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技術 太陽光発電システム、電源装置及び太陽光発電手段の診断方法

出願人 田淵電機株式会社
発明者 山内裕司新谷昌孝岡本光央清水幸浩
出願日 2015年9月18日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2015-185066
公開日 2017年3月23日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-059122
状態 特許登録済
技術分野 光起電力装置 電気的変量の制御(交流、直流、電力等) 交流の給配電 個々の半導体装置の試験
主要キーワード V曲線 出力性能低下 確認記録 検出値データ 設置期間 全天日射計 絶対値差 標準試験条件
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

特別な計測装置を用いることなく太陽光発電手段の出力性能をより正確に診断する。

解決手段

太陽光発電システム1は、制御部44が、太陽光発電手段2の動作点MPPT制御時よりも大きく移動させ、移動した動作点において、検出手段から入力電流及び入力電圧検出値を取得し、統括制御部7が、その検出値に基づいて太陽光ストリング20の日射強度及び温度の少なくともいずれか一方を推定し、その推定値を用いて太陽光ストリング20の出力性能を診断するように構成した。

概要

背景

太陽光発電システムにおいて、太陽光パネルの異常は、発電量の低下につながり、その状態が続くと逸失利益が増加する。したがって、太陽光パネルや、該太陽光パネルを複数組み合わせた太陽光ストリングの異常を早期に発見したり、発電性能劣化傾向を示して保障ベル以下になったことを速やかに判定したりすることが重要である。

ところで、太陽光パネルや太陽光ストリング(以下、これらをまとめて太陽光発電手段ともいう)の発電電力は、受光日射強度及び素子温度によって規定される。一般的に、太陽光発電手段は屋外に設置され、日射強度は刻一刻と変化するとともに、太陽光発電手段を構成する太陽電池の素子温度も日射強度、気温、風等によって刻々と変化する。

したがって、従来、太陽光発電手段の異常診断のためには、日射強度及び素子温度の変化を観測するために、全天日射計及び温度計が必要であった。例えば、特許文献1では、計測データ取得手段によって太陽電池周辺日射量及び温度を計測し、該計測された環境データを用いて最大動作点推定し、太陽電池が異常状態であるか否かを判定している。

概要

特別な計測装置を用いることなく太陽光発電手段の出力性能をより正確に診断する。太陽光発電システム1は、制御部44が、太陽光発電手段2の動作点MPPT制御時よりも大きく移動させ、移動した動作点において、検出手段から入力電流及び入力電圧検出値を取得し、統括制御部7が、その検出値に基づいて太陽光ストリング20の日射強度及び温度の少なくともいずれか一方を推定し、その推定値を用いて太陽光ストリング20の出力性能を診断するように構成した。

目的

本発明は、日射計、温度計等の特別な計測装置を用いることなく太陽光発電手段の出力性能をより正確に診断することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

太陽光発電手段と、該太陽光発電手段の出力を変換する電源装置と、該電源装置を制御する制御部とを備える太陽光発電システムであって、前記電源装置は、前記太陽光発電手段の出力端子間に設けられたスイッチ手段と、前記太陽光発電手段からの入力電流及び入力電圧を検出する検出手段とを有し、前記制御部は、通常モードにおいて、前記スイッチ手段のオンオフ制御により前記太陽光発電手段の動作点を移動させて最大電力点を探索するMPPT(Maximum Power Point Tracking)制御を行う一方、前記太陽光発電手段の診断モードにおいて、前記動作点を前記MPPT制御時よりも大きく移動させ、所定の期間内に前記最大電力点及び前記移動した動作点における前記検出手段からの検出値を取得し、前記移動した動作点における検出値に基づいて前記太陽光発電手段の日射強度及び温度の少なくともいずれか一方を推定し、該推定値に基づいて予め定められている基準最大電力補正し、該補正された補正最大電力値及び前記最大電力点における検出値に基づいて前記太陽光発電手段の出力性能診断することを特徴とする太陽光発電システム。

請求項2

請求項1記載の太陽光発電システムにおいて、前記制御部は、前記診断モードにおいて、前記動作点を少なくとも、前記最大電力点よりも電流の低い第1動作点及び前記最大電力点よりも電圧の低い第2動作点に移動させ、前記第1動作点における前記検出手段の検出値に基づいて前記太陽光発電手段の開放電圧値を取得し、該開放電圧値から前記太陽光発電手段の温度を推定するとともに、前記第2動作点における前記検出手段の検出値に基づいて前記太陽光発電手段の短絡電流値を取得し、該短絡電流値から前記太陽光発電手段の日射強度を推定することを特徴とする太陽光発電システム。

請求項3

請求項2記載の太陽光発電システムにおいて、前記制御部は、前記診断モードにおいて、前記第1動作点を開放端まで移動させて前記検出手段の検出により開放電圧値を直接的に取得し、該開放電圧値から前記太陽光発電手段の温度を推定することを特徴とする太陽光発電システム。

請求項4

請求項2または3記載の太陽光発電システムにおいて、前記制御部は、前記診断モードにおいて、前記第2動作点を短絡端まで移動させて前記検出手段の検出により短絡電流値を直接的に取得し、該短絡電流値から前記太陽光発電手段の日射強度を推定することを特徴とする太陽光発電システム。

請求項5

請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の太陽光発電システムにおいて、前記補正最大電力値に対して、前記太陽光発電手段と前記電源装置との間を接続する配線線種及び長さに基づいて補正し、該補正された補正最大電力値及び前記最大電力点のおける検出値に基づいて前記太陽光発電手段の出力性能を診断することを特徴とする太陽光発電システム。

請求項6

請求項1記載の太陽光発電システムにおいて、前記太陽光発電手段は、複数の太陽光ストリングを有し、前記電源装置は、前記各太陽光ストリングに対応させて接続された複数のコンバータと、前記各コンバータからの出力を受けて系統連系するインバータとを備え、前記制御部は、診断モードを実行する際に、前記複数の太陽光ストリングのうちのいずれか1つに接続されたコンバータを選択して診断モードを実行する一方、残りの太陽光ストリングに接続されたコンバータは通常モードで運転させることを特徴とする太陽光発電システム。

請求項7

請求項1記載の太陽光発電システムにおいて、前記制御部は、所定の期間毎に前記診断モードを実行するように構成されており、前記各診断モードで取得された、前記補正最大電力値及び前記最大電力点における検出値または前記補正最大電力値と前記最大電力点における検出値との電力差を累積的に蓄積し、該蓄積結果に基づいて、前記太陽光発電手段の経時劣化による出力性能の低下を診断することを特徴とする太陽光発電システム。

