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技術 エアサスペンションシステム

出願人 日立オートモティブシステムズ株式会社
発明者 瀬戸信治小山昌喜永田修平小川岳田部洋祐鈴木尚礼小林寛原田脩史河合義則李友行
出願日 2015年9月25日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-187588
公開日 2017年3月30日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-061235
状態 特許登録済
技術分野 車体懸架装置 圧縮機、真空ポンプ及びそれらの系
主要キーワード 端部スペーサ 開ポジション 乗車人 閉ポジション 排気終 使用エネルギー量 供給ポジション 回転式モータ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

エアサスペンションシステムコンプレッサ差圧が存在する条件下での起動を容易にする。

解決手段

車体側と車輪側との間に介装され空気の給排に応じて車高調整を行う複数のエア室に、コンプレッサで圧縮した空気を供給するエアサスペンションシステムであって、コンプレッサは、ピストンに連結し、ピストンの移動方向に延びる可動子と、可動子をピストンの移動方向に往復動させる電機子と、を有する。

概要

背景

特許文献1は、コンプレッサによって圧縮された空気をエアサスペンションに給排することにより車高調整を行うエアサスペンションシステムを開示している。

概要

エアサスペンションシステムのコンプレッサに差圧が存在する条件下での起動を容易にする。車体側と車輪側との間に介装され空気の給排に応じて車高調整を行う複数のエア室に、コンプレッサで圧縮した空気を供給するエアサスペンションシステムであって、コンプレッサは、ピストンに連結し、ピストンの移動方向に延びる可動子と、可動子をピストンの移動方向に往復動させる電機子と、を有する。

目的

本発明は、エアサスペンションシステムにおけるコンプレッサの差圧が存在する条件下での起動を容易にすることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車体側と車輪側との間に介装され空気の給排に応じて車高調整を行う複数のエア室に、コンプレッサ圧縮した空気を供給するエアサスペンションシステムであって、前記コンプレッサは、ピストンに連結し、該ピストンの移動方向に延びる可動子と、該可動子を前記ピストンの移動方向に往復動させる電機子と、を有することを特徴とするエアサスペンションシステム。

請求項2

車体側と車輪側との間に介装され空気の給排に応じて車高調整を行う複数のエア室に、コンプレッサで圧縮した空気を供給するエアサスペンションシステムであって、前記コンプレッサは、ピストンに連結し、該ピストンの移動方向に延びる可動子と、該可動子を前記ピストンの移動方向に往復動させる電機子と、前記ピストンの上死点方向へ前記可動子を付勢する付勢手段と、を有することを特徴とするエアサスペンションシステム。

請求項3

前記コンプレッサの吐出ポート側に第1の端部が接続し、該吐出ポート側の圧縮空気排気可能な排気通路と、該排気通路の空気の流通遮断する閉ポジションと、前記排気通路の空気を流通させる開ポジションと、を実行可能な排気通路開閉弁と、を有し、前記コンプレッサを停止させてから次回起動するまでの間、前記排気通路開閉弁を前記閉ポジションに設定する状態を有することを特徴とする請求項2に記載のエアサスペンションシステム。

請求項4

前記付勢手段は、前記ピストンの往復動に応じて圧縮状態及び引張状態となるばねであり、該ばねの中立点は、前記ピストンが下死点に位置している場合の変位より上死点側であることを特徴とする請求項2に記載のエアサスペンションシステム。

請求項5

前記ばねの中立点は、前記ピストンがストローク中心に位置している場合より上死点側であることを特徴とする請求項4に記載のエアサスペンションシステム。

請求項6

前記付勢手段は、前記電機子に対して上死点側及び下死点側のそれぞれに設けた2つのばねであり、該2つのばねの一方又は両方は、前記ピストンの往復動の間圧縮状態である圧縮ばねであることを特徴とする請求項2に記載のエアサスペンションシステム。

請求項7

車体側と車輪側との間に介装され空気の給排に応じて車高調整を行う複数のエア室と、空気を圧縮するコンプレッサと、該コンプレッサにより圧縮された空気を蓄えるタンクと、を有し、該タンクに前記コンプレッサで圧縮した空気を貯留し、前記タンク内の空気を前記エア室に供給するエアサスペンションシステムであって、前記コンプレッサは、ピストンに連結し、該ピストンの移動方向に延びる可動子と、該可動子を前記ピストンの移動方向に往復動させる電機子と、前記ピストンの上死点方向へ前記可動子を付勢する付勢手段と、を有することを特徴とするエアサスペンションシステム。

請求項8

前記エア室の空気を大気又は前記タンクに排気する排気手段を有し、前記コンプレッサの起動時に、前記排気手段による排気動作を行わない状態を有することを特徴とする請求項7に記載のエアサスペンションシステム。

請求項9

前記コンプレッサは、前記エア室の空気を排出する場合に、前記エア室内の空気を圧縮して前記タンクに供給する状態を有することを特徴とする請求項7に記載のエアサスペンションシステム。

請求項10

前記タンク内又は前記エア室内の空気の圧力情報を検知する圧力センサを備え、前記コンプレッサを起動させるときの駆動周波数を決定する際、前記圧力情報を利用することを特徴とする請求項7に記載のエアサスペンションシステム。

技術分野

0001

本発明は、エアサスペンションシステムに関する。

背景技術

0002

特許文献1は、コンプレッサによって圧縮された空気をエアサスペンションに給排することにより車高調整を行うエアサスペンションシステムを開示している。

先行技術

0003

特開2012−159011号公報

発明が解決しようとする課題

0004

コンプレッサは、吸入ポートから吸入した空気を圧縮して吐出ポートに送る。吐出ポートに送られた圧縮空気は、吐出ポートからエア室に流れ込み、車高を上げ得る。通常、エアサスペンションシステムでは、車高調整の効率等の理由から吐出ポート側の配管の圧力が維持されるように構成されるため、コンプレッサが起動していない状態でも吸入ポート側の圧力より吐出ポート側の圧力が高い状態(差圧状態)が生じやすい。ここで、特許文献1のエアサスペンションシステムにおけるコンプレッサでは、回転式モータの出力をクランク機構により直線運動に変換しているため、ピストン下死点又は下死点近傍で駆動が停止した場合、コンプレッサを再起動させようとすると、ピストンは比較的高圧圧縮室内のエアをさらに圧縮しなければ運動できないが、この圧縮動作に入る直前バランスウエイトを含む回転系角運動量が小さい又はないため、圧縮動作を完了して起動するには大きな駆動力が必要となる。

0005

このように、大きな駆動力が求められるためにコンプレッサの起動が困難な場合、吐出側配管内の空気を排出する等して差圧を小さくする必要が生じる。しかし、吐出側空気を排出すると、再度車高を上げるためには、排出した分の空気をコンプレッサの駆動初期に圧縮しなければならず、コンプレッサの即応性が低下するとともに使用エネルギー量が増加する。このため、吐出側に位置するエア室や吐出ポート内の圧力を維持することが望まれる。

0006

本発明は、エアサスペンションシステムにおけるコンプレッサの差圧が存在する条件下での起動を容易にすることを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

記事情に鑑みてなされた本発明は、車体側と車輪側との間に介装され空気の給排に応じて車高調整を行う複数のエア室に、コンプレッサで圧縮した空気を供給するエアサスペンションシステムであって、前記コンプレッサは、ピストンに連結し、該ピストンの移動方向に延びる可動子と、該可動子を前記ピストンの移動方向に往復動させる電機子と、を有することを特徴とする。

