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技術 測位装置、および測位装置の測位方法

出願人 カシオ計算機株式会社
発明者 小野寺豊
出願日 2015年9月24日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2015-186257
公開日 2017年3月30日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2017-062126
状態 特許登録済
技術分野 電池等の充放電回路 無線による位置決定 電源
主要キーワード タイムラグ期間 下り行程 上り行程 累積移動量 平らの 事前計画 電力消費制御 シリアルフラッシュ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

移動計画電池容量に基づき、移動計画の開始から終了まで高い精度の測位情報を取得する。

解決手段

ユーザに保持されて測位を行う測位装置1は、測位用衛星から信号を受信して測位を行うGPS制御手段81と、動き方位を検出する自律航法用センサ5と、自律航法用センサ5の出力に基づき、相対的な位置変化を求めて測位を行う自律測位手段831と、ユーザの上下方向の移動に伴い、GPS制御手段81および自律測位手段831を制御して、測位の方式を切り替える制御手段833とを備える。制御手段833は、移動計画121に基づき、移動経路に沿った時間帯毎の位置データを作成し、時間帯毎の位置データを比較することで下り移動が予測される時間帯のGPS制御手段81の稼働率を、上り移動または水平移動が予測される時間帯のGPS制御手段81の稼働率よりも高くした電力消費計画122を作成してGPSモジュール4を駆動する。

概要

背景

従来の電池駆動端末は、電池残量によらず決められた定常動作を実施するものと、電池残量が予め決められた閾値を下回った際に定常動作から低消費電力動作等へ遷移するものとがある。このような電池駆動端末でユーザが所定の計画を完了した際、この計画による消費電池容量が電池容量よりも小さい場合には、電池容量を余らせる事になる。ここで定常動作自体に低消費電力処理による性能劣化要素が含まれている場合、電池駆動端末は、電力が余っているにも関わらず、その性能が劣化することになる。
また、この計画による消費電池容量が電池容量よりも小さい場合、電池駆動端末は、ユーザが所定の計画を完了する前に電池容量を使い切るおそれがある。

特許文献1には、「電池残量検知部2からの電池5の残量と消費電力測定部3からの現在の消費電力値から演算・制御部4が電池5の残量で動作可能な時間を計算し、使用したい時間設定入力部1によって操作者が設定した時間に対して電池5の残量による動作可能時間が短いと演算・制御部4が判断すると、CPU6や表示装置7やその他のデバイス8の消費電力を削減するために動作性能下げ、また、残動作可能時間の方が長いと判断すると、動作性能を上げるように制御する。」と記載されている。特許文献1に記載の発明によれば、電池を放電し尽くすまでの時間内という条件下で、最も性能の高い動作条件自動設定することができる。

概要

移動計画と電池容量に基づき、移動計画の開始から終了まで高い精度の測位情報を取得する。ユーザに保持されて測位を行う測位装置1は、測位用衛星から信号を受信して測位を行うGPS制御手段81と、動き方位を検出する自律航法用センサ5と、自律航法用センサ5の出力に基づき、相対的な位置変化を求めて測位を行う自律測位手段831と、ユーザの上下方向の移動に伴い、GPS制御手段81および自律測位手段831を制御して、測位の方式を切り替える制御手段833とを備える。制御手段833は、移動計画121に基づき、移動経路に沿った時間帯毎の位置データを作成し、時間帯毎の位置データを比較することで下り移動が予測される時間帯のGPS制御手段81の稼働率を、上り移動または水平移動が予測される時間帯のGPS制御手段81の稼働率よりも高くした電力消費計画122を作成してGPSモジュール4を駆動する。

目的

本発明は、移動計画と電池容量に基づき、この移動計画の開始から終了まで高い精度の測位情報を取得可能とすることを課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

測位用衛星から信号を受信して測位を行う第1の測位手段と、動き方位に関する検出を行う自律航法用センサの出力に基づき測位を行う第2の測位手段と、前記第1の測位手段及び前記第2の測位手段の稼働率を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、下り移動時の前記第1の測位手段の稼働率が、前記下り移動以外の移動時の前記第1の測位手段の稼働率よりも高くなるように前記第1の測位手段を駆動する、ことを特徴とする測位装置

