繊維束の製造方法であって、炭素繊維ロービングを連続的に引いてクロスヘッドダイに通しながら、溶融状態のプロピレン系樹脂を押出機から前記クロスヘッドダイに供給して、前記炭素繊維ロービングに前記プロピレン系樹脂を付着させる工程、前記プロピレン系樹脂を付着した炭素繊維ロービングを前記クロスヘッドダイからストランド状に押し出した後、室温雰囲気にて水槽内に通して冷却する工程、その後、5〜40mm長さに切断する工程を有しており、前記切断工程時の前記ストランドの表面温度が30℃〜100℃である、プロピレン系樹脂付着炭素繊維束の製造方法。

請求項5

請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂付着炭素繊維束からなる成形品であって、前記成形品中プロピレン樹脂成分が、前記プロピレン系樹脂付着炭素繊維束に含まれているプロピレン系樹脂のみからなるものである、成形品。

技術分野

0001

本発明は、プロピレン系樹脂付着繊維束、その製造方法、前記繊維束から得られる成形品に関する。

背景技術

0002

特許文献1〜3には、プロピレン樹脂炭素長繊維束を使用した炭素長繊維強化樹脂ペレットを含む発明が記載されている。

0003

特許文献1は、エポキシ基を有するエポキシサイジング剤表面処理された炭素繊維と、マレイン酸変性ポリプロピレンなどからなる炭素長繊維強化樹脂ペレットから得られる成形品の発明である。
サイジング剤のエポキシ基とマレイン酸加熱反応により、機械的強度の良い成形品が得られることが記載されている(段落番号0016)。
実施例(表1、表2)では、炭素繊維濃度は30%と40%の例が記載されている。

0004

特許文献2の発明は、エポキシ基を有するエポキシサイジング剤で表面処理された炭素繊維と、マレイン酸変性ポリプロピレンなどを使用した炭素長繊維強化樹脂ペレットの製造方法であり、炭素長繊維強化樹脂ペレットを製造した後、特定の加熱処理条件加熱処理するものである。
前記特定条件の加熱処理をすることで、機械的物性が良い成形品が得られることが記載されている(段落番号0007,0025)。

0005

特許文献3は、酸基含有ポリオレフィン系樹脂(A)を、酸基と反応し得る官能基を有するサイジング剤(s)で表面処理された炭素繊維に含浸した炭素長繊維強化樹脂ペレットから射出成形される成形品であって、射出成形時の射出成形機シリンダー温度が250〜300℃である炭素長繊維強化樹脂成形品の発明である。
射出成形時の射出成形機シリンダー温度を250〜300℃の範囲にすることで、成形品の機械的物性が向上されることが記載されている(段落番号0025)。
表1の実施例では、例えば、実施例1(炭素繊維濃度40質量%)と実施例8(炭素繊維濃度20質量%)のように、他の条件が同じであれば、炭素繊維濃度が高い方の機械的強度が大きくなっている。

先行技術

0006

特許第4354776号公報
特許第5021066号公報
特開2007−112041号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、炭素繊維濃度と繊維束径を相互に関連づけることで、炭素長繊維束とプロピレン系樹脂との結合力が高められたプロピレン系樹脂付着繊維束、その製造方法、前記繊維束から得られる成形品を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、炭素繊維束にプロピレン系樹脂が付着されて一体化されたものが切断されているプロピレン系樹脂付着炭素繊維束であって、
前記プロピレン系樹脂が、プロピレンホモポリマーおよびプロピレンコポリマーから選ばれるベースポリマーと、酸基含有プロピレン系樹脂および/またはアミノ基含有プロピレン系樹脂を含むものであり、
前記炭素繊維束が表面にサイジング剤が付着されたものであり、
外径が2.8〜4.2mm、炭素繊維濃度が5〜25質量%、長さが4〜50mmである、プロピレン系樹脂付着炭素繊維束とその製造方法を提供する。

0009

また本発明は、炭素繊維束にプロピレン系樹脂が付着されて一体化されたものが切断されているプロピレン系樹脂付着炭素繊維束であって、
前記プロピレン系樹脂が、プロピレンホモポリマーおよびプロピレンコポリマーから選ばれるベースポリマーと、酸基含有プロピレン系樹脂および/またはアミノ基含有プロピレン系樹脂を含むものであり、
前記炭素繊維束が表面にサイジング剤が付着されたものであり、
前記プロピレン系樹脂付着炭素繊維束が、
(a)炭素繊維20000〜28000本のとき、外径が3.3〜4.2mm、炭素繊維濃度が10〜25質量%、長さが4〜50mm、
(b)炭素繊維5000本〜16000本のとき、外径が2.8mm以上、3.3mm未満、炭素繊維濃度が5〜20質量%、長さが4〜50mmである、プロピレン系樹脂付着炭素繊維束とその製造方法を提供する。

