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技術 血栓吸引カテーテルおよびスタイレット

出願人 ニプロ株式会社
発明者 西村祐紀
出願日 2015年9月30日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2015-193671
公開日 2017年4月6日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-064067
状態 特許登録済
技術分野 媒体導出入付与装置 手術用機器
主要キーワード 湾曲変形状態 湾曲変形量 周壁端面 中空管体 外部管路 基端筒 湾曲部位 固定キャップ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

血管内面に付着した血栓を効率的に吸引除去することができる、新規な構造の血栓吸引カテーテル、および血栓吸引カテーテルに挿入されるスタイレットを提供する。

解決手段

血栓吸引カテーテル10において、カテーテル本体14と、該カテーテル本体14に対して挿入可能とされて先端部分に湾曲部52が設けられたスタイレット16とを含んでおり、該カテーテル本体14には、該スタイレット14が挿入された状態で連通状態が維持される血栓吸引ルーメン24が設けられている。

概要

背景

血栓性疾患は、急性心筋梗塞に代表される心臓冠動脈)疾患ばかりでなく、手や足の血管でも発生している。血栓性疾患の治療は、従来、外科的に行われていたが、近年急速に普及している低侵襲治療であるインターベンション治療経皮カテーテル治療術)に置き換わりつつある。これは、外科的治療における侵襲度の高い治療から、治療を受ける患者へのQOL(Quality of life)が考慮されて、低侵襲治療が行われるようになったからである。

本発明は、このインターベンション治療の1つである血栓吸引治療に用いられるカテーテルに関する。血栓吸引治療は、腕や脚などの血管に対してカテーテルと呼ばれる細い管を挿入して治療部位に到達させ、血管に詰まった血栓そのものを吸引して体外に除去する治療方法である。この治療に用いられるカテーテルは、例えば血栓吸引カテーテルと呼ばれており、吸引具と組み合わせて用いられる。

ところで、脚や腕の血管には湾曲部があり、かかる湾曲部を超えてカテーテルが挿入される先に血栓が存在する場合もあり、特に湾曲部の内周側にできた血栓はカテーテルでの吸引が難しい。血管の湾曲部では、挿入されたカテーテルが湾曲部の外周側に沿って位置することから、カテーテル先端に開口する吸引口を血栓に近づけることが難しいからである。

このような問題に対して、特開2009−201891号公報(特許文献1)には、先端部近くを所定角度で折り曲げ形成したカテーテルが提案されている。

しかしながら、この特許文献1に記載のカテーテルは、患者や部位などに応じて径寸法などが異なる複数種類が準備されることとなるが、それに加えて、血管の湾曲形状や湾曲角度が異なるものにまで対応しようとすると、準備しなければならない血栓吸引カテーテルの種類が多くなり過ぎてしまって製造や管理、準備などが難しくなるという問題があった。

概要

血管内面に付着した血栓を効率的に吸引除去することができる、新規な構造の血栓吸引カテーテル、および血栓吸引カテーテルに挿入されるスタイレットを提供する。血栓吸引カテーテル10において、カテーテル本体14と、該カテーテル本体14に対して挿入可能とされて先端部分に湾曲部52が設けられたスタイレット16とを含んでおり、該カテーテル本体14には、該スタイレット14が挿入された状態で連通状態が維持される血栓吸引ルーメン24が設けられている。

目的

本発明は上述の如き事情背景としてなされたものであって、その解決課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

カテーテル本体と、該カテーテル本体に対して挿入可能とされて先端部分に湾曲部が設けられたスタイレットとを含んでおり、該カテーテル本体には、該スタイレットが挿入された状態で連通状態が維持される血栓吸引ルーメンが設けられていることを特徴とする血栓吸引カテーテル

請求項2

前記カテーテル本体の先端部分における曲げ剛性基端部分における曲げ剛性よりも小さくされており、該カテーテル本体の先端部分に対して前記スタイレットの前記湾曲部が挿し入れられるようになっている請求項1に記載の血栓吸引カテーテル。

