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技術 スパイラル型分離膜エレメントの製造方法

出願人 日東電工株式会社
発明者 西山真哉山口泰輔小西貴久藤岡宏樹釜田卓井上真一
出願日 2016年9月29日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2016-191752
公開日 2017年4月6日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-064710
状態 特許登録済
技術分野 半透膜を用いた分離
主要キーワード 長距離搬送 ネット状材 耐酸化剤性 再利用処理 プロパントリカルボン酸トリ 逆浸透複合膜 公害発生 各保護層
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課題

本発明は、エレメントに加工する前の複合半透膜膜性能を維持でき、優れた膜性能を有するスパイラル型分離膜エレメントの製造方法を提供することを目的とする。

解決手段

本発明のスパイラル型分離膜エレメントの製造方法は、多孔性支持体の表面にスキン層を有する複合半透膜を作製する工程、前記スキン層上にアニオン性ポリビニルアルコールを35mg/m2以上含有する保護層を形成して保護層付き複合半透膜を作製する工程、前記保護層付き複合半透膜を用いて未洗浄スパイラル型分離膜エレメントを作製する工程、及び前記未洗浄スパイラル型分離膜エレメントに洗浄水通水して、前記スキン層上の保護層を除去する工程を含む。

概要

背景

複合半透膜はその濾過性能処理方法に応じてRO(逆浸透)膜、NF(ナノ濾過)膜、FO(正浸透)膜と呼ばれ、超純水製造海水淡水化かん水脱塩処理、排水の再利用処理などに用いることができる。

工業的によく利用される複合半透膜としては、例えば、多官能アミン成分多官能酸ハライド成分とを反応させてなるポリアミド系樹脂を含むスキン層多孔性支持体の表面に形成されている複合半透膜が挙げられる。当該複合半透膜のスキン層表面は、一般に、ポリアミド系樹脂中に残存するカルボン酸の影響により負電荷を有している。そのため、界面活性剤等のイオン性有機汚染物質を含む水(例えば、下水)を前記複合半透膜で処理した場合、前記有機汚染物質が静電引力によってスキン層表面に吸着し、次第に透水量が低下するという問題があった。

上記問題を解決するために、例えば、特許文献1では、分離活性層表層電気的に中性有機重合体である、25℃の水に対し不溶性であり、80℃の水に対し可溶性であり、ケン化度99%以上のポリビニルアルコール被覆した逆浸透複合膜が提案されている。

また、特許文献2では、カチオン性高分子逆浸透膜に付着させた後、アニオン性ポリビニルアルコールを付着させた逆浸透膜が提案されている。

一方、従来より、逆浸透ろ過、限外ろ過精密ろ過等に用いられる流体分エレメントとして、例えば、供給側流体分離膜表面へ導く供給側流路材、供給側流体を分離する分離膜、分離膜を透過し供給側流体から分離された透過側流体中心管へと導く透過側流路材からなるユニット有孔の中心管の周り巻き付けスパイラル型分離膜エレメントが知られている(特許文献3、4)。

概要

本発明は、エレメントに加工する前の複合半透膜の膜性能を維持でき、優れた膜性能を有するスパイラル型分離膜エレメントの製造方法を提供することを目的とする。 本発明のスパイラル型分離膜エレメントの製造方法は、多孔性支持体の表面にスキン層を有する複合半透膜を作製する工程、前記スキン層上にアニオン性ポリビニルアルコールを35mg/m2以上含有する保護層を形成して保護層付き複合半透膜を作製する工程、前記保護層付き複合半透膜を用いて未洗浄スパイラル型分離膜エレメントを作製する工程、及び前記未洗浄スパイラル型分離膜エレメントに洗浄水通水して、前記スキン層上の保護層を除去する工程を含む。なし

目的

本発明は、エレメントに加工する前の複合半透膜の膜性能を維持でき、優れた膜性能を有するスパイラル型分離膜エレメントの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