請求項2

前記制御手段は、移動体移動経路及び移動時間を含む移動計画に基づき、前記下り移動が予測される時間帯の前記第1の測位手段の稼働率を、前記下り移動以外の移動が予測される時間帯の前記第1の測位手段の稼働率よりも高くした電力消費計画を作成し、作成した前記電力消費計画に基づく稼働率で前記第1の測位手段を駆動する、ことを特徴とする請求項1に記載の測位装置

請求項3

前記第1の測位手段は前記第2の測位手段よりも単位時間あたりの消費電池容量が大きい、ことを特徴とする請求項2に記載の測位装置。

請求項4

前記制御手段は、前記移動計画の達成時に消費電池容量が所定範囲になるように前記第1の測位手段の稼働率を調整する、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の測位装置。

請求項5

少なくとも前記下り移動と前記下り移動以外の移動とを検知する移動検知手段を更に備え、前記制御手段は、前記電力消費計画と前記移動検知手段が検知した移動方向とを比較し、両者間にずれが生じている際には、前記電力消費計画における前記第1の測位手段の稼働率を修正して実行する、ことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の測位装置。

請求項6

測位装置が実行する測位方法であって、前記測位装置は、測位用衛星から信号を受信して測位を行う第1の測位手段と、動きと方位に関する検出を行う自律航法用センサの出力に基づき測位を行う第2の測位手段と、前記第1の測位手段および前記第2の測位手段の稼働率を制御する制御手段とを備えており、前記制御手段が、下り移動時の前記第1の測位手段の稼働率を、前記下り移動以外の移動時の前記第1の測位手段の稼働率よりも高くなるように前記第1の測位手段を駆動する、ことを特徴とする測位装置の測位方法。

技術分野

0001

本発明は、測位装置、および測位装置の測位方法に関する。

背景技術

0002

従来の電池駆動端末は、電池残量によらず決められた定常動作を実施するものと、電池残量が予め決められた閾値を下回った際に定常動作から低消費電力動作等へ遷移するものとがある。このような電池駆動端末でユーザが所定の計画を完了した際、この計画による消費電池容量が電池容量よりも小さい場合には、電池容量を余らせる事になる。ここで定常動作自体に低消費電力処理による性能劣化要素が含まれている場合、電池駆動端末は、電力が余っているにも関わらず、その性能が劣化することになる。
また、この計画による消費電池容量が電池容量よりも小さい場合、電池駆動端末は、ユーザが所定の計画を完了する前に電池容量を使い切るおそれがある。

0003

特許文献1には、「電池残量検知部2からの電池5の残量と消費電力測定部3からの現在の消費電力値から演算・制御部4が電池5の残量で動作可能な時間を計算し、使用したい時間設定入力部1によって操作者が設定した時間に対して電池5の残量による動作可能時間が短いと演算・制御部4が判断すると、CPU6や表示装置7やその他のデバイス8の消費電力を削減するために動作性能下げ、また、残動作可能時間の方が長いと判断すると、動作性能を上げるように制御する。」と記載されている。特許文献1に記載の発明によれば、電池を放電し尽くすまでの時間内という条件下で、最も性能の高い動作条件自動設定することができる。

先行技術

0004

特開平11−259183号公報

発明が解決しようとする課題

0005

近年では、GPS(全地球測位システム)測位装置と自律航法用センサ加速度センサ地磁気センサなど)とを組み合わせて測位を行うことで、移動経路中の各地点の位置データを蓄積していく測位装置が開発されている。自律航法用センサは、GPS測位装置と比較して単位時間当たりの消費電池容量が小さいため、消費電池容量を低減させることができる。また自律航法用センサは、GPS衛星電波が届かない区域でも、相対的な移動量および移動方向を連続的に計測していくことで、測位を行うことができる。しかし、自律航法用センサは、相対的な移動量を測定するものであるため、次第に誤差が累積するという欠点がある。また、スタート地点を特定することが難しいという欠点もある。
これに対してGPS測位装置は、緯度経度などを測位することができるが、自律航法用センサと比較して単位時間当たりの消費電池容量が大きく、かつGPS衛星の電波が届かない区域では測位を行えないという欠点がある。よって測位装置は、GPS測位装置を間欠的に動作させつつ、自律航法用センサを継続的に動作させて、両者の欠点を打ち消している。

0006

このような測位装置では、高精度の測位情報を得ることと、移動の開始から終了まで継続して測位を行うことを両立しなければならない。しかし、この測位装置に特許文献1に記載の発明を適用したとしても、移動の開始から終了まで継続して測位を行うことが実現できるのみであり、より高精度の測位情報を得ることは実現できない。

