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技術 三相インバータ装置

出願人 富士電機株式会社
発明者 平形政樹
出願日 2015年9月17日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2015-183521
公開日 2017年3月23日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-060314
状態 特許登録済
技術分野 インバータ装置
主要キーワード 検出信号処理回路 絶縁対策 角度検出値 電流演算値 センスエミッタ 故障相 三相インバータ装置 各相出力電流
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図面 (5)

課題

高速スイッチング素子使用可能とし、出力電流センサ故障発生時にも継続的な運転を可能にした三相インバータ装置を提供する。

解決手段

三相インバータのU,W相の出力電流を検出する電流センサ7u,7wと、V相の下アーム電流センス付スイッチング素子4Aとを有し、制御回路20は、スイッチング素子4Aによる検出信号に基づいてV相の出力電流を推定する電流推定手段22Vと、V相電流推定値及びU,W相電流検出値に基づいて電流センサ7u,7wの故障を検出する故障検出手段23と、電流センサの故障時にV相電流推定値及びU,W相電流検出値の中から第1,第2の電流情報を選択すると共にスイッチング周波数の変更(低下)信号を出力する電流検出相選択手段24と、第1,第2の電流情報等に基づいてスイッチング素子1〜3,4A,5,6の駆動信号を生成する駆動信号生成手段21とを備える。

概要

背景

図3は、特許文献1に記載されているモータ駆動システムの構成図である。
図3において、101は直流電源、102はPWM制御される三相インバータ、103u,103v,103wはインバータ102の各相出力電流iu,iv,iwを検出する電流センサ、201は位置/速度センサ、202は位置計測部、203は故障検出部、203aは第1推定値算出部、203bは第2推定値算出部、203cは故障診断部、204,206は座標変換部、205はPI制御部、207はPWM変換部、208はモータ停止部、Mはモータである。

このシステムにおいて、電流センサ103u,103v,103wが正常である時の動作としては、座標変換部204が、故障検出部203から出力される各相電流検出値iu’,iv’,iw’を位置計測部202が計測した位相角θに基づいてd,q軸上の電流検出値id,iqに変換する。PI制御部205は、d,q軸上の電流指令値id*,iq*と電流検出値id,iqとの偏差がそれぞれなくなるように電圧指令値vd*,vq*を演算し、座標変換部206は、vd*,vq*を三相の電圧指令値vu*,vv*,vw*に変換する。
PWM変換部207は、電圧指令値vu*,vv*,vw*に基づいてPWM指令値vu**,vv**,vw**を生成し、モータ停止部208を介してインバータ102に与えることにより、インバータ102の各相出力電圧vu,vv,vwを指令値通りに制御している。

ここで、故障検出部203内の第1推定値算出部203aは、一相の電流値を、他の二相の電流センサによる電流検出値から推定する機能を有し、第2推定値算出部203bは、一相の電流値を、モータMに流れる電流の位相角θと他の二相の電流センサによる電流検出値とから推定する機能を有する。また、故障診断部203cは、電流センサによる電流検出値と、第1推定値算出部203a及び第2推定値算出部203bによる電流推定値とに基づいて電流センサの故障診断し、何れかの相の電流センサの故障発生時には、当該相の電流推定値を選択して座標変換部204に出力する機能を有している。

上記構成により、特許文献1では、一相の電流センサが故障しても故障診断部203cにより選択した当該相の電流推定値を他の二相の電流検出値と共に用いることにより、モータMの運転を継続する。また、二相以上の電流センサが故障した場合には、故障診断部203cによりモータ停止部208を動作させ、インバータ102及びモータMの運転を停止することが可能である。

特許文献1に記載された技術によれば、一相の電流センサが故障していても、当該相の電流推定値と他の正常な二相の電流検出値とを用いることで、インバータ102によりモータMの運転を継続することができる。
しかしながら、この先行技術では電流センサを三相分、備える必要があるため、装置が大型化し、コストが増加するという問題がある。
なお、電流センサの故障検出方法としては、電流センサを二重化して各センサ検出値を比較する方法が知られているが、このような冗長対策では前記同様に大型化や高コスト化を避けることができない。