請求項8

太陽光発電手段の出力を変換する電源装置であって、前記太陽光発電手段の出力端子間に接続されたスイッチ手段と、前記太陽光発電手段からの入力電流及び入力電圧を検出する検出手段と、前記太陽光発電手段の動作点を移動させて最大電力点を探索するMPPT制御が可能に構成された制御部とを備え、前記制御部は、通常モードにおいて、MPPT制御を行う一方、前記太陽光発電手段の診断モードにおいて、前記動作点を前記MPPT制御時よりも大きく移動させ、所定の期間内に前記最大電力点及び前記移動した動作点における前記検出手段からの検出値を取得し、前記移動した動作点における検出値に基づいて前記太陽光発電手段の日射強度及び温度の少なくともいずれか一方を推定し、該推定値に基づいて予め定められている基準最大電力を補正し、該補正された補正最大電力値及び前記最大電力点における検出値に基づいて前記太陽光発電手段の出力性能を診断することを特徴とする電源装置。

請求項9

太陽光発電手段の出力性能を診断する診断方法であって、前記太陽光発電手段を最大電力点で動作させるMPPT制御を行う工程と、前記最大電力点における最大電力を検出する工程と、前記最大電力点より電圧の低い第1動作点で電流を検出し、該電流に基づいて前記太陽光発電手段への日射強度を推定する工程と、前記最大電力点より電流の低い第2動作点で電圧を検出し、該電圧に基づいて前記太陽光発電手段の温度を推定する工程と、前記推定された日射強度、前記推定された温度及び予め定められている基準最大電力に基づいて、該推定された日射強度及び前記推定された温度における最大電力の性能値を推定する工程と、前記検出された最大電力及び前記推定された最大電力の性能値に基づいて前記太陽光発電手段の出力性能を診断する工程とを含むことを特徴とする太陽光発電手段の診断方法。

技術分野

0001

本発明は、太陽光発電システム電源装置に関し、特に、出力性能診断する機能を有する太陽光発電システム及びそれに用いられる電源装置、並びに太陽光発電手段の診断方法に関するものである。

背景技術

0002

太陽光発電システムにおいて、太陽光パネルの異常は、発電量の低下につながり、その状態が続くと逸失利益が増加する。したがって、太陽光パネルや、該太陽光パネルを複数組み合わせた太陽光ストリングの異常を早期に発見したり、発電性能劣化傾向を示して保障ベル以下になったことを速やかに判定したりすることが重要である。

0003

ところで、太陽光パネルや太陽光ストリング(以下、これらをまとめて太陽光発電手段ともいう)の発電電力は、受光日射強度及び素子温度によって規定される。一般的に、太陽光発電手段は屋外に設置され、日射強度は刻一刻と変化するとともに、太陽光発電手段を構成する太陽電池の素子温度も日射強度、気温、風等によって刻々と変化する。

0004

したがって、従来、太陽光発電手段の異常診断のためには、日射強度及び素子温度の変化を観測するために、全天日射計及び温度計が必要であった。例えば、特許文献1では、計測データ取得手段によって太陽電池周辺日射量及び温度を計測し、該計測された環境データを用いて最大動作点推定し、太陽電池が異常状態であるか否かを判定している。

先行技術

0005

特許第5581965号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、日射量はその変化が激しく、例えば1秒以内で大きく変化する場合がある。その結果、日射計による日射強度の計測時間と、太陽光発電手段の特性(例えば、最大電力)の計測時間との間に時間差が生じる。特許文献1に記載されたような従来技術では、この時間差によって日射強度に基づく最大動作点の推定が正確に実施されない場合があり、異常判定が正確に実施できない場合がある。より具体的には、例えば日射量が減少した時に、日射計による日射強度の計測値が低下する前に太陽光発電電力落ちるような場合があり、異常判定が正確に行えない場合がある。

0007

さらに、太陽光発電手段の出力性能の経年劣化を確認する目的で計測データを蓄積し、比較するような場合においても、日射強度が正しく反映されていない可能性のあるデータを含んでいると、正しく経年劣化状態の把握ができない場合がある。

0008

温度計に関しても、特許文献1に開示されているように太陽光パネル周辺温度を計測したり、太陽光パネルの所定のポイントピンポイントで計測したりするのが一般的である。しかし、太陽光パネル周辺の温度によって正確なパネル温度を計測するのは難しい場合がある。ピンポイントでパネル温度を測定した場合においても、太陽光パネルが一定の広さを有するため、例えば太陽光パネル内で温度計が設置されたポイントと離れた位置のように、太陽光パネル内の位置によって、実際の温度と計測温度との間に差異が生じる場合がある。近年増加しているメガソーラーステムのように、太陽光発電システムが大規模になると、太陽光パネルや太陽光ストリングの数が増加するため、計測温度のずれはさらに大きくなる。この対策として、温度計の数を増やすことが考えられるが、このような正確な計測を要する温度計は高額であるという問題があり、計測地点の増加はコストが高くなる問題がある。日射計に関しても、測定精度を高めるために設置数を増加させると、同様のコストの問題が発生する。

0009

さらに、例えば、パワーコンディショナー内の回路設計において、日射計や温度計の配置によっては、その計測に影響を与えないような追加回路の検討が必要になる場合がある。

0010

上記問題に鑑み、本発明は、日射計、温度計等の特別な計測装置を用いることなく太陽光発電手段の出力性能をより正確に診断することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明に係る太陽光発電システムは、電源装置を制御する制御部が、太陽光発電手段の動作点をMPPT(Maximum Power Point Tracking)制御時よりも大きく移動させ、移動した動作点において、検出手段から入力電流及び入力電圧検出値を取得し、その検出値に基づいて太陽光発電手段の日射強度及び温度の少なくともいずれか一方を推定し、その推定値を用いて太陽光発電手段の出力性能を診断するように構成されている。

0012

この態様によると、MPPT制御時よりも大きく動かされた動作点における入力電圧、入力電流の検出値に基づいて、太陽光発電手段の出力性能を診断することができるように構成されている。すなわち、日射計及び/または温度計等の特別な計測装置(追加の計測装置)を用いることなく、太陽光発電手段の出力性能を診断することができる。