0010

さらに本発明は、上記プロピレン系樹脂付着炭素繊維束からなる成形品を提供する。

発明の効果

0011

本発明のプロピレン系樹脂付着炭素繊維束から得られた成形品は、機械的強度が大きい。

0012

<プロピレン系樹脂付着炭素繊維束>
本発明のプロピレン系樹脂付着炭素繊維束で使用されているプロピレン系樹脂は、ベースポリマーと、酸基含有プロピレン系樹脂および/またはアミノ基含有プロピレン系樹脂を含むものである。
ベースポリマーは、プロピレンホモポリマー、プロピレンコポリマーから選ばれるものが好ましい。
プロピレンコポリマーは、プロピレンエチレンコポリマーが好ましく、ランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。
プロピレンとエチレンのコポリマーは、プロピレン単位が50モル%以上であるものが好ましい。
酸基含有プロピレン系樹脂とアミノ基含有プロピレン系樹脂は、それぞれを単独で使用することが好ましいが、併用することもできる。

0013

酸基含有プロピレン系樹脂は、特許文献1、2および3にも記載されている公知のものであり、
(i)プロピレンホモポリマーまたはプロピレンコポリマーに不飽和カルボン酸またはその誘導体グラフト重合したもの、
(ii)プロピレンホモポリマーまたはプロピレンコポリマーの原料モノマーと不飽和カルボン酸またはその誘導体を共重合したもの、
(iii)(ii)で得られたものにさらに不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト重合したものなどを使用することができる。

0014

不飽和カルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸イタコン酸アクリル酸メタクリル酸などのカルボキシル基、および必要に応じてヒドロキシル基やアミノ基やエポキシ基などの官能基が導入された重合性二重結合を有する化合物を挙げることができる。
また不飽和カルボン酸の誘導体としては、これらの酸無水物エステルアミドイミド金属塩などを挙げることができ、それの例としては、無水マレイン酸無水イタコン酸アクリル酸メチルアクリル酸エチルアクリル酸ブチルアクリル酸グリシジルメタクリル酸メチルメタクリル酸エチルメタクリル酸グリシジルマレイン酸モノエチルエステルマレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、アクリルアミドメタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸モノアミド、マレイミド、N−ブチルマレイミド、メタクリル酸ナトリウムなどを挙げることができる。
これらの中でもアクリル酸およびメタクリル酸のグリシジルエステル、無水マレイン酸である。

0015

酸基含有プロピレン系樹脂としては、ポリエチレン/エチレンとメタクリル酸グリシジルの共重合体、ポリエチレン/無水マレイン酸グラフトエチレン・ブテン−1共重合体の組み合わせ、ポリプロピレン無水マレイン酸グラフトポリプロピレンなどが好ましい。

0016

酸基含有プロピレン系樹脂の酸変性量は、無水マレイン酸換算で、0.05〜10質量%が好ましく、0.07〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%がさらに好ましい。

0017

プロピレン系樹脂中のベースポリマーと、酸基含有プロピレン系樹脂および/またはアミノ基含有プロピレン系樹脂の含有割合は、ベースポリマーは85〜99質量%が好ましく、90〜97質量%がより好ましく、酸基含有プロピレン系樹脂および/またはアミノ基含有プロピレン系樹脂は合計を100質量%とするときの残部割合である。

0018

本発明のプロピレン系樹脂付着炭素繊維束で使用されている炭素繊維は、特許文献1、2および3にも記載されている公知のものであり、サイジング剤で表面処理されたポリアクリロニトリル(PAN)系、ピッチ系レーヨン系などの炭素繊維であり、好ましくはPAN系の炭素繊維である。
炭素繊維は、多数の単糸集束されたロービング状のものが市販されており、太さ、本数、長さには特に制限はないが、単糸径で20μm以下、好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下のものが好ましい。

