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技術 シングルキャリア方式の送信装置及び受信装置

出願人 日本放送協会
発明者 松崎敬文中川孝之
出願日 2015年9月14日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2015-180941
公開日 2017年3月23日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2017-059889
状態 特許登録済
技術分野 交流方式デジタル伝送 有線伝送方式及び無線の等化,エコーの低減 送信機
主要キーワード 内周とも 周波数補正後 尤度テーブル 複素回転 多数決判定処理 同期確保 デジタル中間周波信号 位相遷移
関連する未来課題
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図面 (8)

課題

変調波信号歪に起因する伝送性能劣化を改善するよう構成したシングルキャリア方式(SC-FDE方式)の送信装置及び受信装置を提供する。

解決手段

本発明の送信装置100は、シンボルブロックを構成し振幅一定のユニークワードを挿入するとともに振幅位相変調内周の1以上の理想信号点パイロット信号として挿入するブロック構成部103を備える。また、本発明の受信装置200は、送信装置100からの変調波を受信して得られる複素ベースバンド信号を基にシンボルブロックの同期を確保し、その周波数領域の信号からチャネル推定を経て周波数領域でのチャネル等化処理を行う周波数領域等化部210、当該パイロット信号を基にデマッピング及び尤度計算を行うための新たな基準信号点を生成する基準信号点生成部212、及び当該新たな基準信号点を用いたシンボル判定を基に、受信したデータを復号する復号部214を備える。

概要

背景

従来、放送通信等の固定伝送無線伝送システムでは、一つの搬送波を用いるシングルキャリア方式が広く用いられている。近年、シングルキャリア方式の中でも、周波数領域でチャネル等化伝搬路で生じた振幅位相の変化を元に戻す処理)を行うSC-FDE(Single Carrier-Frequency Domain Equalization)方式が提案されている(例えば、非特許文献1、及び特許文献1参照)。

SC-FDE方式は、ブロック単位チャネル推定とチャネル等化を行うことができるため、同じく周波数領域でチャネル等化を行うOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式のように、移動伝送時の高速チャネル変動にも追従させることができ、時間領域でチャネル等化を行うよりもチャネル変動に対する等化が容易になり耐性強化される。また、SC-FDE方式では、OFDM方式と同じようにガードインターバルを設けて、マルチパス環境におけるブロック間干渉を防ぐことができる。特に、SC-FDE方式では、ブロックの先頭を検出するブロック同期を行って、チャネル推定用ユニークワード固定パターンの信号)及びデータを抽出し、フーリエ変換により当該ユニークワード及びデータを周波数領域に変換してチャネル推定及びチャネル等化の処理を行う。その後、逆フーリエ変換によりデータを時間領域の信号に戻して、シンボル判定等の処理を行う。

シングルキャリア方式では、OFDM方式と比較して一般に、送信信号ピーク電力平均電力の比であるPAPR(Peak to Average Power Ratio)が小さいため、送信装置出力段で、電力増幅器高出力域で動作させることができ、これにより受信品質を向上させることができる。しかしながら、この電力増幅器を高出力域で動作させると、その入出力特性直線性が悪くなるため出力の振幅・位相に歪みが生じる。

即ち、送信装置側で電力増幅器を高出力域で動作させてデータ伝送を行い、受信装置側で当該ユニークワードにより推定したチャネル情報を基にデータのチャネル等化を行うと、マッピングに用いた16APSK(Amplitude Phase Shift Keying)等の信号点が、理想信号点からずれる現象が起こる。このずれは16APSKの外周側の信号点と内周側の信号点で異なる振幅ずれと位相ずれを生じる。このとき、受信装置側では、通常、理想信号点と等化後の信号とのユークリッド距離から誤り訂正のための尤度を計算するが、等化後の信号が理想信号点からずれる影響で尤度が正しく求まらなくなり、誤り率特性劣化する。

尚、16APSKはIQ軸のコンスタレーション上でそれぞれ振幅レベルが異なる1つの「外周」と1つの「内周」の信号点で構成されるが、例えば32APSKではそれぞれ振幅レベルが異なる「最外周」と2つの「内周」の信号点で構成されることから、本願明細書中、これら任意の振幅位相変調において、「最外周」と「内周」(1以上の内周)として表現する。

より具体的に、図6を参照して、電力増幅器の入出力特性における非線形歪について説明する。図6は、非線形歪を持つ一般的な電力増幅器(以下、「非線形電力増幅器」とも称する)の入出力特性の一例を示すグラフである。細い実線入力電力に対する理想的な出力電力、太い実線は入力電力に対する非線形電力増幅器の出力電力である。また、点線は、入力電力に応じた位相遷移を表している。電力増幅器は、入力電力に対し、細い実線のような常に一定の増幅利得となることが望ましいが、実際には太い実線のような特性となる。また、位相についても入力電力によらず、一定の遷移であることが望ましいが、実際には点線のように、入力電力が大きくなるほど位相遷移量は大きくなってしまう。

そして、同相軸(I軸)及び直角位相軸(Q軸)のコンスタレーション上で最外周と1以上の内周の信号点で構成される振幅位相変調用にマッピングされたシンボル変調信号を当該非線形電力増幅器にて増幅する際に、一般的に入力電力は変調信号の平均電力で規定される。なお、信号点の電力は振幅の2乗に比例する。ゆえに、大きな出力電力を得るために入力電力を大きくしていった場合、最外周の信号点は、内周の信号点よりも当該電力増幅器のより高出力域(非線形域)で動作することになる。このとき、マッピング時の理想信号点では最外周の或る信号点に対し同位相の関係にあった当該1以上の内周の信号点は、相対的に位相ずれが生じ、且つ当該1以上の内周の信号点の振幅が最外周の信号点の振幅へ近づく振幅ずれが生じた態様で当該非線形電力増幅器から変調波として出力される。