0013

すなわち、本発明の第1態様では、太陽光発電手段と、該太陽光発電手段の出力を変換する電源装置と、該電源装置を制御する制御部とを備える太陽光発電システムであって、前記電源装置は、前記太陽光発電手段の出力端子間に設けられたスイッチ手段と、前記太陽光発電手段からの入力電流及び入力電圧を検出する検出手段とを有し、前記制御部は、通常モードにおいて、前記スイッチ手段のオンオフ制御により前記太陽光発電手段の動作点を移動させて最大電力点を探索するMPPT制御を行う一方、前記太陽光発電手段の診断モードにおいて、前記動作点を前記MPPT制御時よりも大きく移動させ、所定の期間内に前記最大電力点及び前記移動した動作点における前記検出手段からの検出値を取得し、前記移動した動作点における検出値に基づいて前記太陽光発電手段の日射強度及び温度の少なくともいずれか一方を推定し、該推定値に基づいて予め定められている基準最大電力補正し、該補正された補正最大電力値及び前記最大電力点における検出値に基づいて前記太陽光発電手段の出力性能を診断する。

0014

この態様によると、診断モードにおいて、制御部は、MPPT制御時よりも大きく動かした動作点における入力電圧、入力電流の検出値に基づいて、太陽光発電手段の日射強度及び/または温度を推定する。そして、その推定された値を用いて基準最大電力を補正して太陽光発電手段の出力性能を診断する。すなわち、日射計及び/または温度計等の特別な計測装置(追加の計測装置)を用いることなく、太陽光発電手段の出力性能を診断することができる。なお、MPPT制御が可能に構成された電源装置は、入力電圧及び入力電流を検出するための検出手段を有しており、本態様に係る入力電流及び入力電圧の検出にこの検出手段を用いることができる。

0015

さらに、入力電圧値及び入力電流値は、太陽光発電手段の各位置における温度や日射強度が反映された検出値が加算されたものになっている。したがって、太陽光発電手段全体に対して、より現実に近い形で日射強度や温度の推定ができる。その推定値を用いて太陽光発電手段の出力性能の診断を行うため、より正確な診断をすることができる。

0016

そして、上記態様の太陽光発電システムにおいて、前記制御部は、前記診断モードにおいて、前記動作点を少なくとも、前記最大電力点よりも電流の低い第1動作点及び前記最大電力点よりも電圧の低い第2動作点に移動させ、前記第1動作点における前記検出手段の検出値に基づいて前記太陽光発電手段の開放電圧値を取得し、該開放電圧値から前記太陽光発電手段の温度を推定するとともに、前記第2動作点における前記検出手段の検出値に基づいて前記太陽光発電手段の短絡電流値を取得し、該短絡電流値から前記太陽光発電手段の日射強度を推定する、ように構成されていてもよい。

0017

この構成によると、入力電圧、入力電流の検出値に基づいて、短絡電流開放電圧を推定し、該推定値から日射強度及び温度を推定する。日射強度及び温度の推定値を太陽光発電手段の出力性能の診断に用いるため、より正確な診断を行うことができる。

0018

さらに、上記態様の太陽光発電システムにおいて、前記制御部は、前記診断モードにおいて、前記第1動作点を開放端まで移動させて前記検出手段の検出により開放電圧値を直接的に取得し、該開放電圧値から太陽光発電手段の温度を推定する、ように構成されていてもよい。

0019

この構成によると、第1動作点を開放端まで移動させて開放電圧を直接的に取得するため、さらに正確に太陽光発電手段の出力性能の診断をすることができる。

0020

また、上記態様の太陽光発電システムにおいて、前記制御部は、前記診断モードにおいて、前記第2動作点を短絡端まで移動させて前記検出手段の検出により短絡電流値を直接的に取得し、該短絡電流値から前記太陽光発電手段の日射強度を推定する、ように構成されていてもよい。

0021

この構成によると、第2動作点を短絡端まで移動させて短絡電流を直接的に取得するため、さらに正確に太陽光発電手段の出力性能の診断をすることができる。

0022

さらに、上記態様の太陽光発電システムにおいて、前記補正最大電力値に対して、前記太陽光発電手段と前記電源装置との間を接続する配線線種及び長さに基づいて補正し、該補正された補正最大電力値及び前記最大電力点のおける検出値に基づいて前記太陽光発電手段の出力性能を診断する、ように構成されていてもよい。

0023

太陽光発電手段からの入力電流及び入力電圧は、太陽光発電手段と電源装置との間を接続する配線の線種及び長さによって影響を受ける。したがって、本態様のように、配線の線種及び長さに基づいて補正最大電力値を補正することにより、より正確に太陽光発電手段の出力性能の診断をすることができるようになる。

0024

また、上記態様の太陽光発電システムにおいて、前記太陽光発電手段は、複数の太陽光ストリングを有し、前記電源装置は、前記各太陽光ストリングに対して接続された複数のコンバータと、前記各コンバータからの出力を受けて系統連系するインバータとを備え、前記制御部は、診断モードを実行する際に、前記複数の太陽光ストリングのうちのいずれか1つに接続されたコンバータを選択して診断モードを実行する一方、残りの太陽光ストリングに接続されたコンバータは通常モードで運転させる、ように構成されていてもよい。

0025

この構成によると、診断モードが実行されたコンバータがある場合においても、他のコンバータが通常モードで運転され、かつ、診断モードでインバータを停止させることもない。このため、診断モードでコンバータを診断している場合においても、残りのコンバータで最大限に太陽電池を動かして電力を取り出すことができる。

0026

また、上記態様の太陽光発電システムにおいて、前記制御部は、所定の期間毎に前記診断モードを実行するように構成されており、前記各診断モードで取得された、前記補正最大電力値及び前記最大電力点における検出値または前記補正最大電力値と前記最大電力点における検出値との電力差を累積的に蓄積し、該蓄積結果に基づいて、前記太陽光発電手段の経時劣化による出力性能の低下を診断する、ように構成されていてもよい。

0027

この構成によると、電力値(電力差)を累積的に蓄積して、蓄積されたデータに基づいて経時劣化による出力性能の低下を診断するように構成されている。本開示では、出力性能の診断に必要なデータが、例えば、補正最大電力値と最大電力点における検出値又はそれらの差分のように少なくてすむというメリットがある。したがって、多数の太陽光発電手段を有するようなシステムであり、かつ、長期間(例えば数年〜数十年)でデータを蓄積し、太陽光発電手段の経時劣化を見るような場合に、特に適しているといえる。

0028

本発明の第2態様では、太陽光発電手段の出力を変換する電源装置であって、前記太陽光発電手段の出力端子間に接続されたスイッチ手段と、前記太陽光発電手段からの入力電流及び入力電圧を検出する検出手段と、前記太陽光発電手段の動作点を移動させて最大電力点を探索するMPPT制御が可能に構成された制御部とを備え、前記制御部は、通常モードにおいて、MPPT制御を行う一方、前記太陽光発電手段の診断モードにおいて、前記動作点を前記MPPT制御時よりも大きく移動させ、所定の期間内に前記最大電力点及び前記移動した動作点における前記検出手段からの検出値を取得し、前記移動した動作点における検出値に基づいて前記太陽光発電手段の日射強度及び温度の少なくともいずれか一方を推定し、該推定値に基づいて予め定められている基準最大電力を補正し、該補正された補正最大電力値及び前記最大電力点における検出値に基づいて前記太陽光発電手段の出力性能を診断する。