多孔性支持体の表面にスキン層を有する複合半透膜を作製する工程、前記スキン層上にアニオン性ポリビニルアルコールを35mg/m2以上含有する保護層を形成して保護層付き複合半透膜を作製する工程、前記保護層付き複合半透膜を用いて未洗浄スパイラル型分離膜エレメントを作製する工程、及び前記未洗浄スパイラル型分離膜エレメントに洗浄水通水して、前記スキン層上の保護層を除去する工程を含むスパイラル型分離膜エレメントの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、複合半透膜を含むスパイラル型分離膜エレメントに関する。かかるスパイラル型分離膜エレメントは、超純水の製造、かん水または海水脱塩などに好適であり、また染色排水電着塗料排水などの公害発生原因である汚れなどから、その中に含まれる汚染源あるいは有効物質を除去・回収し、排水のクローズ化に寄与することができる。また、食品用途などで有効成分の濃縮浄水下水用途等での有害成分の除去などの高度処理に用いることができる。また、油田シェールガス田などにおける排水処理に用いることができる。

背景技術

0002

複合半透膜はその濾過性能処理方法に応じてRO(逆浸透)膜、NF(ナノ濾過)膜、FO(正浸透)膜と呼ばれ、超純水製造海水淡水化、かん水の脱塩処理、排水の再利用処理などに用いることができる。

0003

工業的によく利用される複合半透膜としては、例えば、多官能アミン成分多官能酸ハライド成分とを反応させてなるポリアミド系樹脂を含むスキン層多孔性支持体の表面に形成されている複合半透膜が挙げられる。当該複合半透膜のスキン層表面は、一般に、ポリアミド系樹脂中に残存するカルボン酸の影響により負電荷を有している。そのため、界面活性剤等のイオン性有機汚染物質を含む水(例えば、下水)を前記複合半透膜で処理した場合、前記有機汚染物質が静電引力によってスキン層表面に吸着し、次第に透水量が低下するという問題があった。

0004

上記問題を解決するために、例えば、特許文献1では、分離活性層表層電気的に中性有機重合体である、25℃の水に対し不溶性であり、80℃の水に対し可溶性であり、ケン化度99%以上のポリビニルアルコール被覆した逆浸透複合膜が提案されている。

0005

また、特許文献2では、カチオン性高分子逆浸透膜に付着させた後、アニオン性ポリビニルアルコールを付着させた逆浸透膜が提案されている。

0006

一方、従来より、逆浸透ろ過、限外ろ過精密ろ過等に用いられる流体分エレメントとして、例えば、供給側流体分離膜表面へ導く供給側流路材、供給側流体を分離する分離膜、分離膜を透過し供給側流体から分離された透過側流体中心管へと導く透過側流路材からなるユニット有孔の中心管の周り巻き付けたスパイラル型分離膜エレメントが知られている(特許文献3、4)。

先行技術

0007

国際公開第97/034686号公報
特許第5568835号公報
特開2000−354743号公報
特開2006−68644号公報

発明が解決しようとする課題

0008

このようなスパイラル型分離膜エレメントの分離膜として前記複合半透膜を用いた場合に、エレメントに加工する前の複合半透膜の膜性能が、エレメントに加工すると大きく低下するという課題が判明した。

0009

本発明は、エレメントに加工する前の複合半透膜の膜性能を維持でき、優れた膜性能を有するスパイラル型分離膜エレメントの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示すスパイラル型分離膜エレメントの製造方法により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0011

すなわち、本発明は、多孔性支持体の表面にスキン層を有する複合半透膜を作製する工程、前記スキン層上にアニオン性ポリビニルアルコールを35mg/m2以上含有する保護層を形成して保護層付き複合半透膜を作製する工程、前記保護層付き複合半透膜を用いて未洗浄スパイラル型分離膜エレメントを作製する工程、及び前記未洗浄スパイラル型分離膜エレメントに洗浄水通水して、前記スキン層上の保護層を除去する工程を含むスパイラル型分離膜エレメントの製造方法、に関する。

0012

本発明者は、エレメントに加工する前の複合半透膜の膜性能が、エレメントに加工すると大きく低下する原因について検討したところ、下記原因によるものであることがわかった。

0013

複合半透膜はロールを有するライン上で作製され、その後、ドラムに巻き取られる。また、複合半透膜をエレメントに加工する際には、ドラムから巻き戻され、ロールを有するライン上を長距離搬送される。そのため、複合半透膜が作製されてからエレメントに加工されるまでの間に、スキン層表面は、搬送工程、巻取り工程、巻き戻し工程、及びエレメント作製工程などで物理的ダメージを受ける。その結果、エレメントに加工すると複合半透膜の膜性能が大きく低下すると考えられる。