0019

炭素繊維を表面処理するサイジング剤は、特許文献1、2および3にも記載されている公知のものであり、酸基含有プロピレン系樹脂の酸基およびアミノ基含有プロピレン系樹脂のアミノ基と反応できる官能基を有するものである。
サイジングは、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基およびエポキシ基から選ばれる官能基を有する化合物を使用することができ、前記化合物は2種以上を組み合わせて使用することができる。
サイジング剤として使用する化合物は、一分子中に複数の同じ官能基を有しているものでもよいし、一分子中に複数の異なる官能基を有しているものでもよい。
サイジング剤として使用する化合物は、一分子中に官能基を2個以上有しているものが好ましく、一分子中に官能基を3個以上有しているものがより好ましい。
サイジング剤として使用する化合物は、エポキシ化合物アクリル酸系ポリマー多価アルコール系化合物ポリエチレンイミンなどを挙げることができる。

0020

サイジング剤としては、複数のエポキシ基を有する脂肪族化合物を使用することができ、ジグリシジルエーテル化合物ポリグリシジルエーテル化合物などを挙げることができる。
ジグリシジルエーテル化合物は、エチレングリコールジグリシジルエーテルおよびポリエチレングリコールジグリシジルエーテル類、プロピレングリコールジグリシジルエーテルおよびポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテルポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類などを挙げることができる。
ポリグリシジルエーテル化合物は、グリセロールポリグリシジルエーテルジグリセロールポリグリシジルエーテルポリグリセロールポリグリシジルエーテル類、ソルビトールポリグリシジルエーテル類アラビトールポリグリシジルエーテル類、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル類、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル類、脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル類などを挙げることができる。
好ましくは、反応性の高いグリシジル基を有する脂肪族のポリグリシジルエーテル化合物であり、より好ましくは、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル類、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、アルカンジオールジグリシジルエーテル類などである。

0021

このようなサイジング剤で表面処理された炭素繊維としては、市販品として、トレカT700SC−24000−50Cなどのトレカ(登録商標、東レ(株)社製)などを使用することができる。

0022

本発明のプロピレン系樹脂付着炭素繊維束は、炭素繊維束にプロピレン系樹脂が付着されて一体化されたものが切断されたものである。
本発明のプロピレン系樹脂付着炭素繊維束は、付着状態によって次の3つの形態に分けることができる。
(I)強化用長繊維束の中心部まで樹脂浸透され(含浸され)、繊維束を構成する中心部の繊維間にまで樹脂が入り込んだ状態のもの(以下「プロピレン系樹脂含浸繊維束」という)。
(II)強化用長繊維束の表面のみが樹脂で覆われた状態のもの(以下「プロピレン系樹脂表面被覆繊維束」という)。
(III)それらの中間のもの(繊維束の表面が樹脂で覆われ、表面近傍のみに樹脂が含浸され、中心部にまで樹脂が入り込んでいないもの)(以下「プロピレン系樹脂一部含浸繊維束」という)。
本発明では、プロピレン系樹脂含浸繊維束とプロピレン系樹脂表面被覆繊維束が好ましく、プロピレン系樹脂含浸繊維束がより好ましい。
(I)〜(III)の形態の樹脂付着繊維束は、特開2013−107979号公報に記載されている(但し、前記公報では、プロピレン系樹脂は使用されていない)。

0023

本発明のプロピレン系樹脂付着炭素繊維束は、外径が2.8〜4.2mm、炭素繊維濃度が5〜25質量%、長さが4〜50mmを満たしているものである。

0024

本発明のプロピレン系樹脂付着炭素繊維束は、炭素繊維束中の炭素繊維本数により異なる径にすることができる。
(a)炭素繊維20000〜28000本のとき、外径が3.3〜4.2mm、炭素繊維濃度が10〜25質量%、長さが4〜50mm。
(b)炭素繊維5000本〜16000本のとき、外径が2.8mm以上、3.3mm未満、炭素繊維濃度が5〜20質量%、長さが4〜50mm。

0025

<プロピレン系樹脂付着炭素繊維束の製造方法>
本発明のプロピレン系樹脂付着炭素繊維束の製造方法は、
炭素繊維ロービング(炭素繊維束)にプロピレン系樹脂を付着させる工程、
必要に応じて賦形してストランド状に押し出した後、冷却する工程、
所定長さに切断する工程、を有している。

0026

炭素繊維ロービング(炭素繊維束)にプロピレン系樹脂を付着させる工程は、特開2013−107979号公報の実施例などに記載の方法を応用して実施することができるほか、特許文献1〜3に記載の製造方法と同様に実施することもできる。

