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技術 一方向クラッチ

出願人 NSKワーナー株式会社
発明者 岩野彰山田隆哉
出願日 2015年9月24日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2015-186842
公開日 2017年3月30日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-061965
状態 特許登録済
技術分野 一方向・自動クラッチ、異種クラッチ組合わせ
主要キーワード 非伝達位置 周方向中間位置 周方向範囲 時計側 時計方向側 径方向間隔 周方向所定間隔 くさび角
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

可動保持器へ入力するロック解除用トルクを低減し、可動保持器へロック解除用のトルクを入力するための外部装置を小型化することができる一方向クラッチを提供すること。

解決手段

内輪5と外輪3との間の環状空間Aに、内輪5と外輪3との間のトルクの伝達に供される第1のローラ19が配置され、固定保持器27の固定保持部31と可動保持器33の可動保持部37とが交互に配置された一方向クラッチ1において、各可動保持部37と第1のローラ19との間にはそれぞれ、各可動保持部37が時計方向へ移動する際、各可動保持部37から、第1のローラ19と、内輪5とにロック解除用トルクを伝達するための第2のローラ23が介装されている。

概要

背景

従来、ローラタイプ一方向クラッチにおいて、ローラを介して内輪外輪とがロックされている状態から、可動式保持器によってローラをロック解除方向へ移動させ、ロック状態解除するものがある(例えば特許文献1参照)。このような一方向クラッチは、例えば回転位置の制御に用いられたり、特許文献2のように、逆入力遮断クラッチとして用いられたりしている。

図4(a)は、従来の一方向クラッチの例を軸方向一方側から見た状態を示す部分断面図であり、ロック状態を示し、図4(b)は図4(a)のb−b矢視断面図である。
図5は従来例に係る一方向クラッチを軸方向一方側から見た状態を示す部分断面図であり、ロック解除状態を示している。なお、図4(a)において、一方向クラッチおよびローラの回動方向は、紙面に向かって右回動方向を時計方向とし、左回動方向を反時計方向とする。また、周方向に関しても、右回動方向を時計方向とし、左回動方向を反時計方向とする。

図4(a)に示すように、一方向クラッチ301は、内輪305の外周面307に、径方向内方に向かって窪んだ凹部311が複数形成されている。凹部311には、円柱状のローラ319が周方向に転動または摺動可能に配置されている。

凹部311の底面と外輪内周面309との径方向の間隔は、ローラ319の直径よりも大きく形成されている。凹部311の底面323は、反時計方向に向かうにしたがって外輪内周面309との間隔が狭くなる方向に傾斜した曲面となっている。したがって凹部311の底面323は、径方向に対向する外輪内周面309との間に、くさび状の空間W301を形成している。くさび状空間W301の径方向寸法は、ローラ319の直径よりも小さくなっている。凹部311の底面323は、ローラが噛み合うカム面を構成している。

一方向クラッチ301は、内輪305に固定された固定保持器327と、内輪305に対して移動可能な可動保持器333とを備えている。固定保持器327は、内輪305と外輪303との間に周方向に等間隔に配置される複数の固定保持部331を有している。可動保持器333は、内輪305と外輪303との間に周方向に等間隔に配置される複数の可動保持部337を有している。これらの固定保持部331と可動保持部337とは、図4(a)に示すように、周方向に交互に配置され、ローラ319の時計方向側には固定保持部331が配置され、ローラ319の反時計方向側には可動保持部337が配置されている。

図4(a)において、ローラ319は、固定保持部331の反時計方向側端部に設けられたスプリングによって反時計方向に付勢され、反時計方向側において、カム面である底面323と外輪内周面309とに噛み合っている。この状態において、内輪305と外輪303とはロックされた状態であり、内輪305の時計方向への回動規制される。

図5に示すように、内輪305と外輪303とがロックされた状態から、内輪305と外輪303とのロック状態を解除する際は、矢印D31に示すように、可動保持器333の可動保持部337がローラ319に向かって時計方向に移動し、ローラ319に接触してローラ319を時計方向へ押す(図5の矢印D32)。そうすると、ローラ319は時計方向に回動し、カム面323および外輪内周面309上を転動または摺動する。ローラ319がカム面323上を転動または摺動することにより、内輪305をロック解除方向へ回動させる。この状態においてローラ319は、図5に示すように、内輪305と外輪303との係合が解かれ、内輪305と外輪303とのロック状態は解除され、内輪305は時計方向への回動が可能となる。

概要

可動保持器へ入力するロック解除用トルクを低減し、可動保持器へロック解除用のトルクを入力するための外部装置を小型化することができる一方向クラッチを提供すること。内輪5と外輪3との間の環状空間Aに、内輪5と外輪3との間のトルクの伝達に供される第1のローラ19が配置され、固定保持器27の固定保持部31と可動保持器33の可動保持部37とが交互に配置された一方向クラッチ1において、各可動保持部37と第1のローラ19との間にはそれぞれ、各可動保持部37が時計方向へ移動する際、各可動保持部37から、第1のローラ19と、内輪5とにロック解除用トルクを伝達するための第2のローラ23が介装されている。

目的

本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、可動保持器へ入力するロック解除用のトルクを低減し、可動保持器へロック解除用のトルクを入力するための外部装置を小型化することができる一方向クラッチを提供する