一方、特許文献2には、電流センサを用いずに、いわゆる電流センス付きの半導体スイッチング素子により各相の電流を検出する技術が開示されている。
図4は、特許文献2に記載されたモータ駆動システムの構成図であり、300はインバータ、301〜306は半導体スイッチング素子、307はコンデンサ、308a,308b,310a,310b,312a,312bは電流検出部、309,311,313は加算器、400は制御回路である。なお、インバータ300の各相の下アームスイッチング素子302,304,306には、センスエミッタ及びセンスダイオードをそれぞれ備えた電流センス付きの素子が使用されている。

上記インバータ300では、スイッチング素子302,304,306のセンスエミッタ及びセンスダイオードに流れる電流を電流検出部308a,308b,310a,310b,312a,312bによってそれぞれ検出すると共に、これらの電流検出値を加算器309,311,313にて相ごとに加算することにより、インバータ300の各相の出力電流離散的正弦波電流として推定している。

概要

高速スイッチング素子使用可能とし、出力電流センサの故障発生時にも継続的な運転を可能にした三相インバータ装置を提供する。三相インバータのU,W相の出力電流を検出する電流センサ7u,7wと、V相の下アームの電流センス付きスイッチング素子4Aとを有し、制御回路20は、スイッチング素子4Aによる検出信号に基づいてV相の出力電流を推定する電流推定手段22Vと、V相電流推定値及びU,W相電流検出値に基づいて電流センサ7u,7wの故障を検出する故障検出手段23と、電流センサの故障時にV相電流推定値及びU,W相電流検出値の中から第1,第2の電流情報を選択すると共にスイッチング周波数の変更(低下)信号を出力する電流検出相選択手段24と、第1,第2の電流情報等に基づいてスイッチング素子1〜3,4A,5,6の駆動信号を生成する駆動信号生成手段21とを備える。

目的

本発明の解決課題は、スイッチング周波数や電圧振幅指令制約を受けることなく高速スイッチング素子を使用可能とし、また、出力電流センサの故障発生時にも継続的な運転を可能にした三相インバータ装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

上下アーム半導体スイッチング素子をそれぞれ有する一相分スイッチング素子直列回路三相分備え、前記上下アームの半導体スイッチング素子同士の直列接続点各相交流出力端子として負荷にそれぞれ接続されるインバータ主回路と、前記インバータ主回路の出力電流検出値を用いて前記半導体スイッチング素子の駆動信号を生成する制御回路と、を備えた三相インバータ装置において、前記インバータ主回路の二相出力電流をそれぞれ検出する電流センサと、前記電流センサにより出力電流が検出される相以外の一相の上アームまたは下アームにおける前記半導体スイッチング素子として設けられる電流センス付スイッチング素子と、を有し、前記制御回路は、前記電流センス付きスイッチング素子による検出信号に基づいて前記電流センス付きスイッチング素子が設けられた一相の出力電流を推定する電流推定手段と、前記電流センサによる電流検出値と前記電流推定手段による電流推定値とに基づいて、前記電流センサの故障を検出する故障検出手段と、前記故障検出手段により故障が検出された電流センサを除く他の電流センサによる電流検出値を第1の電流信号として選択し、かつ、前記電流推定値を第2の電流信号として選択する電流検出相選択手段と、前記第1の電流信号及び前記第2の電流信号を用いて前記駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、を備えたことを特徴とする三相インバータ装置。