0014

本発明のように、複合半透膜を作製した後に、スキン層上にアニオン性ポリビニルアルコールを35mg/m2以上含有する保護層を形成してスキン層表面を保護しておくことにより、エレメントを作製するまでの各工程においてスキン層表面が物理的ダメージを受けることを抑制することができる。また、本発明においては、エレメントを作製した後に、スキン層上の保護層を除去することが必要である。保護層を残したままにすると、エレメントの水透過性が低下するためである。なお、保護層は完全に除去することが好ましいが、エレメントの水透過性が低下しない程度に残存していてもよい。

0015

本発明においては、エレメントに洗浄水を通水して保護層を除去しやすくするために、保護層の原料としてアニオン性ポリビニルアルコールを用いる。ポリアミド系樹脂を含むスキン層の表面は、一般に、ポリアミド系樹脂中に残存するカルボン酸の影響により負電荷を有している。そのため、保護層の原料としてアニオン性ポリビニルアルコールを用いることにより、スキン層表面との電気的反発によって保護層を除去しやすくなると推察できる。ただし、本発明は、この推察により、なんら制限ないし限定されない。

0016

保護層中のアニオン性ポリビニルアルコールの含有量が35mg/m2未満の場合には、エレメントを作製するまでの各工程においてスキン層表面が物理的ダメージを受けやすくなる。

発明の効果

0017

本発明の製造方法によれば、エレメントに加工する前の複合半透膜の膜性能と同等の優れた膜性能を有するスパイラル型分離膜エレメントを簡易な方法で製造することができる。

0018

以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明のスパイラル型分離膜エレメントの製造方法は、多孔性支持体の表面にスキン層を有する複合半透膜を作製する工程、前記スキン層上にアニオン性ポリビニルアルコールを35mg/m2以上含有する保護層を形成して保護層付き複合半透膜を作製する工程、前記保護層付き複合半透膜を用いて未洗浄スパイラル型分離膜エレメントを作製する工程、及び前記未洗浄スパイラル型分離膜エレメントに洗浄水を通水して、前記スキン層上の保護層を除去する工程を含む。

0019

スキン層の形成材料は特に制限されず、例えば、酢酸セルロール、エチルセルロースポリエーテルポリエステル、及びポリアミドなどが挙げられる。特に、多官能アミン成分と多官能酸ハロゲン成分とを重合して得られるポリアミド系樹脂を含むスキン層であることが好ましい。

0020

多官能アミン成分とは、2以上の反応性アミノ基を有する多官能アミンであり、芳香族脂肪族及び脂環式の多官能アミンが挙げられる。

0021

芳香族多官能アミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミンp−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、N,N’−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノアニソールアミドール、キシリレンジアミン等が挙げられる。

0022

脂肪族多官能アミンとしては、例えば、エチレンジアミンプロピレンジアミントリス(2−アミノエチルアミン、n−フェニル−エチレンジアミン等が挙げられる。

0023

脂環式多官能アミンとしては、例えば、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、4−アミノメチルピペラジン等が挙げられる。

0024

これらの多官能アミンは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。高塩阻止性能のスキン層を得るためには、芳香族多官能アミンを用いることが好ましい。

0025

多官能酸ハライド成分とは、反応性カルボニル基を2個以上有する多官能酸ハライドである。

0026

多官能酸ハライドとしては、芳香族、脂肪族及び脂環式の多官能酸ハライドが挙げられる。

0028

脂肪族多官能酸ハライドとしては、例えば、プロパンジカルボン酸ジクロライドブタンジカルボン酸ジクロライド、ペンタンジカルボン酸ジクロライド、プロパントリカルボン酸トリクロライド、ブタントリカルボン酸トリクロライド、ペンタントリカルボン酸トリクロライド、グルタリルハライドアジポイルハライド等が挙げられる。

0029

脂環式多官能酸ハライドとしては、例えば、シクロプロパントリカルボン酸トリクロライド、シクロブタンテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロペンタントリカルボン酸トリクロライド、シクロペンタンテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロヘキサントリカルボン酸トリクロライド、テトラハイドロフランテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロペンタンジカルボン酸ジクロライド、シクロブタンジカルボン酸ジクロライド、シクロヘキサンジカルボン酸ジクロライド、テトラハイドロフランジカルボン酸ジクロライド等が挙げられる。

0030

これら多官能酸ハライドは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。高塩阻止性能のスキン層を得るためには、芳香族多官能酸ハライドを用いることが好ましい。また、多官能酸ハライド成分の少なくとも一部に3価以上の多官能酸ハライドを用いて、架橋構造を形成するのが好ましい。