効果

実績

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請求項1

内輪と、前記内輪と同軸に配置された外輪と、前記内輪と前記外輪との間に周方向所定間隔介装され、前記内輪と前記外輪との間の第1のトルクの伝達に供される複数の第1のトルク伝達部材と、前記複数の第1のトルク伝達部材をそれぞれトルク伝達位置付勢する複数のスプリング部材と、周方向に隣り合う前記第1のトルク伝達部材間に前記複数の第1のトルク伝達部材と一対一に対応して配置され、周方向の一方であって前記対応する第1のトルク伝達部材に近づく方向に移動することにより、前記対応する第1のトルク伝達部材を前記トルク伝達位置からトルク非伝達位置に変化させるとともに、前記トルク非伝達位置で保持する複数の保持部とを備えた一方向クラッチにおいて、前記各保持部と、前記各保持部に対応する前記第1のトルク伝達部材との間にはそれぞれ、前記各保持部が前記周方向一方へ移動する際、前記各保持部から、前記対応する第1のトルク伝達部材と、前記内輪と前記外輪との何れか一方とに第2のトルクを伝達するための第2のトルク伝達部材が介装されていることを特徴とする一方向クラッチ。

請求項2

前記内輪もしくは前記外輪の転動面または摺動面に、前記複数の第1のトルク伝達部材が係合する複数の第1のカム面と、前記複数の第2のトルク伝達部材が係合する複数の第2のカム面とが形成され、前記各保持部が前記周方向一方へ移動する際、前記各保持部から、前記第2のトルク伝達部材を介して、前記対応する第1のトルク伝達部材と前記内輪もしくは前記外輪とに前記第2のトルクが伝達されることを特徴とする請求項1に記載の一方向クラッチ。

請求項3

前記保持部は、周方向一方側の部分が前記第2のカム面と径方向に対向して配置され、前記周方向一方側の部分の、前記第2のカム面と対向している面は、前記周方向一方側に向かうにしたがって前記第2のカム面との径方向間隔が広がる方向に傾斜した傾斜面となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の一方向クラッチ。

請求項4

前記第2のトルク伝達部材は、前記第2のカム面上および前記傾斜面上を転動または摺動して前記周方向一方へ移動することにより、前記第1のトルク伝達部材を前記周方向一方へ押すとともに、前記内輪もしくは前記外輪に対して回動力を伝達することを特徴とする請求項3に記載の一方向クラッチ。

技術分野

0001

本発明は、車両や産業用機械においてトルクの伝達に用いられる一方向クラッチに関する。特に、ロック解除機能を備え、回転位置制御に用いることができる一方向クラッチに関する。

背景技術

0002

従来、ローラタイプの一方向クラッチにおいて、ローラを介して内輪外輪とがロックされている状態から、可動式保持器によってローラをロック解除方向へ移動させ、ロック状態解除するものがある(例えば特許文献1参照)。このような一方向クラッチは、例えば回転位置の制御に用いられたり、特許文献2のように、逆入力遮断クラッチとして用いられたりしている。

0003

図4(a)は、従来の一方向クラッチの例を軸方向一方側から見た状態を示す部分断面図であり、ロック状態を示し、図4(b)は図4(a)のb−b矢視断面図である。
図5は従来例に係る一方向クラッチを軸方向一方側から見た状態を示す部分断面図であり、ロック解除状態を示している。なお、図4(a)において、一方向クラッチおよびローラの回動方向は、紙面に向かって右回動方向を時計方向とし、左回動方向を反時計方向とする。また、周方向に関しても、右回動方向を時計方向とし、左回動方向を反時計方向とする。

0004

図4(a)に示すように、一方向クラッチ301は、内輪305の外周面307に、径方向内方に向かって窪んだ凹部311が複数形成されている。凹部311には、円柱状のローラ319が周方向に転動または摺動可能に配置されている。

0005

凹部311の底面と外輪内周面309との径方向の間隔は、ローラ319の直径よりも大きく形成されている。凹部311の底面323は、反時計方向に向かうにしたがって外輪内周面309との間隔が狭くなる方向に傾斜した曲面となっている。したがって凹部311の底面323は、径方向に対向する外輪内周面309との間に、くさび状の空間W301を形成している。くさび状空間W301の径方向寸法は、ローラ319の直径よりも小さくなっている。凹部311の底面323は、ローラが噛み合うカム面を構成している。

0006

一方向クラッチ301は、内輪305に固定された固定保持器327と、内輪305に対して移動可能な可動保持器333とを備えている。固定保持器327は、内輪305と外輪303との間に周方向に等間隔に配置される複数の固定保持部331を有している。可動保持器333は、内輪305と外輪303との間に周方向に等間隔に配置される複数の可動保持部337を有している。これらの固定保持部331と可動保持部337とは、図4(a)に示すように、周方向に交互に配置され、ローラ319の時計方向側には固定保持部331が配置され、ローラ319の反時計方向側には可動保持部337が配置されている。

0007

図4(a)において、ローラ319は、固定保持部331の反時計方向側端部に設けられたスプリングによって反時計方向に付勢され、反時計方向側において、カム面である底面323と外輪内周面309とに噛み合っている。この状態において、内輪305と外輪303とはロックされた状態であり、内輪305の時計方向への回動規制される。

