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技術 帯域制御回路、チューナブルフィルタ、チューナブルデュプレクサおよび帯域制御方法

出願人 日本電気株式会社
発明者 田中宣幸
出願日 2015年9月24日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2015-186351
公開日 2017年3月30日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2017-063254
状態 未査定
技術分野 フィルタ・等化器 フィードバック制御一般 遅延・整合・分波・合波回路
主要キーワード 使用時温度 目標帯域 チューナブルバンドパスフィルタ 通過ロス 制御関数 送信用周波数 制御係数 減衰曲線
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図面 (9)

課題

チューナブルフィルタ帯域特性の変動に寄与する各種パラメータが変化する場合であっても、チューナブルフィルタの帯域特性を容易かつ高精度に制御できる帯域制御回路を提供する。

解決手段

本発明の帯域制御回路10は、入力されたパラメータに対応する係数を取得する係数取得手段20、取得した係数を用いて制御関数を決定する関数決定手段30、および、決定した制御関数を用いてチューナブルフィルタの通過帯域を制御するための操作量演算する演算手段40を備える。ここで、制御関数は、係数が設定された時に、操作量が入力されることによってチューナブルフィルタの帯域に関する値を出力する関数である。

概要

背景

チューナブルフィルタは、中心周波数可変範囲内において連続的に選択できるフィルタである。チューナブルフィルタは、例えば、特許文献1に開示されている。図8に、チューナブルフィルタの通過特性の一例を示す。図8は、中心周波数がfC1、fC2、fC3の三箇所に切り替え可能なチューナブルフィルタにおいて、中心周波数がfC1に設定されている場合のチューナブルフィルタから出力される振幅特性(通過特性)である。

ここで、チューナブルフィルタの通過特性は、様々な要因によって変化する。具体的には、チューナブルフィルタの通過特性は、通過される信号の使用帯域、チューナブルフィルタの周囲温度駆動電圧または/および経時劣化等によって変化する。従って、例えば、温度変化等が発生した場合であっても使用帯域における通過ロスリターンロス等の規格満足するために、チューナブルフィルタの通過帯域は、あらかじめ広く設計しておく必要がある。この場合、チューナブルフィルタの設計が困難になると共に、チューナブルフィルタの製造の歩留まりが悪くなる。

そこで、チューナブルフィルタにおいては、各種要因が変動した場合に通過特性の補正を行うための補償回路が配置されることが望ましい。チューナブルフィルタの周囲温度の変動に起因する通過特性の変動を補償する技術は、例えば、特許文献2に開示されている。特許文献2のチューナブルフィルタは、チューナブルフィルタにおける可変機構パラメータ選択波長との相関関係を示す変換テーブルを保持し、チューナブルフィルタの使用時温度に近い変換テーブルを決定し、該決定した変換テーブルに基づいてチューナブルフィルタによって選択される波長演算する。ここで、特許文献2のチューナブルフィルタは、可変機構パラメータと選択波長との相関関係を直線近似し、変換テーブルとして保持する。

概要

チューナブルフィルタの帯域特性の変動に寄与する各種パラメータが変化する場合であっても、チューナブルフィルタの帯域特性を容易かつ高精度に制御できる帯域制御回路を提供する。 本発明の帯域制御回路10は、入力されたパラメータに対応する係数を取得する係数取得手段20、取得した係数を用いて制御関数を決定する関数決定手段30、および、決定した制御関数を用いてチューナブルフィルタの通過帯域を制御するための操作量を演算する演算手段40を備える。ここで、制御関数は、係数が設定された時に、操作量が入力されることによってチューナブルフィルタの帯域に関する値を出力する関数である。

目的

本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、チューナブルフィルタの帯域特性の変動に寄与する各種パラメータが変化する場合であっても、チューナブルフィルタの帯域特性を容易かつ高精度に制御できる帯域制御回路、チューナブルフィルタ、チューナブルデュプレクサおよび帯域制御方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

