図面 (/)

技術 振動波モータ

出願人 キヤノン株式会社
発明者 吉田真介大澤一治西谷仁志
出願日 2015年9月16日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2015-182586
公開日 2017年3月23日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-060279
状態 特許登録済
技術分野 超音波モータ、圧電モータ、静電モータ
主要キーワード バネガイド 加圧反力 加圧接触状態 モーメント負荷 行き過ぎ量 円環形 超音波領域 オーバーシュート量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年3月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

複数の振動子同時駆動させても制御性が低下しない、高い推力を得ることができる振動波モータを提供すること。

解決手段

複数の振動子と、振動子を加圧する加圧手段111と、加圧により振動子が摩擦接触する摩擦部材121と、圧電素子102に印加する駆動電圧を制御する駆動制御手段164と、を備え、圧電素子102に励起された振動により振動子に楕円運動を発生させ、楕円運動により振動子が一体として摩擦部材121に対して相対的に移動すると共に、複数の振動子が一つの駆動力を発生し、駆動力によって被駆動体141を移動させる、振動波モータにおいて、駆動制御手段164は、振動子105a、105bが楕円運動を行う第1の駆動モードと、複数の振動子のうちの一つの振動子105aが楕円運動を行うと共に、他の振動子105bが加圧の方向に略直線運動を行う第2の駆動モードと、を切り替えて振動子を駆動する。

概要

背景

従来から高トルク出力、高精度な位置決め制御及び静粛性などの特徴を活かして、例えばカメラレンズ駆動源として、振動波モータが広く採用されている。近年では、より重い重量のレンズを駆動させるため、振動波モータを複数個備えると共に、同時に駆動させることで推力を増加させることが提案されている。例えば、特許文献1では、複数の振動波モータを対向方向に配置し、同時に駆動させることで推力を向上させる技術が開示されている。また、特許文献2では、圧電素子印加する駆動周波数を変化させることにより、所望の速度で駆動させることが開示されている。

概要

複数の振動子同時駆動させても制御性が低下しない、高い推力を得ることができる振動波モータを提供すること。複数の振動子と、振動子を加圧する加圧手段111と、加圧により振動子が摩擦接触する摩擦部材121と、圧電素子102に印加する駆動電圧を制御する駆動制御手段164と、を備え、圧電素子102に励起された振動により振動子に楕円運動を発生させ、楕円運動により振動子が一体として摩擦部材121に対して相対的に移動すると共に、複数の振動子が一つの駆動力を発生し、駆動力によって被駆動体141を移動させる、振動波モータにおいて、駆動制御手段164は、振動子105a、105bが楕円運動を行う第1の駆動モードと、複数の振動子のうちの一つの振動子105aが楕円運動を行うと共に、他の振動子105bが加圧の方向に略直線運動を行う第2の駆動モードと、を切り替えて振動子を駆動する。

目的

本発明の目的は、複数の振動子を同時に駆動させても制御性が低下しない、高い推力を得ることができる振動波モータを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

弾性体圧電素子とが固着されて構成される複数の振動子と、前記振動子を加圧する加圧手段と、前記加圧により前記振動子が摩擦接触する摩擦部材と、前記圧電素子に印加する駆動電圧を制御する駆動制御手段と、を備え、前記圧電素子に励起された振動により前記振動子に楕円運動を発生させ、前記楕円運動により前記振動子が一体として前記摩擦部材に対して相対的に移動すると共に、複数の前記振動子が一つの駆動力を発生し、前記駆動力によって被駆動体を移動させる、振動波モータにおいて、前記駆動制御手段は、前記振動子が前記楕円運動を行う第1の駆動モードと、複数の前記振動子のうちの一つの振動子が前記楕円運動を行うと共に他の振動子が前記加圧の方向に略直線運動を行う第2の駆動モードと、を切り替えて前記振動子を駆動することを特徴とする、振動波モータ。

請求項2

前記駆動モードは、前記楕円運動の楕円比を変化させることにより切り替えられることを特徴とする、請求項1に記載の振動波モータ。

請求項3

前記圧電素子には、2種類の定在波が励起され、前記2種類の定在波の位相差を変えることにより前記楕円運動の楕円比を変化させ、前記楕円運動と前記略直線運動とが行われることを特徴とする、請求項2に記載の振動波モータ。