0029

本発明の第3態様では、太陽光発電手段の出力性能の診断方法であって、前記太陽光発電手段を最大電力点で動作させるMPPT制御を行う工程と、前記最大電力点における最大電力を検出する工程と、前記最大電力点より電圧の低い第1動作点で電流を検出し、該電流に基づいて前記太陽光発電手段への日射強度を推定する工程と、前記最大電力点より電流の低い第2動作点で電圧を検出し、該電圧に基づいて前記太陽光発電手段の温度を推定する工程と、前記推定された日射強度、前記推定された温度及び予め定められている基準最大電力に基づいて、該推定された日射強度及び前記推定された温度における最大電力の性能値を推定する工程と、前記検出された最大電力及び前記推定された最大電力の性能値に基づいて前記太陽光発電手段の出力性能を診断する工程とを含む。

0030

上記第2及び第3態様によると、第1態様と同様に、特別な計測装置(日射計及び/または温度計)を用いることなく、太陽光発電手段の出力性能を診断することができる。さらに、入力電圧値及び入力電流値は、太陽光発電手段の各位置において温度や日射強度が反映された検出値が加算されたものになっているため、より現実に近い形で日射強度や温度の推定ができる。

発明の効果

0031

本発明によると、所定の期間内に取得された検出手段からの検出値に基づいて太陽光発電手段の出力性能を診断するため、日射計、温度計等の特別な計測装置を用いることなく太陽光発電手段の出力性能を診断することができ、かつ、より正確な診断を実現することができる。

図面の簡単な説明

0032

太陽光発電システムの構成を示した図である。
非絶縁型のDC/DCコンバータを示す回路図である。
絶縁型のDC/DCコンバータを示す回路図である。
太陽光発電システムの動作を示すフロー図である。
DC/DCコンバータの動作を示すフロー図である。
DC/DCコンバータの診断モードに係る動作を示すフロー図である。
太陽光発電手段の出力性能の診断方法を説明するための図である。
太陽光パネルのI−V曲線の一例を示した図である。
太陽光発電手段の設置期間と発電量との関係を示した図である。
図9の領域Aを拡大した拡大図である。

実施例

0033

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用範囲あるいはその用途を制限することを意図するものではない。

0034

(太陽光発電システムの構成)
図1は実施形態に係る太陽光発電システムの構成例を示した図である。

0035

太陽光発電システム1は、太陽光発電手段2と、太陽光発電手段2で発電された直流電力交流電力に変換して商用電源系統9の配電線と連系させるパワーコンディショナー3と、管理ホストサーバ10とを備えている。

0036

太陽光発電手段2は、複数の太陽光ストリング20を備えている。各太陽光ストリング20は、直列接続された複数の太陽光パネル21によって構成されている。図1では、太陽光発電手段2が3つの太陽光ストリング20を備える例を示している。なお、太陽光ストリング20の数は、3つに限定されない。また、各太陽光ストリング20を構成する太陽光パネル21の数は、任意に設定することができ、各ストリング20間でその数が異なっていてもよい。

0037

パワーコンディショナー3は、複数のDC/DCコンバータ4と、DC/ACインバータ5と、ACフィルタ回路6と、統括制御部7と、電源部8とを備えている。

0038

DC/DCコンバータ4は、太陽光ストリング20と1対1対応するように設けられており、接続された太陽光ストリング20の発電量を制御する。各DC/DCコンバータ4からの出力は、足し合わされてDC/ACインバータ5に入力される。DC/ACインバータ5では、直流交流変換が行われ、ACフィルタ回路6を介して、商用電源系統9の配電線に連系される。

0039

ACフィルタ回路6は、DC/ACインバータ5からの出力のノイズを除去したり、系統側からの環境要因等による外乱を防止したりする機能を有する。さらに、ACフィルタ回路6は、系統側の電流及び電圧を検出する検出手段(図示しない)を備えており、系統側の電圧、電流、電力データを統括制御部7で把握できるようになっている。

0040

統括制御部7は、各DC/DCコンバータ4の制御部44や、管理ホストサーバ10との間でデータ通信を行う通信部71と、記憶部72とを備えており、太陽光発電システム1の動作を統括制御する。

0041

電源部8は、統括制御部7及びDC/ACインバータ5の駆動回路に電源を供給する。DC/DCコンバータ4の制御部44は、電源部8からの電源供給を受けて動作させてもよいし、太陽光ストリング20の発電電力を用いて動作するようにしてもよい。

0042

管理ホストサーバ10は、太陽光発電システム1の運転動作監視するためのものであり、統括制御部7の通信部71とデータ通信を行う通信部11と、記憶部12とを備えている。

0043

−DC/DCコンバータの構成−
次に、DC/DCコンバータ4の構成について図2及び図3を用いて詳細に説明する。DC/DCコンバータ4は、非絶縁型または絶縁型のどちらでもよく、図2に非絶縁型の回路例、図3に絶縁型の回路例を示している。図2及び図3において、L21,L31はインダクタであり、C21,C22,C31〜C36はコンデンサである。また、D21,D31,D32はダイオードであり、SW22,SW33はスイッチング素子であり、T31はトランスである。

0044

図2及び図3に示すように、DC/DCコンバータ4は、スイッチ部41のオンオフ制御によって太陽光ストリング20の動作点が変更可能に構成されたチョッパ方式のコンバータである。スイッチ部41は、図2の回路例では、スイッチング素子SW21で構成され、図3の回路例では、スイッチング素子SW31及びSW32で構成されている。スイッチング素子SW21,SW31,SW32は、オンオフ制御が可能に構成されていればよく、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、FET(Field effect transistor)等のトランジスタを用いることができる。

0045

DC/DCコンバータ4は、さらに、太陽光ストリング20に接続された入力端子IN間の電圧を検出する電圧検出回路42と、一端が入力端子INのいずれか一方に接続されて太陽光ストリング20からの入力電流を測定する電流検出回路43と、スイッチ部41をオンオフ制御する制御部44とを備えている。DC/DCコンバータ4の出力端子OUTは、DC/ACインバータ5の入力端子に接続される。

0046

制御部44は、MPPT(Maximum Power Point Tracking)部44aと、電力算出部44bと、診断モードの制御を行う診断部44cと、通信部44dとを備えている。