0007

そこで、本発明は、移動計画と電池容量に基づき、この移動計画の開始から終了まで高い精度の測位情報を取得可能とすることを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、上記目的を達成するため、
測位用衛星から信号を受信して測位を行う第1の測位手段と、
動き方位に関する検出を行う自律航法用センサの出力に基づき測位を行う第2の測位手段と、
前記第1の測位手段及び前記第2の測位手段の稼働率を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、下り移動時の前記第1の測位手段の稼働率が、前記下り移動以外の移動時の前記第1の測位手段の稼働率よりも高くなるように前記第1の測位手段を駆動する、
ことを特徴とする測位装置である。

発明の効果

0009

本発明によれば、移動計画と電池容量に基づき、この移動計画の開始から終了まで高い精度の測位情報を取得することができる。

図面の簡単な説明

0010

第1の実施形態における測位装置のブロック図である。
測位装置の加速度センサが検知する加速度ジャイロセンサが検知する角速度とを示す図である。
測位装置の論理ブロック図である。
事前計画書の画面例である。
電力消費計画の一例(その1)を示す図である。
電力消費計画の一例(その2)を示す図である。
電力消費計画の一例を示すグラフである。
電力消費制御処理を示すフローチャートである。
電力消費計画作成処理を示すフローチャートである。
測位処理を示すフローチャートである。

実施例

0011

以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態における測位装置1のブロック図である。
この測位装置1は、例えば登山者などによる使用に適した機能を有し、開始地点から終了地点までを歩行する際に、各時間の位置を測位する機能と、測位した位置情報履歴を事後的に外部に出力する機能とを有する。なお、この測位装置1は、腕時計型電子機器携帯電話スマートフォンタブレット端末携帯ゲーム機携帯PC(Personal Computer)等の携帯端末型の電子機器によっても実現できる。

0012

測位装置1は、CPU(Central Processing Unit)11、シリアルフラッシュ12、RAM(Random Access Memory)13、ROM(Read Only Memory)14を備えている。
CPU11はコンピュータであり、シリアルフラッシュ12やROM14に予め記憶された装置制御プログラム(不図示)に従い、RAM13を作業用メモリとして回路各部の動作を制御して各種の機能を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等が適宜記憶される。
シリアルフラッシュ12は、読み書き可能なフラッシュメモリである。このシリアルフラッシュ12は、移動経路を予め計画した移動計画121、測位装置1の各部分の消費電池容量を予め計画した電力消費計画122、移動経路に沿った一連の位置データが蓄積された位置情報履歴123などの情報を格納する。

0013

測位装置1は更に、電池2、キー3、GPSモジュール4、加速度センサ51と地磁気センサ52とジャイロセンサ53とを含む自律航法用センサ5、気圧センサ6、Bluetooth(登録商標) Low Energy等で通信する無線モジュール7を搭載している。
電池2は、一次電池または二次電池であり、その電池容量はCPU11によって判断可能である。電池2は、測位装置1の各部分に電力を供給する。
キー3は複数の操作ボタンを有し、ユーザから操作指令を入力して、この測位装置1を操作する操作手段である。
GPSモジュール4は、CPU11からの動作指令に基づいて、GPSアンテナを介して受信される信号を復調し、GPS衛星の各種送信データをCPU11に送る。CPU11は、このGPS衛星の送信データに基づいて所定の測位演算を行うことで、現在位置を表わす緯度・経度などのGPS測位データを算出することができる。

0014

自律航法用センサ5は、3軸の加速度センサ51、3軸の地磁気センサ52、3軸のジャイロセンサ53を有し、動きと方位に関する検出を行う。CPU11は、自律航法用センサ5の各センサ信号に基づき、ユーザの移動に伴う運動の大きさ、方向の変化、歩く動作等を測定または検出して出力し、GPSモジュール4による測位を補完する。
気圧センサ6は、大気圧感知するセンサである。CPU11は、この気圧センサ6の信号の変化に基づき、高度情報を取得する。
無線モジュール7は、外部装置とデータを送受信するためのインタフェースである。無線モジュール7は、移動計画121を外部装置から受信し、自身が測位した結果である位置情報履歴123を外部装置に送信する。

