図面 (/)

技術 低融点合金の回収装置および回収方法

出願人 株式会社流機エンジニアリング
発明者 田島永善西村聡
出願日 2015年9月25日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2015-187992
公開日 2017年3月30日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-061725
状態 特許登録済
技術分野 金属の製造または精製
主要キーワード 温度ギャップ 底部片 上下方向延 遠心分離槽 各分離槽 非溶解物 各被処理物 底面中心
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年3月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

低融点合金回収率を向上させる回収装置および回収方法を提供すること。また、遠心分離槽メンテナンス性を向上させること。

解決手段

本発明に係る低融点合金の回収装置は、ビスマス、スズ、鉛、インジウムカドミウムアンチモン亜鉛ガリウムからなる群から選ばれる16℃〜183℃の温度範囲で溶解する低融点合金と、前記低融点合金以外の不純物を含む被処理物から、前記低融点合金を分離して回収する低融点合金の回収装置であって、前記被処理物の供給口と、供給した被処理物を低融点合金の溶解温度以上に加熱する加熱手段と、溶解した被処理物の排出口を有する溶解槽と、前記溶解した被処理物の供給口と、供給した被処理物を回転させて低融点合金を遠心分離する回転手段と、分離した低融点合金の排出口を有する分離槽と、を有する。

概要

背景

低融点合金は、半田電子材料として用いられるほか、工作機械精密加工を行う際に、被加工物を固定する治具の材料としても用いられる。このような様々な用途を有する低融点合金は高価であるため、回収して再利用することが望ましい。

被加工物の固定治具は、精密加工の過程で、被加工物と一緒に削れてしまうことがある。この固定治具の材料に低融点合金を用いている場合、低融点合金と被加工物の切削屑が混ざった状態で発生する。混合した切削屑から低融点合金を回収する方法は、まず、切削屑を低融点合金の融点まで加熱し、低融点合金を溶解させる。その後、網などを用いて手作業異物を取り除き、低融点合金のみを回収する。

そのほか、切削屑から低融点合金を回収しないで、産業廃棄物として廃棄する場合もある。

概要

低融点合金の回収率を向上させる回収装置および回収方法を提供すること。また、遠心分離槽メンテナンス性を向上させること。本発明に係る低融点合金の回収装置は、ビスマス、スズ、鉛、インジウムカドミウムアンチモン亜鉛ガリウムからなる群から選ばれる16℃〜183℃の温度範囲で溶解する低融点合金と、前記低融点合金以外の不純物を含む被処理物から、前記低融点合金を分離して回収する低融点合金の回収装置であって、前記被処理物の供給口と、供給した被処理物を低融点合金の溶解温度以上に加熱する加熱手段と、溶解した被処理物の排出口を有する溶解槽と、前記溶解した被処理物の供給口と、供給した被処理物を回転させて低融点合金を遠心分離する回転手段と、分離した低融点合金の排出口を有する分離槽と、を有する。

目的

本発明の主たる目的は、低融点合金の回収率を向上させる回収装置および回収方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

ビスマス、スズ、鉛、インジウムカドミウムアンチモン亜鉛ガリウムからなる群から選ばれる16℃〜183℃の温度範囲で溶解する低融点合金と、前記低融点合金以外の不純物を含む被処理物から、前記低融点合金を分離して回収する低融点合金の回収装置であって、前記被処理物を低融点合金の溶解温度以上に加熱する加熱手段と、溶解した被処理物の排出口を有する溶解槽と;前記溶解した被処理物を遠心分離する遠心分離手段と、分離した低融点合金の排出口を有する分離槽と;を有することを特徴とする低融点合金の回収装置。

請求項2

溶解槽内、あるいは溶解槽と分離槽との間に、不純物分離手段を設けた請求項1記載の低融点合金の回収装置。

請求項3

前記溶解槽を2以上設け、各溶解槽で溶解作業を同時に行うことができる構成とした請求項1または2記載の低融点合金の回収装置。

請求項4

前記分離槽を2以上設け、各分離槽分離作業を同時に行うことができる構成とした請求項1〜3のいずれか1項記載の低融点合金の回収装置。

請求項5

前記溶解槽と分離槽の間に、前記溶解槽および分離槽の少なくとも一方の槽をさらに設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の低融点合金の回収装置。