0027

冷却工程は、前記クロスヘッドダイに接続した賦形ダイからストランド状に押し出した後、室温(20〜30℃)雰囲気にて水槽内に通して冷却する。
冷却工程は、次工程である切断工程の切断時におけるストランドの表面温度が30〜100℃の範囲、好ましくは40〜90℃の範囲に調整できるようにする。
冷却方法としては、水温を室温より低い温度、例えば5〜15℃に維持した水槽内にストランド(押出後のストランド)を通す方法を適用することができる。
また冷却時間(水槽内を通す時間)は、水槽の長さを調整することで調整することができ、例えば、100〜300mm長さの水槽を複数組み合わせ、その水槽の数を増減させることで冷却時間を調整することができる。

0028

冷却工程後、4〜50mmの長さに切断するが、上記したとおり、切断時のストランドの表面温度は30〜100℃である。
冷却工程と切断工程は、いずれも室温雰囲気(20〜30℃)で実施されるため、切断直後の炭素繊維束の表面温度も実質的に30〜100℃の範囲となっている。

0029

クロスヘッドダイからストランド状に押し出された段階では、まだ高温状態であるため、炭素繊維束を表面処理しているサイジング剤のエポキシ基などの官能基と、酸基含有プロピレン系樹脂の酸基またはアミノ基含有プロピレン系樹脂のアミノ基の反応が進行しているが、冷却工程において冷却されることで反応は停止される。
エポキシ基と酸基またはアミノ基の反応を十分に進行させて機械的強度の高い成形品を得る点からは、自然冷却したり、温水中を通したりするなどのより緩和な条件で冷却することで、前記反応時間を長く確保する方法が考えられる。
しかし、そのような緩和な冷却方法であると、冷却工程から切断工程までの製造ラインが長くなること、全体の製造時間が長くなることなどの問題が生じて、生産性が低下してしまう。
しかし、本願発明の製造方法では、
(i)切断工程の切断時におけるストランドの表面温度が30〜100℃の範囲(好ましくは40〜90℃の範囲)に調整されていること、
(ii)最終的なプロピレン系樹脂付着炭素繊維束の径を大きくすることで、前記径が小さいものと比べると冷えにくくされていること、
の二つの要件具備しているため、炭素繊維表面に存在するエポキシ基などの官能基とプロピレン系樹脂に含まれている酸基またはアミノ基との反応時間をより長く確保することができ、さらに生産性を低下させることもない。
その結果、炭素繊維束とプロピレン系樹脂がより強固に結合されるため、製造工程において特別な熱的条件を設定したり、特別な熱的処理をしたりすることなく、成形品の機械的強度を高めることができる。

0030

プロピレン系樹脂付着炭素繊維束は、幅方向の断面形状が円形であるものが好ましいが、楕円形多角形のようなものでもよい。
幅方向の断面形状が楕円形や多角形の場合の径(外径)は、同一面積の円の径(直径)に換算して求める。

0031

<成形品>
本発明の成形品は、本発明のプロピレン系樹脂付着炭素繊維束を使用して、射出成形、押出成形などの公知の樹脂成形法を適用して、所望形状に成形されたものである。
本発明の成形品に含まれているプロピレン系樹脂は、プロピレン系樹脂付着繊維束に含まれているプロピレン系樹脂のみからなるものである。
本発明の成形品を製造するとき、プロピレン系樹脂付着繊維束に含まれている炭素繊維濃度を調整するための希釈用の樹脂は使用しない。
本発明の成形品は、本発明の課題を解決できる範囲内において、必要により公知の樹脂添加剤を含有させることができる。公知の樹脂添加剤としては、酸化防止剤耐熱安定剤、紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤難燃剤難燃助剤染料顔料等の着色剤潤滑剤、可塑剤結晶化促進剤結晶核剤などを挙げることができ、その他、また、ガラスフレークマイカガラス粉ガラスビーズタルククレーアルミナカーボンブラックウォラストナイトなどの板状、粉粒状無機化合物ウィスカーなどを添加することもできる。