入力されたパラメータに対応する係数を取得する係数取得手段と、前記取得した係数を用いて制御関数を決定する関数決定手段と、前記決定した制御関数を用いてチューナブルフィルタ通過帯域を制御するための操作量演算する演算手段と、を備え、前記制御関数は、前記係数が設定された時に、操作量が入力されることによって前記チューナブルフィルタの帯域に関する値を出力する関数であることを特徴とする帯域制御回路

請求項2

前記演算した操作量に基づいてチューナブルフィルタの通過帯域を調整する調整手段をさらに備える請求項1に記載の帯域制御回路。

請求項3

パラメータごとに係数が登録された記憶手段をさらに備え、前記係数取得手段は、入力されたパラメータに対応する係数を前記記憶手段から抽出することによって取得する、請求項1または2に記載の帯域制御回路。

請求項4

前記チューナブルフィルタの周囲温度計測して前記係数取得手段へ出力する計測手段をさらに備え、前記パラメータは、前記チューナブルフィルタの周囲温度である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の帯域制御回路。

請求項5

前記パラメータは、前記チューナブルフィルタの使用帯域ごとの前記チューナブルフィルタの周囲温度であり、前記係数取得手段は、前記チューナブルフィルタの使用帯域および前記入力された周囲温度に対応する係数を取得する、請求項4に記載の帯域制御回路。

請求項6

前記演算手段は、前記決定した制御関数を用いて現在設定されているチューナブルフィルタの通過帯域を推定し、推定結果と目標帯域との差分が所定の閾値より大きい場合に前記操作量を演算する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の帯域制御回路。

請求項7

前記係数取得手段は、入力されたパラメータを間に挟む1組のリファレンス用パラメータに対応する1組の係数を取得し、前記関数決定手段は、前記取得した1組の係数を用いて1組制御関数を決定し、前記演算手段は、前記決定した1組の制御関数を用いて1組の操作量を演算し、演算した1組の操作量を補間処理することにより1つの前記操作量を演算する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の帯域制御回路。

請求項8

適用された操作量に応じて通過帯域が変化するフィルタ部と、前記フィルタ部へ適用される操作量を演算する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の帯域制御回路と、を備えるチューナブルフィルタ。

請求項9

適用された第1操作量に応じて受信信号の通過帯域が変化する第1フィルタ部と、適用された第2操作量に応じて送信信号の通過帯域が変化する第2フィルタ部と、前記第1フィルタ部へ適用される第1操作量と前記第2フィルタ部へ適用される第2操作量とを演算する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の帯域制御回路と、を備えるチューナブルデュプレクサ

請求項10

入力されたパラメータに対応する係数を取得し、操作量が入力されることによってチューナブルフィルタの帯域に関する値を出力する関数である制御関数を、前記取得した係数を用いて決定し、前記決定した制御関数を用いて前記チューナブルフィルタの通過帯域を制御するための操作量を演算する、帯域制御方法

技術分野

0001

本発明は、帯域制御回路、該帯域制御回路を備えたチューナブルフィルタおよびチューナブルデュプレクサ帯域制御方法に関する。

背景技術

0002

チューナブルフィルタは、中心周波数可変範囲内において連続的に選択できるフィルタである。チューナブルフィルタは、例えば、特許文献1に開示されている。図8に、チューナブルフィルタの通過特性の一例を示す。図8は、中心周波数がfC1、fC2、fC3の三箇所に切り替え可能なチューナブルフィルタにおいて、中心周波数がfC1に設定されている場合のチューナブルフィルタから出力される振幅特性(通過特性)である。

0003

ここで、チューナブルフィルタの通過特性は、様々な要因によって変化する。具体的には、チューナブルフィルタの通過特性は、通過される信号の使用帯域、チューナブルフィルタの周囲温度駆動電圧または/および経時劣化等によって変化する。従って、例えば、温度変化等が発生した場合であっても使用帯域における通過ロスリターンロス等の規格満足するために、チューナブルフィルタの通過帯域は、あらかじめ広く設計しておく必要がある。この場合、チューナブルフィルタの設計が困難になると共に、チューナブルフィルタの製造の歩留まりが悪くなる。