請求項4

前記駆動制御手段は、前記他の振動子に対し、前記位相差を前記略直線運動が可能となる位相差帯域に設定する制御を行うことを特徴とする、請求項3に記載の振動波モータ。

請求項5

前記駆動制御手段は、前記一つの振動子に対し、前記位相差及び周波数の両方の制御を行ない、前記他の振動子に対し、前記位相差を前記略直線運動が可能となる位相差帯域に設定し、周波数を固定とした制御を行なうことを特徴とする、請求項3又は4に記載の振動波モータ。

請求項6

前記第2の駆動モードでは、前記楕円運動を行う前記一つの振動子の接触部と、前記略直線運動を行う前記他の振動子の接触部とは、同時に前記摩擦部材に接触しないことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の振動波モータ。

請求項7

前記第2の駆動モードで駆動する複数の前記振動子のうち、前記楕円運動を行う前記一つの振動子は、前記略直線運動を行う前記他の振動子よりも、被駆動体の重心に近い位置に配置されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の振動波モータ。

請求項8

前記複数の振動子は、複数の超音波振動子であり、前記複数の超音波振動子は、超音波領域の周波数の振動で振動し、前記振動波モータは、複数の超音波振動子を備える超音波モータであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の振動波モータ。

技術分野

0001

本発明は、駆動制御方法に関し、特に振動波モータに関するものである。

背景技術

0002

従来から高トルク出力、高精度な位置決め制御及び静粛性などの特徴を活かして、例えばカメラレンズ駆動源として、振動波モータが広く採用されている。近年では、より重い重量のレンズを駆動させるため、振動波モータを複数個備えると共に、同時に駆動させることで推力を増加させることが提案されている。例えば、特許文献1では、複数の振動波モータを対向方向に配置し、同時に駆動させることで推力を向上させる技術が開示されている。また、特許文献2では、圧電素子印加する駆動周波数を変化させることにより、所望の速度で駆動させることが開示されている。

先行技術

0003

特開2006−67712号公報
特開2004−320846号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上記の特許文献1に開示された従来技術では、複数の超音波振動子を同時に駆動することで大きな推力が得られるものの、一方で停止制御時に超音波モータの動作がオーバーシュートしやすく、制御性が低下してしまうという課題があった。

0005

そこで、本発明の目的は、複数の振動子を同時に駆動させても制御性が低下しない、高い推力を得ることができる振動波モータを提供することである。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するために、本発明は、弾性体と圧電素子とが固着されて構成される複数の振動子と、振動子を加圧する加圧手段と、加圧により振動子が摩擦接触する摩擦部材と、圧電素子に印加する駆動電圧を制御する駆動制御手段と、を備え、圧電素子に励起された振動により振動子に楕円運動を発生させ、楕円運動により振動子が一体として摩擦部材に対して相対的に移動すると共に、振動子が一つの駆動力を発生し、駆動力によって被駆動体を移動させる、振動波モータにおいて、駆動制御手段は、振動子が楕円運動を行う第1の駆動モードと、複数の振動子のうちの一つの振動子が楕円運動を行うと共に他の振動子が加圧の方向に略直線運動を行う第2の駆動モードと、を切り替えて振動子を駆動することを特徴とする。

発明の効果

0007

本発明によれば、複数の振動子を同時に駆動させても制御性が低下しない、高い推力を得ることができる振動波モータを提供することができる。

図面の簡単な説明

0008

(A)本発明の実施例1の振動波モータの断面図である。(B)第1の振動波モータ101aの部分断面図である。
(A)本発明の実施例1の振動波モータの分解斜視図である。(B)本発明の実施例1及び実施例3の振動波モータの正面図である。
(A)乃至(C)本発明の実施例1の振動波モータに発生する楕円運動の模式図である。
本発明の実施例1の振動波モータの構成ブロック図である。
本発明の実施例1の振動波モータを構成する圧電素子102bの平面図である。
(A)、(B)本発明の実施例1の圧電素子に入力する駆動信号である。
(A)、(B)本発明の実施例1の振動波モータの応答特性を示す応答線図である。
(A)、(B)本発明の実施例2の振動波モータに発生する楕円運動の模式図である。

実施例

0009

(実施例1)
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明では、デジタルカメラレンズ鏡筒などを駆動するアクチュエータとしてユニット化された振動波モータ(超音波モータ)を例に説明する。しかし本発明の使用用途はこれに限られるものではない。