0032

実施例および比較例
サイジング剤で処理された炭素繊維ロービングを引きながら、表1に示すプロピレン系樹脂をクロスヘッドに接続された押出機から供給して、溶融状態(260℃)で炭素繊維ロービングに含浸させた後、賦形ダイを通してストランドとして引取った。
その後、室温(20〜30℃)にて、前記ストランドを水槽中に通して冷却した。
その後、切断して、表1および表2に示す長さのプロピレン系樹脂付着炭素繊維束を得た。
冷却工程は、長さ180mmの水槽(水温10℃)3〜10個を直列配置して使用し、これらの数を適宜増減させることで、表1および表2に示す切断時における繊維束表面温度になるように調整した。前記繊維束表面温度は、非接触式放射温度計(IT−550((株)堀場製作所製)により測定した。

0033

各例の繊維束を下記条件で射出成形して、成形品を得た。但し、比較例2、3は、炭素繊維束と希釈樹脂を混合して、炭素繊維濃度を調整した。
(射出成形)
装置:J150EII(日本製鋼所製)
成形温度シリンダー設定温度:250℃)
金型温度温調機設定温度:50℃)
成形品:ISO多目的試験片

0034

(成形品の物性測定
上記成形条件で作製したISO多目的試験片を使用して下記測定を行った。
引張強度:ISO527−1に準拠
曲げ強度:ISO178に準拠

0035

PP−A:ベースポリマー:サンアロマーPMB60A(プロピレンエチレンコポリマ−)
炭素繊維(CF-A):トレカT700SC-24000-50C(炭素繊維24000本)
炭素繊維(CF-B):トレカT700SC-12000-50C(炭素繊維12000本)
炭素繊維(CF-C):炭素繊維(CF-B)を二つに分けて得た(炭素繊維本数6000本)。
酸基含有ポリオレフィン系樹脂:無水マレイン酸変性ポリプロピレン:OREVAC CA100(アルケマ社製無水マレイン酸1.0質量%変性

0036

製造例1(アミノ基含有ポリプロピレンの製造)
無水マレイン酸変性ポリプロピレン(OREVAC CA100,アルケマ社製,無水マレイン酸1.0質量%変性)100質量部に対して、ポリプロピレンホモポリマーMFR120g/10min,住友ノーブレンU501EI,住友化学(株)製)100質量部と、ジェファーミンD-230(ポリプロピレングリコールより誘導される脂肪族の1級ジアミン、HUNTSMAN製)10質量部を配合し、二軸押出機(設定温度200℃,スクリュー回転数200r/m,TEX30α,(株)日本製鋼所製)に供給して溶融混練して、アミノ基含有ポリプロピレンを得た。
アミノ基含有ポリプロピレンであることは、赤外線吸収スペクトルにより確認した。その結果、1680〜1820cm-1の無水マレイン酸、マレイン酸による吸収ピーク消失して、アミノ基に由来すると考えられる1500〜1700cm-1の吸収ピークが現れたことを確認した。

0037

0038

実施例1、2(炭素繊維濃度20質量%,繊維束径3.5mm,切断時温度50℃)と比較例1(炭素繊維濃度30質量%,繊維束径2.7mm,切断時温度50℃)の対比から明らかなとおり、実施例1、2の方が、繊維束径が大きく冷えにくかったことから、炭素繊維濃度が10質量%も少ないにも拘わらず、引張強度が大きくなっていた。
実施例4(炭素繊維濃度15質量%,繊維束径4.0mm,切断時温度60℃)と比較例3(炭素繊維濃度15質量%,繊維束径2.3mm,切断時温度60℃)の対比から明らかなとおり、実施例4の方が、繊維束径が大きく冷えにくかったことから、引張強度と曲げ強度の両方が大きくなっていた。
実施例3〜5の対比から明らかなとおり、他の要件が同じであるとき、切断時の繊維束の表面温度が高いほど、引張強度と曲げ強度が良かった。
実施例6、7と比較例4、5の対比から明らかなとおり、繊維束径と切断時の繊維束の表面温度の二つの要件を調整することで、引張強度と曲げ強度が大きくなっていた。

0039

実施例

0040

実施例8、9と比較例6〜8の対比から明らかなとおり、繊維束径と切断時の繊維束の表面温度の二つの要件を調整することで、引張強度と曲げ強度が大きくなっていた。
実施例10、11と比較例9、10の対比から明らかなとおり、繊維束径と切断時の繊維束の表面温度の二つの要件を調整することで、引張強度と曲げ強度が大きくなっていた。

0041

本発明のプロピレン系樹脂付着炭素繊維束から得られた成形品は、軽量で機械的強度も大きいため、各種製品ハウジング容器電気電子機器部品自動車部品などとして使用することができる。

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