0004

そこで、チューナブルフィルタにおいては、各種要因が変動した場合に通過特性の補正を行うための補償回路が配置されることが望ましい。チューナブルフィルタの周囲温度の変動に起因する通過特性の変動を補償する技術は、例えば、特許文献2に開示されている。特許文献2のチューナブルフィルタは、チューナブルフィルタにおける可変機構パラメータ選択波長との相関関係を示す変換テーブルを保持し、チューナブルフィルタの使用時温度に近い変換テーブルを決定し、該決定した変換テーブルに基づいてチューナブルフィルタによって選択される波長演算する。ここで、特許文献2のチューナブルフィルタは、可変機構パラメータと選択波長との相関関係を直線近似し、変換テーブルとして保持する。

先行技術

0005

特開2011−9806号公報
特開2003−287689号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献2に開示されているように、可変機構パラメータと選択波長との相関関係を直線近似して変換テーブルとして保持する場合、例えば、特性が直線近似から外れる温度領域においては、選択波長を高精度に求めることは困難である。一方、可変機構パラメータと選択波長との相関関係を所定の軌跡等で保持する場合、選択波長を高精度に求めることはできるものの、軌跡を特定することが困難であると共にメモリ負荷が大きくなる。

0007

本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、チューナブルフィルタの帯域特性の変動に寄与する各種パラメータが変化する場合であっても、チューナブルフィルタの帯域特性を容易かつ高精度に制御できる帯域制御回路、チューナブルフィルタ、チューナブルデュプレクサおよび帯域制御方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するために本発明に係る帯域制御回路は、入力されたパラメータに対応する係数を取得する係数取得手段と、前記取得した係数を用いて制御関数を決定する関数決定手段と、前記決定した制御関数を用いてチューナブルフィルタの通過帯域を制御するための操作量を演算する演算手段と、を備え、前記制御関数は、前記係数が設定された時に、操作量が入力されることによって前記チューナブルフィルタの帯域に関する値を出力する関数であることを特徴とする。

0009

上記目的を達成するために本発明に係るチューナブルフィルタは、適用された操作量に応じて通過帯域が変化するフィルタ部と、前記フィルタ部へ適用される操作量を演算する上記の帯域制御回路と、を備える。

0010

上記目的を達成するために本発明に係るチューナブルデュプレクサは、適用された第1操作量に応じて受信信号の通過帯域が変化する第1フィルタ部と、適用された第2操作量に応じて送信信号の通過帯域が変化する第2フィルタ部と、前記第1フィルタ部へ適用される第1操作量と前記第2フィルタ部へ適用される第2操作量とを演算する上記の帯域制御回路と、を備える。

0011

上記目的を達成するために本発明に係る帯域制御方法は、入力されたパラメータに対応する係数を取得し、操作量が入力されることによってチューナブルフィルタの帯域に関する値を出力する関数である制御関数を、前記取得した係数を用いて決定し、前記決定した制御関数を用いて前記チューナブルフィルタの通過帯域を制御するための操作量を演算する。

発明の効果

0012

上述した本発明の態様によれば、チューナブルフィルタの帯域特性の変動に寄与する各種パラメータが変化する場合であっても、チューナブルフィルタの帯域特性を容易かつ高精度に制御できる。

図面の簡単な説明

0013

第1の実施形態に係る帯域制御回路10のブロック構成図である。
第2の実施形態に係るチューナブルバンドパスフィルタ100のブロック構成図である。
第2の実施形態に係るチューナブルバンドパスフィルタ100において、操作量Xと中心周波数f(X)との関係を示す図である。
第2の実施形態に係るメモリ400に登録されている制御係数群の一例である。
第2の実施形態に係るチューナブルバンドパスフィルタ100において、中心周波数のズレを補償する手順を示すフローチャートである。
中心周波数のズレを補償する手順を説明するための図である。
第3の実施形態に係るチューナブルデュプレクサ700の透過斜視図である。
一般的なチューナブルバンドパスフィルタの通過特性の一例である。

実施例

0014

<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態に係る帯域制御回路のブロック構成図を図1(a)に示す。図1(a)の帯域制御回路10は、係数取得手段20、関数決定手段30および演算手段40を備える。