例えば、上記の図6に示す非線形電力増幅器から出力された16APSKの実信号点に関してシミュレーションにより求めたIQ軸のコンスタレーションを図7に示す。16APSKにおける最外周の信号点の振幅を当該電力増幅器の高出力域(非線形域)で動作させるとする。尚、内周又は最外周の円の中心からの距離が16APSKの変調波の振幅の2乗、つまり電力に対応する。このとき、当該非線形電力増幅器から出力された16APSKの最外周及び内周の実信号点は、図7に示すような信号点群となる。図7から、マッピング時の理想信号点では最外周の或る信号点に対し同位相の関係にあった内周の信号点は、実信号点となると、外周と内周との間で所定量の相対的な位相ずれが生じ、且つ当該内周の実信号点の平均的な振幅が最外周の実信号点の平均的な振幅(換言すれば、最外周の理想信号点の振幅)へ近づく方向に拡大する振幅ずれが生じていることが分かる。

このように理想信号点からずれた振幅位相変調の変調波を受信する受信装置側で、理想信号点と等化後の信号とのユークリッド距離から誤り訂正のための尤度を計算すると、等化後の信号が理想信号点からずれる影響で尤度が正しく求まらなくなり、誤り率特性が劣化することになる。

ところで、周波数領域でチャネル等化を行うシングルキャリア方式ではないが、衛星放送のシングルキャリア方式で電力増幅器(TWTA)を飽和に近い領域で動作させた場合に、同様な問題が発生することに対処する技法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。具体的に、特許文献2の技法では、送信装置側では予め規定された信号点配置周期的にパイロット信号を送信し、受信装置側では、受信したパイロット信号の信号点(第1の信号点配置)と、予め規定された理想信号点との振幅と位相の偏差を、同一の振幅及び位相を持つ信号点群で平均して、理想信号点に対してこの振幅と位相の偏差を加えて補正し、第2の信号点配置とする。更に、受信装置は、この第2の信号点配置に従って、LDPC(Low Density Parity Check)符号の復号に用いる尤度テーブルを生成するよう構成される。

概要

変調波の信号歪に起因する伝送性能の劣化を改善するよう構成したシングルキャリア方式(SC-FDE方式)の送信装置及び受信装置を提供する。本発明の送信装置100は、シンボルブロックを構成し振幅一定のユニークワードを挿入するとともに振幅位相変調の内周の1以上の理想信号点をパイロット信号として挿入するブロック構成部103を備える。また、本発明の受信装置200は、送信装置100からの変調波を受信して得られる複素ベースバンド信号を基にシンボルブロックの同期を確保し、その周波数領域の信号からチャネル推定を経て周波数領域でのチャネル等化処理を行う周波数領域等化部210、当該パイロット信号を基にデマッピング及び尤度計算を行うための新たな基準信号点を生成する基準信号点生成部212、及び当該新たな基準信号点を用いたシンボル判定を基に、受信したデータを復号する復号部214を備える。

目的

本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、変調波の信号歪に起因する伝送性能の劣化を改善するよう構成した周波数領域でチャネル等化を可能とするシングルキャリア方式の送信装置及び受信装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

周波数領域でのチャネル等化を可能とするシングルキャリア方式送信装置であって、伝送するデータについて予め信号点配置が定められた振幅位相変調理想信号点シンボルマッピングを行うマッピング手段と、前記マッピングされたシンボルを含む所定シンボル数のブロック単位となるようシンボルブロックを構成し、前記シンボルブロックの先頭及び末尾に、送受間既知であり、且つ前記振幅位相変調における最外周の振幅レベル合致する振幅推移する符号よりなる振幅一定の固定パターンユニークワードを挿入するとともに、前記シンボルブロック内に、前記振幅位相変調を構成する内周の振幅レベルに対応する1以上の理想信号点をパイロット信号として予め定めた位置で挿入する手段を有するブロック構成手段と、前記シンボルブロックのシンボルに関して直交変調を施し、変調信号を生成する直交変換手段と、前記変調信号を変調波として外部に送信するために電力増幅する電力増幅手段と、を備えることを特徴とする、シングルキャリア方式の送信装置。

請求項2

前記パイロット信号は、前記振幅位相変調を構成する内周の振幅レベルごとに、該内周の理想信号点数より少ない数で構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のシングルキャリア方式の送信装置。

請求項3

前記ユニークワードを構成する当該符号は、時間領域及び周波数領域における振幅が一定のCAZAC(Constant Amplitude, Zero Auto Correlation)系列からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシングルキャリア方式の送信装置。

請求項4

前記電力増幅手段は、前記振幅位相変調における最外周の信号点の振幅を非線形域で動作するよう増幅することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のシングルキャリア方式の送信装置。

請求項5

周波数領域でのチャネル等化を可能とするシングルキャリア方式の受信装置であって、請求項1から4のいずれか一項に記載のシングルキャリア方式の送信装置から当該変調波を受信し、前記直交変調に対応する直交復調を施し、複素ベースバンド信号を生成する直交復調手段と、前記ユニークワードの複素ベースバンド信号を基に前記シンボルブロックの同期を確保し、当該データ、前記ユニークワード、及び前記パイロット信号に関する時間領域の信号を抽出するブロック同期手段と、当該データ、前記ユニークワード、及び前記パイロット信号に関する時間領域の信号を周波数領域の信号に変換してチャネル推定を行い周波数領域の伝搬路情報を生成するチャネル推定手段と、前記伝搬路情報を用いて当該データ、前記ユニークワード、及び前記パイロット信号に関する周波数領域の信号について周波数領域でのチャネル等化処理を行う周波数領域等化手段と、当該チャネル等化処理後の当該データ、前記ユニークワード、及び前記パイロット信号に関する周波数領域の信号を時間領域の信号に変換する逆フーリエ変換手段と、該時間領域のパイロット信号を基に、当該データをデマッピング及び尤度計算を行うための新たな基準信号点を生成する基準信号点生成手段と、当該新たな基準信号点を用いてデマッピング及び尤度計算を実行することによりシンボル判定を行うシンボル判定手段と、前記シンボル判定の結果を基に当該伝送されたデータを復号する復号手段と、を備えることを特徴とする、シングルキャリア方式の受信装置。

請求項6

前記基準信号点生成手段は、前記振幅位相変調の外周については、該外周の理想信号点を当該尤度計算に用いる基準信号点とし、前記振幅位相変調の内周については、前記新たな基準信号点を当該尤度計算に用いる基準信号点として生成することを特徴とする、請求項5に記載のシングルキャリア方式の受信装置。