0008

図5に示すように、内輪305と外輪303とがロックされた状態から、内輪305と外輪303とのロック状態を解除する際は、矢印D31に示すように、可動保持器333の可動保持部337がローラ319に向かって時計方向に移動し、ローラ319に接触してローラ319を時計方向へ押す(図5の矢印D32)。そうすると、ローラ319は時計方向に回動し、カム面323および外輪内周面309上を転動または摺動する。ローラ319がカム面323上を転動または摺動することにより、内輪305をロック解除方向へ回動させる。この状態においてローラ319は、図5に示すように、内輪305と外輪303との係合が解かれ、内輪305と外輪303とのロック状態は解除され、内輪305は時計方向への回動が可能となる。

先行技術

0009

特開2011−133103号公報
特開2014−173570号公報

発明が解決しようとする課題

0010

一方向クラッチのロック状態を解除するためには、内輪と外輪とに係合したローラをロック解除方向へ移動させ、さらにローラを介して内輪をロック解除方向へ回動させるための高い衝撃トルクをローラに伝達する必要がある。このような高い衝撃トルクをローラに伝達するためには、高い衝撃トルクあるいは高回転すなわち大きな回転力を可動保持器に入力する必要があり、そのためには、高い衝撃トルクあるいは高回転を発生させる大型の外部装置が必要となる。その結果、外部装置の配置スペースが大きくなり、一方向クラッチと外部装置とを含む装置全体が大型化してしまうという問題がある。

0011

本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、可動保持器へ入力するロック解除用のトルクを低減し、可動保持器へロック解除用のトルクを入力するための外部装置を小型化することができる一方向クラッチを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0012

上記課題を解決するために、本発明に係る一方向クラッチは、内輪と、前記内輪と同軸に配置された外輪と、前記内輪と前記外輪との間に周方向所定間隔介装され、前記内輪と前記外輪との間の第1のトルクの伝達に供される複数の第1のトルク伝達部材と、前記複数の第1のトルク伝達部材をそれぞれトルク伝達位置に付勢する複数のスプリング部材と、周方向に隣り合う前記第1のトルク伝達部材間に前記複数の第1のトルク伝達部材と一対一に対応して配置され、周方向の一方であって前記対応する第1のトルク伝達部材に近づく方向に移動することにより、前記対応する第1のトルク伝達部材を前記トルク伝達位置からトルク非伝達位置に変化させるとともに、前記トルク非伝達位置で保持する複数の保持部とを備えた一方向クラッチにおいて、前記各保持部と、前記各保持部に対応する前記第1のトルク伝達部材との間にはそれぞれ、前記各保持部が前記周方向一方へ移動する際、前記各保持部から、前記対応する第1のトルク伝達部材と、前記内輪と前記外輪との何れか一方とに第2のトルクを伝達するための第2のトルク伝達部材が介装されていることを特徴とする。

0013

また、本発明の好ましい態様は、前記内輪もしくは前記外輪の転動面または摺動面に、前記複数の第1のトルク伝達部材が係合する複数の第1のカム面と、前記複数の第2のトルク伝達部材が係合する複数の第2のカム面とが形成され、前記各保持部が前記周方向一方へ移動する際、前記各保持部から、前記第2のトルク伝達部材を介して、前記対応する第1のトルク伝達部材と前記内輪もしくは前記外輪とに前記第2のトルクが伝達されることを特徴とする。

0014

また、本発明の好ましい態様は、前記保持部は、周方向一方側の部分が前記第2のカム面と径方向に対向して配置され、前記周方向一方側の部分の、前記第2のカム面と対向している面は、前記周方向一方側に向かうにしたがって前記第2のカム面との径方向間隔が広がる方向に傾斜した傾斜面となっていることを特徴とする。

0015

また、本発明の好ましい態様は、前記第2のトルク伝達部材は、前記第2のカム面上および前記傾斜面上を転動または摺動して前記周方向一方へ移動することにより、前記第1のトルク伝達部材を前記周方向一方へ押すとともに、前記内輪もしくは前記外輪に対して回動力を伝達することを特徴とする。

発明の効果

0016

本発明によれば、可動保持器へ入力するロック解除用のトルクを低減し、可動保持器へロック解除用のトルクを入力するための外部装置を小型化することができる一方向クラッチを提供することができる。

図面の簡単な説明

0017

図1(a)は第1実施形態に係る一方向クラッチを軸方向一方側から見た状態を示す部分断面図であり、ロック状態を示し、図1(b)は図1(a)のb−b矢視断面図である。
図2は第1実施形態に係る一方向クラッチを軸方向一方側から見た状態を示す部分断面図であり、ロック解除状態を示している。
図3(a)は第2実施形態に係る一方向クラッチを軸方向一方側から見た状態を示す部分断面図であり、ロック状態を示し、図3(b)は図3(a)のb−b矢視断面図である。
図4(a)は従来例に係る一方向クラッチを軸方向一方側から見た状態を示す部分断面図であり、ロック状態を示し、図4(b)は図4(a)のb−b矢視断面図である。
図5は従来例に係る一方向クラッチを軸方向一方側から見た状態を示す部分断面図であり、ロック解除状態を示している。