0047

MPPT部44aは、通常モードの期間中に、スイッチ部41をオンオフ制御して太陽光ストリング20の動作点を移動させて最大電力点を探索するMPPT制御を行う。電力算出部44bは、電圧検出回路42及び電流検出回路43からの検出結果に基づいて電力値を算出する。通信部44dは、統括制御部7の通信部71との間でデータ通信可能に構成されている。具体的には、通信部44dは、統括制御部7から動作モード(通常モード/診断モード)等の制御指示を受信する。また通信部44dは、電圧検出回路42、電流検出回路43、電力算出部44bで取得された検出値データ算出データエラー情報、自機の識別番号等を統括制御部7に送信する。

0048

(太陽光発電システムの動作)
次に、太陽光発電システム1の動作について、図4図7を用いて詳細に説明する。

0049

以下の説明では、太陽光ストリング20は、第1〜第3ストリング20a,20b,20cを備えるものとし、それぞれに1対1対応したDC/DCコンバータ4(第1〜第3コンバータ4a,4b,4c)が接続されているものとする。

0050

まず、太陽光発電システム1が動作を開始すると、第1〜第3コンバータ4a,4b,4cはそれぞれ通常モードで動作する。すなわち、それぞれのコンバータ4a,4b,4cでMPPT制御が行われて、各ストリング20a,20b,20cから最大電力が取り出される。

0051

次に、統括制御部7は、所定の条件が満たされると、各コンバータ4a,4b,4cの制御部44に対して、これらを診断モードで動作させるように順次制御する。以下、図4を参照しながら詳細に説明する。

0052

ここで、所定の条件とは、任意の条件を設定することが可能である。例えば、所定の条件として、管理ホストサーバ10からの指示や、パワーコンディショナー外部に設けられた操作部(図示しない)や外部のリモコン(図示しない)等からの操作(指示)を受けた場合としてもよい。また、所定の条件として、所定の期間毎としてもよく、例えば、週毎、日毎、時間毎としてもよいし、例えば毎日指定された時間等を設定してもよい。さらに、所定の条件が、複数の条件の組み合わせであってもよい。例えば、毎日の測定の中で(第1条件)、太陽光発電手段の出力が定格出力の80%以上得られている場合(第2条件)に診断モードで動作させる、というような条件にしてもよい。また、例えば、設置初期には初期不良の可能性があるため、短い期間(第1期間)での診断モードを実行し(第1条件)、安定期に入った後は第1期間よりも長い期間(第2期間)毎に診断モードを実行する(第2条件)ようにしてもよい。

0053

図4のS10において、統括制御部7は、第1コンバータ4aに対して診断モードで動作するように指示する。その指示を受けた第1コンバータ4aの制御部44では、通常モードでの動作を一旦停止させるとともに、図2のSW22又は図3のSW33をオフ制御し、後述する診断モードに移行する。換言すると、制御部44は、MPPT部44aによるMPPT制御から、診断部44cによる第1ストリング20aの出力性能の診断制御切り替える(S11)。また、制御部44は、MPPT制御時には、図2のSW22又は図3のSW33をオン制御する一方、診断モード時には、図2のSW22又は図3のSW33をオフ制御する。

0054

S11において、診断モードに係る計測が終わると、第1コンバータ4aの制御部44は、その検出データを統括制御部7に送信し(S12)、通常モードに戻る。すなわち、第1コンバータ4aの制御部44は、再びMPPT制御による最大電力点の探索を開始する(S13)。統括制御部7は、第1コンバータ4aの制御部44から送信された計測データを受け(S14)、該計測データを解析して解析結果を管理ホストサーバ10に報告する(S15)。例えば、上記解析の結果、第1ストリング20aに異常があることを発見した場合、その旨を管理ホストサーバ10に通報する。通報を受けた管理ホストサーバ10又は該管理ホストサーバ10の管理者は、必要に応じた処理(例えば、作業員手配連絡)を行う。

0055

S14の後、統括制御部7は、第2コンバータ4bに対して診断モードで動作するように指示する(S20)。S20〜S25では、統括制御部7及び第2コンバータ4bの制御部44で、S10〜S15に係るフローと同様の処理が実行される。

0056

第2コンバータ4bの出力性能の診断が終わると、統括制御部7は、第3コンバータ4cに対して診断モードで動作するように指示する(S30)。そして、S30〜S35において、統括制御部7及び第3コンバータ4cの制御部44で、S10〜S15に係るフローと同様の処理が実行される。

0057

その後、前述の所定の条件が成立するまでの間、第1〜第3コンバータ4a,4b,4cは通常モードで動作する。そして、前述の所定の条件が満たされれば、再びフローはS10に戻って、統括制御部7は、各コンバータ4a,4b,4cの制御部44に対して、これらを診断モードで動作させるように順次制御する。図4では、前述の所定の条件が所定の期間毎となっている場合の例を示しており、この場合、例えばS34から所定期間経過後にフローはS10に戻って、統括制御部7は、再び各コンバータ4a,4b,4cの制御部44に対して、これらを診断モードで動作させるように順次制御する。

0058

以上のように、統括制御部7は、各コンバータ4a,4b,4cの制御部44に対して、これらを順次診断モードで動作させている。一方で、図4にも示すように、診断モードが実施されていない他のコンバータは、通常モードで動作(MPPT制御)しており、これらの通常モードで動作するコンバータからの出力がDC/ACインバータ5から商用電源系統の配電線に対して流し込まれている。すわなち、本開示に係る太陽光発電システム1は、該システムの運転を停止させることなく、出力電力の減少を最小限にとどめた状態で、各ストリングの出力性能を診断することができるようになっている。

0059

なお、上記の態様では、統括制御部7が計測データを解析するものとしたが、これに限定されず、計測データの解析を管理ホストサーバ10や各コンバータ4a,4b,4cの制御部44が実施するようにしてもよい。例えば、管理ホストサーバ10で計測データの解析を行う場合、S14,S24,S34において統括制御部7は、各コンバータ4a,4b,4cの制御部44から受けた計測データをそのまま管理ホストサーバ10に送信する。この場合において、統括制御部7は、図4のS15,S25,S35に示すように、管理ホストサーバ10に対して、コンバータ4a,4b,4c毎に計測データを送信してもよいし、図4のS15,S25を行わずに、すべてのコンバータ4a,4b,4cのデータを受けた後に、S35において、一括して計測データを送付するようにしてもよい。