請求項7

前記パイロット信号は、前記振幅位相変調を構成する内周の振幅レベルごとに、該内周の理想信号点数より少ない数で構成されており、前記基準信号点生成手段は、前記パイロット信号から得られる新たな基準信号点を基に位相回転処理を施して、当該内周の全ての理想信号点に対応する新たな基準信号点を生成することを特徴とする、請求項5又は6に記載のシングルキャリア方式の受信装置。

技術分野

0001

本発明は、放送又は通信等の無線伝送システム使用可能な送信装置及び受信装置に関し、特に、周波数領域でのチャネル等化を可能とするシングルキャリア方式の送信装置及び受信装置に関する。

背景技術

0002

従来、放送や通信等の固定伝送の無線伝送システムでは、一つの搬送波を用いるシングルキャリア方式が広く用いられている。近年、シングルキャリア方式の中でも、周波数領域でチャネル等化(伝搬路で生じた振幅位相の変化を元に戻す処理)を行うSC-FDE(Single Carrier-Frequency Domain Equalization)方式が提案されている(例えば、非特許文献1、及び特許文献1参照)。

0003

SC-FDE方式は、ブロック単位チャネル推定とチャネル等化を行うことができるため、同じく周波数領域でチャネル等化を行うOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式のように、移動伝送時の高速チャネル変動にも追従させることができ、時間領域でチャネル等化を行うよりもチャネル変動に対する等化が容易になり耐性強化される。また、SC-FDE方式では、OFDM方式と同じようにガードインターバルを設けて、マルチパス環境におけるブロック間干渉を防ぐことができる。特に、SC-FDE方式では、ブロックの先頭を検出するブロック同期を行って、チャネル推定用ユニークワード固定パターンの信号)及びデータを抽出し、フーリエ変換により当該ユニークワード及びデータを周波数領域に変換してチャネル推定及びチャネル等化の処理を行う。その後、逆フーリエ変換によりデータを時間領域の信号に戻して、シンボル判定等の処理を行う。

0004

シングルキャリア方式では、OFDM方式と比較して一般に、送信信号ピーク電力平均電力の比であるPAPR(Peak to Average Power Ratio)が小さいため、送信装置の出力段で、電力増幅器高出力域で動作させることができ、これにより受信品質を向上させることができる。しかしながら、この電力増幅器を高出力域で動作させると、その入出力特性直線性が悪くなるため出力の振幅・位相に歪みが生じる。

0005

即ち、送信装置側で電力増幅器を高出力域で動作させてデータ伝送を行い、受信装置側で当該ユニークワードにより推定したチャネル情報を基にデータのチャネル等化を行うと、マッピングに用いた16APSK(Amplitude Phase Shift Keying)等の信号点が、理想信号点からずれる現象が起こる。このずれは16APSKの外周側の信号点と内周側の信号点で異なる振幅ずれと位相ずれを生じる。このとき、受信装置側では、通常、理想信号点と等化後の信号とのユークリッド距離から誤り訂正のための尤度を計算するが、等化後の信号が理想信号点からずれる影響で尤度が正しく求まらなくなり、誤り率特性劣化する。

0006

尚、16APSKはIQ軸のコンスタレーション上でそれぞれ振幅レベルが異なる1つの「外周」と1つの「内周」の信号点で構成されるが、例えば32APSKではそれぞれ振幅レベルが異なる「最外周」と2つの「内周」の信号点で構成されることから、本願明細書中、これら任意の振幅位相変調において、「最外周」と「内周」(1以上の内周)として表現する。

0007

より具体的に、図6を参照して、電力増幅器の入出力特性における非線形歪について説明する。図6は、非線形歪を持つ一般的な電力増幅器(以下、「非線形電力増幅器」とも称する)の入出力特性の一例を示すグラフである。細い実線入力電力に対する理想的な出力電力、太い実線は入力電力に対する非線形電力増幅器の出力電力である。また、点線は、入力電力に応じた位相遷移を表している。電力増幅器は、入力電力に対し、細い実線のような常に一定の増幅利得となることが望ましいが、実際には太い実線のような特性となる。また、位相についても入力電力によらず、一定の遷移であることが望ましいが、実際には点線のように、入力電力が大きくなるほど位相遷移量は大きくなってしまう。

0008

そして、同相軸(I軸)及び直角位相軸(Q軸)のコンスタレーション上で最外周と1以上の内周の信号点で構成される振幅位相変調用にマッピングされたシンボル変調信号を当該非線形電力増幅器にて増幅する際に、一般的に入力電力は変調信号の平均電力で規定される。なお、信号点の電力は振幅の2乗に比例する。ゆえに、大きな出力電力を得るために入力電力を大きくしていった場合、最外周の信号点は、内周の信号点よりも当該電力増幅器のより高出力域(非線形域)で動作することになる。このとき、マッピング時の理想信号点では最外周の或る信号点に対し同位相の関係にあった当該1以上の内周の信号点は、相対的に位相ずれが生じ、且つ当該1以上の内周の信号点の振幅が最外周の信号点の振幅へ近づく振幅ずれが生じた態様で当該非線形電力増幅器から変調波として出力される。

0009

例えば、上記の図6に示す非線形電力増幅器から出力された16APSKの実信号点に関してシミュレーションにより求めたIQ軸のコンスタレーションを図7に示す。16APSKにおける最外周の信号点の振幅を当該電力増幅器の高出力域(非線形域)で動作させるとする。尚、内周又は最外周の円の中心からの距離が16APSKの変調波の振幅の2乗、つまり電力に対応する。このとき、当該非線形電力増幅器から出力された16APSKの最外周及び内周の実信号点は、図7に示すような信号点群となる。図7から、マッピング時の理想信号点では最外周の或る信号点に対し同位相の関係にあった内周の信号点は、実信号点となると、外周と内周との間で所定量の相対的な位相ずれが生じ、且つ当該内周の実信号点の平均的な振幅が最外周の実信号点の平均的な振幅(換言すれば、最外周の理想信号点の振幅)へ近づく方向に拡大する振幅ずれが生じていることが分かる。