請求項6

ビスマス、スズ、鉛、インジウム、カドミウム、アンチモン、亜鉛、ガリウムからなる群から選ばれる16℃〜183℃の温度範囲で溶解する低融点合金と、前記低融点合金以外の不純物を含む被処理物から、前記低融点合金を分離して回収する低融点合金の回収方法であって、前記被処理物の供給口を介して供給した被処理物を低融点合金の溶解温度以上に加熱して溶解し、溶解した被処理物の排出する溶解工程と、前記溶解した被処理物の供給口を介して供給した被処理物を回転させて低融点合金を遠心分離し、分離した低融点合金を排出する分離工程と、を有することを特徴とする低融点合金の回収方法。

請求項7

前記溶解工程は、2以上の溶解槽で溶解作業を同時に行う請求項6記載の低融点合金の回収方法。

請求項8

前記分離工程は、2以上の分離槽で分離作業を同時に行う請求項6または7記載の低融点合金の回収方法。

請求項9

前記溶解工程と分離工程の間に、前記溶解工程および分離工程の少なくとも一方の工程をさらに設けた請求項6〜8のいずれか1項に記載の低融点合金の回収方法。

技術分野

0001

本発明は、低融点合金回収する装置および方法に関するものである。

背景技術

0002

低融点合金は、半田電子材料として用いられるほか、工作機械精密加工を行う際に、被加工物を固定する治具の材料としても用いられる。このような様々な用途を有する低融点合金は高価であるため、回収して再利用することが望ましい。

0003

被加工物の固定治具は、精密加工の過程で、被加工物と一緒に削れてしまうことがある。この固定治具の材料に低融点合金を用いている場合、低融点合金と被加工物の切削屑が混ざった状態で発生する。混合した切削屑から低融点合金を回収する方法は、まず、切削屑を低融点合金の融点まで加熱し、低融点合金を溶解させる。その後、網などを用いて手作業異物を取り除き、低融点合金のみを回収する。

0004

そのほか、切削屑から低融点合金を回収しないで、産業廃棄物として廃棄する場合もある。

発明が解決しようとする課題

0005

前記切削屑の中に被加工物の切削屑(チタンアルミニウムなど)が多い場合、遠心分離等の分離作業を行う段階でいくつかの問題が生じる。例えば、大量の被加工物の切削屑が障害となり、低融点合金の回収率が低下する。また、遠心分離等を行った槽の下部に大量の切削屑が溜まるため、極端な場合、分離操作を行うたびに清掃作業等のメンテナンスが必要となり、低融点合金の回収量が少なくなる。

0006

そこで本発明の主たる目的は、低融点合金の回収率を向上させる回収装置および回収方法を提供することである。また、遠心分離等を行う槽のメンテナンス性を向上させることである。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
ビスマス、スズ、鉛、インジウムカドミウムアンチモン亜鉛ガリウムからなる群から選ばれる16℃〜183℃の温度範囲で溶解する低融点合金と、前記低融点合金以外の不純物を含む被処理物から、前記低融点合金を分離して回収する低融点合金の回収装置であって、
前記被処理物を低融点合金の溶解温度以上に加熱する加熱手段と、溶解した被処理物の排出口を有する溶解槽と;
前記溶解した被処理物を遠心分離する遠心分離手段と、分離した低融点合金の排出口を有する分離槽と;
を有することを特徴とする低融点合金の回収装置。

0008

作用効果
溶解と分離を行うとともに、溶解と分離を別々の槽で行う構成とした。溶解槽において、低融点合金の溶解温度以上に加熱することで、低融点合金とそれ以外の不純物(以下、「不純物」という)の融点の違いを用いて、低融点合金と不純物とを分離できる。とりわけ、被処理物を撹拌溶解すると、多くの場合、低融点合金が塊となるので、不純物との分離が容易となる。
被処理物中に不純物(チタンやアルミニウムなどの工作機械での切削屑)が多いまま、溶解槽を設けないで、直接的に遠心分離すると、不純物が障害物となって分離(回収)効率が低い。また、不純物が多いとこれが分離槽内に溜まるので、メンテナンスの頻度が多くなり、処理効率の低下を招く。
しかるに、溶解槽で、低融点合金を塊状化しておくと、分離槽における遠心分離効率が高まる。また、たとえば、溶解槽内に、あるいは溶解槽と分離槽との間に予め不純物分離手段を設けると、分離槽へ移行する不純物の量を減らすことができるので、遠心分離効率が高まる。