発明の効果

0008

本発明によれば、コンプレッサの差圧が存在する条件下での起動を容易にすることが可能なエアサスペンションシステムを提供できる。

図面の簡単な説明

0009

実施例1のエアサスペンションシステムを示す回路
実施例1のエアサスペンションシステムを搭載した車両の概略図
実施例1の(a)コンプレッサのyz平面断面図、(b)図3(a)のA−Aによるコンプレッサの断面図であり、電機子及び可動子のz方向視
実施例1の可動子の上面図
実施例1の時間に対するピストンの変位、ピストンに印加される空圧による力、磁気力、及びばね力の関係を示す図
実施例1のピストンのz方向位置、並びにピストンに印加されるばね力、空圧による力及び磁気力との関係を示す図
実施例1のリニアモータが有する2つの電機子及びこれらの間に設けた磁性スペーサの断面斜視図
図6から磁気力を除去した図
実施例1の車高を上げる際の弁の切換状態を示すエアサスペンションシステムの回路構成
実施例1の車高を下げる際の弁の切換状態を示すエアサスペンションシステムの回路構成図
実施例2のエアサスペンションシステムの回路構成図
実施例3のエアサスペンションシステムの回路構成図
実施例4のエアサスペンションシステムの回路構成図
実施例5のコンプレッサのyz平面断面図
実施例6のコンプレッサのyz平面断面図
実施例6のコンプレッサの起動時から定常状態に亘るストローク指令値L(可動子又はピストンの往復動の振幅指令値)、コイルへの印加電圧周波数指令値ω、及び印加電圧の振幅指令値V、に対する時間tの関係を示すグラフ

0010

以下、本発明の実施例を添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。同様の構成要素には同様の符号を付し、また、同様の説明は繰り返さない。本発明は、各実施例に記載の具体的態様に限定されない。
説明に用いるx,y,z方向は、それぞれ互いに直交する方向とする。

0011

[エアサスペンションシステム100]
図1は実施例1のエアサスペンションシステム100を示す回路図、図2はエアサスペンションシステム100を搭載した車両200の概略図である。但し、図2に係るエアサスペンションシステム100については、後述する分配点9N及びこれよりエアサスペンション1,2側の構成要素のみを図示している。

0012

エアサスペンションシステム100は、2つのエアサスペンション1,2、リニアモータ3Bを駆動源とするコンプレッサ3、吸気フィルタ4、第1タンク5、及びエアドライヤ7、並びに、弁として、3つのチェック弁8,15,17、給排切換弁10、2つのサスペンション制御弁11,12、戻り通路開閉弁14、及び排気通路開閉弁19、を有している。エアサスペンションシステム100は、空気が流通可能な通路によってこれらを接続している。

0013

エアサスペンションシステム100は、例えば車両200に搭載され、エアサスペンション1,2のエア室1C,2C内の空気圧の制御を行うシステムである。例えば車両200の左車輪210L及び右車輪210Rには、これらのハブ等同士を繋ぐ車軸220が設けられている。例えば、左車輪210L及び右車輪210Rそれぞれと車体230の間や、ハブ及び車体230の間といった、車輪210側及び車体230側の間にエアサスペンション1、2を設け、エア室1C,2C内の空気圧を制御することで、車高の調整を行える。
エアサスペンション1,2は、図2に示すように車輪210側の車軸220と車両200の車体230との間に取り付けられてもよく、また、車輪210と車体230とを連結するサスペンションアーム類(車輪210側)と車体230との間や車輪210のハブ(車輪210側)とサスペンションのアッパーアームの車体230取付部近傍(車体230側)との間に取付けてもよい。このように、エアサスペンション1,2は、車輪210と車体230を支えるように設けられれば良く、例えば、上下方向について車輪210と車体230との間に設けることができ、直接、車輪210や車体230に取り付ける態様には限られない。

0014

本実施例では、エアサスペンションを2つ有するエアサスペンションシステム100について説明するが、エアサスペンションシステム100が含むエアサスペンションの個数は1つ以上であれば特に制限されない。エアサスペンションの個数は、例えば車輪の個数に等しくすることができる。例えば4輪自動車の場合には、2つの前輪側に2個、2つの後輪側の2個の、合計4個のエアサスペンションを配設できる。なお、本実施例では、緩衝用シリンダ1A,2Aとエアばねとなるエア室1C,2Cとを一体にした例を示したが、大型車リヤサスペンション側で周知のように緩衝用のシリンダ(油圧緩衝器)1A,2Aとエアばねとを独立に設けてもよい。

0015

[エアサスペンション1,2]
エアサスペンション1,2には、緩衝用のシリンダ1A,2Aそれぞれとピストンロッド1B,2Bそれぞれとの間にエア室1C,2Cが形成されており、エアばねを構成している。エア室1C,2Cそれぞれには後述する通路が接続されており、エアサスペンションシステム100の動作によって圧力及び車高が制御されている。

0016

[コンプレッサ3]
コンプレッサは、吸入ポート3Cから吸入した空気を圧縮して吐出ポート3Dから吐出することができる。その他の詳細は後述する。

0017

[吸気フィルタ4]
吸気フィルタ4は、エアサスペンションシステム100が必要に応じて外気大気)を取り入れることができる外気取り入れ口に設けられており、エアサスペンションシステム100が外気を取り入れる際、外気中の粉塵等を除去することができる。

0018

[第1タンク5]
第1タンク5は、例えば空気をコンプレッサ3により圧縮し、その圧縮空気を貯留できる。第1タンク5内の圧力は、圧力センサ5Bによって検知できる。

0019

[エアドライヤ7]
エアドライヤ7は、内部にシリカゲル等の乾燥剤を保持しており、エアドライヤ7を通過する空気の湿度を低下させることができる。

0020

[エアサスペンションシステム100の通路]
エアサスペンションシステム100は、通路として、給排通路9、補給通路6、吸込側通路20、戻り通路13、バイパス通路16、及び排気通路18を有する。

0021

(給排通路9)
給排通路9(9A,9B,9C)は、エアサスペンション1に第1の端部を、エアサスペンション2に第2の端部を、給排切換弁10に第3の端部を、有する通路であり、サスペンション制御弁11,12が設けられている。
給排通路9は、分配給排通路9A、分配給排通路9B、及び合同給排通路9Cを有しており、これらそれぞれの一端は、分配点9Nにおいて互いに接続している。分配給排通路9Aは、一端が分配点9Nに、他端がエア室1Cに接続している。分配給排通路9Bは、一端が分配点9Nに、他端がエア室2Cに接続している。合同給排通路9Cは、一端が分配点9Nに、他端が給排切換弁10に接続している。

0022

(補給通路6)
補給通路6は、給排切換弁10に第1の端部を、コンプレッサ3の吐出ポート3Dに第2の端部を、有する通路であり、第1タンク5、エアドライヤ7及び第1のチェック弁8が設けられている。
補給通路6には、エアドライヤ7に対して吐出ポート3Dとは反対側に、バイパス終点16Bが位置している。バイパス終点16Bには、後述するバイパス通路16の第2の端部が接続している。
補給通路6には、エアドライヤ7に対して吐出ポート3Dと同じ側に、排気始点18Aが位置している。排気始点18Aには、後述する排気通路18の第1の端部が接続している。

0023

第1タンク5は、補給通路6の第1の端部及び第1のチェック弁8の間に位置している。

0024

エアドライヤ7は、バイパス終点16B及び排気始点18Aの間に位置している。後述するように、エアサスペンションシステム100は、コンプレッサ3をバイパスさせて、エア室1C,2C内の空気を大気中に放出する排気を行うことができる。この際、バイパス通路16及び排気通路18を通って空気が流通するため、エア室1C、2Cの乾燥空気が流れて、エアドライヤ7の乾燥剤の水分を除去することができる。

0025

第1のチェック弁8は、バイパス終点16B及び第1タンク5の間に位置している。第1のチェック弁8は、補給通路の第2の端部側から第1の端部側へ空気が流れることを可能にし、その逆の流れを遮断する。これにより、第1タンク5内の空気が、コンプレッサ3や排気通路18に流れることを防止できる。

0026

(吸込み側通路20)
吸込み側通路20は、吸込みポート3Cに第1の端部を、外気取り入れ口に第2の端部を、有する通路であり、第2のチェック弁15が設けられている。
吸込み側通路20の吸込みポート3C及び第2のチェック弁15の間には、戻り終点13Bが位置している。戻り終点13Bには、後述する戻り通路13の第2の端部が接続している。
第2のチェック弁15及び外気取り入れ口の間には、排気終点18Bが位置している。排気終点18Bには、後述する排気通路18の第2の端部が接続している。

0027

第2のチェック弁15は、戻り終点13B及び排気終点18Bの間に位置している。第2のチェック弁15は、吸込み側通路20の第2の端部側から第1の端部側に空気が流通することを可能にし、その逆を遮断する。詳細は後述するが、これにより、戻り通路13及び戻り通路開閉弁14を通過したエア室1C,2C内の空気が外気取り入れ口から排気されることを防止し、吸入ポート3Cに導くことができる。