0015

図2は、測位装置1の加速度センサ51が検知する加速度と、ジャイロセンサ53が検知する角速度とを示す図である。
加速度センサ51は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の加速度を検出する。これにより、CPU11(図1参照)は、重力方向を検知すると共に、ユーザの移動に伴う運動の大きさを測定することができる。更に加速度センサ51の検出結果を地磁気センサ52の検出結果と組み合わせて相対的な位置変化を求め、測位を行うことができる。
ジャイロセンサ53は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の角速度を検出する。これにより、CPU11(図1参照)は、測位装置1の方向の変化を測定し、自律航法で求める位置変化の精度を高めることができる。

0016

図3は、測位装置1の論理ブロック図である。
GPS制御手段81は、CPU11によって不図示のGPS制御プログラムが実行されることにより具現化され、エフェメリスデータ取得状況等を元にGPSモジュール4の間欠制御を実施し、GPSデータを出力するGPS測位手段(第1の測位手段)である。なお、エフェメリスデータとは、測位衛星放送する自衛星の正確な軌道情報である。
センサ制御手段82は、CPU11によって不図示のセンサ制御プログラムが実行されることにより具現化され、自律航法用センサ5と気圧センサ6とを制御する。

0017

位置情報作成手段83は、CPU11によって不図示の位置情報作成プログラムが実行されることにより具現化され、GPS測位データと自律航法用センサ5の出力値とを統合した位置情報を作成して位置情報履歴123に格納する。位置情報作成手段83は、自律測位手段831、移動検知手段832、制御手段833を含んで構成され、移動計画121、電力消費計画122を参照しつつ動作する。

0018

自律測位手段831は、GPS測位データが存在しない場合やGPS測位データの利用が困難と判断した場合に、自律航法用センサ5の出力値を用いて自律測位を実施する。詳細には、自律測位手段831は、3軸の加速度センサ51の出力に現れる歩行動作特有出力変動パターンから移動方向を算出する。歩行時において、ユーザの胴体は前後に大きく傾斜するとともに、左右に小さくローリングする。このとき、測位装置1がユーザの胴体に装着されていると、測位装置1も同様の運動を行うので、この運動が3軸の加速度センサ51の出力に現れる。自律測位手段831は、この出力変動パターンを解析することで、ユーザは測位装置1の何れの向きに進行しているのか算出できる。また、3軸の加速度センサ51の出力に基づき、測位装置1の何れの向きが重力方向なのか求められ、地磁気センサ52の出力に基づき、測位装置1の何れの向きが磁北の方向であるのか算出することができる。そして、これらの結果からユーザの移動方向を方位により求めることができる。すなわち自律測位手段831は、動きと方位に関する検出を行う自律航法用センサ5の出力に基づき測位を行う第2の測位手段である。
また自律測位手段831は、ジャイロセンサ53によって測位装置1の向きの相対量を検知することにより、加速度センサ51によって検知した重力方向を補正する。これにより、自律測位の精度を向上させることができる。

0019

移動検知手段832は、気圧センサ6の信号の変化に基づく高度情報を取得し、この高度情報の変化に基づき、ユーザ(移動体)の上下方向の移動を検知する。なお移動検知手段832は、下り移動と、この下り移動以外の移動とを検知するものであればよい。
制御手段833は、移動検知手段832が検知したユーザの上下方向の移動と電力消費計画122とに基づき、GPS制御手段81および自律測位手段831の稼働率を制御する。制御手段833は更に、ユーザの移動経路及び移動時間を含む移動計画121に基づき、移動経路に沿った時間帯毎の高度データを作成し、時間帯毎の高度データを比較することで下り移動時のGPSモジュール4の稼働率が、下り移動以外の移動時のGPSモジュール4の稼働率よりも高くなるようにGPS制御手段81を駆動する、この制御手段833は、下り移動が予測される時間帯のGPSモジュール4の稼働率を、上り移動または水平移動が予測される時間帯のGPSモジュール4の稼働率よりも高くした電力消費計画122を作成し、作成した電力消費計画122に基づく稼働率でGPSモジュール4を駆動する。このGPSモジュール4は、自律測位センサ5よりも単位時間あたりの電力消費が大きい、

0020

図4は、移動計画121の表示画面例である。
移動計画121の一例として、登山計画書が不図示のスマートフォンの画面上に示されている。登山計画書とは、登山の際に自治体警察などに提出する書類である。この登山計画書の提出により、遭難の際の捜索が容易となるため、登山の際には作成して提出することが望ましい。
登山計画書は、登山者の氏名・住所などの連絡先登山ルートを示す登山口・目的の山系、登山の行動予定、登山の概念図を含んで構成される。ユーザは、スマートフォン等で登山計画書を作成し、警察や自治体などに送信すると共に、無線通信路を介して測位装置1に送信する。測位装置1は、受信した登山計画書を、移動計画121としてシリアルフラッシュ12に格納し、電力消費計画122を作成する。移動計画121は、ユーザ(移動体)の移動経路及び移動時間を含んでいる。