請求項3

前記カテーテル本体の基端において、前記スタイレットが挿入される挿入用ポート血栓吸引ポートとを備えたコネクタが装着されている請求項1又は2に記載の血栓吸引カテーテル。

請求項4

前記カテーテル本体の先端に設けられた吸引口が、該カテーテル本体の長さ方向に対して傾斜して開口している請求項1〜3の何れか1項に記載の血栓吸引カテーテル。

請求項5

相互に前記湾曲部の形状が異ならされた複数種類の前記スタイレットを含んでいる請求項1〜4の何れか1項に記載の血栓吸引カテーテル。

請求項6

請求項1〜5の何れか1項に記載の血栓吸引カテーテルを構成するスタイレット。

技術分野

0001

本発明は、経皮的に体内に導入されて、血管内に生成した血栓遊離したアテローマなどのデブリス異物)を含む)をカテーテル手元側から加える陰圧により体外に吸引除去するのに用いられる血栓吸引カテーテル、および血栓吸引カテーテルに挿入されるスタイレットに関するものである。

背景技術

0002

血栓性疾患は、急性心筋梗塞に代表される心臓冠動脈)疾患ばかりでなく、手や足の血管でも発生している。血栓性疾患の治療は、従来、外科的に行われていたが、近年急速に普及している低侵襲治療であるインターベンション治療(経皮的カテーテル治療術)に置き換わりつつある。これは、外科的治療における侵襲度の高い治療から、治療を受ける患者へのQOL(Quality of life)が考慮されて、低侵襲治療が行われるようになったからである。

0003

本発明は、このインターベンション治療の1つである血栓吸引治療に用いられるカテーテルに関する。血栓吸引治療は、腕や脚などの血管に対してカテーテルと呼ばれる細い管を挿入して治療部位に到達させ、血管に詰まった血栓そのものを吸引して体外に除去する治療方法である。この治療に用いられるカテーテルは、例えば血栓吸引カテーテルと呼ばれており、吸引具と組み合わせて用いられる。

0004

ところで、脚や腕の血管には湾曲部があり、かかる湾曲部を超えてカテーテルが挿入される先に血栓が存在する場合もあり、特に湾曲部の内周側にできた血栓はカテーテルでの吸引が難しい。血管の湾曲部では、挿入されたカテーテルが湾曲部の外周側に沿って位置することから、カテーテル先端に開口する吸引口を血栓に近づけることが難しいからである。

0005

このような問題に対して、特開2009−201891号公報(特許文献1)には、先端部近くを所定角度で折り曲げ形成したカテーテルが提案されている。

0006

しかしながら、この特許文献1に記載のカテーテルは、患者や部位などに応じて径寸法などが異なる複数種類が準備されることとなるが、それに加えて、血管の湾曲形状や湾曲角度が異なるものにまで対応しようとすると、準備しなければならない血栓吸引カテーテルの種類が多くなり過ぎてしまって製造や管理、準備などが難しくなるという問題があった。

先行技術

0007

特開2009−201891号公報

発明が解決しようとする課題

0008

ここにおいて、本発明は上述の如き事情背景としてなされたものであって、その解決課題とするところは、患者や部位などによって湾曲態様が異なる血管に対しても効率的に適用可能とされて、血管内面に付着した血栓を吸引除去することができる、新規な構造の血栓吸引カテーテル、および血栓吸引カテーテルに挿入されるスタイレットを提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。

0010

本発明の第1の態様は、カテーテル本体と、該カテーテル本体に対して挿入可能とされて先端部分に湾曲部が設けられたスタイレットとを含んでおり、該カテーテル本体には、該スタイレットが挿入された状態で連通状態が維持される血栓吸引ルーメンが設けられている血栓吸引カテーテルを特徴とする。