0028

(戻り通路13)
戻り通路13は、給排切換弁10に第1の端部を、戻り終点13Bに第2の端部を、有する通路であり、戻り通路開閉弁14が配されている。
戻り通路13には、給排切換弁10及び戻り通路開閉弁14の間にバイパス始点16Aが位置している。バイパス始点16Aには、後述するバイパス通路16の第1の端部が接続している。

0029

(バイパス通路16)
バイパス通路16は、バイパス始点16Aに第1の端部を、バイパス終点16Bに第2の端部を、有する通路であり、第3のチェック弁17が配されている。
第3のチェック弁17は、バイパス通路16の第1の端部側から第2の端部側への空気の流通を可能にし、その逆を遮断する。これにより、吐出ポート3Dから吐出された空気を第1タンク5に効果的に導くことができる。

0030

(排気通路18)
排気通路18は、排気始点18Aに第1の端部を、排気終点18Bに第2の端部を、有する通路であり、排気通路開閉弁19が配されている。

0031

排気通路18は、第2の端部を排気終点18Bに接続させず、外気取り入れ口以外の場所から空気を排気する態様にされても良いが、本実施例のように排気終点18Bが外気取り入れ口及び第2のチェック弁15の間に設けられていると、戻り通路13、バイパス通路16及び排気通路18を通って排気される空気によって、吸気フィルタ4に付着した塵埃を除去できる。

0032

[エアサスペンションシステム100の各種の弁]
上述したように、エアサスペンションシステム100は、チェック弁8,15,17に加え、給排切換弁10、2つのサスペンション制御弁11,12、戻り通路開閉弁14、及び排気通路開閉弁19、を有している。

0033

(給排切換弁10)
給排切換弁10は、3つの通路に接続し、これらの接続関係を2種類に切換可能な3ポート2ポジション電磁弁である。
給排切換弁10は、補給通路6の第1の端部、戻り通路13の第1の端部、及び給排通路9の第3の端部に接続している。

0034

給排切換弁10は、2つのポジションとして、補給通路6の第1の端部及び給排通路9の第3の端部を接続させるとともに、戻り通路13の第1の端部及び給排通路9の第3の端部を遮断する供給ポジション(a)と、戻り通路13の第1の端部及び給排通路9の第3の端部を接続させるとともに、補給通路6の第1の端部及び給排通路9の第3の端部を遮断する排出ポジション(b)とを有している。ポジションの切換は、例えばソレノイド10Aの励磁状態切換えることで行うことができる。本実施例では、ソレノイド10Aが励磁されていないときには、ばね10Bによって給排切換弁10は排出ポジション(b)を保持し、ソレノイド10Aが励磁されたときには、ばね10Bに抗して供給ポジション(a)に切換えられる。

0035

(サスペンション制御弁11)
サスペンション制御弁11は分配点9N及びエアサスペンション1の間に設けられており、サスペンション制御弁12は分配点9N及びエアサスペンション2の間に設けられている。

0036

サスペンション制御弁11は、2つの通路に接続し、これらの接続関係を2種類に切換可能な2ポート2ポジションの電磁弁である。
サスペンション制御弁11は、2つのポジションとして、分配給排通路9Aを開いてエア室1Cの空気の給排を可能にする開ポジション(a)と、分配給排通路9Aを閉じてエア室1Cの空気の給排を遮断する閉ポジション(b)とを有している。ポジションの切換は、例えばソレノイド11Aの励磁状態を切換えることで行える。本実施例では、ソレノイド11Aが励磁されていないときには、ばね11Bによってサスペンション制御弁11は閉ポジション(b)を保持し、ソレノイド11Aが励磁されたときには、ばね11Bに抗して開ポジション(a)に切換えられる。

0037

(サスペンション制御弁12)
サスペンション制御弁12は、サスペンション制御弁11と同様に2ポート2ポジションの電磁弁であり、分配給排通路9Bについてサスペンション制御弁11と同様の開閉制御を行うことができる。これら2つのサスペンション制御弁11,12の制御は同時に行っても良いし、独立して制御しても良い。

0038

(戻り通路開閉弁14)
戻り通路開閉弁14は、サスペンション制御弁11,12と同様に2ポート2ポジションの電磁弁であり、戻り通路13のバイパス始点16A及び戻り終点13Bの間についてサスペンション制御弁11,12と同様の開閉制御を行うことができる。

0039

(排気通路開閉弁19)
排気通路開閉弁19は、サスペンション制御弁11,12及び戻り通路開閉弁14と同様に2ポート2ポジションの電磁弁であり、排気通路18の排気始点18A及び排気終点18Bの間についてサスペンション制御弁11,12及び戻り通路開閉弁14と同様の開閉制御を行うことができる。

0040

(弁のその他の設置態様
なお、以下のように構成を変更して、給排通路9に設けたサスペンション制御弁11,12に代えて、エアサスペンションの個数と同数の給排切換弁10、すなわち、3ポート2ポジションの弁を使用するようにしても良い。具体的には、補給通路6の第1の端部をエアサスペンションの個数と同数に(本実施例では2つに)分岐させて、各給排切換弁10に接続する。また、戻り通路13の第1の端部もエアサスペンションの個数と同数に分岐させて、各給排切換弁10に接続する。さらに、各分配給排通路(本実施例では2つ)の一端それぞれを、分配点9Nに代えて各給排切換弁10に接続する。

0041

上記のように構成を変更した場合、エアサスペンションの何れか一つ又は二つ以上に給気中にエアサスペンションのその他を排気することも可能となる。

0042

また、簡易的なシステム構成であれば、サスペンション制御弁11,12を廃止し、分配給排通路9Bに絞りを設けてもよい。

0043

[リニアモータ3Bを利用したコンプレッサ3]
図3(a)はコンプレッサ3のyz平面による断面図、図3(b)は図3(a)のA−A線によるコンプレッサ3の断面図であり、電機子50及び可動子38のz方向視図である。
コンプレッサ3は、コンプレッサ本体3A及びリニアモータ3Bから構成される。

0044

(コンプレッサ本体3A)
コンプレッサ本体3Aは、シリンダ33、シリンダ33内を摺動可能に配置されたピストン34、シリンダ33内部とピストン34によって形成される圧縮室42、及び、ピストン34に一端が、接続部35に他端が接続したロッド47を有する。接続部35は、ロッド47及びリニアモータ3Bの可動子36を接続している。接続部35及びロッド47を介して可動子36の往復動力がピストン34に伝達する。

0045

シリンダ33は、ピストン34の側周形状(z方向視形状)に合わせた略円筒形状の側壁を備えている。側壁のz方向一方側にはピストン34が挿入された開口が設けられており、他方側には排気バルブ31及び吸気バルブ32が形成された奥壁が設けられている。側壁、ピストン34及び奥壁で囲まれた空間として圧縮室42が形成されている。圧縮室42及び吐出ポート3Dは、排気バルブ31を介して接続している。圧縮室42及び吸込ポート3Cは、吸気バルブ32を介して接続している。排気バルブ31としては、圧縮室42から吐出ポート3D側への流れのみを許容し、圧縮室42内の圧力が所定以上の場合に開く弁等を採用できる。吸気バルブ32としては、吸込ポート3Cから圧縮室42への流れのみを許容し、圧縮室42内の圧力が別の所定以下の場合に開く弁等を採用できる。また、バルブ開閉タイミングを制御可能な電磁弁で吸気バルブ32や排気バルブ31を構成してもよい。

0046

ピストン34は、可動子36の往復動力を受けて往復動する。ピストン34の往復動方向をz方向とし、特に、ピストン34の下死点側を+z方向、上死点側を−z方向とする。可動子36の−z方向の端部には、ピストン34がロッド47及び接続部35を介して接続されており、可動子36のz方向の往復運動によりピストン34が運動し、圧縮室42の空気の吸込、圧縮および排出動作が可能となる。

0047

圧縮室42内部の空気は、ピストン34の運動に応じて圧縮又は膨張するため、圧縮室42内の圧力(空圧)が変動する。空圧はピストン34に対して下死点に向かう力を与える弾性体(エアばね)として機能する。