0021

図5図6は、電力消費計画122の一例を示す図である。
電力消費計画122は、シリアルフラッシュ12に格納されており、「時刻」「経過時間」「高度」「行動」が関連付けられている。電力消費計画122の「行動」には、上り/下り/平らが格納されており、更に停止、乗り物移動等が格納される場合もある。更に電力消費計画122には、GPSモジュール4の稼働率と単位時間当たりの消費電池容量、その他回路の単位時間当たりの消費電池容量、合計した単位時間当たりの消費電池容量と消費電池容量が格納されている。図5図6では、図4の登山計画書に基づいて作成された電力消費計画122の一部が抜粋されて示されている。

0022

位置情報作成手段83が作成する位置情報は、利用可能なGPS測位データがより多く存在する場合が、利用可能なGPS測位データが少ない場合よりも測位精度が向上する。しかし、GPSモジュール4の単位時間当たりの消費電池容量は比較的大きいため、電池容量の面からはGPSモジュール4の稼働率を低くすることが望ましい。

0023

また自律測位手段831が作成する位置情報の精度は、行動により異なる。歩行や走行の場合「下り」での性能は、「平ら/上り」での性能に比べ悪くなる。下りにおいて、ユーザの胴体は急激に下方向に移動する場合があり、これにより3軸の加速度センサ51の出力が過大となり、累積移動量に誤差が生じるおそれがあるためである。
よって、消費電池容量を削減しつつ精度のよい位置情報を取得するには、「下り」でのGPSモジュール4の稼働率を「平ら/上り」よりも高くするとよい。図5の電力消費計画122では、「平ら/上り」の稼働率を5.6%、「下り」での稼働率を100%として計画している。なお、5分間あたりの上下の移動量が5m以下のときには、「平ら」としている。

0024

図5図6に示した電力消費計画における「平ら/上り」でGPS稼働率は、以下のようにして算出する。
最初に、電池容量P0に対して所定の動作マージンとして15〜25%を残し、電池消費率が適正範囲である75〜85%となるように、式(1)により、全体で使用できる消費電池容量P1を計算する。ここでは電池消費率を79.3%として計算している。

0025

次に、GPSの「下り」での稼働率を100%として、下りで消費される消費電池容量Pdを計算する。以下の式(2)に示すように、単位時間当たりの消費池容量Idは、GPSの稼働時の単位時間当たりの消費池容量Igに下りのGPS稼働率Rdを乗算し、GPSの待機時の単位時間当たりの消費電池容量Isに、1.0から下りのGPS稼働率を減算した値を乗算し、GPS以外の単位時間当たりの消費電池容量Ieを加算したものとなる。これに下りの時間Tdを乗算すると、下りで消費される消費電池容量Pdとなる。これを式(2)に示す。

0026

次に、全体で使用可能な消費電池容量P1から、下りで消費される消費電池容量Pdを減算することで、平らと上りで使用可能な消費電池容量Puが算出される。これを式(3)に示す。

0027

最後に、この消費電池容量Puに従って、平ら/上りの稼働率RUが算出できる。これを式(4)に示す。

0028

尚、GPS稼働率には、下限の閾値Rtが設けられている。
上記の式(4)で算出された平ら/上りでのGPS稼働率RUが下限の閾値を下回ってしまった場合は、式(2)の下りのGPS稼働率Rdを100%から下げて(例えば90%等)算出しなおしてもよい、また、下限の閾値Rtから平らと上りで使用可能な消費電池容量を算出し、全体で使用可能な消費電池容量P1から平らと上りで使用可能な消費電池容量を減算して下りで使用可能な消費電池容量を求めたのち、下りのGPS稼働率を配分してもよい。

0029

図7(a)〜(c)は、図5に例示した電力消費計画122の全体を示すグラフである。
図7(a)は、電力消費計画122の「高度」を示すグラフである。以下のグラフでは、共通して7時と17時が登山口を示し、10時15分と15時30分がA尾根を示し、10時50分と14時40分がBを示し、12時45分から13時45分までがCを示している。
図7(b)は、電力消費計画122の「高度」から算出した上下移動を示すグラフである。この上下移動に応じて、GPSモジュール4の稼働率が決定される。
図7(c)は、電力消費計画122の「消費電池容量」を示すグラフである。これにより、計画が終了する17時の時点での消費電池容量を算出可能である。