0031

また、ポリアミド系樹脂を含むスキン層の性能を向上させるために、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンポリアクリル酸などのポリマーソルビトールグリセリンなどの多価アルコールなどを共重合させてもよい。

0032

スキン層を支持する多孔性支持体は、スキン層を支持しうるものであれば特に限定されず、通常、平均孔径10〜500Å程度の微孔を有する限外濾過膜が好ましく用いられる。多孔性支持体の形成材料としては、例えば、ポリスルホンポリエーテルスルホンのようなポリアリールエーテルスルホンポリイミド、ボリフッ化ビニリデンなど種々のものをあげることができるが、特に化学的機械的、熱的に安定である点からポリスルホン、ポリアリールエーテルスルホンが好ましく用いられる。かかる多孔性支持体の厚さは、通常約25〜125μm、好ましくは約40〜75μmであるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。なお、多孔性支持体は織布、不織布等の基材による裏打ちにて補強されていている。

0033

ポリアミド系樹脂を含むスキン層を多孔性支持体の表面に形成する方法は特に制限されず、あらゆる公知の手法を用いることができる。例えば、界面縮合法、相分離法、薄膜塗布法などが挙げられる。界面縮合法とは、具体的に、多官能アミン成分を含有するアミン水溶液と、多官能酸ハライド成分を含有する有機溶液とを接触させて界面重合させることによりスキン層を形成し、該スキン層を多孔性支持体上に載置する方法や、多孔性支持体上での前記界面重合によりポリアミド系樹脂のスキン層を多孔性支持体上に直接形成する方法である。かかる界面縮合法の条件等の詳細は、特開昭58−24303号公報、特開平1−180208号公報等に記載されており、それらの公知技術を適宜採用することができる。

0034

多孔性支持体上に形成したスキン層の厚みは特に制限されないが、通常0.05〜2μm程度であり、好ましくは、0.1〜1μmである。

0035

また、複合半透膜の塩阻止性、水透過性、及び耐酸化剤性等を向上させるために、従来公知の各種処理を施してもよい。

0036

複合半透膜を作製した後、スキン層上にアニオン性ポリビニルアルコールを含有する保護層を形成して保護層付き複合半透膜を作製する。

0037

アニオン性ポリビニルアルコールは、アニオン性官能基を有するポリビニルアルコールであり、アニオン性官能基としては、例えば、カルボキシル基スルホン酸基、及びリン酸基などが挙げられる。これらのうち、カルボキシル基又はスルホン酸基が好ましい。

0038

ポリビニルアルコールにアニオン性官能基を導入する方法は特に制限されず、公知の方法を採用することができる。

0039

アニオン性ポリビニルアルコールの市販品としては、例えば、クラレ社製のKL−118、KL−318、KL−506、KM−118、及びKM−618;日本合成化学工業社製のゴーセネックCKS50、ゴーセネックスT−330H、及びゴーセネックスT−350などが挙げられる。

0040

保護層は、アニオン性ポリビニルアルコールを含有する溶液をスキン層上に塗工し、乾燥処理して形成する。塗工方法としては、例えば、噴霧、塗布、シャワーなどが挙げられる。溶媒としては、水の他、スキン層等の性能を低下させない有機溶媒を併用してもよい。そのような有機溶媒としては、例えば、メタノールエタノールプロパノール、及びブタノールなどの脂肪族アルコールメトキシメタノール及びメトキシエタノールなどの低級アルコールが挙げられる。

0041

前記溶液の温度は特に制限されないが、スキン層の劣化防止の観点、及び取り扱いの容易さ等から10〜90℃であることが好ましく、より好ましくは10〜60℃である。

0042

前記溶液をスキン層上に塗工した後、乾燥処理を行う際の温度は特に制限されないが、通常60〜160℃程度であり、好ましくは80〜150℃である。

0043

保護層は、アニオン性ポリビニルアルコールを35mg/m2以上含有することが必要であり、好ましくは39mg/m2以上であり、より好ましくは55mg/m2以上であり、さらに好ましくは100mg/m2以上であり、よりさらに好ましくは150mg/m2以上であり、特に好ましくは170mg/m2以上である。一方、保護層中のアニオン性ポリビニルアルコールの含有量が多くなり過ぎると、通水処理により保護層を除去しにくくなるため、保護層中のアニオン性ポリビニルアルコールの含有量は2000mg/m2以下であることが好ましく、より好ましくは1000mg/m2以下であり、さらに好ましくは500mg/m2以下であり、特に好ましくは300mg/m2以下である。