0015

係数取得手段20は、入力されたパラメータに対応する係数を取得する。ここで、本実施形態において、パラメータとは、変化することによってチューナブルフィルタの帯域特性の変動を引き起こす物理量を指す。パラメータとしては、例えば、チューナブルフィルタを通過する信号の帯域や変調方式、チューナブルフィルタの周囲温度、駆動電圧、稼働時間等である。係数取得手段20は、入力されたパラメータの物理量に対応する係数を取得する。

0016

関数決定手段30は、係数取得手段20が取得した係数を用いて、制御関数を決定する。ここで、制御関数とは、係数が設定された時に、操作量Xが入力されることによってチューナブルフィルタの帯域に関する値f(X)を出力する関数である。本実施形態に係る制御関数は、f(X)として、チューナブルフィルタの中心周波数を出力する。チューナブルフィルタの帯域特性(中心周波数)の変動を引き起こすパラメータに対応して取得された係数が制御関数に適用されることにより、パラメータの物理量に応じた最適な制御関数が決定される。

0017

演算手段40は、関数決定手段30において決定された制御関数を用いて操作量Xを演算する。本実施形態に係る演算手段40は、その時のチューナブルフィルタの中心周波数が目標とする中心周波数f(X)になる操作量Xを、決定された制御関数から逆算する。

0018

上記のように構成された帯域制御回路10は、チューナブルフィルタの帯域特性の変動を引き起こすパラメータに対応する係数を取得して制御関数を決定し、決定した制御関数から目標とする帯域特性(中心周波数)を与える操作量を演算する。この場合、パラメータの物理量に応じた最適な制御関数を決定することができることから、本実施形態に係る帯域制御回路10は、チューナブルフィルタの帯域特性の変動に寄与する各種パラメータが変化する場合であっても、チューナブルフィルタの帯域特性を容易かつ高精度に制御できる。

0019

<第2の実施形態>
第2の実施形態について説明する。本実施形態に係るチューナブルバンドパスフィルタのブロック構成図を図2に示す。図2において、チューナブルバンドパスフィルタ100は、フィルタ部200、操作部300、メモリ400、温度センサ500および演算部600を備える。

0020

フィルタ部200は、中心周波数を連続的に変更可能なフィルタである。本実施形態に係るフィルタ部200は、操作部300から設定された操作量Xにより、中心周波数が制御される。ここで、フィルタ部200の中心周波数は、利用されている周波数帯域や周囲温度によっても変化する。

0021

操作部300は、演算部600から入力された操作量Xに基づいて、フィルタ部200の中心周波数を制御する。ここで、上述のように、フィルタ部200の中心周波数は、利用されている周波数帯域やフィルタ部200の周囲温度によっても変化する。すなわち、操作量Xが一定であっても、利用されている周波数帯や周囲温度が変化することによって、フィルタ部200の中心周波数は初期設定値から変化する。ここで、本実施形態においては、各種要因によって変化するフィルタ部200の中心周波数を、線形関数および周期関数の組み合わせによって定義する。具体的には、操作量Xの時のフィルタ部200の中心周波数を、式(1)の制御関数f(X)によって表す。

0022

f(X)=A・sin(B+C・X)+D・X+E 式(1)
ここで、A、B、C、D、Eは、利用されている周波数帯域やフィルタ部200の周囲温度によって決まる制御係数である。制御係数は、例えば、操作量Xとその時の中心周波数f(X)のデータセットを複数取得し、最小二乗法を適用することによって求めることができる。なお、他の手法を用いて制御係数を求めることもできる。

0023

なお、各制御係数はゼロ値をとることができ、制御係数Dがゼロの場合は式(2)、制御係数Aがゼロの場合は式(3)となる。操作量Xの変化に応じて中心周波数が直線近似的に変化する場合、式(3)となる。

0024

f(X)=A・sin(B+C・X)+E 式(2)
f(X)=D・X+E 式(3)
操作量Xを所定量ΔXだけ変化させた場合であっても、利用する周波数帯域やフィルタ部200の周囲温度によって、中心周波数の変化量Δfは異なってしまう。従って、最適な制御係数を設定して最適な制御関数f(X)を用いることにより、フィルタ部200のその時の中心周波数を可変範囲全域において高精度に推定することができる。