請求項2

上下アームに半導体スイッチング素子をそれぞれ有する一相分のスイッチング素子直列回路を三相分備え、前記上下アームの半導体スイッチング素子同士の直列接続点が各相の交流出力端子として負荷にそれぞれ接続されるインバータ主回路と、前記インバータ主回路の出力電流検出値を用いて前記半導体スイッチング素子の駆動信号を生成する制御回路と、を備えた三相インバータ装置において、前記インバータ主回路の二相の出力電流をそれぞれ検出する電流センサと、前記電流センサにより出力電流が検出される二相の上アームまたは下アームにおける前記半導体スイッチング素子としてそれぞれ設けられる電流センス付きスイッチング素子と、を有し、前記制御回路は、前記電流センス付きスイッチング素子による検出信号に基づいて前記電流センス付きスイッチング素子が設けられた二相の出力電流をそれぞれ推定する電流推定手段と、前記電流センサによる電流検出値と前記電流推定手段による電流推定値とに基づいて、前記電流センサの故障を検出する故障検出手段と、前記故障検出手段により故障が検出された電流センサを除く他の電流センサによる電流検出値を第1の電流信号として選択し、かつ、故障が検出された電流センサを有する相の電流推定値を第2の電流信号として選択する電流検出相選択手段と、前記第1の電流信号及び前記第2の電流信号を用いて前記駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、を備えたことを特徴とする三相インバータ装置。

請求項3

請求項1または2に記載した三相インバータ装置において、前記駆動信号生成手段は、前記故障検出手段により電流センサの故障が検出された時に、前記駆動信号のスイッチング周波数を低下させることを特徴とする三相インバータ装置。

技術分野

0001

本発明は、出力電流センサ故障検出機能及びリンプホーム(非常時回避)機能を備えた三相インバータ装置に関するものである。

背景技術

0002

図3は、特許文献1に記載されているモータ駆動システムの構成図である。
図3において、101は直流電源、102はPWM制御される三相インバータ、103u,103v,103wはインバータ102の各相出力電流iu,iv,iwを検出する電流センサ、201は位置/速度センサ、202は位置計測部、203は故障検出部、203aは第1推定値算出部、203bは第2推定値算出部、203cは故障診断部、204,206は座標変換部、205はPI制御部、207はPWM変換部、208はモータ停止部、Mはモータである。

0003

このシステムにおいて、電流センサ103u,103v,103wが正常である時の動作としては、座標変換部204が、故障検出部203から出力される各相電流検出値iu’,iv’,iw’を位置計測部202が計測した位相角θに基づいてd,q軸上の電流検出値id,iqに変換する。PI制御部205は、d,q軸上の電流指令値id*,iq*と電流検出値id,iqとの偏差がそれぞれなくなるように電圧指令値vd*,vq*を演算し、座標変換部206は、vd*,vq*を三相の電圧指令値vu*,vv*,vw*に変換する。
PWM変換部207は、電圧指令値vu*,vv*,vw*に基づいてPWM指令値vu**,vv**,vw**を生成し、モータ停止部208を介してインバータ102に与えることにより、インバータ102の各相出力電圧vu,vv,vwを指令値通りに制御している。

0004

ここで、故障検出部203内の第1推定値算出部203aは、一相の電流値を、他の二相の電流センサによる電流検出値から推定する機能を有し、第2推定値算出部203bは、一相の電流値を、モータMに流れる電流の位相角θと他の二相の電流センサによる電流検出値とから推定する機能を有する。また、故障診断部203cは、電流センサによる電流検出値と、第1推定値算出部203a及び第2推定値算出部203bによる電流推定値とに基づいて電流センサの故障診断し、何れかの相の電流センサの故障発生時には、当該相の電流推定値を選択して座標変換部204に出力する機能を有している。

0005

上記構成により、特許文献1では、一相の電流センサが故障しても故障診断部203cにより選択した当該相の電流推定値を他の二相の電流検出値と共に用いることにより、モータMの運転を継続する。また、二相以上の電流センサが故障した場合には、故障診断部203cによりモータ停止部208を動作させ、インバータ102及びモータMの運転を停止することが可能である。