0011

本態様に従う構造とされた血栓吸引カテーテルによれば、カテーテル本体に対して、先端部分に湾曲部が設けられたスタイレットが挿入されることにより、当該スタイレットの形状に応じて血栓吸引カテーテルを折り曲げて湾曲状態に変形させることができる。すなわち、例えばスタイレットの湾曲部を患者の血管形状に則した形状とすることにより、血栓吸引カテーテルの先端部分に設けられた吸引口を血管内面に付着した血栓に近づけることが可能となり、血栓の吸引効率が向上され得る。特に、血栓吸引ルーメンはスタイレットが挿入されても連通状態が維持されることから、スタイレットでカテーテルの湾曲形状を保ちつつ血栓吸引処置を行うことが可能であり、スタイレットの挿入に伴い血栓吸引ルーメンが閉塞されて血栓が吸引されなくなるなどといった不具合も回避され得る。

0012

本発明の第2の態様は、前記第1の態様に係る血栓吸引カテーテルにおいて、前記カテーテル本体の先端部分における曲げ剛性基端部分における曲げ剛性よりも小さくされており、該カテーテル本体の先端部分に対して前記スタイレットの前記湾曲部が挿し入れられるようになっているものである。

0013

本態様に従う構造とされた血栓吸引カテーテルによれば、カテーテル本体の曲げ剛性が先端部分よりも基端部分の方が大きくされていることから、湾曲部が設けられたスタイレットを挿入した際に、血栓吸引カテーテルの基端部分ではスタイレットに沿った折り曲げ変形が生じ難くされている。それ故、スタイレットの挿入中に血栓吸引カテーテルの変形部分が血管内面に引っ掛かるなどしてスタイレットの挿入抵抗が大きくなるなどの不具合が回避され得る。また、カテーテル本体の曲げ剛性が小さくされた先端部分にまでスタイレットが至った時点で血栓吸引カテーテルが効率的に折り曲げ変形させられることから、一般に血栓吸引カテーテルの先端に設けられる吸引口を血管内面に付着した血栓に効率的に近づけることも可能となる。

0014

本発明の第3の態様は、前記第1又は第2の態様に係る血栓吸引カテーテルにおいて、前記カテーテル本体の基端において、前記スタイレットが挿入される挿入用ポートと血栓吸引ポートとを備えたコネクタが装着されているものである。

0015

本態様に従う構造とされた血栓吸引カテーテルによれば、コネクタにおいて、スタイレットが挿入される挿入用ポートと血栓が吸引されるための血栓吸引ポートとが設けられていることから、血栓を吸引するに際して、スタイレットの挿入と吸引装置の接続とが両立されて、スタイレットを挿入した状態での血栓吸引が容易に実現され得る。

0016

本発明の第4の態様は、前記第1〜第3の何れかの態様に係る血栓吸引カテーテルにおいて、前記カテーテル本体の先端に設けられた吸引口が、該カテーテル本体の長さ方向に対して傾斜して開口しているものである。

0017

本態様に従う構造とされた血栓吸引カテーテルによれば、吸引口がカテーテルの長さ方向に対して傾斜して開口していることから、スタイレットを挿入して血栓吸引カテーテルを折り曲げ変形させた際に、吸引口を血管内面に付着した血栓に向けて開口させることができて、血栓を効率的に吸引することができる。

0018

本発明の第5の態様は、前記第1〜第4の何れかの態様に係る血栓吸引カテーテルにおいて、相互に前記湾曲部の形状が異ならされた複数種類の前記スタイレットを含んでいるものである。

0019

本態様に従う構造とされた血栓吸引カテーテルによれば、相互に湾曲部の形状が異ならされた複数種類のスタイレットを準備することにより、特定の患者における血管の特定部位に対応したスタイレットを製造する必要がなく、複数種類のスタイレットから患者の血管形状に則した、または近似したスタイレットを選択することができて、製造効率の向上やコストの低減が図られ得る。また、血管中の異なる部位を治療する際において、スタイレットを交換することにより、血栓吸引カテーテルの曲げ形状を変更することもできて、血栓の吸引効率が一層向上され得る。