0009

<請求項2記載の発明>
溶解槽内、あるいは溶解槽と分離槽との間に、不純物分離手段を設けた請求項1記載の低融点合金の回収装置。

0010

(作用効果)
溶解槽内に、あるいは溶解槽と分離槽との間に予め不純物分離手段を設けると、分離槽へ移行する不純物の量を減らすことができるので、遠心分離効率が高まる。

0011

<請求項3記載の発明>
前記溶解槽を2以上設け、各溶解槽で溶解作業を同時に行うことができる構成とした請求項1または2記載の低融点合金の回収装置。

0012

(作用効果)
各溶解槽で溶解作業を同時に行う並列処理が可能になるため、単位時間当たりの処理能力を向上できる。また、溶解槽が2つ以上あると、1つの溶解槽をメンテナンスで停止している間も、他の溶解槽で溶解作業を行うことができるため、生産性を向上できる。

0013

<請求項4記載の発明>
前記分離槽を2以上設け、各分離槽で分離作業を同時に行うことができる構成とした請求項1〜3のいずれか1項記載の低融点合金の回収装置。

0014

(作用効果)
各溶解槽で分離作業を同時に行う並列処理が可能になるため、処理能力を向上できる。また、分離槽が2つ以上あると、1つの分離槽をメンテナンスで停止している間も、他の分離槽で分離作業を行うことができるため、生産性を向上できる。

0015

<請求項5記載の発明>
前記溶解槽と分離槽の間に、前記溶解槽および分離槽の少なくとも一方の槽をさらに設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の低融点合金の回収装置。

0016

(作用効果)
溶解槽で溶解した被処理物をさらに別の溶解槽で溶解することで、溶解度を向上できる。また、分離槽で分離した低融点合金をさらに別の分離槽で分離することで、最終的に得る低融点合金の純度を向上できる。

0017

<請求項6記載の発明>
ビスマス、スズ、鉛、インジウム、カドミウム、アンチモン、亜鉛、ガリウムからなる群から選ばれる16℃〜183℃の温度範囲で溶解する低融点合金と、前記低融点合金以外の不純物を含む被処理物から、前記低融点合金を分離して回収する低融点合金の回収方法であって、
前記被処理物の供給口を介して供給した被処理物を低融点合金の溶解温度以上に加熱して溶解し、溶解した被処理物の排出する溶解工程と、
前記溶解した被処理物の供給口を介して供給した被処理物を回転させて低融点合金を遠心分離し、分離した低融点合金を排出する分離工程と、
を有することを特徴とする低融点合金の回収方法。

0018

(作用効果)
請求項1と同様の作用効果を奏する。

0019

<請求項7記載の発明>
前記溶解工程は、2以上の溶解槽で溶解作業を同時に行う請求項6記載の低融点合金の回収方法。

0020

(作用効果)
請求項3と同様の作用効果を奏する。

0021

<請求項8記載の発明>
前記分離工程は、2以上の分離槽で分離作業を同時に行う請求項6または7記載の低融点合金の回収方法。

0022

(作用効果)
請求項4と同様の作用効果を奏する。

0023

<請求項9記載の発明>
前記溶解工程と分離工程の間に、前記溶解工程および分離工程の少なくとも一方の工程をさらに設けた請求項6〜8のいずれか1項に記載の低融点合金の回収方法。

0024

(作用効果)
請求項5と同様の作用効果を奏する。

発明の効果

0025

本発明によれば、低融点合金の回収率を向上させることができる。また、遠心分離に用いる分離槽のメンテナンス性も向上させることもできる。

図面の簡単な説明

0026

本発明に係る低融点合金の回収装置の側面図である。
図1の回収装置のフロー図である。
他の実施例に係る回収装置のフロー図である。
他の実施例に係る回収装置のフロー図である。
他の実施例に係る回収装置のフロー図である。
他の実施例に係る回収装置のフロー図である。

実施例

0027

以下、本発明に係る低融点合金の回収装置及び回収方法の好適な実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明文及び図面は、本発明の実施形態の一例を示したものにすぎず、本発明の内容をこの実施形態に限定して解釈すべきでない。