0010

図1(A)は、実施例1の振動波モータの断面図、図1(B)は、実施例1の振動波モータの部分断面図であって、特に第1の振動波モータ101aの断面図を示している。図2(A)は、振動波モータの分解斜視図、図2(B)は、被駆動部材141が連結された状態の振動波モータの正面図を示している。なお、図2(A)においては、説明を簡単にするため、後述の被駆動部材141、連結部材131a、連結部材131b、付勢バネ132a、付勢バネ132bを不図示としている。なお、全ての図面において、図示のようにX、Y、Z方向を定義する。X方向は振動波モータの移動方向、Z方向は後述の加圧方向、Y方向はX方向、Z方向のいずれにも垂直な方向である。

0011

先ず始めに、図1(B)と図2(A)を用いて実施例1の振動波モータの構成について説明する。本実施例1の振動波モータは、第1の振動波モータ101aと第2の振動波モータ101bの二つの振動波モータを備えており、両振動波モータは、ほぼ同じ構成をしている。説明を簡単にするため、図1(B)において第1の振動波モータ101aの部分のみ示している。また、図2(A)においても主に第1の振動波モータ101aの部分の分解斜視図を示しており、二つの振動波モータにおける共通する部分の説明は省略する。なお、各部材の添え字aは、第1の振動波モータ101aに係る部材を表し、添え字bは、第2の振動波モータ101bに係る部材を表している。

0012

第1の振動子105a(第1の超音波振動子)は、弾性体としての振動板103aと圧電素子102aとにより構成されている。圧電素子102aは、公知の接着材等により振動板103aに固着されると共に、圧電素子102aに電圧を印加することにより超音波領域周波数の振動(超音波振動)を励振する。

0013

加圧機構保持部材112aは、加圧機構を保持する部材である。加圧機構は、弾性部材107a、バネガイド109a及びバネ111aより構成されている。バネガイド109aは、延出部110aを有し、その延出部110aの周囲にバネ111aが配置されている。バネ111aの一方の端部は、バネガイド109aに接触することによりバネガイド109aに支持されると共に、バネ111aの他方の端部は、加圧機構保持部材112aに接触する。即ち、バネ111aは加圧機構保持部材112aとバネガイド109aによって挟持されている。それにより、バネ111aはZ方向に加圧力を発生している。弾性部材107aは、圧電素子102aとバネガイド109aとの間に配置されることにより、バネガイド109aと圧電素子102aとの直接接触を妨げ、圧電素子102aの損傷を防止すると共に、加圧力を均一に圧電素子102aに伝える。なお、バネ111aと請求項に記載の加圧手段とは同義である。

0014

加圧機構保持部材112aは、バネガイド109aの延出部110aを受け入れるための保持孔113aと、弾性部材107aの二つの突起部108aを受け入れるための二つの保持孔114aとを備えている。バネガイド109aの延出部110aは、保持孔113aに係合し、弾性部材107aの二つの突起部108aは、保持孔114aに係合することにより、バネ111aと共にバネガイド109aと弾性部材107aとは、加圧機構保持部材112aに保持される。

0015

振動板103aは二つの接触部104aを備え、これらの接触部104aは前述のバネ111aの加圧力により加圧された状態で摩擦部材121に接触している。振動板103aと圧電素子102aとが接着された状態において、圧電素子102aに超音波振動を励振させると、第1の振動子105aに共振現象が起こる。そして、第1の振動子105aに2種類の定在波を発生させ、振動板103aの接触部104aに略楕円運動を発生させる。

0016

第1の振動子105aと振動子保持部材106aとは、公知の接着剤等により固定されているが、固定されればその方法は限定されない。さらに振動子保持部材106aは、超音波振動に励起された楕円運動を阻害しないように加圧機構保持部材112aに嵌合されている。

0017

振動波モータは、加圧機構保持部材112aに対向して配置されているカバープレート123を備える。そして、加圧機構保持部材112aには、カバープレート123に対向する側に2つのV溝形状の移動側案内部115aが備えられている。一方、加圧機構保持部材112aに対向して配置されている固定部としてのカバープレート123には、図示のX方向に所定の長さを有する2つのV溝形状の固定側案内部124が備えられている。そして、移動側案内部115aと固定側案内部124との間に3個の球状の転動部材116aが挟持されている。加圧機構保持部材112aは、3個の転動部材116aにより、X方向に相対的に移動することができる。なお、前述の移動側案内部115a及び固定側案内部124には、転動部材116aの可動範囲を制限するための不図示の可動範囲制限部が有るが、本実施例1の説明においては省略する。