0006

特許文献1に記載された技術によれば、一相の電流センサが故障していても、当該相の電流推定値と他の正常な二相の電流検出値とを用いることで、インバータ102によりモータMの運転を継続することができる。
しかしながら、この先行技術では電流センサを三相分、備える必要があるため、装置が大型化し、コストが増加するという問題がある。
なお、電流センサの故障検出方法としては、電流センサを二重化して各センサ検出値を比較する方法が知られているが、このような冗長対策では前記同様に大型化や高コスト化を避けることができない。

0007

一方、特許文献2には、電流センサを用いずに、いわゆる電流センス付きの半導体スイッチング素子により各相の電流を検出する技術が開示されている。
図4は、特許文献2に記載されたモータ駆動システムの構成図であり、300はインバータ、301〜306は半導体スイッチング素子、307はコンデンサ、308a,308b,310a,310b,312a,312bは電流検出部、309,311,313は加算器、400は制御回路である。なお、インバータ300の各相の下アームスイッチング素子302,304,306には、センスエミッタ及びセンスダイオードをそれぞれ備えた電流センス付きの素子が使用されている。

0008

上記インバータ300では、スイッチング素子302,304,306のセンスエミッタ及びセンスダイオードに流れる電流を電流検出部308a,308b,310a,310b,312a,312bによってそれぞれ検出すると共に、これらの電流検出値を加算器309,311,313にて相ごとに加算することにより、インバータ300の各相の出力電流離散的正弦波電流として推定している。

先行技術

0009

特開2000−116176号公報(段落[0012]〜[0016]、図1図2等)
特許第5304967号公報(段落[0005]〜[0007]、図1,図10等)

発明が解決しようとする課題

0010

特許文献2に記載された技術によれば、特許文献1における各相の電流センサ103u,103v,103wが不要になるので、装置の小型化やコストの低減が可能である。
しかし、特許文献2では、下アームのスイッチング素子302,304,306に対する駆動パルスの幅が狭くなると出力電流の推定が困難になるため、インバータ300をPWM制御する場合のスイッチング周波数電圧振幅指令の上限値が制約を受ける。
このように、特許文献2ではスイッチング周波数等の制約があるため、例えば、SiC(シリコンカーバイド)等のワイドバンドギャップ半導体材料を用いた高速スイッチング素子を使用した場合に、その利点である高速化、低損失等の利点を十分に活かすことができないという問題があった。

0011

そこで、本発明の解決課題は、スイッチング周波数や電圧振幅指令の制約を受けることなく高速スイッチング素子を使用可能とし、また、出力電流センサの故障発生時にも継続的な運転を可能にした三相インバータ装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、上下アームに半導体スイッチング素子をそれぞれ有する一相分スイッチング素子直列回路を三相分備え、前記上下アームの半導体スイッチング素子同士の直列接続点が各相の交流出力端子として負荷にそれぞれ接続されるインバータ主回路と、
前記インバータ主回路の出力電流検出値を用いて前記半導体スイッチング素子の駆動信号を生成する制御回路と、を備えた三相インバータ装置において、
前記インバータ主回路の二相の出力電流をそれぞれ検出する電流センサと、
前記電流センサにより出力電流が検出される相以外の一相の上アームまたは下アームにおける前記半導体スイッチング素子として設けられる電流センス付きスイッチング素子と、
を有し、
前記制御回路は、
前記電流センス付きスイッチング素子による検出信号に基づいて前記電流センス付きスイッチング素子が設けられた一相の出力電流を推定する電流推定手段と、
前記電流センサによる電流検出値と前記電流推定手段による電流推定値とに基づいて、前記電流センサの故障を検出する故障検出手段と、
前記故障検出手段により故障が検出された電流センサを除く他の電流センサによる電流検出値を第1の電流信号として選択し、かつ、前記電流推定値を第2の電流信号として選択する電流検出相選択手段と、
前記第1の電流信号及び前記第2の電流信号を用いて前記駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、を備えたものである。