0020

本発明の第6の態様は、前記第1〜第5の何れかの態様に記載の血栓吸引カテーテルを構成するスタイレットである。

0021

本態様に従う構造とされたスタイレットによれば、カテーテル本体に挿入することで、先端部分に設けられた湾曲部により血栓吸引カテーテルを折り曲げ変形させることができる。すなわち、湾曲部の湾曲角度を適宜調節することにより血栓吸引カテーテルを所望の形状に変形させることができて、例えば患者の血管形状に則した形状とすることで、血栓の吸引効率の向上が図られ得る。

発明の効果

0022

本発明に従う構造とされた血栓吸引カテーテルでは、スタイレットの湾曲部の形状に応じてカテーテル本体を湾曲状態に変形させられることから、スタイレットの湾曲角度を適宜に設定することにより、カテーテル本体を血栓の吸引に適した形状に変形させることができて、血栓の吸引効率の向上が図られ得る。

図面の簡単な説明

0023

本発明の1実施形態としての血栓吸引カテーテルを示す正面図。
図1に示される血栓吸引カテーテルを構成するカテーテル本体を示す縦断面図。
(a)は図1に示される血栓吸引カテーテルを構成するスタイレットを示す正面図であって、(b)はスタイレットの先端部分を示す要部拡大図。
図1に示される血栓吸引カテーテルの使用状態を説明するための説明図であって、カテーテル本体の基端におけるコネクタ付近の要部断面を拡大して示す図。
本発明に係る血栓吸引カテーテルの別の態様を説明するための説明図。

実施例

0024

以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。

0025

先ず、図1には、本発明の1実施形態としての血栓吸引カテーテル10が示されている。この血栓吸引カテーテル10は経皮的に体内に導入されて、血管内に生成した血栓を、血栓吸引カテーテル10の基端側から及ぼす陰圧により吸引して体外に除去するようにされている。なお、以下の説明において、先端側とは、血栓を吸引するための吸引口12が設けられている図1中の左側を言う一方、基端側とはシリンジ等の吸引装置が接続される図1中の右側を言う。

0026

より詳細には、血栓吸引カテーテル10は、図2に示されるカテーテル本体14に対して、図3に示されるスタイレット16が挿入可能とされた構造とされている。

0027

カテーテル本体14は、可撓性を有する長尺中空構造体からなるチューブ18に対して、その先端に先端チップ20が設けられた構造とされている。更に本実施形態では、カテーテル本体14の基端に、コネクタとしてのY字コネクタ22が取り付けられている。なお、カテーテル本体14は、図2に示す初期形状では、図2中の左右方向に略直線状に延びているが、例えば初期形状で、先端に設けられた吸引口12を内側に向けるような任意の湾曲形状が与えられていても良い。

0028

本実施形態のチューブ18は、長さ方向の全長に亘って外内径寸法が略一定とされており、その内部には、中央ルーメン24が、略一定の円形断面で長さ方向の全長に亘って貫通して延びている。また、本実施形態のチューブ18は、長さ方向で互いに異なる曲げ剛性を有する3つの部分から構成されている。すなわち、チューブ18は、先端側に位置して先端チップ20が設けられた先端部分26と、Y字コネクタ22が取り付けられた基端部分28と、これら先端部分26と基端部分28との間に位置する中間部分30とから構成されており、例えば材質や構造、厚さ寸法などが相互に異ならされること等により、基端部分28から先端部分26になるにつれて曲げ剛性が段階的に小さくなるようにされている。

0029

なお、これら先端部分26、中間部分30、基端部分28の長さ方向寸法は特に限定されるものではなく、血栓吸引カテーテルが挿入される血管形状などに応じて適宜設計、変更され得る。また、チューブ18は、必ずしも曲げ剛性の異なる3つの部分から構成される必要はなく、全長に亘って曲げ剛性が略均一、または次第に変化するようにしてもよいし、曲げ剛性の異なる2つや4つ以上の部分から構成されて段階的に変化するようにしてもよい。