0060

また、S14,S24,S34において、統括制御部7は、各コンバータ4a,4b,4cからデータを受信する度に、管理ホストサーバ10に解析結果を送信する(図4のS15,S25,S35参照)ものとしたが、これに限定されない。例えば、図4のS15,S25を行わずに、すべてのコンバータ4a,4b,4cの解析が終わった後に、S35において、一括して解析結果を送付するようにしてもよい。例えば、所定期間のデータを保持し、まとめて管理ホストサーバ10に送信したりしてもよいし、異常が発生した場合には直ちに報告し、それ以外は所定期間まとめて送信する等、送信間隔をデータの優先順位に応じて定めるようにしてもよい。

0061

−DC/DCコンバータの動作−
次に、図5図7を用いて、DC/DCコンバータ4(4a,4b,4c)の動作について詳細に説明する。より具体的には、図4のS11,S21,S31における通常モードから診断モードに移行した後の動作を中心により詳細に説明する。以下の態様では、第1コンバータ4aを例に説明するが、第2,第3コンバータ4b,4cについても同様である。

0062

図5に示すように、まず、第1コンバータ4aのMPPT部44aは、スイッチ部41をオンオフ制御して太陽光ストリング20の動作点を移動させて最大電力点を探索するMPPT制御を行う(S51)。

0063

そして、図4のS11において、統括制御部7からの診断モードの指示を受けると(図5のS52でYES)、第1コンバータ4aでは、診断モードが実行される(S53)。より具体的には、S53では、制御部44の制御がMPPT部44aによるMPPT制御から、診断部44cによる第1ストリング20aの出力性能の診断制御に切り替わり図6に示すフローが実行される。

0064

まず、S61では、診断部44cは、MPPT部44aで探索された最大電力点における最大電力Pdmaxを取得する。具体的には、電力算出部44bが最大電力点において電圧検出回路42及び電流検出回路43で検出された電圧値及び電流値に基づいて最大電力を算出し、診断部44cは、電力算出部44bで算出された最大電力Pdmaxを取得する。その後、第1ストリング20aの動作点を開放端寄りの第1動作点P1(図7参照)まで移動させ、電圧検出回路42で検出された電圧値Vd1を取得する。その後、S62では、診断部44cは、第1ストリング20aの動作点を第1動作点P1から短絡端寄りの第2動作点P2(図7参照)まで移動させ、電流検出回路43で検出された電流値Id2を取得する。ここで、S61及びS62における動作点の移動と、該移動位置での最大電力Pdmax、電圧値Vd1及び電流値Id2の取得は、所定の期間内に行われる。所定の期間内とは、例えば、日射量や温度が実質的に変化するまでの期間内であるのが好ましい。所定の期間は、例えば2秒以内であり、より好ましくは、例えば0.5秒以内である。このように所定の期間を定めることにより、日射量や温度の変化の影響を実質的に排除した状態で、各検出値を取得することができる。これにより、第1ストリング20aの出力性能の診断をより正確に実施することができるようになる。

0065

その後、S61及びS62で検出された最大電力Pdmax、電圧値Vd1及び電流値Id2は、通信部44dを介して、統括制御部7に送信される。その後、第1コンバータ4aの制御部44では、通常モードによる運転に切り替えられる(図4ではS13)。より具体的には、制御部44の制御が診断部44cによる出力性能の診断制御から、MPPT部44aによるMPPT制御に切り替わる。

0066

S63では、統括制御部7は、第1動作点P1において電圧検出回路42から取得された電圧値Vd1に基づいて、開放電圧Voc1(図7参照)を推定する。開放電圧Voc1は、例えば、電圧値Vd1の値をそのまま用いたり、検出された電圧値Vd1を若干調整させたりすることで推定することができる。開放端寄りでは、第1ストリング20aの電流変化に対する検出電圧の変化が小さくなっているため、開放端寄りの電圧から開放電圧を推定しても、推定ずれが生じにくい。また、第1動作点P1として、開放端寄りの複数点を設定し、該複数の第1動作点で電圧検出回路42から電圧値を取得し、これらの取得結果から近似直線等の近似線を引いて開放電圧を推定してもよい。このような近似線を用いることで、より正確に開放電圧Voc1を推定することができる。また、開放電圧Voc1の推定に代えて、第1動作点P1を開放端まで移動させ、電圧検出回路42で直接的に開放電圧Voc1を測定するようにしてもよい。直接的な測定により、さらに正確に開放電圧Voc1を取得することができる。

0067

S63で開放電圧Voc1が推定(検出)されると、S64では、該開放電圧Voc1を用いた下式(1)に基づいて、第1ストリング20aの温度Tc1(太陽光パネル21を構成する太陽電池の素子温度)が推定される。

0068

Voc1−Voc0=α×(Tc1−25) 式(1)
式(1)において、Voc0は、予め定められている基準電圧であり、例えば公称開放電圧である。公称開放電圧とは、標準試験条件で検出された電圧であり、例えば、放射照度1000W/m2(Ee0)、AM(エアマス)1.5、太陽電池の素子温度25℃(Tc0)で測定された電圧である。また、αは第1ストリング20aの開放電圧の温度係数である。

0069

S65では、統括制御部7は、第2動作点P2において電流検出回路43から取得された電流値Id2に基づいて、短絡電流Isc1(図7参照)を推定する。短絡電流Isc1は、例えば、電流値Id2の値をそのまま用いたり、検出された電流値Id2を若干調整させたりすることで推定することができる。短絡端寄りでは、第1ストリング20aの電圧変化に対する検出電流の変化が小さくなっているため、短絡端寄りの電流から短絡電流を推定しても、推定ずれが生じにくい。また、第2動作点P2として、短絡端寄りの複数点を設定し、該複数の第2動作点で電流検出回路43から電流値を取得し、これらの取得結果から近似直線等の近似線を引いて短絡電流を推定してもよい。このような近似線を用いることで、より正確に短絡電流Isc1を推定することができる。また、短絡電流Isc1の推定に代えて、第2動作点P2を短絡端まで移動させ、電流検出回路43で直接的に短絡電流Isc1を測定するようにしてもよい。直接的な測定により、さらに正確に短絡電流Isc1を取得することができる。

0070

S65で短絡電流Isc1が推定(検出)されると、S66では、統括制御部7は、該短絡電流Isc1を用いた下式(2)に基づいて、第1ストリング20aの受光日射強度Ee1を推定する。

0071

Ee1=Isc1/Isc0×Ee0 式(2)
式(2)において、Isc0は、予め定められている基準電流であり、例えば公称短絡電流である。公称短絡電流とは、例えば、前述の標準試験条件で検出された電流である。また、Ee0は標準試験条件に用いられる日射強度である。