0018

振動波モータは、さらに地板122を備える。地板122とカバープレート123とはZ方向上方側より不図示のネジ等で固定されるが、固定されればその方法は限定されない。また、カバープレート123が取り付けられている地板122の反対側には、摩擦部材121がZ方向の下方側より不図示のネジ等で固定されているが、固定されればその方法は限定されない。

0019

弾性部材107aと圧電素子102aの接触部分は、バネ111aの加圧力が伝わる加圧部として作用する。次に、加圧部において発生する付勢力について説明する。バネ111aの加圧力は、弾性部材107aを介し、圧電素子102aに伝えられ、第1の振動子105aを摩擦部材121に対して加圧する付勢力として作用する。そして、振動板103aの接触部104aは、摩擦部材121に対して加圧された状態で接触する。この状態を加圧接触状態という。ここで、バネ111aによる加圧力が付勢する方向は、Z方向と略一致している。一方、摩擦部材121からの加圧反力は、後述の移動部120aと転動部材116aとを介し、カバープレート123で受けられている。この加圧接触状態において、圧電素子102aに駆動電圧が印加されると、第1の振動子105aにおいて発生した楕円運動により、移動部120aは、摩擦部材121に対してX方向に相対的に進退することができる。

0020

本実施例1に係る第1の振動波モータ101aにおいて、第1の振動子105a、振動子保持部材106a、弾性部材107a、バネガイド109a、バネ111a、加圧機構保持部材112aにより移動部120aが構成されている。また、カバープレート123、地板122、及び摩擦部材121により基礎部が構成されている。

0021

本実施例1に係る第1の振動波モータ101a及び第2の振動波モータ101bは、図2(A)において、固定部としてのカバープレート123を共有し、移動方向に対して直列に配置されているが、これに限られない。例えば、並列に配置された構成や、摩擦部材121を介して対向方向に配置された構成とする形態も可能である。また、それぞれ異なる構成の振動波モータが配置されていてもよい。なお、本実施例1において、摩擦部材121は直線形状であるので、振動波モータは、図示のX方向の直線的な駆動力を出力できる構成となっている。しかしながら、例えば、摩擦部材121はY−Z平面内で円環形状をしており、振動波モータはその円環上を回転移動し、その回転する駆動力を被駆動体に伝達する形態でも構わない。

0022

図2(B)の構成において、第1の振動波モータ101aと第2の振動波モータ101bは、それぞれ連結部材131a、連結部材131b及び付勢バネ132a、付勢バネ132bを介して被駆動部材141と連結している。付勢バネ132a、132bは、それぞれ連結部材131a、131bをX方向に加圧付勢し、振動波モータが有する不図示の動力取り出し部にガタなく連結している。このような構成で連結することにより、振動波モータの駆動力を効率良く被駆動部材141へ伝達することが可能となる。

0023

本実施例1に係る第1の振動波モータ101aの移動部120a、第2の振動波モータ101bの移動部120bが摩擦部材121に対して相対的にX方向に進退することで、被駆動部材141は不図示のガイドバーに沿ってX方向に進退が可能となる。なお、加圧機構保持部材112a、112bと被駆動部材141とは、連結部材131a、131b及び付勢バネ132a、132bを介して連結されているが、複数の振動子の駆動力が一体となって伝達できる形態で連結されていれば、これに限られない。

0024

摩擦部材121は、第1の振動子105aと第2の振動子105bとが共通に摩擦接触する接触面121sを有する。第1の振動子105aと第2の振動子105bとを同時に駆動することにより、大きな推力が得られ、重量の重い被駆動体の駆動が可能となる。しかしながら、その推力が影響し、停止制御時には、目標位置に対してオーバーシュートしやすく、制御性が低下してしまうという課題がある。

0025

本発明は、全ての振動子が楕円運動する第1の駆動モードと、複数の振動子のうち、楕円運動を行う振動子と、加圧方向に略直線運動を行う振動子とを備える第2の駆動モードとを切り替えて駆動することを特徴としている。このように駆動モードを切り替えることにより、停止制御時であっても目標位置に対してオーバーシュートすることなく、振動波モータを制御することができる。