0030

また、チューブ18の具体的構造は特に限定されるものでなく、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)などの合成樹脂材単一層で形成されていても良いし、筒状編組体が内部に埋設状態で固着された積層構造などであっても良い。積層構造としては、例えば先端部分26と中間部分30と基端部分28とのそれぞれにおいて、内層26a,30a,28aと外層26b,30b,28bが合成樹脂で形成されているとともに、中間層26c,30c,28cが、ステンレス鋼やNi−Ti合金などの金属や合成樹脂からなる繊維や線などによるメッシュ状の筒状編組体により構成されたものが採用される。なお、内層26a,30a,28aをPTFEで形成したり、内層26a,30a,28aの内周面にPTFEを塗布することで、内周面の摩擦係数を小さくすることが、本発明においてスタイレット16を挿入するのに好適である。

0031

また、術中でのX線による視認性を確保するために、例えばチューブ18の成形樹脂層に対して酸化ビスマス硫酸ビスマス次炭酸ビスマスなどの造影剤を配合したり、成形後に外層26b,30b,28bの外周面に対してステンレス鋼や金、白金イリジウムなどからなる造影チップなどが固着されることが好適である。

0032

また、チューブ18の先端部分26と中間部分30と基端部分28は、それぞれ別体で形成された後に溶着接着などにより後固着されても良いし、順次に成形と同時に接続固着することも可能である。或いは、内層26a,30a,28aと中間層26c,30c,28cを一体に備えた中間成形体に対して、各別の材質からなる外層26b,30b,28bを成形することなども可能である。

0033

さらに、チューブ18の先端部分26の先端に設けられた先端チップ20は、先端部分26と一体成形されていても良いし、適切な樹脂材料で別体形成されて接着や溶着などで固着されていても良い。先端チップ20の基端部分は、チューブ18の先端部分26と略同じ外内径寸法を有する基端筒部34とされており、先端部分26から一体的につながっている。

0034

また、先端チップ20の先端側の開口は、斜めに切った略「そぎ」の形状とされており、血栓を吸引するための吸引口12が斜めに開口形成されている。すなわち、先端チップ20の先端側の周壁端面は、周上の一箇所からチューブ18の中心軸に対して傾斜した斜め方向に伸びており、中心軸に直角な方向から見た場合に軸方向に延びる略長円形状とされている。これにより、吸引口12が、チューブ18の長さ方向に延びる中心軸に対して傾斜して斜め前方または斜め側方に向かって開口していると共に、その開口面積が、中央ルーメン24の軸直角方向の断面積よりも大きく設定されている。

0035

更にまた、先端チップ20には、吸引口12の周壁最先端部分に位置して、小径筒状の先端筒部32が設けられており、かかる先端筒部32の内孔が、先端チップ20の内周面から軸方向に延びて貫通することでガイドワイヤルーメン38が形成されている。なお、本実施形態では、先端筒部32の内周面にガイドスリーブ36が内挿固着されて形状安定性が向上されている。因みに、このようなガイドスリーブ36によるガイドスリーブの補強構造は、例えば本出願人が先に提案した特開2007−7388号公報に詳述されている。

0036

なお、かかる先端チップ20においても、好適には、成形材料に造影剤が配合されたり、外周面に造影チップなどが固着されたりして、これにより、先端チップ20がX線透視下で視認可能とされる。

0037

一方、チューブ18の基端部分28の端部には、Y字コネクタ22が取り付けられる。このY字コネクタ22は、チューブ18の基端部分28が嵌め入れられて固定される二重筒構造圧入部40に対して、互いに分岐した第1および第2の筒部42,44が設けられた構造とされている。

0038

第1の筒部42は、圧入部40から略同一中心軸上で基端側へ延びており、チューブ18の中央ルーメン24の基端側開口が第1の筒部42に接続されている。これにより、カテーテル本体14の中央ルーメン24が、Y字コネクタ22の第1の筒部42の内孔に連通されており、第1の筒部42の基端側開口46において開口されている。なお、カテーテル本体14の中央ルーメン24は、先端チップ20の吸引口12の前方に設けられた先端筒部32の内孔にも連通されており、それによってガイドワイヤ挿通路が構成されることで、本実施形態ではオーバーワイヤ型のカテーテルとされている。