実施例

0018

以下、本発明に係る一方向クラッチの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書においては、軸方向、径方向、周方向というときは、一方向クラッチに関する軸方向、径方向、周方向のことをいう。すなわち内輪または外輪に関する軸方向、径方向、周方向のことをいう。また、内輪、外輪およびローラの回動方向に関して、図1(a)、図2、および図3(a)の紙面に向かって右回動方向を「時計方向」とし、左回動方向を「反時計方向」とする。周方向に関しても、右回動方向を「時計方向」とし、左回動方向を「反時計方向」とする。

0019

また、一方向クラッチの状態について、ローラと内輪および外輪とが噛み合って係合し、内輪から外輪へあるいは外輪から内輪へのトルク伝達が可能な状態を「ロック状態」とし、ローラと内輪および外輪との係合が解除されて、内輪または外輪が空転し、内輪から外輪へあるいは外輪から内輪へのトルク伝達が不可能な状態を「ロック解除状態」とする。

0020

(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係る一方向クラッチについて説明する。
図1(a)は第1実施形態に係る一方向クラッチを軸方向一方側から見た状態を示す部分断面図であり、ロック状態を示し、図1(b)は図1(a)のb−b矢視断面図である。

0021

第1実施形態に係る一方向クラッチは、ロック状態において、内輪は外輪に対して反時計方向の回転がロックされる。すなわち、内輪は外輪に対して固定された状態となる。一方、ロック解除状態において、内輪は外輪に対して、時計方向の回転が可能である。

0022

図1(a)に示すように、本実施形態に係る一方向クラッチ1は、外輪3と、外輪3に対して内径方向に離間して配置された内輪5とを有している。内輪5と外輪3とは同心に配置されている。内輪5と外輪3との間には、内輪外周面7と外輪内周面9とによって環状の空間Aが形成されている。一方向クラッチ1は、内輪外周面7に、径方向内方に向かって窪んだ凹部11が複数形成されている。複数の凹部11は周方向に等間隔で形成され、本実施形態においては6つの凹部11が形成されている。なお、図1(a)においては、一方向クラッチ1の中心より上側の3つの凹部11が示されている。

0023

各凹部11は、周方向に連続する第1の凹部13と第2の凹部15とから構成されている。第1の凹部13と第2の凹部15との間は、滑らかな段差部17となっている。第1の凹部13は段差部17の時計方向側に配置され、第2の凹部15は段差部17の反時計方向側に配置されている。第1の凹部13は、第2の凹部15よりも周方向幅が大きく、第2の凹部15よりも深さが深く形成されている。

0024

各第1の凹部13には円柱状の第1のローラ19が周方向に転動または摺動可能に配置されている。第1のローラ19は、内輪外周面7と外輪内周面9とに噛み合って係合することにより内輪5と外輪3とをロックし、内輪5から外輪3へ、あるいは外輪3から内輪5へトルクを伝達するためのトルク伝達部材である。内輪外周面7および外輪内周面9はそれぞれ、第1のローラ19が転動または摺動可能な転動面または摺動面である。

0025

第1の凹部13の底面21は、反時計方向側の部分が、反時計方向に向かうにしたがって外輪内周面9との間隔が狭くなる方向に傾斜した曲面となっている。第1の凹部13の底面21は、第1のローラ19と噛み合う第1のカム面を構成している。(以後、第1の凹部13の底面21を「第1のカム面21」という。)第1のカム面21は、第1のカム面21と径方向に対向する外輪内周面9との間に、第1のくさび状の空間W1を形成している。第1のくさび状空間W1は、反時計方向に向かうに従い径方向寸法、すなわち第1のカム面21と外輪内周面9との間隔が縮小し、時計方向に向かうに従い径方向寸法が拡大している。第1のくさび状空間W1は、縮小側の部分の径方向寸法が第1のローラ19の直径よりも小さく形成されている。

0026

各第2の凹部15には円柱状の第2のローラ23が転動または摺動可能に配置されている。したがって内輪外周面7は、第2のローラ23が転動または摺動可能な転動面または摺動面である。第2のローラ23の直径は、第1のローラ19の略半分の大きさに形成されている。第2のローラ23は、後述するように、一方向クラッチ1のロック状態を解除する際に、第1のローラ19をロック解除位置へ移動させるためのトルクを第1のローラ19に伝達するための補助ローラである。

0027

第2の凹部15の底面25は、反時計方向側の部分が、反時計方向に向かうにしたがって外輪内周面9との間隔が狭くなる方向に傾斜した曲面となっている。第2の凹部15の底面25は、第2のローラ23と噛み合う第2のカム面を構成している(以後、第2の凹部15の底面25を「第2のカム面25」という。)。

0028

一方向クラッチ1は、内輪5に固定された固定保持器27を備えている。固定保持器27は、内輪5と外輪3との間の環状空間Aの周方向に沿った環状部29を備えている。環状部29は、図1(b)に示すように、一方向クラッチ1の軸方向一方側(図1(b)の紙面右方側。以下同様。)に配置されている。固定保持器27は、環状部29から軸方向他方側図1(b)の紙面左方側。以下同様。)に突出する突出部である固定保持部31を複数有している。