0028

(低融点合金A)
本発明に係る低融点合金の回収装置1は、被処理物W(低融点合金Aとそれ以外の不純物Bの混合物)から、低融点合金Aを分離し、回収する。この低融点合金Aは、ビスマス、スズ、鉛、インジウム、カドミウム、アンチモン、亜鉛、ガリウムからなる群から選ばれる成分を主成分とする合金である。特に、ビスマスおよびスズを主体とし、必要によってインジウムを添加したものが、前記被加工物の固定治具として好適である。なお、低融点合金の溶融温度としては、16℃〜183℃を例示できる。

0029

前記低融点合金Aの具体例としては、株式会社大阪アサメタル工場製の「Uアロイシリーズを挙げることができる。このシリーズとして、融点16℃〜183℃の様々な種類の低融点合金Aが販売されている。

0030

本発明に係る低融点合金の回収装置1を用いて、低融点合金Aとそれ以外の不純物Bとの分離を行う際、融点90℃〜150℃の範囲の低融点合金が特に好適である。

0031

前記低融点合金Aは、被加工物の固定治具などに用いられる。そして、被加工物を切削する精密加工等の過程で、固定治具も削られてしまった場合に、低融点合金Aの切削屑が発生する。

0032

なお、低融点合金A以外の不純物Bの例としては、チタン、アルミニウム、ステンレス、銅、鉄、ガラスなどの被加工物(加工対象となる材料。Workpiece。)の切削屑を挙げることができる。これらの切削屑は、一つの物質のみ(例えば、チタンのみ)からなる場合もあれば、二以上の物質の混合物(例えば、チタンとアルミニウムの混合物)からなる場合もある。

0033

そして、被処理物Wの例としては、低融点合金Aの切削屑とそれ以外の不純物Bの切削屑の混合物を挙げることができるが、これに限られるものではない。その他の被処理物Wの例としては、低融点合金Aを含む家電製品破砕物破砕していない状態のものでも良い)や、研究過程で制作した低融点合金Aを含む試作品(前記と同様に、破砕していない状態のものでも良い)などを挙げることができる。

0034

(溶解槽2)
本発明に係る低融点合金の回収装置1は、溶解槽2を備えている。図1に示した溶解槽2は、被処理物Wの供給口3と、供給した被処理物Wを保持する円筒形容器4と、容器4内の被処理物Wを排出する排出口5を有する。この容器4の例として、黒鉛坩堝等の耐火物を挙げることができる。また、容器4の形状は角柱形等の他の形状であっても良い。さらに、この容器4の上面4Aは、取っ手6付きの開閉可能な蓋7となっており、回収装置1を使用した後に、蓋7を外して容器4の内部を清掃することができる。蓋7としては自動開閉にしてもよい。前記被処理物Wの供給口3は、蓋7の一部に設けた開閉可能な窓から構成されている。

0035

そして、前記溶解槽2には、容器4内に供給された被処理物Wに熱を加えて溶解させる加熱手段8が取り付けられている。この加熱手段8としては、直接加熱式と間接加熱式のどちらのタイプを採用しても良い。例えば、高周波プラズマ電子ビーム等を用いた間接加熱式の加熱手段8を用いることができる。また、加熱バーナー等を用いた直接加熱式の加熱手段8を用いても良い。図1の回収装置1は、加熱手段8として熱線を用いており、容器4の外周壁を取り囲むように配置している。なお、容器4内部の構造を見やすくするため、最上部以外の熱線は横断面のみを示している。

0036

さらに、この溶解槽2には、容器4内の被処理物Wを撹拌する撹拌手段9を取り付けることが好ましい。図1の撹拌手段9は、回転軸9A、支持軸9B、撹拌翼9Cおよびモーター9Dを有する。回転軸9Aは、容器4の底面4B外方から容器4の底面4B中心部を貫通し、容器4の上面4A中心部へ向かって延在する。支持軸9Bは、回転軸9Aから回転軸9Aと垂直方向に延在し、後述する撹拌翼9Cを支持する。撹拌翼9Cは、支持軸9Bの先端部に取り付けられ、容器4の上下方向延在する板状部材からなる。モーター9Dは、容器4の底面4B外方に設置され、回転軸9Aを回転させる。この撹拌手段9によって、溶解前、溶解中または溶解後の被処理物Wが撹拌される。この撹拌操作により、被処理物Wの溶解速度が速くなる。それとともに、撹拌しない場合と比べて、被処理物Wをより均質に溶解することができる。