0044

その後、前記保護層付き複合半透膜を用いて未洗浄スパイラル型分離膜エレメントを作製する。未洗浄スパイラル型分離膜エレメントは、供給側流路材と、前記保護層付き複合半透膜と、透過側流路材とを含むものである。

0045

供給側流路材及び透過側流路材は公知のものを特に制限なく使用でき、例えば、ネット状材料、編物状材料、メッシュ状材料、溝付シート、及び波形シートなどが挙げられる。

0046

未洗浄スパイラル型分離膜エレメントは、例えば、保護層付き複合半透膜を二つ折りにした間に供給側流路材を配置したものと、透過側流路材とを積み重ね、供給側流体と透過側流体の混合を防ぐ封止部を形成するための接着剤を保護層付き複合半透膜の周辺部(3辺)に塗布して分離膜ユニットを作製し、この分離膜ユニットの単数または複数を中心管の周囲にスパイラル状に巻きつけて、更に分離膜ユニットの周辺部を封止することによって製造される。

0047

その後、前記未洗浄スパイラル型分離膜エレメントに洗浄水を通水して、スキン層上の保護層を除去してスパイラル型分離膜エレメントを作製する。

0048

洗浄水の温度は特に制限されないが、通常、10〜40℃程度であり、保護層の除去効率などの観点から25〜40℃であることが好ましい。

0049

通水時の圧力は特に制限されないが、通常、0.1〜3.0MPa程度であり、保護層の除去効率などの観点から0.5〜1.5MPaであることが好ましい。

0050

保護層は完全に除去することが好ましいが、スパイラル型分離膜エレメントの水透過性が低下しない程度に残存していてもよい。具体的には、通水処理後の保護層中のアニオン性ポリビニルアルコールの含有量は200mg/m2以下であることが好ましく、より好ましくは100mg/m2以下であり、さらに好ましくは75mg/m2以下であり、よりさらに好ましくは33mg/m2以下であり、特に好ましくは23mg/m2以下である。

0051

本発明の製造方法により得られるスパイラル型分離膜エレメントは、エレメントに加工する前の複合半透膜の膜性能と同等の優れた膜性能を有するものである。

0052

以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。

0053

比較例1
m−フェニレンジアミン3重量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.15重量%、トリエチルアミン3重量%、カンファースルホン酸6重量%、及びイソプロピルアルコール4重量%を含有するアミン水溶液を多孔性ポリスルホン支持膜薄膜形成側平均孔径20nm、非対称膜)上に塗布し、その後余分なアミン水溶液を除去することにより水溶液被覆層を形成した。次に、前記水溶液被覆層の表面にトリメシン酸クロライド0.2重量%を含有するイソオクタン溶液を塗布した。その後、余分な溶液を除去し、さらに130℃の熱風乾燥機中で3分間保持して、多孔性ポリスルホン支持膜上にポリアミド系樹脂を含むスキン層(厚み1μm)を形成して複合半透膜を作製した。

0054

実施例1
比較例1で作製した複合半透膜のスキン層上に、KL−318(クラレ社製、カルボン酸変性ポリビニルアルコール重合度:1800、ケン化度:87.5%)0.7重量%、及びイソプロピルアルコール30重量%を含有する水溶液を塗布し、130℃で3分間乾燥させて保護層を形成して保護層付き複合半透膜を作製した。

0055

実施例2
水溶液中のKL−318の含有量を0.07重量%に変更した以外は実施例1と同様の方法で保護層付き複合半透膜を作製した。

0056

実施例3
水溶液中のKL−318の含有量を0.037重量%に変更した以外は実施例1と同様の方法で保護層付き複合半透膜を作製した。

0057

実施例4
水溶液中のKL−318の含有量を0.023重量%に変更した以外は実施例1と同様の方法で保護層付き複合半透膜を作製した。

0058

実施例5
水溶液中のKL−318の含有量を0.018重量%に変更した以外は実施例1と同様の方法で保護層付き複合半透膜を作製した。

0059

実施例6
水溶液中のKL−318の含有量を0.016重量%に変更した以外は実施例1と同様の方法で保護層付き複合半透膜を作製した。

0060

比較例2
KL−318の代わりにゴーセノールNL−05(日本合成化学工業社製、ポリビニルアルコール、重合度:500、ケン化度:99.2%)を用いた以外は実施例1と同様の方法で保護層付き複合半透膜を作製した。