0029

固定保持部31は第1のローラ19と同数(本実施形態においては6つ)が形成され、周方向に等間隔に配置されている。固定保持部31は内輪5と外輪3との間の環状空間Aに配置されている。固定保持部31は、環状空間Aを所定の周方向範囲に亘って満たすような形状となっている。すなわち、固定保持部31は、環状空間Aの形状に沿って周方向に所定の長さ延在し、外周面が外輪内周面9に対応する形状を有し、内周面が内輪外周面7に対応する形状を有している。また、固定保持部31の断面形状は、環状空間Aの断面形状に対応する形状を有している。固定保持部31は、内輪5と外輪3との径方向の間隔を一定の大きさに保持するとともに、後述するように第1のローラ19を保持している。

0030

一方向クラッチ1は、内輪5に対して移動可能な可動保持器33を備えている。可動保持器33は、内輪5と外輪3との間の環状空間Aの周方向に沿った環状部35を備えている。環状部35は、図1(b)に示すように、一方向クラッチ1の軸方向一方側に配置されている。可動保持器33は、環状部35から軸方向他方側に突出する突出部である可動保持部37を複数有している。

0031

可動保持部37は第2のローラ23と同数(本実施形態においては6つ)が形成され、周方向に等間隔に配置されている。可動保持部37は内輪5と外輪3との間の環状空間Aに配置されている。可動保持器33の可動保持部37と固定保持器27の固定側保持部31とは、周方向に交互に配置されている。可動保持部37は、環状空間Aを所定の周方向範囲に亘って満たすような形状となっている。すなわち、可動保持部37は、環状空間Aの形状に沿って周方向に所定の長さ延在し、外周面が外輪内周面9に対応する形状を有し、内周面が内輪外周面7に対応する形状を有している。また、可動保持部37の断面形状は、環状空間Aの断面形状に対応する形状を有している。可動保持部37は、固定保持部31と同等の周方向長さを有している。可動保持部37は、内輪5と外輪3との径方向の間隔を一定の大きさに保持するとともに、後述するように第2のローラ23を保持している。

0032

図1(a)に示すように、固定保持器27の各固定保持部31は、各凹部11の時計方向側、具体的には各第1の凹部13の時計方向側に配置されている。各固定保持部31は、周方向に隣り合う凹部11間の中間位置付近まで周方向に延在している。可動保持器33の各可動保持部37は、各凹部11の反時計方向側、具体的には各第2の凹部15の反時計方向側に配置されている。各可動保持部37は、周方向に隣り合う凹部11間の中間位置付近まで周方向に延在している。したがって、周方向に隣り合う凹部11間の環状空間Aの部分には、それぞれ反時計方向側に固定保持部31が配置され、時計方向側に可動保持部37が配置されている。

0033

固定保持部31の反時計方向側端部には凹部39が形成されている。凹部39にはスプリング41が伸縮可能に取り付けられている。スプリング41は第1のローラ19を反時計方向、すなわち第1のカム面21と外輪内周面9とで形成される第1のくさび状空間W1の縮小側に付勢している。この状態において、第1のローラ19は第1のカム面21と外輪内周面9とに噛み合っている。すなわち一方向クラッチ1はロック状態であり、内輪5から外輪3へあるいは外輪3から内輪5へトルク伝達が可能な状態である。このように、固定保持部31は、スプリング41によって第1のローラ19を第1のカム面21と外輪内周面9との噛み合い位置、すなわちトルク伝達位置に付勢している。

0034

可動側保持部37の内周面は、周方向中間位置近傍よりも時計方向側の部分が、先端に向かうにしたがって内輪外周面7との間隔が広がる方向に傾斜した傾斜面43となっている。傾斜面43の反時計方向側端部は、凹部11の反時計側端部すなわち第2のカム面25の反時計側端部近傍に位置している。傾斜面43は、第2のローラ23と傾斜面43との接点と、第2のローラ23と第1のローラ19との接点と、第2のローラ23と第2のカム面25との接点とを結んだ三角形内角が、それぞれ60度となるような接点を形成できる傾斜形状としている。

0035

傾斜面43は、第2のカム面25の径方向外方に位置し、第2のカム面25を径方向外方側で覆っている。したがって、第2のカム面25と可動保持部37の傾斜面43とは、第2のカム面25と傾斜面43との間に第2のくさび状の空間W2を形成している。第2のくさび状空間W2は、反時計方向に向かうに従い径方向寸法、すなわち第2のカム面25と傾斜面43との間隔が縮小し、時計方向に向かうに従い径方向寸法が拡大している。第2のくさび状空間W2は、縮小側の部分の径方向寸法が第2のローラ23の直径よりも小さく形成されている。

0036

一方向クラッチ1のロック状態において、第2のローラ23は、第2のカム面25と可動保持部37の傾斜面43とに接触している。このように、可動保持部37は、傾斜面43によって第2のローラ23を第2のカム面25に接触した状態で保持している。第2のローラ23は同時に、第1のローラ19の反時計方向側の外周面に接触している。第1のローラ19はスプリング41によって反時計方向に付勢されているので、第1のローラ19と接触している第2のローラ23も、第1のローラ19を介して反時計方向へ付勢されている。したがって第2のローラ23は、第2のくさび状空間W2の縮小側に付勢され、第2のカム面25と可動保持部37の傾斜面43とに噛み合っている。すなわち固定保持部31のスプリング41は、第1のローラ19を介して、第2のローラ23を第2のカム面25と傾斜面43との噛み合い位置に付勢している。