0030

7時から10時15分までは、登山口からA尾根までの上り行程である。このときGPSモジュール4の稼働率は低く、よって消費電池容量の増加率は緩やかである。
10時15分から10時50分までは、A尾根からB稜までの下り行程図7(b)参照)である。このときGPSモジュール4の稼働率は高く、よって消費電池容量の増加率は急である。
10時50分から12時45分までは、B稜からC峰までの上り行程(図7(b)参照)である。このときGPSモジュール4の稼働率は低く、よって消費電池容量の増加率は緩やかである。
12時45分から13時45分までは、C峰で休憩する。このときGPSモジュール4の稼働率は低く、よって消費電池容量の増加率は緩やかである。

0031

13時45分から14時40分までは、C峰からB稜までの下り行程(図7(b)参照)である。このときGPSモジュール4の稼働率は高く、よって消費電池容量の増加率は急である。
14時40分から15時30分までは、B稜からA尾根までの緩やかな上りであり、平らな行程と判断される。このときGPSモジュール4の稼働率は低く、よって消費電池容量の増加率は緩やかである。
15時30分から17時までは、A尾根から登山口までの下り行程(図7(b)参照)である。このときGPSモジュール4の稼働率は高く、よって消費電池容量の増加率は急である。

0032

図8は、電力消費制御処理を示すフローチャートである。
測位装置1のCPU11は、キー3等による起動要求を受けて内部を初期化し(ステップS10)、登山計画書のデータを読み込んで移動計画121として格納し(ステップS11)、電力消費計画作成処理(ステップS12)を実行する。この電力消費計画作成処理は、図9で詳細に説明する。
その後、測位装置1のCPU11は、測位処理(ステップS13)を実行する。この測位処理は、図10で詳細に説明する。
測位処理の後、CPU11は、所定の終了処理(ステップS14)を実行し、図8の処理を終了する。

0033

図9は、電力消費計画作成処理を示すフローチャートである。
制御手段833は、移動計画121の開始時刻から終了時刻まで所定時間毎に区切って、ステップS20〜S30の処理を繰り返す。これにより、移動計画121の開始時刻から終了時刻まで、電力消費計画122の時間帯毎のタイムテーブルを作成することができる。
制御手段833は、電力消費計画122における経過時間を算出し(ステップS21)、当該時間における位置および高度を算出する(ステップS22)。CPU11は、この高度の算出において、不図示の地形データベースなどを参照する。

0034

制御手段833は、移動に伴う高度の変化を算出することにより、行動が上り/下り/平らのいずれかを判定する(ステップS23)。CPU11は、行動が下りならばGPSモジュール4の稼働率を100%に設定し(ステップS24)、行動が上り/平らならばGPSモジュール4の稼働率を5.6%に設定する(ステップS25)。その後CPU11は、GPS制御に係る単位時間当たりの消費電池容量を算出する(ステップS26)。

0035

制御手段833は、その他の部分の単位時間当たりの消費電池容量を算出すると共に合計の単位時間当たりの消費電池容量を算出し(ステップS27)、計画開始以降の消費電池容量を算出し(ステップS28)、算出した各パラメータを電力消費計画122のレコードとして記録する(ステップS29)。各パラメータとは、「位置」「行動」「経過時間」「GPS稼働率」「GPSの単位時間当たりの消費電池容量」「その他のの単位時間当たりの消費電池容量」などの計画情報である。

0036

制御手段833は、所定時間毎に区切った時間が移動計画121の終了時刻でないならば、ステップS20の処理に戻って繰り返す(ステップS30)。制御手段833は、所定時間毎に区切った時間が移動計画121の終了時刻ならば、電池消費率を算出する(ステップS31)。ここで電池消費率は、電力消費計画122の終了時刻の消費電池容量を、電力消費計画122の開始時刻の電池容量で除算した値のことをいう。測位装置1が確実に終了時刻まで測位を続けるため、電池容量は所定の動作マージンを残しておくことが望ましい。電池消費率の適正範囲は、例えば75〜85%である。これにより測位装置1は、電池容量の検出誤差、消費電池容量の検出誤差などに関わらず、移動計画121の開始から終了まで測位情報を取得することができる。