0072

S67では、統括制御部7は、S64及びS66で推定された温度及び受光日射強度の推定値Tc1,Ee1を用いた下式(3)に基づいて、最大電力値Pmax1を推定する。最大電力値Pmax1とは、該診断モードに係る計測条件下での第1ストリング20aの出力性能を推定した電力値である。

0073

Pmax1=Pmax0×Ee1×β×(Tc1−25) 式(3)
式(3)において、Pmax0は、予め定められている基準最大電力であり、例えば公称最大電力である。公称最大電力とは、例えば、前述の標準試験条件で検出された電力である。また、βは第1ストリング20aの最大電力点における出力電力の温度係数である。Pmax1が取得されると、フローは図5に戻ってS54に進む。

0074

S54では、統括制御部7は、(1)第1コンバータ4aの制御部44から受信した推定最大電力値Pmax1と計測最大電力値Pdmaxとの比較、及び(2)推定最大電力値Pmax1、短絡電流Isc1の推定値及び開放電圧Voc1の推定値を用いて推定I−Vカーブを作成し、その推定I−Vカーブと標準試験条件におけるI−Vカーブとを比較を実施することで、太陽光発電手段の出力性能を診断する。

0075

より具体的には、例えば、(1)推定最大電力値Pmax1と計測最大電力Pdmaxとを比較し、その絶対値による差が所定の電力値Ps未満であり、かつ、(2)上記推定I−Vカーブと標準試験条件におけるI−Vカーブとの形状が所定の基準を満たす場合(S54でYES)、出力性能が十分であると判断し、フローはS55に進む。上記所定の基準とは、任意に設定することが可能である。例えば、上記所定の基準を満たしているか否かは、推定I−Vカーブと標準試験条件におけるI−Vカーブとの絶対値の差分が所定の範囲内にあることことに基づいて判断することができる。

0076

S55では、統括制御部7は、上記(1)及び(2)に該当する正常状態の時に送信する所定のデータである正常時データを管理ホストサーバ10に送信し、管理ホストサーバ10はその値を記憶部12に記憶し、蓄積する(図4では、S15,S25,S35)。正常時データは、診断結果が正常であったことの把握(確認)が可能なデータであればよく、特に限定されるものではない。正常時データは、例えば、(A)推定最大電力値Pmax1及び計測最大電力値Pdmaxまたはその電力差Pdiff(Pdiff=Pmax1−Pdmax)、及び(B)温度及び受光日射強度の推定値Tc1,Ee1、または短絡電流Isc1の推定値及び開放電圧Voc1の推定値である。これにより、管理ホストサーバ10において、上記(A)及び(B)のデータから上記推定I−Vカーブを描画することができるため、統括制御部7における判断に対する確認を再現することができるとともに、その確認記録を残すことができる。さらに、統括制御部7がI−Vカーブを送る場合と比較して、送信するデータ量を大幅に削減することができる。また、正常時データとして、S54において太陽光発電手段の出力性能を診断した結果が正常であった旨の報告データを送付するようにしてもよい。

0077

なお、正常時データが、上記(A)に記載した、推定最大電力値Pmax1及び計測最大電力値Pdmaxまたは電力差Pdiffのみであってもよい。少なくとも上記(A)のデータがあれば、管理ホストサーバ10側で、出力性能の診断結果が正しいことの確認(判断)を行うことができるためである。これにより、送信データ量をさらに削減することができる。

0078

また、統括制御部7は、上記電力値Pmax1,Pdmax,Pdiffを自機内の記憶部72に記憶、蓄積してもよい。また、管理ホストサーバ10や統括制御部7の記憶部72に記憶、蓄積されるデータは拡張されてもよく、例えば、第1及び第2動作点の電流検出値Id1,Id2、電圧検出値Vd1,Vd2値等を蓄積してもよい。

0079

一方で、(3)最大電力値Pmax1と基準最大電力Pmax0との比較結果(絶対値差)が所定の電力値Ps以上である場合、または、(4)上記推定I−Vカーブと標準試験条件におけるI−Vカーブとの形状が所定の基準を満たしていない場合(S54でNO)、出力性能が不足していると判断し、フローはS56に進む。S56では、統括制御部7は、管理ホストサーバ10に対して出力性能が不足していること(異常状態)を報知したり、自機に設けられた表示部(図示しない)や外部のリモコン(図示しない)に対して異常表示等したりする。

0080

さらに、S57において、統括制御部7は、上記(3)または(4)の条件に該当する異常状態時に送信する所定のデータである異常時データを管理ホストサーバ10に送信し、管理ホストサーバ10はその値を記憶部12に記憶し、蓄積する(図4では、S15,S25,S35)。異常時データは、診断結果が異常状態であったことの把握(確認)が可能なデータであればよく、特に限定されるものではない。例えば、異常時データは、(B)温度及び受光日射強度の推定値Tc1,Ee1、または短絡電流Isc1の推定値及び開放電圧Voc1の推定値、(C)最大電力値Pmax1、及び(D)Pmax1の取得時にあわせてI−V曲線を取得するか、またはS56後に新規にI−V曲線を取得するようにし、その取得されたI−V曲線のデータである。管理ホストサーバ10では、受信した最大電力値Pmax1及びI−V曲線を記憶し、蓄積する(図4では、S15,S25,S35)。また、前述のとおり、管理ホストサーバ10又は該管理ホストサーバ10の管理者は、異常状態に応じた必要な処理(例えば、作業員の手配連絡)を行う。その際、管理ホストサーバ10側において、受領したI−V曲線を解析するようにしてもよい。I−V曲線を解析することにより、異常状態をより詳細に解析することができる。

0081

図8は、取得されたI−V曲線例を示している。例えば、波形例1は、日射不足等による出力不足の例を示しており、波形例2,3は、太陽光パネルに異常があった場合の波形の例である。このように、出力性能が不足していると判断された場合にI−V曲線を取得して、解析するようにすることにより、より詳細に出力性能が不足している原因を把握することができ、その後の適切な対応を選択することができる。

0082

以上のように、本実施形態によると、各コンバータ4a,4b,4cの制御部44が、所定の期間内に、最大動作点Pmax、第1動作点P1及び第2動作点P2における検出値を取得し、統括制御部7が、該取得値に基づいて日射強度及び温度を推定し、その推定結果に基づいて、各ストリング20a,20b,20cの出力性能を診断するように構成されている。すなわち、第1動作点P1及び第2動作点P2で検出された電圧値、電流値に基づいて日射強度及び温度を推定することができるため、日射計や温度計等の特別な計測装置を用いることなく、太陽光発電手段の出力性能を診断することができる。