0026

次に、楕円運動と、第1の駆動モード及び第2の駆動モードの関係について説明する。図3(A)は、本発明の実施例1に係る振動波モータに発生させる楕円運動の模式図であり、後述の2種類の定在波が所定の比率で合成され、振動波モータをX方向に進退可能とする楕円運動の軌跡を示している。また、図3(B)は、後述の2種類の定在波のうち、X方向の定在波の合成比率を小さくした際の楕円運動の軌跡を示している。さらに、図3(C)は、Z方向の略直線運動の軌跡を示している。

0027

上記のとおり、圧電素子102aに超音波振動を励振させることで、第1の振動子105aに共振現象が起こる。このとき第1の振動子105aには、摩擦部材121を突き上げる方向の定在波151と、摩擦部材121を送る方向の定在波152とが発生する。定在波151と定在波152を所定の比率で合成することにより、図3(A)のような楕円運動が発生する。また、定在波151と定在波152の合成比率を変えることにより、楕円運動の楕円比を変化させることが可能となる。例えば、定在波151を変化させずに定在波152のみを小さくすると、図3(B)に示されるような楕円運動に変化させることが可能となる。さらに、定在波152の合成比率を0にすると、図3(C)に示されるような、もはや楕円運動ではないZ方向の略直線運動に変化させることが可能となる。

0028

ここで、図3(A)に示される楕円運動においては、定在波151と定在波152とが所定の比率で合成されており、振動子がX方向に移動する駆動力を得ることができる。図3(B)に示される楕円運動においては、定在波152の合成比率が小さいため、X方向に移動する駆動力は、図3(A)の状態よりも小さくなる。図3(C)においては、定在波152の合成比率が所定値よりも小さくなっているので、加圧付勢方向の略直線運動のみが発生する。その結果、振動子の振動は、送り方向であるX方向の推力には寄与せず、微小制動力として働くことになる。

0029

全ての振動子に図3(A)のような楕円運動を行わせる駆動モードを第1の駆動モードとする。また、複数の振動子のうち、ある振動子に図3(A)のような楕円運動を行わせ、他の振動子に図3(C)のような略直線運動を行わせる駆動モードを第2の駆動モードとする。そして、この第1のモードと第2のモードとを切り替えることにより、所望の動特性を得ることができる。第1の駆動モードにおいては、全ての振動子が図3(A)に示されるような楕円運動をするので、被駆動部材141がX方向に移動するために必要となる、大きな推力を得ることが可能となる。また、第2の駆動モードにおいては、第1の振動子105aが図3(A)に示されるような楕円運動を行い、第2の振動子105bが図3(C)に示されるような、加圧付勢方向の略直線運動を行う。第2の駆動モードでは、第1の駆動モードに比べて推力は低下するが、後述のように制御性の低下は防止されている。

0030

ここで、第2の振動子105bの駆動を完全に停止させると、摩擦部材121と接触部104bの間には、摩擦による抵抗力が働くことになる。その場合、第1の振動子105aには大きな制動力が加わり、必要な推力が得られなくなってしまう。しかしながら、本発明においては、第2の振動子105bはZ方向の略直線運動をしているため、制動力を十分小さくすることができる。つまり、全ての振動子が楕円運動している時と比較して、推力は低下するものの、駆動中の振動子の推力を一定量確保したまま駆動することが可能となる。このため、第1の駆動モードと第2の駆動モードとを切り替えて駆動することにより、高い推力を得ると共に、同時駆動した際の制御性の低下を防止することができる。

0031

図4は、本発明の実施例1に係る振動波モータの主要な構成部を表したブロック図である。振動波モータは、第1の振動子105aと第2の振動子105bの位置情報をそれぞれ取り込む第1の位置エンコーダ161aと第2の位置エンコーダ161bとを備えている。また、位置偏差算出回路162、駆動モード設定回路163及び駆動制御回路164を備えている。

0032

第1の位置エンコーダ161aと第2の位置エンコーダ161bは、それぞれ第1の振動子105aと第2の振動子105bの位置情報を位置偏差算出回路162に出力する。位置偏差算出回路162は、該位置情報と、第1の振動子105aと第2の振動子105bのそれぞれの目標位置とを比較すると共に、第1の振動子105aと第2の振動子105bのそれぞれの位置偏差を算出する。そして、駆動モード設定回路163に該位置偏差を出力する。