0010

このように理想信号点からずれた振幅位相変調の変調波を受信する受信装置側で、理想信号点と等化後の信号とのユークリッド距離から誤り訂正のための尤度を計算すると、等化後の信号が理想信号点からずれる影響で尤度が正しく求まらなくなり、誤り率特性が劣化することになる。

0011

ところで、周波数領域でチャネル等化を行うシングルキャリア方式ではないが、衛星放送のシングルキャリア方式で電力増幅器(TWTA)を飽和に近い領域で動作させた場合に、同様な問題が発生することに対処する技法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。具体的に、特許文献2の技法では、送信装置側では予め規定された信号点配置周期的にパイロット信号を送信し、受信装置側では、受信したパイロット信号の信号点(第1の信号点配置)と、予め規定された理想信号点との振幅と位相の偏差を、同一の振幅及び位相を持つ信号点群で平均して、理想信号点に対してこの振幅と位相の偏差を加えて補正し、第2の信号点配置とする。更に、受信装置は、この第2の信号点配置に従って、LDPC(Low Density Parity Check)符号の復号に用いる尤度テーブルを生成するよう構成される。

0012

特許第5624527号明細書
特許第5053302号明細書

先行技術

0013

D.Falconer, et al.,“Frequency domain equalization for single−carrier broadband wireless systems,”IEEE Commun. Mag., Vol.40, pp.58-66, April 2002.

発明が解決しようとする課題

0014

前述したように、周波数領域でチャネル等化を行うSC-FDE方式にて、送信装置の出力段で、電力増幅器を高出力域で動作させると、その入出力特性の直線性が悪くなるため出力の振幅・位相に歪みが生じ、このため受信装置側での尤度計算における精度が低下して誤り率特性が劣化するという問題がある。

0015

一方、この周波数領域でチャネル等化を行うSC-FDE方式にて、特許文献2の技法を適用すると、送信装置は、振幅位相変調における最外周及び1以上の内周の全ての理想信号点に対応する信号点配置でパイロット信号を生成して送信し、受信装置は、既知の理想信号点からの振幅と位相の偏差を同一の振幅を持つ信号点群で平均して計算し、この偏差を理想信号点に加えて、尤度計算のための新たな基準信号点とすることになる。この方法では、平均化に要する時間がかかるため、起動時間や移動伝送で信号が途切れてからの復帰時間が遅くなり、パイロット信号の送信回数に応じて伝送容量が低下するという問題が生じる。

0016

本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、変調波の信号歪に起因する伝送性能の劣化を改善するよう構成した周波数領域でチャネル等化を可能とするシングルキャリア方式の送信装置及び受信装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0017

本発明の送信装置は、周波数領域でチャネル等化を可能とするシングルキャリア方式の送信装置として構成される。特に、従来のような送受間で既知の固定パターンにより任意に構成される単なるユニークワードとは相違して、本発明では、送受間で既知であり、且つ振幅位相変調における最外周の振幅レベルと合致する振幅で推移する符号よりなる振幅一定の固定パターンによりユニークワードを構成し、受信側における周波数領域のチャネル等化の処理前に、所定シンボル数のブロック単位のチャネル推定を可能にする。ここで、当該符号は、Frank−Zadoff符号、又はChu符号等の時間領域及び周波数領域における振幅が一定のCAZAC(Constant Amplitude, Zero Auto Correlation)系列とすることができる。このようなCAZAC系列の符号は、時間領域及び周波数領域における振幅が一定であるとともに、周期的自己相関特性が優れている。また、本発明の送信装置は、振幅位相変調における内周の1つ以上の理想信号点に対応するパイロット信号を生成し、当該所定シンボル数のブロックに挿入して送信する。特に、複数の内周の信号点を有する振幅位相変調では、各内周の振幅レベルに応じて、各内周の1つ以上の理想信号点に対応するパイロット信号を生成し、当該所定シンボル数のブロックに挿入して送信する。

0018

また、本発明の受信装置は、周波数領域でチャネル等化を可能とするシングルキャリア方式の受信装置として構成される。特に、本発明では、周波数領域で等化された信号から当該パイロット信号を取り出し、取り出したパイロット信号から得られる基準信号点を基に、当該振幅位相変調における内周の全ての理想信号点に対応する基準信号点群を生成し、得られた基準信号点群を基に誤り訂正のための尤度を算出する。つまり、複数の内周の信号点を有する振幅位相変調では、各内周の振幅レベルに応じて、各内周の1つ以上の理想信号点に対応するパイロット信号を取り出し、取り出したパイロット信号から得られる基準信号点を基に、当該振幅位相変調における各内周の全ての理想信号点に対応する基準信号点群を生成する。尚、パイロット信号から得られる基準信号点を基に各内周の全ての理想信号点に対応する基準信号点群を生成するには、当該位相変調方式の理想信号点の位相関係を基に、位相回転処理を施すことで生成する。

0019

即ち、本発明の送信装置は、周波数領域でのチャネル等化を可能とするシングルキャリア方式の送信装置であって、伝送するデータについて予め信号点配置が定められた振幅位相変調の理想信号点のシンボルにマッピングを行うマッピング手段と、前記マッピングされたシンボルを含む所定シンボル数のブロック単位となるようシンボルブロックを構成し、前記シンボルブロックの先頭及び末尾に、送受間で既知であり、且つ前記振幅位相変調における最外周の振幅レベルと合致する振幅で推移する符号よりなる振幅一定の固定パターンのユニークワードを挿入するとともに、前記シンボルブロック内に、前記振幅位相変調を構成する内周の振幅レベルに対応する1以上の理想信号点をパイロット信号として予め定めた位置で挿入する手段を有するブロック構成手段と、前記シンボルブロックのシンボルに関して直交変調を施し、変調信号を生成する直交変換手段と、前記変調信号を変調波として外部に送信するために電力増幅する電力増幅手段と、を備えることを特徴とする。

0020

また、本発明の送信装置において、前記パイロット信号は、前記振幅位相変調を構成する内周の振幅レベルごとに、該内周の理想信号点数より少ない数で構成されていることを特徴とする。