0083

なお、S54において、上記(1)または(2)のいずれか一方の条件に基づいて、太陽光発電手段の出力性能を診断し、正常状態(フローがS55に進む)か、異常状態(フローがS56に進む)かを判断するようにしてもよい。

0084

(その他の実施形態)
−経年劣化による出力性能低下の診断−
例えば、管理ホストサーバ10は、経年劣化による出力性能低下の診断が可能に構成されていてもよい。経年劣化は、例えば記憶部72に蓄積された電力値Pmax1,Pdmax,Pdiffのデータに基づいて実施することができる。以下、図9及び図10を用いて具体的に説明する。

0085

ここで、図9は推定最大電力値Pmax1と、計測最大電力値Pdmaxとの電力差であるPdiffを所定の期間毎に計測して、該計測値をプロットしたグラフである。図10は、図9の範囲Aを拡大したグラフである。

0086

経年劣化を診断する場合、例えば、図9に示すように、Pdiffの閾値PTを定めて、例えば、Pdiffが複数回連続してこの閾値PTを超えたときに経年劣化が進行して、出力性能が不足している(交換時期が近い)と判定するようにしてもよい。

0087

このように、蓄積されたデータを用いて、複数回連続等の条件を付けることにより、図10に示すような、飛行機等の飛来物による影や天候)による影響等によって特異点X1,X2が発生した場合にも、その影響を極力排除できるようにすることができる。これにより、経年劣化の診断においても、より正確な診断ができるようになる。また、本態様では、解析に要するデータ(記憶する必要のあるデータ)が少なく、毎測定に対してI−V曲線を保存して蓄積する場合と比較して、データの累積的な蓄積に必要な記憶容量が大幅に少なくてすむというメリットがある。

0088

さらに、本発明の実施形態は、以下の改変が可能である。

0089

例えば、上記の態様では、診断モードにおいて、太陽光発電手段2(各ストリング20a〜20c)の日射強度及び温度を推定するものとしたが、いずれか一方は計測して取得するようにしてもよい。

0090

より具体的には、例えば、温度計を用いて太陽光発電手段2の温度を計測する場合、図6及び図7における温度Tc1を温度計から直接的に取得することになる。この場合、S61での第1動作点における電圧値Vd1の取得、S63及びS64での開放電圧Vco1、及び温度Tc1の推定は行わない。そして、S67におけるPmax1の推定において、上記計測された温度Tc1を用いる。それ以外は、上述の実施形態と同様のフローに基づいて太陽光発電手段の出力性能を診断することができる。

0091

同様に、例えば、日射計を用いて太陽光発電手段2の日射強度を計測する場合、図6及び図7における日射強度Ee1を日射計から直接的に取得することになる。この場合、S62での第2動作点における電圧値Id2の取得、S65及びS66での短絡電流Isc1、及び日射強度Ee1の推定は行わない。そして、S67におけるPmax1の推定において、上記計測された日射強度Ee1を用いる。それ以外は、上述の実施形態と同様のフローに基づいて太陽光発電手段の出力性能を診断することができる。

0092

また、診断モード期間中(図6のS61及びS62)において、診断部44cは、動作点を最大電力点から第1動作点、第2動作点と順次移動させて、最大電力Pdmax、電圧値Vd1、電流値Id2を取得するものとしたが、取得順序はこれに限定されず、任意の順番で取得すればよい。ただし、これらの値が、所定の期間内(例えば1秒以内)に取得されることが好ましい。

0093

さらに、診断部44cが、例えば、第1動作点から第2動作点の間でI−V曲線を取得し、該I−V曲線に基づいて、第1動作点における電圧値Vd1、最大電力点における最大電力Pdmax、第2動作点における電流値Id2を取得してもよい。この場合においても、上記I−V曲線は、所定の期間内(例えば1秒以内)で取得されるのが好ましい。これにより、上記実施形態と同様に、各ストリング20a,20b,20cの出力性能の診断をより正確に実施することができる。

0094

また、診断モード期間中(図6のS63〜S67)における各値の推定は、図6順序に限定されない。例えば、S64とS65との順序を入れ替えて、S65(Isc1の推定)をS64(Tc1の推定)より先に行ってもよい。また、S63−S64のフローと、S65−S66のフローとを独立して行うようにしてもよい。より具体的には、例えば、S63(Voc1の推定)とS65とを同時又はいずれか一方を先に開始し、S63の推定終了後におけるS64と、S65の推定終了後におけるS66(Ee1の推定)とがそれぞれ独立して行われるようにする。その場合、S64及びS66が終了した後にS67(Pmax1の推定)を行うようにすればよい。

0095

また、各コンバータ4a,4b,4cの制御部44において、MPPT制御を行うMPPT部44aと、診断制御を行う診断部44cとが別々のブロックである例を示したが、単一のMPPT部44aがMPPT制御及び診断制御を行うようにしてもよい。また、統括制御部7と各コンバータ4a,4b,4cの各制御部44とは、別々のブロックであるものとして説明したが、各制御部44及び統括制御部7の一部又はその全部が1つの集積回路(例えば、マイコン)で実現されていてもよいし、その機能が単一の制御部に統合されていてもよい。

0096

また、各コンバータ4a,4b,4cの制御部44に記憶部(図示しない)を設け、例えば、図5に係る診断モードのフロー及び診断後のデータの蓄積を各コンバータ4a,4b,4cで行うようにしてもよい。

0097

また、診断モードにおける太陽光発電手段2の出力性能の診断において、太陽光発電手段2とパワーコンディショナー3との間を接続する配線の線種及び長さに基づいて、式(3)から求められた最大電力値Pmax1を補正するようにしてもよい。その場合、S54において、統括制御部7は、上記補正された推定最大電力値Pmax1と、計測最大電力値Pdmaxとを比較することになる。このように、配線の線種及び長さに基づいて推定最大電力値Pmax1を補正することにより、配線の線種及び長さによる影響を排除することができ、より正確に太陽光発電手段2の出力性能の診断をすることができるようになる。

0098

日射計、温度計等の特別な計測装置を用いることなく、より正確に太陽光発電手段の出力性能を診断することができるため、診断機能を有する太陽光発電システムとして極めて有用である。

0099

1太陽光発電システム
2太陽光発電手段
3パワーコンディショナー(電源装置)
4 DC/DCコンバータ(電源装置、コンバータ)
5 DC/ACインバータ(インバータ)
7統括制御部(制御部)
20太陽光ストリング(太陽光発電手段)
21太陽光パネル(太陽光発電手段)
41 スイッチ部(スイッチ手段)
42電圧検出回路(検出手段)
43電流検出回路(検出手段)
44 制御部

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