0048

(リニアモータ3B)
リニアモータ3Bは、可動子36に往復動力を付与する機構であり、以下詳述するように、コンプレッサ3の起動を容易にさせることができる。リニアモータ3Bは、鉄心41及び鉄心41に巻き付けられるコイル37を有する電機子50、端部スペーサ51、磁性スペーサ52、非磁性スペーサ53、永久磁石38を配した可動子36、並びに付勢手段の一例である弾性体として、ばね40を有する。

0049

<電機子50>
電機子50の鉄心41は磁性体を含んで形成されており、磁極歯43としての第1磁極歯43A及び第2磁極歯43B、並びに2つの磁極歯43を繋ぐ腕部39を有する。
第1磁極歯43A及び第2磁極歯43Bは、可動子36が配された空隙を介して対向している。第1磁極歯43A及び第2磁極歯43Bの対向方向をy方向とする。また、第1磁極歯43A及び第2磁極歯43Bは、2つの腕部39により接続している。2つの腕部39はそれぞれy方向に延在するとともに、可動子36を介して対向している。腕部39の対向方向をx方向とする。
鉄心41は、本実施例のように第1磁極歯43A、第2磁極歯43B、及び腕部39が一体形成された物でも良いし、例えば、腕部39の途中で別体構成とされた物でもよい。例えば、鉄心41は、第1磁極歯43A及び2つの腕部39のy方向寸法の略半分を有するパーツと、第2磁極歯43B及び2つの腕部39のy方向寸法の略半分を有するパーツとに分割可能な物でも良い。

0050

電機子50のコイル37は、第1磁極歯43Aと第2磁極歯43Bの一方又は両方に巻回されている。コイル37には、例えば正弦波又は矩形波状の交流電流流される。これによりコイル37から磁束を生じさせて、後述するように、可動子36に配した永久磁石38との間で磁気力を発生させて、可動子36にz方向の往復動力を付与することができる。なお、第1磁極歯43Aと第2磁極歯43Bの両方にコイル37が巻回されている場合は、これらコイル37には同相電流が流される。

0051

電機子50は、z方向に1つ又は2つ以上が並べられる(本実施例では2つである。)。電機子50同士の間には、磁性体で形成された磁性スペーサ52又は非磁性体で形成された非磁性スペーサ53を設けることができるが、後述するように磁束の高密度化の観点からは、磁性スペーサ52を用いることが好ましい。また、電機子50及びコンプレッサ本体3Aの間や、電機子50及び後述する固定部55の間等、最も+z方向側に位置する電機子50の+z方向や、最も−z方向側に位置する電機子50の−z方向には、例えば非磁性体で形成された端部スペーサ51又は非磁性スペーサ53を設けることができる。

0052

スペーサ
端部スペーサ51、磁性スペーサ52及び非磁性スペーサ53は、それぞれ或る程度のz方向寸法を有しており、電機子50同士、又は電機子50とその他の部材とのz方向距離を調節することができる部材である。端部スペーサ51は、接続部35のx方向及びy方向周囲の略全部を囲む形状となっており、接続部35を周囲から保護している。端部スペーサ51及び非磁性スペーサ53それぞれは、電機子50で生じる磁束が漏れてコンプレッサ本体3Aやばね40に伝搬することを抑制している。これにより、電機子50で生じる磁束を利用して可動子36に効果的に磁気力を付与できるようにしている。電機子50、端部スペーサ51、磁性スペーサ52、非磁性スペーサ53及び固定部55は互いに固定されている。これは、例えばz方向にこれら部材を貫通するボルト等の挿通部材によって行うことができる。

0053

<可動子36>
図4は、可動子36の上面図である。可動子36は、x方向に幅を持ち、z方向が長手方向である平板状の板部36A、及び板部36Aに配された1つ又は2つ以上の永久磁石38を有している。板部36A、永久磁石38ともに、y方向を法線ベクトルとする平板形状である。永久磁石38は、y方向に磁化している。複数の永久磁石38を配する場合は、z方向に並ぶ永久磁石38は、磁化方向が交互に反転されつつ並べられてもよい。

0054

図3に例示するように、可動子36は、第1磁極歯43Aと第2磁極歯43Bとの間に配置されている。すなわち、可動子36のy方向一方側には第1磁極歯43Aが、他方側には第2磁極歯43Bが位置している。また、可動子36のx方向両側にはそれぞれ腕部39が位置している。

0055

可動子36は、第1磁極歯43A及び第2磁極歯43Bの間にそれぞれ隙間44A,44Bを挟んでおり、腕部39とも同様に隙間を挟んでいる。
隙間44A,44Bは、例えば、可動子36を案内するリニアガイド(不図示)の設置位置を調整すること等により確保できる。リニアガイドは、例えば、転がり軸受けを有する部材にすることや、可動子36のy方向一方側又は両側に設けられる部材にすることができる。隙間44A,44Bを確保することで、可動子36に発生する摩擦を抑制し、往復動力の減衰を抑制できる。

0056

可動子36の一端には、上述の接続部35が、他端には後述の支持部54が固定されている。

0057

<ばね40>
ばね40は、中立点(自然長のときのばね40の変位)からの変位に応じたz方向の力を可動子36に対して与える。ばね40は、一端が可動子36の他端に設けられた支持部54に、他端が固定部55に固定されている。
支持部54は、可動子36の他端に固定されており、z方向について、電機子50に対してコンプレッサ本体3Aの反対側に位置している。固定部55は、例えば、直接又は間接に車両200に固定されており、支持部54より−z側に位置している。固定部55は、非磁性スペーサ53を介して電機子50に固定されており、電機子50はコンプレッサ3のハウジング(不図示)に取付られて実質的に車両200に対して静止している。電機子50は、防振ゴム等を介してハウジングに取付けられても良い。

0058

電機子50に対して相対的に移動する支持部54が固定部55より+z側に位置するため、ばね40が中立点よりも+z側に変位していればばね40は引張状態になり、−z側に変位していれば圧縮状態になる。また、本実施例のばね40は、中立点よりも+z側に変位していれば−z方向への、−z側に変位していれば+z方向へのばね力が発生して、可動子36に作用する。中立点は、ピストン34の変位が上死点であるときのばね40の変位及び下死点であるときのばね40の変位の間になるように構成できる。また、例えば、ピストン34の変位がストローク中心(上死点及び下死点の中点)であるときのばね40の変位が中立点に略一致するように設定してもよいし、後述するように、それより上死点側に設定しても良い。

0059

以下、記載を簡潔にするため、ピストン34の変位によってばね40の変位にも言及することがある。例えば、ばね40の変位に関して説明している文脈において、「上死点」、「下死点」、又は「ストローク中心」なる語によって、「ピストン34が上死点、下死点、又はストローク中心に位置するときのばね40の変位」を意味することがある。

0060

<駆動中の空圧による力、磁気力、及びばね力の作用>
図5は、時刻tに対するピストン34の変位、ピストン34に印加される空圧による力、磁気力、及びばね力の関係を示す図である。図5(a)のグラフは、縦軸をピストン34の変位、横軸を時間とするグラフであり、図5(b)のグラフは、縦軸を力とし、横軸を時間とするグラフである。ピストン34には、上述したように、圧縮室42の空圧による力、電機子50及び永久磁石38による磁気力(電磁力)、及び付勢手段による力(本実施例ではばね力)が作用する。

0061

図5を参照しつつ、圧縮室42が最も膨張した状態(ピストン34が下死点にある状態)をt=0として、t=0からのピストン34の運動(圧縮動作工程)を説明する。時刻の進み方は、図5(a)及び図5(b)で同一である。また、z=0となる点は、ピストン34のストローク中心であり、z<0の範囲に属する点は、上死点側であり、z>0の範囲に属する点は、下死点側である。説明の簡便のため、ここでは、ストローク中心がばね40の中立点に一致するとして説明する。また、コンプレッサ3はクランク機構ではなくリニアモータ3Bによって往復動を行うため、下死点や上死点の位置は必ずしも一定ではないが、ピストン34の往復動が安定して上死点及び下死点が略一定となっている場合について説明する。コンプレッサ3の起動時等、ストローク長が変動している間は、ピストン34の各+z方向移動や−z方向移動において、速度が0になった時刻の位置を下死点及び上死点と考えることができる。そして、本実施例のコンプレッサ3は、下死点がばね40の中立点より+z方向に位置し、上死点がばね40の中立点より−z方向に位置するように、電機子50が可動子36に与える磁気力を制御する。