0033

駆動モード設定回路163は、位置偏差に応じて、駆動モードを第1の駆動モード又は第2の駆動モードのどちらにするか設定する。例えば、位置偏差が大きい場合には、より大きな推力が得られる第1の駆動モードに設定する。逆に、位置偏差が小さく、目標停止位置が近い場合には、推力を低下させ、停止精度の向上を図ることが可能な第2の駆動モードに設定する。駆動制御回路164は、駆動モード設定回路163において設定された各駆動モードに対応する楕円運動の楕円比とするための駆動信号を第1の振動子105a及び第2の振動子105bに出力する。なお、駆動制御回路164と請求項に記載の駆動制御手段とは同義である。

0034

上記の構成によれば、振動波モータの目標位置に対する位置偏差により駆動モードを決定することができるため、第1の駆動モードと第2の駆動モードを切り替えて駆動することができる。そのため、高い推力を得ると共に、同時駆動した際の制御性の低下を防止することができる。

0035

図5は、本発明の実施例1における第2の振動子105bに使用される圧電素子102bの平面図である。圧電素子102bは、第1の電極e1と第2の電極e2を有し、それぞれが隣接して配置されている。圧電素子102bと振動板103bとが接着されて、第2の振動子105bは構成されている。そして、第2の振動子105bは、摩擦部材121に加圧接触状態とされている。

0036

次に、楕円運動の楕円比を変更する方法について説明する。第1の電極e1と第2の電極e2とに所定の位相の差を持たせた駆動信号を入力すると、2種類の定在波を発生させることができる。この2種類の定在波を合成することにより、前述の略楕円運動を発生させることができる。加圧接触状態において、第1の電極e1と第2の電極e2に入力する駆動信号の位相の差を変更すると、振動板103bの接触部104bに発生する楕円運動の楕円比を変更することができる。本実施例1では、第1の振動子105a及び第2の振動子105bのうち、第2の振動子105bが上記のような圧電素子102bを備えている場合であるが、当然、これに限られない。たとえば、第1の振動子105a及び第2の振動子105bの両方が上記のような圧電素子102bによって構成されていても構わない。また、本実施例1では、隣接する第1の電極e1と第2の電極e2を有する圧電素子102bを用いているが、2種類の定在波を利用して略楕円運動を発生させる振動子であれば構わない。

0037

図6(A)、(B)は、第2の振動子105bを構成する圧電素子102bが有する第1の電極e1と第2の電極e2に入力される駆動信号を示している。図6(A)、(B)に記載の電極1、電極2はそれぞれ、第1の電極e1、第2の電極e2と同義とする。図6(A)においては、第1の電極e1と第2の電極e2に対して、位相差φαで駆動信号が入力されている。2種類の定在波を利用して効率の良い楕円運動を生じさせる場合、好適な例として、位相差φαを90度程度とすると良いが、これに限られない。図6(B)は、第1の電極e1と第2の電極e2に対して、位相差φβで駆動信号が入力されている。

0038

本実施例においては、第1の駆動モードから第2の駆動モードへの切り替えは、第2の振動子105bの駆動信号の位相差φαを位相差φβへと変更することにより行われる。そして、加圧付勢方向の略直線運動をさせる場合は、例として位相差φβを略0度程度とすると良いが、これに限られない。例えば、位相差φβを10度程度にした場合、実際はX方向の定在波152の振動が効率良く伝わらず、そのため楕円運動の効率は良くないが、加圧付勢方向の略直線運動をしている状態と同様、X方向の推力には寄与せず、微小な制動力として働くことになる。

0039

このように、第2の駆動モードにおいて、第2の振動子105bに入力する2つの駆動信号の位相差φβを略直線運動が可能となる位相差帯域に設定することで、第2の振動子105bは、加圧付勢方向の略直線運動をすることができる。

0040

図7(A)、(B)は、第1の駆動モードと第2の駆動モードにおける応答特性と、目標位置170との関係を示す応答線図であって、縦軸変位X、横軸が時間tである。図7(B)は、第1の駆動モードから第2の駆動モードに切り替えて駆動した際の応答特性を示す応答線図である。