0013

請求項2に係る発明は、上下アームに半導体スイッチング素子をそれぞれ有する一相分のスイッチング素子直列回路を三相分備え、前記上下アームの半導体スイッチング素子同士の直列接続点が各相の交流出力端子として負荷にそれぞれ接続されるインバータ主回路と、
前記インバータ主回路の出力電流検出値を用いて前記半導体スイッチング素子の駆動信号を生成する制御回路と、を備えた三相インバータ装置において、
前記インバータ主回路の二相の出力電流をそれぞれ検出する電流センサと、
前記電流センサにより出力電流が検出される二相の上アームまたは下アームにおける前記半導体スイッチング素子としてそれぞれ設けられる電流センス付きスイッチング素子と、
を有し、
前記制御回路は、
前記電流センス付きスイッチング素子による検出信号に基づいて前記電流センス付きスイッチング素子が設けられた二相の出力電流をそれぞれ推定する電流推定手段と、
前記電流センサによる電流検出値と前記電流推定手段による電流推定値とに基づいて、前記電流センサの故障を検出する故障検出手段と、
前記故障検出手段により故障が検出された電流センサを除く他の電流センサによる電流検出値を第1の電流信号として選択し、かつ、故障が検出された電流センサを有する相の電流推定値を第2の電流信号として選択する電流検出相選択手段と、
前記第1の電流信号及び前記第2の電流信号を用いて前記駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、を備えたものである。

0014

請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載した三相インバータ装置において、前記駆動信号生成手段は、前記故障検出手段により電流センサの故障が検出された時に、前記駆動信号のスイッチング周波数を低下させるものである。

発明の効果

0015

本発明において、電流センサの正常時には、二相の電流検出値を用いてスイッチング素子の駆動信号を生成することにより、電流センス付きスイッチング素子による電流推定値に基づいて駆動信号を生成する場合に比べ、三相インバータ装置をPWM制御する際のスイッチング周波数や電圧振幅指令の制約を受けにくくなる。従って、ワイドバンドギャップ半導体材料からなる高速かつ低損失のスイッチング素子を用いる場合に、これらの素子が有する利点を十分に発揮することができる。
更に、電流センサの故障発生時には、電流センス付きスイッチング素子による電流推定値を用いれば三相インバータ装置の継続的な運転が可能であり、スイッチング周波数を低下させることによって上記電流推定値の精度を高めることもできる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の第1実施形態が適用されるモータ駆動システムの構成図である。
本発明の第2実施形態が適用されるモータ駆動システムの構成図である。
特許文献1に記載されたモータ駆動システムの構成図である。
特許文献2に記載されたモータ駆動システムの構成図である。

実施例

0017

以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態が適用されるモータ駆動システムの構成図である。図1において、三相のインバータ主回路31は、直流電源10と、その両端に接続された半導体スイッチング素子1〜3,4A,5,6のブリッジ回路とから構成されている。スイッチング素子1,2の直列接続点はU相出力端子、スイッチング素子3,4Aの直列接続点はV相出力端子、スイッチング素子5,6の直列接続点はW相出力端子として、負荷であるモータMに接続されている。このモータMには、回転子回転角度を検出する角度センサ8が取り付けられている。

0018

なお、U相出力電流iu,W相出力電流iwは電流センサ7u,7wによってそれぞれ検出され、後述する制御回路20に入力されている。この制御回路20により生成されたゲート信号G1〜G6により、ゲート駆動回路11〜16を介してスイッチング素子1〜3,4A,5,6がそれぞれオンオフ制御される。

0019

ここで、電流センサが設けられていないV相の下アームのスイッチング素子4Aには、センスエミッタ4e及びセンスダイオード4dを備えた電流センス付きのスイッチング素子が用いられている。そして、センスエミッタ4e及びセンスダイオード4dはセンス検出信号処理回路17に接続されている。なお、下アームのスイッチング素子4Aに代えて、上アームのスイッチング素子3に電流センス付きのスイッチング素子を用いても良い。