0062

<<下死点にあるとき>>
ピストン34が下死点にあるときは、ばね40が中立点より下死点側に変位している(引張されている)ため、ピストン34はばね40から上死点に向かう力を大きく受ける。ピストン34は、下死点より−z側には変位しないため、上死点に向かうばね力の大きさは最大となる。
このときの空圧による力は、圧縮室42の容積が最も大きい状態であることから、最小値となる。また、磁気力については特に制限されないものの、ばね40による力が大きいため、図5(b)に例示するように、比較的小さい力、好ましくは略0になるように公知の同期式モータ制御方法を適用することが好ましい。本実施例において、このような磁気力を実現する方法については後述する。
上より、下死点におけるピストン34は、主にばね40によって上死点に向かう力を受ける。

0063

<<下死点側にあるとき>>
下死点から上死点側に向けてピストン34が移動するにつれ、ばね40は引張状態から自然長状態に向かって変位するため、ばね力は小さくなる。また、このときの空圧による力は、圧縮室42内の空気が圧縮されるにつれて大きくなる。また、磁気力については、上死点方向の力が大きくなるように公知の同期式モータの制御方法を適用することが好ましい。
以上より、下死点側にあるピストン34は、ばね40及び磁気力によって上死点に向かう力を受ける。

0064

<<ストローク中心にあるとき>>
さらに上死点側にピストン34が移動してストローク中心に達した場合について説明する。上述したように、ストローク中心と中立点が一致するとして説明するが、後述するように、中立点は必ずしもストローク中心に一致する必要はなく、ストローク中心よりも上死点側に設定しておくことができる。

0065

ピストン34がストローク中心にあるとき、可動子36の速度は最も高くなるとともにばね40の変位は自然長状態となり、ばね力は最小になる。また、空圧による力は、漸増していく。磁気力については、上死点方向の力が最大となるように公知の同期式モータの制御方法を適用することが好ましい。

0066

<<上死点側にあるとき>>
ピストン34が変位0を越えてストローク中心より上死点側にピストン34が達すると、ばね40は圧縮状態となってばね力の向きは下死点方向へ切り替わる。また、空圧による力は、漸増していく。また、磁気力については、例えば可動子の変位に対して90°遅らせることができる。本実施例では後述するように、上死点方向の力が漸減して次第に下死点方向の力に切替るように構成されている。
以上より、上死点側にあるピストン34は、ばね40にエネルギーを蓄え始めて減速していく。

0067

<<上死点近傍にあるとき>>
ピストン34が上死点近傍に到達すると、ばね40による下死点方向への力が漸増していく。また、圧縮室42の容積の減少割合の速度が増加するため、圧縮室42の圧力の増加速度が大きくなり、空圧による力は急増する。圧縮室42の圧力増加トリガーとして排気バルブ31が開き、圧縮室42内の空気が排気されていくため、空圧による下死点への力が略一定となりピークを迎える。上死点側への磁気力は0に近づき、反転して下死点側に切替る。

0068

<<上死点にあるとき>>
ピストン34の速度が0になると、ピストン34が上死点に到達したことになる。このとき、ばね40がピストン34のエネルギーを蓄え終えて最も圧縮される。下死点方向へのばね力及び空圧による下死点方向への力が上死点方向への力を上回り、ピストン34は、下死点側への速度で運動する膨張動作工程に切り替わる。上述したように、コンプレッサ3はリニアモータ3Bによって往復動力を受けるため、上死点位置は必ずしも一定ではない。

0069

<<膨張動作工程に切り替わった後>>
排気バルブ31を通じた排気による圧力低下、圧縮室42の体積増加による圧力低下が生じるため、空圧による下死点方向への力は急減する。また,ばね40が中立点に近づくため、ばね40による下死点方向の力も徐々に小さくなる。また、磁気力は下死点方向の力が漸増するように構成すると好ましい。

0070

ピストン34が下死点方向に移動してストローク中心に到達すると、ばね力は0になる。空圧による力も減少する。磁気力については、下死点方向の力が最大となるように構成すると好ましい。

0071

ピストン34がストローク中心より下死点側に到達すると、ばね力は上死点側に切り替わり、空圧による力はさらに減少する。磁気力については、下死点方向の力が漸減するように構成すると好ましい。

0072

上死点方向へのばね力及び空圧による力が下死点方向への力を上回り、ピストン34の速度が0になると、ピストン34は下死点に到達したことになる。すなわち、圧縮室42の容積が最も大きくなった状態になる。以後、この周期的な動作を繰り返すことができる。

0073

<変位と各力の関係>
図6はピストン34の変位に対する、ピストン34に印加されるばね力、空圧による力及び磁気力の関係を示す図である。縦軸はピストン34に印加される力であり、正方向が+z方向に働く力、負方向が−z方向に働く力を示す。縦軸と横軸との交点原点であり、z=0となる点は、ストローク中心である。

0074

図6では、ばね40の中立点がピストン34のストローク中心よりも上死点側になるように構成されている場合を説明するが、ばね40の中立点がピストン34のストローク中心に一致する場合は、図6中の「ばね力」の直線が原点を通るようになる以外は同様である。

0075

空圧による力は、ピストン34に対して常に+z方向への力を印加するため、ばね中立点をストローク中心より上死点側に設定することで、ピストン34のストローク中心をより−z側におくことができる。すなわち、ピストン34のストローク中心を、シリンダ33のz方向寸法の中心側に設定しやすくなり、ストローク最大長を長くできる。

0076

<磁気力の発生と磁路
図7は、本実施例のリニアモータ3Bが有する2つの電機子50及びこれらの間に設けた磁性スペーサ52の断面斜視図である。
それぞれの電機子50の磁極歯43に巻き付けられているコイル37には、インバータ回路等を含む電源を接続して指示した電流を流すことができる。コイル37に、上述したような交流の電流又は電圧を印加すると、磁性体である鉄心41を通過する磁束が発生する。磁束は、例えばxy平面に形成される磁路として実線矢印で例示するように、腕部39並びに第1磁極歯43A及び第2磁極歯43Bを含む磁路を流れる。これにより、第1磁極歯43AがN極又はS極に、対向する第2磁極歯43BがS極又はN極に磁化する。電流又は電圧の周波数及び極性を、種々公知の同期式モータの方法を用いて制御することで、可動子36に配した永久磁石38と磁極歯43との間で磁気反発力及び磁気吸引力を発生させることができ、可動子36にz方向の往復動力を与えることができる。

0077

また、本実施例では、z方向に並んだ2つの電機子50を磁性スペーサ52で繋いでいる。これにより、発生した磁束は、yz平面に形成される磁路として破線矢印で例示するように、2つの電機子50それぞれの第1磁極歯43A及び第2磁極歯43B、並びに2つの第1磁極歯43Aの間及び2つの第2磁極歯43Bそれぞれの間に設けられた磁性スペーサ52を含む磁路を流れる。

0078

このように、本実施例では2つの平面に形成された2種類の磁路を形成できるため、磁束飽和を抑制することができる。すなわち、高出力のリニアモータ3Bを構成できる。

0079

なお、図3(a)に例示するように、それぞれのコイル37は、2つの矢印45に示すように、磁性スペーサ52を介して隣り合う電機子50間では磁束の方向が逆になるように結線されている。

0080

また、コイル37に電流又は電圧が印加されたときには、矢印46A,46Bで例示するように、可動子36にはたらく磁気吸引力及び磁気反発力は、y方向成分を有する。可動子36に配された永久磁石38それぞれには、y方向両側の磁極歯43との間で磁気吸引力又は磁気反発力の何れか同種の力がはたらくため、結果として磁気力のy方向成分は略相殺される。

0081

<磁気力の制御>
図7に例示するように、並んだ2つの電機子50に着目し、−z方向側の磁極歯43のz座標をA、+z方向側の磁極歯43のz座標をC、A及びCの中点のz座標をB、A及びBの中点のz座標をD、B及びCの中点のz座標をEとする。