0021

また、本発明の送信装置において、前記ユニークワードを構成する当該符号は、時間領域及び周波数領域における振幅が一定のCAZAC系列からなることを特徴とする。

0022

また、本発明の送信装置において、前記電力増幅手段は、前記振幅位相変調における最外周の信号点の振幅を非線形域で動作するよう増幅することを特徴とする。

0023

更に、本発明の受信装置は、周波数領域でのチャネル等化を可能とするシングルキャリア方式の受信装置であって、本発明のシングルキャリア方式の送信装置から当該変調波を受信し、前記直交変調に対応する直交復調を施し、複素ベースバンド信号を生成する直交復調手段と、前記ユニークワードの複素ベースバンド信号を基に前記シンボルブロックの同期を確保し、当該データ、前記ユニークワード、及び前記パイロット信号に関する時間領域の信号を抽出するブロック同期手段と、当該データ、前記ユニークワード、及び前記パイロット信号に関する時間領域の信号を周波数領域の信号に変換してチャネル推定を行い周波数領域の伝搬路情報を生成するチャネル推定手段と、前記伝搬路情報を用いて当該データ、前記ユニークワード、及び前記パイロット信号に関する周波数領域の信号について周波数領域でのチャネル等化処理を行う周波数領域等化手段と、当該チャネル等化処理後の当該データ、前記ユニークワード、及び前記パイロット信号に関する周波数領域の信号を時間領域の信号に変換する逆フーリエ変換手段と、該時間領域のパイロット信号を基に、当該データをデマッピング及び尤度計算を行うための新たな基準信号点を生成する基準信号点生成手段と、当該新たな基準信号点を用いてデマッピング及び尤度計算を実行することによりシンボル判定を行うシンボル判定手段と、前記シンボル判定の結果を基に当該伝送されたデータを復号する復号手段と、を備えることを特徴とする。

0024

また、本発明の受信装置において、前記基準信号点生成手段は、前記振幅位相変調の外周については、該外周の理想信号点を当該尤度計算に用いる基準信号点とし、前記振幅位相変調の内周については、前記新たな基準信号点を当該尤度計算に用いる基準信号点として生成することを特徴とする。

0025

また、本発明の受信装置において、前記パイロット信号は、前記振幅位相変調を構成する内周の振幅レベルごとに、該内周の理想信号点数より少ない数で構成されており、前記基準信号点生成手段は、前記パイロット信号から得られる新たな基準信号点を基に位相回転処理を施して、当該内周の全ての理想信号点に対応する新たな基準信号点を生成することを特徴とする。

発明の効果

0026

本発明によれば、例えば送信装置の高出力運用時(送信装置の出力段に設けられる電力増幅器が非線形歪を持つ入出力特性を有する場合)など、送信装置から出力される変調波に信号歪が生じる際に、受信装置は、その信号歪に起因する伝送性能の劣化を改善することができる。

図面の簡単な説明

0027

本発明による一実施形態の送信装置の概略構成を示すブロック図である。
本発明に係る一実施例のSC-FDE方式のシンボルブロックの構成を示す図である。
(a),(b)は、それぞれ16APSK,32APSKにおける本発明に係る一実施例のパイロット信号を説明するためのIQ軸のコンスタレーションを示す図である。
本発明による一実施形態の受信装置の概略構成を示すブロック図である。
本発明に係る一実施例のパイロット信号を基に生成される新たな基準信号点を説明するためのIQ軸のコンスタレーションを示す図である。
非線形歪を持つ一般的な電力増幅器の入出力特性の一例を示すグラフである。
図6に示す非線形電力増幅器から出力された16APSKの実信号点に関してシミュレーションにより求めたIQ軸のコンスタレーションを示す図である。

実施例

0028

以下、図面を参照して、本発明による一実施形態の送信装置及び受信装置を詳細に説明する。

0029

〔送信装置〕
図1は、本発明による一実施形態の送信装置100の概略構成を示すブロック図である。本実施形態の送信装置100は、周波数領域でチャネル等化を行うシングルキャリア方式(SC-FDE方式)の送信装置として構成され、送信前処理部101、マッピング部102、SC-FDEブロック構成部103、UW挿入部131、パイロット信号挿入部132、アップサンプリング部104、波形整形部105、デジタル直交変調部106、DA変換部107、周波数変換部108、電力増幅部109、及び送信アンテナ110を備える。

0030

送信前処理部101は、伝送すべき情報ビット系列(以下、包括的に「データ」と称する)に対して、エネルギー拡散処理、誤り訂正のための誤り訂正符号化処理、及びインターリーブ処理等の前処理を行うことで符号化ビット系列を構成し、マッピング部102に出力する。この前処理は、任意のエネルギー拡散処理、誤り訂正符号化処理、及びインターリーブ処理等を適用することができる。

0031

マッピング部102は、送信前処理部101によって前処理が行われた符号化ビット系列に対して、16APSK、32APSK及び64APSK等の、予め信号点配置が定められた振幅位相変調の理想信号点のシンボルにマッピングを行う。尚、16APSKはIQ軸のコンスタレーション上でそれぞれ振幅レベルが異なる1つの「外周」と1つの「内周」の信号点で構成されるが、例えば32APSKではそれぞれ振幅レベルが異なる「最外周」と2つの「内周」の信号点で構成されることから、本願明細書中、これら任意の振幅位相変調において、「最外周」と「内周」(1以上の内周)として表現しており、その任意の振幅位相変調におけるマッピング時のコンスタレーションは、本願明細書で例示する態様に限定する必要はない点に留意する。

0032

SC-FDEブロック構成部103は、所定シンボル数のブロック単位となるよう、SC-FDE方式のシンボルブロック(以下、「SC-FDEブロック」とも称する)を構成し、このSC-FDEブロック内に、伝送するデータを格納するよう構成される。特に、SC-FDEブロック構成部103は、本発明に係るUW挿入部131及びパイロット信号挿入部132を備えている。

0033

UW挿入部131は、SC-FDEブロック内に、本発明に係るユニークワード(以下、単に「UW」とも称する)を挿入する機能部である。ここで、従来から知られるユニークワードでは、送受間で既知の固定パターンにより任意に構成されるものであるが、本発明に係るユニークワードは、送受間で既知であり、且つ振幅位相変調における最外周の振幅レベルと合致する振幅で推移する符号よりなる振幅一定の固定パターンにより構成される。これにより、詳細は後述するが、受信側における周波数領域のチャネル等化の処理前に、所定シンボル数のブロック単位のチャネル推定を可能にする。ここで、UWの当該符号は、Frank−Zadoff符号やChu符号等の時間領域及び周波数領域における振幅が一定のCAZAC系列を用いることができる。このようなCAZAC系列の符号は、時間領域及び周波数領域における振幅が一定であるとともに、周期的自己相関特性が優れている。