0037

このように、本実施形態においては、ロック状態において、第1のローラ19は第1のくさび状空間W1の縮小側に位置して第1のカム面21と外輪内周面9とに噛み合い、第2のローラ23は第2のくさび状空間W2の縮小側に位置して第2のカム面25と可動保持部37の傾斜面43とに噛み合っている。

0038

次に、一方向クラッチ1をロック状態からロック解除状態とする際の、一方向クラッチ1の各部材の動作について説明する。
図2は第1実施形態に係る一方向クラッチを軸方向一方側から見た状態を示す部分断面図であり、ロック解除状態を示している。

0039

一方向クラッチ1のロック状態を解除する際は、ロック解除用トルクを発生させる図示しない外部装置(以後、単に「外部装置」という。)によって可動保持器33に所定の大きさのロック解除用トルクが入力される。具体的には、本実施形態においては、可動保持器33の環状部35を時計方向に回動させるトルクが可動保持器33に入力される。

0040

可動保持器33が時計方向に回動すると、可動保持器33の各可動保持部37は、図2の矢印D1で示すように、環状空間A内を時計方向に移動する。可動保持部37が環状空間A内を時計方向に移動すると、第2のローラ23は、可動保持部37の傾斜面43によって時計方向に押されると同時に内径方向にも押される。すなわち、可動保持部37から時計方向へのトルクが第2のローラ23に伝達される。そうすると、第2のローラ23は、傾斜面43によって第2のカム面25に押し付けられつつ時計方向に回動し、第2のカム面25上および可動保持部37の傾斜面43上を転動または摺動する。第2のローラ23は第2のカム面25上を転動または摺動することにより時計方向側へ移動していく。

0041

第2のローラ23は、時計方向へ移動することにより、第2のローラ23に接触している第1のローラ19を時計方向に押す。すなわち、可動保持部37から、時計方向へのトルクが第2のローラ23を介して第1のローラ19に伝達される。第1のローラ19は、第2のローラ23にこのように押されることにより、図2の矢印D2で示すように、スプリング41を圧縮させつつ第1のくさび状空間W1の拡大側へ移動する。

0042

第2のローラ23は、第2のカム面25上を転動して時計方向へ移動することにより第1のローラ19を時計方向に押すと同時に、図2の矢印D3で示すように、内輪5を反時計方向へ回動させる。つまり、第2のローラ23は、可動保持部37の傾斜面43による内径方向への押圧力により、内輪5に対して反時計方向の回転力を伝達する。このように、可動保持部37から、時計方向へのトルクが第2のローラ23を介して内輪5に回転力として伝達される。第2のローラ23から内輪5に伝達される回転力は、第1のローラ19と第1のカム面21および外輪内周面9との噛み合いを解除する方向の回転力である。

0043

このように、第2のローラ23によって、第1のローラ19が第1のくさび状空間W1の拡大側に押されるとともに、内輪5に対してロック解除方向の回転力が伝達される。その結果、第1のローラ19による第1のカム面21と外輪内周面9との噛み合いが解除される。

0044

こうして、一方向クラッチ1のロック状態は解除される。ロック状態が解除されると、内輪5は外輪3に対して時計方向の回動が可能となり、一方向クラッチ1は内輪5から外輪3へあるいは外輪3から内輪5へトルクが伝達されない状態となる。すなわち、可動保持部37は、第2のローラ23を介して、第1のローラ19をトルク非伝達位置に保持している。なお、固定保持器27と可動保持器33と第1のローラ19と第2のローラ23とは、内輪5と一体に回動する。

0045

一方向クラッチ1のロックが解除された状態において、時計方向に移動した後の可動保持部37は、図2に示すように、傾斜面43が第2のローラ23に接触した状態であるが、第1のローラ19には傾斜面43も可動保持部37の先端部分も接触していない。つまり、第1のローラ19にロック解除方向のトルクを伝達するのは、第2のローラ23のみである。このように、本実施形態においては、可動保持器33の可動保持部37は、外部装置から入力されたロック解除用のトルクを、第2のローラ23を介して第1のローラ19と内輪5とへ分散して伝達している。したがって、可動保持部37をロック解除方向に移動させるためのトルクの大きさを、従来よりも小さくすることができる。

0046

さらに、可動保持部37の傾斜面43は、傾斜面43の反時計方向側端部に対応する内輪外周面7上の位置における内輪外周面7の接線に対して緩やかな角度で傾いており、且つ第2のローラ23の直径は小さく形成されているので、第2のローラ23は移動する可動保持部37の傾斜面43によって回動させ易くなっている。したがって、可動保持部37をロック解除方向に移動させるためのトルクの大きさをさらに小さくすることができる。その結果、外部装置(図示省略)で発生させるロック解除用のトルクの大きさを従来よりも小さくすることができるので、当該外部装置を小型化することができる。外部装置が小型になると、外部装置の設置スペースを小さくすることができ、一方向クラッチ1と外部装置とを含む装置全体を小型化することができる。

0047

また、本実施形態は、上述したように、第1のローラ19が第1のくさび状空間W1で第1のカム面21および外輪内周面9に噛み合い、第2のローラ23が第2のくさび状空間W2で第2のカム面25および可動保持部37の傾斜面43に噛み合う構成となっている。つまり、第1のローラ19と第2のローラ23とが、別々の位置でそれぞれの噛み合い相手部材と噛み合っている。そのため、一方向クラッチ1のロック状態において、第2のローラ23が第1のローラ19をロック解除方向に押してしまうことがなく、ロック状態を確実に維持し、必要なトルク容量を確保することができる。