0082

以下、可動子36に配された1つの永久磁石38が、磁化した磁極歯43から受けるz方向の磁気力について説明する。簡便のため、永久磁石38は+y方向にN極、−y方向にS極を持つよう磁化しているとして説明するが、同様の説明は永久磁石38の磁化方向が逆の場合でも成り立つ。

0083

永久磁石38のz方向中心がAに位置するとき、永久磁石38は、Aに位置する磁極歯43からはz方向の力を受けず、永久磁石38のz方向中心がCに位置するとき、永久磁石38は、Cに位置する磁極歯43からはz方向の力を受けない。磁極歯43A及び磁極歯43Bそれぞれと永久磁石38を通る直線がz軸と成す角度が90°であるためである。
また、永久磁石38のz方向中心がAに位置するとき、永久磁石38は、Cに位置する磁極歯43からは、小さい力しか受けず、永久磁石38のz方向中心がCに位置するとき、永久磁石38は、Aに位置する磁極歯43からは、小さい力しか受けない。永久磁石38及び磁極歯43の距離が大きいためである。

0084

例えば、このように0又は小さな力しか与えられない時刻、すなわちA又はCに永久磁石38が位置する時刻は、ばね力が大きい時刻に略一致するように構成することが好ましい。すなわち、永久磁石38がAに位置するとき、ピストン34の位置が上死点に略一致し、永久磁石38がCに位置するとき、ピストン34の位置が下死点に略一致するように、ばね40のばね定数、コイル37に印加する電流又は電圧の大きさ等を設計して、コンプレッサ3を駆動させると好ましい。なお、永久磁石38がA及びCに位置する時にコイル37に印加される電流又は電圧は、比較的小さい値、好ましくは略0になるように設定することができる。具体的な上死点及び下死点のz座標はこの好ましい態様に限られず、コイル37に印加する電流又は電圧の大きさ等の設計によって適宜調整できる。

0085

永久磁石38のz方向中心がBに位置するとき、A及びCそれぞれに位置する磁極歯43及び永久磁石38の中心を通る直線がz軸となす角度は、例えば45°程度となる。また、磁極歯43及び永久磁石38の距離も比較的小さい。このため、永久磁石38はz方向の力を大きく受け、ピストン34が上死点に向かっている場合は上死点に向かう力を、下死点に向かっている場合は下死点に向かう力を、それぞれ与えるようにコイル37に印加する電流又は電圧を制御すると好ましい。すなわち、Bがストローク中心に略一致するようにコンプレッサ3を構成すると好ましい。このとき、コイル37に印加される電流又は電圧は、比較的大きい値、好ましくはピーク値になるように設定することができる。

0086

<コンプレッサ3の起動>
図8図6から磁気力を除去した図である。
コンプレッサ3が停止している時は、可動子36は、可動子36に加わる力がつりあう位置に静止している。空圧による力は常に+z側への力をピストン34に与えるため、コンプレッサ3のモータとしてリニアモータ3Bを使用しないコンプレッサ、例えば回転モータ及びクランク機構を採用したコンプレッサを適用する場合、コンプレッサが下死点又は下死点近傍で停止したとき、コンプレッサを起動させるには、モータに印加する電流又は電圧により、空圧による力より大きい上死点方向の力を印加し、ピストンを上死点にまで到達させる必要がある。このため、起動に要する電流又は電圧が大きくなる。この空圧による力は、排気通路開閉弁19を開ポジション(a)にしていれば、吸込ポート3C及び吐出ポート3Dの差圧が経時と共に減少するため、次第に起動が容易になり得るが、閉ポジション(b)に設定されていると差圧が維持されるため、起動は容易になり難い。

0087

本実施例のコンプレッサ3は、モータとしてリニアモータ3B及び付勢手段としてのばね40を備えているため、ピストン34が空圧による力によって+z側に力を受けると、付勢手段であるばね40の変位が中立点より+z側に変位し得る。この場合、ばね40はピストン34に−z方向の力を与えることになる。本実施例のように固定部55が支持部54に対して−z側に位置するとき、ばね40は、引張状態で−z方向の力を与えることになる。一方、固定部55が支持部54に対して+z側に位置するとき、ばね40は、圧縮状態で−z方向の力を与えることになる。

0088

このように、ばね40による−z方向の力が、空圧による+z方向の力を一部又は全部相殺するため、コンプレッサ3の起動を容易に行うことができる。このため、コンプレッサを停止させてから次回起動するまでの間、排気通路開閉弁19のポジション設定を閉ポジション(b)に維持することができるので、エアサスペンションシステム100の省エネ性を向上したり、コンプレッサ3の起動を行うためにエア室1C,2Cの圧力を下げる必要性が低減するため、車両200の乗車人快適性を向上できる。

0089

具体的な起動方法について説明する。起動前は、可動子36は、空圧による+z方向の力及び付勢手段による−z方向の力の釣り合い位置で静止している。コイル37に交流電流又は電圧を印加すると、可動子36に対して+z方向又は−z方向への磁気力を付与できる。付勢手段によってピストン34は−z方向に付勢されているため、比較的小さいエネルギーで上述した駆動時における上死点に到達し得る。また、ピストン34は上述した駆動時における下死点又は下死点近傍よりも上死点側で釣り合い得るので、起動時に−z方向のみならず+z方向に磁気力を付与した場合でもコンプレッサ3を起動し得る。何れの場合でも、可動子36の移動に応じて、ばね40の圧縮又は引張、及び圧縮室42内空気の膨張又は圧縮が生じる。後述するように、交流電流又は電圧の周波数を可動子36の共振周波数に略一致させることで、これらばね40及び圧縮室42のエアばねにエネルギーが蓄えられていき、可動子36の振幅が漸増する。このため、圧縮室42の圧力が高い条件下であっても、コンプレッサ3は、コイル37に印加する電流又は電圧が比較的小さい値で起動できる。

0090

付勢手段は、コンプレッサ3の起動の際に可動子36に上死点に向かう力を付与できれば良く、コイルばねであるばね40に限られず、板ばねゴム等の弾性体、電磁石等のポテンシャル付与部を採用しても良い。

0091

<コンプレッサ3の駆動周波数
可動子36の共振周波数とコイル37に流れる交流の電流の周波数(駆動周波数)とを略一致させることで、可動子36に与えられるエネルギーをばね40等に蓄えさせることができる。これにより、可動子36の振幅を増加させることができる。

0092

可動子36の共振周波数は、可動子36の質量、圧縮室42内の圧力、及び付勢手段の物性等、例えばばね40のばね定数によって概ね決まる。この共振周波数に可動子36の往復動の単位時間当たりの回数(駆動周波数)が略一致するように動作させると、少ないエネルギーで可動子36の往復運動をさせることができるため、コイル37に送る指令信号はこの共振周波数となるようにするとよい。

0093

[エアサスペンションシステム100の動作]
次に、改めて図1等を参照しつつ、エアサスペンションシステム100の動作について説明する。

0094

(車高を上げる場合)
図9は、車両200の車高を上げる際の弁の切換状態を示すエアサスペンションシステム100の回路構成図である。車高を上げる場合は、例えば、第1タンク5内への給圧を完了させ、さらにコンプレッサ3が停止した状態で、戻り通路開閉弁14及び排気通路開閉弁19を閉ポジション(b)に保持する。この状態で、給排切換弁10のソレノイド10Aを励磁することにより、給排切換弁10を供給ポジション(a)に切換えると共に、サスペンション制御弁11,12のソレノイド11A,12Aを励磁することにより、サスペンション制御弁11,12を開ポジション(a)に切換える。

0095

これにより、第1タンク5内の圧縮空気が給排通路9に導出され、給排通路9を通じてエアサスペンション1,2のエア室1C,2C内に供給される。これにより、車高を上げることができる。エアサスペンション1,2の一部のみに吸気したいときは、吸気したいエアサスペンションに対応するサスペンション制御弁を開ポジション(a)にし、その他のサスペンション制御弁を閉ポジション(b)にすればよい。それぞれのエアサスペンションに加わる荷重が不均一な場合は、こうすると細やかな車高調整が可能になる。