0037

ここで、溶解槽2の取り付け構造例について、図1を参照しながら説明する。まず、工場等の床面に支持台10を配置し、支持台10に支柱11を取り付けている。この支柱11は、基端部11Aが支持台10に固定され、支持台10から上方へ向かって垂直に延在するとともに、先端側が途中から斜め方向に延在している。そして、この支柱11の先端部11Bに溶解槽2の底面4Bの一部を固定している。このように溶解槽2を斜めに取り付けることで、被処理物Wが容器4の片側底部4Cに集まるため、被処理物Wの量が少ない場合であっても、溶解処理を行うことができる。また、容器4を斜めに設置することにより、容器4を水平に置いた場合よりも、奥行きが短くなるため、置き場所が小さくなるという利点もある。なお、支柱11の傾斜面には、撹拌手段9のモーター9Dが載置されている。

0038

次に、容器4内に供給された被処理物Wを加熱する温度について説明する。この加熱温度は、被処理物Wに含まれる低融点合金Aを溶解させるため、低融点合金Aの融点よりも高い温度とする。また、低融点合金A以外の不純物Bを溶解させてしまうと、最終製品(回収した低融点合金A)の中に溶解した不純物Bが混入する可能性が高くなり、低融点合金Aの純度が低下してしまう。したがって、加熱温度は、不純物Bの融点よりも低い温度にすることが好ましい。具体的には、被処理物Wに含まれる低融点合金Aやそれ以外の不純物Bの成分によって、加熱温度を変えることが好ましい。

0039

溶解した低融点合金Aは、溶解槽2の排出口5から排出され、溶解槽2と分離槽20の連絡通路として機能するパイプ12、好ましくは保温又はヒータによる加熱手段を有する構造のパイプ12を通過して、後段の分離槽20へと自由落下する。このパイプ12の途中には手動又は自動バルブ13が設けられており、分離槽20に供給する溶解した低融点合金Aの量を調整している。なお、排出口5には、メッシュまたはパンチング(図示しない)が設けられており、この篩によって、溶解した低融点合金Aに混入している非溶解物(不純物B)を分離する。なお、加熱手段8の加熱温度によっては、低融点合金A以外の不純物Bの一部または全部が溶解する可能性もある。この場合、溶解した不純物Bは、溶解した低融点合金Aとともに、後段の分離槽20へ流れ落ちる。また、溶解していない不純物Bであっても、排出口5の篩の目よりも小さな不純物Bは、篩の目を通過して、溶解した低融点合金Aとともに分離槽20へ移動する。

0040

(分離槽20)
本発明に係る回収装置1は、溶解槽2のほかに分離槽20も備えている。この分離槽20は、溶解槽2と一体として設けられておらず、別体として設けられている。図1に示した分離槽20は、被処理物Wの供給口21と、供給した被処理物Wを保持する円筒形の容器22と、容器22内の被処理物Wを排出する排出口23を有する。この容器22には、溶解槽2で熱せられた低融点合金Aが供給される。そのため、容器22の素材には、耐熱性の素材を採用することが好ましい。また、溶解槽2と同様に、この容器22の上面22Aに、取っ手24付きの開閉可能な蓋25が設けられており、容器22の内部が清掃可能となっている。

0041

また、分離槽20の容器22内には、周壁に篩が形成されたバスケット26が設けられている。そして、このバスケット26には、バスケット26を回転させる回転手段27が接続されている。図1の回転手段27の例としては図示のように、回転軸27A、モーター27C、およびチェーン27Bを有する。回転軸27Aは、容器22の底面22B外方から、容器22およびバスケット26の底面中心部を貫通してバスケット26上面中心部まで延在している。また、モーター27Cは、支持台10の傾斜部に取り付けられ、回転軸26Aを回転させる動力を発生させる。また、チェーン27Bは、モーター27Cの先端部と、容器22の底面22B外方に位置する回転軸27Aを連結し、モーター27Cの動力を回転軸27Aに伝達する。なお、バスケット26を回転させる回転手段27として、直動型ステッピングモーターを用いても良い。