0020

本実施形態において、電流センス付きのスイッチング素子は、電流センサによって出力電流を検出している二相(図1の例ではU相、W相)以外の相(同じくV相)の下アームまたは上アームに設ければ良い。なお、図1に示すように、下アームのスイッチング素子4Aを電流センス付きの素子とし、そのエミッタ電位を制御回路20の基準電位接地電位)と同一にすれば、インバータ主回路31と制御回路20との絶縁対策が不要になり、装置の低コスト化、小型化に有効である。

0021

スイッチング素子1〜3,4A,5,6には、SiC等のワイドバンドギャップ半導体材料を用いた高速動作可能で低損失の素子を用いることが望ましい。また、スイッチング素子1〜3,4A,5,6の種類としては、図示するようなIGBTだけでなく、FETバイポーラトランジスタであっても良い。

0022

一方、制御回路20は、駆動信号生成手段21と、電流推定手段22Vと、電流センサ故障検出手段23と、電流センサ選択手段24と、を備えている。
電流推定手段22Vには、センス検出信号処理回路17の出力信号が入力されている。電流推定手段22Vは、例えば図4における電流検出部308a,308b及び加算器309が有する機能と同様に、センスエミッタ4eに流れる電流情報とセンスダイオード4dに流れる逆方向の電流(回生電流)情報との加算結果に基づいて、離散的な正弦波状のV相電流推定値ivaを得る。

0023

電流センサ故障検出手段23は、V相電流推定値ivaと、電流センサ7u,7wによって得たU相及びW相の電流検出値iu,iwとに基づいて、電流センサ7uまたは7wの故障を検出する。
例えば、iu,iw,ivaの和が0でない場合に、電流センサ7u,7wの何れかが故障していると判断する。あるいは、一周期分の電流検出値iu,iwの平均値をそれぞれ求め、その平均値が0になっていない相の電流センサが故障していると判断しても良い。

0024

電流センサ故障検出手段23からは検出電流選択信号iselが出力されており、この検出電流選択信号iselは、V相電流推定値iva及びU相,W相の電流検出値iu,iwと共に電流検出相選択手段24に入力されている。
検出電流選択信号iselは、電流センサ7u,7wの何れかが故障した場合に、電流検出相選択手段24が選択するべき正常な電流センサによる電流検出値を指定する機能を持っている。例えば、電流センサ故障検出手段23がU相の電流センサ7uの故障を検出した場合、検出電流選択信号iselは、電流検出相選択手段24にW相の電流検出値iwを選択させるような情報を有する。

0025

電流検出相選択手段24は、V相電流推定値iva、U相,W相の電流検出値iu,iw、及び検出電流選択信号iselに基づいて、駆動信号を生成するために用いる第1,第2の電流信号i1,i2を選択して駆動信号生成手段21に出力する。これらの電流信号i1,i2は、電流センサ7u,7wが共に正常である場合にはU相,W相の電流検出値iu,iwとなり、電流センサ7u,7wの何れかが故障した場合には、正常な電流センサによる電流検出値及びV相電流推定値ivaとなる。
また、電流検出相選択手段24は、電流センサ7u,7wの何れかが故障した場合に、PWM制御用のキャリア周波数を低下させるためのキャリア周波数変更信号fcselを駆動信号生成手段21に出力する。

0026

駆動信号生成手段21は、第1,第2の電流信号i1,i2と、必要に応じてキャリア周波数変更信号fcselと、角度センサ8による角度検出値と、トルク指令とに基づいて、スイッチング素子1〜3,4A,5,6のゲート信号G1〜G6を生成する。