0034

パイロット信号挿入部132は、SC-FDEブロック内に、振幅位相変調における1以上の内周の理想信号点の各振幅レベルに対応する送受間で既知とする1以上の理想信号点をパイロット信号として予め定めた位置で常に挿入する機能部である。尚、挿入されるパイロット信号は、当該SC-FDEブロック内のデータに対する振幅位相変調の内周の1以上の理想信号点を示すIQ信号よりなる。

0035

図2に、本発明に係る一実施例のSC-FDE方式のシンボルブロック(SC-FDEブロック)の構成を示している。従来からのSC-FDEブロックは、その先頭及び末尾で同一パターンのガードインターバルとして機能するNシンボルのUWが挿入され、その他の領域に伝送するデータが配置されるが、本発明に係るSC-FDEブロックには、その先頭及び末尾で同一パターンのガードインターバルとして機能するNシンボルの本発明に係るUWが挿入される。UWの振幅レベルは、データのシンボルがマッピングされている振幅位相変調における最外周の円を構成する振幅レベルと合わせている。これにより、受信装置側での周波数領域におけるチャネル等化後のIQ信号点(実信号点)の最外周が、当該最外周の理想信号点と一致するようになる。

0036

また、本発明に係るSC-FDEブロックには、予め定めた位置に、振幅位相変調における1以上の内周の理想信号点の各振幅レベルに対応する1以上の理想信号点に対応するLシンボルのパイロット信号が挿入される。図2に示す例では、従来では(M−N)シンボルのデータ領域であった領域内に、予め定めた位置で、Lシンボルのパイロット信号が挿入された際の構成を示している。このため、図2に示す例では、データ領域は(M−N−L)シンボルとなる。また、パイロット信号は、データ領域の任意の位置へ挿入可能であり、パイロット信号として送信する理想信号点、シンボル数及び挿入位置は、受信装置と共有しているものとする。更に、UW挿入部131及びパイロット信号挿入部132は、これら処理を逆にしても同様の処理結果が得られる。

0037

特に、パイロット信号挿入部132は、図3(a)に示す振幅レベルR2の最外周と振幅レベルR1(<R2)の内周の理想信号点よりなる16APSKを例にすると、内周の4点の理想信号点の全てをパイロット信号として挿入してもよいが、当該内周のいずれか送受間で既知の1点の理想信号点をパイロット信号として挿入するよう構成することができる。このパイロット信号は、後述する受信装置200側における誤り訂正復号時の尤度計算に必要な基準信号点として利用され、例えば、受信装置200は、その内周のいずれか送受間で既知の1点の理想信号点を基に生成されたパイロット信号から基準信号点を生成し、更に他の3点の理想信号点に対応する基準信号点を位相回転処理により生成することができる。これにより、より多くのデータ領域を確保することができ、伝送効率を高めることができる。

0038

同様に、図3(b)に示す振幅レベルR3の最外周と振幅レベルR1,R2(R1<R2<R3)の第1及び第2内周の理想信号点よりなる32APSKを例にすると、パイロット信号挿入部132は、第1及び第2内周の理想信号点の全てをパイロット信号として挿入してもよいが、当該第1及び第2内周の各々にて、いずれか送受間で既知の1点の理想信号点をパイロット信号として挿入するよう構成することができる。そして、受信装置200は、その各内周のいずれか送受間で既知の1点の理想信号点を基に生成されたパイロット信号から各内周の基準信号点を生成し、更に内周ごとに他の理想信号点に対応する基準信号点群を当該32APSKの位相関係を基にした位相回転処理により生成することができる。

0039

図1を参照するに、SC-FDEブロック構成部103により構成されたSC-FDEブロックは、アップサンプリング部104に出力される。

0040

アップサンプリング部104は、SC-FDEブロックのシンボルについて2倍アップサンプリングを行う機能部である。

0041

波形整形部105は、2倍アップサンプリングされたSC-FDEブロックのシンボルに対し帯域制限フィルタ処理を施し波形整形を行う機能部である。帯域制限フィルタとしては、ルートロールオフフィルタ通常用いられる。

0042

デジタル直交変調部106は、波形整形された2倍アップサンプリング後のSC-FDEブロックのシンボルに対しデジタル直交変調処理を施し、後段のDA変換部107におけるデジタルアナログ変換によるアパーチャ効果を予め補正するアパーチャ補正を行って、そのアパーチャ補正後デジタル信号デジタル変調信号)をDA変換部107に出力する。

0043

DA変換部107は、当該アパーチャ補正後のデジタル信号(デジタル変調信号)をアナログ信号アナログ変調信号)に変換し、周波数変換部108へ出力する。

0044

周波数変換部108は、入力されたアナログ信号(アナログ変調信号)の周波数を無線周波数に周波数変換して無線周波数信号高周波変調信号)の変調波を生成し、電力増幅部109へ出力する。

0045

電力増幅部109は、規定の電力になるよう入力された無線周波数信号(高周波変調信号)を増幅し、送信アンテナ110からシングルキャリアの無線周波数信号を送信する。特に、電力増幅部109は、図6に例示するような非線形歪を持つ入出力特性を有するのが一般的である。そして、本実施形態における電力増幅部109は、振幅位相変調の最外周の信号点の振幅を当該電力増幅器の非線形域(高出力域)で動作させるよう構成されている。

0046

従って、電力増幅部109を経て出力される変調波は、例えば16APSKの例では、図7を参照して説明したように、マッピング時における理想信号点では最外周の或る信号点に対し同位相の関係にあった当該内周の信号点は、実信号点となると、外周と内周との間で所定量の相対的な位相ずれが生じ、実信号点の平均的な振幅に基づく内周は、マッピング時の理想信号点の内周よりも拡大し、当該内周の実信号点の振幅が最外周の実信号点の振幅へ近づく振幅ずれが生じた態様で出力される。