0061

比較例3
水溶液中のKL−318の含有量を0.007重量%に変更した以外は実施例1と同様の方法で保護層付き複合半透膜を作製した。

0062

比較例4
水溶液中のKL−318の含有量を0.0007重量%に変更した以外は実施例1と同様の方法で保護層付き複合半透膜を作製した。

0063

比較例5
水溶液中のKL−318の含有量を0.012重量%に変更した以外は実施例1と同様の方法で保護層付き複合半透膜を作製した。

0064

〔評価及び測定方法
(保護層中に含まれるポリビニルアルコールの含有量の測定)
比較例1で作製した複合半透膜のスキン層上に、実施例及び比較例で用いたポリビニルアルコールを所定濃度で含む水溶液をそれぞれ塗布し、乾燥させて保護層を形成して保護層付き複合半透膜を作製した。作製した保護層付き複合半透膜を用いて、TOF-SIMS 5(ION-TOF製)で測定して得られる相対強度とポリビニルアルコール量との相関から検量線を作成した。その後、実施例1〜6及び比較例2〜5で作製した保護層付き複合半透膜についてTOF-SIMS 5で測定を行い、前記検量線を基に各保護層付き複合半透膜の保護層中に含まれるポリビニルアルコールの含有量を算出した。
また、透過流束及び塩阻止率の測定後(通水処理後)の保護層付き複合半透膜について、前記と同様の方法で保護層中に含まれるポリビニルアルコールの含有量を算出した。

0065

(透過流束及び塩阻止率の測定)
実施例1〜6及び比較例2〜5で作製した保護層付き複合半透膜、及び比較例1で作製した複合半透膜を所定の形状、サイズに切断し、平膜評価用セルにセットした。そして、膜に25℃の水を1.5MPaの圧力で1〜2時間通水した。その後、2000mg/LのNaClを含みかつpH7に調整した水溶液を25℃で膜の供給側と透過側に1.55MPaの差圧を与えて膜に30分間接触させた。この操作によって得られた透過水の透過速度および電導度を測定し、透過流束(m3/m2・d)および塩阻止率(%)を算出した。塩阻止率は、NaCl濃度と水溶液電導度の相関(検量線)を事前に作成し、それらを用いて下式により算出した。
塩阻止率(%)={1−(透過液中のNaCl濃度[mg/L])/(供給液中のNaCl濃度[mg/L])}×100

0066

擦れ試験
実施例1〜6及び比較例2〜5で作製した保護層付き複合半透膜、及び比較例1で作製した複合半透膜を所定の形状、サイズに切断してサンプルを得た。原水スペーサー(Delstar社製、材質ポリプロピレン、厚み:34mil)を4cm×12cmに切断し、それを前記サンプルのスキン層側に設置した。70gの重りを原水スペーサー上に載せ、原水スペーサーを移動させて前記サンプルのスキン層側の膜面を10回擦った。その後、前記と同様の方法で透過流束および塩阻止率を測定した。

0067

実施例

0068

実施例1〜6の保護層付き複合半透膜は、スキン層側の膜面を擦っても塩阻止率がほとんど低下していない。これは、スキン層上の保護層によってスキン層がダメージを受けなかったためと考えられる。また、通水処理を行って保護層をできる限り除去することにより水透過性は高く維持されている。一方、比較例1の複合半透膜は、保護層を有しておらず、擦れによってスキン層が大きなダメージを受けたため塩阻止率が大きく低下している。比較例2の保護層付き複合半透膜は、カルボン酸変性されていないPVAで保護層が形成されているため、通水処理を行っても保護層が除去されにくく、水透過性に劣っている。比較例3〜5の保護層付き複合半透膜は、保護層が十分に形成されておらず、擦れによってスキン層がダメージを受けたため塩阻止率が低下している。

0069

本発明のスパイラル型分離膜エレメントは、超純水の製造、かん水または海水の脱塩などに好適であり、また染色排水や電着塗料排水などの公害発生原因である汚れなどから、その中に含まれる汚染源あるいは有効物質を除去・回収し、排水のクローズ化に寄与することができる。また、食品用途などで有効成分の濃縮、浄水や下水用途等での有害成分の除去などの高度処理に用いることができる。また、油田やシェールガス田などにおける排水処理に用いることができる。

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