0027

次に、この実施形態の動作を説明する。
いま、電流センサ7u,7wが正常に動作している場合、電流センサ故障検出手段23から出力される検出電流選択信号iselにより、電流検出相選択手段24は、第1,第2の電流信号i1,i2としてU相,W相の電流検出値iu,iwを選択し、駆動信号生成手段21に出力する。駆動信号生成手段21は、これらのiu,iwと、iv=−(iu+iw)により求めたV相電流演算値ivとを電流情報として用い、更にトルク指令及び角度検出値に基づいて所定の演算を行うことにより、ゲート信号G1〜G6を生成する。
このとき、電流センス付きのスイッチング素子4Aによる電流推定値ivaを駆動信号の生成に用いることはないため、PWM制御する際のスイッチング周波数や電圧振幅指令が制約される恐れはない。また、キャリア周波数変更信号fcselがアクティブになることもない。

0028

電流センサ7u,7wの何れかに故障が発生すると、電流センサ故障検出手段23は、U相電流検出値iu、W相電流検出値iw、及びV相電流推定値ivaの合計値が0にならないことから、電流センサ7u,7wの何れかが故障したと判断する。あるいは、電流センサが故障している相の電流検出値iuまたはiwの一周期分の平均値が0ではなくなることにより、該当する相の電流センサ7uまたは7wが故障したと判断する。また、これら両者の判断結果により、電流センサ7u,7wのどちらが故障しているかを検出することができる。
電流センサ故障検出手段23は、検出電流選択信号iselにより、故障している電流センサを示す情報(正常な電流センサを示す情報)を電流検出相選択手段24に送出する。

0029

電流検出相選択手段24は、V相電流推定値ivaと、電流センサが正常である相の電流検出値iuまたはiwを選択し、これら二つの電流情報を第1,第2の電流信号i1,i2として駆動信号生成手段21に出力する。同時に、この場合には電流センス付きのスイッチング素子4Aによる電流推定値ivaを駆動信号の生成に用いることから、スイッチング周波数が高くなり過ぎないようにキャリア周波数変更信号fcselをアクティブとし、駆動信号生成手段21がゲート信号G1〜G6の生成に用いるキャリア周波数を低下させる。
駆動信号生成手段21は、上述した第1,第2の電流信号i1,i2とこれらを用いて演算した残り一相分の電流演算値とを用いて、ゲート信号G1〜G6を生成する。

0030

このように、本実施形態では、一相の電流センサが故障した場合でもインバータの運転を継続することができるため、いわゆるリンプホーム機能を果たすことができる。また、電流センサの故障時にのみスイッチング周波数の上限値が制約を受け、電流センサの正常時には制約されることがないので、ワイドバンドギャップ半導体材料からなる高速かつ低損失のスイッチング素子の利点を最大限、活かすことが可能である。

0031

次に、図2は、本発明の第2実施形態が適用されるモータ駆動システムの構成図である。図1と同一の機能を有する部品には同一の番号を付してあり、以下では図1と異なる部分を中心に説明する。
図2に示すインバータ主回路32では、U相及びW相の下アームのスイッチング素子2A,6Aが電流センス付きのスイッチング素子であり、他のスイッチング素子1,3〜5は電流センス機能を備えていない。なお、図2において、2e,6eはセンスエミッタ、2d,6dはセンスダイオード、18,19はセンス検出信号処理回路である。

0032

センス検出信号処理回路18,19の出力信号は、制御回路20A内の電流推定手段22U,22Wにそれぞれ入力され、これらの電流推定手段22U,22Wから出力されるU相電流推定値iua、W相電流推定値iwaが電流検出相選択手段24A及び電流センサ故障検出手段23Aに入力されている。なお、図1と同様に、U相電流検出値iu及びW相電流検出値iwは、電流検出相選択手段24A及び電流センサ故障検出手段23Aに入力されている。
つまり、この実施形態では、電流センス付きのスイッチング素子を用いる相と、電流センサ7u,7wを設ける相とが一致(すなわち、U相,W相)している。