0041

各時間における目標とする位置は、実線の直線により目標位置170で示されており、目標の停止となる位置は、停止位置X0で示されている。第1の駆動モードにおける応答特性は、一点鎖線により第1の駆動モードの特性曲線171で示されている。第1の駆動モードにおける、停止位置X0に対する行き過ぎ量は、オーバーシュート量X1で示されており、停止するまでの時間は、経過時間t1で示されている。第2の駆動モードにおける応答特性は、二点鎖線により第2の駆動モードの特性曲線172で示されている。第2の駆動モードにおける、停止位置X0に対する行き過ぎ量は、オーバーシュート量X2で示されており、停止するまでの時間は、経過時間t2で示されている。

0042

第1の駆動モードにおいては、全ての振動子が楕円運動による駆動をしているため推力が大きく、加速に要する時間は短くなる。しかしながら、推力が大きいことが原因となり、停止位置X0に対して行き過ぎてしまい、その結果停止するまでの経過時間t1が長くなってしまう。第2の駆動モードにおいては、第2の振動子105bは、図3(C)に示されるような加圧付勢方向の略直線運動のみが行われている。前述のとおり、略直線運動は、X方向の推力には寄与しないため、加速に要する時間は長くなってしまうが、オーバーシュート量X2が小さくなるため、結果的に停止するまでの経過時間t2は短くなる。

0043

図7(B)において、破線は、駆動中に駆動モードを第1の駆動モードから第2の駆動モードへ切り替えた時の特性曲線173を示しており、停止位置X0に対するオーバーシュート量X3と停止するまでの経過時間t3が示されている。本実施例において、時刻t12の時点で、目標位置170と実際の位置との位置偏差の値が所定の値となり、前述のように駆動制御回路164によって駆動モードが第1の駆動モードから第2の駆動モードへと変えられる。その結果、オーバーシュート量X3は、第1の駆動モードにおけるオーバーシュート量X1及び第2の駆動モードにおけるオーバーシュート量X2と比べて小さくなっている。

0044

第1の位置エンコーダ161a、第2の位置エンコーダ161bから得られる情報に基づいて、目標位置170までの位置偏差の値を所定の閾値と比較し、例えば、位置偏差の値が大きい場合、より大きな推力が得られる第1の駆動モードに設定する。逆に、位置偏差の値が小さく、目標停止位置が近い場合には、推力を低下させ、停止精度の向上が可能な第2の駆動モードに設定することで、状況に応じた動特性を得ることが可能となる。このように、第1の駆動モードと第2の駆動モードとを切り替えて駆動することにより、高い推力を得ると共に、同時駆動した際の制御性の低下を防止することができる。

0045

(実施例2)
以下に、本発明の実施例2における振動波モータについて、添付の図面を基に説明する。なお、本実施例2の振動波モータにおいて、前述した実施例1に係る第1の振動波モータ101a及び第2の振動波モータ101bと構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。

0046

図8(A)、(B)は、本発明の実施例2における第2の駆動モードの楕円運動の模式図を示す。なお、本実施例2において、第1の振動子105aの振動板103aは、接触部104aを備えており、第2の振動子105bの振動板103bは、接触部104bを備えている。

0047

図8(A)には、第1の振動子105aの接触部104aに発生する楕円運動の軌跡が実線で示されており、軌跡上の点P1a、P2a、P3a、P4aの順に楕円運動の軌跡が描かれる。図8(B)には、第2の振動子105bの接触部104bに発生する楕円運動の軌跡が実線で示されており、軌跡上の点P1b、P2b、P3b、P4bの順に楕円運動が描かれる。図8(A)、(B)において、P1aとP1b、P2aとP2b、P3aとP3b、P4aとP4bは、それぞれ同じ時間における接触部104a、接触部104bの位置を表している。

0048

接触部104aは、点P4aにおいて摩擦部材121に接触し、点P2aにおいて摩擦部材121から最も離れるように楕円運動を行う。接触部104aが摩擦部材121に接触している時には、第2の振動子105bの接触部104bは摩擦部材121に接触しないことで、第1の振動子105aの駆動を阻害せず、効率良く被駆動部材141に動力を伝達することができる。