0042

ここで、分離槽20の取り付け構造について、図1を参照しながら説明する。工場等の床面に配置した支持台10は、支柱11を取り付ける支柱取り付け部10Aのほかに、分離槽20を載置する載置部10Bを有する。この載置部10Bの上面は、所定の角度傾斜しており、この上面に分離槽20が載置されている。このように分離槽20を斜めに取り付けることで、低融点合金Aを容器22の底部片側22Cに集めることができる。底部片側22Cに集められた低融点合金Aは、自由落下により後段の回収容器30へ移動する。また、載置部10Bの側面は、前記回転軸27Aと同程度の角度の傾斜を有しており、この側面にモーター27Bが取り付けられている。なお、溶解槽2内で溶解した低融点合金Aが、溶解槽2から自由落下により分離槽20へ移動する構成にするため、溶解槽2よりも下方に分離槽20を配置している。

0043

次に、分離槽20内で行われる低融点合金Aとそれ以外の不純物Bの分離について説明する。溶解槽2内で溶解した被処理物Wは、パイプ12を通り、供給口21からバスケット26内に供給される。このバスケット26に供給される被処理物Wは、溶解して液体状になった低融点合金Aと、排出口5の篩の目よりも小さな、溶解していない固体状の不純物Bを含む。

0044

被処理物Wが供給されるバスケット26は、モーター27Bの動力によって回転する。すなわち、モーター27Bで発生した動力は、チェーン27Cを介して回転軸27Aに伝達され、バスケット26を回転させる。

0045

バスケット26が回転することにより、バスケット26内の被処理物Wが遠心分離される。すなわち、被処理物Wのうち、溶解した低融点合金Aは、バスケット26の側壁26Aに設けた篩を通り、バスケット26の外側かつ容器22の内側へ移動する。そして、容器22に設けられた排出口23から排出され、分離槽20と回収容器30の連絡通路として機能するパイプ28を通って、後段の回収容器30へと自由落下する。このパイプ28の途中にバルブ29が設けられており、回収容器30に流れ出る低融点合金Aの量を調整している。なお、排出口23には、メッシュまたはパンチングの篩(図示しない)が設けることにより、低融点合金Aに混入している非溶解物(不純物B)などの異物を分離することができる。

0046

一方、被処理物Wのうち、溶解していない不純物Bは、バスケット26の側壁に設けた篩を通過することができず、バスケット26内に留まる。このようにして、被処理物Wを、低融点合金Aとそれ以外の不純物Bに分離することができる。なお、回収装置1の随所に設けられた複数の篩のうち、上流に位置する篩の目を細かくしてしまうと、上流部分(例えば、溶解槽2の排出口5)の篩が目詰まりを起こし、被処理物Wが滞留する結果、回収する低融点合金Aの量が少なくなってしまう。したがって、被処理物W内の不純物Bは、徐々に除去していくことが好ましい。そのような観点から、バスケット26の側壁26Aに設けた篩の目を、溶解槽2の排出口5に設けた篩の目よりも細かくすることが好ましい。また、分離槽20の排出口23に設けた篩の目を、バスケット26の側壁26Aに設けた篩の目よりも細かくすることが好ましい。

0047

他方、上記分離槽20は、好適には、低融点合金Aの溶解温度より高い温度に保持しながら遠心分離操作を行うことである。このためには、図示していないが、パイプ12、バルブ13、分離槽20、パイプ28及びバルブ29のうち、少なくとも分離槽20のバスケット26は、低融点合金Aの溶解温度より高い温度に保持するのが望ましい。低融点合金Aは冷却された容器に触れると固化するため、バスケット26の目詰まりや回収効率の低下を防止する目的で、前記各部を加熱や保温等するものである。加熱や保温等の具体的内容としては、各部12、13、20、28、29の外面に加熱空気等の加熱媒体を接触させる方法、前記外面に保温材を設置する方法、前記外面にフレキヒーターやサイカンヒーターなどのヒーター線と保温材を巻きつける方法などがある。なお、パイプ12、13等においても、詰まりの生じる可能性があるため、望ましくは前記各部12、13、20、28、29の全てを低融点合金Aの溶解温度より高い温度に保持することが好ましい。