0096

車高の上げ動作が完了したら、サスペンション制御弁11、12を閉ポジション(b)に切換える。これにより、エアサスペンション1,2のエア室1C、2Cが封止されるので、エアサスペンション1、2は伸長状態を保ち、車高を上げた状態に保つことができる。

0097

なお、車高の上げ動作中に第1タンク5内の圧力が所定圧に以下に低下した場合は、コンプレッサ3を駆動してもよい。また、車高の上げ動作を開始したい時に第1タンク5内の圧力が所定圧以下の場合は、コンプレッサ3を駆動させながら後述する給圧制御を行っても良い。さらに、第1タンク5内の圧力によらず、コンプレッサ3を駆動させながら後述の給圧制御を行っても良い。

0098

(車高を下げる場合)
図10は、車両200の車高を下げる際の弁の切換状態を示すエアサスペンションシステム100の回路構成図である。車高を下げる場合には、給排切換弁10を排出ポジション(b)に保持すると共に、排気通路開閉弁19を閉ポジション(b)に保持する。この状態で、戻り通路開閉弁14のソレノイド14Aを励磁することにより、戻り通路開閉弁14を開ポジション(a)に切換えると共に、サスペンション制御弁11、12のソレノイド11A,12Aを励磁することにより、サスペンション制御弁11,12を開ポジション(a)に切換える。また、コンプレッサ3を駆動させる。

0099

これにより、エアサスペンション1,2のエア室1C,2C内の空気は、分配給排通路9A,9Bと合同給排通路9Cとを経て戻り通路13に導出される。戻り通路13に導出された空気は、戻り通路開閉弁14を通過して駆動中のコンプレッサ3の吸込ポート3Cに導かれ、コンプレッサ3によって圧縮された後、補給通路6、エアドライヤ7を介して第1タンク5内に貯留される。この結果、エア室1C,2Cから空気が排出されることにより、車高を下げることができる。なお、サスペンション制御弁11,12の一部のみを排気状態にすれば、この一部のみのエアサスペンションを縮小させることができる。それぞれのエアサスペンションに加わる荷重が不均一な場合は、こうすると細やかな車高調整が可能になる。

0100

車高の下げ動作が完了した後には、サスペンション制御弁11,12を閉ポジション(b)に切換える。これにより、分配給排通路9A,9Bが閉じ、エア室1C,2Cが封止されるので、エアサスペンション1,2が縮小状態を保持することにより、車高を下げた状態に保つことができる。

0101

吸入ポート3Cにはエア室1C,2Cの圧縮空気が供給されるため、給排切換弁10が排気ポジション(b)及び戻り通路切換弁14が開ポジション(a)の場合、吸入ポート3Cの圧力は、サスペンション制御弁11,12の開閉ポジションの状態と、エア室1C,2C内の圧力から推定することができる。したがって、サスペンション制御弁1,2に接続しているエア室1C,2Cの圧力を測定する圧力センサを設けて、開ポジション(a)となっているサスペンション制御弁の圧力情報を取得すれば、圧縮室34のエアばねのばね定数の推定を効果的に行うことができる。特に、コンプレッサ3の起動時にコイル37に供給すべき電流又は電圧の周波数の推定を効果的に行える。

0102

(車高を急速に下げる場合)
例えば車両200の旋回走行時の姿勢を安定させるために車高を急速に下げる場合には、給排切換弁10を排出ポジション(b)に保持すると共に、戻り通路開閉弁14を閉ポジション(b)に保持する。この状態で、排気通路開閉弁19のソレノイド19Aを励磁することにより、排気通路開閉弁19を開ポジション(a)に切換えると共に、サスペンション制御弁11,12のソレノイド11A,12Aを励磁することにより、サスペンション制御弁11,12を開ポジション(a)に切換える。コンプレッサ3は停止させておく。

0103

こうすると、エア室1C、2C内の空気は戻り通路13、バイパス通路16、排気通路18を通って外気取り入れ口から大気中に放出される。この結果、エア室1C,2Cから空気を急速に排出して、車高を急速に下げることができる。

0104

車高を急速に下げるときには、エアサスペンション1,2から排出された空気が、バイパス通路16からエアドライヤ7を通過して排気通路18へと流れる。これにより、エアドライヤ7内に充填された乾燥剤から水分を除去することができ、乾燥剤を再生させることができる。

0105

(第1タンク5に給圧する場合)
大気中に圧縮空気を放出する等すると、第1タンク5内の圧力が比較的低くなる。この場合、第1タンク5内の圧力を高める動作を行うことができる。図1に例示するように、給排切換弁10を排出ポジション(b)に保持し、サスペンション制御弁11,12、戻り通路開閉弁14、及び排気通路開閉弁19をそれぞれ閉ポジション(b)に保持した状態で、コンプレッサ3を起動させる。

0106

これにより、コンプレッサ3は、吸気フィルタ4を介して外気を吸込む。この外気は、吸込み側通路20を通過して吸込ポート3Cから圧縮室42に流入した後、圧縮されて吐出ポート3Dから補給通路6に吐出される。この圧縮空気は、エアドライヤ7によって乾燥された後、第1タンク5内に蓄えられる。そして、例えば第1タンク5内の圧力が一定の圧力に達するとコンプレッサ3を停止させる。これにより、第1タンク5内に充分な圧縮空気を充填することができる。

0107

排気通路開閉弁19及び戻り通路開閉弁14が閉ポジション(b)であるため、吸気フィルタ4を介して吸い込まれた外気は、効果的に吸込ポート3Cに進むことができる。また、給排切換弁10が排出ポジション(b)であるため、第1タンク5内の圧縮空気がエアサスペンション1,2に供給されることを防止できる。

0108

本実施例によれば、コンプレッサ3の駆動源に付勢手段を備えるリニアモータ3Bを用いることで、圧縮室42の圧力によらず、可動子36の釣り合い位置からコンプレッサ3を容易に起動できる。このため、比較的小さな推力で起動可能であることから、小型で簡易な構成のコンプレッサ3を用いたエアサスペンションシステム100を提供できる。なお、付勢手段をばねとする場合は、圧縮ばねでも引張ばねでも良い。

0109

実施例2の構成は、下記の点を除き実施例1と同様にできる。
図11は、本実施例のサスペンションシステム100の回路図である。本実施例のサスペンションシステム100には、戻り通路13に、第2タンク71が設けられている。本実施例では、車高を下げる又は急速に下げる場合に、図10と同様に弁を制御することで、コンプレッサ3を駆動させずにエアサスペンション1,2の圧縮空気を第2タンク71に蓄えるようにしてもよい。また、給排切換弁10を排気ポジション(b)、戻り通路開閉弁14を閉ポジション(b)、排気通路開閉弁19を閉ポジション(b)にした後、コンプレッサ3を起動させて、第2タンク71内の空気をコンプレッサ3で圧縮すれば、圧縮空気を第1タンク5に貯留できる。その後、車高を上げる動作を行うことにより、第2タンク71内の圧縮空気をエアサスペンション1,2に供給できる。

0110

本実施例は第2タンク71を有するため、吸込ポート3C側の圧力を大気圧超にし得るから、吸込ポート3C及び吐出ポート3Dの差圧を低減し得る。したがって、コンプレッサ3の起動をさらに容易にし得る。

0111

なお、第2タンクの圧力を測定する圧力センサを設けて、例えば車高を下げる場合におけるコンプレッサ3の起動時や駆動時の駆動周波数の決定に、この圧力センサによる情報を用いても良い。
本実施例でも、実施例1と同様の効果を奏することができる。

0112

実施例3の構成は、以下の点を除き実施例1と同様にできる。
図12は、本実施例のサスペンションシステム100の回路図である。本実施例のエアサスペンションシステム100は、タンクを備えておらず、車高を上げる際には、大気から吸入された空気をコンプレッサ3で圧縮して圧縮空気を直接エア室1C,2Cに送り込み、車高を下げる際にはエア室1C,2Cの圧縮された空気を、直接大気に開放する開回路の構成である。具体的には、実施例1に比して、戻り通路13は、バイパス通路16には繋がっているが吸込み側通路20には接続していない。

0113

本実施例でも、実施例1と同様の効果を奏することができる。また、排気の際は空気がエアドライヤ7を通過するようにできるため、エアドライヤ7の再生を効果的に行うことができる。