0039

さらに、第1の筒部42の長さ方向中間部分から分岐構造をもって設けられた第2の筒部44は、第1の筒部42から斜め外方に傾斜して延びている。そして、チューブ18の中央ルーメン24が、第1の筒部42の内孔を経て、第2の筒部44に連通されており、第2の筒部44の基端側開口47において開口されている。なお後述するように、本実施形態では、カテーテル本体14における吸引口12を備えた中央ルーメン24から、第1及び第2の筒部の内孔を経て、第2の筒部の基端側開口47より外部へ、血栓が吸引除去されるようになっており、カテーテル本体14における中央ルーメン24によって血栓吸引ルーメンが構成されている。

0040

以上の如き、カテーテル本体14の先端側に先端チップ20を備えているとともに、カテーテル本体14の基端側にコネクタとしてのY字コネクタ22が装着された本実施形態の血栓吸引カテーテル10では、Y字コネクタ22の第1の筒部42の基端側開口部46を経て、カテーテル本体14の中央ルーメン24の基端側開口部からスタイレット16が挿入可能とされている。なお、本実施形態では、Y字コネクタ22における第1の筒部42の基端側開口部46により、スタイレット16の挿入用ポートが構成されている。

0041

スタイレット16は、図3(a)に示されるように、スタイレット本体48の基端にハブ50が固着された構造となっている。

0042

スタイレット本体48は、例えばステンレス鋼やNi−Ti合金などのチューブ18よりも剛性の大きい線状材で構成されており、ある程度の弾性をもって元形状に保持され且つ変形後にも元形状へ復元されるようになっている。また、スタイレット本体48の先端51は、自由端とされている一方、先端部分に所定の曲率半径をもった湾曲部52が設けられている。これにより、本実施形態のスタイレット本体48の先端51は、湾曲部52の先端の接線方向となる、図3(a)中の下方に向かって延びている。ここで、図3(b)にスタイレット16の先端部分の拡大図を示すように、スタイレット本体48の先端51は、角部をなくすように研磨等で面取りされて丸められていることが望ましい。なお、スタイレット本体48は、造影性を有する金属で形成されたり、造影マーカーを装着されることで、X線透視下で視認可能とされることが望ましい。

0043

また、スタイレット本体48の外径寸法は、中央ルーメン24の内径寸法より十分小さくされているとともに、スタイレット本体48の長さ寸法は、少なくともカテーテル本体14に装着されたY字コネクタ22における第1の筒部42の基端側開口部46からチューブ18の先端部分26に至る長さとされている。また、スタイレット本体48における湾曲部52から先端51までの軸直角方向の偏倚距離A(図3(b)参照)は、中央ルーメン24の内径寸法よりも大きくされている。

0044

これにより、スタイレット16をカテーテル本体14へ挿し入れる際には、スタイレット本体48の先端51と湾曲部52における基端側端部53付近とが中央ルーメン24の内周面にそれぞれ当接しながらカテーテル本体14の長さ方向へ移動することになる。そして、スタイレット16の湾曲部52がカテーテル本体14の先端部分26まで至ると、比較的軟質とされた当該先端部分26が、スタイレット16の湾曲部52と先端51の当接によって及ぼされる曲げ力によって折り曲げられて湾曲変形されることとなる。

0045

特に本実施形態では、チューブ18の基端部分28の曲げ剛性が比較的大きくされていることから、スタイレット本体48の湾曲部52が基端部分28を通過する際の基端部分28における変形が抑えられるようになっている。また、中央ルーメン24の内径寸法に比してスタイレット本体48の外径寸法が十分に小さくされていることから、中央ルーメン24に対して、ガイドワイヤに加えてスタイレット本体48を挿入した状態でも、中央ルーメン24の連通状態が維持されて血栓吸引用に十分な通路断面積が確保されることとなる。