0048

ここで、背景技術で説明したような従来の構成の一方向ラッチにおいては、ロック状態を解除する際にローラとカム面および外輪内周面との噛み合いを解除し易くするために、カム面と外輪内周面とのくさび角を大きく設定してローラとカム面および外輪内周面との間の摩擦力を低減させることがある。そうすると、ロック状態となる前にローラがカム面と外輪内周面とに対して滑ってしまい、ロック機能が低下してしまう虞がある。また、カム面と外輪内周面とのくさび角の角度が、必要なトルク容量を確保するための最適なくさび角の角度よりも大きくなってしまう虞があり、必要なトルク容量を確保することができなくなる虞がある。

0049

これに対し、本実施形態に係る一方向クラッチ1によれば、第1のローラ19は第1のカム面21と外輪内周面9とに滑らかに噛み合い、さらに、第2のローラ23を介して滑らかにロック状態を解除することができる。したがって本実施形態に係る一方向クラッチ1は、第1のカム面21と外輪内周面9とのくさび角の角度を、必要なトルク容量を確保するための最適なくさび角の角度とすることができる。すなわち、一方向クラッチ1は、第1のカム面21と外輪内周面9とのくさび角をこのような最適な角度としても、第1のローラ19は確実に第1のカム面21と外輪内周面9とに噛み合い、且つ滑らかにロック状態を解除することができる。その結果、一方向クラッチ1は必要なトルク容量を確保し、その機能を充分に発揮することができる。

0050

なお、一方向クラッチ1をロック解除状態から再びロック状態にする際は、可動保持器33への前記外部装置からのロック解除用トルクの入力を停止する。そうすると、固定保持部31のスプリング41が伸張し、第1のローラ19、第2のローラ23、および可動保持器33の可動保持部37を反時計方向に押し付ける。そして第1のローラ19が第1のカム面21と外輪内周面9とに噛み合い、内輪5と外輪3とがロックされる。こうして一方向クラッチ1はロック状態となる。なお、可動保持器33への外部装置からのロック解除用トルクの入力を停止することに代えて、可動保持器33の環状部35を反時計方向に回動させるトルクを当該外部装置から可動保持器33に入力しても良い。

0051

(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る一方向クラッチについて説明する。
図3(a)は第2実施形態に係る一方向クラッチを軸方向一方側から見た状態を示す部分断面図であり、ロック状態を示し、図3(b)は図3(a)のb−b矢視断面図である。

0052

第2実施形態に係る一方向クラッチは、第1実施形態とは異なり、ロック状態において、外輪は内輪に対して反時計方向の回転がロックされる。すなわち、外輪は内輪に対して固定された状態となる。一方、ロック解除状態において、外輪は内輪に対して、時計方向の回転が可能である。なお、本実施形態については第1実施形態と異なる構成を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。

0053

本実施形態に係る一方向クラッチ201は、図3(a)に示すように、外輪内周面209に凹部211、すなわち第1のカム面221および第2のカム面225が形成されている。第1のカム面221および第2のカム面225の形状は第1実施形態と同様である。したがって内輪外周面207および外輪内周面209はそれぞれ、第1のローラ219が転動または摺動可能な転動面または摺動面であり、外輪内周面209は第2のローラ223が転動または摺動可能な転動面または摺動面である。第1のカム面221は、第1のカム面221と径方向に対向する内輪外周面207との間に、第1のくさび状の空間W201を形成している。第1のくさび状空間W201は、反時計方向に向かうに従い径方向寸法、すなわち第1のカム面221と内輪外周面207との間隔が縮小し、時計方向に向かうに従い径方向寸法が拡大している。第1のくさび状空間W201は、縮小側の部分の径方向寸法が第1のローラ219の直径よりも小さく形成されている。

0054

本実施形態に係る一方向クラッチ201は、外輪203に固定された固定保持器227を備えている。固定保持器227の固定保持部231およびスプリング241の構成は、第1実施形態と同様である。

0055

本実施形態に係る一方向クラッチ201は、外輪203に対して移動可能な可動保持器233を備えている。可動保持器233の可動側保持部237は、図3(a)に示すように、外周面の周方向中間位置近傍よりも時計方向側の部分が、先端に向かうにしたがって外輪内周面209との間隔が広がる方向に傾斜した傾斜面243となっている。傾斜面243の反時計方向側端部は、凹部211の反時計側端部すなわち第2のカム面225の反時計側端部近傍に位置している。傾斜面243は、第2のローラ223と傾斜面243との接点と、第2のローラ223と第1のローラ219との接点と、第2のローラ223と第2のカム面225との接点とを結んだ三角形の内角が、それぞれ60度となるような接点を形成できる傾斜形状としている。

0056

傾斜面243は、第2のカム面225の径方向内方に位置し、第2のカム面225を径方向内径側で覆っている。したがって、第2のカム面225と可動保持部237の傾斜243面とは、第2のカム面225と傾斜面243との間に第2のくさび状の空間W202を形成している。第2のくさび状空間W202は、反時計方向に向かうに従い径方向寸法、すなわち第2のカム面225と傾斜面243との間隔が縮小し、時計方向に向かうに従い径方向寸法が拡大している。第2のくさび状空間W202は、縮小側の部分の径方向寸法が第2のローラ223の直径よりも小さく形成されている。