0037

制御手段833は、電池消費率が適正範囲であるか否かを判断し(ステップS32)、適正範囲でなければ、適正範囲となるように電力消費計画122を変更する(ステップS33)。
ステップS33にて、電池消費率が適正範囲よりも大きい場合には、行動が下りの場合のGPSの稼働率を減らすとよく、電池消費率が適正範囲よりも小さい場合には、行動が上り/平らの場合のGPSモジュール4の稼働率を増やすとよい。
なお、計画データが存在しない場合に、制御手段833は、デフォルトの電力消費計画122を利用することとなる。デフォルトの電力消費計画122とは、例えば「行動」が常に平らであり、開始時刻が7時、終了時刻が24時というものである。このようなデフォルトの電力消費計画122にもとづく測位処理(図10参照)では、気圧センサ6によって高度変化を実測するまでのタイムラグ期間だけ、上り/下りの行動とGPS稼働率の変化とが一致しなくなる。このため消費電池容量が増大し、または測位誤差が大きくなるので、予め電力消費計画122を作成しておくことが望ましい。

0038

図10は、測位処理を示すフローチャートである。
ユーザが登山口にて登山を開始し、測位装置1の所定のキー3(例えば、行動開始ボタン)を押下することにより、測位装置1は、電力消費計画122に沿った計測を開始する。
制御手段833は、電力消費計画122に沿って、ステップS40〜S51の処理を繰り返す。
最初、移動検知手段832が、気圧センサ6の信号の変化に基づく高度情報を取得し、地形を検出する(ステップS41)。制御手段833は、この高度情報の変化に基づき、ユーザ(移動体)の上下の移動を検知すると共に、現在の上下移動と計画とを照合する(ステップS42)。

0039

制御手段833は、現在の上下移動と計画とが相違したならば、電力消費計画122のGPS稼働率を変更してGPSモジュール4を稼働し(ステップS43)、現在の上下移動と計画とが一致したならば、電力消費計画122のGPS稼働率のままでGPSモジュール4を稼働する(ステップS44)。つまり、制御手段833は、ユーザの上下方向の移動に伴い、GPSモジュール4および自律測位手段831を制御して、測位の方式を切り替える。GPS制御手段81は、電力消費計画122のGPS稼働率に沿って間欠制御を実施する。現在の行動が「下り」であると判断した場合、GPS制御手段81は、下り用のGPS稼働率で間欠制御し、現在の行動が「下り以外」であると判断した場合、通常のGPS稼働率で間欠制御する。位置情報作成手段83は、GPS制御手段81による測位を間欠的に行うとともに、この間に自律測位手段831による測位を連続的に行う。

0040

制御手段833は、移動過程の各地点の位置情報を検出し(ステップS45)、検出した位置を位置情報履歴123に記録する(ステップS46)。
更にCPU11は、電力消費計画122の現在の時刻における位置(高度を含む)情報と位置情報作成手段83が作成した位置(高度を含む)情報から、電力消費計画122がどこまで達成されたかを判断し、電力消費計画122の遂行時刻を補正する(ステップS47)。具体的にいうと、図5に示した電力消費計画122に基づく動作にて、10時25分に高度1349mのA尾根に到達したならば、それ以降の電力消費計画122の各時刻に10分を加算して補正する。

0041

次いで制御手段833は、電力消費計画122の消費電池容量と実際の消費電池容量により、消費電池容量に関する計画達成率を算出する。ここで消費電池容量に関する計画達成率は、電力消費計画122と実際の消費電池容量とが近似している場合は100%とし、電力消費計画122よりも実際の消費電池容量が少ない場合は100%よりも小さな値とし、電力消費計画122よりも実際の消費電池容量が多い場合は100%よりも大きな値とする。

0042

制御手段833は、計画達成率が適正範囲であるか否かを判断する(ステップS49)。計画達成率が適正範囲ならば、制御手段833は、ステップS51の処理に進み、電力消費計画122の処理を繰り返す。計画達成率が適正範囲でなかったならば、制御手段833は、これ以降の電力消費計画122を変更し(ステップS50)、ステップS51の処理に進み、電力消費計画122の処理を繰り返す。