0048

前記のように、原則的には加熱や保温等を行うことが好ましいが、場合によってはそれらが不要になることがある。すなわち、低融点合金のうち、低温で溶解する合金は、融点と大気温度の温度差温度ギャップ)が少ないため、冷却などしない限り、凝固しない。特に、常温付近で溶解する合金は、前記温度ギャップがより少なくなる。そのため、低融点合金の種類によっては、加熱によって昇温等しなくても良い。しかし、外気温度室内温度が低い期などは、配管等が冷却されてしまうため、加熱による昇温等が必要になる。

0049

(回収容器30)
回収容器30は、工場等の床面に置かれた載置台31上に置かれる。回収容器に落下した低融点合金Aは、容器30上で任意の形状にインゴット化され、回収される。この回収容器30の例としては、耐熱性のあるステンレス製バットを挙げることができる。

0050

助剤
前記溶解槽2および分離槽20には、油分その他の助剤を塗布または添加しても良い。この助剤により、溶解槽2の排出口5、バスケット26の側壁26Aおよび分離槽20の排出口23に設けた篩(メッシュやパンチング)の目詰まりを防止できる。

0051

多層化)
図1および図2では、溶解槽2と分離槽20をそれぞれ一槽ずつ備えた回収装置1を例示した。本発明はその他の実施例も採用でき、回収装置1を構成する溶解槽2と分離槽20を多槽構造にすることができる。

0052

例えば、図3に示すように、溶解槽2を3槽、分離槽20を1槽にすることができる。それぞれの溶解槽2a、2b、2cで、同時期に溶解を並行して行うことで、低融点合金Aの回収処理量を増やすことができる。なお、図3の構成では、各溶解槽2a、2b、2cで溶解させた被処理物Wは、一つの分離槽20に集められ、この分離槽20で分離が行われる。

0053

また、被処理物Wが複数存在し(例えば、W1、W2、W3の3つ)、各被処理物W1、W2、W3ごとに、含有する低融点合金Aやそれ以外の不純物Bの成分及び量が異なる場合がある。前記図3に示す回収装置1を用いて、これらの被処理物W1、W2、W3を処理する場合は、例えば被処理物W1を溶解槽2aで溶解し、被処理物W2を溶解槽2bで溶解し、被処理物W3を溶解槽2cで溶解する構成を採ることができる。すなわち、低融点合金Aやそれ以外の不純物Bの成分の違い及び量の違いに応じて、各溶解槽2a、2b、2cごとに溶解温度を変えることが好ましい。具体的には、各溶解槽2a、2b、2cの溶解温度を、低融点合金Aの融点以上及び不純物Bの融点以下の任意の温度に設定し、溶解槽2a、2b、2cごとに溶解温度を異なるものにする。また、被処理物Wの量が多い場合は、量が少ない場合よりも溶解温度を高く設定し、この量の要素も考慮して、溶解槽2a、2b、2cごとに溶解温度を異なるものにする。このように、低融点合金Aやそれ以外の不純物Bの成分及び量が異なる被処理物Wが複数存在する場合であっても、溶解槽2を複数設けることで、同時に処理することができるという利点がある。

0054

また、図4に示すように、溶解槽2を1槽、分離槽20を2槽にすることもできる。複数の分離槽20a、20bを用いて、同時期に並行して分離することで、低融点合金Aの回収処理量を増やすことができる。なお、図4の構成では、溶解槽2で溶解した被処理物Wが、2つの分離槽20a、20bに分けて送られ、各分離槽20a、20bで分離を行う。溶解槽2の容量が大きいが、分離槽20の容量が小さい場合に、このような構成を採用する利点がある。

0055

また、図5に示すように、溶解槽2と分離槽20の双方を複数設け、例えば、溶解槽2を5槽(2m、2n、2o、2p、2q)にし、分離槽20を2槽(2m、2n)にすることもできる。このように溶解槽2と分離槽20の数を任意に増やすことで、前記図3および図4の両方の利点を得ることができる。この利点については、重複した記載を避けるため、説明を割愛する。なお、この溶解槽2および分離槽20の数は、任意に変更することができる。

0056

また、図6に示すように、溶解槽2を1槽、分離槽20を1槽設け、それらの槽の間に、溶解槽2および分離槽20の少なくとも一方をさらに設けるようにしても良い。前記図3図5に示すように、溶解槽2および分離槽20の数を増やし、それらを並列的に並べるのではなく、図6に示すように、溶解槽2または分離槽20の数を増やし、それらを直列的に並べることで、回収する低融点合金Aの純度を上げることができる。