0046

なお、カテーテル本体14の吸引口12の開口方向とスタイレット本体48の湾曲部52の湾曲方向とを周方向で位置合わせするためのマークなどを、Y字コネクタ22とハブ50などの対応部位に設けておいても良い。

0047

続いて、上記の如き構造とされた血栓吸引カテーテル10の一つの使用態様例について説明する。

0048

血栓吸引カテーテル10を用いて血栓吸引処置を施すに際しては、先ず、患者の血管内にガイドワイヤ54を挿し入れて、ガイドワイヤ54の先端が治療部位に至るように配する。その後、カテーテル本体14のガイドワイヤルーメン38、中央ルーメン24および第1の筒部42にガイドワイヤ54を挿通して、カテーテル本体14をガイドワイヤ54で案内させつつ血管内へ挿し入れて、カテーテル本体14の吸引口12を血管内の治療部位にまで至らせる。なお、目的とする治療部位は、血管の湾曲部を越えた先にあり、且つ湾曲部の内周側に血栓が存在しているものとする。

0049

なお、図4に示されているように、Y字コネクタ22の第1の筒部42の基端側開口部46(挿入用ポート)には、ゴム栓56を含むキャップ螺合されて液密封止されると共に、かかるゴム栓56による封止状態を維持しつつ、ガイドワイヤ54やスタイレット16がゴム栓56を貫通して挿抜可能とされる。また、Y字コネクタ22の第2の筒部44の基端側開口部47(血栓吸引ポート)には、固定キャップが螺合されて、外部管路であるチューブ60が液密に接続されており、このチューブ60を通じて、血栓に対して負圧による吸引力を及ぼすシリンジや吸引器などの吸引装置62が接続される。

0050

そして、カテーテル本体14に装着されたY字コネクタ22における第1の筒部42の基端側開口部46からスタイレット16を挿し入れて、湾曲部52を吸引処置部の手前側にある血管の湾曲部分にまで到達させる。これにより、血管の湾曲部分において外周側に沿って延びていたカテーテル本体14の先端部分が、図1に示すようにスタイレット16の形状に沿って湾曲せしめられ、その結果、カテーテル本体14の吸引口12が、血管内で血栓が存在する湾曲部分の内周側に近づくように変形移動することとなる。

0051

かかる状態で、吸引装置62による吸引力を、中央ルーメン24を通じて吸引口12から血栓へ及ぼすことにより、血管の湾曲部の内周側に付着した血栓に対しても吸引口12からの吸引力を有効に及ぼすことが可能となり、血栓吸引ルーメン(中央ルーメン24)を通じて血栓を吸引して、血管の外部へ除去することができるのである。なお、このことから明らかなように、本実施形態では、Y字コネクタ22における第2の筒部44の基端側開口部47により血栓吸引ポートが構成されている。

0052

上述のとおり、本実施形態の血栓吸引カテーテル10では、カテーテル本体14に挿入されるスタイレット16の湾曲形状に応じてカテーテル本体14が折り曲げられて所定の湾曲変形状態に保持されることから、例えばスタイレット16を患者の血管形状に合わせた湾曲形状とすることにより、血栓吸引カテーテル10の吸引口12を血管内面に付着した血栓に対して近づけることができて、血栓の吸引効率が向上され得る。

0053

また、本実施形態の血栓吸引カテーテル10のカテーテル本体14におけるチューブ18では、先端部分26と中間部分30と基端部分28において、先端側に向かって次第に曲げ剛性が小さくされていることから、スタイレット16の挿入時に、チューブ18の基端部分28の湾曲変形量が抑えられてスタイレットの挿入抵抗の軽減や手技の容易化が図られ得る。一方、チューブ18の先端部分26では、スタイレット16の湾曲形状に対応した湾曲変形が有利に生じるとともに、かかる先端部分26に吸引口12が設けられていることから、吸引口12を効果的に血栓に近づけることができる。特に、吸引口12は、血栓吸引カテーテル10の長さ方向に対して傾斜して設けられていることから、開口部を湾曲部分の内周側に向けることで血栓の吸引を一層容易に且つ効率的に行うことができる。