0049

例えば、接触部104aが点P1a、P2a、P3a、P4aの順に軌跡を描くように楕円運動している時、接触部104bが点P1b、P2b、P3b、P4bの順に軌跡を描くように第2の振動子105bを駆動させる。そのように駆動させることで、第1の振動子105aの接触部104aが摩擦部材121と接触している時には、第2の振動子105bの接触部104bは摩擦部材121に接触しない。このように、第2の駆動モードにおいて、第1の振動子105aの接触部104aが摩擦部材121に接触するタイミングと、第2の振動子105bの接触部104bが摩擦部材121に接触するタイミングとが意図的に合わないようにしている。それにより、第2の振動子105bの接触部104bの楕円運動が第1の振動子105aの接触部104aの楕円運動を阻害せず、効率良く被駆動部材141に動力を伝達することができる。

0050

前述の構成によれば、振動波モータの目標位置に対する位置偏差により駆動モードを決定し、第1の駆動モードと第2の駆動モードとを切り替えて振動子を駆動するため、高い推力を得ると共に、制御性の低下を防止することができる。

0051

(実施例3)
以下に、本発明の実施例3について、添付の図面を基に説明する。図2(B)には、被駆動部材141が連結された状態の実施例1の振動波モータの正面図が示されると共に、実施例3の振動波モータが示されている。図2(B)に示されているZ方向の矢印は、それぞれ第1の振動波モータ101aの重心位置101aG、第2の振動波モータ101bの重心位置101bG及び駆動されるレンズ鏡筒などの構成部品としての被駆動部材141の重心位置WGである。なお、本実施例3の振動波モータについて、前述した実施例1に係る第1の振動波モータ101a及び第2の振動波モータ101bと構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。

0052

被駆動部材141の重心位置WGは、第1の振動波モータ101a及び第2の振動波モータ101bの中間位置からずれていることが考えられる。図2(B)には、第1の振動波モータ101aの重心位置101aGから被駆動部材141の重心位置WGまでのX方向における距離Laが示されている。また、第2の振動波モータ101bの重心位置101bGから被駆動部材141の重心位置WGまでのX方向における距離Lbが示されている。このように、距離Laよりも距離Lbの方が長いため、第2の振動波モータ101bには、第1の振動波モータ101aと比較して、より大きなモーメント負荷が働く。第2の駆動モードの際、もし、被駆動部材141の重心位置WGから距離Lbに位置する第2の振動波モータ101bが、図3(A)の楕円運動で被駆動部材141のX方向の移動に必要な動力を担うとすると、モーメント負荷の影響で駆動効率が低下する。

0053

本実施例3においては、第2の駆動モードの際、被駆動部材141の重心位置WGから距離Lb離れた第2の振動波モータ101bが加圧付勢方向の略直線運動を行い、距離Lbより近い距離Laに位置する第1の振動波モータ101aが楕円運動を行う。

0054

上記の構成によれば、モーメント負荷の影響がより小さい振動子が被駆動部材141のX方向の進退に必要な動力を担うようになり、モーメント負荷の影響による駆動効率の低下を防止することができる。以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

0055

101a、101b 第1の振動波モータ、第2の振動波モータ
103a振動板(弾性体)
102a、102b圧電素子
104a、104b 接触部
105a、105b振動子
111aバネ(加圧手段)
141被駆動部材(被駆動体)
121摩擦部材
151、152定在波
164駆動制御回路(駆動制御手段)
φα、φβ位相差
WG 重心位置

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • シチズン時計株式会社の「 電気機械変換器」が 公開されました。( 2018/06/21)

    【課題】可動部材を小型にしても出力が低下しにくい電気機械変換器を提供する。【解決手段】帯電部と対向電極との間の静電的な相互作用を利用して電力と動力の間の変換を行う電気機械変換器(1)は、固定基板(13... 詳細

  • シチズン時計株式会社の「 電気機械変換器」が 公開されました。( 2018/06/21)

    【課題】可動部材を小型にしても出力が低下しにくい電気機械変換器を提供する。【解決手段】帯電部と対向電極との間の静電的な相互作用を利用して電力と動力の間の変換を行う電気機械変換器は、回転軸の周りに回転可... 詳細

  • シチズン時計株式会社の「 電気機械変換器」が 公開されました。( 2018/06/21)

    【課題】可動部材を小型にしても出力が低下しにくい電気機械変換器を提供する。【解決手段】帯電部と対向電極との間の静電的な相互作用を利用して電力と動力の間の変換を行う電気機械変換器(1)は、第1の固定基板... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