0057

例えば、図6(a)に示すように、溶解槽2を1槽(2x)設け、その後段に溶解槽2をさらに1槽(2y)設け、その後段に分離槽20を1槽設けることができる。このように、2槽の溶解槽2x、2yを直列配置することで、加熱温度のきめ細やかな設定が可能となり、回収する低融点合金Aの品質を上げることができる。具体的な例では、最初の溶解槽2xの加熱温度は低く設定する。これにより、低融点合金Aの溶解量は少なくなるが、低融点合金A以外の不純物Bを固体のまま維持することができる。そのため、不純物Bが後段の溶解槽2yへ移動することを防ぎ、溶解槽2xの排出口5の篩で効果的にフィルタリングできる。他方、次の溶解槽2yの加熱温度は高くする。これにより、低融点合金Aの溶解量が増えるため、加熱温度を低く設定した場合と比べて、回収する低融点合金Aの量を増やすことができる。このように、溶解槽2x、2yを直列して複数設けることにより、純度の高い低融点合金Aを大量に回収することができる。

0058

また、図6(b)に示すように、溶解槽2を1槽設け、その後段に分離槽20を1槽(20x)設け、その後段に分離槽20をさらに1槽(20y)設けるようにしてもよい。分離槽20を複数設け、バスケット26の篩の目の大きさや、回転速度を変えることにより、より適切な分離操作が可能となり、純度の高い低融点合金Aを回収することができる。例えば、最初の分離槽20xの篩の目の大きさを大きくする。またはバスケット26の回転速度を速くする。これにより、分離槽20xで、被処理物Wに含まれる比較的大きな不純物Bを取り除くことができる。他方、次の分離槽20yの篩の目の大きさは小さくする。またはバスケット26の回転速度を遅くする。これにより、分離槽20yで、比較的小さな不純物Bを取り除くことができ、純度が高い低融点合金Aを回収することができる。

0059

最初の溶解槽2と最後の分離槽20の間に挿入する溶解槽2と分離槽20の数は、任意に変更することができる。例えば、2槽の溶解槽2を直列して配置し、その後段にさらに、2槽の分離槽20を直列して配置しても良い。また、溶解槽2を直列して3槽以上設けても良いし、分離槽20を直列して3槽以上設けても良い。溶解槽2や分離槽20の数が増えるほど、回収する低融点合金Aの純度を上げることができる。しかし、溶解槽2および分離槽20の数が増えるほど、回収処理にかかる時間が長くなるとともに、設備費も高くなる。そのため、要求している低融点合金Aの純度と、処理時間及び費用制約の中で、具体的な槽数を決めると良い。

0060

1:回収装置、2:溶解槽、3:供給口、4:容器、5:排出口、6:取っ手、7:蓋、8:加熱手段、9:撹拌手段、9A:回転軸、9B:支持軸、9C:撹拌翼、9D:モーター、10:支持台、11:支柱、12:パイプ、13:バルブ、20:分離槽、21:供給口、22:容器、23:排出口、24:取っ手、25:蓋、26:バスケット、27:回転手段、27A:回転軸、27B:モーター、27C:チェーン、28:パイプ、29:バルブ、30:回収容器、31:載置台、A:低融点合金、B:低融点合金以外の物質(不純物)、W:被処理物

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 国立大学法人鹿児島大学の「 希土類-鉄系磁性材料のリサイクル方法」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】希土類元素と鉄元素とを含む磁性化合物を、少なくとも希土類含有物及び鉄含有物へとすみやかに分解することができる、希土類−鉄系磁性材料のリサイクル方法を提供する。【解決手段】まず、使用済の希土類−... 詳細

  • JFEスチール株式会社の「 焼結鉱の製造方法」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】微粉化した原料およびその他の媒体となる原料の包括的な造粒性評価指標を構築し、この造粒性評価指標を用いることで焼結配合原料の造粒性を改善し、その結果として十分な特性を示す焼結鉱とすることができる... 詳細

  • 日本製鉄株式会社の「 焼結鉱の製造方法」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】鉄鉱石の生産性を維持しつつ、窒素酸化物を削減することが可能な、新規かつ改良された鉄鉱石の製造方法を提供する。【解決手段】上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、含MgO副原料を90... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