0054

また、本実施形態では、Y字コネクタ22が設けられて、当該Y字コネクタ22において挿入用ポート(第1の筒部42の基端側開口部46)と血栓吸引ポート(第2の筒部44の基端側開口部47)が別個に設けられることから、スタイレット16を挿入した状態、すなわち血栓吸引カテーテル10の先端部分が折り曲げ変形した状態での血栓の吸引が容易に実現され得る。

0055

以上、本発明の実施形態および実施例について説明してきたが、本発明はかかる実施形態における具体的な記載によって限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良などを加えた態様で実施可能である。

0056

たとえば、血栓吸引カテーテル64として、湾曲部52の湾曲角度と湾曲部位、曲げ剛性などの少なくとも一つが相互に異ならされた複数種類のスタイレット66a,66b,66cを組み合わせて構成することも可能である。具体的には、例えば図5に示すスタイレット66では、図5中の下方になるにつれて湾曲角度が大きくされた3種類のスタイレット66a,66b,66cの組み合わせ構造が示されている。すなわち、予め湾曲角度が相互に異ならされた複数のスタイレット66a,66b,66cを準備しておいて、その中から、より患者の血管形状に則したスタイレットを選択して使用することにより、血栓吸引カテーテル64の折り曲げ角度を血栓吸引により適したものにすることができる。あるいは、例えば血管の複数箇所で血栓吸引を行う場合などには、施術中にスタイレットの交換を行うことにより、血栓吸引カテーテル64の折り曲げ角度を変更することができて、血栓吸引効率の向上が図られ得る。更には、複数本のスタイレットを同時にカテーテル本体14内へ挿入することで、より複雑な湾曲形状の血管に対応することなども可能でなる。

0057

また、湾曲部52が設けられる位置は、スタイレット本体の長さ方向中央より先端側を意味する先端部分であれば良く、スタイレット本体における厳格最先端に限定されるものではない。さらに、湾曲部より基端側は直線状である必要はなく、例えばスタイレット本体の全体が、大きな曲率半径をもって形成されていて且つ先端部分にだけ小さな曲率半径の湾曲部が設けられていても良い。また、スタイレット本体の先端部分において、長さ方向で異なる位置に複数の湾曲部を設けることも可能である。従って、スタイレット本体の形状は何等限定されるものではなく、患者の血管形状などに応じて適宜に設計、変更され得る。

0058

さらに、前記実施形態では、カテーテル本体14の基端においてY字コネクタ22が設けられていたが、カテーテル本体14の基端に装着されるコネクタの具体的構造は限定されるものでない。例えば、シール材が設けられた1つのポートを有するコネクタを採用して、当該1つのポートに、血栓吸引ルーメンに接続される中空管体とスタイレット、および必要に応じてガイドワイヤを挿通させるようにしてもよい。

0059

また、前記実施形態では、カテーテル本体14において、シングルルーメンとされていたが、ダブルルーメントリプルルーメンを採用することも可能である。それにより、例えばガイドワイヤ54の挿通ルーメンと血栓吸引ルーメンとを別ルーメンとしたり、スタイレットの挿入ルーメンを更に別ルーメンとするなど、自由に設計することができる。

0060

また、前記実施形態の血栓吸引カテーテル10は、オーバーザワイヤ型のカテーテルとされていたが、例えばガイドワイヤ用ルーメンを独立して設けることでラピッドエクスチェンジ型のカテーテルとすることも可能である。

0061

10,64:血栓吸引カテーテル、12:吸引口、14:カテーテル本体、16,66a,66b,66c:スタイレット、22:Y字コネクタ(コネクタ)、24:中央ルーメン(血栓吸引ルーメン)、46:基端側開口部(挿入用ポート)、47:基端側開口部(血栓吸引ポート)、52:湾曲部

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