0025

ここで、参考に、利用されている周波数帯域が帯域αであって、周囲温度が−20℃、0℃、20℃、40℃および60℃の時の、操作量Xと中心周波数fαT(X)との関係を図3(a)に示す。さらに、利用されている周波数帯域が帯域βであって、周囲温度が−20℃、0℃、20℃、40℃および60℃の時の、操作量Xと中心周波数fβT(X)との関係を図3(b)に示す。

0026

図2の説明に戻る。メモリ400には、目標とするフィルタ部200の中心周波数fobject、演算部600から入力された操作量Xsetが登録される。また、メモリ400には、周波数領域および周囲温度ごとに制御関数の制御係数が登録されている。本実施形態において、メモリ400には、可変範囲内における周波数帯域ごと、および、フィルタ部200の周囲温度ごとに、式(1)で示した制御係数A、B、C、D、E(以下、制御係数群と記載する。)が登録されている。本実施形態に係るメモリ400に登録されている制御係数群の一例を図4に示す。図4において、メモリ400には、周波数帯域α、β、γ…、および、周囲温度−20度、0度、20度…ごとに、制御係数群が登録されている。

0027

温度センサ500は、所定の時間間隔でフィルタ部200の周囲温度を測定する。そして、本実施形態に係る温度センサ500は、フィルタ部200の周囲温度が変化したことを感知した場合、その時の周囲温度を測定温度Tとして演算部600へ出力する。なお、温度センサ500がフィルタ部200の周囲温度の変化を感知した場合に、測定温度Tを演算部600へ出力することに限定されず、温度センサ500が所定の時間間隔で測定温度Tを演算部600へ出力するようにしても良い。

0028

演算部600は、温度センサ500から測定温度Tが入力された場合、その時に利用されている周波数帯域および入力された測定温度Tに対応する制御係数群をメモリ400から抽出し、抽出した制御係数群を式(1)に適用することにより、演算に用いる制御関数f(X)を生成する。さらに、演算部600は、生成した制御関数f(X)にその時に操作部300に設定されている操作量Xsetをメモリ400から読み出して挿入することにより、その時のフィルタ部200の中心周波数f(Xset)を推定する、そして、推定した中心周波数f(Xset)が目標とするフィルタ部200の中心周波数fobjectとずれている場合、新たな操作量Xを演算して操作部300へ設定することにより、周囲温度の変化等によって生じた中心周波数のズレを補償する。

0029

上記のように構成されたチューナブルバンドパスフィルタ100は、その時に利用されている周波数帯域および測定温度Tにおける制御係数群を抽出して適用する制御関数f(X)を関数を決定し、決定した制御関数f(X)を用いて新たな操作量Xを演算して操作部300へ設定する。これにより、フィルタ部200の周囲温度が変化した場合にフィルタ部200の中心周波数のズレを補償することができる。

0030

次に、チューナブルバンドパスフィルタ100の中心周波数が目標とする中心周波数fobjectとずれている場合に、該中心周波数のズレを補償する手順を図5を用いて詳細に説明する。図5において、温度センサ500は、所定の時間間隔でフィルタ部200の周囲温度を測定し、フィルタ部200の周囲温度の変化を感知した場合(S101)、その時の周囲温度を測定温度Tとして演算部600へ出力する(S102)。

0031

演算部600は、温度センサ500から測定温度Tが入力された場合、利用されている周波数帯域を取得し、取得した周波数帯域と入力された測定温度Tとに対応する制御係数群をメモリ400から読み出す。演算部600はさらに、読み出した制御係数群を制御関数f(X)へ適用することにより、演算に用いる制御関数f(X)を生成する(S103)。ここで、本実施形態に係る演算部600は、入力された測定温度Tと一致する制御係数群がメモリ400に登録されていない場合、入力された測定温度Tを間に挟む2組の制御係数群を抽出して2つの制御関数f(X)を生成する。具体的には、その時に利用されている周波数帯域がαであり、入力された測定温度Tが50度である場合、演算部600は、周波数帯域αおよびT=40度の時の制御係数群と、周波数帯域αおよびT=60度の時の制御係数群とを読み出し、下記の式(4)、(5)で表される2つの制御関数fα40(X)、fα60(X)を生成する。