0047

ただし、本実施形態の送信装置100は、当該振幅一定の固定パターンによりユニークワードを構成し、SC-FDEブロックの先頭及び末尾に挿入し、且つ振幅位相変調における内周の1つ以上の理想信号点に対応するパイロット信号を生成して予め定めた位置でSC-FDEブロック内に常に挿入して送信するため、以下に説明するように、受信装置側における周波数領域のチャネル等化の処理前に、所定シンボル数のブロック単位のチャネル推定を可能にしている。

0048

〔受信装置〕
図4は、本発明による一実施形態の受信装置200の概略構成を示すブロック図である。本実施形態の受信装置200は、送信装置100から伝送された変調波を受信し、周波数領域でチャネル等化を行うシングルキャリア方式(SC-FDE方式)の受信装置として構成される。尚、このようなSC-FDE方式の受信装置200として、ダイバーシチ合成処理を可能にするべく受信ブランチ数を2以上とすることができるが、ここでは、受信ブランチ数を1とする例を説明する。

0049

本実施形態の受信装置200は、受信アンテナ201、周波数変換部202、AD変換部203、デジタル直交復調部204、帯域制限フィルタ部205、ブロック同期部206、自動周波数制御部207、フーリエ変換部208、チャネル推定部209、周波数領域等化部210、逆フーリエ変換部211、基準信号点生成部212、シンボル判定部213、及び復号部214を備える。

0050

周波数変換部202は、受信アンテナ201を介して、送信装置100からシングルキャリアの無線周波信号を受信すると、その無線周波数を中間周波数に周波数変換し、この中間周波信号をAD変換部203に出力する。

0051

AD変換部203は、周波数変換部202から入力されたアナログ中間周波信号をデジタル中間周波信号へ変換し、デジタル直交復調部204へ出力する。

0052

デジタル直交復調部204は、AD変換部203から得られるデジタル中間周波信号から、自動周波数制御部207からの周波数ずれを補正するための補正情報を基に周波数ずれを補正し直交復調した複素ベースバンド信号(データ、パイロット信号、及びUWのIQ信号を含む)を生成し、周波数補正後の複素ベースバンド信号を帯域制限フィルタ部205に出力する。

0053

帯域制限フィルタ部205は、デジタル直交復調部204から当該直交復調した複素ベースバンド信号を入力し、フィルタ処理により帯域制限を行い、帯域制限した複素ベースバンド信号をブロック同期部206に出力する。帯域制限フィルタとしては、ルートロールオフ特性を有するフィルタが通常用いられる。

0054

ブロック同期部206は、帯域制限フィルタ部205から帯域制限された複素ベースバンド信号(データ、パイロット信号、及びUWのIQ信号を含む)を入力し、UWの部分(Nシンボル)のIQ信号を基にSC-FDEブロックの同期タイミングを検出して同期確保し、先頭のUWの部分(Nシンボル)に関する時間領域の信号と、その後の「パイロット信号、データ、及びUWの部分」(Mシンボル)に関する時間領域の信号をそれぞれ2倍速にて抽出する。また、ブロック同期部206は、自動周波数制御部207における自動周波数制御のための補正情報の生成のために、位相差情報を生成し、自動周波数制御部207に出力する。

0055

自動周波数制御部207は、ブロック同期部206から位相差情報を入力し、この位相差情報から周波数ずれを補正するための補正情報を生成し、生成した補正情報をデジタル直交復調部204に出力する。

0056

フーリエ変換部208は、ブロック同期部206で抽出した「パイロット信号、データ、及びUW」の領域の2倍速分(2×Mシンボル分)の時間領域の信号に対してフーリエ変換を行うことにより、当該時間領域の信号を周波数領域の信号に変換し周波数領域等化部210へ出力する。

0057

チャネル推定部209は、ブロック同期部206で抽出した、SC-FDEブロックの先頭の2倍速分(2×Nシンボル分)のUWの部分の時間領域の信号に対してフーリエ変換を行うことにより、当該時間領域の信号を周波数領域の信号に変換し、この変換後に得られる周波数領域のUWに対して予め既知の周波数領域のUWを参照信号として用いてチャネル推定を行う。チャネル推定によって得られた伝搬路情報は周波数領域等化部210へ出力される。

0058

周波数領域等化部210は、フーリエ変換部208から「パイロット信号、データ、及びUW」に関する周波数領域の信号を入力するとともに、チャネル推定部209から周波数領域の伝搬路情報を入力して、周波数領域でのチャネル等化処理を行う。周波数領域でチャネル等化された「パイロット信号、データ、及びUW」に関する周波数領域の信号は、逆フーリエ変換部211へ出力される。

0059

逆フーリエ変換部211は、入力された等化処理後の周波数領域の「パイロット信号、データ、及びUW」の信号に対して逆フーリエ変換を行うことにより、「パイロット信号、データ、及びUW」からなる時間領域の信号を生成し、基準信号生成部212、及びシンボル判定部213へ出力する。

0060

基準信号点生成部212は、「パイロット信号、データ、及びUW」からなる時間領域の信号から当該時間領域のパイロット信号を抽出し、この当該時間領域のパイロット信号を基に、データをデマッピング及び尤度計算を行うための新たな基準信号点を生成し、シンボル判定部213へ出力する。本発明に係る基準信号点生成部212の詳細は、後述する。

0061

シンボル判定部213は、逆フーリエ変換部211から入力された「パイロット信号、データ、及びUW」の信号からなる時間領域の信号からデータの信号を抽出するとともに、本発明に係る基準信号点生成部212から入力された新たな基準信号点を用いて、デマッピング及び尤度計算を実行することによりシンボル判定を行い、該シンボル判定の結果に応じて、シンボルを構成する情報ビット系列(誤り訂正の符号化が施されているデータ)を形成し、復号部214へ出力する。

0062

復号部214は、送信装置100に対応したデインターリーブ処理誤り訂正復号処理、及びエネルギー逆拡散処理等を行い、シンボル判定部213から得られる情報ビット系列(誤り訂正の符号化が施されているデータ)を復号し出力する。