0057

第1のローラ219および第2のローラ223は、第1実施形態と同様の構成である。

0058

本実施形態においては、ロック状態において、第1のローラ219は第1のくさび状空間W201の縮小側に位置して第1のカム面221と内輪外周面207とに噛み合い、第2のローラ223は第2のくさび状空間W202の縮小側に位置して第2のカム面225と可動保持部237の傾斜面243とに噛み合っている。

0059

次に、本実施形態に係る一方向クラッチ201をロック状態からロック解除状態とする際の、一方向クラッチ201の各部材の動作について説明する。

0060

図示しない外部装置から可動保持器233にロック解除用トルクが入力されると、第1実施形態と同様に、可動保持器233の各可動保持部237は環状空間A内を時計方向に移動する。可動保持部237が環状空間A内を時計方向に移動すると、第2のローラ223は、可動保持部237の傾斜面243によって時計方向に押されると同時に外径方向にも押される。すなわち、可動保持部237から時計方向へのトルクが第2のローラ223に伝達される。そうすると、第2のローラ223は、傾斜面243によって第2のカム面225に押し付けられつつ時計方向に回動し、第2のカム面225上および可動保持部237の傾斜面243上を転動または摺動する。第2のローラ223は第2のカム面225上を転動または摺動することにより時計方向側へ移動していく。

0061

第2のローラ223は、時計方向へ移動することにより、第2のローラ223に接触している第1のローラ219を時計方向に押す。すなわち、可動保持部237から、時計方向へのトルクが第2のローラ223を介して第1のローラ219に伝達される。第1のローラ219は、第2のローラ223にこのように押されることにより、スプリング241を圧縮させつつ第1のくさび状空間W201の拡大側へ移動する。

0062

第2のローラ223は、第2のカム面225上を転動して時計方向へ移動することにより第1のローラ219を時計方向に押すと同時に、外輪203を反時計方向へ回動させる。つまり、第2のローラ223は、可動保持部237の傾斜面243による外径方向への押圧力により、外輪203に対して反時計方向の回転力を伝達する。このように、可動保持部237から、時計方向へのトルクが第2のローラ223を介して内輪205に回転力として伝達される。第2のローラ223から外輪203に伝達される回転力は、第1のローラ219と第1のカム面221および内輪外周面207との噛み合いを解除する方向の回転力である。

0063

このように、第2のローラ223によって、第1のローラ219が第1のくさび状空間W201の拡大側に押されるとともに、外輪203に対してロック解除方向の回転力が伝達される。その結果、第1のローラ219による第1のカム面221と内輪外周面207との噛み合いが解除される。

0064

こうして、一方向クラッチ201のロック状態は解除される。ロック状態が解除されると、外輪203は内輪205に対して時計方向の回動が可能となり、一方向クラッチ201は内輪205から外輪203へあるいは外輪203から内輪205へトルクが伝達されない状態となる。すなわち、可動保持部237は、第2のローラ223を介して、第1のローラ219をトルク非伝達位置に保持している。なお、固定保持器227と可動保持器233と第1のローラ219と第2のローラ223とは、外輪203と一体に回動する。

0065

このように、本実施形態においても、可動保持器233の可動保持部237は、第1実施形態と同様に、外部装置から入力されたロック解除用のトルクを、第2のローラ223を介して第1のローラ219と外輪203とへ分散して伝達している。さらに、可動保持部237の傾斜面243は、傾斜面243の反時計方向側端部に対応する外輪内周面209上の位置における外輪内周面209の接線に対して緩やかな角度で傾いており、且つ第2のローラ223の直径は小さく形成されているので、第2のローラ223は移動する可動保持部237の傾斜面243によって回動させ易くなっている。したがって、可動保持部237をロック解除方向に移動させるためのトルクの大きさは、第1実施形態と同様に、従来よりも小さくすることができる。その結果、外部装置(図示省略)で発生させるロック解除用のトルクの大きさを従来よりも小さくすることができるので、当該外部装置を小型化することができる。外部装置が小型になると、外部装置の設置スペースを小さくすることができ、一方向クラッチ201と外部装置とを含む装置全体を小型化することができる。

0066

また、第1実施形態と同様に、第1のカム面221と内輪外周面207とのくさび角の角度を、必要なトルク容量を確保するための最適な角度としても、第1のローラ219は確実に第1のカム面221と内輪外周面207とに噛み合い、且つ滑らかにロック状態を解除することができる。その結果、本実施形態に係る一方向クラッチ201は、必要なトルク容量を確保し、その機能を充分に発揮することができる。

0067

1、201一方向クラッチ
3、203外輪
5、205内輪
7、207内輪外周面
9、209 外輪内周面
11、211 凹部
13、213 第1の凹部
15、215 第2の凹部
17段差部
19、219 第1のローラ
21、221 第1のカム面
23、223 第2のローラ
25、225 第2のカム面
27、227固定保持器
29 環状部
31、231 固定保持部
33、233可動保持器
35 環状部
37、237 可動保持部
39 凹部
41、241スプリング
43、243 傾斜面

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