0032

fα40(X)=Aα40・sin(Bα40+Cα40・X)+Dα40・X+Eα40 式(4)
fα60(X)=Aα60・sin(Bα60+Cα60・X)+Dα60・X+Eα60 式(5)
演算部600は、生成した制御関数f(X)に、メモリ400に登録されている操作量Xsetを挿入してf(Xset)を演算することで、その時のフィルタ部200の中心周波数を推定する(S104)。例えば、本実施形態に係る演算部600は、生成した2つの制御関数fα40(X)、fα60(X)にそれぞれ、メモリ400に登録されている操作量Xsetを挿入し、fα40(Xset)、fα60(Xset)を取得する。さらに、演算部600は、取得したfα40(Xset)、fα60(Xset)の加重平均を取る等により、すなわち、式(6)を適用する等により、その時(測定温度Tが50℃)のフィルタ部200の中心周波数fα50(Xset)を推定する。fα40(Xset)、fα60(Xset)を小さな白丸で、fα50(Xset)をバツ印で、図6に示す。

0033

fα50(Xset)=[fα40(Xset)+fα60(Xset)]/2 式(6)
演算部600は、推定した現時点でのフィルタ部200の中心周波数fα50(Xset)を、メモリ400に登録されている目標とするフィルタ部200の中心周波数fobjectと比較する(S105)。演算部600は、fα50(Xset)とfobjectとの差分が所定の閾値より小さい場合(S105のNo)、次の測定温度Tが入力されるまで待機する。一方、演算部600は、fα50(Xset)とfobjectとの差分が所定の閾値以上である場合(S105のYes)、フィルタ部200の中心周波数のズレを補償するため、新たな操作量Xの演算を開始する。

0034

この場合、演算部600は、fα40(X)、fα60(X)がそれぞれfobjectと成る時の操作量Xobject40、操作量Xobject60をそれぞれ逆算する。演算部600は、得られたXobject40とXobject60とを補間処理することで、現時点(測定温度Tが50℃)のフィルタ部200の中心周波数fα50(X)がfobjectと一致する時の操作量Xobject50を演算する(S106)。例えば、演算部600は、式(7)により、操作量Xobject50を演算する。なお、操作量Xobject50設定した時のフィルタ部200の中心周波数fα50(Xobject50)を図6黒丸で示す。

0035

Xobject50=[Xobject40+Xobject60]/2 式(7)
演算部600は、演算した操作量Xobject50を、新たな操作量Xsetとして操作部300へ出力すると共にメモリ400に登録されている操作量Xsetへ上書きする(S107)。操作部300は、演算部600から新たな操作量X’setが入力されることにより、入力された操作量X’setに基づいてフィルタ部200の中心周波数を制御する。

0036

以上のように、本実施形態に係るチューナブルバンドパスフィルタ100は、その時の周波数領域およびフィルタ部200の周囲温度に応じた最適な制御係数群をメモリ400から抽出して制御関数f(X)に設定する。この制御関数f(X)を、用いることにより、その時のフィルタ部200の中心周波数を高精度に演算できる。ここで、本実施形態においてはフィルタ部200の中心周波数の推定に用いる制御関数f(X)を、最大5つの制御係数で定義した。この場合、メモリ400に登録しておく情報を抑制しつつ、チューナブルフィルタの中心周波数を高精度に出力する制御関数f(X)を容易に保持することができる。

0037

そして、本実施形態に係るチューナブルバンドパスフィルタ100は、制御関数f(X)を用いて推定した中心周波数と目標とする中心周波数fobjectとの差分が所定の閾値以上の場合に、新たな操作量を演算して設定する。この場合、フィルタ部200の周囲温度が変化した場合でも、フィルタ部200の中心周波数の目標とする中心周波数fobjectからのずれを、所定の閾値以下に抑えることができる。なお、推定した中心周波数と目標とする中心周波数fobjectとの差分が所定の閾値より小さい場合はその時の制御内容を継続することにより、中心周波数の補償頻度を抑制でき、メカニカルチューニングにおける機構部品摩耗を軽減できる。