0114

実施例4の構成は、以下の点を除き実施例3と同様にできる。
図13は、本実施例のサスペンションシステム100の回路図である。排気通路18は、第1の端部が給排切換弁10に接続しており、第2の端部が外気に開放している。実施例3に比して、戻り通路13及びバイパス通路16は除去されている。具体的には、外気取り入れ口、第2のチェック弁15、コンプレッサ3、エアドライヤ7、第1のチェック弁8及び給排切換弁10が通路でこの順に接続しており、排気通路18とは接続していない。また、排気通路18には、一端が給排切換弁10に、他端が外気に開放しており、排気通路開閉弁19が設けられている。こうすると、短い通路長で排気を行うことができる。本実施例でも、実施例1と同様の効果を奏することができる。

0115

実施例5の構成は、以下の点を除き実施例1乃至4何れかと同様にできる。
図14は本実施例のコンプレッサ3のyz平面による断面側面図である。コンプレッサ3は、付勢手段のばね40として、可動子36の上死点側に接続された上死点側ばね40Cと下死点側に接続された下死点側ばね40Eとを有する。本実施例によれば、複数の付勢手段を備えることで、圧縮室42のエアばねと比較した際の付勢手段の影響を大きくでき、さらにコンプレッサ3の起動を容易にできる。あるいは、ばね40それぞれを小型化できる。

0116

上死点側ばね40C及び下死点側ばね40Eは、それぞれ圧縮ばねでも引張ばねでもよい。一方を圧縮ばね、他方を引張ばねにしてもよいし、両方を圧縮ばね又は引張ばねにしてもよい。
好ましくは、上死点側ばね40C及び下死点側ばね40Eの一方を、さらに好ましくは両方を圧縮ばねとして用いる。圧縮ばねは、圧縮状態から中立点に戻ろうとして可動子36に自ら接触して可動子36を押すことになるため、ばね40を支持部54等に強固に固定せずとも構成し得る。
本実施例でも、実施例1と同様の効果を奏することができる。

0117

本実施例の構成は、下記の点を除き実施例1乃至5何れかと同様にできる。
図15は本実施例のコンプレッサ3のyz平面断面図、図16は本実施例のコンプレッサ3の起動時から定常状態に亘るストローク指令値L(可動子36又はピストン34の往復動の振幅の指令値)、コイル37への印加電圧の周波数指令値ω、及び印加電圧の振幅指令値V、に対する時間tの関係を示すグラフである。コンプレッサ3は、モータとしてリニアモータ3Bを採用しているため、ピストン34の往復動の周波数のみならず、ストローク長を適宜設定できる。コンプレッサ3の駆動制御においては、公知のモータ制御の方法によって、L及びωの目標値を入力して、Vを演算することができる。演算されたVを利用して、インバータ等からコイル37に電圧を印加する。

0118

可動子36には付勢手段は設けられておらず、主に、ω及びVで定まる印加電圧により流れるコイル37の電流に応じて電機子50が発する磁気力を受けて、可動子36は往復動する。この往復動振幅は、ストローク指令値Lには必ずしも一致しない。ストローク指令値Lを基にして電圧指令値Vが演算されるが、実際の可動子36のストローク量をストローク指令値Lに略一致させるには、電圧指令値Vの演算に際して圧縮室42内の空気の圧縮及び膨張による仕事を考慮する必要がある。しかし、可動子36に与える磁気力のみを考慮して圧縮室42の影響を考慮しない方法等も採用し得るためである。但し、ここでは説明を簡便にするため、ストローク指令値Lが実際のピストン34のストロークに一致すると仮定する。

0119

また、可動子36の往復動周波数は、ωと同一になろうと追随するが、ωが大き過ぎる値だと追随できない。これは、磁気力の方向が例えば+z方向から−z方向に変わった場合、可動子36は、+z方向への速さを減速した後、−z方向に加速し始めることになるため、可動子36の移動方向はすぐには切り替われないからである。この加減速に要する時間より短い時間で、磁気力の方向が切り替わると、可動子36はほとんど運動できずに微小振動する。

0120

以下に説明する通り、本実施例においてもエアサスペンションシステム100におけるコンプレッサ3の起動を容易にすることができる。

0121

コンプレッサ3の定常状態(単位時間あたりのコンプレッサ3の吐出量が略同一の状態でピストン34が往復動する状態)のL,ω,VそれぞれをLo,ωo,Voとする。コンプレッサ3を起動する場合、入力するストローク指令値の初期値を、Loより小さいL0として指令する。好ましくはさらに周波数指令値の初期値を、ωoより小さいω0として指令する。これにより演算される電圧指令値の初期値V0は、Voより小さい値となる。すると、コイル37に印加される電圧はVoより小さい値となるから、ピストン34は、Loより小さいL0で往復動する。すなわち、比較的小さいストロークで圧縮工程及び吸入工程を交互に行うことができる。

0122

上述したように本実施例のコンプレッサ3は、モータとしてリニアモータ3Bを用いているため、ストローク初期値L0を変更可能のため、小さい値に設定できる。これにより、起動直後に大きなストローク、例えばLoに亘って圧縮工程を行うことを回避できるので、コンプレッサ3を容易に起動させることができる。このとき、周波数指令値ωも小さく設定しておくと、単位時間当たりのピストン34の移動長さを小さくできる、すなわち単位時間当たりの摩擦力を小さい値に留めることができるため、より容易にコンプレッサ3を起動できて好ましい。

0123

エアサスペンションシステム100はその後、例えば定常状態に向けて、ストローク指令値L及び周波数指令値ωを必要に応じて大きくしていくことができる。すなわち、コンプレッサ3は、起動直後におけるピストン34のストロークL0よりも大きなストロークでピストン34が駆動する状態を有する。また、好ましくは、コンプレッサ3は、起動直後におけるピストン34の周波数ω0よりも大きな周波数でピストン34が駆動する状態を有する。実施例1等のように、付勢手段を備える場合は、ω0をピストン34の共振周波数より小さい値に設定しても良い。すなわち、起動直後の周波数ωを共振周波数より小さくし、その後大きくして共振周波数にしても良い。

0124

なお、本実施例ではリニアモータ3Bに与える電圧指令値Vを、起動時に小さくして徐々に大きくするようにしたが、ストローク指令値L0をLoに設定しても良い。この場合、起動直後から電圧指令値はVoとなるが、ピストン34のストロークはLoより小さい値になる。具体的には、空圧による力及び磁気力が概ね釣り合った点で速度が0になり、磁気力が反対向きになった後、反対方向に移動を始める。この方法でも、上記と同様にコンプレッサ3の起動を容易に行うことができる。但し、この場合は、コイル37に過電流が流れることがあるため、電流リミッタを設けると好ましい。また、周波数指令値ω0は、脱調を避けるために低周波数から起動して漸増させることが好ましい。

実施例

0125

ここで、比較例としてのクランク機構を用いるコンプレッサの場合、ストロークはクランク機構の偏心回転の直径で一義に定まる。ここでは、クランク機構を用いるコンプレッサのストロークをLoと表す。下死点又は下死点近傍から起動しようとすると、起動地点から上死点までのストローク、およそLoに亘る圧縮動作を起動直後から一度で行うことができなければ、コンプレッサの起動が成功しない。すなわち、およそLoに亘って圧縮動作を継続する力をモータから与えねばならず、このストローク長loは低減することができない。このため、例えば大電流を与えることが可能な大型のモータを設ける必要が生じる。

0126

1,2…エアサスペンション
3…コンプレッサ
4…吸気フィルタ
5…第1タンク
5B…圧力センサ
6…補給通路
8…第1のチェック弁
9…給排通路
9A,9B…分配給排通路
9C…合同給排通路
10…給排切換弁
11,12…サスペンション制御弁
13…戻り通路
14…戻り通路開閉弁
15…第2のチェック弁
16…バイパス通路
17…第3のチェック弁
18…排気通路
19…排気通路開閉弁
33…シリンダ
34…ピストン
36…可動子
37…コイル
38…永久磁石
40…ばね
41…鉄心
42…圧縮室
43…磁極歯
47…ロッド
51…端部スペーサ
54…支持部
55…固定部
71…第2タンク
100…エアサスペンションシステム

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