0033

この実施形態における駆動信号生成手段21の動作は図1と同様であり、第1,第2の電流信号i1,i2と、必要に応じてキャリア周波数変更信号fcselと、角度センサ8による角度検出値と、トルク指令とに基づいて、スイッチング素子1,3〜5,2A,6Aのゲート信号G1〜G6を生成する。

0034

電流センサ故障検出手段23Aは、U相電流検出値iuをU相電流推定値iuaと突き合わせ、W相電流検出値iwをW相電流推定値iwaと突き合わせることにより、電流センサ7u,7wが正常であるか否かを検出する。あるいは、電流センサが故障している相の電流検出値iuまたはiwの一周期分の平均値が0ではなくなることにより、該当する相の電流センサ7uまたは7wが正常であるか否かを判断しても良い。

0035

電流センサ7u,7wが正常に動作している場合、電流検出相選択手段24Aは、第1実施形態と同様に、電流センサ故障検出手段23Aからの検出電流選択信号iselに基づいて、第1,第2の電流信号i1,i2としてU相,W相の電流検出値iu,iwを選択し、駆動信号生成手段21に出力する。駆動信号生成手段21は、これらのiu,iwと、iv=−(iu+iw)により求めたV相電流演算値ivとを電流情報として用い、更にトルク指令及び角度検出値に基づいて所定の演算を行うことにより、ゲート信号G1〜G6を生成する。
この場合、電流センス付きのスイッチング素子2A,6Aによる電流推定値iua,iwaを駆動信号の生成に用いることはないため、PWM制御する際のスイッチング周波数や電圧振幅指令が制約される恐れはない。また、キャリア周波数変更信号fcselがアクティブになることもない。

0036

電流センサ7u,7wの何れかに故障が発生すると、電流センサ故障検出手段23Aは、前述した方法により故障相の電流センサを検出すると共に、検出電流選択信号iselにより、故障している電流センサを示す情報(正常な電流センサを示す情報)を電流検出相選択手段24Aに送出する。

0037

電流検出相選択手段24Aは、電流センサが正常である相の電流検出値iuまたはiwと、電流センサが故障している相の電流推定値iwaまたはiuaとを選択し、これら二つの電流情報を第1,第2の電流信号i1,i2として駆動信号生成手段21に出力する。同時に、この場合には電流センス付きのスイッチング素子6Aまたは2Aによる電流推定値iwaまたはiuaを駆動信号の生成に用いることから、スイッチング周波数が高くなり過ぎないようにキャリア周波数変更信号fcselをアクティブとし、駆動信号生成手段21がゲート信号G1〜G6の生成に用いるキャリアの周波数を低下させる。
駆動信号生成手段21は、第1実施形態と同様に、上述した第1,第2の電流信号i1,i2とこれらを用いて演算した残り一相分の電流演算値とを用いて、ゲート信号G1〜G6を生成する。

0038

このように、本実施形態においても、電流センサの故障時にインバータの運転を継続することができると共に、電流センサの故障時にのみスイッチング周波数の上限値が制約を受けるため、高速かつ低損失のスイッチング素子の利点を最大限、活かすことが可能である。

0039

なお、各実施形態における電流センサ故障検出手段23または23Aによる故障検出時には、アラームを発生させて電流センサの点検を促す等の対策を講じても良い。
更に、本発明は、三相インバータ装置の全ての相に電流センサを備えている場合にも適用可能である。

0040

本発明は、モータ駆動システム以外にも、種々の交流負荷を駆動する三相インバータ装置に利用することができる。

0041

1〜6,2A,4A,6A:半導体スイッチング素子
2d,4d,6d:センスダイオード
2e,4e,6e:センスエミッタ
7u,7w:電流センサ
8:角度センサ
11〜16:ゲート駆動回路
17〜19:センス検出信号処理回路
20,20A:制御回路
21:駆動信号生成手段
22U,22V,22W:電流推定手段
23,23A:電流センサ故障検出手段
24,24A:電流検出相選択手段
31,32:インバータ主回路

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