0038

以上のように、本実施形態に係るチューナブルバンドパスフィルタ100は、チューナブルバンドパスフィルタ100の周囲温度が変化しても、チューナブルバンドパスフィルタ100の中心周波数を容易かつ高精度に制御できる。本実施形態に係るチューナブルバンドパスフィルタ100は、フィルタ部200の中心周波数の温度ドリフトを考慮する必要が無いことから、より狭帯域な(急峻な)減衰曲線を設定することができる。また、より高い信号抽出機能、不要波放出抑制干渉波除去性能等を得ることができることから、チューナブルバンドパスフィルタ100を通信装置等に適用した場合、通信品質の改善が期待できる。

0039

<第3の実施形態>
第3の実施形態について説明する。本実施形態に係るチューナブルデュプレクサの透過斜視図を図7に示す。図7において、チューナブルデュプレクサ700は、基板710、受信用チューナブルバンドパスフィルタ720および送信用チューナブルバンドパスフィルタ730を備える。

0040

基板710上に、第2の実施形態で説明した図2のメモリ400、温度センサ500および演算部600が配置されている。以下、それらをメモリ400B、温度センサ500BおよびコントローラIC(演算部)600Bと記載する。

0041

メモリ400Bには、受信用チューナブルバンドパスフィルタ720および送信用チューナブルバンドパスフィルタ730ごとに、目標とする中心周波数fobject、適用されている操作量Xset、周波数領域および周囲温度ごとの制御係数群が登録されている。

0042

温度センサ500Bは、受信用チューナブルバンドパスフィルタ720および送信用チューナブルバンドパスフィルタ730の周囲温度を計測する。そして、温度センサ500Bは、周囲温度が変化したことを検知した場合、測定温度TをコントローラIC600Bへ出力する。

0043

コントローラIC600Bは、第2の実施形態で説明した図2の演算部600と同様に機能する。すなわち、測定温度Tが入力された場合、その時の中心周波数を推定する。そして、推定した中心周波数と目標とする中心周波数fobjectとの差分が所定の閾値以上の場合、中心周波数が中心周波数fobjectとなる新たな操作量X’setを演算する。

0044

受信用チューナブルバンドパスフィルタ720および送信用チューナブルバンドパスフィルタ730は、例えば、背景技術で挙げた特許文献2のチューナブル帯域通過フィルタの構成をそのまま適用することができる。すなわち、操作量Xは、導波管内で上下するフラップの高さを制御するステッピングモータパルス数として管理される。なお、本実施形態に係る受信用チューナブルバンドパスフィルタ720および送信用チューナブルバンドパスフィルタ730は、互いに独立に中心周波数を設定および調整することができる。

0045

ここで、上述のように、コントローラIC600Bは、その時の中心周波数を所望の中心周波数fobjectに補正できる。従って、本実施形態に係るチューナブルデュプレクサ700は、外部から周波数設定コマンドを受信し、コントローラIC600Bが基準としている中心周波数fobject自体を変更することにより、受信用チューナブルバンドパスフィルタ720および送信用チューナブルバンドパスフィルタ730の中心周波数を所望の値に調整することができる。

0046

さらに、本実施形態に係るチューナブルデュプレクサ700は、送信用周波数設定周波数受信用周波数の設定周波数との差分が所定の範囲内の場合、以下のように動作することもできる。すなわち、コントローラIC600Bは、外部から入力された設定指令に基づいて送信周波数を送信用チューナブルバンドパスフィルタ730に適用する一方、設定した送信周波数を上記の差分で修正した周波数を受信周波数として受信用チューナブルバンドパスフィルタ720に適用する。

0047

本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。

0048

10帯域制御回路
20係数取得手段
30関数決定手段
40演算手段
100チューナブルバンドパスフィルタ
200フィルタ部
300 操作部
400メモリ
500温度センサ
600 演算部
700チューナブルデュプレクサ
710基板
720受信用チューナブルバンドパスフィルタ
730送信用チューナブルバンドパスフィルタ

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