0063

次に、16APSKを例に、図5を参照して、本発明に係る基準信号点生成部212の詳細を説明する。理想信号点の各IQ座標は、変調方式(本例では16APSK)で定まるものであり送信側・受信側で不変である。基準信号点生成部212は、「パイロット信号、データ、及びUW」からなる時間領域の信号から、送信装置100側と共有しているパイロット信号の既知のIQ座標位置、長さ、及び対応する理想信号点の情報を基に、16APSKの内周側に挿入されていたパイロット信号(送信側で挿入した理想信号点のIQ信号)を取り出し、そのIQ座標を新たな基準信号点として定める。このパイロット信号から生成した新たな基準信号点は、上述した電力増幅部109(非線形電力増幅器)を介して送信側から伝送された信号を受信し周波数領域等化部210による周波数領域での等化処理を経ることで、その送信側で挿入した内周の理想信号点のIQ座標からシフトしたものとなる(例えば、図5に図示する信号点A)。続いて、基準信号点生成部212は、パイロット信号を基に生成した新たな基準信号点に対して、本例では信号点Aに対して、図5に示すように、複素回転処理(即ち位相回転処理)をπ/2、π、3π/2または−π/2だけ行い、他の理想信号点に対応する新たな基準信号点を生成する。このように、内周の理想信号点を尤度計算に用いる基準信号点とはせず、本発明に係るパイロット信号から新たな基準信号点を定めるよう構成することで、実信号点の平均的な位置に合致するIQ座標で基準信号点が得られるため、シンボル判定部213における尤度計算の精度が向上する。

0064

特に、本発明では、16APSKの最外周の信号点については、16APSKの最外周と等しい振幅レベルのUWを用いていることから、当該最外周の理想信号点の位置まで実信号点のIQ信号が等化されていることになり、基準信号点生成部212は、パイロット信号を利用することなく、最外周の理想信号点の位置をそのまま基準信号点として用いることができる。このようにして生成された基準信号点は、図5から分かるように、外周及び内周ともに、その相対的な振幅ずれ及び位相ずれが生じているにも関わらず、実信号点の平均的な位置に合致するIQ座標で基準信号点が得られていることが分かる。

0065

尚、このパイロット信号は、当該内周の4点全ての理想信号点について送信されているときは、それぞれの理想信号点に対応する新たな基準信号点を生成する。また、当該内周の2点以上の理想信号点についてこのパイロット信号が送信されているときに、各理想信号点に対応する新たな基準信号点の位置について、当該理想信号点の位相関係を基に平均化することや、多数決判定処理を経て補正するよう構成してもよい。また、当該内周のいずれか送受間で既知の1点の理想信号点のみをパイロット信号として挿入するよう構成することができ、受信装置200は、その内周のいずれか送受間で既知の1点の理想信号点を基に生成されたパイロット信号から基準信号点を生成し、更に他の3点の理想信号点に対応する基準信号点を位相回転処理により生成することができるため、より多くのデータ領域を確保することができ、伝送効率を高めることができる。

0066

以上のように、本実施形態の送信装置100及び受信装置200によれば、例えば送信装置100の高出力運用時(送信装置100の出力段に設けられる電力増幅器109が非線形歪を持つ入出力特性を有する場合)など、送信装置100から出力される変調波に信号歪が生じる際に、受信装置200は、その信号歪に起因する伝送性能の劣化を改善することができる。

0067

そして、本発明に係る周波数領域でチャネル等化を行うシングルキャリア方式(SC-FDE方式)の受信装置200は、本発明に係る送信装置100によって挿入されたパイロット信号から得られる基準信号点をブロック単位で算出するため、起動時間や移動伝送で信号が途切れてからの復帰時間に影響がないという利点を維持することができる。

0068

また、本発明に係るユニークワードでは、その振幅を16APSKや32APSKなど、データのシンボルがマッピングされている振幅位相変調の最外周の円を構成する振幅レベルと合わせているため、受信装置200は、周波数領域における等化により最外周の基準信号点については理想信号点に近づけることができる。このため、振幅位相変調における全ての理想信号点に対応するパイロット信号を送信する必要がなくなり、内周に関してのみ理想信号点に対応するパイロット信号を送信すればよくなるため、送信可能な情報量の低下を抑えることが可能となり、伝送効率を高めることができる。

0069

特に、本発明に係る送信装置100は、振幅位相変調における1以上の内周に関して理想信号点をパイロット信号として送信する際に、各内周の振幅レベルに対し、1つずつ理想信号点に対応するパイロット信号とし送信することができ、受信装置200は、各振幅レベルの信号点に対して当該振幅位相変調における所定量の位相回転を施す位相回転処理により、その他の理想信号点に対応する基準信号点を生成することができる。このため、より少ないパイロット信号で振幅位相変調における内周の全ての理想信号点に対応する基準信号点の生成が可能となり、情報量の低下を更に抑え、より伝送効率を高めるよう構成することができる。

0070

以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述した例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、本発明に係る送信装置及び受信装置は、周波数領域でチャネル等化を行う場合に限らず、ダイバーシチ合成処理を行うシングルキャリア方式の送信装置及び受信装置にも適用可能である。また、上述した実施形態の例では、電力増幅器109で非線形歪の影響を受けるときの例を説明したが、伝送路上で生じる信号歪に対しても、その悪影響を抑圧させる効果がある。

0071

本発明におけるシングルキャリア方式の送信装置及び受信装置によれば、振幅及び位相変化の影響がある場合にも、受信装置側で精度よく復号できるようになるので、シングルキャリア方式に基づいた放送又は通信等の無線伝送システムに有用である。

0072

100シングルキャリア方式の送信装置
101送信前処理部
102マッピング部
103 SC-FDEブロック構成部
131 UW挿入部
132パイロット信号挿入部
104アップサンプリング部
105波形整形部
106デジタル直交変調部
107DA変換部
108周波数変換部
109電力増幅部
110送信アンテナ
200 シングルキャリア方式の受信装置
201受信アンテナ
202 周波数変換部
203AD変換部
204デジタル直交復調部
205帯域制限フィルタ部
206ブロック同期部
207自動周波数制御部
208フーリエ変換部
209チャネル推定部
210周波数領域等化部
211逆フーリエ変換部
212基準信号点生成部
213シンボル判定部
214復号部

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