0043

具体的にいうと、ステップS50にて、計画達成率が適正範囲(例えば95〜105%)よりも低い場合、電力消費計画122の後半で電池容量が足りなくなるおそれがある。よって制御手段833は、これ以降の電力消費計画122のGPSモジュール4の稼働率を下げて、計画達成率が適正範囲になるように調整する。
またステップS50にて、計画達成率が適正範囲より高い場合、電力消費計画122に対し電池容量に余裕がある。よって制御手段833は、これ以降の電力消費計画122のGPSモジュール4の稼働率をさらに上げることで、計画達成率が適正範囲になる様に調整する。この処理により、限られた電池容量を効率的に利用する事が可能となり、位置測位性能が最適化される。つまり、登山計画書(移動計画121)の開始時刻から終了時刻まで、高い精度の測位情報を取得することができる。

0044

第2の実施形態の測位装置は、気圧センサ6を備えていない他は、第1の実施形態の測位装置1と同様である。

0045

第2の実施形態の測位処理では、第1の実施形態の測位処理のステップS41(図10参照)に代わり、制御手段833は、前回のGPS測位にて高度を検出し、この高度から上下移動を検知している。これにより、気圧センサ6を備えることなく高度を検知することができ、測位装置を低コストに構成することができる。

0046

(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能であり、例えば、次の(a)〜(d)のようなものがある。
(a) 上記実施形態では、GPS衛星を用いた位置測位を前提としているが、その他のGNSS(Global Navigation Satellite System)測位システム複合システムを含む)で使用してもよい。
(b)電力消費計画122の作成タイミングは、計画実施前に限定されず、計画の実施中に逐次作成してもよい。
(c) GPS稼働率の値は、上記実施形態には限定されない。
(d) 制御手段833は、移動計画121の終了時に消費電池容量が所定範囲になるようにGPSモジュール4の稼働率を調整した電力消費計画122を生成すればよい。制御手段833は、例えば移動計画121の終了時における電池容量の絶対値が、所定範囲になるように電力消費計画122を調整してもよい。

0047

以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
測位用衛星から信号を受信して測位を行う第1の測位手段と、
動きと方位に関する検出を行う自律航法用センサの出力に基づき測位を行う第2の測位手段と、
前記第1の測位手段及び前記第2の測位手段の稼働率を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、下り移動時の前記第1の測位手段の稼働率が、前記下り移動以外の移動時の前記第1の測位手段の稼働率よりも高くなるように前記第1の測位手段を駆動する、
ことを特徴とする測位装置。
<請求項2>
前記制御手段は、移動体の移動経路及び移動時間を含む移動計画に基づき、前記下り移動が予測される時間帯の前記第1の測位手段の稼働率を、前記下り移動以外の移動が予測される時間帯の前記第1の測位手段の稼働率よりも高くした電力消費計画を作成し、作成した前記電力消費計画に基づく稼働率で前記第1の測位手段を駆動する、
ことを特徴とする請求項1に記載の測位装置
<請求項3>
前記第1の測位手段は前記第2の測位手段よりも単位時間あたりの消費電池容量が大きい、
ことを特徴とする請求項2に記載の測位装置。
<請求項4>
前記制御手段は、前記移動計画の達成時に消費電池容量が所定範囲になるように前記第1の測位手段の稼働率を調整する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の測位装置。
<請求項5>
少なくとも前記下り移動と前記下り移動以外の移動とを検知する移動検知手段を更に備え、
前記制御手段は、前記電力消費計画と前記移動検知手段が検知した移動方向とを比較し、両者間にずれが生じている際には、前記電力消費計画における前記第1の測位手段の稼働率を修正して実行する、
ことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の測位装置。
<請求項6>
測位装置が実行する測位方法であって、
前記測位装置は、
測位用衛星から信号を受信して測位を行う第1の測位手段と、
動きと方位に関する検出を行う自律航法用センサの出力に基づき測位を行う第2の測位手段と、
前記第1の測位手段および前記第2の測位手段の稼働率を制御する制御手段とを備えており、
前記制御手段が、下り移動時の前記第1の測位手段の稼働率を、前記下り移動以外の移動時の前記第1の測位手段の稼働率よりも高くなるように前記第1の測位手段を駆動する、
ことを特徴とする測位装置の測位方法。

0048

1,1A測位装置
11 CPU
121移動計画
122電力消費計画
123位置情報履歴
2電池
4GPSモジュール
5自律航法用センサ
51加速度センサ
52地磁気センサ
53ジャイロセンサ
6気圧センサ
7無線モジュール
81GPS制御手段
82センサ制御手段
83位置情報作成手段
831自律測位手段
832移動検知手段
833 制御手段

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